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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
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X'mas Panic!!vol.1~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -akira-
 「11月に入って急に寒くなったな~。雪でも降りそうじゃねえ?」
 総二郎の言葉に、牧野も頷く。
「ほんと。どうせだったら12月24日に降らないかな。ホワイトクリスマス!」
 牧野の言葉に、総二郎がにやりと笑い、その顔をぐっと近づける。
「へえ~。つくしちゃんも女の子らしいこと言うようになったじゃん」
 からかうような口調に、牧野がむっと顔をしかめる。
「うるさいよ!あたしだってたまにはそういうこと言うの!悪い?」
 挑戦的な目で睨みながら言う牧野の視線をさらりと交わし、総二郎が笑顔になる。
「いいや?すっげえかわいいと思うけど?」
「!!」
 牧野の顔が真っ赤に染まる。
 まったく・・・・・・
 俺は溜息をついた。
 総二郎の罠にまんまと引っかかるあたり、やっぱり牧野は牧野だと思う。
「・・・・・総二郎、いい加減にしろよ。・・・牧野、迎え来た。乗るぞ」
 俺は、目の前に止まって、素早く開けられた後部座席にさっさと乗り込む。
「あ、うん。じゃあね、西門さん」
「おお、がんばれよ。またな、あきら」
 相変わらずニヤニヤと笑いながら軽く手を振る総二郎。
 俺はその姿を横目で見て・・・・・
 車が走りだすと、牧野のほうへ視線を移した。
「お前も、いい加減なれろよ、総二郎のああいうの」
 言われた牧野は、困ったように眉をひそめる。
「無理だよ。あたしが西門さんに敵うなんて、きっと一生ないもん」
 牧野の言葉に、俺はまた溜息をついた・・・・・。

 
 6月に類と牧野が正式に婚約してから、今日でちょうど5ヶ月だ。
 11月に入り、気の早いところは既にクリスマスムードになっている。
 今日はダンスのレッスンの日だ。
 毎週金曜日は牧野が俺の家へ来る。
 母親や妹たちにもすっかり気に入られ、妹たちは「つくしおねえちゃまだったらおにいちゃまと結婚してもいいわよ」なんて言っているくらいだ。
 もちろん俺もまだ牧野を諦めたわけではないので、こうして週1日でも、牧野を独占できるのは嬉しかった。
 今日は特に、類が朝から会社の方へ借り出されているので大学でもゆっくり話すことができてすこぶる上機嫌だった。もっとも、総二郎というもう1人のライバルの存在はあったけれど・・・・
 総二郎と俺とは、立場的には変わらない。
 ただ、総二郎は女の扱いにかけては天性(?)のものを持っているので、ときどきさっきみたいに俺がヤキモキするようなこともあり・・・・・
 どちらにしても毎日心休まることはなかった・・・・。


 「美作さん」
「ん?」
「今日って・・・・・ママさん、いらっしゃる?」
 牧野は、うちの母親のことをママさんと呼ぶ。
 というのも俺の母親に「ママと呼んで!」とせがまれ・・・・困った牧野が呼び始めたのが「ママさん」という呼び方だった。
「いや。今日は妹たち連れて知り合いのバイオリンコンサートに行ってる」
「そっか・・・・・」
 明らかにがっかりしたような表情の牧野。
 こいつは感情表現がストレートなので、そのときの気持ちがおもしろいくらいによくわかった。
「なんだよ?あの人に用事?」
「ん・・・・って言うか、お願いって言うか・・・・・」
「?なんだよ、はっきり言えよ」
「えっと・・・・・ママさんて、編み物とかも・・・・できるよね?」
「・・・・・まあな。妹たちのセーターとか、編んだりしてるよ」
「あの・・・・・・もし、時間あったら、とかでいいんだけど、その・・・あたしに、編み物教えてもらえないかなって・・・・・」
 赤い顔をしてしどろもどろになって言う。
 なんとなく、話が読めてきて・・・・・
「・・・・クリスマスプレゼントか?マフラー?セーター?」
「え」
 驚いたような顔で俺を見上げる。
 真っ赤に染まったその表情が、かわいかった。
「類に、作りたいんだろ?」
「・・・・・・ん・・・・・・その、あたし不器用で・・・・やったことあるんだけど、いつも失敗して途中でリタイヤしてたから、今度こそって思ったんだけど・・・・本で見てもいまいちよくわかんなくて。ママさん、そういうの得意そうだし。教えてもらえないかなあ」
「・・・・・俺が教えてやろうか?」
 と言うと、牧野がさらにびっくりしたような顔で「え!」と俺を見上げる。
「み、美作さんが!?編み物できるの!?」
「まあな。凝ったもんは無理だけど、セーターでもマフラーでも帽子でも・・・・一通りのものは作れる」
「すごい!でも、いいの?美作さんだって忙しいのに」
「だから、この週一のレッスン日にやればいいだろ。言っとくけど、クリスマスに仕上げようと思ってるんだったら急がないと間に合わないぜ」
「あ・・・・そ、そうだよね。どうしよう。何作るか、まだ決めてないんだけど」
「じゃ、材料選びながら考えよう。今日はこのまま店に行こうぜ」
 そう言って笑って見せると、牧野もほっとしたように微笑んだ。
「ありがと、美作さん」
 その笑顔にまた心ときめいて・・・・・
 でも類のためなんだと思うと、また胸がちくりと痛んだ・・・・・。


 「うわ、毛糸ってこんなに種類あるの?どうしよう、ぜんっぜんわからないんだけど」
 手芸用品の専門店につくと、牧野が店内を見回して目を丸くした。
「作るものによって違うんだよ。何作る?セーターは凝ったものだと時間かかるし、手作りってのは重いし洗濯も大変だぜ。やっぱ無難なとこでマフラーとか、帽子がいいんじゃねえの?」
「そう?あ、手袋とかは?」
「手袋は指んとことか、ぼこぼこしないようにするの大変かもよ。初心者には勧めねえ。あんまりおしゃれなのって作れねえし。早く作れておしゃれに見えるもの。で、お前でも作れそうなのってやっぱりマフラーと帽子がいいと思うけど、それじゃダメか?」
「ううん、じゃ、そうする。やっぱり美作さん一緒でよかった。あたし1人だったら、なんにも決めらんなかったかも」
 そう言って溜息をつく牧野。
「じゃ、次はデザイン、考えよう」
「デザイン?」
「そ。初心者の場合はあんまり凝ったデザイン選ぶと失敗するから・・・・・あ、ほらあそこに手作りニットの本とか並んでるから、見てみろよ」
 俺は店の片隅、ニット作りの本がたくさん並んだ一角を示した。
 2人並んで、1つ1つの本を手に取り、見てみる。
「え~、なんかどれも難しそう、できるかなー」
「やる前から情けねえこと言うなよ。大丈夫。俺がちゃんと教えてやるから」
 俺がそう言うと、牧野はチラッと俺を見上げて笑った。
「ありがと。ほんと美作さんって面倒見いいよね」
「・・・・・くだらねえこと言ってねえでちゃんと選べ。あ、これなんかどうだ?マフラーと帽子、そろいの柄のやつ。類に似合いそうじゃねえ?」
 そう言って、俺が見ていた本のページを牧野に見せてやると、牧野がそれを覗き込む。
 身を屈めた俺の手元を覗き込むように体を寄せて来る牧野。
 さらりと流れた髪からシャンプーの香りがして、思わずドキッとする。
「あ、ほんと、かわいいかも。でもこれ、あたしに作れるかなあ」
「・・・・だから、俺が教えてやるって言ってるだろ。ついでに自分の分も作れば?」
「ええ?お揃い?それって恥ずかしくない?」
 牧野が俺から身を離し、大げさに顔を顰めて見せる。
「アホ。俺がそんなださいこと言うかよ。同じデザインだって、色と素材を変えれば違うものに見えたりするもんだぜ。ま、時間がないかも知れねえけど。材料だけでも買っとけば?自分の分なら別にクリスマス意識する必要もねえし」
「うん・・・・そうだね。えっとじゃあ、どのくらい買えばいいのかな」
「使う毛糸の種類と量も書いてあんだろ。えっとこの毛糸は・・・・来いよ、こっち」
 そう言って俺はその本を持ったまま、先に立って歩き出す。
「あ、待って」
 牧野は慌てて自分が持っていた本を戻すと、俺の後をついてくる。
 
 あれこれと毛糸を選びながら・・・・
 なんだかデートでもしてるみたいな気分で、楽しくなってくる。
 類には絶対言えないっていうのがますますプラトニックな関係みたいでわくわくする。
 楽しそうな俺を見て牧野は不思議そうに首を傾げていたけれど・・・・・。

 「この色、いいな。類に似合いそう」
 そう言って牧野が手に取ったのは淡いブルーの毛糸。
 確かに類には似合いそうだ。
「自分のは?」
「あたしは・・・・どうしよう?」
 牧野が困ったようにぐるりと周りを見回す。
 色とりどりの毛糸。
「好きな色はあるけどさ、それが自分に似合うかどうかって、自分じゃよくわからないよ。・・・・やっぱり自分のは・・・・」
 いらない。
 そう言おうとしたんだろう。
 俺はそれを聞かずにくるっと向きを変えると、少し離れた棚へ歩いていった。
「美作さん?どうしたの?」
 牧野が気付いて慌てて着いてくる。
「・・・・これ、どう?お前に似合うんじゃねえかと思ったんだけど」
 それはさっき通りすがりにちらりと目に付いた毛糸。
 深いボルドーのそれは、最近女らしくなってきた牧野に似合うような気がした。
「え・・・・すごくきれいだけど・・・・大人っぽくない?あたしに合うかな?」
 自信なさげにその毛糸を手に取る牧野。
 俺はその毛糸を持って、牧野の頬に合わせて見た。
「ほら、似合う。俺のセンスを疑うなよ。このくらい大人っぽい色にしないと、毛糸の帽子なんてお前が被ったら子供っぽくなっちまう」
 そう言って笑ってやると、牧野はちょっと照れたように頬を染め、微笑んだ。
「じゃ、これにしようかな・・・・。ありがと、美作さん」
「いいから買って来い。金あるか?」
「うん。バイトでためてたお金、とっておいてあるの。こういうのはやっぱり自分で稼いだお金じゃないとね・・・・じゃ、行って来る」
 そう言うと牧野は、選んだ毛糸をカゴに入れ、レジに向かった。
 牧野らしい姿に、笑みが浮かぶ。
 婚約して、俺たちの教育を受けて、少しずつ女らしく変化してきた牧野。
 それでも本質的には変わらないあいつに、安心する。

 牧野が類と結婚しても、きっと俺の気持ちは変わらない。
 そんな妙な確信。
 あいつには言わないけれど・・・・・・
 ずっとあの笑顔が見れる位置にいたい。
 そう考えること事態は、罪じゃないよな・・・・?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 結局、「ブランコ」の続きを書くことにしました。いきなり新婚にいくよりは、やっぱり順を追っていったほうがいいかな~と・・・・。
 で、最初からいきなり類くん不在ですが(^^;)
 気長にお付き合いいただけたらうれしいです~

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X'mas Panic!!vol.2~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -tsukushi-
 美作さんの家へつくと、早速買ってきた毛糸を取り出し、一緒に買った本を広げた。
 本を見ながら、編み棒を持って最初だけでも自分でやろうとしていると、すぐに美作さんの声が飛んできた。
「そこ、違う」
「へ?どこが?」
「お前、基本的に編み棒の持ち方がなってねえんだよ。いいか、ここはこうして・・・・」
 そう言いながら、美作さんがあたしの後ろに回り、一緒に編み棒を持ちながら教えてくれる。
 突然後ろから覆いかぶさるような格好になり、その至近距離に思わずドキッとする。
 ふわりと香る、美作さんの優しい香り。
 ちらりと見上げれば、少し神経質っぽい、繊細できれいな顔。
 あたしの手に重なるその手も、男の人のくせにあたしよりきれいで、指も細くしなやかで・・・・
 重ねられたその手が熱く火照ってくるようで、落ち着かなかった。
「どうした?牧野、顔赤いぜ?」
「なな、なんでもない!」
 ふいに声をかけられ、思わずどもってしまう。
 やばっ、意識しすぎだってば!
「・・・・・・もしかして、緊張してる?」
 にやりと笑う美作さん。
「べ、別に!」
 そりゃあ、美作さんは女の人に触れることなんか慣れっこなんだろうけど!
「ぶっ。相変わらずおもしろいやつだな。ほら、こっちに集中しねえといつまで経っても終わんねえぜ?」
 美作さんの言葉に、はっとする。
「わ、わかってるわよ。ちゃんと集中してるってば」
「ふーん?まあいいや。じゃ、次。ここでこうして・・・・」


 「・・・・・このペースじゃクリスマスに間にあわねえなー」
 そろそろ帰らなくちゃいけないころになって、美作さんがぼそっと呟いた。
 あたしも内心そう思っていたので、思わずぎくりとする。
「ど、どうしよう・・・・?」
「んな心配そうな顔すんな」
 そう言って美作さんはあたしの頭をぽんと叩く。
「お前、俺んちの妹の家庭教師やんねえ?」
「へ?家庭教師・・・?」
 何で急にそんな話?
 と思っていると、美作さんが苦笑いする。
「バカ。本当にやるわけじゃなくって、口実。類にばれないようにやるには、俺んちに来るのが一番だろ。総二郎のところに行く日と土日を除く3日。週に4日、ここに来てそれが出来れば、何とかクリスマスに間に合うんじゃねえの?」
「で、でもそんなに・・・・美作さんだって忙しいでしょ?」
「ああ、毎日は付き合えねえかも知れねえけど・・・返ってそのほうが怪しまれなくてすむだろ。俺がいなくてもここに入れるようにしとくし、わからねえところがあったら母親に聞いとけよ」
「でも・・・・・いいの?ほんとに・・・・・」
 なんだかあたしのためにそこまでしてもらうのが申し訳なくって聞くと、美作さんはふっと優しい笑みをあたしに向けた。
「俺は、お前のためになるならそれでいい。俺のことは気にすんな。好きでやってんだ。それより類にばれねえように気をつけろよ。お前は嘘つくのが下手だから」
「う、うん・・・・」
「間に合うといいな、クリスマス」
「美作さん・・・・・」
 どう言ったらいいんだろう。
 うれしくて・・・・・
 でも申し訳なくって・・・・・
 ずきんと、胸が痛んだ。
「・・・・・1つ、頼みがある」
「え?」
「俺の前で、そういう顔はするな。俺は、お前の笑顔を見ていたい。そのためなら何でもしてやるから、俺の前では笑ってろ」
「・・・・・・・うん」
 何とか笑顔を見せ頷いてみせると、美作さんはうれしそうに微笑み、あたしの頭を優しく撫でてくれた。
「さ、そろそろ類が迎えに来るな。外に出よう。類には俺から話をするから、お前は黙ってろよ」
「ん・・・・・」


 「家庭教師・・・・・?」
 車であたしを迎えに来た類が、美作さんの話に顔を顰める。
「ああ、俺の母親が牧野を気に入ってるって話は前にしただろ?で、妹たちの家庭教師をやって欲しいんだってさ。っつっても、遊び相手みたいなもんだよな。妹たちも牧野と遊びたがっててさ。これから年末まで母親も忙しくって妹たちに付きっきりって訳にも行かないし。だから牧野が来てくれると助かるってさ。もちろんバイト代は払うし」
「けど、週3日って・・・・・牧野の自由な時間がなくなっちゃうよ」
「あ、あたしは大丈夫」
「牧野・・・・・」
「年末までの間だからさ、頼むよ」
 美作さんが手を併せて見せると、類は小さく溜息をつき、頷いた。
「・・・・・・わかった。じゃ、牧野、乗って」
「あ、うん。じゃ、美作さん、またね」
「ああ、気をつけてな」


 「・・・・牧野、大丈夫なの?」 
 美作さんの姿が見えなくなると、類は前を向いたまま口を開いた。
「何が?」
「だって、週に3日家庭教師に入って、後の2日はあきらと総二郎のところでお稽古だろ?大学の勉強だってあるのに・・・・」
「うん・・・・でも、年末までの間だし、勉強は残った時間でちゃんとやるようにするから」
「無理してない?」
「全然。朝から晩までバイトしてたころに比べたら、楽勝だよ!」
 そう言って笑って見せると、類も漸く安心したように笑ってくれた。
「牧野が大丈夫なら、俺はいいけど・・・。でも、これで週に4日もあきらの家に行くことになるよね。なんかそれ、心配なんだけど・・・・・」
「・・・・心配、要らないよ。だってあたしがレッスン受ける金曜日以外、美作さんも忙しくってほとんど家にいないって言ってたし」
 事前に美作さんに言われたとおり、類に説明する。
 ちょっと胸が痛んだけど・・・・せっかくあたしのために美作さんが考えてくれたんだから、ここで無駄にしちゃいけない。
「ふーん・・・。じゃ、いいけど。帰りは、また俺が迎えに行くから」
「え、いいよ、そんなの。毎日大変だし、そんなに遠くないんだから1人で大丈夫」
「ダメ。迎えにいけないときは連絡するから。勝手に1人で帰ったりしないでよ?」
「・・・・はーい」
 思わず、くすくすと笑いが零れる。
 そんなあたしを、ちらりと横目で睨む類。
 だって、うれしくて。
 うれしすぎて笑っちゃうんだもん、しょうがないよ。
 
 類は、あたしを1人にしておくのを嫌がる。
 それは束縛という名の愛情表現・・・・だと思ってる。
 心配しすぎ、とも思うけど、それだけあたしのことを思っててくれてるんだと思えば、それもうれしい気持ちのほうが勝つ。
 毎日2人で一緒の家へ帰る。
 一緒に寝て、一緒に起きて、一緒に大学へ行って・・・・・。
 こんなに幸せでいいんだろうかと思うくらい、今のあたしは幸せすぎると思う。
 道明寺のときのように、いつこの幸せが崩れてもおかしくないと、毎日心配しなくてもいい日々。
 こんな穏やかな日々に慣れていないあたしは、時々やっぱり不安になるけれど。
 その度に類は、優しく肩を抱き寄せて、あたしを安心させてくれる。
 ただ黙って抱きしめて。
 「愛してる」って耳元で囁いてくれる。
 くすぐったくって、未だに恥ずかしくって逃げ出したくなってしまうけど・・・・・。
 でもあたしだって、類が大好きだから。
 その気持ちをたまには形にしてみたくって、思いついたクリスマスプレゼント。

 やっぱりクリスマスプレゼントっていったらマフラーとか?手編みのセーター?
 優紀に相談したけど、「ごめん、あたししばらく忙しくって・・・・それにあたしも編み物はそんなに得意じゃないし」と言われてしまった。
 どうやら彼氏へのクリスマスプレゼントのために、バイトを増やしたらしい。
 桜子に聞くと、「手編み?だっさくないですかあ?今時」と馬鹿にされてしまった・・・・。
 滋さんには・・・・たぶん無駄だと思って相談しなかった。

 で、思いついたのは美作さんのお母さん。
 いつも手作りのケーキやクッキーを焼いてあたしをもてなしてくれるかわいくて優しいママさん。
 たぶん、編み物も出来るんじゃないかな?
 そう思って美作さんに聞いてみたんだけれど。
 まさか美作さんに教えてもらうことになるなんて思わなかった。
 美作さんは面倒見いいし、教え方もすごくうまいからもちろん嬉しいんだけど・・・・・
 でも、類のためにやってることを、美作さんに手伝ってもらっていいんだろうか・・・・
 そんな罪悪感があたしの心の中に広がって。
 そんなとき・・・・・
 『俺は、お前の笑顔を見ていたい。そのためなら何でもしてやるから、俺の前では笑ってろ』
 そう言って微笑んでくれた美作さん。
 あたしが気を使わないようにしてくれてるんだと思うと、なんだか涙が出そうになった。
 優しすぎるんだから・・・・・
 だから、いつも損な役、やらされることになって・・・・
 でもそれが、美作さんのいいところ。
 あたしも、もちろんF3だって分かってるんだよね・・・・・。


 「着いたよ、牧野」
 いつの間にか花沢の家についていた。
「あ、ほんと。ごめん、ボーっとしてた」
「・・・・・疲れてる?それとも何か考え事?」
 じっとあたしを見つめる、薄茶色のビー玉のような瞳に、どきりとする。
「な、なんでもないよ、ボーっとしてただけ」
 慌てて答えると、類は何も言わず・・・・
 突然あたしの腕を引っ張ると、チュッと触れるだけのキスをした。
「!―――な、何?」
「浮気予防」
「浮気って!」
「真っ赤になって慌てちゃって・・・・よそ見しちゃ、ダメだよ」
 じーっとあたしの目を見つめる類。
 さっきからあたしの心臓はすごく早い鼓動を打っていた。
「し、してないってば」
「・・・・・・怪しい」
「類!」
「・・・・・信じて欲しい?」
「あたりまえでしょ!」
「じゃ、証明して見せて」
 にっこりと微笑む顔が、天使なのか悪魔なのか・・・・・
「しょ、証明って・・・・」
「今夜」
 一瞬怪しく光った類の瞳に、どきんと心臓が大きな音を立てる。
「な、何言って・・・・・」
「なんなら、ここでしてくれてもいいけど?」
「だ、ダメ!!絶対!!」
 真っ赤になって慌てるあたしを見て、類がおかしそうに笑う。
「ってことは、俺が何して欲しいと思ってるか、わかってるんだ?」
「!!・・・・・・・意地悪」
 もう、絶対類には敵わないんだから。
 上目遣いで睨んでみると、類は優しく微笑んで、あたしのおでこにそっとキスを落とした。
「反則・・・・・。そういう顔されると、本当にここで押し倒したくなる・・・・」
「る、類・・・・・」
「嘘・・・・。でも、早く部屋にいきたい。今日は、シャワー浴びるまで待てないかも」
 くすくすと笑う類。
 言われていることの恥ずかしさに俯きながらも・・・・
 あたし自身、体の奥がジンと熱くなってるのを感じていた・・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっとあきらの登場が多くなりそうな話の展開になってしまいました。
 あきつくの話は難しいけど、こういう展開なら書けるかな?
 という気持ちもありまして。
 楽しんでいただけたら嬉しいです♪

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X'mas Panic!!vol.3~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -soujirou-
 「よお、牧野。もう帰りか?」
 キャンパスで、偶然牧野を見かけて声をかける。
 牧野はコートを着込み、バッグを持ってなぜか急いでいるようだった。
「あ、西門さん!うん、そう。またね!」
「おい、待てよ!なんだよ、そんなに慌てて・・・用事でもあんのか?」
「え、うん、まあ・・・・・」
 なぜか俺の言葉にぎくりとする牧野。
 なんだ?
 俺は、そのまま行き過ぎようとする牧野の腕をとっさに掴んだ。
「ちょい、待ち」
「な、何?ちょっとあたし、急いでるんだけど」
「何で?どこ行くんだよ?」
 詰め寄る俺から目を逸らす牧野。
 ―――絶対怪しい。
「おい、牧野!」
 後ろから声が聞こえ振り向くと、ちょうどあきらが来るところだった。
「美作さん」
 ほっとした様に息をつく牧野。
「ちょうど一緒になったな。じゃ、行くか」
「うん」
 完全に俺を無視して行こうとする2人に、俺もさすがに顔が引きつる。
「ちょ―――っと待った」
 俺はもう一度、牧野の腕を引っ張る。
「うあ!」
「なんだよ、総二郎。俺ら急ぐんだけど」
 面倒くさそうに振り向くあきら。
「だから、何で急いでんだよ。2人でどこ行くんだ?」
 イライラと聞くと、あきらと牧野は一瞬顔を見合わせ、あきらがひょいと肩を竦めると俺のほうを見た。
「おれんち」
「・・・・は?何であきらんちに?」
「妹たちの家庭教師。母親に頼まれて、牧野にやってもらうことにした」
 あきらの言葉に驚き、牧野のほうを見ると、牧野はちょっと気まずそうに俺を見ていた。
「・・・バイトは、もうしないんじゃなかったのか?類は知ってるのかよ。ってか、類は?」
「類も承諾してることだよ。あいつは今日、朝から会社に呼び出しくらってそのまま帰ってきてねえ。家庭教師って言っても年末までの間だけどな。母親も俺も忙しくって、妹たちの相手してる時間がねえんだよ。いつもなら使用人に任せるとこだけど、今回は妹たちにおねだりされて、牧野じゃなきゃいやだって言うから」
「・・・・・・・そうなのか?」
 牧野をじっと見つめて聞くと、牧野は目を逸らしたまま、こくんと頷いた。
「じゃ、もう時間ねえから行くぜ、じゃあな、総二郎」
「あ、おい―――」
 あきらは、俺が掴んでいたのと逆の腕を掴み、そのまま牧野を引っ張っていってしまった。
 そして、大学の門を出ると、待っていた車に乗り込んで行く・・・・・。

 ―――ぜっっっってーおかしい。

 あれは絶対何かある。
 あきらはともかく、牧野は嘘がつけない奴だ。
 あの牧野の様子・・・・。あれは絶対何か隠してる。
「・・・・・どうしてやるかな・・・・・」


 -akira-
 「あっぶねえ。お前、もう少しうまくやれよ」
 車が走り出し、俺は息をついて言った。
「だって・・・・ね、西門さんにも言ったらダメかな?」
 上目遣いで言われれば、ドキッとして頷きそうにもなるが・・・・・
「アホ。んなことしたら、あいつも来るって言い出しかねない。総二郎が茶々入れるような状況で、クリスマスまでに完成できると思うか?」
「・・・・・無理か」
「絶対無理。せっかく俺が協力してやるんだから、お前もちゃんとやれよ。せめてあれくらいの嘘、もっとうまく言えって」
「はーい」
 ちょっと口を尖らせて・・・いじけた姿が、子供みたいでかわいい。
 俺はくすっと笑い、素早く牧野の頬にキスをした。
 途端に真っ赤になって狭い車内で後ずさる牧野。
「な、ななな、何するの!!」
 その慌てようがおかしくて、思わず噴出す。
「ぶっ、はは、お前ほんとにおもしれえな。そんなに慌てなくても、ここでそれ以上のことしねえよ」
「あ、当たり前でしょ!そ、そういうことするんだったら、あたしかえ―――」
「協力料」
「・・・・は?」
「協力してやってるんだから、これくらい許せ。心配しなくても、それ以上のことはしねえよ。一応俺にも自制心ってものがあるからな。お前が嫌がるようなことはしない」
 そう言うと、牧野はほっとしたように元の位置に戻った。
 肩が触れるか触れないかの距離。
 その距離がそのまんま俺たちの心の距離も表しているようで、ちょっと切なくなった。


 「―――今日はここまで」
 俺は、ふと時計を見上げていった。
 それまで編みものに集中していた牧野も、俺の声にはっと顔を上げる。
「え、もう?はや・・・。やっぱりなかなか進まないね・・・」
「ま、まだ時間はある。焦らずやってこうぜ」
 そう言って笑ってやると、牧野も笑って頷いた。
「うん、ありがと。美作さん、教えるの上手だから助かる。家でも出来たらいいんだけどな・・・」
「そりゃ無理だろ。すぐばれるぜ」
「・・・・だよね」
 牧野ががっくりと肩を落とす。
「心配すんなよ。何とか俺が間に合わせてやっから。さ、そろそろ片付けて外出るぜ。類が来ちまう」
「あ、うん」
 牧野が慌てて片付け始める。
 編み物の道具は全て俺の部屋に置いてある。もって帰って類に見られたら台無しだ。
 最初、類が寝てる間にもやりたいと言っていた牧野を、俺が説得したのだ。
 
「つくしちゃん、もう出れる?」
 部屋の外から、母親の声が聞こえる。
「あ、はい!今行きます」
「じゃ、また明日な」
「うん、バイバイ!」
 そう言って元気に出て行く。
 類にああ言った手前、俺が毎日一緒にいるのはおかしいので母親に協力してもらうことにしたのだ。
 母親の方も、「つくしちゃんが毎日来てくれるなら」と喜んでいた。
 クリスマスまでの間だけど・・・・俺は、牧野と秘密を共有できることに喜びを感じていた。


 -rui-
 あきらの家の前で待っていると、牧野があきらの母親と一緒に歩いてくるのが見えた。いつもと変わらない牧野の様子に、ほっと胸をなでおろす。
 何もあるはずがないって思っていても、やっぱりあきらの家に行っているとなれば気になる。
「類くん、こんばんは」
 あきらの母親がにこやかに話しかけてくる。
「こんばんは。牧野、どうだった?」
「う、うん。大丈夫」
「つくしちゃん、本当に良くやってくれるのよ。うちの子たちも大喜びで、助かるわー。明日もよろしくね」
「はい。じゃ、また明日・・・」
 そう言って牧野はあきらの母親に頭を下げると、車の助手席に乗り込んだ。
「じゃ、運転気をつけてね」
「はい、それじゃあ」
 そう言って俺は車を発進させた。

 「大丈夫?疲れてない?」
 俺が聞くと、牧野はにっこりと頷いた。
「全然!バイトで1日中働いてたときに比べれば余裕!」
「そう、良かった。・・・そういえば、さっき総二郎から電話あったよ。家庭教師のこと、聞かれた」
「あ・・・・今日、帰りに会ってね、一応話したんだけど・・・・」
「疑ってるみたいだった。何か隠してるんじゃないかって・・・・牧野が」
「あ、あたし!?」
 途端に顔を引きつらせるから、おかしくて思わず噴出す。
「ぶっ・・・・・あんたってほんとおもしろい」
「類!!試したの!?」
 今度は顔を真っ赤にして怒ってる。
 忙しい奴だ。
「そんなつもりなかったんだけど。あんたがあんまり素直に反応してくれるからつい、おもしろくって」
「ついって・・・・」
「・・・・俺だって、気付いてたよ。牧野が何か隠してるって」
「!!」
「あきらはそういうとこうまいから、ごまかされそうになったけど。牧野は隠し事苦手だろ?」
「う・・・・・・・」
「でも、今は聞かないで置いてあげる」
「え・・・・・」
「浮気、じゃないよね?」
「あ、当たり前じゃない!!」
「ならいい」
「類・・・?」
 牧野が不思議そうに首を傾げる。
「あきらのことを100%信用するわけじゃないけど・・・・牧野に無理やり何かするような奴じゃないと思うから。牧野のことは信じてるから。その、なんかわかんないけどそれが済んだら、ちゃんと話してくれる?」
「・・・・うん」
 そう言って、牧野はふわりと微笑んだ。
 俺は、ハザードをつけて、車を路肩に止めた。
「類?どうしたの?」
「ん。ちょっと我慢できなくて」
 何が?と聞こうとする牧野に、素早くキスをする。
 突然のことに、牧野が目を白黒させていいる。
 ゆっくりとその唇を味わい・・・・・・牧野の頬が高潮してきたのを見て、開放した。
「・・・・・・もう、突然!」
「・・・・牧野が、かわいすぎるから」
「へ?」
「そういう顔、見せられたら我慢できないってこと」
 そう言って笑うと、牧野が顔を真っ赤に染めてうつむく。
「わ、わけわかんない・・・・かわいいとか、言ってくれるの類だけだよ」
「・・・あきらとか総二郎には?言われたことない?」
「あ・・・・・」
 じっと牧野を見つめると、牧野はちょっと慌てたように口に手を当てた。
 頬が赤い。
 ―――気に入らない。
「・・・・・もう1回」
「え?」
 驚いて顔を上げた牧野に、もう1度キス。
 今度はもっと深く、何度も角度を変えて・・・・・。

 俺以外の男のことを考えないで。
 俺以外の男を見ないで。
 
 俺の我侭だってわかってるけど・・・・・

「牧野、愛してる・・・・・」
 耳元で囁けば、ピクリと肩が震える。
「・・・・あたしも・・・・・」

 触れれば触れるほど、もっと欲しくなる。
 もっと我侭になる・・・・・。

 だから、ずっと俺だけを見ていて・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総二郎をもうちょっと出したかったんですが、うまく行きませんでした~(^^;)
 次回は、もうちょっと動きがある予定・・・・です。

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「にゃんこのうしろがわ」

X'mas Panic!!vol.4~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -tsukushi-
「さてと。それじゃあ話を聞こうか、つくしちゃん」
 お茶のお稽古が終わるなり、西門さんが満面の笑みを浮かべてそう言い出したから、あたしはとっさに対処することが出来なくて固まってしまう。
「は、話って、な、何の?」
「決まってんじゃん。家庭教師のことだよ、あきらの妹たちの。お前とあきらで何企んでる?」
「べ、別に、何も企んでなんか」
「・・・・・それでごまかしてるつもり?」
 思いっきり半目で睨まれて、何も言えなくなってしまうあたし。
 これだから、美作さんにも言われちゃうんだよね。

 ―――いいか、絶対ごまかせよ。総二郎の口車に乗せられんな。

 そう言われてきたのに。
 ごめん、美作さん。あたし自信ないよー
「類だって気付いてるだろ。何も聞かれないのか?」
「・・・・・うん」
「ま、基本あいつはあんまり小さいことは気にしないタイプだけどな。お前とあきらの間に何もなきゃ目を瞑るってとこか」
 ずばり言い当てられて思わずひきつった笑いが浮かぶ。
「・・・・・・・・・・」
 西門さんがじーっとあたしの顔を見つめる。 
 きれいなお顔がぐっと近づいてきて、冷たい汗が背中を伝う。
 西門さんが、着替えもせずにこの茶室で話し始めた理由がわかった気がした。
 この茶室の中では、西門さんはあたしの師匠だ。
 師匠に質問されれば、弟子はそれに答えなくちゃいけない。
 そんな気がしてきてしまって、うまく誤魔化せる自信がなくなってきてしまうのだ。
「・・・・・俺を騙しきれると思ってるか?」
「だ、騙すって」
「なんなら、お前の体に聞いてやってもいいけど?」
「・・・体って・・・・・」
 何のことだろうと不思議に思って西門さんの顔を見てみれば、満面の笑みであたしを見つめている。
 しばしそのきれいなお顔と見つめ合い・・・・・・・
 
 突然その意味を理解し、正座の姿勢のままざざっと後ずさった。
「ななな、何言ってんのよ!」
「言っとくけど、今日はお袋もいねえしお手伝いもここには呼ばなきゃこねえ。騒いだって無駄だぜ」
 平然とそんな恐ろしいことを言う西門さん。
「どうする?」
「・・・・・・・・・・・・・・わかったわよ」
「よしよし。それじゃあ場所を変えるか」
 そう言って西門さんは満足気に笑ったのだった・・・・・。


 -soujirou-
 「クリスマスプレゼントに手編みのマフラー?」
「何よ、その呆れた顔。今時ダサイとか言いたいの」
「いや。お前らしいっつーかなんつーか。で、それをあきらに教わってると」
「うん。美作さんて、教え方上手いから助かってるんだよ」
「・・・・・・あ、そ」
 なんとなく気にいらない。
 あきらがそういうことが得意だってことは知ってる。
 だから牧野がそれをあきらに相談したとしてもなんの不思議もないことだ。
 それはわかっていても、牧野が俺ではなくあきらを頼ったという事実が気にいらなかった。
 そして2人してそれを俺に隠していたということが。
「それで、それが出来上がるまであきらのうちに通いつめるってわけ」
「う、うん」
 何より一番気にいらないのはそこだ。
 俺は週に一度しか牧野と一緒にいることが出来ないっていうのに、あきらは週に4日間も牧野を独占することが出来るなんて。
 それって不公平じゃねえ?
 俺がずっと黙ったままでいると、牧野がおずおずと顔を上げ、俺を見た。
「あの~ごめんね、西門さん。黙ってて」
「あきらだろ?」
「え?」
「俺に黙ってろって言ったの」
「う、うん。そうだけど」
 そりゃそうだろうな。俺があきらでもそうするし。
 せっかくの2人きりの時間。他のやつに邪魔されたくはないだろう。
 だが、知ってしまった以上、俺もただ指を咥えて見てるだけってわけにはいかなかった。
「・・・・・俺も協力してやろうか」
「え!?」
 俺の言葉に、牧野がびっくりして声を上げる。
「協力って・・・・・」
「クリスマスに間に合うように、俺んちでもそれ、やっていいって言ってんの」
「―――ほ、ほんとに?」
 うれしそうに頬を染め、身を乗り出す牧野。
 ―――ほんと正直なやつ。
「ああ。その代わり、条件がある」
 と言うと、一転、警戒する顔になる。
「な・・・・・何?」
「お前な、そんなあからさまに嫌そうな顔すんな。傷つくだろうが」
「だって・・・・・西門さんの出す条件なんて怖くって」
「ったく・・・・・安心しろ。そんな難しいことじゃねえよ」
「じゃ・・・・・」
「あきらの家に、俺もいく」
「・・・・・は?」
 文字通り、目が点になる牧野。
 百面相。本当にこいつはおもしろい。
「だ・か・ら。あきらの家に俺も行くって言ってんの。邪魔するつもりはねえから安心して編み物でも何でもやってろ。俺は適当に時間潰してっから」
「??意味わかんないんだけど・・・・そんなことしてどうすんの?何でそれが条件?」
 ・・・・・全くこいつの鈍感さは国宝級だな。
 何気にもてるくせに、男の心理ってものを全くわかっていない。
 そういうところもこいつの魅力の1つなんだろうけど・・・・
「・・・・深く考えるな。とにかく、それが条件ならどってことねえだろ?」
「う・・・うん、まあ・・・・・」
「じゃ、決まり。あきらには俺から言っとくから」
 牧野はまだ不思議そうな顔をしながらも、俺の言葉に頷いたのだった・・・・・。


 -tsukushi-
 なんだか妙なことになっちゃったな・・・・。
 邪魔されないで済むなら、あたしは西門さんが一緒でも全然構わないんだけど・・・・でも、美作さんはどう思うかな?なんだか、西門さんには絶対知られたくないみたいだったし・・・・
 どうしよう。明日、怒られるかな・・・・・

 迎えに来てくれた類と、今日は歩いて帰った。
 一緒に暮らしていても、こうして2人手をつないで歩いたり、ふとした瞬間に見つめあったりするのはすごくどきどきする。
 類を見るたび、類の声を聞くたび、類に触れるたび・・・・・
 ああ、あたしは本当に類が好きなんだなあと実感してしまうから・・・・・

 「牧野?今日何かあった?」
 歩いているとき、類が急にそう言い出した。
「え・・・・・なんで?」
「なんとなく・・・・いつもと違う気がした」
 じっとあたしの目を見つめながら言われると、つい全て本当のことを言いたくなってしまう。
 薄茶色のビー玉のような瞳が、何もかも見透かしているようで・・・・
「ううん、何にも」
「そう?ならいいけど」
 にこりと微笑む類。
 優しい、あたしの大好きな笑顔だ。

 いつもいつもおしゃべりしているわけじゃなくて、時にはただ黙って手をつないで歩くときもある。
 ふわりと包み込むように繋がれる手が、類のぬくもりを感じさせてくれるから、このひと時がとても幸せに感じられる・・・・。


 「あれ?あのリモ・・・・・」
 もうすぐ家に着くというところで、家の前にリムジンが止まっているのが目に入る。
「??誰か来てるのかな?」
「・・・・・まさか」
 類が珍しく難しい表情になる。
「何?わかるの?」
「・・・牧野、わからない?」
「え・・・・・」
 言われて、あたしはもう一度そのリムジンに視線を戻した。
 暗がりの中、その黒いリムジンは怪しい光を放っていた。
 よく見ると、運転席には男性が座っているのがわかる。その人物が、ちらりと家のほうへと視線を向けた、その瞬間・・・・・
「あ!」
「わかった?」
 見覚えのある運転手だった。
 でも、まさか・・・・・

 あたしと類は顔を見合わせ、急いで家の中へと入っていった。
 そして玄関の戸を開けると、そこに立っていたのは・・・・・

 「おう!漸く帰ったか!!」
 そう言ってにやりと笑ったのは・・・・・・
「ど、道明寺!?」
 そう、それは今N.Y.にいるはずの、道明寺だった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 やっぱり、&F3と言うからには彼にも登場してもらわないとね。
 でも実は、司を描くのは苦手です(^^;)
 馬鹿っぽくなりすぎちゃいけないし、かといってあんまり大人にしすぎちゃうのもイメージ違いますもんね。
 何とかがんばりますね♪

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X'mas Panic!!vol.5~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -tsukushi-
 「ワカメ?」
 道明寺の言葉に、あたしは思わず聞き返す。
「おお、今俺んちがそれなんだとよ」
 道明寺が頷くが・・・・・
 何のことだか分からず、あたしが首を捻っていると類が口を開いた。
「・・・・もしかして、改装してるってこと?」
「お、それそれ!なんだか壁が剥がれたとか何とか言ってたけどな」
 改装・・・・・海藻、ね。
 はは、相変わらずだわ・・・。
「壁が剥がれたって・・・道明寺の家に限ってそんなことないでしょ?」
「いや、表面はきれいにしてるけどよ、あの家も結構古いからな。見えないところで結構ガタがきてるところがあるって聞いたぜ。だから今年中にいっそのこと全部きれいにしちまおうってことらしい」
「全部って・・・・どのくらいかかるの?」
「さあ、1ヶ月くらいじゃねえ?」
「1ヶ月で終わるの?あんな大邸宅・・・」
「しらねえよ。どうせ俺はほとんど帰らねえし」
「そりゃそうだろうけど・・・」
「・・・で、今日はどうしてここへ?いつ帰ってきたの?」
 類が、また難しい顔で聞く。
 なんだかさっきからあんまりご機嫌が良くないみたい・・・
「帰ってきたのは昼ごろだな。いろいろ回んなきゃいけないとこがあってすっかり遅くなっちまった。本当は電話しておこうかと思ったんだけどよ、時間がなかった」
「・・・・・・で?」
「実は頼みがあってここに来た」
「頼み・・・・・?」
 道明寺の言葉に、あたしたちは顔を見合わせた。
「俺を、しばらくここに置いてくれねえか?」
 そう言って、道明寺はにやりと笑ったのだった・・・・・。


 「はあ!?司が類の家に住む!?」
 翌日。
 大学に行ったあたしと類は、キャンパスで会った美作さんと西門さんに昨日のことを話した。
「住むっていうか、部屋を貸して欲しいって・・・」
 あたしが答えると、美作さんと西門さんは顔を見合わせた。
「取引先のトップが、今日本に来てるんだって。どうしてもその仕事は成功させたいらしいんだけど、相手が曲者で、なかなかうんと言わないらしい。で、年末まで日本にいるって話を聞いて追いかけてきたらしいんだけど、向こうも忙しいからなかなかスケジュールが合わないらしい」
 と類が説明する。
「で、相手と会える機会を待ってるってわけ?」
 美作さんが眉間に皺を寄せて言う。
「とにかく、何度も話をしないとだめな相手らしい。でも司も忙しいから、それだけに時間を割くわけにもいかなくって、仕事の合間合間に少しでも時間を多くとって会いに行ってるらしい。大変だよ。N.Y.の仕事もあるし、明日はまた向こうに行かなきゃいけないけど、その前にもしかしたら時間が取れるかもって、今日は京都に行ってる」
「は・・・・・すげぇな。んじゃ、ほとんど出っぱなしか」
 西門さんが感心したように言う。
「うん。だから、うちに住むって言ってもほんとにたまに寝に帰ってくるだけってことになりそうだよ」
 類の言葉に、あたしたちはしばし言葉が出てこなかった。
 みんなだってもちろんそれぞれ家のことやってるし、たまに海外に行ったりすることもあって忙しそうだなって思うことはあるけど・・・。
 道明寺は、もうそんなレベルじゃないんだ。
 まだあの魔女が実権を握っているとはいえ、表立って行動するのは道明寺だ。
 なんだかそう考えると、ますます世界が違うって気がしてくる・・・・・。
「しかし司が帰ってきたってことは・・・・・」
 と美作さんが言うと、西門さんも頷いた。
「・・・・なんか、波乱がありそうな気がするな・・・・・」
「な、何よ2人とも、変なこと言わないでよ」
「大体、牧野と司が揃うと昔からろくなことがねえんだよな」
「西門さん!あたしは関係ないじゃん!」
「よく言うよ。お前は嵐を呼ぶ女だろうが」
「美作さんまで!けどほとんど帰ってこないんだから、別に心配いらないんじゃない?」
 あたしがそう言うと、3人はそれぞれ相手にちらりと視線を送り・・・・・
「・・・・だと良いけどね・・・・・・」
 類が相変わらず難しい顔で呟く。
「もう、類まで!」
 あたしは頬を膨らませ、類を睨んだ。
 でもその3人の予感が、見事的中してしまうことになるなんて・・・・・


 -rui-
 「で?実際のところどうなんだよ?」
 牧野と総二郎が講義に出るためいなくなると、あきらがそう聞いてきた。
「どうって?」
「司のことだよ。本当にその仕事だけが目的か?」
「・・・・・どういう意味?」
 俺が聞くと、あきらはため息をついた。
「わかってるだろ?牧野のことだよ。大体、ただ寝る場所が必要なだけならホテルに泊まればいい話だ。そのほうが仕事だってしやすいはずだ。なのにわざわざお前と牧野が住んでいる花沢の家へ来るなんて、どう考えたっておかしい。なんかあるなって思うほうが自然だろうが」
 あきらに言われて、俺はしばらく黙り込んだ。
 もちろん、そんなことはわかってる。
 昨日、司のリモが家の前に止まっているのを見たときから、嫌な予感はしてたんだ。
 司はわかりやすい。
 考えていることがすぐに顔に出る。
 それは牧野にも似たところがあるのだが・・・・・さすがに世界中飛び回って道明寺財閥の顔となった今、昔のように全て顔に出る、ということもなくなったのだろう。
 昨日会った司から、何を考えているのかを読み取ることはできなかった。
 ただ、あきらの言うとおり本当に寝場所を借りに来ただけ、とはとても思えなかった。
 牧野がそこにいる、ということが大きな要因になっていることは明らかに思えたのだった・・・・・。
「類、気をつけろよ」
 あきらが心配そうに俺を見る。
「気をつけろって、何を?」
「牧野だよ。あいつはああ見えて情に流されやすいからな。昔、あれだけ好きだった相手だ。それに喧嘩別れしたわけでもない。ちゃんと掴まえてないと、気付いたらモトサヤだった、なんてことになりかねないぜ」
「・・・・・・言われなくても、掴まえておくよ。言っただろ?牧野だけは絶対、誰にも渡さないよ。司にも総二郎にも・・・もちろんあきらにも」
「・・・なんだよ、話をこっちに振るな」
「週に4日も牧野を持ってかれて、俺が何にも感じてないと思う?牧野があきらのことを信頼してるから、何も言わないけど・・・・もし牧野に何かしたら、あきらでも許さない」
「・・・・・よーく肝に銘じとくよ」
 よっぽど俺がすごい顔をしていたのか、あきらは一瞬ぞっとしたような青い顔をして、視線を逸らすとそう言って肩をすくめたのだった・・・・・。


 -soujirou-
 「じゃ、あたしこっちだから」
 牧野がそう言って、俺とは逆の方へ行こうと手を振ろうとするのを、その手を掴まえた。
 急に俺に手を掴まれた牧野は、きょとんとして首を傾げる。
「西門さん?どうかした?」
「お前・・・・・平気か?」
「え・・・・何が?」
「司のことだよ。同じ家に住むなんて」
 俺が言うと、牧野は一瞬目を瞬かせた。
「寝に帰ってくるだけとはいえ、一つ屋根の下で暮らすんだぞ?」
「・・・・・うん」
「類も類だけど、お前もお前だ。昔の男と、今の婚約者と同じ家に住むなんて、ありえねえ」
「・・・・・あたしも、そう思ったよ。類も始めは、嫌そうな顔してたし。でも道明寺に頼み込まれて・・・。2人の・・・・あたしと類の邪魔はしないって」
「その言葉、信用したのか?」
「だって・・・・・友達でしょ?」
 上目遣いで拗ねたように言う牧野。
 俺は溜息をついた。
「お前にとっては、モトカレだろ?・・・・・司に、また口説かれるかもしれないぜ?」
「まさか」
 即答する牧野に、再び溜息が漏れる。
「西門さん、心配しすぎだよ。それに口説かれたって、あたしには類がいるんだから。じゃ、遅れちゃうからもう行くね!」
 そう言ってばたばたと走っていく牧野の後姿を、俺は見えなくなるまで見つめていた・・・・・。

 司が、ホテルではなくわざわざ花沢の家を拠点にしたのには訳があるはずだ。
 仕事上のことだけで言えば、ホテルにいたほうがずっと動きやすいはずだ。
 だとしたら、その理由は牧野のこと以外には考えられない。
「何考えてんだ、あいつ・・・・・」
 牧野と別れ、N.Y.で類とのことも認め・・・・・それでもあいつがまだ牧野のことを想っているのはわかっていたけれど。
 2人が婚約した今になって、どうしてまた牧野の元へやってきたのか。
 まさか、よりを戻そうと思っているのか・・・・・?
 考えたくはなかったが、どうしてもその考えを打ち消すことは出来なかった。
 そして何もあるはずがないと安心しきっている牧野のことも、心配せずにはいられなかった。
 ―――大体あいつは、隙がありすぎなんだよ・・・・・
 さっきまでの牧野の表情を思い出し、俺はまた溜息をついた。
 
 自分の友達を、大切な人間を、全面的に信頼する。
 それはあいつのいいところであり、悪いところでもある。
 司のことを、友達として信用している牧野を責めることはできない。
 だけど、司だって男だということ。
 それも昔あれほど好き合っていた、そして今でも自分を想っているであろう男だということ。
 そこのところを全くわかっていない牧野に、溜息が出てしまうのだ。
「全く・・・・俺たちF4を手玉にとるなんて、後にも先にも牧野つくしだけだぜ・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 すいません、1日あいてしまいました。
 「言葉に出来ない」のR版を「Bitter&Sweet」の方へアップしました。
 こちらのブログについては「Bitter&Sweet」のカテゴリーをご覧ください。
 あんまり動きのないお話になってしまいました。
 次回はもっと動く予定です。
 司を動かすのはやっぱり難しい・・・・・

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