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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
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*万が一このブログをお読みになって不快感を感じられたとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

言葉に出来ない vol.1 ~花より男子・総つく~

Category : 言葉に出来ない(完結)~花より男子・総つく~
 「わりい、明日ダメになった」
 携帯を耳に当てながら、電話口の向こうにいる牧野の様子を伺う。
『・・・・仕事?』
「ああ。女性誌の取材で・・・・ずっと前から頼まれてたコラム、母親が勝手に承諾しちまって、明日は担当者と打ち合わせ」
『そっか・・・・仕事じゃしょうがないよ。じゃ、また今度ね』
「・・・・・・ん、じゃあな」
 短い会話を終えて。
 俺は閉じた携帯を睨んでため息をついた。

 俺が牧野と付き合い始めたのは、3ヶ月前。

 1年前俺は大学を卒業し、本格的に西門流の十六代目を継ぐべく父親について回る毎日。
 F4それぞれが別の道を歩み始め、類はフランスの支社へ、あきらも世界中を飛び回っているようで日本にはめったに戻ってこない。
 そして、俺らが卒業してから何があったのか・・・・牧野が大学を卒業する間際になって、あの2人が別れたことを知った。
 大学の卒業プロムにも出ずに帰ろうとしていた牧野を捕まえ、無理やり話を聞いた。
「―――世界が、違うんだよ」
 牧野は、そう言った。
「そんなの、わかってたことだろ?何を今更・・・・」
 俺の言葉に、牧野は首を振った。
「違う。そうじゃなくて・・・・あいつの見ている世界が、あたしとは違うの。4年間て、本当に長いんだよ。あいつは、前みたいに無茶なところがなくなって、すっかり大人になって・・・それが悪いって言ってるんじゃない。けど、あたしはただあいつが好きで、一緒にいられるようになりたくて、がんばってたのに・・・・あいつは違うんだよ。もう道明寺を背負って立つ人間になっちゃってて・・・・嬉しいんだよ、あたしだって。でも・・・・・あいつが見据えてる未来を、あたしと一緒に進んでいこうとする未来を、あたしは見ることが出来ないの。あたしが思い描いていた未来とは違う・・・・。2人で一緒に歩いていきたかったあたしの未来とは、違ってるんだよ・・・・」
「牧野・・・・・」
「時間が、解決してくれるって、思ってた。一緒にいれば、そんなのまた変わるもんだって思ってた。でも・・・・あいつには、伝わらなかった。俺と同じ未来を歩けないなら・・・・もう、必要ないって・・・・」
「司が!?まさか!あいつがまさか、そんなこと・・・・・」
 あんなに牧野のことが好きで好きでしょうがなかった司が・・・・?
 でも。
 俺も司とはもうずいぶん会ってない。
 ときどき雑誌や新聞で、道明寺の記事は目にするけれど・・・・・。
 驚く俺に、牧野は弱々しく微笑んで首を振った。
「本当なの。だから・・・・・もう、あたしたちは元には戻らない・・・・・」
 今にも泣き出しそうなのに。
 そのまま崩れてしまいそうなほど震えているのに。
 牧野は、笑って立っていた。

 それから俺は、暇を見つけては牧野を連れ出し、いろんなところへ連れて行った。
 普通の出版社に就職した牧野は忙しそうだったけど、それでも休みの日に無理やり連れ出してはドライブしたり、うまいものを食いに行ったり・・・・お茶をたててやったりもした。
 「どうして?」
 そう何度も牧野に聞かれたけれど・・・・
 俺にだってわからなかった。ただ、強がって必死に自分を支えようとするあいつを、放っておけなかった。
 そしていつの間にか、俺の隣に牧野がいることが当たり前になってきていた。
 あの、滅多に他人に心を許さない母親までもが、牧野を連れて来るのを楽しみにするようになり、茶会に誘ったりまでするようになっていた。

 そんな風に、俺の隣にいることに牧野が戸惑いを見せたのは、茶会に出るための着物を母親が用意したと話したときのこと。
 「・・・・数多くの彼女に恨まれない?あたしやだよー、またいじめられるの」
 そう言って顔をしかめたあいつに
「じゃ、全員と別れたら、俺と付き合うか?」
 咄嗟に出た言葉。
 牧野は目をぱちくりさせて・・・・・
「はあ?何言ってんのよ、無理無理そんなの。あんたが1人の女と付き合うなんて・・・考えらんない。しかもあたしとなんて」
「言ってくれんじゃん。ってことは、かけてもいいんじゃねえ?1週間以内に俺が付き合ってる女全部と手ェ切ったらお前は俺と付き合うこと。いいな?」
 何でこんなこと言ったのか。
 このままだと、牧野が俺から離れてしまいそうな気がしたから。
 離したくなかった。
 ただ、傍に置いておきたかった・・・・・。

 無理やり賭けを成立させ、俺は3日で全ての女と手を切った。
 もちろん全てきれいにとはいかなかったけど・・・・
 けど、大抵の女は俺ではなく、西門流という名目に惚れてただけだから。
 別れを納得させるのは、難しいことじゃなかった。

 そして俺は牧野に詰め寄った。
 あいつの驚いた顔は、今でも忘れられない。
 鳩が豆でっぽう食らったような顔をしやがって・・・・・
「あたし・・・・・西門さんのこと、友達としか見てないよ」
「いいよ、それでも。絶対惚れさせて見せるから」
「自信家・・・・・」
「言って許されるからむかつく?」
 牧野のセリフを取ってやると、むっとしたように上目遣いで俺を睨む。
 その表情が、なぜか俺にはドキッとするほどかわいく見えて・・・・・
 初めて、あいつの唇に触れるだけのキスをした。
 
 平手打ちだけは免れたけど。
 不意打ちのキスに、真っ赤になって怒ってたあいつ。

 初めて、牧野のことを好きだと気付いた。
 初めて、抱きしめたいと思った。

 だけどそれはまだ言わない。
 あいつが俺に惚れたら、言ってやろうと思ってた。
 それまでは、言葉にしないで取っておこうと・・・・・

 だけど、さすがは牧野つくし。
 一筋縄じゃいかない女だ。
 茶会にも一緒に出席して母親を喜ばせてくれたし、どこかに連れ出すにも嫌がらなくなった。
 だけど、なかなか俺の方は見てくれない。
 楽しそうに笑ってくれるようにはなったけど、あくまでも『友達』
 それがわかるのは、俺が女といるとき。
 もちろん彼女じゃない。
 雑誌の取材なんかを受けるようになって、たまに出版社の人間が来る。そのほとんどが若い女だった。
 自分で言うのもなんだが、俺はかなりいい男なので、大抵の女は俺に惚れる。
 そして、仕事にかこつけて電話してきたり、メールを送ってきたりと、かなり積極的に迫ってくるのもいる。
 俺も仕事なら仕方ないから呼び出しに応じると、向こうはなぜか1人で。あからさまにホテルのキーを渡されたこともある。
 その度に、俺には彼女がいるからと牧野を呼び出して紹介するのだが・・・・。
 女の方が帰った後、決まって怒られる。
「断る口実に使わないでよ!!」
「だって、事実だろ?つくしちゃん」
 そう言って笑顔を見せてもてんで効き目なし。
 だけど、ヤキモチを妬いて怒ってくれてるのかと思えば、
「ったくもう、夕飯の途中だったのに・・・・コロッケ1個、食べ損ねた!」
 なんて言い出す始末。
 牧野らしいと言えば牧野らしい。
 だけど・・・・・

 せめて、もう少し妬いてくれてもいいんじゃねえの?
 賭けに負けたからとはいえ、今俺と付き合ってるのは事実なんだし。
 これじゃ友達とかわんねえよ。

 
 そして明日。
 1週間前から一緒に行こうと約束してた、オープンしたばかりのカフェ。
 あいつが行きたいと騒いでたから、休みの日に行こうと約束してたのに、母親が勝手に入れた仕事のせいでキャンセルだ。
 俺だってかなり頭に来てるのに、あいつは怒りもしない。
 女性誌の取材。来るのが女の担当者だってことはわかってる。
 何度か家まで押しかけてきたことがある。偶然、牧野と一緒のときだったことも・・・。
 なのに、そのことについても何にも触れないときてる。

 ・・・・・いつまで、俺は友達のままなんだ・・・・?

 さすがの俺も、少し焦っていたのかもしれない・・・・・


 「―――門さん。西門さん?」
 女の声にはっとする。
「どうかしました?具合でも?」
 顔を覗き込んでくる、編集の清水という女。
 長い髪をかきあげるのがクセの、よくいる『いい女風』の女。若いころはモデルをしてたこともあるとか何とか、どうでもいいこと言ってたな。
「いや、別に・・・悪いね、ぼうっとしてた」
「いえ、そんな・・・じゃあ、続きを・・・・」
「ああ・・・・」
 そう言って、何気なくちらりと窓の外へ目を向けた俺は。
 窓の外、大通りの向こう側を歩く人並みに、知っている顔を見つけて愕然とした。
「ええとじゃあ、さっきのお話なんですけど・・・・・」
 女の声も、右から左へ通り抜ける。

 背の高い、大勢の人の中でもひときわ目立つ、端正な顔立ちの男・・・・・・あれは、類だ。
 そして、その類と嬉しそうに微笑み合いながら歩く女・・・・・
「牧野・・・・・・・?」
「え?」
 女が顔を上げる。
 俺は、目の前の光景を信じられないような思いで、見つめていた・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 新しいお話を始めたばかりですが、突然思いついてしまったので、書いてしまいました。
 初めての総つくです。類つくファンの方にはちょっと読みづらいかと思いますが・・・・
 交互にアップしていこうかとは思ってますが、出来具合によって変わるかもしれませんので、読みたくない方は、アップした題名だけ見て回れ右してやってくださいね(^^;)
 それでも、楽しんで読んで頂けたら嬉しいです。


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言葉に出来ない vol.2 ~花より男子・総つく~

Category : 言葉に出来ない(完結)~花より男子・総つく~
 こんな風に女のことで頭に血が上ることがあるなんてそれこそ激レアだ。
 気がついたら店を飛び出していた。
 後ろから俺を呼ぶ女の声がしたが、そんなのにかまってる余裕なんてなかった。
 
 大通りを渡って少し先を歩く2人を追いかける。
 その間にも2人が楽しそうに話している姿が目に入って腹が立つ。


 「牧野!!」
 俺の声に2人が驚いて振り返る。
「西門さん!?なんでここに?」
「そりゃこっちの台詞だろ?なんで類がここにいる?」
 俺の言葉に、2人が顔を見合わせる。
 示し合わせたようなそのタイミングに、俺はますますいらだちを募らせた。
「説明しろよ!」
 思わず荒げる声。
 牧野の肩がビクリと震える。
「総二郎、落ち着けよ。俺が牧野を誘ったんだ」
 類が落ち着き払った様子で応える。
 ふと、牧野の手元を見ると小さなケーキの箱が。
 その箱には店の名前が印字されていて。
 『ル・フルール』
 それは確か、今日2人で行こうと言っていたカフェの名前だ。
「その店、行ったのか」
 牧野がはっとしたように手元の箱を見る。
「あ、これは」
「そういうことか」
「え?」
「別に俺じゃなくっても良かったってことだよな」
 吐き出すように言うと、牧野は驚いた。
「何言ってんの?」
「一緒に行くのが、俺じゃなくっても良かったんだろ。それどころか、類がいるんだったら類と行く方が良いくらいだろうが。お前にとって俺はその程度の存在だってことだ」
「西門さん・・・・・」
 牧野の瞳が、一瞬揺らいだような気がした。
 だけど俺は、もう止まらなかった。
「いいよ、別れてやるよ。どうせくだらねえ賭けから始まったことだ。もう解放してやるよ。お前の好きにすればいい」
 勢いで一気にそう言うと、俺は2人に背を向け、もと来た道を歩き始めた・・・・・・が。
「―――西門のバカ!!」
 ビリッと電気が走ったのかと思うほど馬鹿でかい声に振り向いてみれば、牧野が目にいっぱいの涙をため、真っ赤な顔でブルブルと震えながら俺を睨みつけていた。
「な・・・・・・」
 俺が何か言うよりも先に、その手に持っていたケーキの箱が俺をめがけて飛んでくる。
 ―――あぶね!!
 とっさによけると、ケーキの箱は電信柱に命中し、見事にぐしゃっと潰れて地面に落ちた。
「バカ!バカバカバカ!!!」
「おい・・・・・」
「あんたなんか、あんたなんか・・・・!!」
 力いっぱい叫び、肩で息をしながら俺を睨みつける姿に、呆気にとられる。
 その刹那、牧野の大きな瞳から大粒の涙が零れ落ちた。
 声をかけようとした、そのとき。
 牧野は俺にくるりと背を向けると、そのまま駆け出し、あっという間に見えなくなってしまった・・・・・。

 「なんだ、あいつ・・・・・」
 呆気にとられたまま俺が呟くと、同じく呆然と牧野の後姿を見送っていた類が俺のほうを振り向き、溜息をついた。
「・・・・・・・総二郎、何やってんの」
 呆れたような口調に、カチンと来る。
「だから、それはこっちのセリフだろ!?何でお前が牧野と一緒にいるんだよ!」
「それは、俺が牧野に会いたかったから。先週、あきらがフランスに来て・・・・総二郎と牧野が付き合いだしたって聞いた。それ聞いて、俺が平気でいられたと思う?」
 滅多に感情を表に出さない類の、怒気を含んだ口調。
 思わず、はっとして口をつぐんだ。
 ずっと前から・・・・高校生のころから、類が牧野に惚れてることは知っていた。
 類の、好きなものに対してはとことん一途な性格は知ってる。
 平気で、いられるはずがないことも・・・・・

 「あ~あ、もったいない」
 類が、俺のほうへ歩いてきたかと思うと、電柱にぶつかって無残に潰れたケーキの箱をひょいと持ち上げて言った。
「・・・・・このケーキ、総二郎へのお土産だって」
「は?」
「今日、一緒に行くはずだったからって。後で総二郎のところへ持っていくって言ってたんだけどな」
 類が、くすりと笑って俺を見た。
「・・・・・すげぇ混んでて、そのケーキ買うのにも30分並んだんだよ。カフェの方もいっぱいでさ。中で食べるのには1時間待ち。もっとも、俺たちはこれ買っただけだったけど。今度、空いてるときに2人で行けば?」
 そう言ってから、わざとらしく思い出したように
「ああ、でも別れたんだっけ?じゃあ俺が一緒に行こうかな」
「―――甘いものは、苦手だろ?」
「牧野と一緒なら、どこにでも行くよ。どうせくだらない賭けから始まったことなら、未練もないでしょ。牧野は俺がもらうから」
「!!」
 考える前に、体が動いてた。
 類の胸倉を掴み、その勢いで壁に押し付ける。
 通行人が、慌てて俺たちをよけて行く。
「ふざけんな!誰がやるかよ!!」
「じゃ、何であんなこと言ったの?」
 冷静に切り返され、言葉に詰まる。
 そんな俺を見て、類がふっと笑った。
「・・・・らしくないね。ポーカーフェイス、得意なはずなのに。さっきから、まるで周りも見えてない。・・・・・誰のせい?」
「・・・・・・・わかってるんだったら、聞くな。性格わりィぞ」
 俺は類の胸元から手を離すと、ふいと顔をそらせた。
「デートの邪魔した、お返しだよ」
 いけしゃあしゃあと言いやがるから、俺はまたカチンときて睨みつけてやった。
「・・・・・・話、聞かせろよ」
 そう言って、俺は近くのカフェへ類を連れて行った。


 「いつ、帰国した?」
「今朝だよ。着いてすぐ、牧野に電話した」
 席に向かい合って座り、コーヒーを飲みながら、類は淡々と話し始めた。
「びっくりしてたけど・・・・・一緒に食事したいって言ったら、喜んでくれたよ。1年振りだし・・・・帰ってきたときに一緒に行こうって言ってたレストランがあったんだ」
「・・・・・へえ」
「・・・・・ずっと、心配してたんだ。司とのことは聞いてたけど、仕事が忙しくて帰って来れなかったから・・・・。まさか、総二郎と付き合うことになってたなんてね。あきらに聞いたときは本当に驚いた」
 あきらには、2週間前向こうから電話があって、牧野とのことを教えた。
 あきらも驚いてたけど・・・・・「お前、いつから牧野を好きだった?っつーか、自分でも気付いてなかったろ」と言われて・・・・言葉が出てこなかった。
「俺、気付いてたよ、総二郎の気持ち。総二郎が自覚してなかったみたいだから、言わなかったけど」
 そう言って、類は穏やかに笑った。
「・・・・こんなことなら、仕事なんかほっぽり出して帰って来れば良かったって後悔した。でも・・・・今日、牧野に会って、すごく元気そうで・・・・・うまくいってるんだなって思ったら、安心した。俺は、牧野が幸せならそれでいいんだ」
「類・・・・・」
「でも、総二郎が牧野を泣かすなら、話は別。牧野は、俺の一部だから。牧野を悲しませる奴はたとえ総二郎でも許さないよ」
 じろりと俺を睨みつける鋭い目。
 背中をぞくりと悪寒が走る。
「でもびっくりした。総二郎があんなふうにヤキモチ妬くところなんて、初めて見た」
 くすくすと本当におかしそうに笑うから、俺は照れくさくなって視線を逸らした。
「るせーよ。笑うな」
「・・・・・牧野にちゃんと、告白したの?」
「は?」
「賭けから始まったって言ったね。でも、そんな小細工する必要なかったんじゃないの?」
「・・・・・ああでもしなきゃ、牧野が俺と付き合うなんてありえねえだろ」
 俺の言葉に、類は一瞬驚いたように目を瞬かせた。
「なんだよ」
「いや・・・・・牧野も同じようなこと言ってたから」
「牧野が・・・・・?」
「ん。総二郎が、自分と付き合いたいって言うなんて、ありえないって。あんな賭けまでして、ゲームかなんかのつもりなんじゃないかって。それでも・・・・牧野は、好きでもない男と付き合ったりするような女じゃないよ。それくらい、わかってるだろ?」
 俺は、なんとも言えず俯いた。
「賭けに負けたからって、自分の意思に反することに黙って従ったりしない。わかってるくせに・・・・2人とも、素直じゃないね」
「・・・・・あいつが、誰を想ってるのか、俺にはわからねえよ」
 俺は、呟くように言った。
「司に心底惚れてたあいつが、傷ついて、別れを選んで・・・・・最初は放っておけなかった。ただ、それだけだと思ってた。でも、そのうち離せなくなってた。ずっと傍にいて欲しくて、あんな賭けまでして・・・・・。だけど、あいつと一緒にいればいるほどあいつの気持ちがわからなくなる。俺ばっかりがあいつに惚れてどうしようもなくなって・・・・情けねえ」
 溜息が漏れる。
 類は、黙って俺を見ていた。
「それをそのまま、伝えればいいのに」
 たいした事じゃないとでも言うようにそう言われ、俺はまた溜息をついた。
「それが出来ねえから情けねえって言ってんの。この俺が・・・・たかが女1人に告白も出来ねえなんて・・・・・。牧野に拒まれたら。もう会えなくなっちまったらって思うと、どうしても一歩、踏み出せねえんだ」
「・・・・・良かった」
 類が、うれしそうに言った。
「良かったって・・・・・何がだよ?」
「総二郎の気持ちがわかって。牧野は、俺にとって特別だから・・・・。もし総二郎がいい加減な気持ちで牧野と付き合ってるんだったら、本当に許さないつもりだった。だから・・・・総二郎が、真剣に牧野を思ってるってわかって、安心した」
「類、俺は・・・・・」
「ちゃんと、言ってあげなよ。牧野は、待ってるよ」
「・・・・・そう思うか?」
「ん。牧野も素直じゃないからね。でも・・・・俺はこれ以上、協力はしないよ」
 そう言って類はにやりと笑った。
「牧野が幸せならそれでいい。その幸せを与えるのが俺じゃなくても。だけど、やっぱり悔しいから・・・・総二郎に協力はしない。今度またこじれて別れ話でも出たら、そのときは本当に俺が牧野をもらうから、そのつもりでいてよ」
「アホか」
 俺は類を睨み返して、言った。
「何回こじれたって、お前に・・・・・他の奴になんか渡さねえよ。お前にとってあいつがお前の一部だって言うなら、俺にとってあいつは俺の全てだ。あいつがいなかったら・・・・生きていけねえよ」
「・・・・・じゃ、奪うわけには行かないね・・・・」
「ああ・・・・・覚えといてくれよ」
 そう言って俺たちは目を見交わし、拳をつき合わせた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 次回あたり、終わらせられるかな?
 あたしの中の総二郎君はこんな感じ。結構人それぞれ、キャラクターのイメージって違ったりしますよね。
 共感していただける方にもそうでない方にも、楽しんで読んでいただければうれしいです♪

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言葉に出来ない vol.3 ~花より男子・総つく~

Category : 言葉に出来ない(完結)~花より男子・総つく~
 -soujirou-
 「くっそ、あいつ電源切ってやがる」
 俺は携帯を睨みつけて思わず吐き捨てるように言った。
 何度かけてもコールのみ。
 挙句には電源も切られてしまうという嫌われようだ。
「この俺相手に・・・・いい度胸じゃねえか」
 額に青筋。
 全くここまで俺を振り回す女なんて初めてだ。
「結局、ここまで来ちまったじゃねえかよ・・・・・」
 足を止めて見上げたそこには、牧野のアパート。
 窓からは明かりが漏れて、中に人のいる気配もする。
 ―――できれば、あいつの家族がいない場所で話したいんだけどな・・・
 でも、ここまで来てしまっては仕方ない。
 俺は溜息をひとつつくと、意を決してアパートの階段を上り始めた。

 牧野の部屋の前まで来ると、一呼吸置いてから、ドアをノックした。
「はーい」
 牧野の声がドア越しに聞こえ、玄関に近づく音。
 開ける前に何か言われるかと思えば、何の躊躇もなく鍵を外し、ドアが開いてきたから驚く。
「―――西門さん!?」
 牧野が俺を見て、心底驚いた顔をする。
「お前・・・・こんな時間にドアノックされて、簡単のドア開けてんじゃねえよ!不審者だったらどうすんだ!」
 あまりの無防備さに俺が怒鳴ると、牧野は途端にむっと顔をしかめ、そのままドアを閉めようとした。
「だあっ、ちょっと待てって!話があんだよ、聞け!」
「あたしはない!」
「俺はあんの!このまま閉めたら、このドア壊れるまで叩き続けるぞ!」
「げ!やめてよ!弁償代かかるじゃない!」
「だから話をきけっつーの!」
 玄関での押し問答。当然隣近所にも聞こえていただろう、下の階でドアが開く音がする。
「!!と、とにかく入って!」
 牧野はそう言うと俺の腕を引っ張って中に入れ、バタンとドアを閉めた。
「・・・・お前、1人?」
 すぐに見渡せる狭い部屋。どう見ても誰もいなかった。
「両親はスーパーで泊り込みの仕事してるって言ったでしょ?弟は今日は友達のところに行ってるから」
「あのな・・・・それならなおさら、お前1人でいるときに簡単にドア開けたりすんなよ、あぶねえから」
 呆れながらも、つい心配でそう言うと、牧野はなんとも言えない表情で俺を見た。
 気まずい沈黙に、俺は持っていたものを思い出し、それを差し出した。
「はいよ、これ」
「え?これ・・・・・って」
 持って来たのは、例のカフェで買ったケーキ。
 つぶれてしまってどのケーキを買ってくれたのかよくわからなかったが、おそらくこれかな?と思う、俺の好きなビターチョコのケーキと、牧野が好きそうなチーズケーキを買ってきた。
「・・・悪かったな。せっかく俺のために買ってくれてたのに・・・」
 そう言うと、牧野は顔を赤らめて、横を向いた。
「べ、別に!あんたのためじゃ・・・・あ、あたしが食べようと思って買ったんだもん!」
「・・・・・・あ、そ。とにかくやるよ」
 相変わらず意地っ張りな牧野に溜息をつきながらも、俺はこれ以上こじらせたくなくて、素直に聞くことにした。
 牧野は、そんな俺の態度に戸惑いながらも、そのケーキの箱を受け取った。
「・・・・あ、上がれば?いつまでもそんなとこ突っ立ってないで・・・」
 そう言って先に部屋の中に入り、ちゃぶ台にケーキを置く。
 俺は靴を脱ぐと、その後についていきちゃぶ台の横に座った。
「・・・・・コーヒー、飲む?」
「いや、いい。先に、話がしたい」
「・・・・・・・・」
 俺の言葉に牧野は黙り、きゅっとこぶしを握る手に力をこめた。
「・・・・・今日のことは、謝る。あんなこと言うつもりじゃなかった・・・・。ごめん」
「・・・・・」
「思わず頭に血が上って・・・・・反省してるよ、マジで」
「・・・・・無理、しなくていいよ」
「は?」
 予想もしていなかった牧野の言葉に、俺は顔をしかめる。
「大体、西門さんがあたしと付き合うなんて、最初から無理があったんだよ。あんな賭けして、勢いで付き合いだしたからって、無理にあたしに合わせようとしてくれなくてもいいよ。あたしと別れたいなら、もっと早くそう言ってくれれば・・・・・」
「ちょっと待て!」
 早口でまくし立てるようにしゃべりだした牧野の言葉を、俺は少し大きな声で止めた。
 ―――何言ってんだ、こいつ
「何言ってんだよ?俺は、お前と別れたいなんて思ってねえよ」
「・・・嘘だよ。だって・・・・西門さん、ずっと無理してるもん。あたしのこと元気付けてくれるために、いろんなところ連れて行ってくれたり、お茶会に誘ってくれたり、休みごとに・・・・・たくさんいた彼女たちとも別れちゃうなんて、やりすぎ。あたしに気を使ってくれるのは嬉しいけど、あたしはもう大丈夫だから。道明寺とのことももう吹っ切れたし、1人でも大丈夫だよ。だから・・・・」
「―――ふざけんな!!」
 俺は、牧野の肩を掴むとそのままその体を引き寄せ、思い切り抱きしめた。
「!!・・・・・・西門・・・・・さん?」
「俺は・・・・お前とそんなつもりで付き合ってたんじゃねえ」
「え・・・・・」
「確かに、最初はお前を元気付けたいって気持ちがあった。司とのこと話すお前は痛々しくて・・・見てらんなかった。だから、傍にいてやりたいって思った。だけど、そのためだけに他の女全部切って、お前と付き合いだしたわけじゃねえ」
「・・・・・・・」
「賭けなんて、ただの言い訳だ。きっかけが欲しくて・・・・ああでもしなきゃ、お前とは付き合えねえって思ったんだ」
「どういう・・・・意味・・・・・?」
 俺は、牧野の体をちょっと離すと、真っ直ぐに牧野の瞳を見つめた。
「俺は、お前が好きだ」
 俺の言葉に、牧野の瞳が見開かれる。
「・・・・・もうずっと前から、好きだった。自分でも気付かないうちに、惚れてた。だけど、どう言ったらいいかわからなかった。俺はこういう男だし、普通に告ったって、相手にされないだろうと思ってたから。だけど・・・・本気なんだよ。他の女なんか目に入んねえくらい・・・お前が好きなんだ」
「うそ・・・・・」
 まだ疑う牧野の言葉に、俺は溜息をつき、苦笑する。
「嘘じゃねえって。ほらな。俺ってどんだけ信用ねえんだよ。俺は、お前と付き合いたくて、他の女全部切ったの!ただの勢いじゃなくて・・・・・お前じゃなくちゃダメなの!・・・・・どうしたら信じてくれる?」
「どうしたらって・・・・・」
「・・・・お前にとって、俺って何?俺が他の女と付き合っててもなんとも思わない程度のやつ?」
「あたしは・・・・・」
「・・・・・もし、類に付き合ってって言われたら、簡単に別れられるようなやつ?」
 類の名前に、目を瞬かせる牧野。
「な・・・・んで、類?」
「・・・・あいつは、特別だろ?あいつといるときのお前は、すごく自然で、楽しそうに見えるよ。2人の間には、誰も踏み込めないような何かがある気がする。今日だって・・・・・お前ら2人を見つけたとき、俺がどんな気持ちだったかわかるか?頭が真っ白になって、気がついたら追いかけてた。お前だけは譲れないって思うのに、類には絶対敵わないような・・・そんな絶望的な気分だった」
「類は・・・・・類は、大切な人だから・・・・」
 牧野の口から出る言葉に、俺の胸がずきんと痛む。
「類といると、いつも安心するの。あの人の、コーヒーの湯気みたいな空気に包まれてると、殺気立ってた気持ちとか、イライラしてた感情とか、全てなくなって無になれる・・・・そんな気がするの」
「・・・・・・・・」
「だけど、あたしはきっと類とは付き合うことが出来ない」
「・・・・・なんで」
「類は、唯一あたしの『安心出来る人』なの。イライラしたり、不安になることがない人。でもそれってきっと・・・・恋愛感情とは違うんじゃないかって気がするから」
「でも・・・・好きだっただろ?」
「うん。あれが、あたしの初恋かな。今の感情とは違うけど・・・・やっぱりずっと、大事な存在だよ」
 そう言って静かに微笑む牧野は、やっぱりすごく自然な気がした。
「・・・・・やっぱり妬ける」
「え」
「恋愛感情はないって言われても、お前の特別な存在だってのが、おもしろくない。じゃ、俺はなんだよ?お前の彼氏としても認めてもらえねえの?」
「西門さん・・・・・」
「勢いなんかじゃない。本気で、好きなんだ。お前の気持ちが知りたい」
「あたし・・・・・は・・・・・」
 戸惑いに揺れる牧野の瞳。
 俺は、その目をじっと見つめた。
「あたしも、たぶん、西門さんを好き、だよ」
「・・・・・たぶんって、なんだよ」
「だって、よくわからないんだもん。3ヶ月間付き合ってきて、西門さんが本当はすごくまじめな人だとか、優しい人だとか、家族思いなんだとか、いいところをたくさん知るたびに好きになっていくような気がする。だけど・・・・」
「だけど?」
「・・・・彼女たちと別れても、やっぱり西門さんの回りにはきれいな人がたくさんいるし、西門さんは女の人にはすごく優しいし・・・・・仕事だってわかってても、あんなにきれいな人ばっかり周りにいたら、あたしなんてかすんじゃうだろうし、あたしは西門さんの彼女だって胸張っていえる自信なんかないから・・・・・」
「ちょっと待て」
「え?」
 俯きながら話す牧野を、俺は手を上げて制した。
 ―――なんか、ものすごいことを聞いた気がする・・・・・
「あのさ・・・・俺の勘違いじゃなければ、だけど」
「??なに?」
「それはひょっとして・・・・嫉妬か?」
 その言葉に、牧野の顔が見る間に真っ赤になった。
「あ、や、だから・・・・・」
「俺が、女といるの見て、むかついてた?」
「・・・・・・・むかついた、よ」
 恥ずかしそうに俯いて言う牧野。
 ―――マジで・・・・?やべェ・・・・・・すげえ嬉しいかも・・・・・
 俺は、自分の頬が高潮していくのがわかった。
「でも、みんなきれいでさ、西門さんの横にいてもちゃんとつりあってて・・・・あたしなんかが文句言うのは違う気がして・・・・」
「バカ」
「ば、バカって何、ひどっ・・・・・」
 真っ赤になってまた怒り出す牧野を、俺は腕の中に閉じ込めた。
「いんだよ、遠慮なく文句言えば。俺の彼女はお前、牧野つくしなんだから。他の女に遠慮なんかすることねえ。俺は・・・・お前にもっと妬いて欲しい」
「な、何言って・・・・・」
「お前は、俺が誰といても気にしてないんだと思ってた。ヤキモチ妬くほど、俺のこと好きじゃないんだって思ってた。だから・・・・そういう風に思っててくれたってわかって、すげぇ嬉しいよ」
「西門さん・・・・・」
「今は、それ聞けただけで満足。それで、これからもっと俺のことを好きになってくれればいい。たぶんじゃなくて、ちゃんと俺のことが好きって言ってくれるまで、俺は待ってるから」
 俺の言葉に、牧野は驚いたような顔をする。
「西門さん・・・・」
「だから・・・・ずっと、俺の傍にいろよ。もっと俺を好きになって、もっと妬いて欲しい」
「なんか、それずるい・・・・」
「バーカ。俺なんかとっくにお前から離れらんなくなってるんだぜ。離れられないし、離せない。もし司や類が奪いに来ても・・・・絶対渡さねえから、覚悟しとけよ」
 そう言ってにやりと笑ってやると、牧野は顔を赤くして・・・・・俺の胸にぽすんと倒れこむように寄りかかると、小さい声で囁いた。

「・・・・・・・バカ・・・・もう、あたしのが、離れらんなくなってるよ・・・・・」

 聞こえた言葉が嬉しくて。
 何も言わずにただぎゅっと抱きしめて。
 一生、離さないと心に誓った・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 やっぱりもう1話続きます(^^;)次で最後・・・・にできるか?
 総二郎って策士っていうか、どちらかというと嫉妬とかしないキャラクターっぽい気もするんですが、私はやっぱり嫉妬して欲しくって。
 つくしに愛を捧げちゃってる総二郎を書きたかったんです。

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言葉に出来ない vol.4 ~花より男子・総つく~

Category : 言葉に出来ない(完結)~花より男子・総つく~
 「―――あ、ケーキ・・・ありがと」
 突然、牧野が思い出したように言った。
「ああ、別に・・・。俺が悪いんだし」
「えっと、コーヒー、入れるね」
 そう言って立ち上がる牧野。
 ほんのり染まった頬が、俺を意識してくれてるんだと思わせてくれてなんだか嬉しかった。
 そんなことで嬉しくなるなんて、俺もまだまだだな。
 なんて思いながら、何気なく牧野の行動を見ていたが。

 台所で、お湯を沸かし始める牧野。
 洗ってあったコーヒーカップを2つ、並べる。
 そこまではいい。だけど。
「・・・なあ、何で3つ?」
「え?何が?」
「コーヒーカップ。洗ったのが3つあんじゃん。今、弟と2人暮らしだろ?」
 漸く落ち着いてた俺の心が、またざわつく。
「あ・・・・これ、今朝類が来たときの・・・・」
「類が・・・・来たのか?ここに?」
「うん。ランチを、レストランで予約したって言うんだけど時間がまだ早かったから、一旦うちに来てもらったの。1時間くらい時間潰して・・・・」
「ちょっと待て。何でお前はそういうこと平気でするんだよ」
 俺は立ち上がると、牧野の傍まで行った。
「そういうこと?」
 牧野はきょとんとして首を傾げている。
「何で男を平気で家に上げたりするんだって言ってんの」
「え・・・・・だって、類は・・・・・・」
「特別ってやつ?じゃ、類だったらここでお前を襲っても許せるのか?」
「な、何言ってんのよ、違うわよ。類はそんなことしないし・・・・・」
「何でわかる?あいつだって男だぜ?それも、ずっとお前のことを好きだって言ってる・・・・そんなやつを、どうして家に上げるんだよ?」
 どうしようもなく類に嫉妬していた。
 牧野の『特別』
 それは仕方がないことだって頭ではわかってるつもりだけど、モヤモヤする気持ちはどうにも出来ない。
「そんなに怒らないでよ!類は絶対そんなことしないよ。あたしが嫌がるようなこと、する人じゃないって西門さんだって分かって・・・!」
 聞いてられなかった。
 牧野の腕を引き寄せ、その唇を塞ぐ。
 驚き、離れようとする牧野の腰に手を回し、逃げられないように抱きしめる。
「―――――っ、や・・・・・・・・・!」
 胸を押され、一旦唇を離すと、牧野が泣きそうな顔で見上げてくる。
「何で・・・・あたしのこと、信じられない?」
「・・・・・そういうことじゃねえ。信じるとか、信じないじゃねえ。俺は、お前が俺以外の男と2人きりでいるのが嫌なんだよ。それが類じゃなくても、だ。でも、類の気持ちは知ってるからな、だから余計に頭に来る。もう少し、あいつを警戒しろ!」
 そう言っても、まだ牧野は納得のいかない顔をしている。
「・・・・・あのな、普通の男だったら、好きな女と2人きりで部屋にいれば当然その女を抱きたいって思うもんなんだよ」
「な・・・!抱きたいって、そんな直接的に言わないでよ!」
「間接的に言ったって同じだろ。とにかく、いくら類だってそういう欲求は持ってるんだよ!お前のことを大切に思ってるから自制してるんだろうけど、何がきっかけでそれが崩れるか、わかったもんじゃねえ!」
「だ、だって、そんなこと今まで一度も・・・・」
 牧野がなおもまだ類のことを庇おうとするのを見て、俺は更にいらだった。
 類が、司がいなくなってからずっと牧野を支えていたことは知ってる。
 しょっちゅう家に来て入り浸っていたってことも。
 家族がいることもあれば、2人きりのこともあっただろう。
 そのときにも何もなかったってことが、信じられないわけじゃない。
 もし仮に何かあったとしたって、過去のことだ。
 そのときには俺も複数の彼女と付き合ってたわけだし、類とのことをとやかく言う資格なんかない。
 それはわかってる。わかってるけど・・・・

 俺は、過去の類にも嫉妬していた。
 ずっと牧野の傍にいて、見守ってきた男。
 俺の知らない牧野のことも、きっと知っているんだろう。

 「あ、お湯、沸いた」
 やかんのお湯が沸き、牧野は慌てて火を止めた。
 そして、そのやかんを持とうとする牧野の手を、俺は後ろから掴んでそのまま抱きしめた。
「な、何・・・?」
 戸惑う牧野の声。
「やっぱコーヒー、いらない」
「い、いらないって・・・・・」
「・・・・我慢できねえ」
「え・・・・?」
 戸惑って体を捩ろうとする牧野。
 俺はそんな牧野を抱きしめる力を強め、首筋にそっとキスを落とした。
「ひゃっ、やだ、なに・・・・・」
「男が、どんなもんか・・・・・・物分りの悪い姫に、教えてやろうか?つくしちゃん」
 耳元で囁き、ついでにぺろりと耳朶を舐めあげると、牧野は「あっ」と短い声を上げ、体を震わせた。
「や・・・・はな、して・・・・・」
「離すわけ、ねえだろ?どんだけ俺がお前に惚れてるか・・・・わからせてやるよ・・・・・」
 腰に回していた手を徐々に胸元まで持っていき、服の上からその小さな胸を掌に納める。
「・・・・・っ、西門、さん・・・・・だめ・・・・・」
「ダメじゃない。もう、これ以上我慢できねえ。お前と付き合ってから今まで・・・・中学生みたいなキスくらいしかしなかった。俺が、どんだけ我慢してたかわかるか?手を出したくても、出せなかった。お前の気持ちがちゃんと俺に向いてから・・・・そう思ってたんだ、ずっと」
「・・・・・・・」
「漸くお前の気持ち知って・・・・・でも大事にしたいから。無理やりなんてことはしたくなかった。だけど・・・・もうだめだ」
「だめって・・・・・」
「お前が・・・・簡単に類を家に上げたりするってわかったら、もう我慢なんかできねえ」
「そ、そんなの・・・・・類のせいにするなんて・・・・・」
「あいつが、言ってたよ。今度こじれたら、牧野を奪ってやるって・・・・・あいつはそれくらい、本気なんだ。そんなやつと2人きりでなんかいさせたらどうなるか・・・・・今まで何もなかったから、なんて安心なんかできるかよ」
 そこまで言うと俺は、牧野が何か言うより先にその体をこちらに向けさせ、そのまま唇を塞いだ。
「・・・・・・・・んっ、ふ・・・・・・・・」
 息継ぎに一瞬開けられた隙間から、舌を差し込み口内を貪る。
 牧野に、こんな乱暴なキスをするのは初めてだった。
 ずっと大事にしてきた。今でもその思いは変わらないけれど。
 類の顔が、目の前をちらつく。
「西門さん・・・・!ね、あたしのこと、信じてよ・・・・・もう、類を家に上げるようなこと、しないから・・・・・だから・・・・・」
 牧野は俺からぐいと顔をそらせると、必死にそう言った。
「・・・・・そうだといいけどな。でも、どっちにしろもうだめ。諦めろ」
 そして俺は牧野を横抱きに抱きかかえると、部屋の真ん中まで連れて行き、畳の上にその体を横たえた。
「ちょ、ちょっと!」
「何?あ、痛いか?布団ひいた方がいいか?」
「そそ、そうじゃなくて!」
 必死に抵抗を試みる牧野。
 でも男の俺の腕力に、敵うわけがない。
 あっという間に組み敷かれて、俺の下でうろたえる。
「・・・・・1つ、聞きたい」
「な、なに・・・・・」
「類に・・・・何もされてない?」
「な、何もって、何を・・・?」
「たとえば、キスとか・・・・・」
 その言葉に、ぎくりとする牧野。 
 ―――こいつのこういう正直なところは、ある意味犯罪だな・・・・・。
「・・・・キス、されたんだ?」
「ち、ちが、あの・・・・・・」
「されたんだろ?どこ?額にされたのは俺も見たことあるけど。そんなにあせるってことは、ここ・・・・」
 そう言って俺は、人差し指で牧野の唇をなぞった。
 ピクリと反応し、頬を染める牧野。
 それが、俺に対する反応なら嬉しいけど・・・・
「・・・・・思い出しちゃった?類のキス」
「そんなんじゃ・・・!」
「・・・・・でも、嫌じゃなかったんだろ?それ」
「だ、だって、そのころはあたしも類のことが好きで・・・・・そ、それに2度目のときは突然で一瞬何が起こったのか・・・・・」
「ふーん・・・・・2回したわけだ・・・・・」
「!!」
 金魚みたいに口をパクパクさせる牧野。
 全く・・・・・正直にも程がある。
「牧野、覚悟して」
「はい?」
「俺・・・・・手加減できそうにもないから」
 そう告げて。

 俺はまた、牧野に深い口付けを与えた・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「Bitter&Sweet」にアップしようと思っていたお話。なんか長くなってしまったのでこちらでアップすることにしました。続きはR版としてアップ・・・の予定です。

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言葉に出来ない vol.5 ~花より男子・総つく~

Category : 言葉に出来ない(完結)~花より男子・総つく~
 「西門さん、もっと急いで!!」
「わあってるよ!!それよりお前、また名前戻ってる!」
「は!?聞こえない!!とにかく急いで!!」
 空港に車を止め、急いで走り出す。


 結局あのまま牧野の家に泊まった俺。
 翌朝、牧野の携帯の音で目を覚ました。
 牧野はまだ寝ていて、俺はボーっとしながらも無意識に着信音を鳴らし続けている携帯を手に取った。
 液晶を確認すると『花沢類』の表示・・・・・。

 どうしようかと一瞬悩み、これはやっぱりルール違反だと牧野を起こすことにした。
「おい、メール来てるぞ」
「ん・・・・・んー・・・・・」
 牧野が目をこすりながらも体を起こし、携帯を受け取る。
「・・・・・類ー・・・・?」
 起きたばかりの甘ったるい声で呼ばれた名前に、またもやもやしかけるが、昨晩のことを思い出し、気を取り直す。
「・・・・・類、なんだって?」
 そう聞いても、牧野は黙ったまま。
「おい?」
「・・・・・今何時?」
「は?」
「何時!?」
 ものすごい剣幕の牧野に押され、俺は時計をちらりと見た。
「9時・・・・だけど・・・・・」
「・・・・10時半までに、空港行ける・・・・・?」
「く、空港・・・・?」
「後1時間半・・・・・急いで!!」
「は!!?」
 何がなんだかわからず・・・・
 俺は家に電話して車を回してもらい、そのまま牧野に引っ張られるように車に乗り込み、成田空港へ向かった。

 「類が?」
 車の中で俺は、牧野に送られてきたメールを見せてもらった。

 『10時半の飛行機でフランスへ発つ。元気で』

 類らしいといえば類らしい、簡潔なメール。
「さよならも言わないで行っちゃうなんて・・・・・」
 きゅっとこぶしを握り締めた牧野。
 人一倍別れに敏感な牧野。
 相手があの類ならなおさら・・・・・・。
 俺は黙って牧野の肩を抱き寄せると、その黒髪にキスを落とした。
「・・・・間に合うよ、大丈夫」


 空港の中を全速力で走る。
 時間を確認してる間もない。
 もう行っちまったか?
 類!!
 間に合ってくれ!!

 搭乗ゲートに向かうエスカレーターの前。
 見覚えのある薄茶のサラ髪が見えた。

 「類!!!」
 牧野の大声に、類の肩がびくりと反応する。
「類!!」
「牧野!?」
 驚きながらも戻ってきた類の元へ牧野が駆け寄る。
「・・・・・総二郎も、何で?」
「何でじゃないでしょ!どうして黙って行っちゃうのよ!空港まで見送りに行くからって、昨日も言ったのに!」
 息を切らしながらも牧野が類を睨みつけながら怒鳴る。
「いや、予定が早まって急に帰らなくちゃいけなくなったから・・・きっと今頃は2人で一緒にいるだろうし、邪魔しちゃ悪いかなって思ったんだけど・・・・・それに一応メールもしたし」
「あんなメールだけで・・・・・ひどいよ。ちゃんと見送りさせてよ」
 さっきまで怒っていたのに、今度は涙ぐんでいる。
 本当に忙しいやつだ。
「ごめん・・・。でも、ちゃんと仲直りできたんだね」
 類がいつものとおり穏やかに笑うと、漸く牧野も笑顔になった。
「うん。ごめんね、昨日は・・・・・。今日、ちゃんと謝りに行こうと思ってたのに」
「いいよ。言ってるでしょ、牧野のごめんは聞きあきたって。俺は牧野がそうやって笑ってくれるならそれでいいんだ」
「でも・・・・ひさしぶりに帰ってきてくれたのに、少ししか一緒にいられなくて」
「また来るよ。いつになるかわからないけど・・・・・。そのときまた、一緒にご飯食べよう」
「うん」
「あのさ・・・・・」
 放っておくと2人の世界にどっぷりはまっていきそうなので、俺はそこで割って入った。
「俺がいること忘れてねえ?」
「総二郎・・・・・」
「わ、忘れてないよ!何言ってんの」
「どうだかなー。この俺足代わりにしやがって」
「だ、だって!」
「必死だったんだぜ、絶対類を見送るんだって。全く彼氏の俺の立場どうしてくれんだっつーの」
 横目で睨んでやると、牧野が気まずそうにあさっての方向を見る。
「・・・・・彼氏の立場でいられるだけいいんじゃない?」
 静かに言った類の言葉に、牧野がはっとして類を見上げる。
「おい・・・・」
「総二郎、昨日俺が言ったこと忘れないでね。俺は牧野のためなら、どこからでも飛んでくるよ」
「類・・・・・」
「わかってる。だけど俺もおんなじヘマやるほど馬鹿じゃねえよ。もう牧野を悲しませるようなことはしない」
 そう言って俺は、牧野の肩を抱き寄せた。
 牧野がちょっと照れくさそうに俺を見上げる。
「それならいい。牧野・・・」
「あ、うん」
「俺はいつでも牧野の幸せを願ってるから。もし何かあったら遠慮せずに連絡して。それから・・・・」
 そこで類は少し声を潜めると、牧野を手招きした。
「?何?」
 牧野が類の傍へ寄る。
 と・・・・・

 類が身を屈め、牧野の唇に触れるだけのキスをした。

「!?」
「!!な、何してんだよ!!」
 俺は慌てて牧野の腕を引っ張り、抱き寄せた。
 牧野は呆然として、目を見開いている。
「お別れの挨拶。このくらいいいだろ?」
「よかない!お前はもう牧野に近よんな!」
「に、西門さん!」
「ひどいな、それ」
「うるせー!牧野にさわんな!」
 俺が怒鳴ると、類は逆に落ち着き払った様子でくすりと笑った。
「・・・・牧野、良かったね」
「え・・・?」
「総二郎には、もう牧野しか見えてない。浮気の心配はないと思うよ。その代わり独占欲はかなり強いみたいだから、気をつけて」
「類・・・・・」
「おまえな・・・・」
「これからずっと、牧野を1人占めできるんだから少しくらいいいでしょ。じゃ、時間ないからもう行くよ」
 そう言って類は手を振り、エスカレーターに向かって歩き出した。

「類!」
 牧野が、類を呼ぶ。
 類が牧野を振り返る。
「・・・・ありがと。あたし、類が大好きだよ」
 牧野の言葉に、類がやわらかく微笑む。
 類が他の誰にも見せたことのない、優しい笑みだ。
「俺も。またね、牧野。元気で」
「類も、元気で!」
 軽く手を上げ、エスカレーターに乗る類。

 その姿が見えなくなるまでじっと見送っていた牧野。
 俺はただ、その姿を見守っていた・・・・・。


 「ね、あのカフェ、今度は2人で行こうよ」
 隣で牧野が満面の笑みで言うが、俺は答えない。
「ねえってば、西門さん!いつまで怒ってるのよ!てか、何怒ってるの?」
 今度はぷくっと頬を膨らませる。
「・・・・・わからないところが問題なんだろ」
「そんなこと言ったって、わからないものはわからないもの」
「・・・・普通、自分の男がいる目の前で、他の男に『大好き』なんて言うかよ?」
 思い出しても腹が立つ。
 彼氏の俺でさえ、昨日漸く『好き』と言ってもらえたばかりだってのに、『大好き』だと!?
「なんだ、そんなこと・・・・・」
 牧野の呆れた言い方に、また腹が立つ。
「そんなことって、お前なー!」
「だって・・・・・」
「それにあのキスだ」
「あれは類が勝手に・・・」
「お前にそういう隙があるからされるんだよ!ちょっとは警戒しろ!」
「・・・・・・ごめん・・・」
「類に対してのお前の気持ちはわかってるつもりだけどな、それでも腹立つんだよ!きっと俺はずっと類に嫉妬するよ」
「西門さん・・・・・」
「あとそれ」
「へ?」
「名前で呼べっつったろ?」
「だ、だって、慣れないし・・・・それに西門さんだって!」
「俺はいいの」
「ずるい!」
 むっと顔を顰める牧野。
「・・・・・つくし」
 だからそう呼んでやれば、今度は真っ赤になって照れる。
 そんな顔見せられたら、もう怒れやしない・・・・。
「・・・・・つくし。ちゃんと名前で呼んでみて」
 真剣に見つめて言えば、少し戸惑ったように赤くなりながらも、呟くように
「・・・・・総」
 と呼んでくれた。
「いい子だ。でも、それだけで許してもらえると思うなよ?」
 にやりと笑って言えば、眉間に皺を寄せて渋い顔。
「も~~~じゃあどうすればいいの?」
「・・・・・つくしちゃんからのキスが欲しいなあ」
「は・・・・・!?」
「キス、してくれたら許してやる」
「で、できるわけ・・・!」
「類とは出来るのに?」
「だからあれは・・・!」
「つくしが好きなのは誰?」
「!!」
「俺を、信じさせてくれよ」
 あと10cm
 息遣いも感じられるほど間近で見つめてみれば、牧野はもう沸騰寸前で。
 あんまり苛めても逆効果かな・・・・
 そう思って離れようとしたら。
 ふいに、牧野が俺の頬に両手で挟みこんだと思うと、牧野の唇が一瞬俺の唇に重なり、そしてすぐに離れた。
 本当に一瞬の出来事。
 それでも牧野の顔は真っ赤で。
 相当の勇気を振り絞ったんだということがわかったら、嬉しくてたまらなくて・・・・・
 気がついたら、牧野を抱きしめていた。
「・・・・・に、西・・・総、みんなが見てる・・・・・」
「見せ付けときゃいい」
「・・・・・信じてくれた・・・・?」
「ああ。すげぇ嬉しい。まじで・・・・好きだよ、つくし」
「・・・・・うん・・・・・」
「好き過ぎて、言葉に出来ないくらい・・・・・愛してる・・・・・」
「・・・・・あたしも・・・・・」

 人生生きてきた中で、一番素直になれた瞬間だと思う。
 誰にも渡したくないって、初めて思ったんだ。
 好きで好きで仕方ない。
 言葉に出来ない想い。
 だから、想いのままに抱きしめて、キスをしよう。
 そうしてずっと、君だけを愛し続けるから・・・・・


                                 fin
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あ~なんか終わり方が・・・。
 結構難しかったです、総つく・・・。
 でもまたチャレンジしたいな~と思うCPです。

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