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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
*このブログについての誹謗中傷・クレームなどの書き込みはおやめください。
*このブログの無断転載複製を禁じます。
*万が一このブログをお読みになって不快感を感じられたとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

Fantasista vol.1~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 「あれ?西門さん?」
 その声に、俺は後ろを振り返った。
「やっぱり、西門さんだ。久しぶりだね」
 そう言って笑ったのは、牧野つくしだった。
「牧野?お前こんなとこで何やってんの?しかもそんな格好で・・・・・」
 俺は目を丸くした。
 今俺たちがいるのはホテルのロビー。
 そして牧野は、なぜか艶やかな着物姿だったのだ・・・・・。
「まさか見合い?」
 この場所と着物という格好を見れば、想像されるのはそんなとこなのだが・・・・・
 俺の言葉に、牧野はあからさまに顔を顰めた。
「まさか!仕事よ。あたし今、このホテルのブライダル事業部にいるの。で、今日は取引先との会合があって・・・・・この着物はその取引先のもの。向こうの要望で試着させられてるの」
 さばさばとした口調と、よく通る声は昔と変わらない。
 着物に合わせたメイクはなかなか艶っぽく、25歳になった女の色香を漂わせていた。
「西門さんこそ、どうしてここに?着物着てるってことは、そっちこそもしかして?」
 と冗談めかして言うのを、俺は苦笑して頷く。
「俺はそのまさか。いよいよそのときが来たって感じ」
「え、ほんと?」
 牧野がその大きな瞳を見開く。
「驚くようなことでもねえよ。俺ももう26だし、来年はいよいよ襲名だ。そろそろ身を固めろって親もうるせえし。遊ぶのにも飽きてきたとこだから、ちょうどいい」
「へ~え・・・・・そっか、西門さんもいよいよ・・・・・でもなんか意外」
「何が?」
「う~ん、なんとなく・・・・・西門さんは恋愛結婚かなって思ってたから・・・・・」
「恋愛?俺が?」
 牧野の言葉にびっくりする。
 俺はこいつの前でも散々女たちと遊んできた。
 そんなやつを目の前に、恋愛結婚だって?
「だって、西門さんって意外とピュアっていうか・・・・・・真剣な恋愛を求めてるのかなって・・・・・なんとなくだけどね。あ、彼女?」
 牧野が俺の後ろに視線をやる。
 振り向くと、俺の見合い相手の女が化粧室から出て俺のほうへやってくるところだった。
 モスグリーンの着物が似合う和風美人。
 一見しとやかそうで、茶道の心得もあるし23歳という年齢の割には落ち着いていて、家元夫人としても申し分のない家柄。
 この見合いにも、家の決めた結婚にも不満はなかった。
 いつかはこういう日が来るということもわかっていたから、特に疑問も持たなかった。
「きれいな人だね。じゃ、あたしもう行くね」
 そう言って牧野がくるりと背を向ける。
 その後姿をしばし見つめる。

 ―――真剣な恋愛を求めてるのかなって・・・・・

 「総二郎さん、お待たせしてごめんなさい」
 女がにこやかに笑う。
 きれいな顔だ、と思った。
 俺と同じ・・・・・政略結婚に何の疑問も持たない人間。
 この女は、俺の鏡だ・・・・・・・。

 もう一度、牧野に視線を戻す。
 背筋を伸ばし、真っ直ぐと前を見据える黒い瞳。
 何の後ろ盾がなくても、自分の進むべき方向だけを真っ直ぐに見つめて突き進む女。
 それが牧野つくし・・・・・。

 「総二郎さん?どうかして?」
 女が首を傾げる。
 その角度や視線の先まで計算されたような仕草。
 一分の隙もないそれは、これからの俺の仕事にも役立つ・・・・・・はずだった。

 「総二郎さん?」
「・・・・・・ごめん」
「え?」
「俺、きみとは結婚できない」
 俺の言葉に、女の顔色が変わる。
「・・・・・どういうことですの?」
 少し離れた場所にいた牧野が、ふと振り向く。
 俺と彼女の間に流れる、張り詰めたような空気に気付いたのだろう。
 俺は、彼女に向かってにっこりと微笑んだ。
「俺、好きな女がいるんです。結婚は・・・・・彼女とします」
「な・・・・・何言ってらっしゃるの・・・・・・?わたくしは・・・・・・」
「申し訳ない。この話は、なかったことにしてください」
 そう言って、呆気にとられている彼女をその場に残し、牧野のほうへ歩いていく。

 「よ」
「よって・・・・・ねえ、いいの?彼女・・・・・お見合い相手じゃ・・・・・・」
「ああ、もう終わった」
「終わった?」
 牧野が怪訝そうに首をかしげた時・・・・・・
「総二郎さん!!」
 後ろからすごい剣幕で迫ってきたのは、あの女だ。
「・・・・・こちら、どなた?まさか、この方がお相手ですの!?」
 きっと牧野を睨み付けるその形相は、さっきまでのおしとやかな和風美女と同一人物とは思えないものだった。
「西門さん?」
 牧野がもの問いた気に俺を見る。
「・・・・・だとしたら?」
「私を、侮辱するおつもり?私よりも、こんな方を選ぶなんて・・・・・!」
「ちょ、ちょっと待って!何言ってるの!?西門さん、何のこと?」
 慌てて口を挟む牧野の肩を無理やり引き寄せる。
「うわ、ちょっと何!?」
「彼女は俺の大切な人です。あなたとはこれっきりだ。じゃ」
 そう言って、牧野の腕を引っ張り、歩き出す。
 
 「ちょっと、西門さんってば!!説明してよ、どういうこと!?」
「まあちょっと待てよ、ここ出たら・・・・・・・」
 と俺が言いかけた時―――

 「総二郎さん!!」
 甲高い声にぎょっとして振り向くと、あの女が鬼の形相で走ってくるのが見えた。
「げ・・・・・・」
「へえ、意外とアクティブなんだな」
「んな暢気な!!」
「走るぞ!!」
「えええ!!?」
 あたふたと慌てる牧野の腕を強引に引っ張り、俺はホテルを出るとそのまま走り続けた。

 着物の裾を翻し、真昼間の人通りの多い道を思い切り走り抜ける。

 風を切るのがこんなに気持ちいいって、今更気付いた気がしてた・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総つく3作目。
 前作とは全く別物になります。
 あんまり長くなりすぎないよう、捻ったお話にはならないと思いますが・・・・・
 楽しんでいただければ嬉しいです♪

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そして遅ればせながら・・・Blue ChristmasのR版を「Bitter&Sweet」の方へアップさせていただきました♪
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Fantasista vol.2~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 「総二郎さん、あなたはご自分が何をしたかわかってらっしゃるの!?」
 きっと俺を睨み付ける母親の冷たい視線。
「もちろん。俺はあの女とは結婚しない。どうせ政略結婚って言ったって、たいした得もない相手だ。年頃の女で、あれが一番ましだったってだけのことだろ?来年の襲名には大して影響しない」
 肩をすくめて淡々と話す俺に、母親はますます目を吊り上げている。
 父親はそんな母親を苦笑しながらちらりと見て、口を開いた。
「まあまあ・・・・・総二郎にその気がないなら仕方ないだろう」
「あなた!だって、あの方とは・・・・・・」
「昔からの約束だったといっても所詮口約束だ。総二郎の言うとおり、特にこの家にとって大きな得があるわけじゃない。美人だし、家柄も良いから妥当だと思っただけだ。それよりも・・・・・気になるのはその場にいたというお嬢さんだ。恋人なのか?」
 その言葉に、母親も少し落ち着いて俺を見る。
「彼女は・・・・・」
「お前が本当に結婚を考えているのなら、その人を連れてきなさい。悪いがわたしはもう行かなくちゃ行けない。先方を待たせているからな」
 そう言って、父親は俺の話も聞かずにさっさと部屋を出て行ってしまった・・・・・。

 その後姿を見送り、母親が小さく溜息をつく。
「全く・・・・・総二郎さん」
「何」
「・・・・・・結婚するかしないかは別にしても、お見合いの場で女性に恥をかかせたのは事実ですよ」
「・・・・・ああ、わかってる。そのことはあとで謝りに・・・・・」
「その必要はありません。こちらで手を打っておきましたから」
「は?」
「昨日の女性・・・・・牧野つくしといったかしら。彼女には、それ相応の対応をさせていただきましたから」
 母親の冷たい視線に、俺は自分の声が低くなるのを抑えられなかった。
「・・・・・ちょっと待て。あいつに何をした?」
「彼女、あのホテルで働いているそうね。あのホテルの総支配人とは古い知り合いなのよ。あの場で昨日あったことは、ホテルにとっても大きなマイナスだわ。それ相応の責任を取ってもらわないと」
「まさか・・・・・・」
「あなたも、お付き合いする女性のことはもっとよくお考えなさい」
 そう言って、部屋を出て行った母親・・・・・・。

 俺は、すぐにその場を後にすると、昨日のホテルへ向かって車を走らせたのだった・・・・・・。


 「総支配人に会わせてくれ!」
 俺はホテルにつくと、慌てて出て来た従業員にそう言った。
「に、西門様、その、ただいま総支配人は外出中でして・・・・・・」
「なら、戻るまで待たせてもらう」
「しかし、いつになるか・・・・・・現在大坂まで行っておりますので・・・・・・」
「構わない」
 頑として譲らない俺に、その男は冷や汗を拭きながらおろおろしている。
 そこへ・・・・・

 「西門さん?何してんの?」
 そこに立っていたのは、牧野だった・・・・・。

 「脅かさないでよ。昨日といい、今日といい・・・・・一体どうしたの?」
 ホテルの外の喫茶店で、軽い昼食をとりながら、話をする。
「・・・・・・お前に、何かあったんじゃないかと思って」
「あたしに?」
「俺の母親が、何か手回ししたようなこと言ってたから、お前をクビにでもしたかと思ったんだよ。何も言われてないのか?」
 そう聞くと、牧野がちょっと肩を竦めた。
「・・・・・言われたよ」
「え・・・・・」
「昨日ね、あれからすぐに・・・・・でも、大丈夫」
「大丈夫って・・・・・・・」
 どういうことか、俺は戸惑って牧野の顔を見つめた。
「クビって言われて、はいそうですかって納得できるわけないでしょ?あたしが。ちょっとね・・・・・ずるしちゃった」
 そう言って、ぺろりといたずらっ子のように舌を出す牧野。
「どういうことだ?」
「・・・・・西門さんなら知ってるでしょ?ここのホテルの系列って、美作さんとこの会社と深い関わりがあるって」
「ああ、もちろん・・・・・・って、まさかあきらが?」
「そういうこと。にべもなくクビを言い渡されて、ホテル追い出されて・・・・・さすがにあったまきちゃって、そのまま美作さんに連絡とったの。で、美作さんがすぐに来てくれて・・・・・・万事解決ってわけ」
「ちょっと待て・・・・・。お前、だからこのホテルに?あきらの紹介で?」
「ううん、それは違う。最初は、知らなかったもん。お互い。入社して1ヶ月くらいたったころ・・・・・偶然ホテルで美作さんと会ったの。それで初めて知って・・・・・びっくりした。F4とは、もう関わることないって思ってたのに・・・・・」
 そう言って、牧野は小さな溜息をついた。

 司と別れた牧野は、英徳をやめて別の大学を受験した。
 奨学金を受けて、働きながら大学に通っていると聞いたことがあるが、会うことはなかった。
 それは、牧野が望んでいることなんだと俺たちは思った。
 もう、俺たちとは関わりたくないんだと・・・・・・・。
 だから、こっちからも無理に探求することはしなかった。
 ときどき、桜子あたりからは元気でやっているようだと報告は受けていたけれど・・・・・・。

 まさか、そんなところであきらとまた会っていたなんて・・・・・
「びっくりしたのはこっちだ。そんな話、聞いたことねえぜ」
「そお?美作さんも忙しそうだし。忘れてたんじゃない?」
 特に気にしている風でもなく牧野は言う。
 忘れてた?んなわけあるか。
 あきらのやつ・・・・・・
「西門さん、あたしのこと心配して来てくれたの?クビになったんじゃないかって」
「ああ、まあ・・・・・。俺のせいでお前が路頭に迷うようなことがあったら、やっぱり責任感じるからな」
 そう言うと、嬉しそうににっこりと微笑む牧野。
 窓から差し込む柔らかな日差しを受けてそれは、とてもきれいに見え・・・・・・
 不覚にも、ときめいてしまっている自分に驚いていた。
「ありがとう。気にするかと思って、言わないでおこうと思ってたんだけど・・・・・それなら連絡しておいた方が良かったね。もしかしたら美作さんから何か聞いてるかもと思ってたんだけど・・・・・」
「全然。あきらとお前が繋がってたなんて、今日初めて聞いたぜ。まったく・・・・・・」
「何かあったら必ず言えって言われてるの。俺の知らないところでお前がクビにでもなってたら、友達として何も出来なかったなんてことになりたくないって。男のプライドなんだって」
 そう言ってくすくす笑う牧野。
 俺はなんとなくおもしろくなかった。
「前は、美作さんと2人で話すなんてことあんまりなかったじゃない?だから結構新鮮っていうか・・・・・つくづく、美作さんって面倒見いいなって思ってるの。なんか頼りになるお兄さんみたい」
「お兄さん、ね・・・・・」
「しょっちゅう海外に行ってて忙しいからあんまり会わないけど・・・・・それでも月に1度くらいはふらっとホテルに顔出して、海外で買ってきたお土産とかくれるんだよ」
 ね、世話好きでしょ?
 と笑いかけられて。
 だな、と短い返事しか返せない。

 メールのやり取りは良くするとか。
 2人で飲みに行くこともあるとか。

 そんな話を聞きながら・・・・・・・
 なんだか自分だけが取り残された気分になって、思わず溜息が漏れていった・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ここでもあきら君は大事な役回り、してくれてます。
 ちょっとお休みしていた期間中、ご心配頂いてありがとうございました。
 皆さんの応援と励ましが、心に染み入り、本当に嬉しかったです。
 これからもどうぞよろしくおねがいします♪

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Fantasista vol.3~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
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 「よお、どうした?」
 久しぶりに訪ねてみたあきらの家。
 相変わらずの母親と妹たちに囲まれて、あきらが俺を迎えてくれた。

 海外に行っていることが多いあきらだが、今はまた仕事で日本に帰って来ていて、あと1週間はいるということだった。

 「・・・・・牧野から、聞いてるんだろ?」
 俺が言うと、あきらはクスリと笑った。
「ああ。思い切ったことしたな。牧野もびっくりしてたぜ」
「俺もびっくりした。まさかお前と牧野が繋がってたなんて」
「ああ、そのことか。別に隠すつもりはなかったんだけどな。言いそびれちまって」
 そう言って肩をすくめるあきら。
「なんで黙ってた?」
「それは、まあ・・・・・一つは牧野の為だ。あいつ、司と分かれてからは俺たちと関わるの避けてたからな。あのホテルと俺の会社が繋がってるって知ったときも困ったような顔してた。せっかく決まった就職先だ。やめるわけにもいかねえし・・・・・。だから、あいつには言ってやったんだよ。黙っててやるからって。俺は別におせっかいやく気はねえから構えるなってな。あいつはそれでしぶしぶ納得して・・・・・最近じゃずいぶん吹っ切れてきたみたいで、一緒に飲みに行ったりするようにもなった」
「ふーん・・・・・」
「お前に言わなかったのはあれだ、大学卒業してから、襲名に向けて本格的に動いてたろ。お前の世界が、トラブルってものに敏感なのは俺も知ってる。牧野って女はどうもトラブルを引き寄せる性質があるからな。お前が無事家元になるまでは、巻きこまねえようにしようと思ってたんだけど・・・・・・そのお前がトラブルの元になるなんてな」
 そう言ってあきらが苦笑した。
「それは、まあ・・・・・俺も予想外だったけどよ。大学卒業してから、今年で4年だぜ?牧野が就職したのが3年前?3年間も俺に黙ってたのかよ」
「ああ、もうそんなに経つか・・・・・。まあそう言うなよ。俺も忙しかったし、いろいろあったんだよ」
「いろいろって?あいつに・・・・・牧野に、何かあったのか?」
 真剣に聞く俺を、あきらがちょっと意外そうに見る。
「まあ・・・・たいしたことじゃねえけどな。あいつは自分にその気がなくても良くトラブルに巻き込まれるやつだから。何度か俺が動いたことがあったんだよ。最初は取引先とのトラブルだったかなあ。あいつは全く悪くねえのに責任とって辞めさせられそうになってて・・・・・慌てて俺が出てって話をつけたんだ。そん時にあいつに、何かあったときは必ず俺に言えって言ったんだよ。あいつも俺のおかげで首を免れたから、素直に頷いて。それ以来、俺には必ずどんなことでも報告してる。律儀なやつなんだよな。まあ、クビになるような大きなトラブルはそれ以来今回で2度目だけどな」
 そう言ってにやりと笑うあきら。 
 なんか、弱みを握られたみたいで居心地悪いんだけど・・・・・。
「そのことは、俺も感謝してるよ。俺のせいであいつがクビになったなんて、冗談じゃねえからな。けど、お前が動いてなかったら俺が動くつもりだった」
「ああ、わかってるよ」
 相変わらずニヤニヤと笑っているあきら。
 嫌な感じだ・・・・・。
「ところで、類のやつはどうしてるんだよ。牧野が英徳辞めたあとだって、あいつの家に通いつめてたんだろ?2人、付き合ったりとかしてねえの」

 ずっと気になっていたことだった。
 高校のころからずっと牧野を好きだった類。
 司との遠恋を陰でずっと支え、見守ってきた男。
 司と牧野が別れて・・・・・・
 だからってすぐに類の乗り換えるような女でもないし、強引に牧野を振り向かせようとする男でもない。
 それでも、牧野だって類のことを好きだったときがあるんだから、いずれはくっつくんじゃないかと思ってたんだけど、一向にそんな話は聞こえてこなかった。
 そして、大学を卒業した類は、そのままフランスへ行ってしまったんだ・・・・・。

「ああ、あの2人な・・・・・。俺も気になって、牧野に聞いたことがあるよ。けど・・・・・よくわからねえんだ」
「わからないって?」
「牧野が英徳辞めて、俺と再会するまでの2年間に、類との間に何かあったのは確実だと思うぜ。けど・・・・・たぶん、うまく行かなかったんだろうな」
「・・・・・どういうことだよ?」
「わからねえ。わからねえけど・・・・・牧野に類の事を聞いたとき、あいつはすげぇ辛そうな顔をしたんだ。見たこともないような・・・・・・けど、あいつは何も言わなかった。いや、言えなかったって感じか。言いたくても言えない。必死で涙を堪えてるみたいな、そんな顔してた。それ以来、俺ももう類のことには触れなくなった。だから、2人の間に何があったのかはわからねえよ。けど・・・・・何もなかったら、そんな顔はしねえだろ」
「・・・・・・」
 類と牧野の間に、何があったのか。
 気になってはいたけれど、それを探求するような気はなかった。
 牧野との関わりがなくなってから5年、あいつがどうやって生きてきたのかななんて知る必要もなかったし、これからだって俺には何の関係もないことだ。
 なのに・・・・・今まで気にならなかったことが、今とても気になっていた。
 久しぶりに会った牧野はとても前向きで、以前のあいつとなんら変わらないように見え、それでいてふとした瞬間に見せる表情には昔は感じる事のなかった女らしさが垣間見えて・・・・・
 司とのこと、それから類とのこと・・・・・・
 何があったのかは詳しくは知らないけれど、そのどっちもが、牧野を女として成長させているような気がした・・・・・
 そしてなぜか、今の俺はそんな牧野のことを、もっと知りたい。あいつの過去にも触れたい。
 そんな気持ちになっていた・・・・・。
「・・・・・知りたいなら、牧野に直接聞いてみれば」
 そんな俺の表情を見ていたあきらが、笑みを浮かべながら言った。
「直接って・・・・・俺が聞いたって・・・・・」
「俺がその話をあいつとしたのはもう3年前だ。あれからあいつもだいぶ吹っ切れただろうし、今なら話すかもしれねえぜ」
 そう言うと、あきらは笑みはさっきまでのニヤニヤした笑いではなく、やさしい笑顔を俺に向けた。
「気になるんだろ?牧野のこと」
 なんとなく心を見透かされたような気になって、俺はあきらから目をそらせた。
「・・・・・お前は、どうなんだよ。牧野のこと・・・・・・・そこまで面倒見るってことは、単なる友情だけじゃねえんじゃねえの」
「俺?俺は・・・・・そうだな。あいつを女としてみたこともあったかな」
 以外にあっさりと肯定され、俺は驚いてあきらを見た。
「昔から、あいつに関わるとなんか放っておけない気にさせられて・・・・・再会してからも何度か会ってるうちに、あいつのことを意識するようになったりしてたんだけど・・・・・」
「けど?」
「やめた」
「やめたって・・・・・・」
「あいつさ、すげぇ鈍感なんだよ。俺と一緒にいたってなんも気付かねえ。それどころか、俺のことを男として意識してないのが丸わかりで、2人きりになっても全く警戒しねえ。いろいろ意識してたこっちがバカみてえでさ。だから、やめた。今は、俺にとって牧野は世話の焼ける妹みてえなもんだ」
「って・・・・・あきらなら、もっとどうにか出来ただろ?あいつに男として意識させるくらい・・・・・」
「ああ、まあな。けど・・・・・そうしたくなかった。矛盾してるかも知れねえけど・・・・・あいつは司とのことでも、類とのことでも散々傷ついてきてる。もうこれ以上、あいつを苦しめたくなかった。あいつが俺のことを男として意識できないなら、俺はあいつの友達に徹しようと思ったんだよ。そうして、いつかまたあいつが傷ついたときに泣ける場所を作っておいてやりたい。そう思った。だから・・・・・俺は、今のままでいいんだよ」
 やけくそでもなんでもなく、本心からそう思っていることが、あきらの表情からわかった。
 それは、愛情も友情も超えた、あきらの牧野に対する思い・・・・・。
 大事なものを守りたい。
 そんな強い気持ちが、伝わってくるようだった・・・・・。

 「ったく・・・・・世話好きにも程があるぜ」
 そう言って溜息をつくと、あきらは楽しそうに笑った。
「いいんだよ、それが俺にとっての幸せだと思ってっから」
 それから・・・・・
 ふと、真剣な表情になったあきらが、俺に言った。
「・・・・・お前が、これからどうするかはしらねえけど・・・・・牧野を傷つけるようなことだけはするなよ。もしあいつを傷つけるようなことがあったら・・・・・たとえ総二郎でも、許さねえぜ」
「・・・・・わかってる・・・・・肝に銘じとくよ・・・・・・」
 そう言って、俺は頷いたのだった・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 類を登場させようかどうしようか・・・・・・
 今ちょっと悩んでます。
 いつもなら類の役目なのが、今回あきらになってるし・・・・・・う~ん・・・・

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Fantasista vol.4~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -tsukushi-

 「今度はお見合いぶち壊したらしいわよ」
 「しかも相手はあの茶道の西門流の時期家元だって!」
 「やるわよねえ・・・・・」

 どこへ行っても人っていうのは噂好きな生き物なのね。

 呆れるくらいのいつものパターンに、溜息が出る。
 別に噂くらいどうってことない。
 陰湿ないじめにだって負けない自信はある。

 「あんな品のない女のどこがいいのかしら」
 「美作商事の御曹司といい、時期家元といい、趣味悪いわよねえ」

 だけど、あたしの友達が悪く言われるのは、我慢できない。

 「美作さんも西門さんも、高校時代からのあたしの先輩で大事な友達だよ。あたしのことはともかく、あたしの友達のことまで悪く言わないでくれる」
 あたしの後ろで聞こえよがしに噂話をしていた2人の女の前に立ち、そう言い放ってやる。
 2人は、ぎょっとしてあたしを見る。
「な、何よ、本当のこと言っただけじゃない」
「そ、そうよ、大体、今回のことでクビにならなかったのだって美作様のおかげだって言うじゃない」
「だからそれは――――」
「俺らにとって、牧野は特別なんだよ」
「!?」
 突然背後から聞こえた声に驚いて振り返ると、そこには西門さんが立っていた。
「西門さん?何してんの?こんなとこで」
「昼飯、食いに来たんだけど、一緒にどうかと思ってさ」
「は?」
 突然の出現にあたしが面食らっていると、西門さんはあたしの前にいた2人組に、ちらりと流し目を送った。
 途端に頬を染め、瞳をきらきらさせて西門さんに見惚れる2人。
「悪いけど、彼女借りるね。言っとくけど、いくらこいつをいじめたって無駄だよ。いじめに屈するようなやわな女じゃないし、こいつに何かあったら黙ってないやつが、少なくとも4人はいるから」
 そう言うと西門さんは、あたしの腕を掴み、そのまま引っ張るようにすたすたと歩き出した。
 残された2人は、呆気にとられあたしたちを見送っていた・・・・・・。


 「ちょっと、離してってば!」
 ホテルを出たところで、漸くあたしは西門さんに掴まれた腕を振り払った。
「なんだよ、飯くらい一緒に食ったっていいだろ?あ、心配すんな、今日は俺の奢りだから」
「そうじゃなくって!あたしまだ仕事中だったのに!昼休みまで後30分もあるんだよ?」
 そう言って上目遣いに睨んでやると、西門さんはきょとんとして、大して気にする風でもなく肩を竦めた。
「なんだ、そんなことか。30分くらい、どうってことないだろ?もしなんか言われたら俺がとりなしてやるって」
 全く・・・・・これだから金持ちのボンボンってのは・・・・・
 あたしは大きくため息をついた。
「・・・・・も、いいわよ。怒ってるあたしが馬鹿みたい。で?何食べるの?言っとくけどあんまりいいところには行けないわよ」
「あのな・・・・・奢るって言ってるだろ?男に恥かかすなよ」
「そっちこそ。あたしがそういうの嫌いって知ってるでしょ?第一、奢ってもらう理由なんてないし」
「あるだろ?この間お前がクビになりそうになったのは俺のせいだろうが」
「だからあれは、美作さんに話しつけてもらったからもう良いんだってば」
「俺の気がすまねえんだよ。大体あきらに助けてもらったってのが気にいらねえ」
「なんでよ!」
「とにかく、昼飯は俺が奢る!いいな!!」
「な・・・・!!」
 あたしが言い返そうとするのを、聴く耳持たないという感じでまた西門さんが歩き出す。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!」
 もう、なんだっていうの?
 わけわかんないと首を傾げながらも、あたしは西門さんの後にくっついて行くしかなかった・・・・・。

 
 入ってのは、ホテルから5分ほど歩いたところにあったパスタのお店。
「昨日、あきらに会ったよ」
 席に付き、オーダーを終えると西門さんが言った。
「あ、知ってるよ。昨日、メールもらった」
 仕事が終わるころ、携帯を確認すると入っていたメール。

 『総二郎が来た。日本を離れる前に、3人で飲みに行こう。都合、つけとけよ』

「あたしはいつでも大丈夫だけどさ、美作さんや西門さんのが忙しそうよね。飲みに行く時間ある?」
 そう聞いてみると、西門さんはひょいと肩を竦めた。
「俺は大丈夫だよ。忙しいって言ったってまだ家元になったわけでもねえし、飲みに行く時間くらい作れる。問題はあきらだろ?あいつ、週末にはまた日本を離れるんだろ」
「うん、そう言ってた。ほんと、忙しそうだよね。でも、美作さんがあたしとの約束破ったことないし」
 そう言って笑って見せると、西門さんはなぜか一瞬顔を顰め、視線を逸らせた。
「・・・・・ま、人に気ィ使うのは得意なやつだからな」
「うん、そうなんだよね。気を使いすぎて疲れちゃうんじゃないかなってたまに思うんだけど。仕事も忙しそうだし、体壊さないと良いけど」
「・・・・・心配?」
「そりゃあ、いつも助けてもらってるし・・・・・そのうち恩返しできたらいいなって思ってるよ。なんかね、いつも離れてるのに、すごく身近な存在っていうか・・・・・単身赴任してるお兄さんみたいな感じ?」
「なんだそりゃ」
 西門さんが呆れたように言う。
「だって、うまく言えないんだもん。いろいろ、感謝したりないくらいお世話になってるんだよ」
「あっそ・・・・・。ほら、パスタきたぜ、食えよ」
 ちょうど運ばれてきた料理を指して、西門さんがあたしを促す。
 頬杖をつき、窓の外へ視線を移す西門さん。
 ・・・・・・なんか、不機嫌?
「西門さん?どうかした?」
「別に、何でもねえよ」
 そう言いながらもこっちを見ようとしない。
 あたしはちょっと首を傾げ・・・・・
 あることを思いつく。
「ひょっとして、おなか空いてる?あたしの分、先に食べる?」
 西門さんのパスタはまだ運ばれてこない。
 もしかして相当お腹が空いてるのかと思って、気を使ったつもりだったんだけど・・・・・
 あたしの言葉に西門さんは一瞬目を丸くし・・・・・・
 ガクッと下を向いたかと思うと、一瞬の間のあと、突然声を押し殺して笑い始めた。
「・・・・・・・・・くっくっ・・・・・・・おま・・・・・なんだよ、それ・・・・・」
「な・・・・・何よ、気を使ったのに!そんなに笑わなくたっていいじゃない!」
 なんだか恥ずかしくなって、ちょっとむきになって西門さんを睨みつけるあたしの顔を見て、今度は目尻に涙を溜めながら笑い出す西門さん。
「あ、あのねえ、失礼でしょ!」
 と言ってみてもまるで効き目なし。
 だけど・・・・・・

 無邪気に笑い転げる西門さんを見て。
 なんだか胸だどきどきするのを感じていた。

 なんて無邪気に笑うんだろう。
 まるで、少年みたい・・・・・・
 西門さんて、こんな風に笑う人だったっけ・・・・・?

 なんだかすごく貴重なものが見られたみたいで・・・・・・
 あたしは暫く、そんな西門さんの笑顔を見つめていたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いよいよ大晦日。
 明日から2009年ですね。
 今年は「花より男子」の二次小説を始めて、とても充実した毎日を過ごすことができました。
 心無い言葉に傷ついたこともありましたが、皆さんの暖かい励ましと応援に心癒され、今では二次小説を書いていて本当に良かったと心から思っています。
 また来年も、楽しみながらたくさんのお話を書いていけたらいいなと思っています。
 そしてそのお話しを、皆さんに楽しんで読んでいただければとても嬉しいです。

 本当にありがとうございました♪
 それでは良いお年を!

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Fantasista vol.5~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 牧野の口からあきらの名前が出るたびに、俺の胸がきしむように痛む。

 認めたくはなかったけど・・・・・・

 これはもう、間違いない。

 おれは、牧野に惚れちまったんだ・・・・・・


 翌日、あきらからメールが入る。
『明日、牧野と3人で飲もう。青山のいつものバーで待ってる』
 たまにあきらと2人で飲みに行くバーだ。
 F4が揃うことは実を言うとそんなにない。
 司は女と遊ぶってことをしないやつだったし、今は忙しくてほとんど日本にも帰らない。
 類は、とにかく出不精で外に出るのを面倒くさがるやつだから、外で会うことさえ珍しかった。
 だから、一緒に飲みに行くのは大抵あきらだったが、あきらとだってそうそういつも一緒にいるわけじゃなかったから、今回は何ヶ月ぶりかで飲みに行くのだった。


 「よ、来たな」
 バーに入ると、あきらがいつもの席でグラスを傾けていた。
「相変わらず早いな。牧野は?」
「あいつは、遅れてくる。1時間遅い時間を教えたんだ」
 にやりと笑うあきらに、ちらりと視線を送る。
「・・・・・なんだよ?」
「いや・・・・・ちょっとお前とゆっくり話したかったんだ。今度向こうに行ったら、3ヶ月は帰ってこれない」
「へえ・・・・・。けど、こないだも話はしただろ」
「まあな。けど・・・・ちゃんと自覚してからじゃ、ちょっと話すことも違うかと思ってさ」
 その言葉に、俺は視線を逸らし、店のマスターに水割りをオーダーした。
「・・・・・・何か、俺に言うことがあるってのか?」
「一応、牧野の兄貴代わりとしちゃあな。お前の女性遍歴も知ってるわけだし?あいつが傷つくのを、みすみす放っておくわけにも行かない」
「・・・・・ちゃんと、他の女とは別れてるよ。牧野のことがあったからじゃねえけど・・・・・あの見合いの前に、整理しとけって言われて、全部の女と手を切ってる。ま・・・・・正直、最初か気乗りのしなかった見合いだから、携帯の番号も変えなかったし、メルアドもそのままで別れる前と変わりなく連絡寄越す女も何人かいたけど・・・・・そいつらとも、ちゃんと話をつけたし、ケー番もメルアドも変えた。新しいの教えたろ?」
 今日変えたばかりの携帯。
 新しい番号とメールアドレスを教えたのは、F4と牧野だけだ・・・・・。
「ああ。だから、本気なんだなと思ったよ。だけど、お前はとんでもねえ数の女相手にしてるからな。これからだってきっと、その手のトラブルは起こるだろ。そうなったとき・・・・・あいつを傷つけるようなことはするなよ?」
 あきらの目は真剣だった。
「・・・・・大丈夫、とは正直言いきれねえな。お前の言う通りだし。けど・・・・・俺だってこの恋を手放すつもりはねえから。これが、最初で最後の本気の恋だって、思ってる」
 俺はあきらの目を真っ直ぐに見返しながらそう言った。
「・・・・・それ聞いて少し安心したよ。後は、お前の家の問題だけど・・・・・」
「ああ・・・・・正直、それが一番の問題なんだ。今回の件で、牧野に対するお袋の印象は最悪だ。それをどう修正していくか・・・・・」
 俺は溜息をついた。
 あれから、ろくに母親とは口もきいてないけど・・・・・
 今後のためにも、このままでいいはずはない。
 おそらく、これからしつこいくらいに縁談の話を持ってくるはずだし・・・・・。
 それでも、俺にはもう他の女と結婚する気なんかない。
 俺が一緒になりたいのは、牧野だけだ・・・・・。
「お前のお袋さんか・・・・・確かに難しい人ではあるけど・・・・・けど、司のお袋ほど強烈でもねえだろ」
「それは、相手がお前だから・・・・・・昔から、あきらはお袋のお気に入りだったからな」
 小さいころから気配り上手で、大人を喜ばせることが得意だったあきら。
 お行儀よく、大人の前では羽目を外すこともなかったあきらは昔からお袋に受けが良かった。
 別に年上の女だからとかじゃなく、これはあきらの性質なんだろう。
 大人になってからはほとんど会うこともなくなったが、それだけにお袋の中でのあきらの存在は、子供のころの『お行儀の良いあきら』のままだった。
 逆に、一番親父に似ていると言われる俺は、お袋にとって厄介な存在といったところだ。
 今までは、それでも西門流を継ぐのは俺だということもあったし、兄貴のことがあったからあまり俺にとやかく言ってくることはなかった。
 だけど結婚の話となるとそうも言っていられない。
「お前は、でも家を継ぐ気でいるんだろう」
 あきらの言葉に、無言で頷く。
「ああ。正直、家元自体は弟に継いでもらっても良いと思ってる。けど、おれ自身、茶の道が好きだから・・・・・この世界から足を洗うのは、難しいな」
 兄貴のように、家を出て他の道に進むというやり方もある。
 けど、俺にとって茶道は既に俺の生活の一部で、今更切り捨てることはできなかった。
「となると、やっぱり問題はお袋さんか。親父さんはどうなんだ?牧野のこと、話したのか?」
「いや・・・・・こないだの一件で存在は知ってると思うけど、あの人は別に俺の相手が誰でも良いんだ。もちろん、あれでも家元だからな。西門流を存続させることが第一の条件だけど・・・・・それこそ、継ぐのが俺じゃなくっても構わないんだよ、あの人にとっては」
「・・・・・・ふーん。なるほどな・・・・・・」
「ま、そんな話は良いよ。第一、まだ牧野と付き合ってるわけでもねえし。あいつがすんなり俺と付き合うとも思えねえ」
「まあ、そうだな」
 すんなり頷かれ、俺は逆にがっくりする。
「・・・・・出来ればもう少し否定してくんねえ?」
「はは、そりゃ無理だわ。大体、お前みたいな男って多分、牧野が司みてえな性格のやつの次に嫌いなタイプだぜ」
「・・・・・あのなあ。応援してくれるんじゃねえのかよ」
「応援してるぜ?今言ったろ?牧野が最も嫌いとするタイプは司みてえな男だ。傍若無人、我侭、馬鹿で単細胞。だけど・・・・・そんな司のことを、牧野は好きになったんだ」
「・・・・・・つまり・・・・・」
「お前が必ずしも不利ってわけじゃねえってこと。大体、初対面ならともかく、お前と牧野は今友達って関係で、牧野の中でお前は単なる女たらしだとしても、嫌いなわけじゃねえんだから」
「・・・・・・励まされてんだか、こき下ろされてるんだか・・・・・」
「励ましてんだって、これでも。お前は大事な友達だからな。ただ、俺にとって今牧野は本当に大切な存在なんだ。だから、牧野を不幸にするやつに渡すわけにはいかない。何が何でもあいつを幸せにして、一生かけて全力であいつを守ってくれるようなやつじゃなきゃ・・・・・俺は、納得できねえんだよ」
 そう言って、にやりと笑うとグラスを空にしたあきら。
 その目は真剣で・・・・・・それでいて挑戦的な視線だった。
 俺がもし牧野を不幸にするようなことがあれば、きっと黙っていないんだろう。
 そしてきっと・・・・・自分の手で、牧野を幸せにしたいと思ってる・・・・・。
 そうしないのは、他でもない牧野のことを思ってのことなんだって、痛いほどに伝わってくる。
「・・・・・俺にとって、ラストチャンスってわけ」
 俺の言葉に、にっこりと微笑むあきら。
「そういうことだ。だから、うまくやれよ。家の問題だって、お前なら何とかできんだろ」
「軽く言ってくれるぜ。・・・・・・わかってるよ、何とかする」
「よし。その言葉が聞ければ、俺は良い。後は任せるよ。わりいけど、俺はもう行く」
「は?牧野がまだ来てねえのに?」
「俺は、お前と話したかったんだ。これでも忙しい身なんでね。時間がねえ。牧野のこと、うまくやんな」
 そう言って軽くウィンクを決めると、席を立ったのだった・・・・・・・。


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 ああ、類の出番が・・・・・・・(^^;)

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