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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
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キャラメル・ボックス vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 久しぶりに降り立った日本の地。
 すっかり雪化粧をしたその風景に、俺の息も白く煙っていた。

 「類様、お乗りください。今日は一段と冷え込んでいるようです」
 運転手に促され、車の後部座席に乗る。
「ご自宅へ真っ直ぐ行かれますか?」
「いや・・・・・新宿の『Risk』っていうクラブに行きたいんだけど」

 少し前にあきらから届いたメール。
 『久しぶりに集まろう』
 そんな旧友の誘いに気持ちも和らぐ。

 辛いことから逃げるように日本を離れてから1年・・・・・。
 彼女は、どうしているだろうか・・・・・。
 自分から逃げ出したくせに、俺が思い出すのは彼女のことばかりで。
 会いたくて、会いたくて・・・・・・
 どれだけ離れていても、俺の心は彼女に囚われたままなんだ・・・・・・
 そう思い知った1年だった・・・・・。

 
 「類、こっち!」
 地下にあるそのクラブの扉を開けると、奥のテーブルに座っていた総二郎が俺に気付いて手を振った。
「・・・・・久しぶり」
「ああ、1年ぶりだな」
 そう言って笑ったのは、総二郎の向い側に座っていたあきらだった。
 2人とも、見た目は1年前と大して変わっていないようだった。
 その事実に、ほっとして微笑む。
 俺が俺でいられる、安心出来る空間だった。

 そのとき、あきらが俺の後ろを見て手を振った。
「牧野、こっち」
 その言葉に、俺は反射的に振り返った。
 扉を開けて入ってきたのは、1年振りに見る愛する人・・・・・・
 牧野が、俺を見てちょっと微笑んだ。
「花沢類・・・・・。久しぶり」
 穏やかなその微笑みは、1年前のようなつらそうな影はなく・・・・・とても落ち着いているように見えた。
「・・・・・久しぶり。元気そうだね」
 テーブルの傍まで来て、俺を見上げる牧野。
 髪が伸びた。
 薄く化粧もしていて、以前よりぐっと女っぽくなったようだ。
 その大きな瞳は相変わらず力強く輝いていて、牧野の意志の強さを表しているようだった・・・・・。

 暫く何も言えず、ただじっと見つめることしか出来なかった俺。
 牧野もただ黙って俺を見つめていた。

 その静寂を破ったのは、あきらだった。
「類、座れよ。牧野も・・・・・こっち」
 そう言ってあきらは牧野の手を引くと、自分の隣に導いた。
「わ、ちょっと急に引っ張らないでよ」
 手を引かれた牧野が、バランスを崩してあきらの隣の椅子に尻餅をつくように腰を落とす。
「ボーっとしてるからだろ。類、お前何にする?牧野はジンライムだろ。もう頼んどいたから」
「あ、うん、ありがと」
 あきらの言葉に牧野が笑って頷き、その牧野をあきらがじっと見つめる。
 それはまるで愛しいものを見るような視線で・・・・・・・
 この2人は、まさか・・・・・・・

 その様子を見ていた総二郎が、椅子から立ち上がり、俺の手を引っ張る。
「あー、俺タバコ買ってくるわ。類、ちょっと付き合えよ」
「総二郎?俺・・・・・」
「ほら、すぐそこだから」
 総二郎は俺の言葉を遮り、強引に店の外へと連れ出したのだった・・・・・。


 「・・・・・どういうこと?総二郎、牧野とあきらは・・・・・・」
「さっきの2人、見てたらわかるだろ?付き合ってんだよ、あいつら・・・・・」
「いつから・・・・・」
「・・・・・お前の婚約、知った日から、だよ」
 その言葉に、俺ははっと顔を上げた。
「お前がいなくなって・・・・・・牧野は、泣かなくなった。いや、泣けなくなったんだろうな。司と別れて、お前と別れて・・・・・・あいつは、自分の弱み見せられる相手がいなくなった。それからずっと、俺とあきらは牧野を見守ってきたよ。あいつが・・・・・・壊れちまわないように・・・・・」
「総二郎・・・・・・」
「お前が婚約したって聞いて・・・・・・他のやつから知らされるくらいならって、俺とあきらから伝えたんだ。見ちゃいらんなかったぜ、あいつの荒れようときたら・・・・・・・めちゃくちゃに酒飲んで、酔ってくだまいて・・・・・泥酔してどうしようもなくなったあいつを、あきらが介抱した。俺はどうしても家の用事で帰らなくちゃならなくて途中で抜けてたから・・・・・その後のことはわからねえ。わからねえけど・・・・・・たぶん、そういう流れだったんだ」
「そういう流れって・・・・・」
「男女の一線てやつ?超えちゃったんだろ」
 軽い調子の言葉と裏腹に、自嘲気味に聞こえる総二郎の声。
「・・・・・・・・」
「牧野、きれいになっただろ?あきらと付き合うようになってから、着る服の趣味なんかも変わった気がするな。いい女になったとは思うけど・・・・・なーんか、らしくねえんだよな」
「らしくないって・・・・・・」
「牧野らしくねえ。あんなの・・・・・無理してるようにしか見えねえっての。あきらのやつはマジで牧野に惚れてる。けど・・・・・牧野は、まだお前のこと、忘れてねえと思うぜ」
「って・・・・・何言ってんだよ。俺は牧野に振られたんだよ?」
「お前こそ何言ってんの。あいつが何でお前振ったと思ってんの。あいつは・・・・・お前のこと、司の身代わりにしたくなかった。あいつは・・・・・マジでお前のこと考えてたから、だから堪えらんなかったんだよ。お前が、司の身代わり買って出たのが・・・・・身代わりなんかじゃない。だけど、それをお前に信じてもらう方法がわからなかった。だから・・・・・別れたんだ」
「そんなの・・・・・知らないよ・・・・・・聞いてない・・・・・俺は・・・・・・」
「お前を、自分に縛り付けていたくなかったんだよ。お前にはお前の生きたいように生きて欲しかったんだ。自分のために、なんて生きて欲しくなかったんだよ」
 そこまで言うと、総二郎がちょっと笑った。
「・・・・これ、あの日泥酔した牧野が、俺とあきらに白状した話。本人覚えてねえと思うけど。だから・・・・・あきらも、牧野の気持ちはわかってる。わかってるけど・・・・惚れちまったんだよな・・・・・引き返せないくらい・・・・・」
「総二郎も・・・・そうなんじゃないの・・・・・?」
 俺の言葉に、総二郎が俺の方を見た。
「総二郎も・・・・・牧野に惚れてる。違う?だから、あきらの気持ちがわかるんだ・・・・・。それに・・・・・もしその日、一緒にいたのが自分だったら・・・・っていう気持ちもあるんじゃないの?」
「は・・・・・何言って・・・・・」
「俺のいない1年の間に、3人に何があったのかなんて、俺にはわからない。わからないけど・・・・・俺だってこの1年、牧野のこと忘れたことなんてなかったよ。忘れたくっても・・・・・忘れなれなくて・・・・・ずっと・・・・好きだった・・・・・・」
「・・・・・・あっそ・・・・・・。でも俺は協力しねえよ。自分で何とかするんだな」
 そう言って総二郎は自販機からタバコをとると、また店のほうへ戻っていった。

 「うん・・・・・・そうするよ・・・・・・」
 そう言って俺は、総二郎の背中に笑いかけたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「類つくで、大人の恋のお話を・・・・・」というリクエストを拝見しまして・・・・・
「大人の恋・・・・・苦手分野だ・・・・」と思ったのですが、あえてチャレンジしてみようかと・・・・・・・。
見事玉砕してしまったらごめんなさい(^^;)

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キャラメル・ボックス vol.2 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 その後、何を話したのかはよく覚えていない。

 ただ、俺と視線を合わせようとしない牧野が。
 そんな牧野のことを気遣って牧野に優しい視線を送るあきらが。
 俺の胸を締め付けていた。

 それでも表面上はまるで何もなかったかのように時間が過ぎていく。

 お互いの近況報告をして、他愛のないお喋りをして・・・・・
 気がつけば時間はもう2時を過ぎていた。
 誰ともなく店の時計をちらりと見上げ、自然に皆が席を立ち、店を出た。

 「牧野、乗れよ。送ってく」
 あきらが自分を迎えに来たリモに乗り込みながら言う。
「え、いいよ。タクシー拾うから」
 慌てて手を振る牧野。
「馬鹿言うな。いいから乗れ」
 呆れながらそう言って牧野の腕を強引に引っ張る。
 仕方なく車に乗り込みながら、牧野がチラリと俺の方に視線を向けたのに、俺はもちろん気がついていた。

 「じゃ、俺もいくわ」
 あきらの家の車と入れ違いに、総二郎の家の車が目の前に止まる。
「ああ、また」
 車に乗り込み、扉を閉めようとして、ふと、総二郎が俺を見る。
「・・・・・類」
「ん?」
「牧野のこと・・・・・何かするなら早くした方がいいぜ」
「どういうこと?」
「あきらに縁談の話があるらしい。本人からは何も聞いてないけど・・・・・」
「縁談・・・・・」
「きっとあきらは断る。そして牧野とのことを何とかしようとするはずだ。牧野を止めるなら・・・・・今しかない」
 総二郎が行ってしまってからも、俺は暫くその場につっ立っていた。

 ―――牧野を止めるなら今しかない・・・・・

 その言葉を頭の中で繰り返し・・・・・
 俺はある決意を胸に、その場を後にしたのだった・・・・・


 翌日、俺は都内のホテルのバーに牧野を呼び出した。

 現れた牧野は暖かそうなベージュのコートに身を包み、俺を見つけるとちょっとぎこちなく微笑んだ。
 コートの下には大人っぽい黒のワンピース。
 俺は総二郎の言葉を思い出していた。

 『牧野らしくねえ』
 『無理してるようにしか見えない』

 「花沢類?どうかした?」
 牧野が不思議そうに俺を見る。
「いや・・・・・そういう格好あんまり見たことなかったから」
 その言葉に、牧野がギクリとする。
「そ、そう?・・・・・変、かな」
「いや、似合うけど・・・・・急に服の趣味が変わったのは、あきらのせい?」
 俺の言葉に、一瞬詰まり俯く牧野。
「そんなんじゃ・・・・・ないよ」
「付き合ってるんでしょ?あきらと」
 その問いにも無言で頷く牧野。
 そして一瞬の沈黙の後、急にパッと顔を上げると笑顔で俺を見た。
「花沢類のほうこそ、婚約したんでしょう?式はいつ?」
「来年の予定だけど・・・・・」
「そっか・・・・・おめでとう。昨日、言いそびれちゃったから・・・・・」
 そう言って牧野は笑ったけれど、その笑顔は寂しげに見えた。
「牧野」
「え?」
 顔を上げ、俺を見る牧野。
 俺は牧野の顔をじっと見つめた。
「花沢類?」
「俺、結婚はしないよ」
「え?」
 牧野が目を瞬かせる。
「どうして?だって、婚約したんでしょう?」
「うん。でも、しない」
 そう言って俺は、カウンターに置かれた牧野の手に自分の手を重ねた。
 牧野の体がピクリと震えた。

 「俺は、牧野が好きだから」

 「だから、結婚はしない」
 牧野の目が驚きに見開かれ、その頬は紅潮していた。
「なに、言ってるの。あたしは・・・・・」
「あきらと付き合ってるのはわかってるよ。だけど・・・・・牧野は本当にあきらが好きなの?」
 その言葉にはっとする牧野。
「俺の気持ちは、1年前から変わってない。ずっと牧野のことが好きだった」
「だって!」
「婚約したのは、それでも諦めようと思ってたから・・・・・愛のない結婚でも、構わないと思った。だけどやっぱり、俺には牧野しかいない。牧野じゃないと・・・・・駄目なんだ」
 牧野の瞳が揺れていた。

 どのくらいそうしていたのか。

 牧野が、絞り出すように口を開いた。

 「駄目、だよ」
「牧野・・・・・どうして?」
 俺の問いに牧野は眉を寄せ、瞳を伏せた。
「昨日・・・・・・美作さんに、プロポーズされたの・・・・・・・」
「あきらが・・・・・・」
「あたし・・・・・・Yesって言っちゃった・・・・・・から・・・・・」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さて、どうしましょう?

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キャラメル・ボックス vol.3 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 花沢類が婚約した。

 その知らせにあたしは大きなショックを受けた。
 自分から突き放しておいて、なんて勝手な人間なんだろうと思う。
 それが花沢類の幸せなのだからと自分に言い聞かせても、溢れる涙は止めようがなくて・・・・・

 自分の気持ちを制御しきれなくなったあたし。
 心配して傍にいてくれた美作さんと西門さんに付き合ってもらって浴びるほどにお酒を飲み、気付いたときには美作さんと2人、ベッドの中で寄り添っていた・・・・・。

 呆然とするあたしに、美作さんは言ってくれた。

 「お前のしたいようにすれば良い」

 「俺はいつでも傍にいてやるから」

 「お前が忘れられるまで、待っててやる」

 優しく包み込むように抱きしめてくれた美作さんの腕は暖かくて・・・・・

 この人の傍にいたいって・・・・・・
 そう思ったんだ・・・・・


 花沢類が日本に帰ってくると美作さんに聞いて。
「会いたくないなら、来なくても良いぜ」
 そう言われたけど、
「ううん、大丈夫」
 そう答えた。
 いつまでも美作さんに心配をかけたくなかった。

 だけど実際に1年ぶりに花沢類の顔を見て。
 やっぱり来なければ良かったと・・・・・・・
 会わなければ良かったと、思ってしまっていた・・・・・。

 1年前と変わらない、優しい瞳。
 さらさらの茶髪に、見惚れてしまうほどきれいな顔。
 薄茶色のビー玉のような瞳は、少し切なげにあたしを映していた・・・・・。

 美作さんの隣に座り、西門さんが花沢類を連れて一旦店を出ると、そっと溜息をついた。
 握っていた手に、汗をかいていた。
 知らずに、緊張していたのだ・・・・・。

 「大丈夫か?」
 美作さんが心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「あ、大丈夫・・・・・」
 しっかりしなくちゃ・・・・・
 そう思うのに、やがて戻ってきた花沢類のことを真っ直ぐに見ることが出来なくて・・・・・
 他愛のない会話も、ほとんど頭に入ってこない。
 結局何を話したかも良くわからないうちに時間だけが過ぎていった。

 「牧野、乗れよ。送ってく」
 迎えに来たリムジンに乗り込みながらそう言ってくれた美作さんにも、
「え、いいよ、タクシー拾うから」
 と慌てて答え、呆れられてしまった。
 腕を引っ張られてそのままリムジンに乗り込み・・・・・扉が閉まる瞬間、ちらりと目を向けた花沢類と、視線が合ってしまう。
 その瞬間、まるで電気が走ったような衝撃が走り・・・・・・
 あたしの胸は、ドキドキと苦しいほどの鼓動を打ち始めていた。

 「牧野」
 車の中で、突然美作さんがあたしの手を握った。
 びくりと震える体。
「・・・・・な、なに?」
 普通に答えようとすればするほど、あたしの声はぎこちなく、震えていくようだった。
「・・・・・結婚、してくれないか」

「―――――え!?」

 聞き間違いかと思った。
 だって、そんなこと、考えたこともなかった。

 だけど、見上げた美作さんの顔は、今までにないくらい真剣な表情で・・・・・

「・・・・・俺は、牧野を愛してる」
「美作、さん・・・・・・」
「急にこんな話をして、お前を困らせることはわかってる。でも・・・・・・俺の気持ちを、知っておいて欲しい」
 そう言って、美作さんはあたしの手を握る手に力をこめた。
「・・・・・結婚、してくれないか・・・・・?俺と・・・・・」
「あの・・・・・・あたし・・・・・・」
「一生、大事にするよ。約束する。だから・・・・・結婚、してくれ」

 優しい瞳。
 辛くて、泣くことが出来なくなったあたしを見守ってくれた人。
 辛くて、涙が止まらなくなったあたしを、優しく抱いてくれた人。

 きっと、この人ならあたしを幸せにしてくれる。
 きっと、幸せになれる。
 きっと・・・・・・・

 「・・・・・・はい・・・・・・」
 あたしは小さく頷き・・・・・・そして、瞳を閉じた。
 零れる涙を、美作さんの唇が優しく掬ってくれた・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 つくしの心の動きを追ってみました。
 次回は、彼に語ってもらおうかな~?

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キャラメル・ボックス vol.4 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 美作さんのプロポーズを受けた翌日・・・・
 花沢類から、メールが来ていた。

 ―――大事な話がある―――

 あたしは一瞬迷ったけれど・・・・・
 大事な話、と言われたら断るわけにはいかないような気がして。

 結局美作さんにはこのことを伝えずに、夜になって指定されたホテルのバーへと向かった。

 先にバーのカウンターにいた花沢類は、スマートなデザイナーズスーツを着込み、洗練された仕草でカクテルを傾けていた。
 その様子はさすがに絵になって・・・・・
 隣に行くのが憚れるほど周りの注目を集めていたが、本人は全く気付いていないようだった。

 「・・・・・急に服の趣味が変わったのは、あきらのせい?」

 突然美作さんの名前が出てきて、どきりとする。

 「付き合ってるんでしょ?あきらと」

 声を出すことも出来ず、無言で頷く。

 どうしてこんなに胸が苦しいの?
 もう終わったのに。
 あたしが突き放して、花沢類がいなくなって・・・・・それで終わったんだ。
 今あたしの傍に美作さんがいるように・・・・・花沢類にだって・・・・・

 あたしは気を取り直すと、顔を上げ、花沢類を見た。
「花沢類のほうこそ、婚約したんでしょう?式はいつ?」
「来年の予定だけど・・・・・」
「そっか・・・・・おめでとう。昨日、言いそびれちゃったから・・・・・」
 ふと、また目を逸らす。
 胸が苦しい。
 当たり前のことなのに。
 友達なんだから・・・・・・
 そう思うのに、あたしの胸はずきずきと痛みを伝えていた。

 「俺、結婚はしないよ」
 花沢類の言葉に、息を呑む。

 「俺は、牧野が好きだから」

 「だから、結婚はしない」

 どうして?
 何でそんなこと言うの?

 あたしは・・・・・・
 あたしは、もう・・・・・・・

 「・・・・・愛のない結婚でも、構わないと思った。だけどやっぱり、俺には牧野しかいない。牧野じゃないと・・・・・駄目なんだ」

 あたしを見つめる、花沢類の真剣な瞳。
 握られた手の力は緩むことなく・・・・・
 まるで、もう二度と離さないと言われているかのように、あたしの手を捕らえていた・・・・・。

 どくどくと、心臓が大きな音を立てていた。
 震えだす体。
 花沢類の視線が熱くて・・・・・・声を発することが出来ない。

 でも、言わなくちゃ・・・・・・
 言わなくちゃ、いけないんだ・・・・・・。

 「駄目、だよ」

 「昨日・・・・・・美作さんに、プロポーズされたの・・・・・・・」

 「あたし・・・・・・Yesって言っちゃった・・・・・・から・・・・・」

 絞り出すように・・・・・・
 それでも花沢類に伝えなくてはいけないことを、あたしは言葉にした。
 
 美作さんの顔が、脳裏に浮かぶ。
 傷つけたくない、大事な存在。
 美作さんが傍にいてくれなかったら、きっとあたしはこうして花沢類に会いに来ることもできなかった気がする・・・・・・。
 だから・・・・・・
 だから、あたしは、花沢類を選んじゃいけない・・・・・・・・。

 何も言わず、じっとあたしを見つめる花沢類。
 その視線に耐え切れず、あたしは視線を逸らすと、席を立った。
「ごめん、あたし・・・・・・帰るね」
 そう言って、持ってきていたバッグを掴み、バーを飛び出す。

 ホテルの最上階にあるバー。
 あたしはエレベーターのボタンを押し、溜息をついた。
 両手を合わせ、胸の前でぎゅっと握る。

 苦しい。
 こんなに苦しいのは・・・・・まだあたしが花沢類を好きだから?
 でも・・・・・・
 もう、決めたんだ・・・・・・・

 エレベーターの扉が開き、それに乗り込もうとしたとき―――

 突然腕を掴まれ、後ろに引き寄せられた。
「きゃっ!?」
 足元がよろけ、そのまま後ろに倒れこむ。
 そのあたしの体を支え、後ろから抱きしめるように腕を腰に回される。
「行くな」
 花沢類の低い声が、耳元に響く。
 どきんと、大きく胸が高鳴る。
「花沢、類・・・・・」
 エレベーターの扉が再び閉まり、下へと降りていく・・・・・。

 「行かせない・・・・・どこにも・・・・・あきらのとこにも・・・・・」
 花沢類の、切羽詰ったような切なげな声があたしの胸を打つ。

 ―――そんな風に、言わないで・・・・・

 「離して・・・・・・」
「いやだ。俺はもう、牧野を諦めないって決めたから・・・・・・・絶対に離さない」
 まるで駄々っ子のように言い張る花沢類。
 その腕の力は強くて、あたしは身動きすら出来なかった。
「やめて・・・・・・言ったでしょ?あたしは・・・・・美作さんと・・・・・」
 声が震える。
 心臓の音が、腕から花沢類に伝わりそうなほど、高鳴っているのがわかる。

 ―――これ以上この人の傍にいたら、ダメだ・・・・・・

 そう思うのに、振りほどくことも出来ない。
「だったらどうして・・・・・・泣いてるの?」
 花沢類の声にはっとする。
 自分でも気付かないうちに、あたしの頬には涙が零れていた。
「これは・・・・・!」
「本当にあきらが好きなら・・・・・・・ちゃんと言ってみて。俺の目を見て・・・・・・あきらが好きだって・・・・・あきらを、愛してるって・・・・・・」
 花沢類の腕が一瞬緩み、あたしの体を真正面に向ける。
 熱い視線が、あたしを捕らえる。

 「あたしは・・・・・・あたしは、美作さんが・・・・・・!」
 だけど、その言葉を紡ぐ前に・・・・・・

 あたしの唇は、花沢類のそれに塞がれていた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 新年明けましておめでとうございます。
 今年も皆さんにとっていい年でありますように。
 どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

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キャラメル・ボックス vol.5 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 このまま、離すつもりはなかった。

 一度は離してしまった牧野を。
 
 今度は、絶対に離さない・・・・・・

 あきらのことを『好き』と告げようとする牧野の唇をたまらず塞いだ。
 あきらの、他の男の名前を聞きたくなかった。
 俺だけを見てほしい。
 俺のことだけを・・・・・考えて欲しい。

 夢中で舌を絡め、その体をかき抱く。
 人に見られてたって、関係ない。
 もう1秒でも、離れたくなかった。

 長い口付けに牧野の体からは力が抜け、膝ががくんと折れる。
 俺はその体を支え、唇を離すと、耳元に囁いた。
「・・・・・部屋を、とってある」
 その言葉に、牧野が驚き、目を見開く。
「今夜は・・・・・帰さないつもりで、呼んだんだ・・・・・」
「な・・・・・に言ってるの・・・・・そんな・・・・・そんなこと、できるわけない」
「どうして?」
「どうしてって、あたしは美作さんと結婚するんだよ!?」
「させないよ、結婚なんか・・・・・・。決めたんだ。もう、俺は逃げない。牧野を手に入れるまでは・・・・・絶対に諦めない」
 ずっと、後悔していた。
 どうしてあの時、俺は牧野から離れてしまったのか。
 傷ついた牧野を救えるのは、俺じゃなかった。
 そう思ったんだ、あの時は。
 だけど・・・・・・違う。
 俺は、逃げてたんだ。
 いつまでも牧野の心を手に入れられないんじゃないかという不安から。
 牧野の心は、ずっと他にあると思っていたから・・・・・・
 だけど、そうじゃなかった。
 あのときの俺には、それすら見えてなかった・・・・・・・。

 1年という月日が流れ、意にそぐわない婚約までして、今更何を、と言われても仕方がない。
 それでも俺は・・・・・・・

 「好きなんだ、牧野が」
「花沢類・・・・・」
「1年もかけて・・・・・・漸く答えが見つかった。俺には、牧野だけだ。牧野のいない世界なんて、考えられない。ずっと一生・・・・・牧野の傍にいたい」
 抱きしめていた腕を緩め、牧野の瞳を見つめながら言う。
 牧野の瞳には涙が溢れ、頬を伝っていった。
 俺は唇でその涙を救う。
「・・・・・ずるい、よ・・・・・・」
 切なげに絞り出される、牧野の声。
「・・・・・ごめん・・・・・・」
「どうして・・・・・・」
「好きだから・・・・・・」
「あたしは・・・・・・」
「俺が嫌い?」
 牧野の頬に手を添え、その目を見つめる。
 牧野が、ゆっくりと首を振る。
「嫌いになんか・・・・・なれるわけ、ない・・・・・・知ってるくせに・・・・・」
「うん・・・・・・だから、あの時俺を振ったんだよな・・・・・・俺のために・・・・・・」
「自惚れないで、よ・・・・・!」
 ぐっと両手で胸を押される。
 だけど、俺は牧野を離さない。
「自惚れさせて。本当は・・・・・牧野も俺を好きだって。ずっと・・・・・好きだったって・・・・・違う?」
 俺が聞くと、牧野はぽろぽろと涙を流しながら、首を大きく振った。
「牧野・・・・・・・・」
「ちがわ、ないよ・・・・・・ずっと、好きだった・・・・・。本当は、道明寺と別れる前から、ずっと・・・・・だけど、そんなこと言えなかった。それを言ったら、それまでのことが全部嘘になるみたいで・・・・・道明寺とのことまで、全部・・・・・。だから、言えなかった・・・・・あの時ちゃんと言えてたら、花沢類のことだって、傷つけずに済んだのに・・・・・・」
 俺の胸がずきんと痛んだ。
 ずっと、傷ついたのは、俺のほうだと思っていた。
 だけど、牧野のほうがずっと傷ついてたんだ。
 その傷を、癒したのは俺じゃない・・・・・・。

 それでも・・・・・・
 俺はもう、牧野を離せない・・・・・。

 「牧野・・・・・・俺はもう、牧野を苦しめたくない。このまま別れたら、きっと後悔する。牧野だって・・・・・そうじゃないの?このままあきらと結婚して・・・・・本当に後悔しない?あきらのこと・・・・・結局傷つけることにならない?」
「花沢類・・・・・・」
「あきらと結婚して・・・・・本当に幸せになれるの?俺は・・・・・牧野が苦しむのを、もう見たくない。それはきっと、あきらも同じ想いだと思うけど・・・・・」
 見つめる牧野の瞳が、揺れた。
 牧野にとって、あきらが大切な存在なんだってことはわかってる。
 傷つけたくないと、思ってるのだろう。
 だからこそ、ここで諦めるわけには行かなかった。
 俺にとっても、あきらは大事な親友であることは変わらない。
 その関係は、ずっと続くものだって信じてる・・・・・。

 「あたし・・・・・あたしは・・・・・・」
 牧野の気持ちが、揺れているのがわかる。
 だけど、その揺れが治まるのを待つ余裕は、俺にはなかった。

 俺は、牧野を横抱きに抱えると、そのままホテルの部屋が並ぶ廊下を歩き出した。
「え?ちょ・・・・・花沢類?何して・・・!!」
 動揺する牧野に、俺はちょっと微笑んで見せた。
「部屋、とってあるって言ったでしょ?続きは部屋で」
「は!?ちょ、待ってよ!あたしはまだ・・・・・離してってばっ」
「離さないよ、絶対に」
 即答する俺を、呆気にとられたように見つめる牧野。
「今夜は、絶対に帰さない・・・・・・」
 そう言って・・・・・・

 俺は、予約しておいた部屋に、カードキーを差し込んだのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こうと決めたら、絶対ひかない。
 類ってそんな感じじゃないでしょうか。

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