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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
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ルージュ vol.1 ~花より男子・あきつく~

Category : ルージュ(完結) ~花より男子・あきつく~
 ―――あ、かわいい。

 花屋さんの前を通って。
 ピンクの花を付けた桜草に目を奪われる。
 控え目な小さな花なのに、そのピンク色は鮮やかで、可憐だ。

 ―――あたしのイメージじゃないだろうなあ。

 小さく溜め息を付き、また歩き出す。
 大体、花とかピンクっていうイメージとはかけ離れてるのよね。そんなこと、自分でもわかってる。
 でも・・・・・
 それでも時にはあんなかわいい花に見とれちゃうことだってあるんだから。


 待ち合わせ場所のちょっと手前で足を止める。
 待ち合わせの相手はあきら。
 そして彼の隣には、何故か桜子がいた。
 整形したとはいえ、その姿は可憐で、あきらと2人並ぶ姿はとても絵になっていて・・・・・
 つくしの胸がズキンと音を立てて痛む。
 さっき見た可憐な桜草が桜子の姿と重なる。
 自分には似合わない可憐な花。
 桜子だったら似合いそうな気がした。

 「あ、先輩!」
 先に桜子がつくしに気付いて手を振った。
 続いてあきらがつくしの方を見る。
 つくしを見つめて優しく微笑むあきらはドキッとするほどきれいで、女のつくしでも見とれてしまうほどだ。
「じゃ、私行きますね。先輩、また合コン付き合ってくださいね!」
 そう言っていたずらっぽく笑うと、駆けて行ってしまった。
 その後ろ姿を見送って、呆れたように溜め息をつくあきら。
「何言ってんだ、あいつ・・・・・牧野?どうした?」
 桜子の後ろ姿をぼーっと見ていたつくしは、あきらの声で我に返った。
「あ・・・・・その、桜子ってかわいいなあと思って」
 つくしの言葉に、あきらは首を傾げた。
「そうか?まあ、知らないやつから見たら顔は完璧だわな」
 と、言って肩をすくめる。
「それより・・・・・お前、合コンなんか行ってんの?」
「ああ、うん。たまに・・・・・人数足りないからって連れてかれるの」
 つくしの言葉に、あきらは面白くなさそうに目をそらせる。
「ふーん・・・・・辞めとけよ、合コンなんて」
「だって、人数足りないからどうしてもって・・・・・でも大体いつも途中で抜けちゃうの。どうせ男の人達の目当ては桜子だしね」
 なんとなく言い方がきつくなってしまう。
 あきらがそんなつくしの顔を覗き込む。
「お前、なんか怒ってる?」
「お、怒ってなんかないよ。何言ってんの」
 至近距離のあきらの顔にドキッとして目を反らす。
「・・・・・ま、良いけど。それよかこないだお前が言ってた店、行ってみようぜ」
「え?」
 つくしがきょとんと首を傾げる。
 あきらが呆れたように溜め息をついた。
「何だよ、忘れちまった?美味しそうなケーキ屋が出来たから、今度行ってみた
いって言ってただろ?」
「あ・・・・・」
 それは先週の話。
 つくしがちらっとした話を覚えてくれていたのだ。
 その気遣いがあきららしく、嬉しくなる。
「行こうぜ」
 にっこりと笑って手を差し延べてくれる。
 女の子に対する気遣いもさすがで、感心するのと同時に、誰に対しても変わらず優しいあきらに、少し不安になる。


 「意外と・・・・・少女趣味な店だな」
 ピンクを基調にした、かわいらしい店内で、丸テーブルに向かい合って座る。
 他に男の人の姿はなく、あきらはかなり目立っていた。
 ちらちらとこちらを見る視線は羨望と嫉妬の眼差しで。
 だがそれに気付いているのかいないのか、あきらは気にする様子もない。
 こういう店にいてもちっとも違和感を感じないのは、普段から少女趣味な家に暮らしているからか、あきらの持つ繊細なイメージのせいなのか。
 そんなあきらの姿につい見とれていると、つくしの視線に気付いたあきらがにやりと笑った。
「何見とれてんだよ」
 はっとして、思わず頬を赤らめる。
「べ、別に見とれてなんかないし」
「あ、そ。なんかお前、さっきから変。何怒ってんの」
「怒ってなんかないってば。気のせいだよ」
「そうか?せっかくお前の好きなケーキが目の前にあるってのに、さっきから全然手もつけてないじゃん」
 その言葉にはっとして、つくしは目の前に置かれたケーキを見た。
 そこにケーキが置かれたことにも気付いていなかったのだ・・・・・。
「怒ってないんなら、何かあったんじゃねえのか?言ってみろよ」
「別に・・・・・何も・・・・・」
 段々小さくなる声。
 そんなつくしを見て、あきらが溜め息をつく。
「・・・・・俺といてもつまんねえ?」
 沈んだ声にはっとする。
「そんなこと・・・・・」
「さっきからお前、ちっとも楽しそうじゃねえし。全然俺の方も見ねえじゃん」
「それは・・・・・」
 まだ、恋人同士という感覚に慣れなくて。
 いつもそっと覗き見ていたきれいな顔が間近にあるのが嬉しくて。
 でも、近くでじっと見つめられるのは恥ずかしくて・・・・・。
 つい、うつむいてしまうのだ。
「今日会うのだって1週間振りだろ?俺はすげえ楽しみにしてたのに、お前はそうじゃないわけ?」
「た、楽しみだったよ!あたしだってすごく楽しみにしてたよ!でも、美作さんが―――!」
 そこまで言ってしまってから、つくしは慌てて口を抑える。
「俺が・・・・・何?言ってみろよ。俺が何かしたか?」
 あきらの声が低くなる。
 つくしを見つめる瞳は、あきらにしては珍しく鋭いものだった。
「・・・・・雑誌に・・・・・」
「は?」
「雑誌に、出てたでしょ?」
「誰が?」
「美作さんが!」
 つくしの言葉に、あきらはちょっと眉を寄せて考える。
「ああ・・・・・わかった。先月撮影したやつか。セレブな大学生特集とかいうやつ。で・・・・・それがなんだよ?」
 あきらは、わけがわからないというように顔を顰める。
 つくしは、あきらから目を逸らすと、俯きながらぽつぽつと話し始めた。
「その雑誌に・・・・・モデルと一緒に映ってるページがあったじゃない」
 思い出す、雑誌の1ページ。
 街を歩いている、あきらとモデルの女の子。
 ふわりとカールさせた髪の、足の細いきれいなモデル。
 柔らかく微笑むその表情は女の子らしくて、あきらに注がれるその眼差しは熱っぽく潤んでいるように見えて。
 あきらも優しい眼差しをそのモデルに向けていた。
 とてもきれいでお似合いな2人。

 その写真を見たとき、つくしは自分の胸が痛むのを感じた。
 あきらの隣にいても、なぜか引け目を感じてしまう。
 きれいなあきらと、決してかわいくない自分と。
 店のガラスに映る不釣合いな2人に、溜息が出る・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こちらでは初めてのあきつく。
 なぜか長くなってしまいました・・・・・。
 一応、次回で終わりの予定です。

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ルージュ vol.2 ~花より男子・あきつく~

Category : ルージュ(完結) ~花より男子・あきつく~
 「・・・・・お前、もしかして妬いてんの?」
 あきらの言葉に、つくしの頬が赤く染まった。
「べべべ別に!」
 思わずどもってしまったつくしに、あきらが吹き出す。
「わかりやすいなあ、お前は」
 そんなあきらをむっとした顔で睨みつけるつくし。
「何よ、馬鹿にして」
 ぷいっと横を向くつくしを見て、あきらは目を細めた。
「馬鹿だな」
「だから、そんなことわかって―――!」
 カッとなって怒鳴ろうとして―――
 あきらの優しい眼差しに会い、ハッとする。
「俺は、嬉しいのに」
「え・・・・・」
 言われた言葉に戸惑う。
「お前が、それだけ俺のこと思ってくれてるってことだろ?」
「それは・・・・・」
「あんなの、気にすることねえよ。単なる雑誌の撮影なんだから」
「・・・・・わかってる。でも、すごく似合ってた。やっぱり、美作さんにはああいうきれいな人とか、桜子みたいにかわいい子の方が似合うのかなって・・・・・」
 イジケ気味に呟くつくしを相変わらず嬉しそうに見つめるあきら。
「お前は、かわいいよ」
 あきらの言葉に、つくしは真っ赤になる。
「い、いいよ、そんなお世辞・・・・・あたしだって自分のことくらいわかってるもん」
「わかってねえよ。お前は」
 あきらの目は、真剣だった。
「そうやってやきもち妬いたり、俺のこと考えてくれるところが、かわいいって言ってんの」
「え・・・・・」
「あんなモデルなんかより、もちろん桜子よりも・・・・・俺にとってはお前が、最高にかわいい女だよ」

 まっすぐにつくしを見つめるあきらの眼差しが。
 あまりに優しくて、つくしは何も言えなくなってしまった。

 「あ、そうだ。撮影で思い出した。これ・・・・・」
 そう言って、あきらはジャケットのポケットの中から、小さな袋を取り出した。
「お前に似合いそうだったから、買って来た。やるよ」
 差し出されたその袋を受け取るつくし。
「何・・・・・?」
「開けてみろよ」
「うん・・・・・」
 ピンクのかわいらしいその袋をそっと開けてみる。
 中を覗き込んだつくしの瞳が大きく見開かれる。
「口紅・・・・・?」
 中に入っていたのは、銀色の口紅だった。
「その撮影の時、メイクのやつが持ってたんだ。そんときのモデルには似合わないからって使われなかったんだけど・・・・・ちらっと見て、お前に似合いそうだなって思ったんだ」
 袋の中からそれを取り出し、キャップを開けてみる。
 つくしの目に飛び込んで来たのは、今日見た桜草のような、可憐なピンクの口紅だった・・・・・
「かわいい・・・・・けど・・・・・あたしに、似合う?」
 首を傾げるつくしに、あきらは優しく笑った。
「ああ。そう思ったから買って来たんだ。今つけてみれば」
 言われて、戸惑った。かわいいピンク色。とても好きな色だけど、女の子らしい印象のその色は、自分には似合わないような気がしていたのだ・・・・・。
 じっと口紅を見つめていたつくしを不思議そうに見ていたあきらが、ふいにつくしの手から口紅を取った。
「つけてやるよ」
「え」
「ほら、こっち向け」
 あきらの繊細な手が、つくしの顎を捉える。
 間近に迫ったあきらの顔に、どきんと胸が高鳴る。
 あきらの手に握られた口紅が、ゆっくりつくしの唇を滑っていく。

 「・・・・・やっぱり、似合う。ほら」
 そう言って、窓の方へ向けられる顔。
 ガラス窓に写ったつくしの姿。
 唇に乗せられた可憐なピンクは、意外なほどつくしに似合っていた。
 普段よりも女の子らしく見える自分の姿に、つくしの頬が微かに染まる。
「どうよ?俺の目に狂いはねえだろ」
 得意気に見つめるあきら。
「あ・・・・ありがとう。こんな色・・・・・自分で選んだことなかった」
「だろ?いつも思ってたんだ。いつもしてる、地味めな口紅よりも絶対こっちの方が似合うって。あ、けど・・・・・」
「けど?」
 何か言いたげにつくしをじっと見つめるあきら。
 その視線に、つくしの心臓は落ち着かなくなる。
「それは、俺と会うとき限定にしろよ。少なくとも、合コンに行くときにはつけていくな」
 不機嫌に吐き出された言葉に、つくしはきょとんとする。
「ってか、合コンなんて行くなよ。何で俺っていう彼氏がいんのにそんなものに行くんだよ」
 溜息とともに言われ、つくしは目を見開く。
 
 ―――それって、もしかして・・・・・

 「それ・・・・・ヤキモチ・・・・・?」
 つくしの言葉に、あきらの頬が微かに染まった。
「悪いか・・・・・・ってか、今頃気付いたのかよ」
「だって、美作さんがヤキモチなんて・・・・・」
「あのな・・・・・俺だって嫉妬位する。お前、無防備だし・・・・・。心配しすぎで疲れるっつーの」
「あ・・・・・けど、別にあたしが合コン行っても・・・・・・」
 誰も寄って来ないし。
 そう続けようとして、あきらの強い視線に言葉を切る。
「んなことねえよ。お前は、自分のことわかってねえだけだ。俺が・・・・・惚れた女なんだぜ?いい女に決まってんだろ?」
 あきらの言葉に真っ赤になる。
「美作さん・・・・・」
「・・・・・誰にも、渡したくねえよ」
 すっと伸びてきた手に顎を捕らえられ、軽く口付けされる。
 呆気にとられてるつくしを見つめる、柔らかい眼差し。
 店内にいた女の子たちの、黄色い声が聞こえる。
 だけど、あきらにはそんなものは聞こえていないようで・・・・・・
「く、口紅、ついちゃってるよ・・・・・」
 あきらの唇に、ほんのりとピンク色が乗せられ、どこか色っぽかった。
「ん・・・・・。また、つけてやるよ・・・・・あとでな・・・・・」
 そうしてまた、重ねられる唇。

 何度も、何度も・・・・・・

 とれてしまった口紅は、またあきらの手によってつけられる・・・・・・

 あきらと会うとき限定の色。

 柔らかいキスに酔いながら・・・・・・・

 この口紅つけてたら、こうしてずっとキスしてくれるのかな・・・・・・・

 そんなふうに思っているつくしだった・・・・・



                           fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 終わりです~。
 F4の中ではちょっと地味めなあきらですが・・・・・・
 こういう地味キャラ、わたしは好きです。
 これからもチョコチョコ書いていけたらと思ってます♪

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ルージュ 2 ~花より男子・あきつく~

Category : ルージュ(完結) ~花より男子・あきつく~
 可憐な桜草のような、かわいらしいピンクの口紅。

 前に美作さんからプレゼントされたその口紅は、彼と会うとき専用のもの。

 2人だけの秘密だったそれは、いつの間にか花沢類や西門さんにも知られていて、あたしがその口紅をしているときの彼らは決まってあたしたちをからかうのだ。

 でも、それでもいい。
 美作さんと付き合ってるんだと実感できるのが嬉しいから・・・・・・。


 「今日、映画見に行く前にちょっと寄って行きたいところがあるんだけど・・・・・」
 映画館へと向かう道で、美作さんがそう切り出した。
「良いけど・・・・・時間大丈夫?」
「ああ、そんなに時間はとらない。母親から頼まれたものを受け取りに行くだけだから。その店が6時までで閉まっちまうから、映画見終わってからだと間に合わないと思ってさ」
「そうなんだ。どういう店?」
「それは―――ああ、見えてきた。あそこ、ピンクの壁の店、見えるだろ?」
 言われてそっちのほうを見れば、鮮やかなピンク色の壁が、目に入ってきた。


 「あらあ、あきら君久しぶり。元気だった?」
 中に入ると、まるで美作さんのお母さんのお部屋そのものの店内に、あたしは呆気に取られた。
 店主らしい髪の長い美しいマダムが美作さんを見て嬉しそうに微笑む。
「お久しぶりです。母が注文したものを受け取りに伺ったんですが」
 そう言って微笑む美作さんと、マダムの視線が一瞬絡み合う。
 なんとなく、2人の間にただならぬものを感じてしまうのは、あたしの気のせいだろうか・・・・・。
「ああ、そうだったわね。こちらに来てくださる?奥にあるのよ」
 そう言ってマダムが店の奥に美作さんを促す。
 美作さんはあたしをちらりと見ると
「ここで待ってろよ」
 と言ってマダムの後について行った。

 美作さんを待ってる間、あたしは店内をぶらぶらと見て回っていた。
 美作さんのお母さんが好きそうな、少女マンガの世界から出てきたような雑貨が所狭しと並べられた店内は、なんだか異世界に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥りそうだった。

 と、店員らしい2人の女性の会話が、すぐ横で聞こえてきた。
「―――きれいな男の子よね」
「お得意様のご子息ですって」
「ほら、彼でしょう?店長がご執心で・・・・・」
「ああ!あれが―――確かに美形だけど―――一緒にいたの、彼女じゃないの?」
「でもたいしたことないじゃない。店長のほうが美人だし、彼にはお似合いだわ」
「そうね。ね、奥の部屋で何してると思う?あそこは、特別な顧客しか入れない部屋よ」
「あら、あなたもそれ考えてたの?きっと今頃店長と彼・・・・・」
 
 あたしは、迷わず店の奥へと足を向けた。
 
 まさか、美作さんに限って。

 だけど、胸がざわつく。

 美しいマダム。
 
 あたしと付き合う前の美作さんは、そんなマダムとばかり付き合っていた・・・・・・。

 「美作さん!」
 プライベートルームと書かれた部屋のドアを乱暴に開ける。
 
 美作さんの首に腕を回してしなだれかかっていた店長が、はっとして振り向く。
「牧野!」
 美作さんが、あたしの姿を見て慌てて店長の体をぐいっと押しやった。
「嫌だわ、勝手に・・・・・あきら君、彼女はお友達?」
 店長が余裕の笑みでくすりと笑い、あたしを見る。
 その人を見下したような笑顔に、カチンとくる。
 美作さんが、肩をすくめて口を開いた。
「彼女は、僕の恋人ですよ」
 その言葉に、目を見開く店長。
「恋人?この子が?まあ、あきら君たら、いつからこんな子供と付き合うようになったの?」
 心底馬鹿にしたようなその言葉に、あたしはぶちきれた。
「子供で悪かったわね!おばさん!」
「お―――おばさんですって!!」
 真っ赤になって、きっと目を吊り上げる店長。
 あたしはくるりと2人に背を向けると、そのまま駆け出し、店を飛び出したのだった―――

 
 「牧野!!待てよ!!」
 後ろから、美作さんの声が追いかけてくる。
 だけどあたしは足を止めなかった。
 こんな顔で、振り向けない。
 あたしきっと今、ひどい顔してる。
 嫉妬でぐちゃぐちゃの―――

 「待てってば!!」
 美作さんに腕をつかまれ、ぐいっと引っ張られる。
「離してよ!」
 振りほどこうとするけど、男の人の力に敵うわけなくて。
「離すわけねえだろ?誤解すんなって!彼女とはなんでもない!」
「抱き合ってたじゃない!」
「抱きつかれてただけだよ」
「美作さん、ああいうマダムが好きなんでしょ?どうせあたしは子供だもん!」
「そういう事言うから子供なんだろ?俺の話聞けよ!」
「いや!」
「牧野!!」
 両肩を掴まれ、はっと顔を上げる。
 怒った表情の美作さん。
 
 ―――ぶたれる!

 そう思って咄嗟に目を瞑る。

 その瞬間―――
 柔らかい感触が、あたしの唇に重なった。
 
 思わず目を開けると、目の前にきれいな美作さんの顔。

 人目を気にする余裕もない。

 驚きに固まっていると、美作さんがそっとあたしを抱きしめた。
「―――逃げるなよ。ちゃんと俺の話を聞けって」
「だって・・・・・」
「品物を店長から受け取って中身を確かめてたら、突然抱きつかれて身動きできなかったんだ。彼女とは本当になんでもない」
「―――本当に?」
「当たり前。確かにお前と付き合う前までマダムとばっかり付き合ってきたけど。彼女は、うちの母親の友達なんだ。いくら俺でも母親の友達には手ぇださねえよ」
 そう言って、あたしの顔を覗き込み、にやりと笑う。
「やきもち、妬いたんだ?」
 その言葉に、あたしの顔がかっと熱くなる。
「そ、そんなんじゃ・・・・・だって、いきなりあんなとこ見て、びっくりして―――」
「妬いてたんだろ?」
 じっと見つめられて。
 あたしは、降参したように頷いた。
 そんなあたしを見て、美作さんがやわらかく微笑む。
「そういうの、嬉しいよ。けど・・・・・もうちょっと信用してくれよ、俺のこと」
 その言葉にちょっと気まずくなって視線を下げたとき―――。
 美作さんの真っ白なシャツに、鮮やかなピンクの口紅の痕がついているのが目に入った。
 まるで、ピンクの花弁のようなそれは
 それは明らかにあたしの―――
「わっ、やだ、どうしよう」
「は?―――ああ、さっき俺が抱きしめたときについたんだな」
「落ち着いてる場合じゃないよ!口紅って落ちないのに!しかもこんな真っ白なシャツに―――」
 柔らかな肌触りの、いかにも高級そうな白いシャツ。
 美作さんにぴったりのその純白のシャツは彼のお気に入りで、デートのときにも何度か着てきたことがある。
「これくらい、どうってことない」
「だって!」
「お前が、俺のためにつけてきてくれた口紅だろ?」
 そう言って、人差し指でそっとあたしの唇をなぞる。
 その仕草にドキッとして、あたしは美作さんを見上げた。
「お前につけられたものなら、ずっと落ちなくてもいい。お前がやきもち妬いてくれたんだってこと、いつでも思い出せるし。浮気の心配もないだろ?」
 そう言っていたずらっ子のように無邪気に微笑む美作さんが。
 いつもの大人っぽい彼の表情とはまた違う表情で、あたしをどきどきさせた。
「―――浮気なんて、やだよ。ずっと、あたしだけを見てて」
 思わず告白したあたしを、ちょっと驚いて見つめて。
 それから、嬉しそうに微笑んでくれた。
「―――もちろん。俺はいつでも、お前だけを見てるよ」

 そう言ってまた抱きしめるから。

 彼のシャツに、もうひとつピンクの花弁が。

 それでも美作さんが嬉しそうに笑うから。

 あたしは彼の肩口に、またピンクの花弁を散らしたのだった・・・・・。


                                fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 口紅だらけのあきらのシャツ。
 きっと染み抜きなんかせずにずっとそのまま残ってるんだろうなあ。

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