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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
*このブログについての誹謗中傷・クレームなどの書き込みはおやめください。
*このブログの無断転載複製を禁じます。
*万が一このブログをお読みになって不快感を感じられたとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

君だけに vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : 君だけに ~花より男子・類つく~
 静の結婚式に招待され、総二郎、あきら、そして牧野とフランスへ来ていた。

 ほぼ日帰りの慌しいスケジュールの中、牧野は写真を撮るのに夢中だった。

 後もう少しで結婚式が始まろうというとき。
 フィルムを取りに戻ると言って駆け出した牧野のあとを、俺は少し遅れて追いかけた。
「待って、牧野、俺も行く」
 俺の言葉に、走りながら振り向く牧野。
「ええ?いいのに。静さん待たせちゃ悪いし、あたしだけなら・・・・・」
「牧野を1人にすると、何か面倒に巻き込まれそうだから、心配」
 俺の言葉に、牧野はうっと詰まる。
「ひどっ、人をトラブルメーカーみたいに!」
「まんま、牧野のことだと思うけど・・・・・」
「類!」
「急がなくていいの?」
「あ!」
 そしてまた、慌てて走り出す。

 そんな牧野の後姿を見て、俺はちょっと笑った。

 ―――いつになっても、牧野は変わらない。

 そんな牧野だから、俺は・・・・・

 ホテルに戻り、フィルムをバッグにしまいこむと再び教会へ向かって走り出す。
「なんか、同じような街角ばっかりで、迷いそう」
 きょろきょろと街中を見回す牧野の手を、そっと掴む。
 牧野が、微かに頬を染めて俺を見上げる。
「こっち。着いてきてよかった。1人だったら確実に迷子ってるんじゃない?」
「そ、そんなことないってば」
 必死に言い募る牧野に、思わず笑いが漏れる。
「良いから、早く行こう。式、始まっちゃうから」
「あ、そうだ!」
 途端に慌てだす。
 ほんと、牧野といると退屈しない・・・・・・。

 「・・・・・ここ通ったほうが近いかも」
 途中、細い路地を見つけてそこへ入る。
「な、なんか薄暗いとこだね。大丈夫?」
 不安げな牧野に、俺は振り返って笑顔を見せる。
「すぐ通り抜けるから。ほら、もうすぐそこ―――」
 そう言ってまた前を向いたときだった。

 ―――ドスンッ

 何かに思い切り体当たりされたような衝撃。

 「類!!」

 牧野の声が聞こえた。

 だけど目の前は真っ暗で・・・・・・

 意識を失う瞬間、牧野の笑顔が見えた気がした・・・・・。


 「類!類!!しっかりして!!」
 牧野の大声が耳元に響き、俺は目を覚ました。
「うるさ・・・・・牧野・・・・・」
「類!よかった!」
 ほっとしたような声。
 目を開けると、牧野が心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。
 うっすらと、涙が滲んでいるようにも見える。
「・・・・・牧野?一体・・・・・・」
「さっきの・・・・・通り魔だったみたい。ほら、日本のニュースでもやってたでしょ?フランスで出没してるって言ってた・・・・・・今、パトカーが来て連れてったとこ」
 牧野の言葉に、俺はがばっと起き上がる。
「牧野、怪我は?」
 思わず牧野の肩を掴む。
「あたしは平気。それより類のほうこそ、大丈夫?痛いところない?警察の人は、みぞおちを殴られて気絶してるだけ・・・・みたいなこと言ってたけど、あたし、フランス語なんてしゃべれないし、良くわからなくて・・・・・。病院、行った方が・・・・・」
 心配そうに俺を見つめる牧野に、俺はちょっと笑って見せた。
「いや、大丈夫。牧野が無事でよかった・・・・・。ごめん、こんなところ通った俺が悪い」
 俺の言葉に、牧野は首を振る。
「ううん。元はといえば、あたしが式の直前にフィルム取りに戻ったりするから・・・・・・」
「それにしても、どうやってそいつ捕まえたの?」
「捕まえたって言うか・・・・・類が殴られたの見て、頭に血が上っちゃって。バッグで思いっきり何度も殴ってやったら、伸びちゃったの」
 照れくさそうに頭をかきながら言う牧野。
 その光景が頭に浮かび、思わず噴出す。
「ぶっくく・・・・・・それ最高。見たかったな」
 その言葉に、牧野は顔を顰める。
「やめてよ、必死だったんだから・・・・・。類が・・・・・死んだらどうしようって」
「縁起でもないな。それより・・・・・本当だったら俺があんたを守らなくちゃいけないのに・・・・・。危ない目にあわせてごめん」
 俺の言葉に牧野は首を振り、俺のシャツをぎゅっと掴んだ。
 瞳には、今にも零れそうな涙が溜まっていた。
「牧野?どっか痛い?」
 ふるふると首を振った瞬間、牧野の瞳から涙が零れ落ちる。
「よかった・・・・・類が無事で・・・・・」
「牧野・・・・・」
 牧野の瞳から零れ落ちた涙が、俺のシャツを濡らした。
「類が死んだらどうしようって・・・・・類がいなくなったらどうしようって・・・・・。生きてて、よかった・・・・・」
 俺は、ぽろぽろと涙を流し始めた牧野の髪を撫で、その頭を引き寄せた。
「泣くなよ・・・・・。これから結婚式だってのに、そんな泣き顔で行くつもり?」
「・・・・・類が・・・・・いなくなるなんて・・・・・思ったことなかったから・・・・・。いなくなるって考えただけで、あたし・・・・・どうにかなりそうだった・・・・・」
 牧野の言葉に、俺は何も言うことが出来ず・・・・・ただそっと、その体を抱きしめた。

 僅かに身じろぎする牧野。
「ごめ・・・・・シャツ、汚れちゃう・・・・・」
「・・・・・構わない」

 ただ、抱きしめていたかった。

 俺のために涙を流す牧野が愛しくて。

 ずっと、このまま牧野を掴まえていられたらいいのにと。

 言葉に出来ない想いが、胸に溢れていた・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 連載、というほど長くはしないつもりですが、ちょっとだけ続きます。

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君だけに vol.2 ~花より男子・類つく~

Category : 君だけに ~花より男子・類つく~
 もう行かなくちゃ。

 結婚式はもう始まってるだろう。

 司ももう着いてるかもしれない。

 そう思うのに、体が動かない。

 牧野も、俺の腕の中でじっとしていた・・・・・。

 「・・・・・いいの?そろそろ行かないと・・・・・。きっと司も来てる・・・・・」
 俺の言葉に、牧野の方がぴくりと震える。
「・・・・・わかってる。もう式、始まっちゃってるよね・・・・・。静さんに、謝らなくちゃ・・・・・」
「うん、俺も・・・・・」
 牧野がゆっくり俺から離れ、2人で立ち上がった。

 牧野は俯いていたが、少し微笑み、口を開いた。
「ごめん、泣いたりして・・・・・気にしないでね、ちょっと気持ちが高ぶっちゃっただけだから」
 そう言いながらも、俺のほうを見ようとしない。
「牧野」
 俺は、そのまま行こうとする牧野の手を掴んだ。
「どうして・・・・・俺の方を見ないの?」
「・・・・・別に・・・・・」
「こっち見て」
 ぐいと手を引っ張る。
「牧野」
 名前を呼ぶ声を少し強めると、漸くそろそろと顔を上げる牧野。
 俺を見つめる瞳は揺れていて・・・・・

 まるで牧野の心そのものを現しているように思えた。
「・・・・・そんな顔で、行くの?司が来てるかもしれないのに・・・・・」
「・・・・・大丈夫、教会につくまでに・・・・・顔、整えとくから・・・・・」
「牧野・・・・・。だったら、今言って。どうしてそんな顔してるのか」
「そんなの・・・・・言えない」
「どうして?」
「だって・・・・・」
 再び俯いてしまう牧野。

 俺は牧野の手を握ったまま、じっと牧野を見つめていた。

 「・・・・・お願い、見つめないで」
 消え入りそうな小さな声。
「どうして?」
「・・・・・類の顔が、真っ直ぐに見れない。あたし・・・・・このままじゃ・・・・・道明寺の前に行けない・・・・・」
「・・・・・どうして?」
 繰り返し聞くと、牧野は戸惑う素振りを見せながらも、口を開いた。
「類が・・・・・類が死んだらどうしようって・・・・・いなくなったらどうしようって・・・・・本当に怖くなったの。あたし・・・・・類と会えなくなることなんて考えられなかった。いつも傍にいてくれて・・・・・それが当然みたいに感じてて・・・・・違うのに・・・・・。類には類の人生があって・・・・・いつか結婚して、自分の家庭を築いていくのに・・・・・。それが当たり前のことなのに、あたし考えてなかった。考えたく・・・・・なかった・・・・・。それがどうしてなのか・・・・・ずっと考えずにいたのに・・・・・類がいなくなっちゃうかもって思った瞬間に・・・・・わかっちゃったの・・・・・」
 牧野の泣き濡れた瞳が俺を見上げる。
 俺は、黙って牧野を見つめていた。
「あたし・・・・・類が好きなの・・・・・」

 揺れる瞳に、俺が映っていた。

 俺は黙って、牧野を抱きしめた。

 「類と・・・・・離れるのはいや・・・・・ずっと・・・・・傍にいたい・・・・・」
 涙声で紡がれる言葉が、俺の胸に響く。
「じゃあ、傍にいて。ずっと俺の傍に・・・・・」
「でも・・・・・・」
「いやだよ、もう離さない。ずっと、好きだったんだ・・・・。漸く俺の方を見てくれたのに・・・・・。もう、手放すことなんて出来ない」
「類・・・・・」
「このまま・・・・・俺の傍にいて。司からも・・・・・どんなものからも守ってみせるから」

 そっと俺を見上げる牧野。
 俺は牧野の頬に手を添え、そっと唇を重ねた。
 牧野の、涙の味がした。
 
 何度もそのぬくもりを確かめるように、何度も口付けを交わしていた、そのとき。

 「お前ら、何やってる!!」
 鋭い怒声に、はっとして牧野が俺から離れる。
 俺はとっさに牧野を自分の背に隠した。

 「・・・・類、てめえ・・・・・どういうつもりだ」
 路地の入口で、こちらを睨みつけていたのは司だった。
「司・・・・・来てたの・・・・・」
「ああ、来てたさ。お前らがホテルにフィルムを取りに行ったきり戻らないって言うから、探しに来て見れば・・・・・牧野!説明しろよ!」
 牧野が、ビクリと体を震わせる。
「道明寺・・・・・ごめん・・・・・」
 牧野の震える声に、司の眉がぴくりと吊り上がる。
「ごめん・・・・・だって?それはどういう意味だ。まさかお前・・・・・類とできてるのか?」
「へんな言い方しないで!そんなんじゃないよ!」
「そんなんじゃない?じゃあ今のはなんだ!類と・・・・・キスしてたじゃねえか!」
「それは―――!」
 俺は、言葉を遮るように2人の間に立った。
「牧野は、悪くない。俺が・・・・・牧野を諦め切れなかったんだ」
「類・・・・・」
「ふざけんなよ・・・・・諦め切れなかったからキスしたって言うのか?牧野の気持ちを無視して!」
「道明寺、違うよ。類はあたしの気持ちを無視したりしない!あたしが、類のことを―――」
 牧野が俺の前に立ち、真っ直ぐに司を見つめた。
「あたしが・・・・・類のことを好きになったの。類がいない世界は・・・・・考えられないの・・・・・」
「牧野・・・・・類とは友達だろ?友達として、ずっと近くにいりゃあいい。何で今になって―――」
 司が牧野の肩を掴む。
「ダメなの・・・・・自分の気持ちに、気付いちゃったから・・・・・もう、嘘はつけない・・・・・・。道明寺のこと、本当に好きだった。でも・・・・・類が、好きなの・・・・・・離れたくないの・・・・・」

 牧野の瞳に、涙が光る。

 俺はそっと牧野に近づき、その手を握った・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 読み返してみると、改めて「ここでこうだったら」と思う場面が満載で。
 同じパターンで総ちゃん編も考えてみたいもんです。

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君だけに vol.3 ~花より男子・類つく~

Category : 君だけに ~花より男子・類つく~
 「類・・・・・牧野・・・・・。俺は認めねえぞ!俺が今まで何のために・・・・・!」
 司が肩を震わせ、俺たちを睨みつける。
 俺は、その視線を受け止めながら口を開いた。
「・・・・・ごめん、司。司ががんばってたのは知ってる。でも・・・・・それは牧野のためだけじゃないはずだよ。道明寺のため・・・・・自分のためでもあるだろ?司はもう、立派な道明寺の後継者だ」
「知った風な口を聞くな!」
「それでも・・・・・俺はもう、牧野を離すつもりはないよ」
「類、てめえ―――」

 司が、俺に掴みかかろうと1歩踏み出す。

 俺はその瞬間、牧野の手を握りなおし、走り出した。

 司の横をすり抜け、教会の前の通りを駆け抜ける。

 「待て!!」
 司の声が追いかけてくる。
 当然そんなの待てるわけがない。

 教会の前を通り過ぎようとした時―――
 総二郎とあきらが、呆気に取られてこちらを見ているの目に入った。
 そして―――

 「類!牧野さん!」

 教会からウェディングドレス姿で出てきたのは、静だった。
「静さん!ごめんなさい!」
 牧野の言葉に、静がふわりと微笑むのが見えた。
「牧野さん!受け取って!!」
 そう言って―――

 真っ白なブーケが、放り投げられた。

 牧野が手を伸ばし、ブーケをキャッチする。

 「類!牧野さん!幸せにね!」
 手を振る静。
 俺はそんな静に笑みを返し・・・・・
「おい!捕まんなよ!」
「そのまま日本まで逃げちまえ!!」
 総二郎とあきらの声が、俺たちを後押しした・・・・・。

 俺は牧野の手を握ったまま走り続け―――

 ちらりと振り向けば、牧野も懸命に俺の手を握り、走っていた。

 そして、その向こうにはあきらと総二郎に抑えられている司の姿が見えた。

 「お前ら、ふざけんな―――!」


 暫く走り続けた俺は、牧野の息が苦しそうに響き始めたのを感じ、足を緩めた。
 もう、司の姿はなかった。
 「・・・・・後悔、しない?」
 手を繋ぎ、ゆっくり歩きながら牧野の顔を見つめる。
 牧野が俺を見上げ、にっこりと微笑んだ。
「するわけ、ない。道明寺にはすごく悪いことしたって思うけど・・・・・。でも・・・・・もう、自分に嘘はつけない」
 揺ぎ無い、牧野の瞳。
 ずっと、見守ってきた牧野。
 司と一緒に幸せになるなら、それでいいと思ってた。

 だけど今は・・・・・・

 「幸せに、するよ」
 俺の言葉に、牧野が驚いて俺を見上げる。

 目の前には、小さな教会。
 おれたちはその前に立ち、お互いを見つめた。
「たとえ何があっても、もうこの手は離さない。俺がきっと幸せにしてみせるから・・・・・。俺に、ついてきて・・・・・」
「類・・・・・」
 牧野の大きな瞳から、大粒の涙が零れ落ちる。

 「・・・・・愛してる・・・・・」
 そっとその体を抱きしめ、耳元に囁く。
「類・・・・・あたしも・・・・・愛してる・・・・・」
 涙声で紡がれる牧野の言葉。
 その言葉がゆっくりと俺の胸に響いてきたころ―――

 目の前の教会の鐘が、静かに鳴り始めた・・・・・。

 俺たちは自然に体を離すと、そのまま見つめあい―――

 ゆっくりと、唇を重ねた。

 鐘の音が鳴り終わるまで、何度も口付けながら。

 俺たちは、永遠の愛を誓った・・・・・。


                            fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 題名は、vol.1を書いていたときになぜか頭に響いてきた少年隊の「君だけに」(古)
 意味はないけど、なんとなく合ってる気がして。
 司には気の毒な結果になってしまいましたが・・・・・・
 こんなクライマックスも、あっていいんじゃないかな~と思って書いてしまいました。

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君だけに 2 vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : 君だけに ~花より男子・類つく~
*このお話は、「君だけに」から続くお話になります。


 「よお、牧野」
 大学へ行くと、キャンパスの芝生で寛いでいた美作さんに声をかけられる。
「おはよ、美作さん。今日は1人?」
「ああ、総二郎は家の用事で遅刻するって。類は―――たぶん、まだ寝てんじゃねえか?」
 その言葉に、あたしも苦笑する。

 
 「いい気なもんよね、道明寺さんを裏切ったくせに」
 講義室に入り、筆記用具なんかを出していると後ろのほうから聞こえよがしな声が聞こえてくる。
「聞いた?花沢さんと婚約したんですって」
「この大学に通えるのだって、花沢さんのおかげでしょ?どこまで寄生するのかしら」
「だから貧乏人は嫌よね~」

 もういい加減、言われ慣れてしまっているので怒る気にもならない。
 あんなのは無視するに限る。
 それでも、ひとつだけ心に引っかかるのはやっぱり道明寺のこと。
 自分の気持ちに嘘はつけない。 だからこそ道明寺には自分の気持ちを正直に伝えたのだ。
 
 だけど・・・・・。

 持っていたバッグから小さな振動が伝わってきて、あたしは慌ててバッグから携帯を取り出した。

 着信の名前を見て、思わず固まる。
 類からかと思ったのだけれど、その名前は『道明寺』となっていたのだ・・・・・。

 あたしは一瞬迷い、それでもバッグと携帯を手に外へと飛び出した。

 「―――もしもし」
 廊下で声を潜めて電話に出る。
『―――牧野か』
 聞こえてきたのは、懐かしさよりも、切なくなる道明寺の低い声―――。
「うん。何?」
 できるだけ、平常心を保つようにわざとゆっくりと話す。
『類と婚約したって話、聞いた』
「・・・・・そう。類が、道明寺には自分から話したいって言ってたんだけど・・・・・」
『何度か電話よこしたよ。けど、忙しくて話す時間がなかった。発表の少し前、西田から聞いたんだ』
「・・・・・そう」
 あたしも、何度か道明寺には連絡しようかと思った。
 だけど、実際何から話せばいいのかわからない。

 道明寺と離れている間に、類があたしの心の支えとなり、かけがえのない存在となった。

 心の葛藤はたくさんあったけれど、結局あたしが道明寺を裏切ったことに変わりはない。

 それを、どう話したところできっと言い訳にしか聞こえないだろう。

 そう思うと、自分から連絡をする勇気を出すことができなかった・・・・・。

 『お前らのことを、納得できたわけじゃない』
「道明寺、あたし―――」
『良いから聞け。俺は明日、日本に帰る』
「―――え?」
『時間は3時間。すぐにまたN.Yに戻る。その前に―――お前に会いたい』

 どくんと、胸が鳴った。

 『明日、家まで迎えに行くから―――逃げるなよ』

 それだけ言うと、道明寺はあたしの返事を待つことなく電話を切ってしまった。

 ツー、ツー、という無機質な音だけが耳に残っていた。


 ―――道明寺が帰ってくる。

 ―――あたしに会いに来る。

 どれくらいそうしていたのか。
 気付けば周りには誰もいなくなっていて。

 聞き覚えのある足音にはっとして振り返ると、花沢類があたしの方に向かって歩いてくるところだった。

 「牧野?そんなとこで何してるの?」
 類の声に、あたしはどう答えようか一瞬迷った。

 ―――道明寺のこと、話したほうが良いんだろうか・・・・・

 「牧野?」
 隠し事は、したくなかった。
 つい先週婚約したばかり。
 変に隠して、誤解されるのは嫌だった。
「―――今、道明寺から電話が」
「司から?」
 類が目を見開く。
「うん。明日・・・・・帰ってくるって」
「明日?そんな話、聞いてないけど」
「すぐにまた戻るって。その前に、あたしに会いたいって・・・・・」
「・・・・・会うの?」
 類の言葉に、あたしは一瞬ためらった。
「明日、あたしの家まで来るって。あたしが何も言う前に電話切られちゃったから・・・・・会わないわけに行かないよ。あたしも、ちゃんと話さなくちゃって思ってたし」
「そっか・・・・・。じゃあ、俺もいくよ」
「え・・・・・」
「俺も司と話したいし・・・・・それに」
 言葉を止め、類があたしをじっと見つめてくるから、なんとなく緊張する。
「何?」
「そのまま、牧野が攫われたら困るから」
 冗談とも本気ともつかない穏やかな表情で、類はそう言って笑ったのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 携帯からだと、以前にUPした話とか、見づらいですよね。
 もっと見やすくできると良いんですけど・・・・・

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君だけに 2 vol.2 ~花より男子・類つく~

Category : 君だけに ~花より男子・類つく~
 「何で類まで来るんだよ」
 
 ぼろアパートの前、なんとも似つかわしくないぴかぴかのリムジンが停車していた。

 その後部座席には、道明寺。

 そしてそこへ類と2人、乗り込んできたのを顔を顰めて睨みつける。

 「司と2人きりにはさせられないよ」
 そう言って類が肩をすくめると、道明寺が溜め息をついた。
「お前、いつからそんな独占欲強くなったんだよ」
「前からだよ。俺が、好きになったものにはとことん執着すること、司だって知ってるだろ」
 類の言葉に、道明寺はちょっと決まり悪そうにちらりと類を横目で見た。
「―――時間がねえんだ」
「わかってるよ。何を話せばいいの?」
 
 リムジンは、静かに走り出していた。

 「あの時・・・・・類、お前言ったよな。俺ががんばってたのは、牧野のためだけじゃない、道明寺のため―――自分のためでもあるはずだって」
「ああ。正直・・・・俺、司には適わないって思ってたよ。その若さで、世界のトップに立つってことがどんなに大変か―――俺には想像もつかない。やれって言われて簡単にできるもんじゃない。それが・・・・・牧野と一緒になるために始めたって事はわかってる。だけど、それだけじゃない。司は、道明寺の跡継ぎとしてそうなることを決めたんだ。そうだろ?」
「―――ああ。俺も、あの時は頭に血が上って、お前たちを憎む気持ちしかなかったけどな・・・・・あとで冷静になって考えたよ。たとえば、牧野があの時、俺が傍にいてくれれば俺とやり直すって言ったらそうしたのかってな。答えは―――ノーだった」
 道明寺が、あたしを見た。
 その目は、以前の道明寺と同じようで、やっぱり違うものだった。
「俺は道明寺司だ。その名前を捨てることはできねえ。たとえ牧野がどんなに泣きついてきたとしても―――俺は、俺の名前を捨てることはできねえ」
「道明寺―――」

 まっすぐに、あたしを見つめる瞳。
 その瞳には、一点の迷いもなかった。
 自分の将来を、しっかりと見据えた瞳。

 男として、人間として大きく成長した道明寺。
 その姿は頼もしくて―――

 同時に、昔の道明寺にはもう戻らないのだという寂しさも感じていた。

 「―――あたし、あんたと付き合ってよかったと思ってるよ」
 あたしの言葉に、道明寺はちょっと笑った。
「ああ」
「あんたと一緒にいるのは、ジェットコースターに乗ってるみたいにスリルがあって・・・・・大変だったけど、楽しかった。あたしにとって必要な経験だったと思うし、あのときのあたしがいるから今のあたしがいると思う。だから―――感謝してるよ、すごく」
「―――だけど、今お前が必要としてるのは類なんだな」
「―――うん」
「もし―――お前が類を好きにならなくても、俺たちは一緒になれなかったかもしれねえって思ったよ。今の俺は、はっきりいって仕事でいっぱいいっぱいだ。好きな女を幸せにする自信も、パワーも残ってねえと思う。もともと不器用だからな。どっちもうまくやってけるかって聞かれたら自信ねえんだ」
「道明寺・・・・・・」
「それでも―――俺がお前を好きな気持ちはかわらねえ。だから、幸せにしたいと思ってた」
 道明寺の瞳が揺らぎ、一瞬元の道明寺に戻った気がした。
 高校生の頃の、道明寺に―――
「だけど―――その役目は類に譲ってやるよ。類は、きっと俺よりもお前を幸せにできるやつだ」
 道明寺が類に視線を移し、類も黙ってその視線を受け止めた。
「―――幸せにするよ、必ず」
「当たり前だ。お前が牧野を不幸にしたら俺は絶対お前をゆるさねえ」
 2人の視線が静かに絡み合い、あたしには入り込めない空気を作り出す。

 しばらくすると、リムジンは静かに止まり後部座席のドアが開けられた。

 道明寺に促され、外に出るとそこは小さな教会の目の前だった。

 「司、これは―――」
 さすがの類も驚いている。
「予行演習だと思えよ。ここで・・・・・俺の前で・・・・・必ず幸せにすると、誓ってくれ」
 にやりと笑う道明寺に、あたしも呆気に取られた。
「それを見届けたら俺は、お前をすっぱり諦める。そう決めてきたんだ」
「ちょっと待って。じゃあ・・・・・最初から類も来るってわかってたの?」
「当たり前だろ?俺たちは幼馴染だぜ。類が好きなものにはとことん執着する性格だってことは昔から知ってる。俺と牧野が2人きりで会うのなんか、黙ってられるわけねえって思ってたよ」
 道明寺の言葉に。
 あたしと類は顔を見合わせた。
「―――ひょっとして、あきらと総二郎も1枚噛んでる?」
 類の言葉に道明寺は一瞬目を見開き―――

 「やっぱりばれたか」
 その言葉とともに、教会から出てきたのは美作さんと西門さんの2人だった・・・・・。
「やっぱり・・・・・。司がこんなこと、1人で考えられるわけないって思ったよ」
 類の言葉に不本意そうに顔を顰めながらも、道明寺が口を開いた。
「うるせーよ。婚約のこと聞いて・・・・・あきらに連絡したんだよ。俺はもう、お前たちを認めてるって伝えてくれって。そしたらあきらが、簡単に認めたんじゃつまんねえとか言い出しやがって」
「あきらから話を聞いた俺が、今回のことを計画したってわけだ」
 と、得意げに言ったのは西門さんだった。

 まったく、呆れるやら感心するやら・・・・・・

 「とにかく、2人がちゃんと幸せになるって俺の前で誓うまでは俺も安心できねえ。けど、ゆっくり結婚式を見届ける暇はねえからな。さっさとやってくれ」
「ちょっと道明寺、あんたね―――」
 さすがにあたしが道明寺に文句を言おうとしたけれど、そのあたしの腕を、類がやんわりと掴んだ。
「いいよ、牧野。それで司が納得するなら―――俺は何度でも誓うよ」
「類・・・・・」
「俺の気持ちは、これからも、いつでも変わらない。ずっと―――牧野を愛してるから」

 類の言葉に、一瞬その場が静まり返った。

 「ずっと牧野だけを、愛してる・・・・・。必ず、幸せにするよ」

 ビー玉のように透き通ったきれいな薄茶色の瞳があたしを見つめる。

 「だから・・・・・ずっと俺の傍にいて欲しい。牧野が傍にいてくれれば、俺はそれだけで幸せになれる。そうして、2人で一緒に幸せになろう」

 涙が、頬を伝った。

 「あたしも・・・・・愛してるよ。類と2人で、幸せになりたい」

 あたしの言葉に、類が嬉しそうに微笑む。

 ゆっくりとそのシルエットが重なり、類の唇があたしの唇に落ちてくる。

 見ていた3人は穏やかに微笑み・・・・・・

 やがて道明寺が静かに口を開いた。

 「―――サンキュー。これで俺も、仕事に集中できる」
「道明寺・・・・・ありがとう」
「礼なんか言うな。時間がねえから、俺はもう行く。結婚式には出れるかわかんねえけど、なるべく時間取れるようにすっから」
 そう言うと、道明寺はさっさとリムジンのほうへ歩き出した。
「もう、未練がましいことはいわねえ。だから―――牧野、お前も俺のことは気にしねえで、ちゃんと類を大事にしろよ」
 にやりと笑い、あたしを見つめるその表情は、晴れ晴れとしていた。
「言われなくっても、あたしはちゃんと幸せになるよ。道明寺も・・・・・幸せに、なってね」
「ああ、じゃあな」
 軽く手を振り、リムジンに乗り込む。

 そしてあっという間にその姿は見えなくなり・・・・・・

 「ようやく、区切りがついただろ。お前らも」
 美作さんの声に、あたしと類は自然に手を繋ぎ、見詰め合った。
「司のことを引きずったままじゃ、俺らもすっきりしねえし」
 西門さんが言い、2人があたしたちの傍に来た。
「―――幸せになれよ」
 そう言って軽く類の肩を叩き、そのままあたしたちを通り過ぎていく。

 残されたあたしたちは、微笑み合い、その場を後にした。

 後ろの教会からは、2人を祝福するような鐘の音が鳴り響いていた・・・・・。


                              fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あのままではやっぱり後味悪いですよね。
 道明寺にはちゃんと去り際を決めて欲しいと思いまして・・・・・。

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