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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
*このブログについての誹謗中傷・クレームなどの書き込みはおやめください。
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*万が一このブログをお読みになって不快感を感じられたとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

ブランコ vol.14 ~花より男子・類つく&F3~

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 「う~ん・・・どれ着て行こう」
 今日は類と初めてのデートだ。
 今まで何度も2人で出かけたことがあるのに、今日は恋人同士になって初めてのデートというだけで、なんだか緊張してしまう。
 あれでもない、これでもないと悩み、結局最初に出した一張羅のワンピースに決めるまでに、30分もかかってしまった。
 薄く化粧もし、髪の毛もあれこれといじり結局ポニーテールに落ち着くまでに30分。
 毎日会ってるというのに、朝が来るのが待ちきれなくってほとんど寝ることが出来ず、まだ家族が寝てる時間からそわそわ。
 準備が全て終わったのはまだ朝の7時にもならない時間だった。

 今日は土曜日だ。
 朝からバイトがあると言っていた弟の進がのそのそと起き出して来る。
「何してんの、姉ちゃん・・・朝っぱらからばたばたうるせえよ」
「あ、ワリイワリイ。あ、あんたの分の朝食も作っといたから、食べるでしょ」
「おお、サンキュー・・・・って、いくらデートだからって張り切りすぎじゃねえの」
 出来上がったちょっといつもより豪勢な朝食と、すっかり支度の出来上がったあたしを交互に見て言う。
「ぐ・・・・・う、うるさいな。べ、別に張り切ってなんかないわよ、ちょっと早く起きたから、早めに準備しただけ!いいから早く食べな!」
「ヘイヘイ、わかりましたよ」
 道明寺がNYに行ってしまってからというもの、ずっとあたしを支え続けてくれた類に、進もすっかり懐いていて今回のことも喜んでくれていた。
「あ、車の音・・・・来たんじゃねえ?」
「え、ほんと?ちょっと見てくる!」
 慌てて玄関の戸を開けて見てみると、ちょうど類が車から出てくるところだった。
「あ、おはよ」
「お、おはよ。ちょっと待ってて、すぐ行くから!」
「慌てなくていいよ」
 類の笑いを含んだ声をえに、あたしはまた部屋に戻り、もう一度鏡を見た後バッグを持ち、家をでた。
 笑顔で助手席のドアを開けてくれる類に、ちょっと緊張してしまう。
「お、お待たせ・・・。なんか緊張する」
 頭をかくあたしを見てくすくすと笑う類。
「何で?何度も一緒に出かけてるのに。でも、今日なんかかわいいね。メイクしてるんだ?」
「あ、うん。たまには、ね。今日、どこ行くの?」
 あたしが助手席に乗り込むと、類も運転席に座る。
「ないしょ」
「えー?」
「牧野が気に入るかどうか・・・。俺にとっては結構癒しの場所なんだけど」
 類の言葉に、あたしはちょっと驚く。
 そんな話、聞いたことがなかったから。
「・・・着いてからのお楽しみ。寝ててもいいよ。昨日も夜まで働いてて、疲れてるでしょ」
「そんな・・・類に運転してもらってるのに寝てられないよ」
 そう言って張り切るあたしを、おかしそうに笑いながら見つめる類。
 そして・・・・・・

 気付くとあたしはやっぱり眠ってしまっていて、類の声で、目が覚めたのだった・・・。
「うああ、ごめん!寝るつもりなかったのに・・・てか、起こしてくれればいいのに」
「気持ち良さそうだったし。牧野の寝顔、見るの好きだから」
 そう言ってやわらかく微笑んでくれるから、思わず赤くなってしまう。
 こういう風に人に気を使わせないようにしてくれるところ、やっぱり類ってすごいなあって思ってしまう。

 「ここ・・・・・?」
 降り立ったのは、木がうっそうと茂った森の中。少し空気が薄い気がするから、山なのかな?
 そんなことを考えてきょろきょろしていると、トランクから荷物を取り出した類が、目の前にある別荘のような白亜の建物の中に入っていった。
「牧野、早く」
 門を入ったところで後ろを振り向き、あたしを呼ぶ。
「あ、うん」
 あたしも慌てて類の後を追いかける。
「ここって、類の家の別荘?」
 中は洋風のペンションのような造りになっていた。
 相変わらずきょろきょろしているあたしを見て、類はくすくす笑っている。
「いや、うちの会社で保養所として社員に貸し出してたとこなんだけど・・・あんまり利用する人がいないから、今じゃ俺が年に数回利用するくらい」
「え、そうなの?もったいない!こんなに素敵なのに。どうして?」
「・・・来てごらん」
 そう言って類は持って来た荷物をその場に置き、先にたって歩き出した。
 そのまま着いていき、部屋の1つに入る。
「こっち」
 そういいながら類は、続き部屋になっている奥の部屋へと進み、突き当たりにある窓を開けてみせた。
 
「わあ、すごい・・・!!」
 眼下には、真っ青な海が広がっていた。
 門の前からでは分からなかったが、屋敷の後ろはすぐに切り立った崖になっていて、50メートルはあろうかという崖下には白い波が打ち上げていた。
「すごい・・・素敵・・・」
「気に入ってくれた?」
「うん、とっても!でもなんでここ、利用する人がいないの?」
 あたしの問いに、類は苦笑いしながら答えた。
「見てのとおり、ここ、目の前が海なんだけど、この崖からは降りられないんだ」
「そう・・・だよね」
「で、車で海岸に着くまで、30分はかかる」
「30分・・・」
「それにここ、山の中だから回りには何もないし、コンビニに行くまでにやっぱり30分かかる。おまけに街灯も少ないから夜は外にでられない。で、この高さ。牧野みたいな人間なら問題ないんだけど、高所恐怖症の人って結構いるみたいで」
「ああ・・・・なるほど」
 言われて見れば、この崖は結構怖いかもしれない。
「ま、それでも2年に1回くらいは利用する人もいるみたいだし、取り壊すのも面倒だからそのままにしてるんだ」
 そう言いながら、類がまた部屋の入口に向かって歩き出す。
「どこ行くの?」
「コーヒー、入れるよ」
「あ、あたしやるよ!類、ずっと運転してて疲れてるでしょ?少し休みなよ」
「いいの?」
「うん!」
 あたしはそう言ってキッチンへと入っていった。
 
 利用する人が少ないといっても、やはりきちんと管理されているようで、コーヒーや紅茶などの飲み物や調味料などは全て揃っていた。
 コーヒーを2人分入れ、キッチンを出ると
「牧野、こっち」
 と、リビングルームらしい部屋の戸を開け、類が手招きをした。
「わ、すごい、この部屋も素敵だね」
 入りながら、あたしは思わず感嘆の声を上げる。
 輸入品らしい家具で揃えられたその部屋は、4,5人が集まれるテーブルセットがいくつか点在するように配置されていて、外に面する壁は一面ガラス張りになっていた。
 類は、その中央にあるテーブルセットのソファに腰を下ろした。
 あたしは、類の隣のソファに座り、コーヒーカップを置いた。
「たまにね、疲れたときとか・・・・ここに1人で来て、ボーっとして過ごすんだ。携帯電話も持たないで・・・誰にも邪魔されず、何もしないで過ごす。あいつらにも、ここのことは言ってない」
「そうなの?そんな大切な場所に・・・あたしが来てよかったの?」
 なんとなく申し訳ない気がしてそう聞くあたしを見て、類はくすりと笑った。
「牧野だから、連れてきたんだよ。牧野には、俺のこと全部知って欲しいと思う。隠し事はしたくない。ここのことも・・・・今度から、ここに来るときは牧野と一緒がいい・・・そう思ったんだ」
「類・・・・・」
 優しく微笑む類に、あたしの胸がどきんと音を立てる。
「牧野・・・こっちに来てよ」
「え・・・」
 類がぽんぽんと手で示すそこは、類の膝の上。
「や、でも・・・」
「いいから、早く」
 恥ずかしくって躊躇するあたしの手を引き、類が強引にそこへ座らせる。
 引っ張られた勢いで類の胸に倒れこむような形になり、慌てて離れようとするが類の手がそれを許さず、あたしはそのまま類の膝に抱っこされるような格好になってしまった。
「る、類」
「ん?」
「あ、あの、ちょっと恥ずかしい・・・んだけど・・・」
「そう?俺は別に平気だけど」
「あたしは恥ずかしいよ」
「誰もいないのに?」
「そう言う問題じゃなくて・・・」
 さっきから、頬がカッカと熱い。
 あたしの顔、今絶対赤い。
 恥ずかしくて仕方ないのに、類はそんなあたしをうれしそうに見つめ、くすくすと笑う。
「牧野、かわいい」
 そう言うと類はあたしの頬に手を添え、そのまま後ろ側に撫でるように手を滑らせ、髪に手を差し込んだ。
 そのままゆっくりと引き寄せられる。
 あたしはどきどきする胸を押さえながら、ゆっくりと目を閉じた。

 やがて、類の冷たく、柔らかい唇があたしを捉えた。
 ゆっくりと確かめるようなキス。
 啄ばむようなキスから、徐々に深くなり、それは情熱的なキスへと変わっていった・・・・・。



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ブランコ vol.13 ~花より男子・類つく&F3~

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 ーーーばしばし西門さんのこと怒れて、本音をぶつけられるような人が合ってるかなって。西門さんが、自然体でいられる人がいいんじゃないかなあと思ってね。ーーー

 なあ、気付いてるか?
 それって、お前にぴったり当てはまるってことーーー。
 ちらりと牧野を見れば。
 目の前の紅茶をうまそうに飲んでやがる。
 気付いてるわけねえよなあ。何しろ超ド級の鈍感女だからな・・・。

 こいつを、女として意識したことなんかなかったんだ。
 司が何でこいつに惹かれたのか。
 類が何でこいつに惚れたのか。
 ずっとわからなかった。
 だけど、高校生のときからずっとこいつを見ていたら、だんだんとそれがわかるようになって・・・
 気付いたら目がこいつを追っていた。

 司と牧野が別れたことを知って。
 類に、「牧野はもうフリーだぜ。さっさと告っちまえば」
 そう言ったのは俺だ。
 類を応援したい気持ちに、嘘はなかった。
 あいつがずっとあの2人を見守っていたことも、そのために自分の気持ちを犠牲にしていたことも知っていたから。
 類と牧野がうまくいけば良い。
 その気持ちに嘘はなかったけれど、でももうひとつ・・・。
 類が牧野をさっさと捕まえておいてくれないと、俺は、おれ自身の気持ちを抑えていられる自信がなかった。
 あきれるくらいお人よしで、超鈍感なこの女は何の警戒心も持たずにそのはじけるような笑顔をさらし、人の懐にまっすぐ飛び込んでくる。
 半ばあきれながらも、その笑顔がまぶしすぎて目を逸らすのも忘れてしまうやつがいることなど、知るよしもない。
 
 漸く類とくっついてくれて。
 これで俺も諦められるかと思ったのに、人の気持ちってのはそんなに単純じゃない。
 人のものだとわかっているのに。
 いや、わかっているからこそか、余計に欲しくなる。
 類の隣で幸せそうに笑うあいつを見るのは胸が痛む。だけど、目が逸らせない。
 こんな気持ちを抱いたのは初めてだ。
 更のときには、そんな感情を持つ前に終わってしまったから・・・。
 淡い初恋。男と一緒にいるのを見たときに感じた胸の痛み。
 そんなものとは比べ物にならないほど、胸がきしんでいた。
 忘れなきゃいけないと思えば思うほど、会いたくなって会いに来てしまう、おろかなほどただの恋する男。
 これがF4きってのプレイボーイだなんて聞いてあきれる。

 
「そういえば昨日もそうだったけど、最近F3で行動することって少ないの?美作さんとはいつも一緒にいた気がするけど」
「きしょいこと言うなよ。大学生にもなれば他にもやることあるし、大体昔から学校にいるときくらいだったぜ一緒にいるのは。あきらとはよく一緒に遊んでたけどな。最近、あいつも忙しいみたいだし」
「あ、そうみたいだね。昨日も仕事だっていってたし」
 
 そう。最近気になるあきらの行動。
 昔から俺たちのまとめ役で、一番理性で動くやつだ。
 そのあきらが、1人でこいつに会いに行ったりしたのは何でだ?
 あきらが牧野を気に入ってることは知ってる。だけど年上の人妻ばかりと付き合って、年の近い女の子には愛想は振りまいても惚れたことなんかないやつが、牧野には本気で?理性も効かなくなるほど・・・?

「・・・そういやお前、司にはいつ報告すんの。類とのこと」
 俺の言葉に、牧野は顔を上げる。
「うん・・・できればね、直接会って話したいんだけど・・・今度いつ日本に来るかわからないし。電話しても全然つながらないし・・・。さすがにNYまで行くのは経済的にもきついかなと思って迷ってるんだけど・・・でもやっぱり、直接話すならNYまで行くしかないかな」
「・・・経済的なもんは類が何とかしてくれるだろ?別に俺が何とかしてやってもいいけど」
「そんなこと、頼めないよ。あたしのことなのに」
 相変わらず、こういうところはしっかりしてる・・・っていうか、もっと周りを頼ってもいいと思うんだけどな。
「だけど、そんなこと言ってたらいつまでたってもNYなんて行けないんじゃねえの」
「そうなんだけど・・・。でも、これはあたしの問題だから。あたしが、何とかしたいの。道明寺とのことは、大事にしたいの。つまらないプライドかもしれないけど・・・」
「・・・・・いや、わかるよ。いいんじゃねえの、やりたいようにやれば。お前が後悔しないようにするのが一番だろ」
 当時のことを思い出すと、今でも信じられないくらいいろんなことがあった。全て乗り越えて、漸く婚約までして・・・この2人の絆を壊せるものなどないって思ってたんだけどな・・・。

 司・・・。
 お前は今、牧野のことをどう思ってる・・・?
 類とのこと・・・笑って許すことが出来るのか・・・・・?
 
 なんだか無性に、司に会いたくなってきた。
 馬鹿で短気で世話の焼けるやつだけど。
 あいつの力強い目が、今は見たかった。
 迷い、行き先を見失ってる今の俺に、力を与えてくれるような、そんな気がしたんだ・・・。

 「そろそろ行かなきゃ」
 という牧野の声にはっと我に返る。
「ああ、じゃあ送るよ」
「うん、ありがと」
 にっこりと笑う牧野に、ふいをつかれた様に思わず見惚れる。
「どうかした?」
 一瞬呆けてしまった俺を、牧野が心配そうに見つめる。
「いや、別に・・・お前さ・・・」
「え?」
「もうちょっと、男ってものを警戒した方がいいぜ」
「は?何突然」
「いや・・・・ちょっと類に同情したくなっただけ」
「何それ、変なの」
 首を傾げる牧野に「行くぞ」と声をかけ、外に出る。
 これ以上2人でいたら、おかしなことを言っちまいそうだ。
 

 「送ってくれてありがと。西門さんって、意外と安全運転なんだね」
「意外とは余計だっつーの。一応女の子乗せてるからな」
「そっちこそ、一応は余計よ!」
 軽口を叩きあい、笑って牧野を見送る。
 牧野が店の中に消えると、俺は軽く溜息をついた。
「やべえな、マジで・・・」
 そう呟き、もう1度溜息をついて・・・・
 気持ちを振り切るようにハンドルを握りなおし、車を発進させた。

 その様子をずっと見ていた人間がいたことなど、そのときの俺は全く気付くことが出来なかった・・・・。


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 見ていたのは誰?
 う~ん、誰にしよう・・・(^^;)



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ブランコ vol.12 ~花より男子・類つく&F3~

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 「よォ」
 突然目の前に現れたその人の笑顔に、あたしはたっぷり10秒は固まっていたと思う。
「おい、何固まってんだよ」
「だって・・・なんで西門さんがここにいるの?」
 今日もあたしは清掃会社のアルバイトで、例のビルに来ていた。
 そのバイトが終わり、着替えて外に出てみると、なぜかビルの従業員用出入り口の前に西門さんが立っていたのだ。
「暇なんだ。お茶くらい付き合えよ」
「・・・って、何であたしと?彼女でも誘えばいいじゃない。たくさんいるんでしょ?」
「・・・・・今日はそういう気分じゃない」
 そう言って視線を落とす様子がいつもの西門さんらしくなく、少し気になってしまった。


「5時から居酒屋のバイト入ってるの」
「じゃあその前に送る。車あるから」
 近くの喫茶店に入り、向かい合わせに座る。

「何かあったの?」
 あたしが聞くと、西門さんは不思議そうにきょとんとする。
「何で?」
「だって・・・いつもと違うし。大体、あたしに会いに来るなんて」
「そんなに意外かよ?」
「うん」
「はは・・・・」
 思いっきり頷いたあたしに、西門さんは半目で乾いた笑いを送ってくる。
「あのさ・・・」
「なんだよ?」
「間違ってたらごめん。もしかして・・・・優紀に彼氏ができたこと、気にしてる・・・とか?」
 とあたしが言うと、西門さんは一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに笑顔になった。
「は、まさか」
「関係ない?」
「関係ねえよ、全然。彼女のことは、本当に良かったと思ってるんだぜ。いい恋愛してるみたいだしな」
 その言葉に、あたしもほっとして頷いた。
「うん、あたしもほっとしてる。優紀には、いい恋愛してほしかったら」
「俺とじゃ、いい恋愛できねえもんな」
「そんなこと、ないと思うけど」
 あたしの言葉に、西門さんは目を瞬かせる。
「あ、優紀とって意味じゃなくてね。西門さんのこと」
「俺?」
「うん。優紀には合わないと思うけど。優紀には、今の彼みたいな・・・歩調の合ってる人が合うと思うし」
「ああ、俺もそう思うよ」
「優紀は、言うときははっきりいう子だけど、人に・・・特に好きになった人に合わせようとするとこあるし、人の気持ちがわかる子だから。もし西門さんと付き合ったら、辛くなるんじゃないかなあと思ったの」
「・・・当たってるな。俺はいいやつじゃないから」
「そういうことじゃなくって」
「じゃ、どういうことだよ?」
「西門さんは・・・ちゃらんぽらんだし女たらしだけど」
「・・・・あのな・・・・」
「でも、それってきっと西門さんなりの優しさでしょ?」
「優しさ?」
「うん。誰にも執着しないことで、後腐れないようにしてる。軽薄な振りして、本当は結構まじめだし優しい人だし」
「・・・なんかお前に褒められるとキモ」
 西門さんが大袈裟に体を震わせて見せるので、あたしはじろりと睨んでやった。
「もう。だからね、もし優紀と付き合ったら結構優紀に合わせようとして気を使ったりして、無理しちゃうんじゃないかなあと思ったの」
「・・・・・・」
「西門さんには・・・もっとばしばし西門さんのこと怒れて、本音をぶつけられるような人が合ってるかなって。西門さんが、自然体でいられる人がいいんじゃないかなあと思ってね。余計なお世話でしょうけど」
「・・・・・・ああ、ほんと・・・。余計なお世話・・・・・」
 そう言って西門さんは、あたしから目を逸らした・・・・


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ブランコ vol.11 ~花より男子・類つく&F3~

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 店を出たところで、俺たちは解散した。
「類は牧野送ってくんだよな」
 あきらの言葉に頷く。
「じゃ、また大学でな」
「ああ」
 それぞれの姿が見えなくなったころ・・・
 牧野が、店から出てきた。
「類、お待たせ。もうみんな帰った?」
「ん。おつかれ」
 牧野と2人、並んで歩き出す。
 今日はアルコールが入ってるから車ではなく歩きだ。
 春とはいえ、まだまだ夜は冷える。
 牧野の手を握ると、牧野も握り返してくる。
 寄り添って歩くだけで、温まる感じがした。

「今日、あきらと会ったんだって」
「うん、昼間ね。びっくりしちゃった。にしてもあれよね、ああいうとこで会うと普段とは違う印象っていうか・・・意外とちゃんとやってるんだなって思った」
 牧野の言葉に、思わず噴出す。
「それ、あきらが聞いたら怒るよ」
「あはは、だって本当にそう思ったんだもん。西門さんもそうだけど、みんな2つの顔をもってるんだなって思ったの」
「ふ~ん。俺も?」
 そう聞いてみると、牧野はちょこっと首を傾げた。
「う~ん・・・類はちょっと違う感じ」
「違うって?」
「なんていうか・・・仕事してるところを見たことないからかもしれないけど、スーツ着てても、ラフな格好してても、類は類っていうか・・・うまく言えないけど」
 照れくさそうにそう言う牧野がかわいい。
 なんとなく、愛されてるって感じがしてうれしくなる。
「牧野」
「え?」
 牧野が俺のほうを見上げる。
 その瞬間に、唇を重ねる。
 ほんの一瞬で離すと、牧野の頬が赤く染まっていくのがわかり、その表情に満足し、また唇を重ねる。
 腰を引き寄せ、片手を牧野の頬に沿え、そのやわらかい感触を確かめるように唇を味わい、徐々に深く口付ける・・・・・。
 やがてそっとその表情を盗み見ると息苦しそうに眉間にきゅっと皺が寄っているのがわかり、その唇を開放した。
「・・・・・・はぁ」
 瞳が潤み、高潮している頬。
 濡れて光る唇が扇情的で、俺の胸が高鳴る。
「牧野、かわいい」
「・・・バカ」
 照れてうつむく牧野の髪に指を通す。
 ピクリと牧野の体が反応し、上目遣いで俺を見上げるその表情にまた煽られる。
「・・・そういう顔、誰にも見せたくない」
「またそういう事・・・あ、そういえば美作さんに・・・・」
「あきら?」
 突然あきらの名前が出て、俺は顔をしかめる。
 何で今、あきらの名前?
「なんか似たようなこと・・・そういう顔がなんとかって・・・・なんだっけ」
 俺の表情には気付かず、牧野が眉間に皺を寄せて考える。
「えーと、そういう顔、俺に見せたら類が妬くとか何とか・・・意味分かんなかったけど」
「・・・・・・・・どんな顔してたの」
「別に、普通だよ。美作さんがね、あたしと類が付き合い始めたのを良かったって言ってくれて・・・あたしには幸せになる権利があるって言ってくれたの。だから、ありがとうって。それだけ」
「・・・ふうん・・・」
 本当に普通の顔してたら、そんなこと言わないだろう。
 ていうか、牧野のことを見てそんな風に思うってことのほうが問題だ。
 今日だって1人で牧野の店に行ってみたり・・・どうも気になる。
 俺といるときのあきらは、別に変わった様子もないしいつもどおりに見える。
 だけど、何かが引っかかる・・・。

 急に黙ってしまった俺を、牧野が不思議そうに見る。
「類?どうかした?」
「あ、いや・・・。牧野、今度いつ休み?」
「えーと、あさっては1日休みになってる」
「じゃ、デートしよ」
「え・・・・・」
 牧野の頬がほんのりと染まる。
「嫌?」
「い、いやじゃない!」
「じゃ、決まり。朝、迎えに行くから」
「うん」
 うれしそうに微笑む牧野。
 ちょうど、牧野の家の前に着く。
「じゃ・・・おやすみ」
「うん」
 別れ際、もう一度軽くキスをすると、牧野がまたおもしろいように赤くなる。
「くっ・・・・牧野、おもしろい」
「だ、だって、恥ずかしいから・・・」
「かわいいからいいけど」
 という言葉にまた赤くなる。
「・・・誰にも、渡さないから」
「え?」
「・・・・牧野は、俺だけのだから・・・誰にも、渡さない」
 そう言って笑った俺の顔を、牧野は不思議そうに見つめていた・・・・・



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ブランコ vol.10 ~花より男子・類つく&F3

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 「おっす」
 桜子の電話から15分後、総二郎がやってきた。
「おお、早かったな。お前、家にいたの?」
 俺の言葉に総二郎は頷いた。
「ああ」
「グッドタイミングでしたよね~。電話にもすぐ出られましたし」
 桜子の言葉に、俺はちょっと首を傾げる。
「・・・なんだよ、あきら。なんか言いたいことでも?」
「いや。珍しいなと思っただけだよ。この時間に家にいるなんて。いつもだったらクラブに顔出してるか、女と会ってるか・・・」
 そう言うと、総二郎は気のない様子で肩をすくめた。
「たまには家にいる時だってあるだろ。気が乗らなかったんだよ。それより、お前は何で1人でこの店に来ようとしてたわけ?牧野に用でもあんのかよ?」
 総二郎の言葉に、話を聞いていた桜子が身を乗り出してくる。
「わたしもそれ、気になったんですけどお。美作さんが1人で居酒屋に、なんてぜんっぜん似合わないじゃないですか。ひょっとして先輩に会いたかった・・・とか?」
 いつの間にか滋や優紀ちゃんまでが耳をそばだてている・・・。
「ば、バカ言ってんじゃねえよ。たまたま近くを通りかかったんだよ。で、今日牧野とちょうど話したとこだったから顔でも見て行こうかと思っただけで・・・・」
「へえ。牧野の顔が、見たかったわけだ」
 総二郎が意地の悪い目で俺を見る。
「総二郎、お前なーーー」
「牧野が、どうしたって?」
 突然後から声がして、驚いて振り向くとそこには類が立っていた。
「よお、類。ーーーいや、あきらのやつがわざわざ牧野の顔見に、1人でここに来てたっていうからさ」
「総二郎!」
「・・・・あきらが?」
 途端に類の顔色が変わる。
 げ。こいつってこんな表情するやつだったか?
 前から牧野に関わると人が変わるとは思ってたけど・・・。
 幼馴染の俺たちでさえ、今まで見たこともない顔をする。
「誤解すんなよ。たまたま近くまで来たから寄っただけだって。昼間、牧野に会ったんだよ。あいつが今バイトしてる清掃会社の派遣先ってのがおれんとこが出資してる会社が入ってるビルだったんだ。そこで、今日は夜、ここでバイトだって聞いたから・・・」
 なんとなく言い訳がましくなってしまう俺の話を聞きながら、それでも類は一応納得したようだった。
 その光景を、総二郎のやつがニヤニヤしながら見ている。
 俺はちらりと総二郎を睨み・・・
 さっきから頭に引っかかっていることを思い出していた。

 最近の総二郎はどこかおかしい気がしていた。
 どこが?と聞かれるとうまく説明できない。
 遊びに誘えば出て来るし、相変わらず何人もの女と付き合ってる。
 それは前と変わらないのだが・・・・。
 なんとなく・・・そう、気が入ってないのだ。
 酒を飲んでても、女と遊んでいても、どこかつまらなそうな顔をしている。
 いつからそんな風になったのか、はっきりとは覚えていないが・・・司と牧野が別れてから、だったような気がする。
 
 「あ、類、きてたんだ。西門さんも。飲み物、どうする?」
 牧野が料理を持ってきて、2人に気付く。
 類の表情が、一気に和らぐ。
 それから、総二郎の顔も・・・・。

「あー、俺あれがいいわ。ワイン。ここのカクテルは薄くて飲めねえ。良くあんなもの飲めるな」
 総二郎の言葉に、牧野がくすくすと笑う。
「ジュースと変わんないかもね。でもしょうがないでしょ。美作さんが作ってくれるカクテルとは違うよ。類は?」
「俺もワインで良い」
 類の言葉に頷くと、牧野はまた厨房へと戻っていった。
「先輩、がんばってますね」
 桜子が感心したように言う。
「ほんと。あたしも今度、バイトしてみようかな」
 滋の言葉に、桜子が苦笑いして首を振る。
「滋さんには無理無理。1日・・・ううん。1時間で根を上げますよ、きっと」
「同感。お前も根っからのお嬢だからな」
 総二郎にも笑われ、滋が頬を膨らませる。
「何よお、にっしーまで。自分だって根っからのお坊ちゃんじゃないの」
「アホか。俺がこんなとこでバイトするかよ」
「うわ、にくったらしい」
「はい、ワイン持って来たよ~」
 2人分のワインボトルとグラスを持って牧野が来た。
「お前、それが客に対する態度かよ」
 総二郎のあきれた口調に牧野は肩をすくめる。
「あんた達が客って言われてもねえ。あ、それからこのワインもあんた達が飲んでるような高級ワインじゃないからね」
 その牧野の言葉に、類は軽く頷き「ん。わかってる。期待してないし」
 と笑う。
「なんか憎たらしい・・・。安物だって、おいしいものはあるんだから」
 頬を膨らませ、すねたように言う牧野の表情がかわいらしい。

 やっぱり類が相手だと、牧野も女の子の表情になるんだな。

 それがなんとなくおもしろくなくて、2人の姿を視界から外すように横を向くと、同じようにおもしろくなさそうな顔をした総二郎の横顔が目に入る。
 
 やっぱり・・・・・

 そんな思いが、俺の中に湧き上がる。
 総二郎も、俺と同じなんだ・・・・・。



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ブランコ vol.9 ~花より男子・類つく&F3

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 「つくし!早速来たよ~!」
 滋さんの元気な声が聞こえ、あたしはあわてて店の入口に出た。
「いらっしゃい!・・・って、あれ?美作さんも一緒?」
 メールでは、女の子3人で来るってことだったと思ったけど・・・
「そこで会ったの。あきら君もここに来ようとしてたみたいだから、どうせなら一緒にと思ってさ」
 滋さんの言葉に、美作さんはどこか照れくさそうに頭をかいている。
「そうだったんだ。美作さん、仕事終わったんだね」
「あ、ああ。ちょうど近く通って思い出したからさ・・・」
「そうなんだ。じゃ、約束通りお酒ごちそうするね」
 とあたしが言うと、聞いていた桜子と優紀があたしの傍に来る。
「ちょっと先輩、どういうことですか?」
「へ?どういうことって・・・」
「約束って何のこと?」
 と優紀。
「それになんだか美作さんが今日仕事だったって知ってたみたいじゃないですか?大学行ってないのに、美作さんと会ってるんですか?」
 桜子がじと目で責めてくる。
「あ、あのね、今日昼間、バイト先で偶然会って話したの。そのときにご飯ごちそうになっちゃったから、お礼に今度お酒ごちそうするって約束・・・あ、それよりも席に案内するから」
 店長がちらちらとこちらの様子を伺っているのがわかり、あたしは慌てて4人を席に通した。
 席に案内すると飲み物のオーダーを取り、一度厨房に引っ込もうとするが、桜子に腕をがしっと掴まれ、引きとめられる形に。
「ちょっと先輩!その前に聞かせてくださいよ!」
「な、何を?」
 桜子の勢いに、思わずのけぞる。
「花沢さんと付き合い始めたって、本当ですか?」
「・・・・・うん、本当」
 あたしの言葉に、桜子はふうっと溜息をついた。
「じゃあ・・・道明寺さんのことは、もういいんですか?」
「・・・・うん。道明寺には、今度ちゃんと話そうと思ってる」
「そうですか・・・。あの、わたし責めてるんじゃないですよ。むしろ良かったと思ってるんです。遠恋はやっぱり大変だし。先輩が幸せになれるんだったら、それで良いんです。ただ、もし離れてる寂しさからそういう結論を出したんだったら先輩も花沢さんも辛いかなって思ったから・・・でも、そうじゃないんですよね?」
 心配そうにあたしの顔を覗き込む桜子に、あたしは精一杯の笑顔を見せた。
「もちろん!道明寺と別れたのも、類と付き合うことにしたのも、ちゃんとあたしの本心だから。後悔なんかしてないし」
 あたしの言葉に、桜子は漸く安心したように笑った。
 それを見ていた優紀も優しく微笑んでいる。
「つくしの出した結論なら、間違いないよ。あたしも、応援するから」
「優紀、ありがと。じゃ、悪いけどあたし仕事中だから一旦戻るね。また後で」
「がんばってね~!」
 と滋さんが笑顔で手を振ってくれる。

 そしてあたしが厨房に戻った後、桜子は何か思いついたように携帯を取り出して、どこかにかけ始めた。
「おい、どこにかけてるんだ?」
 美作さんが聞くと、桜子は何もいわずにやりと笑った。
「あ、もしもーし、三条です。―――今、どこにいると思います?―――ふふ、なんと牧野先輩のバイト先の居酒屋なんです。滋さんと優紀さん、美作さんも一緒なんですよ。―――店の前で会ったんです。それより、これから出てきません?場所、知ってるんですよね。―――ハーイ、じゃあ」
 桜子の話し方で、美作さんは電話の相手が誰なのかがわかったようだ。
「総二郎か」
「ええ。美作さんも男1人じゃ寂しいでしょうし」
 そういいながら、桜子はまたどこかにかける。
「今度は誰だ?まさか―――」
 美作さんの言葉に、桜子はまたも不敵な笑みを浮かべ―――

「ドリンクお待たせしました~」
 そう言ってあたしが全員の飲み物を持っていくと、ちょうど桜子が携帯を閉じるところだった。
 なんだか楽しそうにくすくす笑っている。
「あ、先輩」
「何?ずいぶん楽しそうだね」
「ふふ。花沢さんって面白いですね」
「は?」
 何で類?
「今ね、花沢さんも呼ぼうと思って電話したんです」
「な!!」
「そしたら・・・」

「もしもし、三条です」
『・・・・・誰?』
「三条です、三条桜子」
『ああ・・・・・何?』
「今、女の子3人と美作さんで飲んでるんですけど、花沢さんも来ません?これから西門さんも来るんですよ」
『・・・・・めんどくさい・・・・』
「そんなこと言わずに・・・あ、ちなみに牧野先輩のバイト先で飲んでるんです」
『・・・・・・・行く』


 そのときの話をしながら、桜子がげらげら笑っている。
「ほんっと、ベタぼれって感じよね~うらやましい」
 滋さんもニヤニヤ笑いながらあたしを見ている。
「もう・・・・・」
 あたしは何も言えず、ただ火照った頬を隠すことも出来ず立っているしかなかった。
「あいつ、出不精だからなあ。けど牧野と付き合ってたら外に出ることも多くなんじゃねえ?」
「・・・・・で、結局西門さんも来るのね?料理のオーダー、先にする?」
 美作さんの言葉を無視してあたしが言うと、
「あ、何でもいいから適当に持ってきてよ」
 と滋さん。桜子も
「おいしいものお願いしますね~」
 と手を振る。
「・・・・わかった。適当に、ね」
 ―――ここの料理、この人たちの口に合うのかな・・・
 一抹の不安を抱えながら、あたしは厨房に向かった・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 類つくなのに、類の出番少ないかも(^^;)
 これからバンバン出てきます。
 たぶん・・・・・。

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ブランコ vol.8 ~花より男子・類つく&F3

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 「・・・・・ありがと、美作さん・・・・・」

 そう言った牧野の泣き笑いのような笑顔に、どきりとした。
 いつも強気な女だから、時折見せる泣き顔や、消えてしまいそうな儚い表情にどきりとさせられることがある。
 こいつのはじけるような笑顔が好きだ。
 その笑顔を、守ってやりたいと思い始めたのはいつからだろう。
 司や、類の牧野に対する想いとは、違うと思ってた。
 ただ幸せになってほしい。
 誰が相手でも、牧野を幸せにしてくれるやつならそれでよかった。
 その相手が、自分であったらなんて、思ったことはなかったんだ・・・・

 「お前、そういう顔・・・・」
「え?」
「俺に見せたって言ったら類が妬くかもな」
「はあ?なにそれ?そういう顔って、どんな顔よ?」
 牧野がさっぱりわかんないという風に首をひねる。
 相変わらず鈍いやつだ。
 自分の魅力に一番気付いていないのは、こいつ自身だろうな。

 ―――これ以上こいつに関わったらやばい。

 どこかで警告が鳴る。
 だけど、離れられない。
 もっとこいつの笑顔が見ていたくて。
 その大きな瞳に、捕われる。

 そんな気持ちは持っていなかったはずなのに。
 どこかで、タガが外れてしまったような気がした。
 今までに感じたことのない、独占欲という黒い感情が、俺を侵食し始めていた・・・・・。

 「・・・この後も、バイトか?」
「うん。ここは4時まで。その後5時から居酒屋で、12時まで」
「へえ。4時から5時まで、何してんだ?もしかして家に戻るのか?」
「うん。買い物して、軽く何か食べてから出るの。美作さんは?この後も仕事?」
「まあね。終わるのは、たぶん7時か8時か・・・」
「そう。がんばってね。わたし、そろそろいかなくちゃ。ね、ここの食事代なんだけど、今持ち合わせなくて・・・明日、必ず返すから貸しといてくれる?」
「ああ、いいよ。ここは俺のおごり。俺が誘ったんだしな」
「でも・・・」
「良いんだって。その代わり、今度お前のバイト先行ったとき酒の1杯もおごってくれよ」
 そう言って片目を瞑って見せると牧野は安心したように笑った。
「わかった・・・。ありがと。ごちそう様。じゃ、行くね」
「おお、がんばれよ」
 手を振り、足早に出て行く牧野の後姿を見送りながら、俺は溜息をついた。

「馬鹿なこと、考えんなよ・・・」
 自分に言い聞かせるように、額に手を当てる。

 類を裏切るつもりはない。
 今までも大丈夫だったんだ。
 きっとこれからだって、大丈夫だ。
 類も牧野も、大事な仲間だ。
 それ以上でも、それ以下でもない・・・・。

 俺はそれ以上くだらない妄想にはまらないようにと、早々に食事を済ませてレストランを出たのだった・・・。

 その後も予定通りに仕事を済ませ、時間を確認するとちょうど7時になるところだった。
「―――ちょっと寄りたいところがあるから、途中で下ろして」
「は・・・どちらへ?」
「友達のところだよ」
 それ以上は詮索されないように、俺は目を閉じた・・・・・。


 車を途中で降りて、俺は総二郎から聞いた話を思い出しながら例の居酒屋を探す。
「美作さん!?」
 聞き覚えのある女の声に、俺が振り向くとそこには滋と桜子、それから優紀が立っていた。
「よお」
「何してるんですかあ?こんなところで、1人で」
 桜子が不思議そうに聞いてくる。
 と、俺が答えるより先に滋が目をきらきらさせながら
「あ、わかった。美作さんもつくしのバイトしてる居酒屋に来たんでしょ!」
 と言ったので、思わずぎくりとし、桜子と優紀も驚いて目を見開く。
「え、ほんとに?西門さんは一緒じゃないんですか?」
「ああ、まあ・・・・」
 俺の言葉に、桜子と優紀は顔を見合わせる。
 なんとなく微妙な空気が流れる中、滋だけがそれに気づかず、
「じゃ、一緒に行こうよ!あたし達もこれから陣中見舞いに行こうと思ってたの!」
 と張り切って俺の腕を取り、歩き出す。
 
 妙なことになっちまった・・・・・
 そう思いながらも、俺は引きづられるまま店に入っていったのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 なんとなく、あきらってわたしの中でキャラが確立されてなくて・・・(影薄い?)
考えながら書いていたら、だらだらした文章になってしまいました。
皆さんの考えるあきらと違っていたらごめんなさい。
でも、わたしはあきらのような大人の男性、好きです。
本編でももう少し出番欲しかったなあなんて、勝手に思ってました。

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ブランコ vol.7 ~花より男子・類つく&F3

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 都心に建つ超高層ビル。
 今日からここが仕事先。
 と言っても、ここに入っている清掃会社でアルバイトをしているだけだけど。
「すごいビルですよねえ・・・」
 外から上を見上げてぽかんと口を開けてるあたし。
「ちょっと牧野さん!何バカ面してるんだい、さっさといくよ!」
 同じ清掃会社の先輩であるおばさんがあたしの腕を引っ張る。
「ここの70階から上がうちらの担当。何せ広いからね、てきぱきやらないと日が暮れちまう。まあ、あんたなら大丈夫だとは思うけど、気ィ抜くんじゃないよ」
「はい」
 あたし達はエレベーターで70階まで上がり、早速掃除に取り掛かったが・・・

 漸く半分が終わったころには既に昼近く。
 そろそろ休憩しようかと思っているときだった。
「あれ?牧野?」
 聞いたことのある声に振り向くと、そこには美作さんがスーツ姿で立っていた。
「美作さん!何でここに?」
「そりゃあこっちのセリフ。ここ、俺んとこが出資してる会社だぜ」
 そう言って人差し指を下に向ける美作さん。
 ここ、とは70階から80階までを使ってる、このビルに入っている会社の中でも一番大きな会社のことだろう。
「ええ!?そうだったの?」
「ちょ、ちょっと牧野さん、知り合いかい?」
 一緒にいたおばさんが驚いたように声を潜めて聞いてくる。
「あ、はい、友達で・・・」
 あたしが言いかけるのを、美作さんが遮る。
「牧野、休憩は?」
「あ、これからだけど・・・」
「なら、この上のレストランで待ってろよ。俺もすぐ行くから」
「は?ちょ、ちょっとまって」
 この上のレストランって・・・まさかあの高級そうな最上階のレストラン!?
 てか、このビルのレストランっつったらそれしかない・・・。
 慌てて止めようとするあたしの言葉を無視して、美作さんは待たせていたらしい重役らしい初老の男性の元へといってしまった。
 口をパクパクさせているあたしに、おばさんが溜息混じりに言う。
「はあ・・・・・住んでる世界が違う人たちだと思ってたけど、結構身近にいるもんなんだねえ・・・牧野さん。あんた、偉い人と知り合いなんだ」


 「よ、悪いな、待たせて」
 そう言って美作さんが来たのはあたしがレストランに入ってから10分後だった。
「本当だよ。あたしこんな格好なのにさ。みんなにじろじろ見られて居心地悪いったら」
 思わず文句を言ってしまう。
 入ったこともないような高級レストラン。
 そこへ1人で来てVIP席へ案内されたのが清掃会社の作業着を着たあたしのような女で。
 そりゃあ、注目の的にもなるっつーもんだわ。
「はは、ワリイワリイ」
 状況を察して楽しそうに笑う美作さんに、余計に腹が立つ。
「全くもう・・・それにしても、今日は仕事?」
 スーツ姿の美作さんを改めて見る。
 こうしてみると、さすがF4。ブランド物の高級なスーツをスマートに着こなし、このレストランの高級な雰囲気にもマッチしていて思わず見惚れそうになる。
「見惚れんなよ」
 にやりと笑ってあたしを見る美作さん。
「バカ、何言ってんのよ。西門さんみたい」
「あいつよりも俺のがイイ男だぜ」
 全くこの人は・・・でも言うとおり、見惚れるような美形には違いない。
 レストランにいる女性客は皆、美作さんのほうをちらちらと見てはため息をついている。
 ついでに「何であんなのと」と言った風にあたしには鋭い視線が突き刺さっていた。
「仕事っちゃあ仕事。視察を兼ねたあいさつ回りみたいなもんだよ。最近こんなのが多い」
「なるほど・・・ジュニアも大変ね」
 あたしにはさっぱりわからないけれど・・・
「お前、類と付き合いだしたんだろ?」
「な、何突然」
 前触れもなしに聞いてくるから心臓に悪い。
 またどもってしまった・・・。
「ぶっ。どもんなよ。いや、良かったなと思ってさ、これでも心配してたんだぜ。類の気持ちは知ってたけど、お前超のつく鈍感女だからさ」
「ひっど・・・」
「お前には・・・幸せになってほしいと思ってるんだぜ」
 突然、優しい笑みを向けられて、思わずどきどきする。
「な、何急に・・・」
「いや、いろいろあったしな。司のこととか・・・お前くらいその若さで苦労してるやつも珍しいし。幸せになる権利があるって思ってるんだよ」
「美作さん・・・・」
「司のことは、また大変かも知れねえけど俺や総二郎も力になるし。相手が類なら安心だろうけど・・・何か困ったことがあったら言えよ。俺に出来ることなら何でもしてやる」
 美作さんの優しい言葉に、胸が熱くなる。
 ふいに涙が零れそうになって、ぐっとそれを堪えるように、言葉を絞りだす。
「・・・ありがと、美作さん・・・」



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ブランコ vol.6 ~花より男子・類つく&F3~

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 「よォ、類。おめでとさん」
 大学に行くと、あきらが俺を見つけて近づいてきた。
「なんだよ、あからさまにめんどくさそうな顔すんなって。総二郎から聞いたぜ。牧野と付き合い始めたって?何でいわねえんだよ、水くせえ」
「別に・・・わざわざ言うこともないかと思って」
「はあーやだねえ、親友だってのに隠し事かよ」
「別に隠してないし」
「ったく・・・まあ、良かったじゃん。お前の想いも報われたってことだろ。・・・司には?」
「・・・まだ・・・・。司には、できればちゃんと伝えたいと思ってるけど・・・・」
「あいつも忙しいだろうからなあ」
 と、あきらが少し遠い目をする。

 司・・・・・俺と牧野のことを知ったらどうするだろう?
 
 「道明寺とは、友達に戻ったから。これからは大切な友達として、付き合っていけたらいいなと思ってる・・・。すぐには、難しいかもしれないけど・・・」

 そう言っていた牧野。
 牧野のことは信じてる。
 でも、2人がどれほどお互いを想っていたかを俺は知ってる。
 もし・・・・まだ司が牧野のことを好きだったら?
 それでも俺は、もう牧野を手放すつもりはなかった。
 以前よりも強いこの想い。
 他の男に、渡せるはずない・・・・・。

 司には、近いうちにちゃんと俺から話が出来たら・・・・
 そう思っていた。

「そういや総二郎のやつ、優紀ちゃんの大学のサークルに顔出してるんだって?」
「うん。そう言ってた」
「あいつ、優紀ちゃんと付き合ってんのかね。ああいう子は相手にしないと思ってたけど」
「付き合ってなんかねえよ」
 突然後から声が聞こえたかと思うと、2人の間に総二郎が割り込んでくる。
「おう、なんだ今日はおせえな」
「今週末の茶会の準備で忙しくてな。ちょっと抜けてきたけど。それより俺がいない間に何勝手な話してんだよ」
「いや、だってよ、今までどの女にも執着しなかったお前がことあの子に関しちゃ特別って感じじゃん?」
 あきらの言葉に、総二郎は肩をすくめた。
「特別だよ。あの子は友達だからな。大体彼女、男いるんだぜ」
「は、そうなの?」
「同じ大学の先輩だって。昨日、俺もはじめて知って、紹介されたよ。なんか人の良さそうな男。優紀ちゃんにはああいう男が合ってるよ」
 そういった総二郎の顔は、無理をしているわけでもなく、安心したような笑顔だった。
「へえ。ま、お前にはあわねえと思ってたけどな。けど、そろそろ1人に決めるとかねえの?」
 とあきらが言うと、総二郎は一瞬ちらりと俺を見たかと思うと、すぐにあきらに視線を戻し、にやりと笑って言った。
「ないね。俺はみんなのものだから」
 そしてくるりと背を向けると、軽く手を振ってそのまま行ってしまった。

「あいつって・・・本気の恋愛に関しちゃ、ある意味司よりも不器用なやつかもな」
 あきらがポツリと1人ごとのように呟いた。

 ざわり。
 なんとなく、胸騒ぎがした。
 何でだかわからない。
 一瞬だけ俺を見た、総二郎の視線が気になった。
 きっと、気のせいだ。
 そう思うのに、胸騒ぎは治まらなかった。
 これから良くないことが起こりそうな・・・
 そんな気がしてしようがなかった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 昨日はついつい愚痴ってしまってすいません
たくさんの励ましのお言葉をいただき、本当にありがとうございました!
わたしは単純なので、1つ1つのコメントに一喜一憂してしまいます。
皆さんのコメントが本当にうれしくって泣けてきました。
これからもがんばりますので、どうかまた遊びに来てやってくださいませ

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ブランコ vol.5 ~花より男子・類つく&F3~

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 「よォ、牧野」
「西門さん!?」
 翌日のバイト中、なぜか西門さんが数人の女の子とともに店に入ってきた。
「何事?」
「聞いてねえ?優紀ちゃんに頼まれて、彼女の大学のサークルの講師やってんだよ、不定期だけど」
「あ、そういえばそんなこと言ってたような・・・じゃ、サークルの人たち・・・?」
「そういうこと。飲み会誘われてさ、どこでも良いっつったらここに連れてこられた。お前、こんなとこでバイトしてんだな」
 いつものように西門さんがニヤニヤ笑いながら言う。
「うん。西門さんたちみたいな人は絶対こんなとこ来ないだろうと思ってたのに」
「英徳のやつらはこねえだろうなあ。俺も誘われなきゃこねえよ。そういやお前、類となんかあった?」
 西門さんの言葉に、思わずどきりと胸が鳴る。
「な、なんかって?べ、別に何も・・・」
 普通に答えようと思ったのに、思わずどもってしまったわたしを見て、西門さんは吹き出す。
「ぶっ・・・・お前、わかりやすすぎ・・・。そっか、とうとうな・・・・・」
 そう言って西門さんは1人納得し、少し目を細めてわたしを見つめた。
 その目が、どことなく寂しそうに見えて、どきりとする。
「な、何1人で納得してるのよ。わたしは別に・・・・」
「ごまかすなって。どうせ俺やあきらにはわかることだろ?今日、類のやつが妙にそわそわしてたからさ。こりゃあお前がらみでなんかあったなと思ったんだよ」
「なんで・・・」
「何でってそりゃあ、あの類だぜ。めったなことで動揺したりなんかしねえやつが、ことお前に関しちゃ感情的になるとこあるからな」
 そ、そういえば類も言ってたっけ・・・

 ―――牧野といると、感情が揺れる・・・。

 そう言ってくれた類は、いつでもあたしの味方だった。
 あたしの一部だった類。
 そんな類を失いたくないと思った・・・。

「おい?つーくしちゃん!」
「へ?―――うわあ!」
 つい物思いにふけってしまい、ふと気付くと西門さんのきれいな顔が目の前にあり、びっくりしてしまった。
「あのな・・・なに赤くなってんだよ?そんなに俺っていい男?」
「ば、馬鹿!びっくりしただけだってば!ほら、女の子たちに睨まれてるから早く行ってよ!」

 先に席についていた女の子たちがものすごい目であたしを睨んでいた。
 こんなとこでまで苛められたかないっつーのっ。
「ヘイヘイ。じゃーな、がんばれよ」
「ん、ありがと」
 最後は爽やかに笑顔を振りまき、女の子達の元へ行く西門さん。
「ねえ、知り合いなの?超カッコいーじゃん!」
 バイト仲間の女の子たちが目をハートにして騒ぎ出す。
 あ、そうか。最後の笑顔はあたしじゃなくってこの子達に向けたものなわけね・・・。
 相変わらず抜け目のないやつ・・・。

 その後は店も込み始め、西門さんたちを気にする余裕もなくなり、気づくと彼らはもう帰っていて、あたしのバイトも終わる時間になっていた。

「お疲れ~、あ、牧野帰ろうぜ」
 更衣室を出ると、河野さんと出くわしそう言われたが・・・
「あ・・・ごめんなさい。今日はちょっと・・・」
「え?何、なんか用事?これから?」
「用事ってわけじゃ・・・ええと、か、彼が、待ってるから・・・」
 真っ赤になってしどろもどろになってしまうわたしを、驚いたように見つめる河野さん。
「彼!?牧野、彼氏いたの!?」
「う、うん、まあ・・・」
「そっかあ・・・それじゃ悪かったな。俺知らなかったから・・・」
 頭をかきながら申し訳なさそうに言う河野さんに、なんとなくこっちが悪いような気分になってしまう。
「いえ、あの・・・あたしも言ってなかったし・・・・・」
 てか、まだ付き合い始めたばっかりだし。
 あたしはそのまま河野さんと一緒に店を出て、周りを見渡した。
「いないじゃん。まだ来てないんじゃない?」
 河野さんも一緒にきょろきょろしながら言う。
「みたい・・・・」
 とあたしも頷いたが・・・

 突然向かいの通りに止まっていた車から、類が降りてきた。
「え・・・・類!?車だったの?」
 なんとなく、勝手に歩いてきてる気がしてたのでちょっと驚いてしまった。
「え?あれ?昨日一緒にいた人だよな・・・うあ、レベル高。俺絶対無理だわ」
「え?」
 最後の方が良く聞き取れなくて、河野さんの方を振り返ると河野さんは手を振って
「ああ、いいんだこっちのこと。んじゃあ俺はここで。またな」
「あ、ハイ。お疲れ様でした」
 そう言って頭を下げているところへ類がやってきた。
 河野さんは類に軽く会釈すると、そのまま足早に行ってしまった。
「びっくりした。車だったんだね」
「うん。乗って」
 そう言って類はあたしの手を引いて、車まで連れて行った。
 助手席に載せられ、シートベルトを締める。
「バイト、お疲れさん」
 車を発進させながら類が言った。
「ありがと。あ、そういえば・・・今日、西門さんが来たんだよ」
「え?総二郎が?」
 類がびっくりしたように目を見開いてちらりとあたしを見る。
「うん、びっくりしちゃった。優紀の大学のサークルの講師頼まれたって・・・茶道のサークルなんてあるのね。優紀はいなかったけど、女の子5人くらい引き連れてきてた」
「へえ・・・。何か話した?」
「あ、ええと・・・」
 聞かれて、あたしはちょっと赤くなる。
「あの・・・類のこと、聞かれたの。それで・・・」
「ああ、分かった。そういえば今日大学で、何か言いたそうにニヤニヤしてたし。あいつ、勘いいから・・・。けど何で牧野に・・・俺に聞けばいいのに」
 最後の方はなにやらぶつぶつと呟くように言う。
「じゃ、今頃はあきらにも伝わってるな」
「そうだね・・・。類、冷やかされたりしない?」
「どうかな。別に冷やかされても大丈夫だけど。牧野はいや?」
「そ、そんなことないけど・・・。あたしは大学に行くわけじゃないし。類が困るかな、と思っただけ」
「別に、困らないよ。付き合ってるのは事実だろ?そんなのいくら冷やかされたって平気だよ」
 そう言って類は、やさしく微笑んでくれた。
 その笑顔に、胸が高鳴る。
 ―――あたしはやっぱり、この人が好き・・・。
 そんな想いが溢れ、思わず何も言えなくなってしまった。
 
 あたしが何も言わず類の横顔を見つめていると、類が軽く咳払いし、照れたように言った。
「あのさ・・・そんな風に見つめられると、俺でも緊張するんだけど・・・」
「あ、ご、ごめ・・・え?緊張?類が?」
 意外な言葉に、あたしは目を丸くする。
「そりゃ・・・・俺だって人間だから。牧野、俺のことどういう風に見てるの」
 じろりと軽く睨まれたけど、頬は少しだけ赤く染まっていて、それが照れているんだということがわかると、なんだかうれしくなってしまって頬が緩む。
「・・・笑うなよ・・・」
「あは、ごめ・・・でもなんか、うれしい。類がそういう顔見せてくれるって、心を許してくれてるって感じがする」
「・・・俺は、いつでも心許してるよ。牧野にはね」
 低く、甘い声に思わずどきりとする。
「・・・・・着いた」
 そう言って類は車を止めた。
 気付くと、もう家の前についていた。
「あ・・・・ありがとう」
 あっという間についてしまって、なんとなく寂しくなる。
 もっと一緒にいたい・・・。
 そんな想いが溢れ、顔に出てしまうんじゃないかと思ってなんとなく目を逸らしてしまう。
「牧野」
「え?」
 振り向いた途端、唇につめたい感触。
 類の唇が優しくあたしを捕らえる。

 「もっと一緒にいたいけど・・・明日も、早いんだろ?明日は何のバイト?」
「・・・・清掃会社の・・・あと、夜はまた居酒屋で・・・」
「そっか。あんまり無理するなよ。また、迎えに行くから」
「ん・・・。ありがと」
 あたしはにっこりと笑って見せた。
 会いたいと思う気持ちは一緒。
 そう思えるだけで、なんだか幸せな気分になる。

 あたしは車から降りるとアパートの階段の方へ向かったが、ふと足を止め、もう一度車に戻る。
 気付いた類が、窓を開ける。
「牧野?どうした?」
 不思議そうな顔をする類にあたしはにっこりと笑い、
「類、大好き」
 と言った。
 類が驚いたような顔をする。
「じゃ、おやすみ!」
 そして今度こそ本当に、あたしは階段を駆け上がって家に帰ったのだった・・・・。

 残された類が、
「だから、反則だって・・・・」
 と呟きながら、真っ赤になっていたことなど、知るよしもなかった・・・・・。


 いつもご覧いただきありがとうございます。
 先日の拍手コメントの中で、ちょっと気になる書き込みがあったのでこの場を借りてちょっと書かせていただきます。
 わたしの文章はとても下手で、読みづらいとこなんかもあるかもしれません。
 それでもわたしなりに一生懸命考え、作品に愛情を持ってこちらに載せています。
 どんな感想を持つのも自由ですし、コメントをいただくのもとてもうれしいです。
 でも、人を誹謗中傷することはその人を傷つけるだけでなく、自身の品格をも落とすことになると思います。
 顔が見えないからと言って、何を言っても自由というわけではないと思います。
 たった一言でもその言葉に傷つく人間がいるということ、よく考えて欲しいと思います。

 いきなり変な話ですいません。
 ちょっと気になったもので。
 拍手していただいた方、応援していただいている方にはとても感謝しています。
 未熟な文章ですが、少しでも楽しんでいただけたらうれしいです♪

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ブランコ vol.4 ~花より男子・類つく&F3~

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 類の、冷たい唇があたしの唇を捉える。
 一体何が起こったのか。
 あたしはすぐにそれを理解することが出来なかった。
 突然のキスは冷たく、でもとてもやさしかった。

 しばらくして漸く唇が解放され、あたしは思わず大きく息をついた。
「なんで・・・・」
「牧野が、無防備すぎるから」
「無、無防備って・・・!」
「・・・俺は・・・司だから、諦めようとしたんだ」
 類の、普段とは違う強い視線にあたしは釘付けになる。
「司だから・・・司だったら牧野を任せられると思って・・・!そう思ったから、俺は2人を見守っていこうと思ったんだ。あんな男に取られるくらいなら・・・!」
 そう言うと、類はあたしの体を引き寄せ強く抱きしめた。
 類に抱き寄せられ、あたしの胸の鼓動が大きく波打つ。
「好きだ・・・・。もう、誰にも渡したくない・・・・」
 類の、甘く低い声が耳元で響き、あたしは息をするのも忘れ類の胸のぬくもりを感じていた。
「牧野・・・俺と、付き合って・・・」
「類・・・・・」
「・・・それとも、他に好きなやつ、いる・・・・?」
 不安げな類の声に、あたしは思わず大きな声を出した。
「い、いるわけないじゃない!」
 体を離し、類があたしの顔を覗き込むように伺う。
 ビー玉のようなきれいな瞳があたしを捕らえ、大きく胸が高鳴る。
「き、緊張するから、あんまり見ないで・・・・」
「緊張?何で?」
「な、何でって・・・そりゃあ・・・・類が目の前にいるから・・・」
「何で俺が目の前にいると緊張するの?」
 どんどん類の顔が近づき、あと数センチで唇が触れそうな距離にそのきれいな顔が迫り、あたしは思わず下を向いてしまった。
「牧野・・・こっち見て・・・・」
 耳元で囁かれ、余計に顔が上げられないあたし。
 どうしよう・・・すごくどきどきする・・・・・。
「牧野・・・・・?」
「・・・・・き・・・・なの・・・・・」
「え?」
「・・・・・好き、なの、あたしも・・・・類のこと・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
 類は、何も言わない。
 あたしの胸はうるさいくらいに鳴り響き、類にも聞こえてしまうんじゃないかと思った。
「・・・・・もう1回、言って・・・・」
 漸く口を開いた類。
「も、もう1回って・・・無、無理だよ、もう、いっぱいいっぱい・・・」
 きっと、今あたしの顔は真っ赤だ。それがわかるほど顔が熱くて、余計に類の顔が見られない。
「ちゃんと、顔見て・・・じゃないと、信じられない・・・・。もしかしたら、聞き間違いかもって思うから」
 そう言いながら、類があたしのことを見つめているのが分かる。
 その腕はしっかりとあたしの肩に置かれ、あたしが何か言うまでは離してくれそうもなかった。

 あたしはそっと目を瞑り、小さく息を吸い込むと、思い切って顔を上げ、類の顔を見上げた。
 ビー玉のような瞳が、あたしを真っ直ぐに見つめている。
 あたしは覚悟を決め、類の瞳を見つめ返しながら、口を開いた。
「あたしは、類が好き。誰よりも・・・・好きなの」
 その言葉を言い終わらないうちに、あたしの体はまた類の腕に抱きしめられていた。
「牧野・・・・・!」
「類・・・・・」
「それ・・・・本心だよな・・・・あとで取り消そうとしたって、もう受け付けないよ」
「取り消したり、しないもん・・・本心だよ・・・」
「・・・信じて・・・いいんだよな・・・・」
「ん・・・・・信じて・・・・」
 類は少しだけ腕の力を緩めると、片手をあたしの頬に当て、そっと唇を重ねた。
 さっきよりも優しく、いたわるようなキスだった。
 何度も啄ばむように繰り返し、確かめるようにキスを繰り返す。
 そのうちに息が上がって立っていられなくなったあたしの腰を、崩れる前に類が支えてくれた。
 そのままあたし達は、おでこをこつんとくっつけ見つめあった。
「牧野、顔真っ赤」
 類がおかしそうにくすくすと笑う。
「何よ!しょうがないじゃない・・・めちゃくちゃ緊張したんだから」
「・・・・そう言う顔、他のやつに見せちゃダメだよ」
 そう言って、類は優しく笑った。
 その笑顔がとろけそうなほど優しくって・・・あたしはますます顔の熱が上がるのを感じていた。
「類・・・・・」
「ん・・・・?」
「大好き・・・」
 思わずあたしの口から零れたその言葉に、類は驚いたように目を見開いた。
 そして、次の瞬間にはまた抱きしめられていて、類の顔を見上げようとすると掌で目を隠された。
「??類?」
「見ちゃダメ」
「な、何で?」
「俺今、真っ赤な顔してる気がするから・・・」
「!!」
「・・・・・そういうの、反則・・・。うれしすぎる・・・・・」
 その声が、本当にうれしそうで・・・あたしの胸がまた大きく高鳴り始めた。
「明日・・・会える?」
「明日は、バイトが・・・」
「何時に終わる?迎えに行くから」
「え、いいよ、そんな・・・」
「ダメ」
 有無を言わせぬ口調に、思わず顔を上げる。
 そこには拗ねたような表情の類。
「俺が迎えに行くから。断るのはなしだよ」
「・・・って、あたしに選択権は・・・」
「ない」
 きっぱりと言い切られ、あたしは思わず絶句する。
 この人って、こんなに強引だったっけ・・・・・?

 今まで長い付き合いだと思っていたけれど・・・・まだまだ知らないことがありそうで・・・
 期待と不安に、どきどきが治まらないあたしだった・・・・・。


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ブランコ vol.3 ~花より男子・類つく&F3~

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 「あ、河野さん!」
 牧野に「河野」と呼ばれたその男は牧野に笑顔を向けながら、馴れ馴れしくその肩に手を置いた。
 その様子に思わずむっとしていると、三条がすっとその間に入る。
「せんぱ~い、こちらどなた?」
「あ、今バイトしている居酒屋で、一緒にバイトしてる先輩。河野さんっていうの。河野さん、こちらわたしの後輩で三条桜子さん。それから友達の大河原滋さんと、この3人は英徳大の3年生でわたしの友達」
「うわ、なんかすごいね・・・」
 河野という男は俺たちの顔を見渡し、後ずさっている。
 にこやかに挨拶する三条、大河原とは逆に、俺たちは無言でその男をじっと見ていた。
「じゃ、じゃあ俺も友達と一緒だからいくわ。今日はシフト入ってなかったっけ」
「はい、今日はお休みいただいてます。明日は入ってますよ」
「そっか。俺も。じゃあまた・・・」
 そそくさと河野という男が行ってしまうと、牧野は再び席に着いた。
「な~んか、馴れ馴れしくありません?あの人。ひょっとして先輩のこと狙ってたりとか」
 三条の言葉に、牧野はきょとんとした表情をする。
「はあ?何言ってんのよ。そんなわけないじゃん」
「先輩のそれってあてになんない。気をつけてくださいよ~騙されやすいんだから」
 三条のじと目にも、牧野は全くぴんと来ない様子で首を傾げている。
 その様子に俺たち3人は同時にそっと溜息をついた。
 気が強いかと思えば意外と涙もろくて、また人が良すぎてすぐに騙される。1番困るのは本人がそれを自覚していないということ。優しすぎるから、人を傷つけまいとして自分が傷つく。人に頼ればいいのに、なんでも自分で背負い込んでしまうのも悪い癖だ。
 だから放っておけない、だから、その強さと背中合わせの儚さに惹かれる・・・。
 もしかしたら、それは俺だけじゃなくって、あきらや総二郎も・・・・・?


 久しぶりの面々が集まった楽しい時間はあっという間に過ぎ、気付けばもう外は暗くなっていた。
「な~んか物足りない感じ~。もう一軒行きません?」
 ほろ酔い加減の三条の言葉に、大河原が賛同するが、他の面子は揃って首を振った。
「わりィ、俺これからちょっと顔出さなきゃいけないとこあるんだわ。うちの取引先のとこ」
 とあきらが言えば、総二郎も
「俺も。明日の茶会の準備で呼び出されてる。また今度な」
 と。牧野も申し訳なさそうに手を合わせる。
「ごめん、明日の朝早いから、今日は・・・」
「ってことは、もちろん花沢さんも来ませんよね。また滋さんと2人かあ」
「何よォ、あたしと2人じゃ不満?いいじゃん、女2人で飲み明かそう!」
 既に出来上がりつつある大河原に引っ張られ、2人がいなくなると俺は口を開いた。
「牧野、送ってく」
「え、いいよォ、1人で大丈夫!」
「牧野、送ってもらえよ。夜道の1人歩きは危険だぞォ」
 あきらの言葉に、それでも牧野は遠慮しようとする。
「なんだったら俺が送ろうか?」
 そう言って総二郎がぐっと顔を近づけると、牧野は真っ赤になって後ずさった。
「い、いい!類に送ってもらう!」
 2人が笑いながらそれぞれ迎えに来た車に乗り込んでいくと、牧野はほっと息をついた。

 安心してもらえる存在だというのは、うれしい反面ちょっと寂しくもある。
 牧野にとって、俺は危険を感じるような相手じゃないってこと・・・。
 つまり、男として見てもらえていない気がして、ちょっと落ち込む。
「類?どうかした?」
「ん、いや・・・。なんでもないよ。行こうか」
「うん」
 夜の道を2人で歩く。
 こうして2人きりになるのも本当に久しぶりだ。
「久しぶりだね。類とこうして歩くの」
 牧野が、俺が思っていたことと同じことを言う。
「ん・・・。バイト、忙しそうだね。居酒屋のバイトはいつからやってんの?」
「先月から。夜のバイトは時給がいいから・・・」
「ふ~ん。でも、帰りが遅くなるだろ?危なくない?」
 俺の言葉に、牧野はくすりと笑う。
「類ってば心配性。大丈夫だよ。大抵みんな同じ時間にあがって話しながら帰るし・・・それに、ほら、さっき河野さんってバイトの先輩いたでしょ?あの人が途中まで同じ方向だから、家の前まで一緒だし」
 その言葉に、俺はぴたりと足を止める。
「・・・・・さっきの男・・・・・?」
「うん。どうしたの?」
 急に足を止めた俺を、牧野が不思議そうに振り返る。
 俺の中に、もやもやとしたものが広がる。
「類・・・・・?」
「牧野・・・・あの男のこと、好きなの・・・・・?」
 牧野の顔がぱっと赤くなり、慌てて首を振る。
「ま、まさか!何言ってんのよ。あの人は単なる同僚。そんなんじゃないよ」
 ・・・・・気に入らない。
 その言葉がたとえ真実でも、他の男の名前に顔を赤くする牧野が・・・・。

 アルコールのせいなのか・・・
 俺の手は、自然に動いていた。
 牧野の細い手首を掴み、ぐいっと引き寄せると、牧野の体は簡単に傾いた。
「きゃっ、る、類?」
 驚いてまた離れようとする牧野の体をさらに引き寄せ、片手でその顎を捉える。
「・・・る・・・・い・・・?」
 目を見開き、驚きで固まる牧野の顎を上向かせ、そのまま勢いに任せ口付けた。
 あまりに驚いたからか。牧野は目を閉じることも忘れ、そのままされるがままになっていた・・・・・。


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ブランコ vol.2 ~花より男子・類つく&F3~

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 牧野が司と分かれたと聞いたとき、「ああ、やっぱり・・・」と思った。
 牧野と司が婚約をしたころから、牧野はどこか様子がおかしかった。
 物思いにふけるような、ぼうっとしていることが多くなった。
「牧野、大丈夫?」
 そう声をかけても
「大丈夫だよ。類、いつも心配してくれてありがとう」
 そう言ってにっこりと微笑むだけだった。「類の傍にいると安心する」
 そんな風に言って俺と一緒にいることが多くなった牧野。
 その気持ちはうれしかったが、同時に戸惑ってもいた。
 ―――俺の役目は、2人を見守っていくこと。
 そう思っていたのに、牧野がすぐ近くにいるだけで、その笑顔を見るだけで、俺の心は簡単にぐらついた。
「司と連絡とってるの?」
「・・・・・うん」
 微妙に開く間。
 何があったのか聞いても
「何もないよ。心配しないで」
 と答えるだけ。心配、しないはずないだろう?
 そんな俺の気持ちに気付いてか、牧野はふっと微笑みながら俺に寄り添い、
「大丈夫・・・こうして、類が傍にいてくれれば・・・・」
 と呟くように言う。
 そう言われて悪い気はしない。俺の気持ちは高校生のころから変わってはいない。
 だが、牧野には司がいる。
 「辛いときはよっかかればいい」
 そうは言ったものの、ただ傍にいるだけで触れることの出来ないもどかしさは、どうしようもない。
 愛しさが募り、そろそろ限界に近づいたころ・・・

 「道明寺と、別れたの」
 
 どこかすっきりしたように、穏やかに告白する牧野。
 ―――ああそうか。だからずっとおかしかったんだ・・・。ずっと1人で考えていたんだ・・・・・。
 どうして自分に相談してくれなかったのか。
 そう思わなくもなかったが、牧野のことだ。きっと俺と司、両方の気持ちを考え、1人で結論を出すことを選んだんだ。そして、その想いを司も受け止めた・・・。
 それならば。
 もうそれについて、俺が口出しすることはなかった。
 俺に出来ることは、これからもずっと牧野の傍にいることだ・・・。
 
「牧野はもうフリーだぜ。さっさと告っちゃえば」
 にやりと笑い、総二郎にそう言われたが、そんな簡単にはいかない。そもそも、告るもなにも俺の気持ちは牧野だって知っていることだ。
 それに、牧野はあのあとすぐに大学を辞めてしまい、その後もバイトだ就活だと毎日忙しく走り回っていてゆっくり話す暇もない。
 司に出してもらった授業料を返す為、というのがいかにも牧野らしく、俺はただそれを見守ることしか出来なかった。
 
 そして今日は、久しぶりに牧野とゆっくり話が出来る機会だ。
 パーティーというものは苦手だが、牧野が参加するなら話は別。
 
「ヤッホー!滋ちゃん登場~♪」
 大河原がいつものようにハイテンションで現れる。
 こういうノリは苦手だ。
 別に嫌いとかいうのではなく、そのペースには着いていけない。
「あ、滋さん、久しぶり!」
「きゃ~つくし!良かった~、最近全然会えないから寂しかったよ~」
「うん、あたしも」
 牧野がうれしそうにニコニコと話す。
 元はといえば、司をはさんでライバル関係とも言える2人だったが、大河原の無邪気な性格と牧野の裏表のない性格のおかげか今では本当に仲が良いようだった。
「あれ、優紀ちゃんは?」
「あ、優紀は今日来られないって・・・・大学のサークルで、新歓があってどうしても抜けられないんだって」
「そうなんだ~残念。ねえ、今度また女の子だけで集まろうよ」
「お、なんだよ。俺たちは呼んでくれねえの」
 2人の会話に総二郎がちゃちゃを入れる。
「え~、にっしー?」
「あ、ダメですよ~西門さんは。男が寄ってこなくなるじゃないですか!ね、今度また合コンしません?」
 そう言って大河原と牧野の間に入ってきたのは三条だ。
「あ、それいい!大体あたし達みたいないい女に男がいないなんて、おかしいよね」
 と大河原は乗り気だが、牧野は苦笑いしている。
「あ、あたしはいい。バイト忙しいし・・・」
「えー!つくしが来ないとつまんないよ~」
 詰め寄る大河原に、牧野は閉口している。
 全く冗談じゃない。俺は司が相手だからこそ2人を見守ろうと決心したんだ。その辺のくだらない男に取られるくらいなら、俺が・・・・

 そう思ったときだった。
 牧野たちの後ろを通り過ぎようとしていた数人の男たちの1人が、牧野の顔を見てぴたりと足を止めた。

 「あれ?牧野じゃない?」
「え?」
 牧野が驚いて振り向く。
 と同時に、あきらと総二郎がぴたりと動きを止め、その男のほうに視線を向けた・・・・。


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ブランコ vol.1 ~花より男子・類つく&F3~

Category : ブランコ(完結)~花より男子・類つく~
 「あ、せんぱ~い、来てくれたんですね!」
 桜子があたしを見つけて駆け寄ってきた。
 今日は英徳大学の入学式だ。
「何言ってんのよ。バイトだって言ってんのに脅迫まがいのこと言って呼びつけたの誰」
 あたしのいやみにも全然こたえる様子はない。
「だって~。せっかく久しぶりにみんなで集まろうって言ってるのにまきの先輩がいないなんて、つまんないも~ん」
 口を尖らせてそう言う桜子に、思わず笑う。桜子とも長い付き合いだ。彼女の性格はいい加減把握しているし、もはや怒る気にもなれない。
 そこへ、おなじみのメンバーが集まってくる。
「よお、牧野。久しぶり」
 西門さんが笑顔を見せる。その横には美作さん。この2人は相変わらず遊び歩いているものの、最近家のほうも忙しくなってきて、鬱憤が溜まっているらしいとか何とか、桜子が言っていた。
「なんだよ、類。お前いないと思ったら牧野と一緒だったのか」
 美作さんがあたしの隣に立っていた花沢類を見て言った。
「たぶん、あそこにいるんじゃないかと思って最初によってきたの。で、予想通りいたから連れてきた」
 と答えたのはあたし。あそことは、もちろん高等部の非常階段だ。
「ふーん。で、滋は?あいつも来るんだろ?」
 相変わらず気配りの美作さんが滋さんのいないことに気付いて言う。
「なんだか用事があるから遅れるって」
 あたしの言葉を聞きながらも、全員で歩き出す。
 今日は久しぶりに集まったメンバーで桜子の大学部進級祝い・・・にかこつけたパーティーをする予定だった。


 本当ならあたしもこの大学で、今年2年に進級するはずだった。
 でも、今あたしは大学を中退し、様々なアルバイトをしながら家族を支えている毎日だ。
 どうしてそうなったかといえば、簡単に言えば道明寺と別れることにしたからだった。
 1年前、静さんの結婚式でフランスまで行き、あいつと会った。あの時は間違いなくあたしはあいつを好きだったし、あいつもあたしのことを想ってくれていた。
 それが変わって来たのはいつからだったか・・・・。
 はっきりとした原因はあたしにも良くわからない。
 きっかけになったのは、「きみこ」だ。
 道明寺がとんでもない勘違いをして類に紹介しようとした「きみこ」。その話を聞いて、わたしは驚いたのと同時に、ふと寂しさを感じてしまった。もちろん、そんなこと言えるはずもなく類のためなら協力しようと思ったのだが・・・
「本気でそう思ってる?」
「俺と、その子がうまくいけばいいって」
 その言葉に、固まってしまった。
 それから、雪のせいで階段で足を滑らせ病院に運ばれたあたしの元にいち早く駆けつけてくれた類。
 思えば、そのときからわたしの気持ちが微妙に変わってきたような気がする。
 仕事を抜け出し駆けつけた道明寺は、類を100%信用してあたしを任せてくれた。それは道明寺と類の友情であり、あたしのことを信じてくれている道明寺の行動だったと、理解はしている。
 だけど、あたしの心には何かが引っかかっていた。すぐにとんぼ返りで帰ってしまった道明寺。
 その後、類のお膳立てで道明寺から指輪を受け取り「婚約」という形にこぎつけたわたし達だったけど・・・・。
 あたしと道明寺の間には、徐々にすきま風が吹くようになっていた。
 気付いたときには、その隙間はどうしても埋められないほど大きなものになってしまっていた・・・・。

 3月の始めのことだった。
 忙しいスケジュールを切り詰め、日本に帰ってきた道明寺は、あたしに言った。
「俺たち、友達に戻った方がいいんじゃねえか?」
 そう言われる事をなんとなく予想していたあたしは、静かに頷いた。
「お前には・・・悪いことしたな。散々振り回して・・・」
「本当だよ!あたしくらい波乱万丈の人生生きてるやつもいないんじゃな?」
「自分で言うなよ」
「だれのせいよ!」 
「・・・・・俺か」
 そこであたし達は顔を見合わせ・・・・同時に吹き出した。
 ひとしきり笑いあった後・・・あたしは言った。
「道明寺・・・。こんな形になっちゃったけど、あたしはあんたに感謝してるよ。つらいことも多かったけど、楽しいこともたくさんあったし・・・何より、あんたとじゃなかったら出来ない経験がたくさん出来たから」
「牧野・・・・・」
「ありがとう。今度あったときは、F4のメンバーと一緒に集まりたいな」
「ああ・・・。そのころには、お前、類と・・・・」
「・・・・・どうかな・・・・それは神のみぞ知る、でしょ」

 婚約解消のニュースを、マスコミに知られる前にF3に知らせたあたし。
 3人とも驚いてはいたものの、予感していたところもあったようで、誰も理由については触れなかった。
 そして、あたしと類の関係も変わることなく・・・。

 それからあたしは、大学を辞めた。
 道明寺は気にするなと言ってくれたけど、大学の授業料を道明寺に全て払ってもらって平気でいられるはずがない。
 それからあたしは就職活動をしながら、アルバイトに明け暮れる日々。道明寺に出してもらった授業料は働きながら返していくつもりだった。
 これはあたしに残された小さなプライド。それを曲げるつもりはなかった。
 それでも、変わらずあたしと友達でいてくれるその人たちに、あたしはとても感謝していた。
 この人たちがいてくれるからこそ、あたしは毎日がんばれる。
 かけがいのない仲間達にかこまれ・・・・あたしは、ずっとこのときは続いてくれれば、と願わずにはいられなかった・・・・・。



 初めての花男です。今更はまってます

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