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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
*このブログについての誹謗中傷・クレームなどの書き込みはおやめください。
*このブログの無断転載複製を禁じます。
*万が一このブログをお読みになって不快感を感じられたとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

Fantasista vol.4~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -tsukushi-

 「今度はお見合いぶち壊したらしいわよ」
 「しかも相手はあの茶道の西門流の時期家元だって!」
 「やるわよねえ・・・・・」

 どこへ行っても人っていうのは噂好きな生き物なのね。

 呆れるくらいのいつものパターンに、溜息が出る。
 別に噂くらいどうってことない。
 陰湿ないじめにだって負けない自信はある。

 「あんな品のない女のどこがいいのかしら」
 「美作商事の御曹司といい、時期家元といい、趣味悪いわよねえ」

 だけど、あたしの友達が悪く言われるのは、我慢できない。

 「美作さんも西門さんも、高校時代からのあたしの先輩で大事な友達だよ。あたしのことはともかく、あたしの友達のことまで悪く言わないでくれる」
 あたしの後ろで聞こえよがしに噂話をしていた2人の女の前に立ち、そう言い放ってやる。
 2人は、ぎょっとしてあたしを見る。
「な、何よ、本当のこと言っただけじゃない」
「そ、そうよ、大体、今回のことでクビにならなかったのだって美作様のおかげだって言うじゃない」
「だからそれは――――」
「俺らにとって、牧野は特別なんだよ」
「!?」
 突然背後から聞こえた声に驚いて振り返ると、そこには西門さんが立っていた。
「西門さん?何してんの?こんなとこで」
「昼飯、食いに来たんだけど、一緒にどうかと思ってさ」
「は?」
 突然の出現にあたしが面食らっていると、西門さんはあたしの前にいた2人組に、ちらりと流し目を送った。
 途端に頬を染め、瞳をきらきらさせて西門さんに見惚れる2人。
「悪いけど、彼女借りるね。言っとくけど、いくらこいつをいじめたって無駄だよ。いじめに屈するようなやわな女じゃないし、こいつに何かあったら黙ってないやつが、少なくとも4人はいるから」
 そう言うと西門さんは、あたしの腕を掴み、そのまま引っ張るようにすたすたと歩き出した。
 残された2人は、呆気にとられあたしたちを見送っていた・・・・・・。


 「ちょっと、離してってば!」
 ホテルを出たところで、漸くあたしは西門さんに掴まれた腕を振り払った。
「なんだよ、飯くらい一緒に食ったっていいだろ?あ、心配すんな、今日は俺の奢りだから」
「そうじゃなくって!あたしまだ仕事中だったのに!昼休みまで後30分もあるんだよ?」
 そう言って上目遣いに睨んでやると、西門さんはきょとんとして、大して気にする風でもなく肩を竦めた。
「なんだ、そんなことか。30分くらい、どうってことないだろ?もしなんか言われたら俺がとりなしてやるって」
 全く・・・・・これだから金持ちのボンボンってのは・・・・・
 あたしは大きくため息をついた。
「・・・・・も、いいわよ。怒ってるあたしが馬鹿みたい。で?何食べるの?言っとくけどあんまりいいところには行けないわよ」
「あのな・・・・・奢るって言ってるだろ?男に恥かかすなよ」
「そっちこそ。あたしがそういうの嫌いって知ってるでしょ?第一、奢ってもらう理由なんてないし」
「あるだろ?この間お前がクビになりそうになったのは俺のせいだろうが」
「だからあれは、美作さんに話しつけてもらったからもう良いんだってば」
「俺の気がすまねえんだよ。大体あきらに助けてもらったってのが気にいらねえ」
「なんでよ!」
「とにかく、昼飯は俺が奢る!いいな!!」
「な・・・・!!」
 あたしが言い返そうとするのを、聴く耳持たないという感じでまた西門さんが歩き出す。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!」
 もう、なんだっていうの?
 わけわかんないと首を傾げながらも、あたしは西門さんの後にくっついて行くしかなかった・・・・・。

 
 入ってのは、ホテルから5分ほど歩いたところにあったパスタのお店。
「昨日、あきらに会ったよ」
 席に付き、オーダーを終えると西門さんが言った。
「あ、知ってるよ。昨日、メールもらった」
 仕事が終わるころ、携帯を確認すると入っていたメール。

 『総二郎が来た。日本を離れる前に、3人で飲みに行こう。都合、つけとけよ』

「あたしはいつでも大丈夫だけどさ、美作さんや西門さんのが忙しそうよね。飲みに行く時間ある?」
 そう聞いてみると、西門さんはひょいと肩を竦めた。
「俺は大丈夫だよ。忙しいって言ったってまだ家元になったわけでもねえし、飲みに行く時間くらい作れる。問題はあきらだろ?あいつ、週末にはまた日本を離れるんだろ」
「うん、そう言ってた。ほんと、忙しそうだよね。でも、美作さんがあたしとの約束破ったことないし」
 そう言って笑って見せると、西門さんはなぜか一瞬顔を顰め、視線を逸らせた。
「・・・・・ま、人に気ィ使うのは得意なやつだからな」
「うん、そうなんだよね。気を使いすぎて疲れちゃうんじゃないかなってたまに思うんだけど。仕事も忙しそうだし、体壊さないと良いけど」
「・・・・・心配?」
「そりゃあ、いつも助けてもらってるし・・・・・そのうち恩返しできたらいいなって思ってるよ。なんかね、いつも離れてるのに、すごく身近な存在っていうか・・・・・単身赴任してるお兄さんみたいな感じ?」
「なんだそりゃ」
 西門さんが呆れたように言う。
「だって、うまく言えないんだもん。いろいろ、感謝したりないくらいお世話になってるんだよ」
「あっそ・・・・・。ほら、パスタきたぜ、食えよ」
 ちょうど運ばれてきた料理を指して、西門さんがあたしを促す。
 頬杖をつき、窓の外へ視線を移す西門さん。
 ・・・・・・なんか、不機嫌?
「西門さん?どうかした?」
「別に、何でもねえよ」
 そう言いながらもこっちを見ようとしない。
 あたしはちょっと首を傾げ・・・・・
 あることを思いつく。
「ひょっとして、おなか空いてる?あたしの分、先に食べる?」
 西門さんのパスタはまだ運ばれてこない。
 もしかして相当お腹が空いてるのかと思って、気を使ったつもりだったんだけど・・・・・
 あたしの言葉に西門さんは一瞬目を丸くし・・・・・・
 ガクッと下を向いたかと思うと、一瞬の間のあと、突然声を押し殺して笑い始めた。
「・・・・・・・・・くっくっ・・・・・・・おま・・・・・なんだよ、それ・・・・・」
「な・・・・・何よ、気を使ったのに!そんなに笑わなくたっていいじゃない!」
 なんだか恥ずかしくなって、ちょっとむきになって西門さんを睨みつけるあたしの顔を見て、今度は目尻に涙を溜めながら笑い出す西門さん。
「あ、あのねえ、失礼でしょ!」
 と言ってみてもまるで効き目なし。
 だけど・・・・・・

 無邪気に笑い転げる西門さんを見て。
 なんだか胸だどきどきするのを感じていた。

 なんて無邪気に笑うんだろう。
 まるで、少年みたい・・・・・・
 西門さんて、こんな風に笑う人だったっけ・・・・・?

 なんだかすごく貴重なものが見られたみたいで・・・・・・
 あたしは暫く、そんな西門さんの笑顔を見つめていたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いよいよ大晦日。
 明日から2009年ですね。
 今年は「花より男子」の二次小説を始めて、とても充実した毎日を過ごすことができました。
 心無い言葉に傷ついたこともありましたが、皆さんの暖かい励ましと応援に心癒され、今では二次小説を書いていて本当に良かったと心から思っています。
 また来年も、楽しみながらたくさんのお話を書いていけたらいいなと思っています。
 そしてそのお話しを、皆さんに楽しんで読んでいただければとても嬉しいです。

 本当にありがとうございました♪
 それでは良いお年を!

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キャラメル・ボックス vol.3 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 花沢類が婚約した。

 その知らせにあたしは大きなショックを受けた。
 自分から突き放しておいて、なんて勝手な人間なんだろうと思う。
 それが花沢類の幸せなのだからと自分に言い聞かせても、溢れる涙は止めようがなくて・・・・・

 自分の気持ちを制御しきれなくなったあたし。
 心配して傍にいてくれた美作さんと西門さんに付き合ってもらって浴びるほどにお酒を飲み、気付いたときには美作さんと2人、ベッドの中で寄り添っていた・・・・・。

 呆然とするあたしに、美作さんは言ってくれた。

 「お前のしたいようにすれば良い」

 「俺はいつでも傍にいてやるから」

 「お前が忘れられるまで、待っててやる」

 優しく包み込むように抱きしめてくれた美作さんの腕は暖かくて・・・・・

 この人の傍にいたいって・・・・・・
 そう思ったんだ・・・・・


 花沢類が日本に帰ってくると美作さんに聞いて。
「会いたくないなら、来なくても良いぜ」
 そう言われたけど、
「ううん、大丈夫」
 そう答えた。
 いつまでも美作さんに心配をかけたくなかった。

 だけど実際に1年ぶりに花沢類の顔を見て。
 やっぱり来なければ良かったと・・・・・・・
 会わなければ良かったと、思ってしまっていた・・・・・。

 1年前と変わらない、優しい瞳。
 さらさらの茶髪に、見惚れてしまうほどきれいな顔。
 薄茶色のビー玉のような瞳は、少し切なげにあたしを映していた・・・・・。

 美作さんの隣に座り、西門さんが花沢類を連れて一旦店を出ると、そっと溜息をついた。
 握っていた手に、汗をかいていた。
 知らずに、緊張していたのだ・・・・・。

 「大丈夫か?」
 美作さんが心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「あ、大丈夫・・・・・」
 しっかりしなくちゃ・・・・・
 そう思うのに、やがて戻ってきた花沢類のことを真っ直ぐに見ることが出来なくて・・・・・
 他愛のない会話も、ほとんど頭に入ってこない。
 結局何を話したかも良くわからないうちに時間だけが過ぎていった。

 「牧野、乗れよ。送ってく」
 迎えに来たリムジンに乗り込みながらそう言ってくれた美作さんにも、
「え、いいよ、タクシー拾うから」
 と慌てて答え、呆れられてしまった。
 腕を引っ張られてそのままリムジンに乗り込み・・・・・扉が閉まる瞬間、ちらりと目を向けた花沢類と、視線が合ってしまう。
 その瞬間、まるで電気が走ったような衝撃が走り・・・・・・
 あたしの胸は、ドキドキと苦しいほどの鼓動を打ち始めていた。

 「牧野」
 車の中で、突然美作さんがあたしの手を握った。
 びくりと震える体。
「・・・・・な、なに?」
 普通に答えようとすればするほど、あたしの声はぎこちなく、震えていくようだった。
「・・・・・結婚、してくれないか」

「―――――え!?」

 聞き間違いかと思った。
 だって、そんなこと、考えたこともなかった。

 だけど、見上げた美作さんの顔は、今までにないくらい真剣な表情で・・・・・

「・・・・・俺は、牧野を愛してる」
「美作、さん・・・・・・」
「急にこんな話をして、お前を困らせることはわかってる。でも・・・・・・俺の気持ちを、知っておいて欲しい」
 そう言って、美作さんはあたしの手を握る手に力をこめた。
「・・・・・結婚、してくれないか・・・・・?俺と・・・・・」
「あの・・・・・・あたし・・・・・・」
「一生、大事にするよ。約束する。だから・・・・・結婚、してくれ」

 優しい瞳。
 辛くて、泣くことが出来なくなったあたしを見守ってくれた人。
 辛くて、涙が止まらなくなったあたしを、優しく抱いてくれた人。

 きっと、この人ならあたしを幸せにしてくれる。
 きっと、幸せになれる。
 きっと・・・・・・・

 「・・・・・・はい・・・・・・」
 あたしは小さく頷き・・・・・・そして、瞳を閉じた。
 零れる涙を、美作さんの唇が優しく掬ってくれた・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 つくしの心の動きを追ってみました。
 次回は、彼に語ってもらおうかな~?

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Fantasista vol.3~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 「よお、どうした?」
 久しぶりに訪ねてみたあきらの家。
 相変わらずの母親と妹たちに囲まれて、あきらが俺を迎えてくれた。

 海外に行っていることが多いあきらだが、今はまた仕事で日本に帰って来ていて、あと1週間はいるということだった。

 「・・・・・牧野から、聞いてるんだろ?」
 俺が言うと、あきらはクスリと笑った。
「ああ。思い切ったことしたな。牧野もびっくりしてたぜ」
「俺もびっくりした。まさかお前と牧野が繋がってたなんて」
「ああ、そのことか。別に隠すつもりはなかったんだけどな。言いそびれちまって」
 そう言って肩をすくめるあきら。
「なんで黙ってた?」
「それは、まあ・・・・・一つは牧野の為だ。あいつ、司と分かれてからは俺たちと関わるの避けてたからな。あのホテルと俺の会社が繋がってるって知ったときも困ったような顔してた。せっかく決まった就職先だ。やめるわけにもいかねえし・・・・・。だから、あいつには言ってやったんだよ。黙っててやるからって。俺は別におせっかいやく気はねえから構えるなってな。あいつはそれでしぶしぶ納得して・・・・・最近じゃずいぶん吹っ切れてきたみたいで、一緒に飲みに行ったりするようにもなった」
「ふーん・・・・・」
「お前に言わなかったのはあれだ、大学卒業してから、襲名に向けて本格的に動いてたろ。お前の世界が、トラブルってものに敏感なのは俺も知ってる。牧野って女はどうもトラブルを引き寄せる性質があるからな。お前が無事家元になるまでは、巻きこまねえようにしようと思ってたんだけど・・・・・・そのお前がトラブルの元になるなんてな」
 そう言ってあきらが苦笑した。
「それは、まあ・・・・・俺も予想外だったけどよ。大学卒業してから、今年で4年だぜ?牧野が就職したのが3年前?3年間も俺に黙ってたのかよ」
「ああ、もうそんなに経つか・・・・・。まあそう言うなよ。俺も忙しかったし、いろいろあったんだよ」
「いろいろって?あいつに・・・・・牧野に、何かあったのか?」
 真剣に聞く俺を、あきらがちょっと意外そうに見る。
「まあ・・・・たいしたことじゃねえけどな。あいつは自分にその気がなくても良くトラブルに巻き込まれるやつだから。何度か俺が動いたことがあったんだよ。最初は取引先とのトラブルだったかなあ。あいつは全く悪くねえのに責任とって辞めさせられそうになってて・・・・・慌てて俺が出てって話をつけたんだ。そん時にあいつに、何かあったときは必ず俺に言えって言ったんだよ。あいつも俺のおかげで首を免れたから、素直に頷いて。それ以来、俺には必ずどんなことでも報告してる。律儀なやつなんだよな。まあ、クビになるような大きなトラブルはそれ以来今回で2度目だけどな」
 そう言ってにやりと笑うあきら。 
 なんか、弱みを握られたみたいで居心地悪いんだけど・・・・・。
「そのことは、俺も感謝してるよ。俺のせいであいつがクビになったなんて、冗談じゃねえからな。けど、お前が動いてなかったら俺が動くつもりだった」
「ああ、わかってるよ」
 相変わらずニヤニヤと笑っているあきら。
 嫌な感じだ・・・・・。
「ところで、類のやつはどうしてるんだよ。牧野が英徳辞めたあとだって、あいつの家に通いつめてたんだろ?2人、付き合ったりとかしてねえの」

 ずっと気になっていたことだった。
 高校のころからずっと牧野を好きだった類。
 司との遠恋を陰でずっと支え、見守ってきた男。
 司と牧野が別れて・・・・・・
 だからってすぐに類の乗り換えるような女でもないし、強引に牧野を振り向かせようとする男でもない。
 それでも、牧野だって類のことを好きだったときがあるんだから、いずれはくっつくんじゃないかと思ってたんだけど、一向にそんな話は聞こえてこなかった。
 そして、大学を卒業した類は、そのままフランスへ行ってしまったんだ・・・・・。

「ああ、あの2人な・・・・・。俺も気になって、牧野に聞いたことがあるよ。けど・・・・・よくわからねえんだ」
「わからないって?」
「牧野が英徳辞めて、俺と再会するまでの2年間に、類との間に何かあったのは確実だと思うぜ。けど・・・・・たぶん、うまく行かなかったんだろうな」
「・・・・・どういうことだよ?」
「わからねえ。わからねえけど・・・・・牧野に類の事を聞いたとき、あいつはすげぇ辛そうな顔をしたんだ。見たこともないような・・・・・・けど、あいつは何も言わなかった。いや、言えなかったって感じか。言いたくても言えない。必死で涙を堪えてるみたいな、そんな顔してた。それ以来、俺ももう類のことには触れなくなった。だから、2人の間に何があったのかはわからねえよ。けど・・・・・何もなかったら、そんな顔はしねえだろ」
「・・・・・・」
 類と牧野の間に、何があったのか。
 気になってはいたけれど、それを探求するような気はなかった。
 牧野との関わりがなくなってから5年、あいつがどうやって生きてきたのかななんて知る必要もなかったし、これからだって俺には何の関係もないことだ。
 なのに・・・・・今まで気にならなかったことが、今とても気になっていた。
 久しぶりに会った牧野はとても前向きで、以前のあいつとなんら変わらないように見え、それでいてふとした瞬間に見せる表情には昔は感じる事のなかった女らしさが垣間見えて・・・・・
 司とのこと、それから類とのこと・・・・・・
 何があったのかは詳しくは知らないけれど、そのどっちもが、牧野を女として成長させているような気がした・・・・・
 そしてなぜか、今の俺はそんな牧野のことを、もっと知りたい。あいつの過去にも触れたい。
 そんな気持ちになっていた・・・・・。
「・・・・・知りたいなら、牧野に直接聞いてみれば」
 そんな俺の表情を見ていたあきらが、笑みを浮かべながら言った。
「直接って・・・・・俺が聞いたって・・・・・」
「俺がその話をあいつとしたのはもう3年前だ。あれからあいつもだいぶ吹っ切れただろうし、今なら話すかもしれねえぜ」
 そう言うと、あきらは笑みはさっきまでのニヤニヤした笑いではなく、やさしい笑顔を俺に向けた。
「気になるんだろ?牧野のこと」
 なんとなく心を見透かされたような気になって、俺はあきらから目をそらせた。
「・・・・・お前は、どうなんだよ。牧野のこと・・・・・・・そこまで面倒見るってことは、単なる友情だけじゃねえんじゃねえの」
「俺?俺は・・・・・そうだな。あいつを女としてみたこともあったかな」
 以外にあっさりと肯定され、俺は驚いてあきらを見た。
「昔から、あいつに関わるとなんか放っておけない気にさせられて・・・・・再会してからも何度か会ってるうちに、あいつのことを意識するようになったりしてたんだけど・・・・・」
「けど?」
「やめた」
「やめたって・・・・・・」
「あいつさ、すげぇ鈍感なんだよ。俺と一緒にいたってなんも気付かねえ。それどころか、俺のことを男として意識してないのが丸わかりで、2人きりになっても全く警戒しねえ。いろいろ意識してたこっちがバカみてえでさ。だから、やめた。今は、俺にとって牧野は世話の焼ける妹みてえなもんだ」
「って・・・・・あきらなら、もっとどうにか出来ただろ?あいつに男として意識させるくらい・・・・・」
「ああ、まあな。けど・・・・・そうしたくなかった。矛盾してるかも知れねえけど・・・・・あいつは司とのことでも、類とのことでも散々傷ついてきてる。もうこれ以上、あいつを苦しめたくなかった。あいつが俺のことを男として意識できないなら、俺はあいつの友達に徹しようと思ったんだよ。そうして、いつかまたあいつが傷ついたときに泣ける場所を作っておいてやりたい。そう思った。だから・・・・・俺は、今のままでいいんだよ」
 やけくそでもなんでもなく、本心からそう思っていることが、あきらの表情からわかった。
 それは、愛情も友情も超えた、あきらの牧野に対する思い・・・・・。
 大事なものを守りたい。
 そんな強い気持ちが、伝わってくるようだった・・・・・。

 「ったく・・・・・世話好きにも程があるぜ」
 そう言って溜息をつくと、あきらは楽しそうに笑った。
「いいんだよ、それが俺にとっての幸せだと思ってっから」
 それから・・・・・
 ふと、真剣な表情になったあきらが、俺に言った。
「・・・・・お前が、これからどうするかはしらねえけど・・・・・牧野を傷つけるようなことだけはするなよ。もしあいつを傷つけるようなことがあったら・・・・・たとえ総二郎でも、許さねえぜ」
「・・・・・わかってる・・・・・肝に銘じとくよ・・・・・・」
 そう言って、俺は頷いたのだった・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 類を登場させようかどうしようか・・・・・・
 今ちょっと悩んでます。
 いつもなら類の役目なのが、今回あきらになってるし・・・・・・う~ん・・・・

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キャラメル・ボックス vol.2 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 その後、何を話したのかはよく覚えていない。

 ただ、俺と視線を合わせようとしない牧野が。
 そんな牧野のことを気遣って牧野に優しい視線を送るあきらが。
 俺の胸を締め付けていた。

 それでも表面上はまるで何もなかったかのように時間が過ぎていく。

 お互いの近況報告をして、他愛のないお喋りをして・・・・・
 気がつけば時間はもう2時を過ぎていた。
 誰ともなく店の時計をちらりと見上げ、自然に皆が席を立ち、店を出た。

 「牧野、乗れよ。送ってく」
 あきらが自分を迎えに来たリモに乗り込みながら言う。
「え、いいよ。タクシー拾うから」
 慌てて手を振る牧野。
「馬鹿言うな。いいから乗れ」
 呆れながらそう言って牧野の腕を強引に引っ張る。
 仕方なく車に乗り込みながら、牧野がチラリと俺の方に視線を向けたのに、俺はもちろん気がついていた。

 「じゃ、俺もいくわ」
 あきらの家の車と入れ違いに、総二郎の家の車が目の前に止まる。
「ああ、また」
 車に乗り込み、扉を閉めようとして、ふと、総二郎が俺を見る。
「・・・・・類」
「ん?」
「牧野のこと・・・・・何かするなら早くした方がいいぜ」
「どういうこと?」
「あきらに縁談の話があるらしい。本人からは何も聞いてないけど・・・・・」
「縁談・・・・・」
「きっとあきらは断る。そして牧野とのことを何とかしようとするはずだ。牧野を止めるなら・・・・・今しかない」
 総二郎が行ってしまってからも、俺は暫くその場につっ立っていた。

 ―――牧野を止めるなら今しかない・・・・・

 その言葉を頭の中で繰り返し・・・・・
 俺はある決意を胸に、その場を後にしたのだった・・・・・


 翌日、俺は都内のホテルのバーに牧野を呼び出した。

 現れた牧野は暖かそうなベージュのコートに身を包み、俺を見つけるとちょっとぎこちなく微笑んだ。
 コートの下には大人っぽい黒のワンピース。
 俺は総二郎の言葉を思い出していた。

 『牧野らしくねえ』
 『無理してるようにしか見えない』

 「花沢類?どうかした?」
 牧野が不思議そうに俺を見る。
「いや・・・・・そういう格好あんまり見たことなかったから」
 その言葉に、牧野がギクリとする。
「そ、そう?・・・・・変、かな」
「いや、似合うけど・・・・・急に服の趣味が変わったのは、あきらのせい?」
 俺の言葉に、一瞬詰まり俯く牧野。
「そんなんじゃ・・・・・ないよ」
「付き合ってるんでしょ?あきらと」
 その問いにも無言で頷く牧野。
 そして一瞬の沈黙の後、急にパッと顔を上げると笑顔で俺を見た。
「花沢類のほうこそ、婚約したんでしょう?式はいつ?」
「来年の予定だけど・・・・・」
「そっか・・・・・おめでとう。昨日、言いそびれちゃったから・・・・・」
 そう言って牧野は笑ったけれど、その笑顔は寂しげに見えた。
「牧野」
「え?」
 顔を上げ、俺を見る牧野。
 俺は牧野の顔をじっと見つめた。
「花沢類?」
「俺、結婚はしないよ」
「え?」
 牧野が目を瞬かせる。
「どうして?だって、婚約したんでしょう?」
「うん。でも、しない」
 そう言って俺は、カウンターに置かれた牧野の手に自分の手を重ねた。
 牧野の体がピクリと震えた。

 「俺は、牧野が好きだから」

 「だから、結婚はしない」
 牧野の目が驚きに見開かれ、その頬は紅潮していた。
「なに、言ってるの。あたしは・・・・・」
「あきらと付き合ってるのはわかってるよ。だけど・・・・・牧野は本当にあきらが好きなの?」
 その言葉にはっとする牧野。
「俺の気持ちは、1年前から変わってない。ずっと牧野のことが好きだった」
「だって!」
「婚約したのは、それでも諦めようと思ってたから・・・・・愛のない結婚でも、構わないと思った。だけどやっぱり、俺には牧野しかいない。牧野じゃないと・・・・・駄目なんだ」
 牧野の瞳が揺れていた。

 どのくらいそうしていたのか。

 牧野が、絞り出すように口を開いた。

 「駄目、だよ」
「牧野・・・・・どうして?」
 俺の問いに牧野は眉を寄せ、瞳を伏せた。
「昨日・・・・・・美作さんに、プロポーズされたの・・・・・・・」
「あきらが・・・・・・」
「あたし・・・・・・Yesって言っちゃった・・・・・・から・・・・・」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さて、どうしましょう?

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Fantasista vol.2~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 「総二郎さん、あなたはご自分が何をしたかわかってらっしゃるの!?」
 きっと俺を睨み付ける母親の冷たい視線。
「もちろん。俺はあの女とは結婚しない。どうせ政略結婚って言ったって、たいした得もない相手だ。年頃の女で、あれが一番ましだったってだけのことだろ?来年の襲名には大して影響しない」
 肩をすくめて淡々と話す俺に、母親はますます目を吊り上げている。
 父親はそんな母親を苦笑しながらちらりと見て、口を開いた。
「まあまあ・・・・・総二郎にその気がないなら仕方ないだろう」
「あなた!だって、あの方とは・・・・・・」
「昔からの約束だったといっても所詮口約束だ。総二郎の言うとおり、特にこの家にとって大きな得があるわけじゃない。美人だし、家柄も良いから妥当だと思っただけだ。それよりも・・・・・気になるのはその場にいたというお嬢さんだ。恋人なのか?」
 その言葉に、母親も少し落ち着いて俺を見る。
「彼女は・・・・・」
「お前が本当に結婚を考えているのなら、その人を連れてきなさい。悪いがわたしはもう行かなくちゃ行けない。先方を待たせているからな」
 そう言って、父親は俺の話も聞かずにさっさと部屋を出て行ってしまった・・・・・。

 その後姿を見送り、母親が小さく溜息をつく。
「全く・・・・・総二郎さん」
「何」
「・・・・・・結婚するかしないかは別にしても、お見合いの場で女性に恥をかかせたのは事実ですよ」
「・・・・・ああ、わかってる。そのことはあとで謝りに・・・・・」
「その必要はありません。こちらで手を打っておきましたから」
「は?」
「昨日の女性・・・・・牧野つくしといったかしら。彼女には、それ相応の対応をさせていただきましたから」
 母親の冷たい視線に、俺は自分の声が低くなるのを抑えられなかった。
「・・・・・ちょっと待て。あいつに何をした?」
「彼女、あのホテルで働いているそうね。あのホテルの総支配人とは古い知り合いなのよ。あの場で昨日あったことは、ホテルにとっても大きなマイナスだわ。それ相応の責任を取ってもらわないと」
「まさか・・・・・・」
「あなたも、お付き合いする女性のことはもっとよくお考えなさい」
 そう言って、部屋を出て行った母親・・・・・・。

 俺は、すぐにその場を後にすると、昨日のホテルへ向かって車を走らせたのだった・・・・・・。


 「総支配人に会わせてくれ!」
 俺はホテルにつくと、慌てて出て来た従業員にそう言った。
「に、西門様、その、ただいま総支配人は外出中でして・・・・・・」
「なら、戻るまで待たせてもらう」
「しかし、いつになるか・・・・・・現在大坂まで行っておりますので・・・・・・」
「構わない」
 頑として譲らない俺に、その男は冷や汗を拭きながらおろおろしている。
 そこへ・・・・・

 「西門さん?何してんの?」
 そこに立っていたのは、牧野だった・・・・・。

 「脅かさないでよ。昨日といい、今日といい・・・・・一体どうしたの?」
 ホテルの外の喫茶店で、軽い昼食をとりながら、話をする。
「・・・・・・お前に、何かあったんじゃないかと思って」
「あたしに?」
「俺の母親が、何か手回ししたようなこと言ってたから、お前をクビにでもしたかと思ったんだよ。何も言われてないのか?」
 そう聞くと、牧野がちょっと肩を竦めた。
「・・・・・言われたよ」
「え・・・・・」
「昨日ね、あれからすぐに・・・・・でも、大丈夫」
「大丈夫って・・・・・・・」
 どういうことか、俺は戸惑って牧野の顔を見つめた。
「クビって言われて、はいそうですかって納得できるわけないでしょ?あたしが。ちょっとね・・・・・ずるしちゃった」
 そう言って、ぺろりといたずらっ子のように舌を出す牧野。
「どういうことだ?」
「・・・・・西門さんなら知ってるでしょ?ここのホテルの系列って、美作さんとこの会社と深い関わりがあるって」
「ああ、もちろん・・・・・・って、まさかあきらが?」
「そういうこと。にべもなくクビを言い渡されて、ホテル追い出されて・・・・・さすがにあったまきちゃって、そのまま美作さんに連絡とったの。で、美作さんがすぐに来てくれて・・・・・・万事解決ってわけ」
「ちょっと待て・・・・・。お前、だからこのホテルに?あきらの紹介で?」
「ううん、それは違う。最初は、知らなかったもん。お互い。入社して1ヶ月くらいたったころ・・・・・偶然ホテルで美作さんと会ったの。それで初めて知って・・・・・びっくりした。F4とは、もう関わることないって思ってたのに・・・・・」
 そう言って、牧野は小さな溜息をついた。

 司と別れた牧野は、英徳をやめて別の大学を受験した。
 奨学金を受けて、働きながら大学に通っていると聞いたことがあるが、会うことはなかった。
 それは、牧野が望んでいることなんだと俺たちは思った。
 もう、俺たちとは関わりたくないんだと・・・・・・・。
 だから、こっちからも無理に探求することはしなかった。
 ときどき、桜子あたりからは元気でやっているようだと報告は受けていたけれど・・・・・・。

 まさか、そんなところであきらとまた会っていたなんて・・・・・
「びっくりしたのはこっちだ。そんな話、聞いたことねえぜ」
「そお?美作さんも忙しそうだし。忘れてたんじゃない?」
 特に気にしている風でもなく牧野は言う。
 忘れてた?んなわけあるか。
 あきらのやつ・・・・・・
「西門さん、あたしのこと心配して来てくれたの?クビになったんじゃないかって」
「ああ、まあ・・・・・。俺のせいでお前が路頭に迷うようなことがあったら、やっぱり責任感じるからな」
 そう言うと、嬉しそうににっこりと微笑む牧野。
 窓から差し込む柔らかな日差しを受けてそれは、とてもきれいに見え・・・・・・
 不覚にも、ときめいてしまっている自分に驚いていた。
「ありがとう。気にするかと思って、言わないでおこうと思ってたんだけど・・・・・それなら連絡しておいた方が良かったね。もしかしたら美作さんから何か聞いてるかもと思ってたんだけど・・・・・」
「全然。あきらとお前が繋がってたなんて、今日初めて聞いたぜ。まったく・・・・・・」
「何かあったら必ず言えって言われてるの。俺の知らないところでお前がクビにでもなってたら、友達として何も出来なかったなんてことになりたくないって。男のプライドなんだって」
 そう言ってくすくす笑う牧野。
 俺はなんとなくおもしろくなかった。
「前は、美作さんと2人で話すなんてことあんまりなかったじゃない?だから結構新鮮っていうか・・・・・つくづく、美作さんって面倒見いいなって思ってるの。なんか頼りになるお兄さんみたい」
「お兄さん、ね・・・・・」
「しょっちゅう海外に行ってて忙しいからあんまり会わないけど・・・・・それでも月に1度くらいはふらっとホテルに顔出して、海外で買ってきたお土産とかくれるんだよ」
 ね、世話好きでしょ?
 と笑いかけられて。
 だな、と短い返事しか返せない。

 メールのやり取りは良くするとか。
 2人で飲みに行くこともあるとか。

 そんな話を聞きながら・・・・・・・
 なんだか自分だけが取り残された気分になって、思わず溜息が漏れていった・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ここでもあきら君は大事な役回り、してくれてます。
 ちょっとお休みしていた期間中、ご心配頂いてありがとうございました。
 皆さんの応援と励ましが、心に染み入り、本当に嬉しかったです。
 これからもどうぞよろしくおねがいします♪

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キャラメル・ボックス vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 久しぶりに降り立った日本の地。
 すっかり雪化粧をしたその風景に、俺の息も白く煙っていた。

 「類様、お乗りください。今日は一段と冷え込んでいるようです」
 運転手に促され、車の後部座席に乗る。
「ご自宅へ真っ直ぐ行かれますか?」
「いや・・・・・新宿の『Risk』っていうクラブに行きたいんだけど」

 少し前にあきらから届いたメール。
 『久しぶりに集まろう』
 そんな旧友の誘いに気持ちも和らぐ。

 辛いことから逃げるように日本を離れてから1年・・・・・。
 彼女は、どうしているだろうか・・・・・。
 自分から逃げ出したくせに、俺が思い出すのは彼女のことばかりで。
 会いたくて、会いたくて・・・・・・
 どれだけ離れていても、俺の心は彼女に囚われたままなんだ・・・・・・
 そう思い知った1年だった・・・・・。

 
 「類、こっち!」
 地下にあるそのクラブの扉を開けると、奥のテーブルに座っていた総二郎が俺に気付いて手を振った。
「・・・・・久しぶり」
「ああ、1年ぶりだな」
 そう言って笑ったのは、総二郎の向い側に座っていたあきらだった。
 2人とも、見た目は1年前と大して変わっていないようだった。
 その事実に、ほっとして微笑む。
 俺が俺でいられる、安心出来る空間だった。

 そのとき、あきらが俺の後ろを見て手を振った。
「牧野、こっち」
 その言葉に、俺は反射的に振り返った。
 扉を開けて入ってきたのは、1年振りに見る愛する人・・・・・・
 牧野が、俺を見てちょっと微笑んだ。
「花沢類・・・・・。久しぶり」
 穏やかなその微笑みは、1年前のようなつらそうな影はなく・・・・・とても落ち着いているように見えた。
「・・・・・久しぶり。元気そうだね」
 テーブルの傍まで来て、俺を見上げる牧野。
 髪が伸びた。
 薄く化粧もしていて、以前よりぐっと女っぽくなったようだ。
 その大きな瞳は相変わらず力強く輝いていて、牧野の意志の強さを表しているようだった・・・・・。

 暫く何も言えず、ただじっと見つめることしか出来なかった俺。
 牧野もただ黙って俺を見つめていた。

 その静寂を破ったのは、あきらだった。
「類、座れよ。牧野も・・・・・こっち」
 そう言ってあきらは牧野の手を引くと、自分の隣に導いた。
「わ、ちょっと急に引っ張らないでよ」
 手を引かれた牧野が、バランスを崩してあきらの隣の椅子に尻餅をつくように腰を落とす。
「ボーっとしてるからだろ。類、お前何にする?牧野はジンライムだろ。もう頼んどいたから」
「あ、うん、ありがと」
 あきらの言葉に牧野が笑って頷き、その牧野をあきらがじっと見つめる。
 それはまるで愛しいものを見るような視線で・・・・・・・
 この2人は、まさか・・・・・・・

 その様子を見ていた総二郎が、椅子から立ち上がり、俺の手を引っ張る。
「あー、俺タバコ買ってくるわ。類、ちょっと付き合えよ」
「総二郎?俺・・・・・」
「ほら、すぐそこだから」
 総二郎は俺の言葉を遮り、強引に店の外へと連れ出したのだった・・・・・。


 「・・・・・どういうこと?総二郎、牧野とあきらは・・・・・・」
「さっきの2人、見てたらわかるだろ?付き合ってんだよ、あいつら・・・・・」
「いつから・・・・・」
「・・・・・お前の婚約、知った日から、だよ」
 その言葉に、俺ははっと顔を上げた。
「お前がいなくなって・・・・・・牧野は、泣かなくなった。いや、泣けなくなったんだろうな。司と別れて、お前と別れて・・・・・・あいつは、自分の弱み見せられる相手がいなくなった。それからずっと、俺とあきらは牧野を見守ってきたよ。あいつが・・・・・・壊れちまわないように・・・・・」
「総二郎・・・・・・」
「お前が婚約したって聞いて・・・・・・他のやつから知らされるくらいならって、俺とあきらから伝えたんだ。見ちゃいらんなかったぜ、あいつの荒れようときたら・・・・・・・めちゃくちゃに酒飲んで、酔ってくだまいて・・・・・泥酔してどうしようもなくなったあいつを、あきらが介抱した。俺はどうしても家の用事で帰らなくちゃならなくて途中で抜けてたから・・・・・その後のことはわからねえ。わからねえけど・・・・・・たぶん、そういう流れだったんだ」
「そういう流れって・・・・・」
「男女の一線てやつ?超えちゃったんだろ」
 軽い調子の言葉と裏腹に、自嘲気味に聞こえる総二郎の声。
「・・・・・・・・」
「牧野、きれいになっただろ?あきらと付き合うようになってから、着る服の趣味なんかも変わった気がするな。いい女になったとは思うけど・・・・・なーんか、らしくねえんだよな」
「らしくないって・・・・・・」
「牧野らしくねえ。あんなの・・・・・無理してるようにしか見えねえっての。あきらのやつはマジで牧野に惚れてる。けど・・・・・牧野は、まだお前のこと、忘れてねえと思うぜ」
「って・・・・・何言ってんだよ。俺は牧野に振られたんだよ?」
「お前こそ何言ってんの。あいつが何でお前振ったと思ってんの。あいつは・・・・・お前のこと、司の身代わりにしたくなかった。あいつは・・・・・マジでお前のこと考えてたから、だから堪えらんなかったんだよ。お前が、司の身代わり買って出たのが・・・・・身代わりなんかじゃない。だけど、それをお前に信じてもらう方法がわからなかった。だから・・・・・別れたんだ」
「そんなの・・・・・知らないよ・・・・・・聞いてない・・・・・俺は・・・・・・」
「お前を、自分に縛り付けていたくなかったんだよ。お前にはお前の生きたいように生きて欲しかったんだ。自分のために、なんて生きて欲しくなかったんだよ」
 そこまで言うと、総二郎がちょっと笑った。
「・・・・これ、あの日泥酔した牧野が、俺とあきらに白状した話。本人覚えてねえと思うけど。だから・・・・・あきらも、牧野の気持ちはわかってる。わかってるけど・・・・惚れちまったんだよな・・・・・引き返せないくらい・・・・・」
「総二郎も・・・・そうなんじゃないの・・・・・?」
 俺の言葉に、総二郎が俺の方を見た。
「総二郎も・・・・・牧野に惚れてる。違う?だから、あきらの気持ちがわかるんだ・・・・・。それに・・・・・もしその日、一緒にいたのが自分だったら・・・・っていう気持ちもあるんじゃないの?」
「は・・・・・何言って・・・・・」
「俺のいない1年の間に、3人に何があったのかなんて、俺にはわからない。わからないけど・・・・・俺だってこの1年、牧野のこと忘れたことなんてなかったよ。忘れたくっても・・・・・忘れなれなくて・・・・・ずっと・・・・好きだった・・・・・・」
「・・・・・・あっそ・・・・・・。でも俺は協力しねえよ。自分で何とかするんだな」
 そう言って総二郎は自販機からタバコをとると、また店のほうへ戻っていった。

 「うん・・・・・・そうするよ・・・・・・」
 そう言って俺は、総二郎の背中に笑いかけたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「類つくで、大人の恋のお話を・・・・・」というリクエストを拝見しまして・・・・・
「大人の恋・・・・・苦手分野だ・・・・」と思ったのですが、あえてチャレンジしてみようかと・・・・・・・。
見事玉砕してしまったらごめんなさい(^^;)

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Fantasista vol.1~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 「あれ?西門さん?」
 その声に、俺は後ろを振り返った。
「やっぱり、西門さんだ。久しぶりだね」
 そう言って笑ったのは、牧野つくしだった。
「牧野?お前こんなとこで何やってんの?しかもそんな格好で・・・・・」
 俺は目を丸くした。
 今俺たちがいるのはホテルのロビー。
 そして牧野は、なぜか艶やかな着物姿だったのだ・・・・・。
「まさか見合い?」
 この場所と着物という格好を見れば、想像されるのはそんなとこなのだが・・・・・
 俺の言葉に、牧野はあからさまに顔を顰めた。
「まさか!仕事よ。あたし今、このホテルのブライダル事業部にいるの。で、今日は取引先との会合があって・・・・・この着物はその取引先のもの。向こうの要望で試着させられてるの」
 さばさばとした口調と、よく通る声は昔と変わらない。
 着物に合わせたメイクはなかなか艶っぽく、25歳になった女の色香を漂わせていた。
「西門さんこそ、どうしてここに?着物着てるってことは、そっちこそもしかして?」
 と冗談めかして言うのを、俺は苦笑して頷く。
「俺はそのまさか。いよいよそのときが来たって感じ」
「え、ほんと?」
 牧野がその大きな瞳を見開く。
「驚くようなことでもねえよ。俺ももう26だし、来年はいよいよ襲名だ。そろそろ身を固めろって親もうるせえし。遊ぶのにも飽きてきたとこだから、ちょうどいい」
「へ~え・・・・・そっか、西門さんもいよいよ・・・・・でもなんか意外」
「何が?」
「う~ん、なんとなく・・・・・西門さんは恋愛結婚かなって思ってたから・・・・・」
「恋愛?俺が?」
 牧野の言葉にびっくりする。
 俺はこいつの前でも散々女たちと遊んできた。
 そんなやつを目の前に、恋愛結婚だって?
「だって、西門さんって意外とピュアっていうか・・・・・・真剣な恋愛を求めてるのかなって・・・・・なんとなくだけどね。あ、彼女?」
 牧野が俺の後ろに視線をやる。
 振り向くと、俺の見合い相手の女が化粧室から出て俺のほうへやってくるところだった。
 モスグリーンの着物が似合う和風美人。
 一見しとやかそうで、茶道の心得もあるし23歳という年齢の割には落ち着いていて、家元夫人としても申し分のない家柄。
 この見合いにも、家の決めた結婚にも不満はなかった。
 いつかはこういう日が来るということもわかっていたから、特に疑問も持たなかった。
「きれいな人だね。じゃ、あたしもう行くね」
 そう言って牧野がくるりと背を向ける。
 その後姿をしばし見つめる。

 ―――真剣な恋愛を求めてるのかなって・・・・・

 「総二郎さん、お待たせしてごめんなさい」
 女がにこやかに笑う。
 きれいな顔だ、と思った。
 俺と同じ・・・・・政略結婚に何の疑問も持たない人間。
 この女は、俺の鏡だ・・・・・・・。

 もう一度、牧野に視線を戻す。
 背筋を伸ばし、真っ直ぐと前を見据える黒い瞳。
 何の後ろ盾がなくても、自分の進むべき方向だけを真っ直ぐに見つめて突き進む女。
 それが牧野つくし・・・・・。

 「総二郎さん?どうかして?」
 女が首を傾げる。
 その角度や視線の先まで計算されたような仕草。
 一分の隙もないそれは、これからの俺の仕事にも役立つ・・・・・・はずだった。

 「総二郎さん?」
「・・・・・・ごめん」
「え?」
「俺、きみとは結婚できない」
 俺の言葉に、女の顔色が変わる。
「・・・・・どういうことですの?」
 少し離れた場所にいた牧野が、ふと振り向く。
 俺と彼女の間に流れる、張り詰めたような空気に気付いたのだろう。
 俺は、彼女に向かってにっこりと微笑んだ。
「俺、好きな女がいるんです。結婚は・・・・・彼女とします」
「な・・・・・何言ってらっしゃるの・・・・・・?わたくしは・・・・・・」
「申し訳ない。この話は、なかったことにしてください」
 そう言って、呆気にとられている彼女をその場に残し、牧野のほうへ歩いていく。

 「よ」
「よって・・・・・ねえ、いいの?彼女・・・・・お見合い相手じゃ・・・・・・」
「ああ、もう終わった」
「終わった?」
 牧野が怪訝そうに首をかしげた時・・・・・・
「総二郎さん!!」
 後ろからすごい剣幕で迫ってきたのは、あの女だ。
「・・・・・こちら、どなた?まさか、この方がお相手ですの!?」
 きっと牧野を睨み付けるその形相は、さっきまでのおしとやかな和風美女と同一人物とは思えないものだった。
「西門さん?」
 牧野がもの問いた気に俺を見る。
「・・・・・だとしたら?」
「私を、侮辱するおつもり?私よりも、こんな方を選ぶなんて・・・・・!」
「ちょ、ちょっと待って!何言ってるの!?西門さん、何のこと?」
 慌てて口を挟む牧野の肩を無理やり引き寄せる。
「うわ、ちょっと何!?」
「彼女は俺の大切な人です。あなたとはこれっきりだ。じゃ」
 そう言って、牧野の腕を引っ張り、歩き出す。
 
 「ちょっと、西門さんってば!!説明してよ、どういうこと!?」
「まあちょっと待てよ、ここ出たら・・・・・・・」
 と俺が言いかけた時―――

 「総二郎さん!!」
 甲高い声にぎょっとして振り向くと、あの女が鬼の形相で走ってくるのが見えた。
「げ・・・・・・」
「へえ、意外とアクティブなんだな」
「んな暢気な!!」
「走るぞ!!」
「えええ!!?」
 あたふたと慌てる牧野の腕を強引に引っ張り、俺はホテルを出るとそのまま走り続けた。

 着物の裾を翻し、真昼間の人通りの多い道を思い切り走り抜ける。

 風を切るのがこんなに気持ちいいって、今更気付いた気がしてた・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総つく3作目。
 前作とは全く別物になります。
 あんまり長くなりすぎないよう、捻ったお話にはならないと思いますが・・・・・
 楽しんでいただければ嬉しいです♪

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そして遅ればせながら・・・Blue ChristmasのR版を「Bitter&Sweet」の方へアップさせていただきました♪

White Christmas ~花より男子・類つく~

Category : White Christmas ~花より男子・類つく~
 「東京で、ホワイトクリスマスなんてありえないっつーの!!」
 凍えるような寒空の下、
 あたしは1人震えながら、サンタクロースのコスプレをして街中でケーキを売っていた。

 12月24日、いわずと知れたクリスマスイブ。
 街中クリスマスムード一色の今日は、嫌でもカップルの姿が目に付いてしまう。
 そんなクリスマスイブに、何が悲しくってケーキ屋のバイトなんて・・・・しかも、店が目立たない場所にあるからといって、ワゴンを外に出して売る事に。
 それだけならまだしも、一緒にバイトする予定だった子はドタキャン、そして日中は12月とは思えないほど晴れていたのに、夜になってから急にふぶきだし目の前を行き過ぎる人はケーキなんて目もくれずただひたすら風邪から身を守りながら歩いていく・・・・・。
 その中に楽しそうな人がいると思って見れば決まってラブラブのカップルたちだ。

 「いいんだけどね、別に・・・・・」
 溜息もつきたくなるっつーもんよ・・・・・。

 やがて本格的に雪も積もり始め、人通りもまばらになってきたころ、漸くケーキもあと3つ残すところ・・・・・となっていた。
「牧野さん、お疲れ、もうあがっていいよ」
 店長が、あたしのところまできて言った。
 お約束の、サンタクロースの衣装が妙に似合う人の良さそうなおじさんだ。
「あ、でも後3つ・・・・・」
「それ、持って帰っていいから」
「へ?」
 3つも?
「1つは自分用、1つは家族用。残りの1つは彼氏と一緒に食べたらいいよ。じゃあ、お疲れ様!」
 そう言って高らかに笑うと、また店の中に消えてしまった・・・・・。

 「彼氏って・・・・・・んなもん、いないっつーの・・・・・」
 脱力。
 ―――仕方ない、3つともうちで食べるか。
 そう思って、あたしは帰り支度を始めたのだった・・・・・。

 道明寺と別れて半年が過ぎていた。
 遠恋なんて、あたしには無理。
 これ以上、待つことなんて出来ないよ。
 その言葉に、半ばほっとしたように頷いた道明寺。
 世界を動かす仕事にやりがいを感じ始め、打ち込んでいた道明寺にとって、あたしはもうただの重荷に過ぎなかった。

 道明寺と別れてからも大学は続けていたけれど・・・・・
 F3との関わりは、ほとんどなくなっていた。
 ジュニアである彼らも忙しく、大学へ来てもあたしと会う事はほとんどない。
 たまに顔を合わせれば挨拶くらいはするけれど・・・・・・・
 あたしは、あの非常階段に顔を出すこともなくなっていた・・・・・。

 ケーキをビニール袋に3つ入れ、ワゴンを店の裏の倉庫にしまいに行こうとしたとき・・・・・・
「牧野?」
「へ?」
 ふいにかけられた声。
 振り向こうとして、足元のぬかるみに気付かず・・・・・・
「危ない!」
「うわあ!」
 バシャッ!
 派手な音とともに見事にすっ転び、サンタの真っ赤な衣装は、見事に泥まみれ・・・・・・
「あーあ・・・・・大丈夫?」
 そう言ってあたしを覗き込んでいたのは・・・・・
「花沢類・・・・・」
 この猛吹雪の中、傘もささずに雪にまみれながら立っていたのは、紛れもなく花沢類だった・・・・・。


 倉庫で服を着替え、バッグとケーキを手に外へ出ると、黒いコートに白い雪を積もらせた花沢類が、にっこりと笑った。
「お疲れ。やっぱり今日もバイトしてたんだ」
「そりゃ・・・・・・ってか、花沢類は何でここにいるの?どこか行くところじゃなかったの?」
「ん。牧野のところに」
 当然のように言われ、あたしは驚く。
「は?何で?」
「クリスマスだから」
「???あ、それで思い出した。このケーキ、1ついらない?」
 1つだけ、別のビニール袋に入れたケーキを差し出す。
「え?」
「余ったの、3つ。店長に頂いたんだけど、さすがにうちも3つは要らないし。花沢類、持って帰って食べない?」
 そう言うと、花沢類は戸惑ったように首を傾げた。
 薄茶色のビー玉のような瞳が、ケーキの箱を見つめる。
「・・・・嬉しいけど・・・・うちも俺の他は使用人しかいないから、もらっても・・・・・」
「じゃ、使用人の人たちにも食べてもらってよ。だめになっちゃうのもったいないし。ね?」
 そう言って笑うと、花沢類はあたしの顔を一瞬驚いたように見て・・・・・ぷっと吹き出した。
「な、何よ」
「いや・・・・・じゃ、それ、一緒に食べようよ」
「は?」
「うちにおいでよ」
 そう言って、花沢類はにっこりと微笑んだのだった・・・・・。


 そのまま花沢類の家に連れて行かれたあたしは、コーヒーを入れてもらい、花沢類と2人でケーキを食べていた。
「甘い・・・・・」
 ちょっと顔をしかめる花沢類。
 相変わらずの彼に、あたしの頬が知らずと緩む。
「そりゃ、ケーキだもん。でもおいしい」
 冷え切っていた体が、温かいコーヒーと暖房の聞いた部屋のおかげで急速に溶けていくようだった。
「・・・・・・久しぶりだね」
 花沢類が、穏やかな瞳であたしを見つめる。
「だね。大学でも最近会ってなかったから・・・・・・」
「非常階段にも、来なくなったでしょ?」
 その言葉に、どきりとする。
「・・・・・・うん」
「・・・・・・司と別れて・・・・・俺たちとは会いたくなくなった?」
「そ、そういうわけじゃ・・・・・」
 ただ、なんとなく会いづらかったから・・・・・・
「俺は・・・・・会いたかったよ、牧野に」
 急に真剣な声で言われ、はっと顔を上げる。
 透き通るような瞳が、あたしを見つめていた。
「花沢類・・・・・・?」
「ずっと、会いたかった・・・・・・。避けられてるのはわかってたけど・・・・・司と別れて、俺たちの関係も終わりなんて、そんなものにして欲しくなかった」
「ご、ごめん、あたしはただ・・・・・・」
「牧野」
 俯いたあたしの手を、花沢類の大きな手が捉える。
 はっとしてその手を引こうとしたけれど、花沢類は手を離さなかった。
「俺は、傍にいちゃダメ?」
「花沢類・・・・・」
「牧野の傍にいたい・・・・・・。司のことを忘れられなくても良い。友達のままでいいよ。傍に・・・・・いさせて」
 ゆっくりと顔を上げれば、真剣な眼差しとぶつかる。
「俺には・・・・・牧野が必要なんだ・・・・・。避けられて・・・・・会えないことが、こんなに辛いと思わなかった。何にも手につかなくて・・・・・いつも、クリスマスなんて興味なかったのに、今年は牧野のことがどうしても気になって・・・・・・一緒にいたかったんだ、牧野と・・・・・」
「花沢類、あたしは・・・・・」
「ずっと支えたい。牧野が辛いときには、傍にいたい。たとえ俺に友情以外のものを感じなくても・・・・・・いずれ他の男を好きになる日が来ても・・・・・・それでも俺は、牧野の傍にいたい。そう思うのは・・・・・迷惑・・・・・?」
 あたしの瞳からは、涙が溢れていた。
 気付けば目の前がぼやけて、花沢類のきれいな顔が霞んで見えた。
 それでもあたしは花沢類を見つめながら首を振った。
「牧野・・・・・・?」
「迷惑なんかじゃ・・・・・・ないよ。他の男なんて・・・・・・言わないで」
 ぽろぽろと零れる涙を、手の甲で拭う。
「道明寺と別れて・・・・・・もう、関わりたくないと思ってF3とも距離をとってた・・・・・・・花沢類の傍にいたら、きっと甘えちゃうから・・・・・もう、利用しちゃいけないって・・・・・・・でも・・・・・」
 あたしはしゃくりあげながら、必死に言葉を紡いでいた。
「でも、会いたくて・・・・・・道明寺と別れた事より・・・・・・なによりも・・・・・・花沢類に会えなくなることが、悲しかった」
「牧野・・・・・・」
「毎日・・・・・花沢類のこと考えてた・・・・・・こんな都合のいいこと、考えちゃいけないって、あたしって最低な女だと思って・・・・・・やっぱり花沢類には会えないって思った・・・・・・それでもやっぱり忘れられなくって・・・・・・ずっと・・・・・辛かった・・・・・・」
「牧野」
 ふわりと、花沢類の腕があたしを包み込んだ。
 花沢類の胸の音が、あたしの耳元に響いていた。
「同じって・・・・・・思ってもいいの?俺の思いと、牧野の思いは同じって・・・・・・」
 花沢類の言葉に、あたしは無言で頷いた。
 あたしを抱きしめる腕に、力がこもる。
「好きだよ・・・・・・牧野が、好きだ・・・・・」
 耳元で囁かれるちょっと震えた声。
「あたしも・・・・・好きだよ・・・・・」
 漸く言葉に出来た、あたしの思い・・・・・。

 ふっと腕が緩み、体を離すと目の前には花沢類のビー玉のような瞳。
「ずっと・・・・傍にいたい・・・・・」
「ずっと、傍にいて・・・・・?」
 ゆっくりと、近づく2人の距離。

 唇が重ねられ、2つの影がひとつになり・・・・・・・
 そのまま、離れることが出来なくなってしまったかのようにずっと、あたしたちは何度もキスを繰り返し、抱きしめあい・・・・・・

 クリスマスの朝には、2人で真っ白になった街を眺めていた。
 暖かい部屋で、毛布に包まりながら・・・・・・
 プレゼントは何もない。
 でも、2人にとって何よりも大事なものを手に入れた、最高のクリスマスだった・・・・・。

                             
                                       fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっと文字数制限厳しいかな・・・・・?
 携帯から見れないお話もあるようなので、もし見れない方がいたら申し訳無いのですが・・・・・
 クリスマス企画として、短編のお話を作ってみました。
 皆さんに楽しんでいただければ嬉しいです。

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X'mas Panic!!vol.26~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 2人からの思わぬプレゼントに感激していると―――

 「おい!!お前らこんなとこで何やってんだよ!」
 そう言って、甲板に顔を出したのは道明寺だった。
「あれ、司、どうかした?」
 滋さんがきょとんとして聞くと、呆れたように肩をすくめる。
「どうかしたじゃねえよ。せっかくのパーティーだってのに、こんなところで何やってんだよ。来いよ、レイが呼んでる」
「レイが?何かあんのか?」
 美作さんの問いに、にやりと笑う道明寺。
「娘の婚約発表だってさ」
「マジ?そりゃあ行かなきゃな。おい、行こうぜ」
 西門さんが声をかけ、みんなで頷き合いながら歩き出す。
「牧野?どうしたの?」
 類も歩き出そうとして、動こうとしないあたしを不思議そうに振り返る。
「ご、ごめん、あたしちょっと、忘れ物・・・・・・!」
「忘れ物?」
「すぐに追いかけるから、先に行ってて!!」
 そう言って、あたしはみんなとは別方向へ走り出した。

 向かうは自分の部屋。
 道明寺を見たときに、なぜかそんな気がした。
 きっと、今しかない。
 あいつはまた行ってしまうから・・・・・・。


 ホールでは、サラと、あのブロンドの男との子が肩を寄せ、満面の笑顔で中央に立っていた。
 何度も見つめあい、微笑み合う2人が微笑ましくて、本当に幸せそうだった。

 「牧野」
 ホールに入ってみんなの一歩後ろに立って息を整えていたあたしの横に、いつの間にか道明寺が立っていた。
「道明寺」
「何してた?息切れしてるぜ」
「う、ちょっと・・・・・。それより道明寺、今回はいつまでいられるの?」
「ああ・・・・・俺は、そろそろ行く」
 そう言って道明寺はちょっと笑った。
 ―――やっぱり・・・・・。
「・・・・そっか」
「おどろかねえんだな。わかってたのか?」
「なんとなくね。この前が特別長かっただけで・・・・・あんたがそんなに長くいられるわけないよね」
「ん・・・・・仕方ねえな。仕事だから」
「・・・・・道明寺」
「ん?」
「・・・・・メリークリスマス。これ、あげる」
 そう言ってあたしは、道明寺に持ってきたものを渡した。
 道明寺が、ちょっと目を見開いてそれを受け取る。
「俺に?」
「ん。いろいろ、感謝の意味でね」
 あたしの言葉に、道明寺がおかしそうにくっと笑った。
「なんだそりゃ。お前が俺に感謝?」
「してるんだよ、これでも」
「そうかあ?これ、開けてみていいか?」
 と言って道明寺が包みを開けようとしたところへ、F3があたしたちに気づいてやってきた。
「牧野、いつの間に・・・・何してるの?」
 類があたしの隣に来て、道明寺の様子に首を傾げる。
「これ、牧野からクリスマスプレゼントだってさ」
 と言う道明寺の言葉に、3人が目を見開く。
「プレゼント?司に?」
「何で司だけ!俺らは牧野にだけ、用意したってのに」
「おい牧野、どういうことだよ、これ?」
 3人の剣幕に後ずさりながらも、あたしは持っていたものを3人の前に差し出す。
「ちょ、ちょっと待って!あのね、美作さんと西門さんにも、用意してきたんだってば!類へのプレゼントは美作さんに預かってもらってたけど、3人へのプレゼントはあたしの部屋に置いてあったの。だから・・・・・」
「え・・・・・」
「マジで?」
 美作さんと西門さんの顔色がぱっと変わる。
 ただ1人、類だけはおもしろくなさそうだったけど・・・・・・。
「いつの間に、準備してたの?」
 類が横目であたしを見る。
「家に1人でいたときに・・・・・。時間なかったから、たいしたもの用意できなかったんだけど・・・・・」
 目の前で、ほぼ同時に3人が包みを開ける。
 
 そして中身を見て、3人が3人とも黙り込み・・・・・
「?どうしたの?」
 類が不思議そうに首を傾げる。
 あたしはちょっと溜息をついて・・・・・
「やっぱり・・・・・気に入らなかった?子供っぽいかなって思ったんだけどさ、その、経済的にも、時間的にもそんなものくらいしか・・・・・」
 しどろもどろになるあたしの頭に、大きな掌がぽんと乗せられた。
「とんでもねえ。こんなクリスマスプレゼントもらったのは初めてだぜ。サンキュー」
「道明寺・・・・・」
「ああ、マジで感激。一生忘れらんねえクリスマスプレゼントだぜ」
 と言って美作さんもにやりと笑う。
「ん。もったいなくって誰にも見せたくねえな。ずっと、大事にするよ」
 西門さんも、にっこりと嬉しそうに微笑んでくれた。

 あたしはほっとして・・・・・そして嬉しくて、ちょっと泣きたくなってしまった。
「メリークリスマス。来年も・・・・・一緒に過ごせるかな」
「ああ、いいぜ」
「もちろん、そのために空けとくよ。類、そんなに怖い顔すんな」
「そうそう。クリスマスくらい、みんなで仲良くやろうぜ」
「調子いいな・・・・・・。まあいいけど。俺は、牧野が隣にいてくれるなら何でもいいよ」
 そうして類は、あたしの肩を抱き・・・・・・
 あっと思う間もなく、唇が重ねられていた。

 一瞬後には、いたずらっ子のような眼差しで、あたしの顔を覗き込む類の顔。
 そして呆れ顔でそれを見ながらも、楽しそうに笑っている3人。
 それを後ろから、ニヤニヤと眺めている滋さんと桜子。
 それから、彼氏と2人、幸せそうに肩を寄せ合って笑っている優紀。

 みんなあたしの大切な人たち。
 ずっと一緒にいたい・・・・・。
 きっとこのときのクリスマスを、あたしは一生忘れない・・・・・・・
 類の腕の中で、あたしはこの幸せをかみ締めていた・・・・・・


 ちなみに、あたしが3人に何をプレゼントしたかっていうと・・・・・?

 それは後日、美作さんと西門さん、それからTVに映っていた道明寺の携帯に揺れていたストラップ・・・・・・
 少し不恰好だけど、持ち主のミニチュアのようなマスコットが、それぞれと一緒に耳元で微笑んでいた・・・・・。


                                 fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 お、終わりです・・・・・・
 すいません。なんかすごく中途半端かも。
 次はもっとちゃんと筋道立ててお話を考えてから、書きたいと思います。
 アンケートの方、参考にさせていただきつつ・・・・・・

 次のお話まで、今しばらくお待ちくださいませ♪

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X'mas Panic!!vol.25~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -rui-

 俺たちはその後、甲板に出て夜の海を寄り添いながら眺めた。
「本当は、ずっと心配してた」
「え?」
「先月からずっと・・・・・あきらや総二郎といる時間の方が長いくらいだったじゃん」
 俺が牧野の顔を覗き込むと、牧野が困ったように首を傾げた。
「そう・・・・・かな・・・・・・。だってね、ギリギリだったんだよ、本当に。間に合わないんじゃないかと思ったくらい・・・・・美作さんがいてくれなかったら、きっと出来上がらなかった」
「手伝ってもらった?」
「ううん、教えてもらったけど、ちゃんと全部自分でやったよ。類にあげるものだもん。ちゃんと自分で全部やりたかったの」
 そう言ってまぶしいくらいの笑顔で微笑む牧野。
 心配なんていらなかった。
 だけど、きっとこれからも心配し続ける気がする。

 あきらや総二郎の気持ちが、痛いほど良くわかる。
 牧野が司と付き合っていたころの、俺と同じ。
 ただ傍にいられればいい。
 牧野の笑顔を見ていられればそれでいい。
 そんな気持ちだけ・・・・・・本当にそれだけだった。

 裏を返せば、約束のある司と違って、傍にいられなくなってしまえばそこまでだということ。
 友達という事実はずっと変わらない。
 だけど、それ以上にはきっとならない関係。
 だったら、より近い位置に。
 より長く一緒に。

 『ただの友達』よりは『特別な友達』。

 牧野は、俺たちにとってずっと特別な人間だ。
 だからこそ・・・・・
 ずっと近くに。
 いつも手を伸ばせば届く場所にいたいと願ってしまうんだ。

 「類?どうかした?」
 牧野が不思議そうに首を傾げる。
「いや・・・・牧野、俺からもプレゼント」
「え?」
 不思議そうな顔の牧野に、俺はポケットから出したものを見せた。
 金色の鎖のループに、ブルートパーズの石がまるで涙の雫のように揺れていた。
「うわ、きれい・・・・・これ、ピアス?」
 牧野が目を見開く。
「ん。ピアスの穴、開けたいって言ってたから。ちょっと気が早いけど・・・・・」
「まだ開けてないよ。近いうちにって思ってるけど・・・・・。すっごくきれいだけど・・・・・もらってもいいの?」
 遠慮がちに聞く牧野。
「当たり前だろ。クリスマスプレゼントなんだから」
「でも・・・・・あたしのプレゼントとは桁違いって言うか・・・・・」
「ストップ。そういう話はなし」
「だって・・・・・」
「それを言ったら、俺だって牧野のプレゼントには敵わないよ。こんなに時間かけて、愛情もこめてもらえるプレゼントなんて、牧野じゃなかったらありえないし」
 笑ってそう言えば、牧野の頬がピンクに染まる。
「そりゃ・・・・・あたしに出来ることっていったらそれくらいで・・・・・・」
「簡単に出来ることじゃないだろ?俺には、それが嬉しい。いつも牧野には驚かされる。心配もするけど、喜びの方が大きいよ。牧野が俺のことちゃんと俺と同じくらい思ってくれてるのかなって思えるから」
「類・・・・・」
 牧野が潤んだ瞳で俺を見上げる。
 たまらなく牧野が愛しかった。
 牧野の髪に触れ、そのまま口付ける。
 開いた唇の隙間から舌を滑り込ませ、そのまま深いところへ・・・・・・・

「「「「メリークリスマース!!」」」

 「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
 唇を離し、溜息とともに牧野の肩に顔を埋める。
 見なくたって、誰だかなんてわかりきってる。
「ちょ、ちょっと類!」
 慌てた牧野の声が聞こえるけど、構わず脱力する俺。
「・・・・・も、帰りたい・・・・」
「なんだよ、類。せっかくのクリスマスパーティーだってのにこんなとこで」
 ニヤニヤしながら近づいてくる総二郎。

 わかっててやってるくせに・・・・・・
 半目でじろりと睨む俺にも知らん顔だ。

「せ~んぱい、ずるいですよ~こんなところで2人きりで楽しんじゃって~」
「桜子・・・・あんたもうるさいよ」
 さすがの牧野の顔も引きつってる。
「んな邪魔者見るみたいな目ぇすんなって。なあ牧野。今日の日が無事に迎えられたのは誰のおかげだっけ?」
 とあきらが聞くと、牧野がうっと詰まりながらもしぶしぶ答える。
「美作さんと西門さんのおかげ・・・・・です」
「よろしい。ほれ、お前にやるよ、クリスマスプレゼント」
 そう言って、あきらが俺が牧野にもらったのと同じくらいの大きさの包みを牧野に手渡した。
「え?あたしに?」
 牧野が驚いてあきらを見る。
「ん。どうせお前のことだから、ここまではやらねえかと思って」
 と言ってあきらがにやりと笑う。
「開けてみれば」
 そう言われて牧野がその包みを開ける――――と、
 中から出てきたのは深いボルドーのマフラーと帽子・・・・・。
「あ・・・・これ!」
 牧野の目が驚きに見開かれる。
「そ。お前が自分の分に買った毛糸で作った。お前、毛糸一式俺んちに置いてっただろ?悪いかなとは思ったけど・・・・お前に全部任せといたら冬が終わっちまいそうな気がして、作っといた」
「い、いつの間に・・・・・しかもきれいだし・・・・・」
「ほんと、売り物みたいだね」
 俺もそれを手にとって見る。
 俺が牧野にもらったものと同じデザインのマフラーと帽子。
 でもその色と、毛糸の素材の違いでまったく別のものにも見え、シックな色のそれは、最近大人っぽくなった牧野にとても似合いそうだった。
「げ、これあきら作ったの!?すげぇな、マジ売り物みてえじゃん。なんか牧野の手作りとはえらい違い・・・・・・」
「西門さん!」
 牧野にぎろりと睨まれ、総二郎が慌てて口を手で押さえる。
「すごい素敵!ちょっとあきら君、あたしにも作ってよお」
 大河原がはしゃいで言うと、あきらはにやりと笑った。
「バーカ。俺の手作りなんて、そうそう安売りなんか出来るかよ。これは特別」
「うわ、いいますねえ、美作さんも。で、西門さんも当然何か用意してるんじゃないですか?」
 三条の言葉に、総二郎が肩をすくめる。
「んだよ、あきらの後じゃ俺影薄いじゃん。―――まあいいか。ほら、これ」
 そう言って総二郎が何かを牧野のほうへ投げて寄越した。
「え?何?」
 投げられたそれを、牧野が慌てて受け止める。
 
 全員が牧野の手の中を覗き込む―――と、そこにあったのは、小さなひし形に切り抜かれたような、瑠璃色に輝く陶器の様な欠片のついたストラップだった。
「わー、きれい。これ、瑠璃色?って言うの?すごいきれいだけど・・・・・これって何?陶器?」
 不思議そうに首を傾げる牧野に、くすりと笑う総二郎。
「あたり。でもそれはただの欠片。本当のプレゼントは、今日間に合わなかったから」
「間に合わなかったって・・・・・・」
「茶器を、作ったんだ。焼に思いのほか時間かかっちまって・・・・たぶん、お前の誕生日までには間に合うと思うから、そしたら届けてやるよ」
「え・・・・・茶器、作ったって、西門さんが?」
「そ。何だよ、その意外そうな顔。俺だってそのくらいできるっつうの。これでも茶道の家元になる人間だからな。焼き物についても勉強してるんだぜ」
 にやりと得意気に笑う総二郎。
 総二郎が見かけよりもずっとまじめなことも、何をやらせても大概こなしてしまうことも知っているけれど。
 その総二郎に見惚れるような視線を向けてる牧野が、気に入らない。

 俺の視線には気付かない振りをして、総二郎が牧野の傍へ来ると自分が投げたストラップを牧野の手から取ると、目の前で揺らした。
「これは、今朝その焼き場から持ってきたやつ。まだ、色が出きってないんだけど・・・・・アクセサリーとしちゃ、これくらい淡い感じのほうがかわいい。お前の携帯に、つけといてくれよ」
「あ、うん・・・・・ありがとう、すごくかわいい。西門さんも、器用なんだね。びっくりした」
 牧野が笑顔を向け、総二郎の熱っぽい眼差しと一瞬絡み合ったのを、俺はおもしろくない思いで見ていた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あ―――漸く・・・・・・。
 すいません、不覚にも風邪でダウンしてしまいまして・・・・・
 何とか早く仕上げようと思ったんですけどね・・・・・・・
 そしてここで終わりにする予定が、またずるずると・・・・・・・
 熱は引いたので、また明日からがんばりますね~

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X'mas Panic!!vol.24~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 「類、牧野も・・・・・こんなところでどうした?」
 美作さんがあたしたちを見て、笑顔になる。
「あ・・・・あたしはその、トイレに・・・・・」
「俺は、牧野が戻ってこないから、探しに・・・・・」
「ふーん。じゃ、俺は戻るから・・・・・」
 そう言って美作さんがあたしたちの横を通り過ぎようとして・・・・・・
「・・・・・ちょっと待って」
 という、類の声に足を止めた。
「あ?なんだよ、類」
「・・・・・おかしいと思うんだけど」
「何が?」
「トイレは、こっちじゃないよね?何で不思議に思わないの?」
 完全に疑りの目の類。
「あー・・・・・いや、それは・・・・・」
「それは?」
 類に睨まれて、ちらりとあたしに視線を移し、溜息をつく美作さん。
「・・・・・ったく・・・・・もっとうまくやれよなあ」
「ご、ごめん・・・・・・・」
 美作さんに謝るあたし。
 そんなあたしたちを見て、類の表情がさらに険しくなる。
「・・・・・どういうこと?2人で何してたの?俺に黙って・・・・・」
「んな怖い目すんなって。お前が心配するようなことは何もしてねえよ」
 そう言いながらも、類から目を逸らす美作さん。
 ―――だめだ、完全に疑ってる・・・・・。
「じゃ、何してたの?」
「あ、あの、類」
 思い切って口を開く。
 もう時間もないし。ここで言うしかない!
 意を決したあたしを、美作さんが心配そうに見る。
「おい、牧野・・・・・・」
「大丈夫。もう、今しかないから・・・・・」
 そう言って笑って見せると、少し心配そうに・・・・でもいつもの優しい笑顔を見せてくれた美作さん。
 それを見ていた類は、やっぱり不機嫌そうだったけど・・・・・。


 -rui-
 気に入らない。
 目の前の牧野とあきらの、秘密を共有している2人だけの空気が。
 
 大体、アルコールが入ってほんのりと染まった頬とか、潤んだ瞳とか。
 髪をアップにした項にかかる後れ毛の艶っぽい感じとか、大きく胸の開いたドレス姿とか。
 いつもよりも数段女らしく、艶っぽく見える牧野と2人きりでいて、牧野への気持ちを考えればなおさら、あきらが何もしないでいられるとは考えられなかった。
 
 何よりも、あきらを信頼しきっている牧野の様子が手に取るようにわかるのも気に入らなかったし、そんな牧野を優しい眼差しで見つめるあきらにも腹が立ってしまう。
 大人気ないって言われても、そんな風に嫉妬してしまう気持ちは抑えられなかった。

 「あのね、類。渡したいものがあるの」
 そう言って牧野が上目遣いに俺を見る。
 その表情はすごくかわいくて、ついつい頬が緩みそうになるが、相変わらず心配そうに牧野を見つめるあきらが気になってしまう。
「・・・・・何?」
「えっと・・・・・これ、クリスマスプレゼント・・・・・なんだけど」
 そう言って牧野が差し出したのは、きれいなメタリックブルーの包装紙でラッピングされたもので・・・・・
「え・・・・・これ、俺に?」
 さっきから、何か後ろに隠しているような気はしたけれど。
 俺はその包みを受け取ると、「開けてみて」という牧野に促され、その包みをその場で開けてみた。

 中から出てきたのは、淡いブルーのマフラーと、同じ柄の帽子。
「これ・・・・・もしかして、手編み・・・・・?」
「う、うん。初めて作ったから、あんまりうまくないけど・・・・・でも、その色、きれいでしょ?類に似合うと思うんだ」
 頬を染め、恥ずかしそうに言い募るその顔がかわいくて。
 俺のために造ってくれたんだと思うと、言いようのない感情がわきあがってくる。
「11月ごろからずっと、それ作ってたんだぜ。何度かやり直したりしてさ。こいつ、不器用だから簡単なデザインのものしか出来なかったけど・・・・すげぇがんばってたから、お前のために・・・・・」
 あきらがニヤニヤと笑いながら言う。
「じゃあ、これのために毎日・・・・・?」
 あきらの妹たちの家庭教師をやるといって週に4日もあきらの家に通っていたのはこれのため・・・・・?
「そういうこと。とても週1回じゃ間に合いそうになかったし、一緒に住んでるから家に持ち帰ることも出来ねえだろ?」
「じゃ・・・・総二郎も知ってたの?」
「もちろん」
 そう言ったのは、いつの間にか俺の後ろに立っていた総二郎。
「だから、土日以外はほぼ毎日そのプレゼントのために時間を使ってたってわけ。どうだよ?牧野の努力の結晶は」
 総二郎がにやりと笑う。
「・・・・すごい、嬉しい・・・・・。まさか、こんなことだとは思わなかった。何かやってるのはわかってたけど・・・・・」
「お前、勘いいからさ、牧野は嘘が下手だし。いつばれるかって、こっちはずっとひやひやしてたんだぜ。妙な誤解はされるし。これ、ここまでもってきたのは俺。今日中にお前に渡したいだろうと思ってさ、牧野に取りに来いって言ってたんだよ」
 そう言ってあきらが牧野の髪に、そっと触れる。
「・・・・・・類、ごめんね、ずっと黙ってて。内緒にして、驚かそうと思ってたの。美作さんと西門さんにはそれに協力してもらってて・・・・・」
「ま、そういうことだ。じゃ、俺たちは行こうぜ、あきら」
 そう言って総二郎が、牧野の髪に触れていたあきらの腕を引っ張る。
「おい・・・・・」
「いいから来いって。じゃあな、牧野」
 手を振りつつ、あきらを引っ張っていく総二郎。
 
 2人が見えなくなると、牧野は恥ずかしそうに俺を見上げた。
「あの・・・・・それ、ごめんね、あんまりうまくなくて・・・・・最後の方は急いでたから、ちょっと雑かも・・・・・でも、がんばったんだよ?」
 落ち着きなくしゃべりだした牧野を、俺はたまらず引き寄せて抱きしめた。
「―――サンキュ。すげぇ嬉しい。」
「・・・・・うん」
「・・・・・なんか、言葉に出来ない・・・・・」
「・・・・・うん、あたしも・・・・・・」
 腕の中で小さく頷く牧野。
 愛しくて・・・・・
 離せなくなる・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 漸く後1回で終わり・・・・というところまでこぎつけました。
 なんだかだらだらと長くなってしまいごめんなさい(^^;)
 「マフラーと帽子」というプレゼントが思い浮かんでからのお話で、途中何にも考えてなかったのがネックになってしまいました・・・・。
 次回はもうちょっと考えてからかきますね~。

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X'mas Panic!!vol.23~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 「すご~い、お料理もお酒もおいしい!」
 あたしはテーブルに並べられた料理やお酒の量に目を丸くし、さらにそのおいしさに感動してしまった。
「牧野・・・・のみ過ぎないようにね」
 類が苦笑しながらも楽しそうにあたしを見る。
「大丈夫だよ。それにしても、船の上でここまで出来ちゃうなんてすごいね。レイさんってそんな大物だったんだ・・・・・怖くってやっぱり何者か聞く気になれないけど」
「でも、そんな彼と友達みたいに話せちゃう牧野もすごいと思うよ。さっきは娘の方ともずいぶん仲良さそうに話してたね」
「だって・・・・・話してると、全然普通なんだもん。娘さんも日本語うまいし、少し大人っぽいけどやっぱりまだ高校生って感じでかわいいし・・・・・」
 そう、あのサラってこと話してみたら本当に全然普通の女の子で・・・・・道明寺が言っていたことがわかるような気がした。
 あんな子がもし英徳にもいてくれたら、少しはあたしの高校生活も違ってたかも・・・・・・なんて思わず思ってしまうくらい、意気投合してしまったのだ。

 フルーティーで飲みやすいシャンパンを飲みながら、ふと視線を巡らせると、美作さんがあたしを見て何か言いたそうに目配せした。

 ―――あ、そういえば、美作さんの部屋に、プレゼント取りに行かなくちゃ・・・・・

 うっかり忘れそうになっていたあたし。
 慌てて飲みかけのシャンパンを飲み干すと、グラスをテーブルに置いた。
「牧野?どうかした?」
「あ、類、ごめん、あたしちょっとトイレに・・・・・」
「ああ、うん。行っておいで。足元大丈夫?着いて行こうか」
「だ、大丈夫、すぐ戻るから・・・・・・」
 心配そうにする類に軽く手を振り、ホールを出たあたしは、少し早足で美作さんの部屋へ向かった・・・・・。


 「おお、漸く来たな。日付変わっちまうとこだぞ」
 扉をノックすると、美作さんが呆れ顔であたしを入れてくれた。
「ご、ごめん・・・・・もう11時?すっかり時間忘れてて・・・・・良かった気がついて」
 あたしがほーっと息をつくと、美作さんが苦笑しながらきれいにラッピングされた例のプレゼントを出してくれた。
「ったく・・・・・。ほら、これ。せっかくがんばって作ったんだ。ちゃんと渡せよな」
「うん・・・・。ありがと、美作さん。最初から最後まで、美作さんにはお世話になりっぱなしだね」
「ま、好きでやってることだからな、気にするな」
 美作さんの優しい笑顔に、あたしも微笑み返す。
 この人の、人に気を使わせない優しさって・・・・すごいなって思う。
 やっぱりあたしなんかよりもずっと大人で、つい、なんでも相談したくなってしまう。
 あんまり頼っちゃいけないって思うのに、さり気なく後ろから背中を支えてくれているような、何もかも包み込んでくれるような安心感があって・・・・・その暖かさに、つい甘えたくなってしまうんだ・・・・・。
 そんなことをぼんやり考えながらじっと見つめていると、ふいに美作さんが頬を染めて、視線を逸らす。
「・・・・・あんま、じっと見んなよ。照れる」
 その言葉に、あたしは思わず目を瞬かせた。
「美作さんでも、そんな風に照れるの?女の人に見られるのなんか、慣れてそうじゃない」
「そりゃあな、けど・・・・お前は別」
「へ?なんで?」
「・・・・・できればそれくらい察するようになって欲しいけどな」
「え?え?」
「誰だって、惚れてるやつに見つめられたら照れるだろうが」
 そう言って、熱っぽい瞳でじっとあたしを見つめる美作さん・・・・・・。
「!!」
 その瞳の熱さに思わず固まり・・・・・
 急にアルコールが回ったかのようにめまいを感じ、ふらっと倒れそうになったあたしの体を、ふわりと受け止める美作さん。
「あっと、あぶね」
 腰に手を回され、後10cmで唇が触れ合いそうな位置に、美作さんのきれいな顔。
「う、わ、あの、近いっ」
 思わずうろたえて離れようとするあたしを、なぜか放そうとせずそれどころか、その手に力を込めてぐいっと引き寄せる美作さん。
「ん?近い?」
「ち、近いよ!」
 にやり、と確信犯な笑みを浮かべる美作さんに、冷や汗が流れるあたし。
「あの・・・・・離して・・・・・」
「何で?俺にはクリスマスプレゼント、くれないの?」
「プ、プレゼントって・・・・・」
「総二郎には、やったんだろ?」
 その言葉に、サーッと青くなる・・・・・。
 不意打ちのキス。
 クリスマスプレゼントだと思え、と確かに西門さんには言われたけれど・・・・・
「あ、あれは、西門さんが勝手に!」
「俺も、おんなじものがいいな」
「おんなじって、だって!」
「ずるいよな~、総二郎だけ。類のプレゼント、俺はずいぶん協力したんだけどな~~~」
 わざとらしい大きな溜息とともに伏せられる瞳。
 言われていることが事実なだけに、困ってしまう。
 ―――どうすりゃいいのよ~~~
 長い睫越しに、ちらりと瞳を向けられ、どきんとする。
 ―――そんな目で見ないで欲しい・・・・・
 さっき類に言われたことを思い出してしまう・・・・・。

 『友達として、っていうだけじゃなく・・・・・男として、見てるでしょ?恋人じゃないけど、それに近い位置・・・・・それをどう言ったらいいかわからないけど、そのくらい、牧野にとっては大事な存在になってるんじゃない?』

 そう、本当にとても大切な存在。
 あたしの日常から、既に美作さんも、西門さんも欠かすことの出来ない存在になってる・・・・・。
 いつかは、離れていく。
 きっと、それぞれの道を進み始めてしまったら、こうして一緒にいることは出来なくなってしまう。
 そのことがあたしの胸を締め付ける。
 ずっと一緒にいたいよ・・・・・・・。
 
 「・・・・・いいよ」
「え?」
「クリスマスプレゼント・・・・・・あげる」
 あたしの言葉に、美作さんの瞳が驚きに見開かれる。

 あたしはそんな美作さんの肩に手をかけると、そのまま背伸びをして・・・・・・
 そっと、美作さんの唇に触れるだけのキスをした。

 恥ずかしくって、すぐに下を向いて・・・・・
 きっと今のあたしの顔は真っ赤。
 自分でも信じられない。
 でも・・・・・・

 何も言わない美作さんの顔を、そっと見上げてみる。
 「・・・・・・え」
 自分の口に手を当てた美作さんの顔は、今まで見たことがないくらい真っ赤に染まってた。
「うそ・・・・・なんで・・・・・?」
「アホ・・・・・お前が不意打ちすっから・・・・・」
「だ、だって、美作さんが・・・・・・」
「まさか本当にお前からしてくれるなんて、思わなかった」
「・・・・・・だって、大事だから・・・・・」
「え?」
「美作さんも、西門さんも・・・・あたしにとっては大事な存在なの。自分から、切り離すことが出来ないくらい・・・・・・だ、だから・・・・・」
「牧野・・・・・・」
 言ってるうちに、またどんどん恥ずかしくなってきてしまった。
 もう、美作さんの顔が見れない。
「じゃ、じゃあ、また後で!」
 そう言うと、あたしはさっと向きを変え、扉を開けると部屋を飛び出したのだった・・・・・・。


 「は~~~~、もう・・・・・・自分が信じらんない・・・・・」
 廊下で、よろよろとへたり込む。
 今更ながら、自分のしたことに汗が出てくる。
「・・・・・もう、これはアルコールのせいとしか思えない・・・・・」
「何がアルコールのせいだって?」
 突然上の方から声がして、驚いて見上げると、そこには類が立っていた。
「類!」
「・・・・・・遅いから、心配になって・・・・・でもトイレにはいないし、どこに行ったのかと思って探してたら・・・・・・何してたの?こっちって確か、あきらの部屋が・・・・・」
 類がそう言って廊下の先に目を向けたとき・・・・・
「―――あきら」
 そこにいたのは、ちょうど部屋から出てホールへ向かっていた美作さんだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あんまりこれといって、大きなパニックはないかも・・・・・・・
 と思ってたのですが、そうでもないかな?
 あきら君にも、クリスマスプレゼント♪

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Blue Christmas vol.5~花より男子・総つく~

Category : Blue Christmas(完結) ~花より男子・総つく~
 -soujirou-

 俺の計画は狂いっぱなしだ。

 イブの前日にせっかく取った休日。
 牧野と2人きりで、1日クリスマス気分を満喫しようと思ってたのに、それを牧野に断られるという始まる前から出鼻をくじかれる形になってしまった。

 それでも・・・・・牧野の不安の原因が、俺のあの日の行動だと知れば、あきらの企みにも目を瞑る他ないと諦めるしかなかった。

 
 その日の夜。
 この日のために予約していたホテルの部屋で、ベッドでうとうとし始める牧野の黒髪にそっと口付けを落とす。
「ん・・・・・・」
「・・・・・渡したいものが、あるんだ」
 俺の言葉に、牧野はその瞳をゆっくりと開いた。
「・・・・・何?」
 俺はきょとんと首を傾げる牧野にちょっと微笑み、枕の下から、そこへ忍ばせていた小さな箱を取り出した。

「・・・・・本当は、お前の誕生日に、渡そうと思ってたんだ」
「え・・・・・」
「でも・・・・・そんな小細工が何の意味もないってこと、今日思い知ったよ」
「どういうこと・・・・・・?」
「お前の不安の原因・・・・取り除いてやるよ」
 そう言って開いて見せた箱の中には、プラチナ台に小さいけれど眩い光を放っているダイヤモンドが乗せられた指輪があった。
 その指輪を見た牧野の瞳が、大きく見開かれる。
「あの時・・・・・これのことを頼んでたんだ」
「あ・・・・・・あの時って、あの女の人と会ってたとき・・・・・?」
「そ。お前を驚かせたくって・・・・・あの日、彼女に相談しに行ったんだ。俺の希望はすんなり聞き入れられて、あっさり商談成立。さっさと帰ろうかとも思ったんだけど、彼女と会うのも5年ぶりで、彼女の結婚式以来だった。だんなからのプロポーズの話から、子供がどんだけかわいいかって話まで延々惚気話を聞かされて・・・・・でもそれがあんまり幸せそうで。他人のそんな話、興味なかったのに、いつの間にか聞き入ってたよ。彼女の話に・・・・自分とお前の未来を重ねて・・・・・」
「西門さん・・・・・・」
「自分が家庭を持つなんて、考えたこともなかった。親の決めた相手と結婚して、跡継ぎ作って・・・・・そんなぞっとする道を、それでも進んでいかなくちゃいけないものだと思ってた。それが運命だって・・・・・どっかで諦めてたのにな。今の俺は・・・・・・お前と、家庭を持ちたいって、本気で考え始めてる」
 牧野の瞳が、驚きに揺れる。
「急にこんな話して、お前を困らせるのは本意じゃないけど・・・・・でも、考えておいて欲しい。年が明けたら・・・・・両親に紹介したいと思ってる」
「西門さん・・・・・・あたし・・・・・・」
「これ・・・・・受けとってくれないか・・・・・?」
「あたしで・・・・・いいの・・・・・?あたし、何も・・・・・・・もってない・・・・・・・」
「何もいらない。お前がいればいい。お前がずっと傍にいてくれれば、他には何もいらない・・・・・」
 涙を溜めた牧野の顔に手を添え、挟み込むように包む。
「だから・・・・・俺の傍にいて欲しい。傍にいてくれるなら、俺がずっとお前を守る。一生・・・・お前と生きていきたい・・・・・」
 大粒の涙が零れ落ち、俺の手を濡らす。
「・・・・つくし・・・・・・」
 ゆっくりと唇を重ねる。
 涙の味のするキス。
 閉じられた牧野の瞳からまた、涙が零れ落ちた。
「・・・・愛してる・・・・・」

 ゆっくり開かれた牧野の濡れた瞳が、俺を捕らえる。
「・・・・・あたしも・・・・・・」
「・・・・・ずっと・・・・・俺の傍にいて・・・・・」
「・・・・・はい・・・・・」
 泣き濡れた顔で微笑む牧野は、まるで女神のように見えて。

 俺は、二度と話さないように、しっかりと牧野を抱きしめた・・・・・。


                            
                                   fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 何とか終わりました♪
 基本、総つくはこのくらいの長さのお話がまとまりやすいみたいです。
 今はちょっと余裕がありませんが、そのうちこのお話のR版を「Bitter&Sweet」の方にアップできればいいなあと思ってます♪

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X'mas Panic!!vol.22~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 パーティー会場となるホールへ行くと、そこでは類と、見知らぬ美少女が話をしていた。

 オリエンタルなムードを漂わせたその美少女は細見で小柄なのに、周りを圧倒するようなオーラを放っていて・・・・
 あたしはその場に固まってしまい、その美少女に眼が釘付けになってしまった。
「あれ、レイの娘だってさ」
 一緒にホールに入ってきた西門さんが言った。
「レイさんの?」
「ああ」
「じゃ・・・・・道明寺の言ってた・・・・・」
「ああ、彼女のことだよ」
 道明寺と政略結婚の話があったというのが、彼女?
 ―――ぜんっぜん、普通の子じゃないじゃん!!
「類のとこ、いかねえの?」
 西門さんが不思議そうにあたしを見る。
「だって・・・・・なんか、行きづらい」
「なあにらしくねえこと言ってんだよ。あいつがお前以外の女なんか相手にするわけないってことくらいわかってんだろうが」
 呆れたように言われたけど・・・・
 だって、なんだかこうして見てるとすごくお似合いで・・・・・
 なんだか傍に行くのも躊躇われちゃうくらい・・・・・

 そんなあたしを見ていた西門さんが、ちょっと笑うと、おもむろにあたしの手を取った。
「じゃ、俺と踊る?」
「へ?」
「せっかくのパーティーなんだし、せっかくそんなドレス着てるんだから、踊ろうぜ」
 そう言ってあたしの手を引き、ホールの中央に歩いていく。
「ええ?ちょっと、待ってよ、あたし・・・・・・」
「クリスマスパーティーだぜ。楽しまないと」
 そう言って、見事なウィンクを決める西門さん。
 あたしの腰に手を回し、ぐっと引き寄せるから、顔が至近距離まで近づいて思わず焦ってしまう。
「・・・・・顔、赤いぜ。なんだったら俺の部屋行って、さっきの続きでもする?」
「!!」
 耳元に囁かれ、顔が赤くなるのが自分でもわかる。
「な、何言ってんのよ、もう・・・・・」
 そう言って抗議しようと思ったら・・・・・・
 突然、後ろから肩を掴まれ、そのままふわりと抱きすくめられた。
「・・・・・総二郎、何してんの」
 後ろから聞こえる、不機嫌な声・・・・・。
「類?」
 いつの間に・・・・・
「なんだよ、類。せっかく牧野と踊ろうと思ってたのに」
 西門さんがわざとらしく溜息をつく。
「ダメ。牧野も・・・・なんで総二郎に連れてかれてんの」
「え・・・・・だって類、話してたから・・・・・」
「ちょっと話してただけだよ。それより、さっきから待ってたのに・・・・なんで俺のとこに来てくれないの」
「ご、ごめん・・・・・」
 すっかりふてくされてしまってる類に、謝るしかないあたし。
 ちらりと視線を動かせば、さっきの美少女が同じ年頃のブロンドの男の子と一緒に踊っているのが見えた。
「レイの娘・・・・・サラっていうんだけど、そのサラのボーイフレンドだってさ」
 と言ったのは、いつの間にかあたしたちの傍に来ていた美作さんだった。
「ボーイフレンドがいたの?」
「そういうこと。でも2人ともまだ若いし、父親としては心配だったんじゃねえの。司のことは気に入ってたし、彼女自身も司に懐いてた。だから、結婚の話を強引にでも進めてしまえばって気持ちがあったらしいな」
「へえ・・・・・美作さん、詳しいね」
「ま・・・・いろいろ情報は入ってくるもんだよ。それよりそのドレス、桜子に借りたって?あいつもすごいの持ってるな」
 美作さんがあたしの全身を眺めていう。
「う・・・・・やっぱり派手?」
「まあな。でもいいんじゃね?クリスマスだし。似合ってるし」
 そう笑顔で褒められて・・・・・つい照れてしまうあたし。
 横で類がじっと見ている視線が痛かったり・・・・・
「総二郎、行くぞ」
「へ?どこに?」
「そこであぶれてる女子2人の相手しないと、ふてくされるだろうが」
 そう言って美作さんが視線を向けたのは、ど派手な真紅のドレスに身を包んだ滋さんと、セクシーさをアピールするような大胆なカットのパープルのドレスを着た桜子だった。
「ああ・・・・あの2人も来てたんだっけか」
「お前・・・・殺されるぞ」
 
 2人が行ってしまうと、類がちらりとあたしを見て、優しい笑みを浮かべた。
「それ・・・・かわいいね」
「あ、ありがと・・・・なんかちょっと恥ずかしいんだけど・・・・・」
「何で?似合ってるよ。かわいい」
 照れもせず、そういうこと言ってくれるのがうれしいやら、照れくさいやら・・・・・
 恥ずかしくなってつい目をそらせてしまう。
「でも・・・・ちょっと不満」
「え?」
 拗ねたような声に顔を上げれば、またちょっとふてくされたような瞳。
「その格好・・・・一番はじめに見たかったのに・・・・・総二郎に、何かされなかった?」
 その言葉に、どきんとする。
「な、なにも・・・・・」
「ふーん・・・・・?」
 じーっと半目であたしを見つめる類。
 何もなかった・・・・・とは言えないんだけど・・・・でも、あんなこと、言えないし・・・・・・
「・・・・・ま、いいや。今日はクリスマスだからね、特別」
 そう言って類は小さな溜息をつくと、あたしの腰に手を回した。
「ちょっと、踊ろうか」
「・・・・珍しいね、類がそういうの」
「ん、苦手だから・・・・。でも、牧野が他の奴と踊るの見るのはいやだから」
 さりげなく嫉妬の気持ちを告げられて、戸惑ってしまう。
「・・・・・そんな風にヤキモチ妬きだって、昔は知らなかった」
「何を今更・・・・・。だって昔は、牧野は俺のものじゃなかったし・・・・」
「そりゃそうだけど」

 ―――付き合うとか、付き合わないとか、そんなことはどうでもいい。

 そう言ってた類。
 だから、類は嫉妬なんてしない人なんだと思ってた・・・・・。

 「・・・・・俺も、自分で驚いてるけど」
「え、そうなの?」
「うん。牧野と付き合い始めてから・・・・・充実もしてるけど、心配事も増えた。先のことはまだわからないし、今のことだけで精一杯だけど・・・・・その今だって、余裕なんか全然ない。毎日、きれいになってく牧野見てたら、心配でしょうがない。他の奴が傍にいるだけで、落ち着かないよ。呆れるかもしれないけど・・・・どっかに閉じ込めて、1人占めしたくなる」
 熱っぽい瞳で、そんなことを言うから。
 何にも言えなくなってしまう。
「どこにも行かないで。ずっと俺の傍にいて欲しい」
「・・・・いるよ、ちゃんと。あたしの居場所は、類の隣だもん」
「ん・・・・・でも、総二郎やあきらのことも、好きでしょ」
「え・・・・・」
「友達として、っていうだけじゃなく・・・・・男として、見てるでしょ?恋人じゃないけど、それに近い位置・・・・・それをどう言ったらいいかわからないけど、そのくらい、牧野にとっては大事な存在になってるんじゃない?」
 穏やかに・・・・・まるであたしの心の中なんて全て見透かしてるみたいな瞳で、真っ直ぐに見つめられて・・・・・ここで意地を張っても、意味がない気がしてきてしまう。
「うん・・・・・・あたしにも、よくわからない。すごく、大事だよ。2人とも・・・・・。なんて言ったらいいのかわからないけど・・・・・欲張りで、わがままな感情だって思うけど・・・・・でも、大事なの。もう、切り離すことが出来ないくらい・・・・・・道明寺を想ってた時とも、類を想ってる気持ちとも違うものなの。いつかは、あの2人だってあたしから離れていってしまうってわかってるけど・・・・・今はそんなこと、考えたくないくらい、あの2人のこと・・・・・」
 そこまで言ったとき、ふいに類の指がすっと伸びてきて、あたしの唇に押し当てられた。
「その先は、今は言わないで」
 そして、その手をあたしの頬に添え、ゆっくりと顔を近づけて、唇を重ねた・・・・・。

 いつの間にかホールの端っこにいたあたしたちは、海のような深い青のカーテンの陰に隠れて、長い口付けを交わした・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 やっぱりつくしにめろめろなF4っていうお話がすきで・・・・・
 つくし以外の女の子とのCPは書けないかも(^^;)

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Blue Christmas vol.4~花より男子・総つく~

Category : Blue Christmas(完結) ~花より男子・総つく~
 -soujirou-

 ここが公道だということも、人通りの多い日中だということも、どうでも良かった。

 とにかくこの腕の中に捕まえて、どこにも逃げられないようにしたかった。

 甘い唇を堪能し、舌を絡め熱い口づけを続ける。

 暫くすると、さすがに苦しくなったのか牧野が俺の腕に中でばたばたと暴れだしたので、仕方なく開放してやる・・・・・・と、

 「な・・・・・!何するのよ!」
 ぜーはーと、息を切らし顔を真っ赤にして怒る牧野。
「何って、わかんなかったのかよ。んじゃ、もう1回・・・・・」
 そう言ってもう1度顔を近づけようとすると、慌てて俺から離れる牧野。
「や!いい!だめ!ってか・・・・・何考えてんの?」
「お前こそ、何してんだよ」
「あ、あたしは・・・・・」
 途端にぎくりとして後ずさる牧野。
 逃がしてたまるか。
 俺は1歩踏み出し、牧野の腕を掴んだ。
「お気に入りのワンピースに、類からもらったコート。普段は滅多にしないようなかわいいメイクまでしちゃって、俺以外の男と会って。ずいぶん気合入ってるよな」
「だ、だって、美作さんが、おしゃれして来いって言うから・・・・・」
「・・・・・あきらがね。で、何回会った?あきらと」
 俺の言葉に、牧野はちょっと首を傾げた。
「会ってないよ、今日初めて。先週・・・・美作さんが帰ってきたときに電話があったの。そのときに今日のこと約束して、それ以来電話もしてないし会ってもない」
「・・・・・・あの、夜中の12時過ぎに話中だったときか」
「・・・・・うん」
「あの次の日の朝、俺、お前に会いに行ったよな。あん時お前は、もうあきらと約束してた。だから、俺の誘いを断ったわけだ」
 牧野が気まずそうに俯く。
「・・・・・・ごめん、なさい・・・・・」
「俺のこと、信じられなかった?」
「・・・・・そうじゃないけど・・・・・」
「けど?」
「・・・・・あたしじゃ、いけないような気がしたの」
「いけないって、何が?」
「・・・・・あの喫茶店で、西門さんとあの女の人が2人でいるの見て・・・・すごくお似合いだと思った。映画のワンシーンでも見てるみたいで、何も声かけられなくなっちゃうくらい、絵になってた。それで・・・・思ったの。西門さんの隣にいていいのは、あたしなんかじゃなくって、あの人みたいにきれいな人なんじゃないかなって」
「なんだよ、それ」
「だって、あたしとじゃ全然絵になんないじゃん。どうしたってつりあわないもん」
 投げつけられた言葉に、俺は思いっきり溜め息をついた。
「馬鹿か、お前は」
「な!ひ、ひど!そりゃあたしは馬鹿だけど・・・・・」
「じゃなくて」
 と言って、俺は牧野のおでこを指でピンと弾いた。
「いたっ!何すんのよ!」
「あのな、俺が外見でお前を選んだとでも思ってんのかよ?んなわけねえだろ?そんなこともわかんねえのかよ」
「そ、そりゃそうだけど・・・・・」
「つりあうとか、つりあわないとか、そんな外見的なことはどうでもいいんだよ!俺にとっては相手はお前じゃなきゃ意味がねえんだよ。周りにどう見えようが、知ったことか。俺にはお前しかいないって、何度言ったらわかるんだよ」
 人差し指を牧野に向かって突き立てながら、真っ直ぐに目を見て言い切ってやると、牧野の顔に徐々に赤みが差し・・・・その大きな瞳が、揺れた。
「西門さん・・・・・」
「・・・・・お前が不安になる気持ちが、わかんねえわけじゃねえよ。お前と付き合う前の俺は、確かに褒められた付き合い方してねえし。そのことでなじられても仕方ねえって思ってる。でも・・・・・それでも俺は、お前にだけは信じて欲しいと思ってる」
「あたしに、だけ?」
「ああ。お前にだけは・・・・・・他の、誰に信じてもらえなくても良い。お前さえ、信じてくれれば。俺が惚れてるのは、お前だけ。お前以外の女は、どうでもいい」
 その言葉に、牧野の瞳から、涙が零れ落ちた。
「大体・・・・不安に思う気持ちは俺だって同じだってのに」
「へ・・・・・西門さんが?何で?」
 きょとんと首を傾げる牧野。
 ほんっとにこいつは何にもわかってない。
 俺はまた盛大な溜息をついた。
「お前ね・・・・・・この1週間、俺がどれほど気を揉んでたか・・・・・」
「・・・・・・あたしが、今日のこと断ったから?」
「っていうより・・・・・その理由で俺に嘘をついただろうが。お前の嘘はすぐにわかる・・・・・けど、嘘をついてまで俺に会いたくないのかと思ったら、ショックだった」
「あ・・・・・・・」
「それに・・・・・考えたかなかったけど、どうしても他の男が関係してるんじゃないかって気がして仕方なかった。で、後を着けてみれば案の定・・・・・まさか、相手があきらだとは思わなかったけどな。あいつにはやられた」
「美作さんのことは・・・・・怒らないでよね、あたしのこと心配してくれたんだし・・・・・」
「それがむかつくっての」


 -tsukushi-
 半目で不機嫌にあたしを見る西門さん。
 さっきからずっと・・・・・・・
 もちろん、こうなったのはあたしが原因だって分かってるけど・・・・・
「言っただろ?たとえ相手があきらでも・・・・・他の男にお前は渡さねえって」
 そう言って西門さんはあたしにまた一歩近づくと、あたしを見つめながら言った。
「たとえ俺を嵌めるための演技だとしたって、お前に触れたり、キスしたりするのを見て、俺がなんとも思わないと思ってた?」
「え・・・・・」
「こんなかわいいかっこして・・・・俺以外の男と会うためにそんなかっこしてんのかと思ったらむかついてしょうがねえよ」
 眉間に皺を寄せて、不機嫌さ全開の西門さん。
「無防備に他の男に触れさせて・・・・・もう限界。俺がどんだけお前のこと想ってるか、思い知らせてやるよ、嫌って程な」
「あ、あの・・・・・」
 その迫力に、思わず体を引こうとしたあたしの腕を、思い切り引っ張って西門さんが歩き出す。
「うあ、ちょっと、どこ行くの!?」
「デート、しようぜ。明日はお互い仕事で会えねえんだから。今日はイブイブデート」
「イ、イブイブって・・・・・」
「今日は絶対、帰さねえからな。覚悟しとけよ」
 そう言ってちょっと振り向くと、にやりと笑う。
 その笑顔に、背中を嫌な汗が伝う。
「あ、あのでも、明日は朝早いし・・・・・」
「心配すんな、ちゃんと送ってやるよ」
「いや、でも・・・・・」
 さらにあたしが何か言おうとすると、
「嫌、なのか?」
 と言って、真っ直ぐに見つめる、切れ長の黒い瞳。
 ずるいんだから。
 そんな風に見つめられたら、嫌なんて言えなくなるよ。
「嫌、じゃ・・・・・ない、けど・・・・・」
 あたしが小さな声で答えれば、西門さんはにっこりと満足そうに微笑む。
「じゃ、問題なし。まさか、他にも約束あるなんてことねえだろうな」
 一転、疑りの目を向けて来る西門さん。
「な、ないない!そ、それに今日だって・・・・・本当は西門さんといたかったんだから。でも美作さんが、この計画は今日じゃなきゃ駄目だって言うから・・・・」
 そう白状すれば、西門さんはちょっと意外そうに目を見張り・・・・・
 次の瞬間には、ふわりと抱きしめてくれた。
「・・・・ずるい女・・・・・・そんなこと言われたら、怒れなくなる。あきらのやつはむかつくけど・・・・・今日はもう、そんなこと考えたくない。お前のことだけ考えてたいから・・・・・お前も、俺のことだけ、考えてろ」
「言われなくても・・・・・もう、あたしの中は西門さんでいっぱいだよ・・・・・」
 そう言って、西門さんの背中に手を回し・・・・・
 
 きゅっと抱きつけば、西門さんも抱きしめ返すみたいにその腕に力も込めてくる。

 そうしてあたしたちは、暫くその場で抱き合っていた。

 周りなんか見えなくなって・・・・・・そこには、あたしたち2人だけの空間があった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 これで終わりにしようかと思ったのですが・・・・・・
 ちょこっと、おまけがあります。
 近日中にアップ予定ですので、しばしお待ちを♪

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X'mas Panic!!vol.21~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -soujirou-

 「おい、まだ準備できねえのかよ?みんな待ってるぜ」
 と言ってドアを叩くと、中から桜子の声。
「あ、西門さんですか?ちょっと待ってくださいね」
 と、ほどなくドアが開いた。
 顔を出したのは滋だった。
「お待たせ!じゃ、あとは頼むね」
 そう言って、さっさと部屋を出て行こうとする。
「は?おい―――」
「ホールまでのエスコート、お願いしますね」
 滋のあとから桜子も出て来る。
 2人してにんまりといやらしい笑みを浮かべると、呆気にとられている俺を残して行ってしまった。
「なんだあれ」
 首を傾げながら部屋の中に視線を移す。
 と・・・・・
 不覚にも、その姿に見惚れてしまった俺。
「あ、西門さん、遅くなってごめんね」
 そう言って振り返ったのは、もちろん牧野。
 ベビーピンクの、ちょっと変わったデザインのドレスに身を包み、髪はアップにしてドレスと同色のサテンのリボンで飾っていた。
 ドレスのかわいらしい雰囲気に合わせたメイクもされいていて、いつになく女の子らしい姿の牧野に、言葉をなくす。
「西門さん?どうかした?」
「―――ああ、わりい、その・・・・・ドレス」
「ああ、これ、桜子に借りたの。やっぱりちょっと派手かなあ?」
「いや、そんなことねえと思うけど」
「そう?」
「ん・・・・・・すげぇ、似合ってるよ。かわいい」
「え・・・・・」


 -tsukushi-
 
 『―――かわいい』
 
 照れくさそうに呟かれた言葉に驚いて顔を上げれば、そこには耳まで真っ赤になった西門さん。
 普段見たことのない西門さんの表情に、こっちまで照れくさくなってしまう。
「あ、ありがと・・・・・・。えーと・・・・もうみんな集まってる?」
「あ、ああ。本当は類のやつが迎えにいくって言ってたんだけど、レイさんに掴まっちまって、今話してるから、俺が代りに来た」
「そうなんだ」
「・・・・・・よかったな」
「え?」
 西門さんの言葉に、あたしは顔を上げる。
「何が?」
「クリスマスプレゼント、間に合って。無事に渡せそうじゃん」
「ああ、うん。西門さんたちのおかげだよ、ありがとう」
「俺は何もしてねえよ。あきらのおかげだろ?」
「うん、でも西門さんも協力してくれたから。お茶のお稽古の時間まで使わせてもらって、漸く完成したんだもん。ほんとギリギリ・・・・・。感謝してるんだよ、これでも」
 そう言って笑って見せると、西門さんの頬がまた微かに染まる。
「―――西門さんのそんな顔、初めて見たかも」
「へ?」
「赤くなって・・・・・もしかして、照れてる?」
 くすっと笑って言うと、西門さんがちょっと慌てたようにそっぽを向いてしまう。
「バ、バーカ、そんなんじゃねえよ、これは、この部屋が暑いから・・・・・・」
 その言い方も、なんだか言い訳っぽくて、普段の余裕たっぷりな西門さんとは別人みたいで、おかしくなってしまう。
 ついにはお腹を抱えて笑い出したあたしを、西門さんが恨めしそうな顔で睨む。
「・・・・・お前、笑いすぎ」
「だって・・・・・・なんか、かわいいよ、西門さん」
 たぶん、この言葉がいけなかったんだと思う。

 突然、西門さんの腕が腰に回されたかと思うとぐいっと体を引き寄せられ・・・・・
「きゃっ?」
 驚いて顔を上げた瞬間――――
 瞳を伏せた、西門さんのきれいな顔が目の前に迫り、気付いた時には口付けられていた・・・・・。

 類とは違う、コロンの香がする。
 力強い腕にしっかりと支えられ、柔らかい唇の感触に思わず酔いそうになる。

 あたしは目を瞑るのも忘れ、目の前にある西門さんの長い睫を見つめていた・・・・・。

 暫くして、漸く唇を開放され・・・・・
 固まっているあたしを見て、西門さんがにやりと笑った。
「・・・・・クリスマスプレゼント、だと思えよ」
「・・・・・は?クリ・・・・・・・って、なにっ・・・・!?」
「お前からのな。大丈夫、類には黙っといてやるし」
 そう言ってさっさと部屋を出て行く西門さんは、やっぱりいつもの西門さんで・・・・・
「ちょ、ちょっと待ってよ!勝手なこと言わないでってば!西門さん!!」
 慌てて西門さんの後を追い、勢い余って転びそうになるのを、西門さんの腕が素早く捕えていた。
「―――っと、気をつけろって」
「ごめ・・・・って、じゃなくて!」
「ん?」
 余裕の笑みを浮かべ、あたしを見る西門さん。
「あ、あんなの、だめだよ!」
「なんで?」
「なんでって・・・・・」
「嫌だったか?」
「―――は?」
「俺にキスされて。・・・・・嫌だった?」
 からかうわけでもなく、怒るわけでもなく・・・・・真剣な顔をして聞くから、その眼差しに、胸が高鳴る。
「―――いや、じゃ・・・・ないけど・・・・・」
 思わずそう言ってしまう。
 いやとか、そういうんじゃなく、ただびっくりして。
 でも別に、嫌悪感とかはなくて。
 なんて言ったらいいんだろう、この感情を・・・・・

 いつだったか・・・・・N.Y.まで道明寺を追いかけて行ったときのことを、思い出した。
 突然類にキスされて、ただ驚いて・・・・・
 でも、ちっとも嫌じゃなかった。
 そのときの感じに、ちょっと似てるのかもしれない・・・・・・

 そんなことを、頭の片隅で考えていた・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 キリのいいところで・・・・・・・
 総ちゃんにクリスマスプレゼント♪

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Blue Christmas vol.3~花より男子・総つく~

Category : Blue Christmas(完結) ~花より男子・総つく~
 -soujirou-

 余裕の顔して微笑むあきらに、イライラする。
「あきら、何のつもりだよ?いつ日本に帰ってきた?」
 俺の言葉に、あきらは肩を竦めた。
「先週。お前、ケー番変えたの黙ってたろ。それ聞こうと思って牧野に連絡とったんだよ」
「・・・・・で、何でそれを俺に黙ってんの?今日2人で会ってんのはなんで?」
 牧野が不安そうに俺を見上げ、またあきらに視線を戻す。
 あきらが牧野の顔をちらりと見て微笑んだ。
 まるで安心しろとでも言うようなその優しい笑みに、さらに苛立つ。
「俺が誘った。牧野を・・・・・口説こうと思って」
「!!」
 その言葉に、俺は考えるより先に体が動いていた。
 車の中のあきらの胸倉を掴む。
「お前!!」
「西門さん!!やめてよ!」
「お前も、なんであきらと会ってんだよ!?」
「だからそれは!」
「俺よりもあきらを優先したってことかよ、ふざけんな!お前と付き合ってんのは誰なんだよ!」
 勢いが止まらず声を荒げると、牧野はぽかんとしたような顔をして、俺を見た。
「俺は、お前を他の男に・・・・・たとえそれがあきらでも、渡すつもりはねえからな!お前は俺のもんだ!」
「・・・・・・西門さん・・・・・」
 牧野の頬がほんのりと染まる。
 
 ほんの数秒、沈黙が訪れ・・・・・
 突然、俺に胸倉をつかまれたあきらが耐え切れなくなったように笑い出した。
「ぶっーーーーーくっくっくっ・・・・・・・」
「・・・・・あきら?」
 俺が掴んでいた手を離すと、それが合図になったかのように大笑いを始めるあきら。
 俺はわけがわからず目を丸くする。
 ―――一体なんだっていうんだ?

 ひとしきり笑った後、あきらは笑いすぎて目尻に浮かんだ涙を拭きながら、俺を見て口を開いた。
「わりいわりい、ついおかしくって・・・・・お前、ほんとに牧野に惚れてんだな」
 唐突にそんなことを言われ、俺は思わず言葉に詰まる。
 顔が熱くなって・・・・自分でも赤面しているのがわかる。
「お前のそんな顔・・・・初めて見たわ。すげ、おもしれえな」
 くすくすと笑いながら言われ、なんだかカチンと来る。
「てめえ」
「まあ落ち着けって。―――牧野、これでわかっただろ?心配することねえよ。総二郎はお前にマジで惚れてるんだから」
 そう言って牧野を見てやさしく笑う。
 俺が牧野を見ると・・・・・
 牧野は、気まずそうに顔を赤くしていた。
「・・・・・どういうことだよ?」
「らしくねえな。こんな企みに引っかかるなんて。よっぽど動揺してたってことか?おかげで俺は楽しかったけど」
 そう言った後、あきらはこれまでの経緯を俺に話してくれた。

 「・・・・そういうことか」
 全ての事情を聞いて、俺は溜息をついた。
「牧野があんまり不安がってるからさ、じゃ、試してみれば?って言ったんだよ。こうすれば絶対お前が着いて来るだろうって思ったし、牧野は嘘がつけねえ性格だからな。それにお前がそんな嘘見破れねえわけねえし」
 楽しそうに話すあきら。
 全部あきらの計画通りっていうのも気に入らなかったが・・・・・
「牧野」
 俺が牧野のほうを向き直ると、牧野は体をピクリと震わせ、俺を見た。
「な、何よ・・・・・」
「お前な、あきら頼る前にまず俺に聞けよ。ったく・・・・この1週間、俺がどういう気持ちでいたか・・・・・」
「だ、だって・・・・・」
「あん時の女の人は、お前が誤解するような人じゃねえよ。うちが昔から・・・・それこそじいちゃんの代から世話になってる宝石商の娘で、俺にとっちゃ姉貴みたいな人だ。もう結婚もしてるし子供もいる。だんなも知ってるし・・・・いい女だってのはわかっても、恋愛対象になるような人じゃない」
 俺の話に、ほっとしたような、でもまだ疑っているような複雑な表情で首を傾げる牧野。
「宝石商、ね・・・・・。こいつには仕事って言ってたんじゃねえの?」
 相変わらずあきらがニヤニヤと笑いながら横から言葉を投げかける。
 ―――ったく・・・・・今の話で、あきらには大体の察しが着いたのだろう。それでいて、わざとそういうことを聞いて来るあたり、嫌なヤローだ。
「うるせーよ、あきら。大体、お前が余計なことするから話がややこしくなってんだろ」
 俺があきらを睨みつけながら言うと、今度は牧野が俺とあきらの間に入ろうとする。
「ちょっと、止めてよそんな風に言うの。美作さんはあたしのこと心配してくれたんだよ。それに、久しぶりに会えたのに喧嘩なんて・・・・・」
「牧野、いいよ」
 あきらが、熱くなりかける牧野の手をやんわりと握る。
「だって・・・・・」
「俺は久しぶりにすげぇ楽しかったから。総二郎のそんな顔、見れただけでも日本に帰ってきた甲斐があったってもんだぜ。また何かあったら言えよ。いつでも協力するぜ?」
「うん・・・・・・・ありがと」
 頬を染めながら、照れくさそうにあきらを見る牧野が。
 その牧野の手を握ったまま、牧野の顔をじっと見つめるあきらが。
 さっきから、俺の額に青筋を作らせてる。
「おい・・・・いい加減、その手離せって」
 と俺が言えば、牧野は「え?」ときょとんとし、あきらはまたにやりと笑って俺を見ると、さらにその手をぎゅっと握り締めてやがる。
「ま、そういうな。最後のひと時くらい楽しませてくれよ」
「え?美作さんもう行っちゃうの?また海外?」
「ああ。今度はインドに1年くらい行ってる予定。久しぶりにお前らに会えてよかった。楽しかったぜ」
「美作さん・・・・・」
 牧野の顔が、寂しげな色を滲ませる。
 あきらはそんな牧野を優しい眼差しで見つめ・・・・・・
 突然握っていた牧野の手を引いたかと思うと、車から身を乗り出し、牧野の頬に素早くキスをした。
「きゃ!?」
「!あきらっ!!」
 慌てて牧野の腕を引き寄せる俺。
 あきらは牧野の手を離すと、さも満足したかのような高笑いをし、運転席に座りなおした。
「じゃあな!今度帰ってきたときはまた一緒に飲もうぜ、総二郎」
 そう言って俺に手を振り・・・・・・
 俺が何か言う前に、車を発進させていしまった。

 「―――あきら!!」
 俺は、ゆっくり走り出した車に向かって叫んだ。
「今度会ったら、一発殴らせろ!!」
 走り去りながら―――あきらが頭上で手を振っているのが見えた・・・・・

 
 「・・・・・行っちゃった・・・・・」
 ぽつんと呟いた牧野の腕をぐいっと引っ張り、俺の方へ引き寄せる。
「わ!?な、なによ急に―――っ!?」
 牧野の言葉を無視して・・・・・
 俺は、その細い腰を引き寄せ、牧野の唇を塞いだ―――



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ヤキモチネタは、書いてて楽しい~。
 最近、毎日更新ができなくなっててごめんなさい。
 明日、あさってもちょっと難しいかもです。
 たぶん「Bitter&Sweet」の方で、1話くらいアップできるとは思いますが・・・・・。
 あまり期待せず、ゆる~くお付き合いいただけると嬉しいです♪

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X'mas Panic!!vol.20~花より男子・類つく&F3~

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 -tsukushi-

 「じゃ、またあとでね」
 そう言って桜子の部屋を出ると、廊下を歩いていた美作さんとばったり会った。
「よ、桜子んとこにいたのか」
「うん、ドレス貸してもらおうと思って」
「ああ、そういやあパーティーだもんな。それよりお前、あれいつ渡すの?類に・・・・・」
「あ、持って来てくれた?」
「もちろん」
「ありがと。う~ん・・・・パーティーの後・・・・?」
 でもそのパーティーっていつ終わるんだろ?
「いつ取りに来る?時間によっちゃ俺も部屋にいないかも知んないし」
「あ、そっか・・・・・」
 こんなところに来るなんて予想もしてなかったから、困ってしまった。
「合鍵もねえしな。・・・・・お前、途中で抜けられる?」
「途中で?」
「トイレ行くとか何とか言って。類に悟られないようにしろよ。そん時俺になんか合図しろ。そしたら俺もその後を追うから」
「・・・・・うまく行くと思う?」
 なんとなく不安になって美作さんを見上げると、美作さんは優しく笑ってあたしの頭に手を置いた。
「んな顔するな。大丈夫だよ、この日のためにがんばってたんだろ?」
「ん・・・・・あのさ」
「ん?」
「えっと・・・・・いつも、ありがとう」
 あたしがお礼を言うと、美作さんが目を見開き、その頬が僅かに染まった。
「じゃ、じゃあね!あとで!」
 照れくさくなったあたしはそれだけ言うと、廊下を駆け出した。
 その後、美作さんがどんな顔をしてたかなんて知る由もなく・・・・・


 -akira-
 ―――参った・・・・

 あんなふうに、上目遣いのかわいい顔で、かわいいこと言われたらどう反応していいかわからなくなる。
 きっと俺は今誰にも見せられないくらい真っ赤な顔をしてるんだろうと自分でわかった。

 あいつとの距離が縮まれば縮まるほど、今まで知らなかった牧野つくしのいろんな顔が見えてくる。
 そのたびにときめいて・・・・切なくなって・・・・・・
 まるで中学生の初恋みたいだ。
 もっと近づきたい。
 牧野のことが知りたいって、そう思わなくもないけど・・・・・
 ゆっくりで良いと思う。
 類が、牧野と司が付き合っていたときにどんな気持ちだったんだろうと思っていたけど・・・・
 なんとなくわかった気がする。
 奪いたいんじゃないんだ。
 ただ、傍にいたい。
 傍にいて、あいつの笑顔が見ていられたら、それで良いんだ。


 -rui-
 部屋のドアがすごい勢いで開いて、俺はちょっと驚いてそっちを見た。
 もちろんそれが誰だかなんて見る前からわかっていたけど。
「牧野?どうしたの、そんなに慌てて」
「あ、類・・・・・。ううん、なんでもない。ごめんね、大きな音立てて」
「・・・・・何かあった?」
 俺の言葉に、ぶんぶんと首を振る牧野。
「・・・・・・・・・・・・・・」
 俺が無言でじっと見ていると、牧野が慌てて手を振る。
「本当に何でもないの。ちょっと走ったら、その、息切れしちゃって」
「なんで走ってたの?」
「え・・・・・・・」
「牧野」
 にっこりと笑いながら手招きをする。
 牧野の顔が一瞬ひきつったのは気のせいだと思うことにする。
 おずおずと近寄って来た牧野の腕を掴み、ぐっと引き寄せる。
「わっ」
 バランスを失った牧野が倒れ込んで来るのを体で受け止め、そのまま抱きしめる。
 駆け足のように早い牧野の鼓動が俺の体にも伝わってくる。
「―――牧野」
「な、何?」
「好きだよ」
「!?」
 途端に固まる牧野。
 耳まで真っ赤になっているのがおかしくて笑っていると、今度は頬を膨らませ拗ねたような表情で見上げてくるから、かわいくて仕方ない。
「何よ?」
「いや、かわいいなと思って」
 途端にまた赤くなる牧野。
「か、かわいくなんてないし」
 照れてそっぽを向いてしまうところかがまたかわいいんだけど。
 贔屓目なんかじゃなくて。
 最近、牧野は本当にきれいになったし、その表情の一つ一つがかわいくなったと思う。
 俺と付き合い始めたから・・・・・と思いたいけど、それだけでもない。
 あきらや総二郎についていろんなことを教わり、またあの2人からの愛情も受けて・・・・本人に自覚はないんだろうけど、本当に最近は牧野を眩しく感じることが多い。
 それは、俺たち3人にとってというだけじゃなく、他の男から見てもそうなんだということを、少しは自覚してくれたらいいのにと思わなくもないが・・・・・・この超鈍感なところも牧野のいいところなんだろう。
 相変わらず照れた様子でちらりと上目遣いで俺を見上げる牧野の顎に手を添え、触れるだけの口付けを落とす。
「少し、1人占めさせて」
 そう言ってまた抱きしめる。
「・・・・・どうしたの?何か心配事でもある?」
「そうじゃないよ。ただ・・・・・こうしてたいだけ」
 なら良いけど、とか何とか、呟く牧野。
 牧野はたぶん、気付いてない。
 牧野の中で、あきらや総二郎の存在が前よりもずっと大きくなっていることに。
 
 ただの友達だった関係から、微妙に変わってきたその関係はなんと言ったらいいんだろう?
 牧野の目を見ていれば、彼女の気持ちを疑うようなことはないんだろうということは分かるし、あの2人にしても牧野のことを本当に大切に思っているから牧野の気持ちを無視するようなことはしないだろう、ということは感じていた。
 だけど、だからと言ってあいつらを100%信用できるかっていうとそんなことはなくて・・・・・
 だからこうやって、2人きりになれる時間は大切にしたいと思っていた。

 「・・・・・あったかいね・・・・・」
 俺の胸に寄りかかったまま、牧野が呟く。
「ああ、そうだね。ここ、暖房効いてるし・・・・・」
「じゃなくて・・・・類の、ここ・・・・・」
 照れたように・・・・・それでも俺の胸に頬を摺り寄せながらそんなことを言うから。
 不意打ちを食らった気分で、俺は自分の顔が赤くなっていくのを感じる。
「そういうの・・・・・反則・・・・・」
「え・・・・・・何が?」
 不思議そうに俺の顔を見上げて。
 赤くなった俺の顔を見て意外そうな顔をする。
「離せなくなっちゃうよ?」
「え・・・・・・・わっ?」
 きょとんとしている牧野の肩を押すように体重をかけ、そのままベッドに2人で倒れこむ。
「な、なに・・・・・・・」
「我慢できない」
「・・・・・って!こ、これからパーティーが!」
「まだ2時間あるよ」
「2時間しかないよ!あ、あたし1時間前には桜子のとこに行かなきゃならないし!」
「じゃ、あと1時間ね」
 そう言って牧野の首筋に唇を寄せると、途端に牧野の体がピクリと震える。
「ちょ、類、駄目だよ・・・・・」
「少しくらい遅れても大丈夫だよ。ドレス着るだけなら、10分で終わるでしょ」
「だって、メイクも・・・・・」
「急げば5分で終わるよ」
「だ、だって・・・・・・・・!!」
「もう、黙って」
 そう言って、牧野の唇を塞ぐ。
 柔らかい唇を堪能し、息苦しさに開きかけた隙間へ舌を滑り込ませる。
 深く絡ませ、長く熱いキスを続けるうちに牧野の体からは力が抜けていった。

「・・・・・愛してる・・・・・」
 耳元で囁けば、頬を染め、困ったように俺を睨むその瞳に、また煽られる。
「ずるいんだから・・・・・」
 牧野の言葉に、くすりと笑う。
 それはこっちのセリフだと、言えばまた強気な言葉が返ってきそうだから、今は言わずに再び口付けた。
 2人きりでいられるときはせめて、俺でいっぱいにしてやりたい。
 そんな俺のつまらないプライドに、気付いても気づかない振りをして。
 その瞳を、俺だけに向けて・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 一応、この後あきらと総二郎にもクリスマスプレゼントとしておいしい場面を持ってこようかなあと思案中。だけどやっぱり〆は2人のあま~いお話で終わりに出来ればいいなあと思ってます♪

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Blue Christmas vol.2~花より男子・総つく~

Category : Blue Christmas(完結) ~花より男子・総つく~
 -tsukushi-
 
 美作さんの言うとおり、23日に仕事が入ってしまったことを西門さんに告げる。
 昨日の電話のことも、23日のことも、嘘をつくことに後ろめたさを感じる。
 だけど・・・・・

 『心配するな。絶対うまくいくから』

 そう言っていた美作さんを、今は信じたい気分だった。
 西門さんを信じていないわけじゃないけれど。
 どこへ行っても女の人の注目を集めてしまう彼と一緒にいると、隣にいるのが申し訳ないような気さえしてきてしまうのだ。
 大人な西門さんと、まだまだ子供っぽいあたしとじゃやっぱりつり合わないんじゃないだろうか。
 その思いは、いまだあたしの心に燻り続けてて・・・・・
 あんなふうに大人の女の人と一緒にいるところを見てしまうと、疑心暗鬼になってしまう自分に溜息が出てしまう・・・・・。


 そして23日
 あたしは美作さんに言われたとおり、1番お気に入りのワンピースと滅多に着ることのない真っ白なコートを着て家を出た。
 メイクも、あたしにしてはがんばったんじゃないだろうかと思えるちょっと華やかなメイクで、見ていた進が『ずいぶん気合入ってんね』とからかうのでちょっと心配になって『変?』と聞くと『いや、かわいいけど』と言ってくれた。
 こうしてめいいっぱいのおしゃれをしたあたしは、なんとなく落ち着かない気分で待ち合わせの場所へ急ぐ。
 すれ違う人がみんなあたしを見て笑っているような気がして、ひたすら前だけを見て歩く。


 「こらこら、どこまで行くつもりだよ」
 突然後ろからおかしそうに言う声が聞こえ、あたしははっとして立ち止まる。
 振り向くと、そこにはメタリックなワインレッドのスポーツカーに乗った美作さんが、サングラス越しにあたしを見て微笑んでいた。
「美作さん!びっくり・・・・全然わからなかった」
「そりゃお前、わき目も振らずにあの勢いで歩いてりゃわかんねえだろ。久しぶりだな」
 そう言いながらサングラスを外す仕草はさすが、様になっていて道行く女の子たちがみんなちらちらと見ていくのがわかる。
「ふ~ん・・・・・」
 美作さんが、あたしのことをつま先から頭のてっぺんまで嘗め回すように見るから、なんだか居心地が悪い。
「な、何よ・・・・・・変?」
「いや、かわいいじゃん。ちょっと見ない間にいい女になったよな」
 改めてそう言われると照れてしまう。
「み・・・・・美作さんこそ、なんだかすごく大人っぽくなったみたい。忙しいの?」
 繊細で神経質そうな印象が強かった美作さんだけど、なんだか海外で仕事をしてきたせいかたくましくなって、男の色気が備わってきたような気がする。
「まあな。やりがいはあるけど、遊ぶ暇がなくなったのは痛いかも。だから、久しぶりの休暇にこっちに来て総二郎と遊ぼうかと思ってたんだけど・・・・・」
 そう言って美作さんはにやりと笑った。
「お前の話聞いてたら、総二郎と遊ぶより、総二郎で遊ぶ方が面白そうだと思ってさ」
「は?」
 意味がわからずあたしが首を傾げていると、美作さんが手をちょいちょいと動かし、あたしにもっと近くに来るように合図した。
 不思議に思いながらもあたしは車の近くへ寄る。
 と、突然ぐいっと美作さんがあたしの腕を引っ張り、体を引き寄せると車の窓から体を乗り出し、あたしの耳元に顔を寄せた。
 突然至近距離に美作さんのきれいな顔が近づき、思わずドキッとしてしまう。
「ちょっ・・・・・」
「しっ―――もう少しだから、このままじっとしてろ」
「え・・・・・?」
「・・・・・お前、ほんといい女になったな。さすがの俺も、この至近距離ではやばいかも」
 低く、甘い声で囁くから、どきどきが止まらなくなる。
 顔が熱い。
 あたしがどうしていいかわからないでいると、美作さんが急にくすりと笑うと、あたしの耳元に軽く音を立ててキスをした。
「ひゃ!?」
 驚いて離れようとすると、急にあたしの体は後ろに引っ張られ、そのままぽすんと誰かの胸にぶつかった。

 見上げると、そこにはむっと顔をしかめた西門さんの顔。
 いつの間にかあたしの腰に回された西門さんの腕が、あたしを後ろからぎゅっと抱きしめていた・・・・・。


 -soujirou-

 23日。
 俺は朝から牧野のアパートの家で牧野が出てくるのを待った。
 あれから結局牧野と会うことも話すことも出来なかった。
 仕事が忙しいのも本当なのだろうが、故意に俺を避けてるようなあいつの行動が、俺をますます苛立たせていた。
 
 今日、あいつが本当は休みだってことは既に確認済み。
 どうして嘘をついたのか・・・・・
 それを、俺には知る権利があると思うんだけど?

 昼近くになって、漸く牧野が部屋から出てきた。
 階段をかんかんと音を立てながら下りてくる様子を、俺はあいつに見つからないよう身を潜めながらちらりと覗き、顔を顰めた。
 あれは確か、去年の誕生日に類からプレゼントされたとか言ってた白いコート。汚れそうで、着るのがもったいないといってたやつだ・・・・・。中に着てるのは、お気に入りのワンピース。黒地に小花柄をちりばめたシフォンの柔らかなシルエットが女らしく、デートのときによく着ているやつだ。
 そしてメイクもいつもより華やかで、どう見ても仕事って感じじゃない・・・・・。

 ―――あんなおしゃれして、どこに行くつもりだ?まさか・・・・・誰か他の男と・・・・・?

 今まで考えたくなくて避けてた想像が、頭の中を駆け巡る。
 
 わき目も振らず、ひたすら歩き続ける牧野の後を着ける。
 急いでいる様子が、これから会う相手に早く会いたいと思っている牧野の心を表しているようで、胸が苦しくなる。

 ―――どこまで行くんだ?
 そんなことを考えていたとき・・・・・

 牧野が通り過ぎようとしたとき、すぐ脇の道に止まっていたスポーツカーから男が顔を出し、牧野に声をかけた。

 ―――あきら!?
 俺はその男の顔を見て、目を見開いた。
 ―――なんであきらが・・・・・
 あきらが日本に帰ってきてたなんていう話は聞いてない。
 
 2人が話している様子を、少し離れたところで見つめる。
 その内容までは聞き取れないが、牧野がちょっと照れたようにしてる様子や、あきらが牧野の全身をくまなく見つめる様子にもやもやとしたものが湧き上がる。
 
 出て行こうかどうしようか悩んでいると、突然あきらが牧野の腕を引き寄せ、窓から体を乗り出したと思ったら牧野の耳元に顔を寄せて何か囁いている。
 ―――あきらのやつ―――!
 俺は堪らず出て行き・・・・・
 真っ赤になった牧野の耳元に音を立ててキスをしたその瞬間、俺は牧野の腰に手を回して思い切り引き寄せた。

 「ひゃ!?」
 変な声を上げて驚く牧野。
 顔を上げ、俺の顔を見てびっくりしている。
 そして・・・・・
「よォ、総二郎。久しぶり」
 そう言ってあきらは、満足そうに笑ったのだった・・・・・。


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 ヤキモチを妬く総二郎は、書いてて楽しいです。
 実年齢よりもちょっと、子供っぽいかな?

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X'mas Panic!!vol.19~花より男子・類つく&F3~

Category : X'mas Panic!!(完結)~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 「どこに向かってるの?」
「さあ」
「さあって・・・・・」
 あたしはちょっと呆れて隣に座った類を見た。
 あたし達はリムジンに乗ってどこかに向かっていた。
 12月24日。クリスマスイブだ。
 本当なら今日は美作さんの家でクリスマスパーティーをする予定で、面倒くさがってた類をなんとか説得したところだったのに。
 なぜか今日になって急に美作さんから連絡があり、場所が変わったと言ってきたのだ。
 電話に出た類も詳しいことは聞いていないらしく、行き先は運転手に直接伝えてあるということだった。
 が、運転手に聞いても『口止されておりますので』と言って教えてくれない。
 どうして秘密にする必要があるのかと、あたしは首を捻るしかなかった。


 車は1時間ほど走り続け、たどり着いた先は港だった。
 そこで目にした光景に、あたしは目を見張った。
 目の前にあるのは、巨大な船だった。

 「なな、なんで?」
「・・・・・・もしかして、船上パーティーするのかな」
 と、横で類が冷静に呟く。
「せ、船上パーティー!?どういうこと!?」
「さあ。俺だって知らないよ。でも、こんな船用意できるってことは・・・・・・」
 類の表情が微妙に変わる。
 そのときだった。

 「よお、遅かったな」
 と言って甲板に顔を出したのは・・・・・
「ど、道明寺!?」
 見上げると、道明寺があたしたちを見下ろし、満足気に微笑んでいたのだった・・・・・。


 「美作さん!これどういうこと!?」
 あたしは船の中に入り、中で美作さんを見つけると早速詰め寄った。
 美作さんはあたしの反応を予想していたかのように苦笑した。
「そう怒るなって。お前らにはここへ来るまで内緒にして驚かそうって言われてたんだよ」
「・・・・・って、道明寺に?」
「そういうこと。あいつ、お前らの婚約祝いに何もしてないからって」
 どこにいたのか、いつの間にか傍に来ていた西門さんが笑いながら言った。
「婚約祝いって・・・・・・確か道明寺からはお祝いもらってたと思うけど・・・・」
「それは道明寺財閥として、だろ?そうじゃなくて友達として、道明寺個人から何かしたかったってことじゃねえの?」
 西門さんの言葉に、あたしはすぐに言葉が出てこなかった。
 ―――道明寺・・・・・

 「悪かったな、驚かせて」
 そこへ、道明寺が現れた。
「司」
「お前らにはずいぶん迷惑かけたからな。この間の侘びと、婚約祝いも兼ねて、この場所と料理を提供させてくれ―――って言っても、この船は俺んちのじゃねえけどな」
「え・・・・・じゃあ」
 誰の?と聞こうとして、後ろの扉が開く音にあたしは振り向いた。
「あ・・・・・!」
 思わず目を見開く。
 そこに立っていたのは、あの伊豆のホテルで会ったレイさんだった。
「やあ、ツクシ、ルイ。ようこそ」
 そう言ってにっこりと微笑むレイさん。
「あ、じゃあこの船・・・・・」
「ああ、これはレイの船だよ。レイのとことは、おかげで契約もうまくいったし仕事も順調だ。で、そのお礼にってこの船上パーティーを企画してもらったんだ」
「お礼って・・・・・あたしは別に何も・・・・・」
 あたしが言うと、レイさんも道明寺も、無言でにっこりと笑った。
 隣の類を見ると、類は相変わらず興味なさげにただ肩を竦めただけだった・・・・・。


 「あ、せんぱ~い、お久しぶりです!」
 甲板へ出ると、先に来ていたらしい滋さんと桜子が駆け寄ってきた。
「久しぶり。優紀たちは?」
 あたしの言葉に、桜子はにやりと笑い、顎で船の先端のほうを指し示した。
 そっちを見ると、そこには仲良く寄り添い海を眺める優紀とその彼の後姿が。
「すっかり2人の世界。さっきからあてられっぱなしですよ」
 不満気な桜子に、上機嫌な滋さんがその肩をぽんぽんと叩く。
「まあまあ、また合コンでもしようよ♪」
 相変わらずの滋さんに、あたしは苦笑する。
「ところで先輩、ドレス持って来ました?」
「へ?ドレス?」
「やっぱり持って来てないんですね」
 桜子が溜め息をつく。
「だってそんな話聞いてないよ」
 あたしが文句を言うと、桜子があたしをちらりと横目で見る。
「パーティーですよ?そのくらいの準備、当たり前じゃないですか」
 その言葉にぐっと詰る。
「ま、そんなことだろうと思って先輩に合いそうなドレス持って来ましたから」
 なんだか悔しい気もしたが、ここは桜子に頼るしかない。
「あたしも持って来たよ?」
 と、楽しそうに言う滋さん。
「いや・・・・・遠慮しとく・・・・・」
「何でえ?かわいいのにい、あかずきんちゃんとシンデレラ、どっちもあるのよ?」
「まあまあ、それはそのうち花沢さんに売りつけてみたらどうですか?コスプレプレイとか、有りかも」
「ちょっと桜子!変なこと言わないでよ!」
「あ、それおもしろいかも~」
「滋さん!」
「ほら、先輩こっち。あたしの部屋にドレス置いてありますから、選びに行きましょ」
 あたしがカッカするのにも構わず、桜子に手を引っ張っていかれる。

 「こっちの黒いのと、このべビーピンク。どっちもちょっとセクシー系で素敵でしょ?」
「げ・・・・・」
 N.Y.に行ったときにも桜子にはドレスを借りたけど・・・・・。
 あのときの黒いドレスはシンプルだけどかわいくて、つくしにも何の抵抗もなく着れた。
 だけど今日のは・・・・・
 黒いベルベット地のドレスはタイトなロングドレスだけど、チャイナドレス風に太ももから裾にかけて大きなスリットが入っていた。そして背中は大きく開いていて、とてもゴージャスでセクシーなデザインだった。
 そしてベビーピンクの方は胸元が大きく開いたデザインで、オーガンジーでふわっとさせた袖、ふわりと広がったたっぷりフレアーのスカートは前が超ミニ、後ろが足首ほどまである少し変わったデザインのドレスで、前から見るとかわいくてセクシー。後ろから見るとまるでお姫様のようなロマンティックなデザインになっていた。
「あの・・・・どっちもなんていうか、派手で・・・・着るの恥ずかしい気が・・・・・」
「なーに言ってるんですか!クリスマスですよ!?今日おしゃれしなくって、いつするんですか!」
「いや、けど・・・・・」
 桜子の迫力に押されながらも、あたしは弱々しく抵抗してみる。
「もう、花沢さんと婚約したからって女磨くのサボっちゃ駄目ですよ!これからも花沢さんに浮気されないように、ちゃ~んとこういうところでは決めておかなくちゃ!」
「わ・・・・・わかったわよ・・・・・・じゃ、そっちのピンクの、貸して」
 と、仕方なくあたしが言うと、桜子は満足そうにそのきれいな顔で微笑んだ。
「そう来なくっちゃ!メイクも任せてくださいね!」
「はは・・・・・もう好きにして・・・・・」
 夜開かれるというクリスマスパーティーを前に、早くも疲れきっているあたしだった・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 漸くここまで・・・・・
 更新遅れ気味でごめんなさい。
 ちょっといろいろ忙しくって・・・・・・
 後もう少しです!

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