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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
*このブログについての誹謗中傷・クレームなどの書き込みはおやめください。
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*万が一このブログをお読みになって不快感を感じられたとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

キャラメル・ボックス vol.17 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 良く晴れた日だった。
 協会で俺は、花嫁が現われるのを待っていた。
 漸くこの日が来た。
 ずっと・・・・・何年も前から、待っていた気がする。
 俺の隣に、牧野が来てくれるのを・・・・・

 キイ、という金属のこすれるような音が微かに聞こえ・・・・・・
 協会の扉が開くと、教会に集まっていた人々が一斉にそちらを見る。

 「つくし・・・・・・きれい」
 「見違えるな」
 
 皆が見惚れ、溜息が漏れる中、牧野は父親の腕にそっと手を添え、ゆっくりと歩いてきた。

 牧野の表情はベールの下で見えないが、父親の方は真っ赤になってとても緊張しているんだろうということが手に取るようにわかった。
 それでもしっかりと俺の傍まで歩いてくると、俺のほうを真っ直ぐに見据えた。
「類くん・・・・・・」
「お父さん・・・・・ありがとうございます」
「お礼を言うのはこっちの方です。こんなにきれいな娘の花嫁姿を見せてもらって・・・・・・本当にありがとう。これからも・・・・・2人で、幸せになってください」
「はい・・・・・・必ず・・・・・」
 牧野が顔を上げ、ベール越しに俺のほうを見つめるのがわかった。
 父親からすっと手を離し、その手を俺の腕に絡める。
 そして父親の方を見ると、微かに微笑んだ。
「パパ・・・・・ありがとう。あたし、幸せになるからね・・・・・・」
 牧野の言葉に父親は涙ぐみ、そして大きく頷くと、最前列に並んで座っていた母親と、進の隣に並んだ。

 
 牧師の、静かな言葉が協会に響く。
 厳かな雰囲気の中、誓いの言葉を紡ぎ、指輪の交換をして・・・・・
 牧野のベールをゆっくりと持ち上げた。
 涙で潤んだ瞳。
 その瞳には、俺の姿だけが映されていた。

 俺は静かに唇を重ね、誓いのキスをした。

 自然に周りから拍手が巻き起こり、牧野は恥ずかしそうに頬を染めた。
 髪が伸び、きれいにメイクもしてすごくきれいになっても、やっぱりこういうところは牧野だと思う。
 俺はちょっと笑って、牧野の髪に触れた。
「もう・・・・・牧野って呼べないね」
「うん・・・・・でも、呼んでも良いよ。類に牧野って呼ばれるの、好きだったから」
 そう言って、ふわりと微笑む。
「そうだね。たまには呼んじゃうかも。でも・・・・・やっぱりこれからはつくしって呼びたい。漸く、手に入れたから・・・・・」
「ん・・・・・」
 嬉しそうに微笑むつくしが・・・・・・
 とてもきれいだった・・・・・・。


 -tsukushi-

 「おめでとう!すごくきれい!」
 式が終わり、その後皆でこれからあたしと類が住むことになってる新居へと移動して。
 そこの中庭で、ガーデンパーティーを行っていた。
 優紀、桜子、滋さんがあたしのところへ来てくれる。
「ありがとう。なんか緊張しちゃって・・・・・。やっと気が抜けた感じだよ、今」
「あはは、つくしらしい。でも本当にきれいだよ。あたしも早くウェディングドレス着たいなあ」
 滋さんが羨ましそうに言う。
「着れるんじゃないですかあ」
 と、桜子がニヤニヤと笑いながら滋さんを見る。
「最近、日本に帰ってきた道明寺さんとしょっちゅう会ってるって話じゃないですか。知ってるんですよ」
 その言葉に、あたしも驚く。
「え、そうなの?」
「え、いや、それは・・・・・・でもまだ付き合ってるわけじゃないし・・・・・」
 そう言いながらも、滋さんの頬が赤く染まる。
「滋さん・・・・・あたし、応援してるから」
 そうあたしが言うと、滋さんはちょっと照れくさそうに、でもどこか嬉しそうに微笑んだ。
「うん。ありがと・・・・・・あたしもつくし見習って、がんばろうかなって思ってるの」

 「つくし」
 ふと見ると、久しぶりにF4全員が並んでこっちへ歩いてくるところだった。
「・・・・・・なんだか、高校時代を思い出しちゃう。懐かしい」
「だろ?俺らもそう話してたとこ」
 西門さんがにやりと笑う。
「牧野―――と、もう牧野じゃねえか。どう呼んだらいい?つくしで良いか?」
 美作さんが、ちらりと類の方を見て言うと、類がちょっと眉を顰める。
「牧野でいいよ。なんか、お前らにはつくしって呼んで欲しくない」
 類の言葉に、F3が笑う。
「んじゃ、牧野って呼ぶわ。牧野・・・・・きれいになったな」
 道明寺が、その端正な顔に柔らかな表情を浮かべる。
「道明寺・・・・・ありがとう。忙しいのに、きてくれて・・・・・・すごくがんばってるんだね」
「ああ、まあな。でも・・・・・最近は、ちょっと気持ちに余裕が出来てきた。お前には・・・・・感謝してるよ」
「道明寺・・・・・」
「幸せになれよ」
「うん」
 自然と、握手を交わす。
 そして、身を屈めるとあたしの頬に軽くキスをした。
 ちょっと驚いて・・・・・でも、類の方を見ると、仕方ないというように肩を竦めるだけで。
 それを見て、あたしもほっとした。

 その横から、西門さんがあたしの頭にぽんと手を乗せる。
「きれいになったな。見違えたぜ・・・・・」
「西門さん」
「お前がいないと、日本も静かだよ。また・・・・・戻って来いよな。いつでも、おいしいお茶立てて待っててやるから」
「うん・・・・・ありがとう」
 西門さんもまた、あたしの頬に軽くキスをする。
「幸せになれ」
 耳元に囁かれた言葉が、暖かかった。

 「やっぱり、牧野だよな」
 美作さんが、あたしを見つめてやさしく微笑む。
「何年もその呼び方だったから。きっとこの先も・・・・・・・ずっと牧野としか呼べないな。でも、牧野って呼べば、時間も戻せるような気がするよ。お前との関係は・・・・・ずっと変わらないから」
「ん・・・・・。美作さんも、忙しくなるね。たまには、会えるかな・・・・・」
 ずっとあたしを支えてくれた人。
 会えなくなってしまうのは、やっぱり寂しい。
 すると、美作さんはにっこりと笑って、
「ああ、会えるよ、すぐに。来月はこっちに仕事で来る予定だしな」
「え、ほんと!?」
「ああ。そん時はよろしくな、類」
 そう言われ、類はちょっと複雑そうに微笑んだ。
「ん・・・・・家に来るのは、俺がいるときにしてね」
 その言葉に、美作さんが笑った。
「了解。考慮するよ。牧野、苦労するな」
 そう言って、くすくす笑いながらあたしの頬にキスをする。
「幸せにな。いつでも、力になるから・・・・・」
 その声色はやっぱり優しくて。
 この人が、傍にいてくれて良かったと改めて思った。
 何度お礼を言っても足りないくらい、感謝してる。

 もう、抱えきれないほどの幸せを、この人たちからもらってる。
 その幸せをこれからも・・・・・・
 あたしからも、みんなに幸せをあげられるような人間になりたい・・・・・。

 類があたしの肩を優しく抱いてくれる。
「幸せに、なろう」
「うん・・・・・」
 顔を上げれば、そこには類の笑顔。
 あたしを一番幸せにしてくれる笑顔。
 その笑顔を見たいから・・・・・・
 あたしも、いつも微笑んでいられるように、がんばりたい・・・・・・

 自然に唇をあわせ、瞳を閉じる。
 幸せなキス。
 この温もりを、決して忘れないように・・・・・・・

 幸せになろうね・・・・・・・


                            fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 終わりです。
 結婚式の場面て、どうしても同じようなものになりがちなので・・・・・
 もうあまり、書くことはないかもしれませんが・・・・・。
 皆さんに楽しんでいただけたら私も嬉しいです。

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Fantasista vol.17~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 俺は驚く牧野の腕を掴み、自分のほうへ引き寄せた。
「ちょっ、西門さん!?」
「行くな!!」
「は!?」
 目を丸くして、俺を見上げる牧野。
 傍にいた天草が、俺の出現に驚いて呆然と突っ立っていた。
「ちょっと待って。何言ってんのよ?」
「だから、N.Y.になんか行くなって言ってんだよ」
「って言われても・・・・・もうすぐ時間なんだけど。ねえ?」
 そう言って、牧野は天草の方へ視線をやる。
 天草が苦笑して肩を竦める。
 たったそれだけのことなのに、腹が立ってしょうがない。
「どこにもやらない。俺は、この手を離すつもりはねえからな」
 掴んだ手に、力をこめる。
「ちょっと、痛い・・・・・」
 牧野が顔を顰める。
 それを見た天草が、間に入ってきた。
「おい、乱暴はやめろよ。痛がってる」
 掴んでいた手の力を少し弱め・・・・俺は天草を睨みつけた。
「あんたが何者かは知ってるけど・・・・・こいつだけは、渡せない。悪いけど、N.Y.へは行かせられない」
 その言葉に・・・・・
 なぜか2人は目を瞬かせ、顔を見合わせた。
「どういうこと?」
 牧野が首を傾げる。
「それは俺が聞きたい。こいつと一緒にN.Y.へ行くって、どういうことだよ」
 俺の言葉に牧野はますます首を捻り・・・・・・そして何か思い当たったように目を見開き、俺を見た。
「あのさ・・・・・あたしがN.Y.に行くって、美作さんに聞いたの?」
「ああ。そうだけど・・・・・」
 俺が頷くと、牧野は大きな溜息をつき天を仰いだ。
「もう、美作さんてば・・・・・」
「おい、何だよ。どういうことだ?」
 何がなんだかわからない。
 なぜか少し赤い顔で、牧野が俺を困ったように見つめる。
「つくし。もうすぐ時間だ。もう行かないと・・・・・」
 天草が、牧野に言う。
 が、牧野はちょっと考えるように俺を見つめ、それから天草の方に向き直った。
「・・・・・金さん、ごめん。あたしやっぱりいけない」
 その言葉に、天草はまるでわかってたとでも言うようにふっと笑い、肩を竦めた。
「O.K.じゃ、俺は行くよ。もし向こうに来ることがあったら、店に寄ってくれよな」
「うん。ほんとにごめん。がんばってね。あや乃さんにもよろしく」
 そう言って手を振る牧野。
 天草も笑顔で手を振り、ちらりと俺に意味有り気な視線を投げた後、搭乗口へと歩いていってしまった・・・・・。
 そのあまりにもあっさりした様子に、俺が呆気に取られていると牧野がくるりと俺の方に向き直った。
 少し呆れたような顔。
 まるで言うことを聞かない子供を見るような・・・・・・・。
「・・・・・らしくないよ」
 その言葉に、俺がむっとして
「うるせえよ、そんなことわかってる。けど俺は―――」
 と言いかけると、牧野は首を振って溜息をついた。
「そうじゃなくって。こんな手に引っかかるなんて」
「・・・・・どういう意味だよ?」
「・・・・・あのさ、どっか入らない?気が抜けたら、なんかお腹すいてきちゃった」
 そう言ってにっこりと微笑む牧野。
 何がなんだかわからないけれど・・・・・
 その笑顔がかわいかったので、素直に従うことにした。


 「―――で、俺が何に引っかかったって?」
 レストランに入り、牧野がいつものようにパスタを頼む。
 お腹が空いていたのは本当のようで、夢中で食べる牧野。
 そして5分ほどでそれを平らげたあと―――俺は漸く話を切り出すことが出来た。
「―――美作さんに話聞いたとき、おかしいと思わなかった?」
「は?」
「大体、いくら西門さんと喧嘩したからって、どうしてあたしが金さんと手に手を取ってN.Y.に行かなきゃならないのよ」
「って・・・・・だってお前、実際N.Y.に行くはずだったんじゃ・・・・・」
「そうだよ。ただし、3日間だけね」
「・・・・・3日・・・・・?」
「そ。明日が、金さんのお店のオープン初日なの。で、それに招待されたの。お寿司、好きなだけ食べていいから来ないかって。で、その後はちょっとお店のお手伝いして・・・・・帰ってくる予定だったの」
「手伝いって・・・・・・・」
「・・・・・・基本、夫婦2人でやる予定のお店だからね、現地のスタッフは雇わないんだって。でもそれじゃあきっと最初は大変でしょ?少しでも手伝えないかなって思ったの」
「ちょっと待て、夫婦って・・・・・・あいつはまだ独身だろ?そのくらい俺だって知ってるぜ」
 有名な代議士の息子だ。婚約だの結婚だのって話になってれば俺の耳にも入ってくるはずだ。
「だから、今後よ。ご両親との約束なんですって。今まで勝手やってきたからって・・・・・・最後の我侭だって言ってた。N.Y.の店を2人でやって行くことができたら、1年後にあや乃さんと結婚するって・・・・・」
「じゃ・・・・・そうか、あきらのやつ・・・・・」
 漸く気付いた。
 あきらのやつに、嵌められたってことに。
 きっと牧野にこないだの話も聞いてて、思いついたんだろう。
 あきらならではの、気の利かせ方ってところか・・・・・・
「あきらのやつ・・・・・・・」
 思いっきり溜息をつく。
 そんな俺を見て、牧野はちょっと笑って・・・・・・そして少し頬を赤らめて、口を開いた。
「でも・・・・・来てくれて、嬉しかった」
 その言葉に、俺のほうが驚く。
「は・・・・・?」
「こないだ・・・・・類の見送りに来た日。西門さん、言ってたでしょ?『あきらの留守の間、お前のこと頼まれてるしな』って。それ聞いて・・・・・ちょっとがっかりしてたの。あたしの傍にいてくれるのは、美作さんに頼まれたからなのかなって・・・・・」
 あの時の、自分のセリフを言われて思い出す。
 そういえばそんなこと言ったけど。
「そんなこと・・・・・俺の気持ちは知ってるだろ?」
「うん。でも・・・・・・本当は言うほど好きじゃないのかなって・・・・・・そう思ったら、なんだかがっかりして・・・・・自分でも意外なほど、落ち込んでたの。だから・・・・・」
 恥ずかしそうに頬を染めて話す牧野が。
 夢なんじゃないかって、思えた・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 次回最終回!
 の、予定です。
 もう少し、お付き合いくださいね♪

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キャラメル・ボックス vol.16 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 「へえ、フランスで挙式か」
 翌日、あたしと類は美作さんに結婚の報告をしようと彼の家に行った。
 そこには既に西門さんも着ていて、あたしたちの報告を待っていた。
「うん。それで・・・・・できれば2人にも来て欲しいなって」
「「もちろん」」
 異口同音に告げる2人に、ほっと胸をなでおろす。
「いいんじゃねえの。フランスだったら静も来るかもな。詳しい日付が決まったらすぐ知らせろよ」
 西門さんの言葉に、類が頷く。
「うん。一応・・・・・司にもメールしたんだけど、相変わらず忙しいみたいで、電話は繋がらなくて」
「あー、あいつはな・・・・・けど、あいつのことだから何とかしてくるんじゃねえの。あいつも・・・・・牧野の幸せを望んでるはずだから」
 美作さんが、やさしく微笑みながらあたしを見る。
 優しすぎる彼の言葉に、胸が熱くなる。
 
 結ばれることはないけれど・・・・・・
 それでもこの1年、あたしを支えてくれたのは間違いなく美作さんだ。
 いつもあたしの気持ちを優先して考えてくれていた美作さん。
 そんな彼がいつも傍にいてくれたからこそ、類とやり直すことが出来た。
 あたしの隣で、そっとあたしの手を握ってくれている類を見て。
 穏やかにあたしを見て微笑んでくれる類。
 握り合う手に、きゅっと力をこめる。

 「もう、離れんなよ」

 美作さんの言葉に、あたしと類は彼のほうを見る。
「今度離れたりしたら・・・・・そん時は俺も、容赦しないからな」
「美作さん・・・・・」
「この1年・・・・・俺にとっても本当にいい時間だったよ。お前は俺にとって、生涯忘れらんない女だよ。これから先もずっと、見守ってるから・・・・・だから、何かあったときには遠慮なく頼って来い。お前のためなら、何でもしてやる」
 力強い言葉に、あたしの目からは涙が零れた。
 どうしよう。
 どう返したらいいんだろう。
 きっと、一生かかっても返しきれないほどの気持ちをもらってる。
「・・・・・今度何かあったら、本当に返してもらえそうにない気がする・・・・・」
 ふっと類が苦笑して言った。
「怖いな・・・・・。でも、俺ももう2度と離さないから。牧野に会いたくなったらい、いつでも会いに来て。でも、絶対に譲らないから・・・・・それだけは、覚えておいてね」
 穏やかに、でも強い意思を持つ瞳でそう宣言する類を見て、美作さんと西門さんは顔を見合わせ、そして笑った。
「それは百も承知。お前だったらきっと、牧野を幸せに出来るよ。てか、お前しかいねえよな、きっと・・・。もし牧野を不幸にしたら、そん時は俺もあきらも黙ってないし」
 西門さんが柔らかい笑みを浮かべてあたしを見る。
 彼に思いを告げられて。
 西門さんもずっと、あたしを見守ってくれていたんだと知った。
 戸惑って・・・・・でも、嬉しかった。
 離れてしまっても、きっと変わらない。
「不幸になんか、しない。牧野の幸せが、俺の幸せだから。ちゃんと、約束するよ。今度こそ、離したりしない。この手を離さない。何があっても・・・・・」
 類の言葉に、2人が満足そうに微笑む。

 こうしてまた、類と一緒にいられる日が来るなんて。
 こんなふうに幸せを感じられる日が来るなんて。

 この幸せを逃しちゃいけない。
 それが、ずっとあたしたちを見守ってくれてきた人たちに出来ること。
 類の思いに応えて、しっかりと手を繋いで生きていくことが、みんなへのお礼なんだ・・・・・・・

 あたしたちはしっかりと手を握り合い、見つめあい・・・・・お互いの思いを確認したのだった・・・・・。


 翌日から類は日本での仕事をこなすべく、忙しく働き始めた。
 その間にあたしは、結婚、渡仏のための準備に追われ、ゆっくり類と話す間もなく日々が過ぎていった。
 会えないことを寂しく思う暇もないくらい、忙しい毎日。
 それでも、必ず1日に1回は電話で類の声を聞いていた。
 それだけで、安心する。
 類も、同じ気持ちでがんばっているんだと知り、嬉しくなる。

 そしてあっという間に時間は過ぎ・・・・・・
 結婚式の日取りも決まり、2人フランスへと旅立つこととなった。

 「向こうへ行っても忙しいんでしょうね。体、壊さないように気をつけてよ」
 空港で、母親が心配そうにあたしの手を握る。
「うん、大丈夫。そっちこそ、張り切りすぎて怪我なんかしないでね。式の日、間違えないでよ」
 父と母を交互に見ると、2人顔を見合わせ、苦笑した。
「そうね、気をつけないと・・・・・」
「類さん、つくしを頼みます。つくしの花嫁姿・・・・・楽しみにしてます」
 父の言葉に、類は微笑んで父の手を握った。
「はい。楽しみにしていてください」
「姉ちゃん、気をつけて」
 進が、心配そうにあたしを見る。
「うん、あんたもね。パパとママを、頼んだよ」
 あたしの言葉に頷く進。
 すっかり頼もしくなった弟。
 あたしの、ここでの役目は終わったんだと悟る。
 これからは、この人と歩いていくんだ・・・・・・・。
 あたしが類を見ると、類もあたしを見て微笑んだ。
「そろそろ、行こうか」
 類の言葉に頷く。
 少し離れたところでわいわいと話し込んでいた、旧友たちを見る。
 西門さん、美作さんに加え、今日は滋さん、桜子、優紀も見送りに来てくれていた。

「つくし、式には絶対行くからね!」
「当日、遅刻しないでくださいよね」
「つくし、おめでとう。良かったね」
 それぞれに笑顔で見送られ・・・・・あたしも、めいいっぱいの笑顔を返した。
「ありがとう。結婚式、あたしもみんなに会えるの楽しみにしてるから・・・・・」
「今度こそ、幸せになってよね。司のためにも・・・・・」
「滋さん・・・・」
「大丈夫ですよ。今の先輩、とっても幸せそうですもの」
「うん、ほんと。その幸せを、逃さないようにね」
「桜子、優紀、ありがとう」
 美作さん、西門さんと話している類のほうを見ると、類もあたしの方を見たところだった。
 お互い、笑顔で頷き合う。


 「いってらっしゃい」
 「気をつけてね」
 「また、向こうで」
 笑顔で手を振ってくれる彼らに手を振り返し、あたしたちは手を繋いで飛行機に乗り込んだのだった。
 2人での、新しい生活を始めるために・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 漸く、次回で終わりです。
 結婚式までやる予定ではなかったので、思いの他長くなってしまいました。
 お話が完結しましたら、またサイトのほうにUP予定ですので、よろしかったらご覧くださいませ♪

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Fantasista vol.16~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 『つくし』

 あいつは牧野のことをそう呼んだ。
 まずそこからして気に入らなかった。
 なんであの男が牧野を名前で呼ぶんだよ?

 ムカムカしながら入ったレストランで食事をしていると、牧野がきょとんとした表情で俺を見た。
「そんなにお腹空いてたの?」
 見当違いの言葉に、脱力する。
「お前な・・・・・」
「違うの?さっきからなんか不機嫌だよね。あたし、何かしたっけ?」
「・・・・・別に」
「じゃ、なんで?わけわかんないよ」
 牧野がムッと顔をしかめる。
「・・・・・あいつ、天草って。随分馴れ馴れしいんだな」
「金さん?そう?もうずっと・・・・・7年くらい会ってなかったけど、江戸っ子って感じですごく気持ちのいい人なんだよ」
 楽しそうに昔を思い出すようにしながら話す牧野。
 他の男のことを楽しそうに話すその様子が気に入らなくて、ついついイライラしてしまう。
「へえ~。よく知ってるんだな、あの男のこと。昔、何かあったんじゃねえの」
 その言葉に、牧野の表情が強張る。
「なにそれ。どういう意味?」
「言葉通りの意味だよ。司と付き合う前の話だし?どうでもいいけど。お前が誰と付き合おうが勝手だからな」
「・・・・・なんでそんな意地悪な言い方するの?」
「思ったことを言っただけだろ。お前のこと名前で呼んだり、あんな人前で告白するくらいなんだからよっぽど好きだったってことだろ。お前もまんざらじゃなかったみてえだし、なんかあったっておかしくねえだろ」
 その言葉に切れたのか、牧野がガタンと音を立てて立ち上がった。
 険しい顔で俺を睨みつける。
「・・・・・最低。そんなこと言う人だと思わなかった」
「お前こそ、俺のことどんなやつだと思ってるの。勝手なイメージ押し付けんなよ」
 じろりと睨みつければ、牧野の顔色はさっと青くなり・・・・・
「・・・・わかった。もういい」
 そう言うと、椅子に置いてあったバッグを手に取り、席を立った。
「おい」
「帰る」
 そう一言言うと、牧野はバッグから財布を出し、中から千円札を2枚取り出すとテーブルの上に置き、そのまま身を翻し、声をかける間もなく店を出て行ってしまった・・・・・。

 「ったく・・・・・」
 持っていたフォークをカチャンとそこに置き、溜め息をつく。

 ―――何やってんだよ、俺は。ガキかよ・・・・・


 あれから1週間。
 牧野のやつは電話にも出ないし、メールにも返信してこないという徹底ぶりだ。
 あの場合、悪いのは明らかに俺だ。
 だから、俺の方から謝ろうと思っていたのに。
 こういう時に限って仕事が忙しく、直接会いに行くことも出来ないでいた。


 そして1週間後。
 漸く仕事も落ち着き、時間に余裕も出来たので牧野に電話をしてみれば、やはりあいつは出ない。
 こうなったら直接会いに行くしかないと、身を起こした時―――

 携帯の着信音が鳴り響いた。

 一瞬牧野かと思って慌てて携帯を見てみると、液晶画面には『あきら』の文字。
「・・・・・もしもし」
 なんとなく気が抜けて、それでも出てみると、あきらの怒ったような声が耳に飛び込んできた。
『お前、何やってんだよ』
「は?なんだよ急に」
『牧野だよ。お前、あいつに何した?』
「何って・・・・・・なんだよ。牧野から聞いてんじゃねえの」
 牧野が、あの時のことをあきらに言ったんだろう。
 そう思った。
『ああ?しらねえよ。けど、あいつのとんでもねえ行動は、お前のせいなんじゃねえの?』
「とんでもねえ行動って・・・・なんだよ、それ?」
『あいつ、N.Y.に行くって』
「は!?N.Y.!?」
 一体なんで・・・・・
『あいつ、あの・・・・・何てったっけ?高校の時スキャンダル起こした、天草とかいう代議士の息子。あいつと一緒にN.Y.に行くって・・・・・・どうなってんだよ?おい、総二郎、聞いてんのか?』
「・・・・・・悪い、切る」
 俺は携帯を切ると、そのまま家を飛び出した。

 N.Y.!?
 あの男と!?
 どうなってるのかなんて、聞きたいのは俺のほうだ。
 冗談じゃない。
 せっかく類とのことも決着がついて、これからだって時に・・・・・・!

 
 車を飛ばし、空港へ急ぐ。
 2時間後のN.Y.行きの便。
 天草と牧野は、それに乗ることになっていた。

 車を飛ばしながら、それを調べて・・・・・
 本当に牧野がN.Y.に行くつもりだとわかって、俺は青くなった。

 行くな。
 ハンドルを握る手に力がこもる。
 行かせて、たまるか。
 俺が初めて本気で惚れた女だ。
 そう簡単に、他の男になんか渡してたまるかよ・・・・・。

 空港に着き、搭乗口へ向かう人の波の中、牧野の姿を探す。

 少し先に、ひときわ目立つ背の高い男の後姿。
 あいつだ。

 「牧野!!」
 驚いて振り向く牧野。
 俺は、牧野目指して全力で走り出していた・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 がんばれ総二郎!

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キャラメル・ボックス vol.15 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 「「結婚!?」」
 あたしの家で。
 類と2人、挨拶に来て・・・・・
 『結婚』という言葉を出した途端に瞳を輝かせるこの反応。
 嬉喜とした予想通りのその表情に気が抜ける。
「まああ!それは素晴らしいわ!もちろん反対なんかしませんよ、ねえあなた!」
「そ、そうだねえ」
「あの、それで・・・・・」
 類が、珍しく言いづらそうに口ごもる。
「はい?」
「僕の仕事の都合なんですが、来月にはまたフランスに行かなくてはいけなくて・・・・・」
「はぁ。じゃあ、式は帰って来てから・・・・・?」
「いえ、その・・・・・いつこっちに戻れるか分からないんです。だから・・・・・」
「はあ・・・・・」
 類が何を言いたいのか理解できず、首を傾げる母親。
「出来れば、つくしさんを一緒に連れて行きたいと思ってます」
「まあ、それは・・・・・」
「でも、さっきも言った通り、今度いつ日本に帰って来れるか分からないので、結婚式は向こうで挙げたいと思ってるんです」
 類の言葉に、両親が顔を見合わせる。
「それで、もし良ければ、親族の方達を招待したいと思ってるんですけど・・・・・どうですか?」
「ど、どうですかってそりゃあ、私たちはつくしの為ならどこへだって行きますけども」
「でも、いいんですか?そこまでしてもらって・・・・・」
 父の言葉に、類は笑顔で頷いた。
「もちろん。僕の両親もそうしたいと言ってるし―――何より僕が、早く彼女と結婚したいんです」
 穏やかな類の笑みに、あたしの両親も顔を見合わせ、頷いた。
「花沢さんがそう言ってくださるなら」
「私たちは喜んで」
 その言葉に、あたし達も顔を見合わせ微笑みあった。
「パパ、ママ、ありがとう」
「幸せになるのよ、つくし」
「必ず、幸せにします」
 しっかりとそう宣言した類を、父は頼もしそうに見ていた・・・・・。


 「良かった、反対されなくて」
 家の外まで類を見送りにでて。
 ほっと溜め息をつきながらそう言う類に、あたしは驚いた。
「反対されると思ってたの?」
「そういうわけでもないけど・・・・・。もしかしたらって思わなくもなかったし。すごい緊張した」
「類が?」
 あたしの言葉に苦笑する類。
「俺だって緊張くらいするよ。せっかくここまで来たのに、牧野の親に反対されたら、またふりだしだろ?それで諦めるつもりはないけど・・・・・また会えなくなったらどうしようって思ったよ」
 あたしは何も言えず、類の顔を見つめた。

 類が、どれだけあたしのことを思ってくれているかってことを思いしらされる。
 この人を、大事にしたい。
 あたしがこの人を、幸せにしたい・・・・・

 あたしは、黙って類の胸に身を預けた。
「牧野・・・・・?」
「幸せに、なろうね。2人で・・・・・」
 あたしの言葉に、類はちょっと目を見開き・・・・・
 それから、柔らかい笑みを浮かべた。
「うん。必ず、ね」
 そっと抱きしめられる。
 その暖かさに幸せを噛み締めながら・・・・・
 いろんな人への感謝の気持ちを感じていたあたしだった・・・・・。


 「フランスって、季節はどうなの?寒いの?暑いの?」
「いや・・・・・まだ式の日取りも決まってないからなんとも・・・・・」
 類を見送り、家に戻ったあたしを待っていたのは母親の質問攻めだった。
「日帰りってことはないわよね。服は何枚持っていけばいいの?」
「てか・・・・・その前にパスポート作らなきゃ」
「そうよね~。仕事もその日はお休みしなくちゃね。わくわくしちゃうわね~」
 まるで子供のように瞳を輝かせる母に、あたしは苦笑するしかなかった。
「つくし」
 父の声に、あたしは振り返った。
「なに?」
「ちょっとそこまで、付き合ってくれないか?」
「良いけど・・・・・」
 鼻歌なんか歌いながら上機嫌にテレビを見ている母にチラリと視線をやって、父と一緒に家を出た。


 「よかったな」
 父と2人、外をぶらぶらと歩きながら、父が微笑んで言った。
「類くんと結婚が決まって・・・・・・これほどうれしいことはないよ」
「パパ・・・・・」
「これでも、ずっと心配してたんだ。去年、類くんと別れてしまってから・・・・・ずっと元気がなかったからね。それで・・・・・美作さんとは?」
「うん・・・・・ちゃんと別れたよ。でも・・・・・美作さんとはずっと友達。大切な、人なの」
「そうか・・・・・・。パパは、お前が幸せならそれでいい。いつも、望むのは家族の幸せだよ。類くんならきっと、お前を幸せにしてくれる。だからお前も、類くんを信じて、着いて行きなさい。疑ったり、隠し事をするのは・・・・・お互いを、不幸にすることになるからね」
「うん・・・・・・。わかってる。ありがとうパパ。それから・・・・・いつも心配させてごめんね・・・・・」
 あたしは、隣を歩くパパの手を握った。
 パパも、あたしの手を握り返してくる。
 2人で、手をつないで歩く・・・・・・・。
 パパと手をつないで歩くのは、たぶん子供のとき以来。
 子供のころは、とっても大きく感じたパパの手。
 今もやっぱりあたしの手よりは大きいけれど・・・・・
 それよりも、パパの手はこんなに暖かかったんだと実感して、胸が熱くなった。
 涙が溢れてきて・・・・・握る手に、力をこめた。

 「パパ・・・・・あたしをずっと見守ってくれてありがとう・・・・・」

 パパは無言で・・・・・ただ、あたしの手をそっと、握り返してくれた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 つくしの両親手、結構難しいかも・・・・・
 なんて思ってしまいました。
 ほのぼの~としたパパさん、うまく書けてればいいんですけども・・・・

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ルージュ vol.2 ~花より男子・あきつく~

Category : ルージュ(完結) ~花より男子・あきつく~
 「・・・・・お前、もしかして妬いてんの?」
 あきらの言葉に、つくしの頬が赤く染まった。
「べべべ別に!」
 思わずどもってしまったつくしに、あきらが吹き出す。
「わかりやすいなあ、お前は」
 そんなあきらをむっとした顔で睨みつけるつくし。
「何よ、馬鹿にして」
 ぷいっと横を向くつくしを見て、あきらは目を細めた。
「馬鹿だな」
「だから、そんなことわかって―――!」
 カッとなって怒鳴ろうとして―――
 あきらの優しい眼差しに会い、ハッとする。
「俺は、嬉しいのに」
「え・・・・・」
 言われた言葉に戸惑う。
「お前が、それだけ俺のこと思ってくれてるってことだろ?」
「それは・・・・・」
「あんなの、気にすることねえよ。単なる雑誌の撮影なんだから」
「・・・・・わかってる。でも、すごく似合ってた。やっぱり、美作さんにはああいうきれいな人とか、桜子みたいにかわいい子の方が似合うのかなって・・・・・」
 イジケ気味に呟くつくしを相変わらず嬉しそうに見つめるあきら。
「お前は、かわいいよ」
 あきらの言葉に、つくしは真っ赤になる。
「い、いいよ、そんなお世辞・・・・・あたしだって自分のことくらいわかってるもん」
「わかってねえよ。お前は」
 あきらの目は、真剣だった。
「そうやってやきもち妬いたり、俺のこと考えてくれるところが、かわいいって言ってんの」
「え・・・・・」
「あんなモデルなんかより、もちろん桜子よりも・・・・・俺にとってはお前が、最高にかわいい女だよ」

 まっすぐにつくしを見つめるあきらの眼差しが。
 あまりに優しくて、つくしは何も言えなくなってしまった。

 「あ、そうだ。撮影で思い出した。これ・・・・・」
 そう言って、あきらはジャケットのポケットの中から、小さな袋を取り出した。
「お前に似合いそうだったから、買って来た。やるよ」
 差し出されたその袋を受け取るつくし。
「何・・・・・?」
「開けてみろよ」
「うん・・・・・」
 ピンクのかわいらしいその袋をそっと開けてみる。
 中を覗き込んだつくしの瞳が大きく見開かれる。
「口紅・・・・・?」
 中に入っていたのは、銀色の口紅だった。
「その撮影の時、メイクのやつが持ってたんだ。そんときのモデルには似合わないからって使われなかったんだけど・・・・・ちらっと見て、お前に似合いそうだなって思ったんだ」
 袋の中からそれを取り出し、キャップを開けてみる。
 つくしの目に飛び込んで来たのは、今日見た桜草のような、可憐なピンクの口紅だった・・・・・
「かわいい・・・・・けど・・・・・あたしに、似合う?」
 首を傾げるつくしに、あきらは優しく笑った。
「ああ。そう思ったから買って来たんだ。今つけてみれば」
 言われて、戸惑った。かわいいピンク色。とても好きな色だけど、女の子らしい印象のその色は、自分には似合わないような気がしていたのだ・・・・・。
 じっと口紅を見つめていたつくしを不思議そうに見ていたあきらが、ふいにつくしの手から口紅を取った。
「つけてやるよ」
「え」
「ほら、こっち向け」
 あきらの繊細な手が、つくしの顎を捉える。
 間近に迫ったあきらの顔に、どきんと胸が高鳴る。
 あきらの手に握られた口紅が、ゆっくりつくしの唇を滑っていく。

 「・・・・・やっぱり、似合う。ほら」
 そう言って、窓の方へ向けられる顔。
 ガラス窓に写ったつくしの姿。
 唇に乗せられた可憐なピンクは、意外なほどつくしに似合っていた。
 普段よりも女の子らしく見える自分の姿に、つくしの頬が微かに染まる。
「どうよ?俺の目に狂いはねえだろ」
 得意気に見つめるあきら。
「あ・・・・ありがとう。こんな色・・・・・自分で選んだことなかった」
「だろ?いつも思ってたんだ。いつもしてる、地味めな口紅よりも絶対こっちの方が似合うって。あ、けど・・・・・」
「けど?」
 何か言いたげにつくしをじっと見つめるあきら。
 その視線に、つくしの心臓は落ち着かなくなる。
「それは、俺と会うとき限定にしろよ。少なくとも、合コンに行くときにはつけていくな」
 不機嫌に吐き出された言葉に、つくしはきょとんとする。
「ってか、合コンなんて行くなよ。何で俺っていう彼氏がいんのにそんなものに行くんだよ」
 溜息とともに言われ、つくしは目を見開く。
 
 ―――それって、もしかして・・・・・

 「それ・・・・・ヤキモチ・・・・・?」
 つくしの言葉に、あきらの頬が微かに染まった。
「悪いか・・・・・・ってか、今頃気付いたのかよ」
「だって、美作さんがヤキモチなんて・・・・・」
「あのな・・・・・俺だって嫉妬位する。お前、無防備だし・・・・・。心配しすぎで疲れるっつーの」
「あ・・・・・けど、別にあたしが合コン行っても・・・・・・」
 誰も寄って来ないし。
 そう続けようとして、あきらの強い視線に言葉を切る。
「んなことねえよ。お前は、自分のことわかってねえだけだ。俺が・・・・・惚れた女なんだぜ?いい女に決まってんだろ?」
 あきらの言葉に真っ赤になる。
「美作さん・・・・・」
「・・・・・誰にも、渡したくねえよ」
 すっと伸びてきた手に顎を捕らえられ、軽く口付けされる。
 呆気にとられてるつくしを見つめる、柔らかい眼差し。
 店内にいた女の子たちの、黄色い声が聞こえる。
 だけど、あきらにはそんなものは聞こえていないようで・・・・・・
「く、口紅、ついちゃってるよ・・・・・」
 あきらの唇に、ほんのりとピンク色が乗せられ、どこか色っぽかった。
「ん・・・・・。また、つけてやるよ・・・・・あとでな・・・・・」
 そうしてまた、重ねられる唇。

 何度も、何度も・・・・・・

 とれてしまった口紅は、またあきらの手によってつけられる・・・・・・

 あきらと会うとき限定の色。

 柔らかいキスに酔いながら・・・・・・・

 この口紅つけてたら、こうしてずっとキスしてくれるのかな・・・・・・・

 そんなふうに思っているつくしだった・・・・・



                           fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 終わりです~。
 F4の中ではちょっと地味めなあきらですが・・・・・・
 こういう地味キャラ、わたしは好きです。
 これからもチョコチョコ書いていけたらと思ってます♪

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Fantasista vol.15~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 類がフランスへ経つ日。
 俺と牧野は、類を見送りに空港へ来ていた。
 
 「牧野、元気で。会えて良かったよ」
「うん、あたしも・・・・・。ありがとう、類。あたし・・・・・」
 牧野の瞳に、涙が光っていた。
 その涙を指先で拾い、愛しそうに牧野を見つめる類。
 2人の間の、2人にしかわからない空気が流れているようだった。

 思わず目を逸らす。
 わかってはいても、笑って見ていられるほど俺も大人になりきれていないようだった。

 「・・・・・総二郎」
 類が、俺のほうを見る。
「牧野を、頼むよ」
「・・・・・わかってる」
 牧野は、黙って俺たちを見ていた。
「また、帰って来るよ。今度はいつになるかわからないけど・・・・・できれば今度はあきらとも会いたいな。あきらに、よろしく」
「ああ、言っとくよ。けど、できればお前からも連絡してやれよ。あいつ、心配してたから」
「ん。そうする。じゃ・・・・・俺、もう行くよ」
 そう言って類は足元に置いていた荷物を持った。
「類、あの・・・・・気をつけてね」
 牧野が心配そうに言う。
「ありがとう。牧野・・・・・」
「え?」
「・・・・・幸せにね」
 その言葉に、牧野の瞳からまた、涙が流れた。
「俺は、ずっと牧野の味方。それを、忘れないで。何かあったら・・・・いつでも力になるから」
「ん・・・・・」
「・・・・・辛いことがあったら電話して。総二郎と喧嘩したときとか・・・・・愚痴ならいくらでも聞くから」
 そう言ってにやりと笑い、俺を見る。
「おい、類・・・・・」
「ん。そうする」
「牧野、お前なあ」
 俺の顔が引き攣るのを見て、類がおかしそうにくすくす笑う。
「・・・・・じゃ、本当にもう行くよ。バイバイ」
 そう言って手を振ると、類は俺たちに背を向けて歩き出した。

 牧野を見ると、目に涙を溜めながらも、すっきりとした表情で類の後姿を見送っていた。
「・・・・・牧野。大丈夫か?」
 俺の言葉に、涙を袖で拭うとにっこりと微笑んだ。
「大丈夫!もう・・・・辛くないよ」
 牧野の笑顔にほっとして、俺も微笑んだ。
「なら、良かった。なんてってもあきらの留守に間、お前のこと頼まれてるしな。俺がお前を泣かせたなんてことになったらあきらに殴られそうだし」
 そう言って笑うと、牧野はちょっと首を傾げ、じっと俺の顔を見た。
「な、なんだよ?」
 あんまりじっと見るから、落ち着かなくなる。
「・・・・・ううん、別に・・・・・」
 そう言って目を逸らす牧野。

 ―――なんだ?急に・・・・・。

 「おい、何だよ。俺がなんかしたか?」
「だから、なんでもないってば、別に―――」

 「つくし?」

 突然聞こえてきた声に、俺と牧野は驚いてそっちを見た。
「やっぱりつくし!久しぶりだなあ」
 そう言って人懐っこい笑顔を見せた背の高いその男は、どこかで見たことがあるようで・・・・・
「金さん!!」
 牧野が目を見開く。

 ―――金さん?
 その妙な呼び方に、なんとなく思い出す。

 ―――確かあれは、まだ高校生のころ・・・・・

 まだ牧野が司とも付き合っていないころのことだ。
 マスコミが大騒ぎした、大スキャンダル。その中心にいたのが、牧野と・・・・・・
 天草清之介
 代議士の息子だ・・・・・・。

 「わ、本当に金さんだ。すっごい久しぶり!」
 牧野が天草の方へ駆け寄る。
 その嬉しそうな表情に、思わずむっと顔を顰める。
「元気だった?ってか、なんでここに?誰かの見送り?」
「いや、N.Y.から帰ってきたとこなんだ。実は向こうに店出すことになってさ」
「ええ!すごい!」
「来週オープンなんだけど、ちょっと用事があって少しだけ帰国した」
「へえ~、忙しそうだね」
「まあな。つくしも向こうへ行くことあったら、店に遊びに来てくれよ」
 天草の言葉に、牧野が嬉しそうに目を輝かせる。
「もちろん!絶対行く!」
「サンキュー。じゃあな。また連絡する」
 そう言って天草は駐車場の方へと歩き出す。
 牧野に手を振りながら、ちらりと俺を見て軽く会釈をしていくあたりの気遣いは、さすがに代議士の息子というところか。

 天草に向かってぶんぶんと大きく手を振る牧野。
 俺は「行くぞ」と一言、先に立って歩き出した。
 それに気付いた牧野が、慌てて後をついてくる。
「あ、待ってよ!」
「・・・・・飯、食ってくって言ったろ?早く行かないと混み出す時間だぜ」
「わかってるってば。そんなに早く歩かれたら、ついて行けない!」
 小走りになっていた牧野に気付き、俺は歩を緩めた。

 ―――らしくねえ・・・・・・。

 小さく溜息をつく。
 このくらいの気遣い、いつも意識しなくともできることなのに・・・・・。

 頭にちらつく、天草に向ける牧野の笑顔が、胸を締め付けていた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 また一波乱?な感じになってしまった。
 金さんて、微妙なキャラだったなあと、ちょっと思い出したもので書いちゃいました。

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ルージュ vol.1 ~花より男子・あきつく~

Category : ルージュ(完結) ~花より男子・あきつく~
 ―――あ、かわいい。

 花屋さんの前を通って。
 ピンクの花を付けた桜草に目を奪われる。
 控え目な小さな花なのに、そのピンク色は鮮やかで、可憐だ。

 ―――あたしのイメージじゃないだろうなあ。

 小さく溜め息を付き、また歩き出す。
 大体、花とかピンクっていうイメージとはかけ離れてるのよね。そんなこと、自分でもわかってる。
 でも・・・・・
 それでも時にはあんなかわいい花に見とれちゃうことだってあるんだから。


 待ち合わせ場所のちょっと手前で足を止める。
 待ち合わせの相手はあきら。
 そして彼の隣には、何故か桜子がいた。
 整形したとはいえ、その姿は可憐で、あきらと2人並ぶ姿はとても絵になっていて・・・・・
 つくしの胸がズキンと音を立てて痛む。
 さっき見た可憐な桜草が桜子の姿と重なる。
 自分には似合わない可憐な花。
 桜子だったら似合いそうな気がした。

 「あ、先輩!」
 先に桜子がつくしに気付いて手を振った。
 続いてあきらがつくしの方を見る。
 つくしを見つめて優しく微笑むあきらはドキッとするほどきれいで、女のつくしでも見とれてしまうほどだ。
「じゃ、私行きますね。先輩、また合コン付き合ってくださいね!」
 そう言っていたずらっぽく笑うと、駆けて行ってしまった。
 その後ろ姿を見送って、呆れたように溜め息をつくあきら。
「何言ってんだ、あいつ・・・・・牧野?どうした?」
 桜子の後ろ姿をぼーっと見ていたつくしは、あきらの声で我に返った。
「あ・・・・・その、桜子ってかわいいなあと思って」
 つくしの言葉に、あきらは首を傾げた。
「そうか?まあ、知らないやつから見たら顔は完璧だわな」
 と、言って肩をすくめる。
「それより・・・・・お前、合コンなんか行ってんの?」
「ああ、うん。たまに・・・・・人数足りないからって連れてかれるの」
 つくしの言葉に、あきらは面白くなさそうに目をそらせる。
「ふーん・・・・・辞めとけよ、合コンなんて」
「だって、人数足りないからどうしてもって・・・・・でも大体いつも途中で抜けちゃうの。どうせ男の人達の目当ては桜子だしね」
 なんとなく言い方がきつくなってしまう。
 あきらがそんなつくしの顔を覗き込む。
「お前、なんか怒ってる?」
「お、怒ってなんかないよ。何言ってんの」
 至近距離のあきらの顔にドキッとして目を反らす。
「・・・・・ま、良いけど。それよかこないだお前が言ってた店、行ってみようぜ」
「え?」
 つくしがきょとんと首を傾げる。
 あきらが呆れたように溜め息をついた。
「何だよ、忘れちまった?美味しそうなケーキ屋が出来たから、今度行ってみた
いって言ってただろ?」
「あ・・・・・」
 それは先週の話。
 つくしがちらっとした話を覚えてくれていたのだ。
 その気遣いがあきららしく、嬉しくなる。
「行こうぜ」
 にっこりと笑って手を差し延べてくれる。
 女の子に対する気遣いもさすがで、感心するのと同時に、誰に対しても変わらず優しいあきらに、少し不安になる。


 「意外と・・・・・少女趣味な店だな」
 ピンクを基調にした、かわいらしい店内で、丸テーブルに向かい合って座る。
 他に男の人の姿はなく、あきらはかなり目立っていた。
 ちらちらとこちらを見る視線は羨望と嫉妬の眼差しで。
 だがそれに気付いているのかいないのか、あきらは気にする様子もない。
 こういう店にいてもちっとも違和感を感じないのは、普段から少女趣味な家に暮らしているからか、あきらの持つ繊細なイメージのせいなのか。
 そんなあきらの姿につい見とれていると、つくしの視線に気付いたあきらがにやりと笑った。
「何見とれてんだよ」
 はっとして、思わず頬を赤らめる。
「べ、別に見とれてなんかないし」
「あ、そ。なんかお前、さっきから変。何怒ってんの」
「怒ってなんかないってば。気のせいだよ」
「そうか?せっかくお前の好きなケーキが目の前にあるってのに、さっきから全然手もつけてないじゃん」
 その言葉にはっとして、つくしは目の前に置かれたケーキを見た。
 そこにケーキが置かれたことにも気付いていなかったのだ・・・・・。
「怒ってないんなら、何かあったんじゃねえのか?言ってみろよ」
「別に・・・・・何も・・・・・」
 段々小さくなる声。
 そんなつくしを見て、あきらが溜め息をつく。
「・・・・・俺といてもつまんねえ?」
 沈んだ声にはっとする。
「そんなこと・・・・・」
「さっきからお前、ちっとも楽しそうじゃねえし。全然俺の方も見ねえじゃん」
「それは・・・・・」
 まだ、恋人同士という感覚に慣れなくて。
 いつもそっと覗き見ていたきれいな顔が間近にあるのが嬉しくて。
 でも、近くでじっと見つめられるのは恥ずかしくて・・・・・。
 つい、うつむいてしまうのだ。
「今日会うのだって1週間振りだろ?俺はすげえ楽しみにしてたのに、お前はそうじゃないわけ?」
「た、楽しみだったよ!あたしだってすごく楽しみにしてたよ!でも、美作さんが―――!」
 そこまで言ってしまってから、つくしは慌てて口を抑える。
「俺が・・・・・何?言ってみろよ。俺が何かしたか?」
 あきらの声が低くなる。
 つくしを見つめる瞳は、あきらにしては珍しく鋭いものだった。
「・・・・・雑誌に・・・・・」
「は?」
「雑誌に、出てたでしょ?」
「誰が?」
「美作さんが!」
 つくしの言葉に、あきらはちょっと眉を寄せて考える。
「ああ・・・・・わかった。先月撮影したやつか。セレブな大学生特集とかいうやつ。で・・・・・それがなんだよ?」
 あきらは、わけがわからないというように顔を顰める。
 つくしは、あきらから目を逸らすと、俯きながらぽつぽつと話し始めた。
「その雑誌に・・・・・モデルと一緒に映ってるページがあったじゃない」
 思い出す、雑誌の1ページ。
 街を歩いている、あきらとモデルの女の子。
 ふわりとカールさせた髪の、足の細いきれいなモデル。
 柔らかく微笑むその表情は女の子らしくて、あきらに注がれるその眼差しは熱っぽく潤んでいるように見えて。
 あきらも優しい眼差しをそのモデルに向けていた。
 とてもきれいでお似合いな2人。

 その写真を見たとき、つくしは自分の胸が痛むのを感じた。
 あきらの隣にいても、なぜか引け目を感じてしまう。
 きれいなあきらと、決してかわいくない自分と。
 店のガラスに映る不釣合いな2人に、溜息が出る・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こちらでは初めてのあきつく。
 なぜか長くなってしまいました・・・・・。
 一応、次回で終わりの予定です。

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キャラメル・ボックス vol.14 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 両親に牧野を紹介し、牧野と両親の親睦が深まった・・・・・ところまでは良かったんだけど。

 「ねえ、やっぱり式は6月が良いんじゃない?ジューンブライドだもの」
 と母親が言えば、
「いや、もっと早い方が良いだろう。すぐに婚約発表して、3月に式を挙げるのはどうだい?つくしさん」
 と父親が、威圧感のある笑顔で牧野に迫る。
「あ、あの・・・・・」
「ちょっと、牧野が困ってるから」
「そうね、ごめんなさい。でもやっぱり女の子はジューンブライドに憧れるわよねえ?」
「ええ、まあ・・・・・」
「ほら、あなた、やっぱり6月が良いわ」
 母親が得意気に父親を見る。
 と、父親の方は苦い顔。
 牧野はそれを見ておろおろしていた。

 ―――全く・・・・・

 「待ってよ、まだ牧野の両親にも挨拶にいってないし、いきなり結婚式の話したって、牧野だって困るだけだよ」
「そうは言うがな・・・・・お前にはまた、フランスへ戻ってもらわないといけないし、できるだけ早く決めてしまわないと・・・・・」
 フランス行きの言葉を聞いて、牧野が不安そうに俺を見る。
「すぐに・・・・・行くの・・・・・?」
「ん・・・・・来月には一度、戻らないといけない。それからまた日本に戻ってくる予定だけど、それがいつになるかは、まだ決まってないんだ」
「そう・・・・・なんだ・・・・・」
 寂しげに俯く牧野。
「そんな顔しないで。俺だって出来ればずっとこっちにいたいけど・・・・・」
「うん、わかってる。ごめんね、困らせて・・・・・あたしは、大丈夫。ちゃんと、待ってるから・・・・・」
 そう言って笑顔を見せる牧野を、思わず抱きしめたくなる。
 と、そのとき、母親がパンっと手を叩いた。
「そうよ、そうだわ」
「なんだね?」
 そんな母親を父親が訝しげに見る。
「ねえ、牧野さんも一緒にフランスへ行ったら良いんじゃなくて?」
「え?」
 牧野が驚いて目を見開く。
「そして、フランスで式を挙げたらどう?もちろん牧野さんの親族もご招待して」
「ああ、それは良い案だね。なあ類、それなら2人が離れ離れにならずに済む」
 両親がまるで子供のように目を輝かせ、微笑みながら俺に同意を求める。
 俺は、牧野を見た。
「俺は、いいよ。少しでも牧野と離れるのは嫌だし。結婚式はいつでもいいけど・・・・・牧野さえ良ければ、一緒に行って欲しい」
 牧野が俺を見上げる。
 少し困ったように眉を寄せ、首を傾げる。
「でも・・・・・」
「親族の方たちの旅費なんかは私たちが用立てますので、心配なさらないで。ご遠慮なさらないでね?これは、あなたのためでもあり、花沢の家のためでもあるの。盛大な結婚式をする必要はないけれど、やはり表向き、形式的なことも必要になってきてしまうのよ」
「はい、それは・・・・・・でも、あの・・・・・・」
「何か、他にご心配なことが?まだ・・・・・結婚する決心はつかないかしら・・・・・?」
 心配そうに聞く母親の問いに、牧野が慌てて首を振る。
「いえ、そんな!そうじゃないんです。ただ・・・・・・何もかも、甘えてしまって良いんだろうかって思ってしまって・・・・・・」
「まあ、そんなこと」
「・・・・・牧野さん」
 横で牧野の言葉を聞いていた父親が、静かに口を開く。
 牧野が、父親の方を見た。
「心配は、わかっているつもりだよ。ただ・・・・・ここは、甘えて欲しい。今後、花沢類の妻として、社交界にも出る機会があるし、そのための教育を君には受けてもらわなくてはいけない。おそらく、想像以上に忙しく、厳しい現実が待っているはずだ。もちろん私たちも協力はするし、類にはきみのそばにいてもらうようにするが、類にも大事な仕事があり、いつも一緒というわけにはいかないだろう。新婚気分を味わう余裕は、ないはずだ。だから、というわけではないが・・・・・・今、まだこの時期なら存分に甘えてもらって構わない。結婚する前に新婚気分というのもおかしいが・・・・・今しかできないことをやってほしい。幸せを、噛み締めて欲しいんだよ」
 まるで、本当の娘に語りかけるように穏やかに、やさしい表情を見せる父親。
 俺も、こんな父親の表情は見たことがないほど、やさしく・・・・・そして本当に牧野のことを思いやっているようだった。
 その思いは、牧野にも通じたようで・・・・・
「・・・・・ありがとうございます。本当に、なんて言っていいか・・・・・」
 そう言葉を詰まらせる。
 目には、涙が溢れていた。
「君が、類と幸せになってくれること。それが、私たちの望みなんだよ。それを、決して忘れないで欲しい」
「はい・・・・・」


 「本当に、びっくりした・・・・・。まさか、あんなことだったなんて・・・・・」
 両親が仕事のため出かけてしまい、残った俺たちは俺の部屋へと移動して休んでいた。
「心配させて、ごめん。どうしても自分たちの口から説明したいって言うもんだから、先に言えなかったんだ」
「うん、いいの。本当に・・・・・類のご両親とちゃんと話せて良かった。びっくりしたけど・・・・・なんか、安心した」
 気が抜けたようにベッドに座り込み、息をつく牧野。
 俺はその隣に座り、牧野の肩を抱いた。
「俺も、安心した。フランス行きの話も・・・・ほんと言うともう牧野と離れる生活は嫌だったから。今回だけは、いろいろ両親に感謝してるよ」
 そう言って笑うと、牧野も俺を見上げ、にっこりと微笑んだ。
「明日・・・・・牧野の両親に挨拶に行くよ」
「うん・・・・・」
「・・・・・許してもらえるかな・・・・・」
 そのことについては、少し不安があった。
 牧野の両親とは交流もあったし、楽しい思いでもたくさんあるけれど・・・・・やはり、娘の結婚となるとまた別だろう。
「大丈夫。あたしの親なら・・・・・類のこと、すごく気に入ってるし。きっとわかってくれるよ」
 ふわりと微笑む牧野に、ほっとする。

 そっと顔を近づけ、触れるだけのキスをすると、微かに染まる頬。
「・・・・・ずっと、一緒にいよう」
 俺の言葉に、嬉しそうに微笑む。
「うん・・・・・」
 そっと寄り添うように顔を俺の胸に埋める。
 その体を抱きしめて・・・・・
 艶やかな髪に、慈しむように、キスを落とした・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さて、そろそろ終わりなのですが・・・・・
 次の連載について、ちょっと考えているところです。
 前作の続き、というのも考えているのですが、また全然違うものにするか・・・・・
 どうしましょうか・・・・・?

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余談ですが、サイトを立ち上げました。
以前はコナン中心の二次総作サイトだったものを作り直したものです。
まだ全部は出来上がっていないのですが、こちらでアップしていた小説を順次載せていく予定ですので、よろしかったらそちらの方にも遊びに来てくださいね♪

「kira kira heart」
http://kiraramilk.amearare.com/
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Fantasista vol.14~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 類から電話があったのは、あのホテルで牧野と類が会ってから2日後のことだった。

 呼び出されたのは、そのとき俺が牧野を待っていたあのバーだった。

 「ひさしぶりだね」
「ああ、4年ぶりだよ。お前、ちっとも連絡よこさねえから」
 文句を言う俺に、類は苦笑した。
「忙しかったんだ、これでも。総二郎も忙しそうだよね。来年は襲名だって?」
「ああ・・・・・たぶんな」
「あれ、なんか自信なさげだね」
「いろいろあるんだよ・・・・・ってか、知ってんだろ?どうせ」
 俺が言うと、類は楽しそうに笑った。
「まあね。驚いたよ。めちゃくちゃ遊んでて、ちゃらんぽらんな割には一番現実派で冷めてるやつだと思ってたのに、見合いぶち壊すなんて。思い切ったことしたね」
「・・・・・俺も、自分で驚いてるよ。もう身を固める決心だってついてたんだ。何でああいうことになったんだか・・・・・」
「・・・・・いいタイミングで、牧野に会ったね」
「良かったんだか、悪かったんだか・・・・・」
「後悔はしてないでしょ?」
「・・・・・まあな」
 素直に頷くと、類は満足そうに微笑んだ。
「・・・・・ずっと、牧野を遠くから見守ってた。牧野が俺を傷つけたって思い込んでるうちは、何を話しても無駄だと思って・・・・・話が出来る時期を待ってたんだ」
「ああ、聞いたよ」
「でも・・・・・その時期っていうのはきっと、牧野にとって何かが変わるとき。それは・・・・・新しい恋に出会ったときなんじゃないかって思ってた」
 類の言葉に、俺は驚いた。
「何度か・・・・・もう一度、牧野に会ってやり直したいって思ったよ。俺にとって、牧野以上の女なんかいない。この先、親の決めた相手と結婚することになったとしても、俺にとって牧野はいつだって一番大事な女だ。他のやつになんか、渡したくない。だけど・・・・・・」
 類が、俺の目を見た。
 強い想いを含んだ瞳。
「俺以上に牧野を思って・・・・・牧野を幸せにしてくれるやつがいるなら、牧野の幸せのためなら、俺はそれを見守りたい・・・・・そう思った」
「類・・・・・」
「最初は、あきらがそうなのかと思った。だけど・・・・・いつまでたっても2人の関係は変わらなかった。あきらが牧野のことを大切にしていることは、必ず月に一度は日本に帰ってることからもわかってた。だけど、そこに恋愛関係は生まれてないってわかって・・・・・また、迷ったんだ。このままじゃ、牧野の傷は癒えない。だったら、やっぱり俺がもう一度牧野に会いに行こうか・・・・・そう思ってたんだ」
 穏やかに微笑んで、グラスを傾ける類。
 ちらりと俺を見た瞳には、いたずらっぽい光が含まれていた。
「それで、日本行きを調整してるとき・・・・・総二郎のことを知ったんだ。驚いたよ。5年もの間、牧野と交流のなかった総二郎が、あんな行動をとるなんて、ってね。もしかしたらって思ったこともあったけど・・・・・牧野のこと、本当は昔から好きだったんじゃない?」
 その問いに、俺はちょっと照れくさくなって視線を逸らした。
「さあな。だとしても、自覚なんてなかったよ。確かに・・・・・俺の知らない間にあきらが牧野と会ってたって知って、おもしろくはなかったけど」
 俺の言葉に、くすくすと笑う類。
「そういう、ヤキモチ妬く総二郎を見れるなんて思わなかった。俺と会ってる間も心配だったんじゃない?」
「・・・・・心配じゃなかったとはいわねえよ。ただ、別の意味でも心配だったから・・・・・あいつが、また傷つくんじゃないかと思って」
「・・・・・傷つけたいわけじゃ、なかった。ただ・・・・・自分の気持ちはごまかせないから。俺も、牧野に会ってけじめをつけなくちゃいけないって思ってたんだ」
「けじめ・・・・・ついたのか?」
「ん・・・・・。総二郎と・・・・・あきらには、感謝してるよ。特にあきらには・・・・3年間、牧野を支えてくれたのはあきらだ。あきらがいなかったら、きっと、もっと時間がかかってた。今、牧野にとってもあきらは大切な存在なんだろうね」
「ああ。家族みたいな存在だって、言ってたよ。あの2人には、俺も入り込めないような絆が生まれてる。悔しいけど・・・・・あきらには、正直敵わないとこがあると思ってる。あいつの優しさとか、穏やかなとことか・・・・・俺には真似できないところがあって、そういうのできっと牧野も安心してあきらを頼れるんだろうなって思うよ」
「うん。でもきっと、総二郎が現われなかったらあきらの気持ちもまた違ってきてたんじゃないかな・・・・・。いろんな意味で、総二郎が現われたのは大きかったと思うよ」
「・・・・・お前は、どうなんだ?日本に来るのを決めたのは、まだ俺と牧野が再会する前だって言ったよな?本当は・・・・・やり直したいって思ってたんじゃないのか」
 俺が聞くと、類は暫く考え・・・・・そして、ゆっくりと微笑んだ。
「うん。そうだよ。もう一度牧野と向き合う努力してみて・・・・・できることならやり直したいって、そう思ってた。正直に言うと、こっちで牧野に会うまで・・・・・そういう気持ちもあったんだ」
「・・・・・・」
「でも、牧野に会って・・・・やっぱり俺じゃダメなんだってわかった。俺たちが付き合ってたとき・・・・・牧野は、いろんな意味でいつも変わらなかった。いつも明るくて、元気で、前向きで・・・・・それから、俺を男としてじゃなく、友達としてしか見てなかった。俺の前で飾るとか、女の子らしく振舞うとか、そういう感じじゃなかったんだ。それは3ヶ月間ずっと変わらなくて・・・・・。だけど4年ぶりに会った牧野は明らかに変わってた。それはきっと・・・・・」
 類が意味深な目で俺を見る。
「そりゃあ・・・・・4年も経ってるんだから牧野だって少しは女っぽくもなるだろ」
「それだけじゃないよ。でも・・・・・もしこれから先、また牧野が悲しむようなことがあれば、俺はいつでも駆けつけるけど」
「お前な・・・・・」
「今までは変わらなくても、これから先のことまではわからないからね。俺やあきらじゃなくても・・・・・きれいになった牧野に言い寄る男は、いくらでも出てくると思うよ」
「脅しかよ」
 穏やかな表情のまま淡々と話す類に、顔が引きつる。
「一応、警告。牧野は一筋縄じゃ行かないよ」
「わかってる。今苦労してるとこだよ」
 俺の言葉にくすくす笑う。
「だろうね。なんなら俺が引き取ろうか?」
「冗談。今更譲ってたまるか。今更・・・・・後には引けない。俺はもう、あいつなしじゃ生きていけない。こんなに本気で惚れられる女、きっと一生出逢えない・・・・・」
 
 その俺の言葉に、類は満足そうに・・・・・・・
 だけどほんの少し寂しそうに
 ただ黙って、微笑んだ・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 すいません、類ファンの方にはちょっと辛いかと思います。
 類つくの方で、またラブラブ書きたいと思います。

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ひざまくら ~花より男子・類つく~

Category : ひざまくら ~花より男子・類つく~
 目の前に愛しい人の寝顔。
 膝に感じるぬくもりに、幸せを感じる昼下がり。
 時折、そっと彼を起こさないようにさらさらのその髪に触れてみる。
 柔らかくて、ちょっと冷たい感触に胸がときめく。


 ふと、脇に置いてあったバッグから振動音が響いていることに気づく。
 そっと手を伸ばし、バッグの中から携帯を取り出し。
 表示された名前を確認して、電話に出る。
「はい―――大丈夫だよ。どうしたの?―――え、いつ?今日?また急だね―――いいけど。どこに行けばいいの?―――わかった。じゃ、また後で・・・・・え?」
 電話の相手に言われた言葉に、一瞬固まる。
「な、なに言ってんのよ、西門さん!」
 電話の向こうで西門さんが笑っているのがわかり、思わずむっとする。
「もう、切るからね!」
 そう言って電話を切り、ふと下を向いて・・・・・
 バチッと類と目が合ってしまう。
「る、類、起きてたの」
「・・・・・起きてたら、まずかった?」
 なんとなく不機嫌そうな類。
「牧野の声が大きいから、目が覚めた」
「あ・・・・・ご、ごめん。つい―――」
「で?」
「へ?」
 じっと見上げてくる類。
 何か言いたげな表情。
「今日、これから総二郎と会うの?」
「あ・・・・・話、聞いてたの?」
「聞こえた。俺、何も聞いてないけど、そんな話。総二郎となんの用事?」
「えっと、実は着物の試着頼まれてて」
「着物?試着?」
「うん。今度のお茶会でちょっとした着物の発表会みたいな、ファッションショー的な催しをやるんだって。着物メーカーからの話で、試験的なものらしいけど。その着物が今日何点か届くから、その試着をして欲しいって。ほら、あそこ女の子がいないから、頼める人がいないんだって」
「ふーん・・・・・で、総二郎の家に?」
「うん」
 暫し沈黙。
 あたしの膝に頭を乗せながらも、不機嫌な顔の類。
 なんとなく気まずい。
「類?」
「・・・・・何言われたの?」
「え?」
「電話で・・・・・総二郎に何か言われて赤くなってた。何言われたの?」
「そ、それはその・・・・・」
 言われたことを思い出し、また頬が熱る。
 と、類の顔が更に不機嫌さを増す。
「むかつく」
「は?」
「そんなふうに赤くなって・・・・・総二郎と何かあったんじゃないの?」
「ま、まさか!違うよ」
 あたしは慌てて首を振る。
「じゃ、何?」
「に、西門さんが、変なこと言うから・・・・・」
「だから、何?」
「本番に備えて、角隠しの試着もしてみる?って・・・・・」
 類の瞳が見開かれる。

 大学を卒業したら、類と結婚することが決まっている。

 ついこの間正式に婚約をして、その時にも西門さんにはさんざんからかわれている。
 わかってはいても、言われるたびに恥ずかしくなってしまうのは、もう条件反射みたいなものだった。
 ちらりと類に視線を戻すと、なんとなく複雑そうな顔。
「なんか、悔しい」
「え」
「そんな会話、俺の知らないところでしてるなんて」
「だ、だからそれは、恥ずかしくて・・・・・」
「そういうかわいい顔、俺以外のやつに見せて欲しくない」
 伸ばされた指先が頬に触れ、ドキッとする。
「でも・・・・・角隠しっていうのは、いいね」
「え・・・・・」
「牧野、似合いそう」
 にっこりと微笑む類に、また頬が熱くなる。
「早く・・・・・見たいな」
「・・・・・類が、着せてくれるんでしょう?」
 その言葉に嬉しそうに微笑んで・・・・・
 そっと起き上がると、そのままあたしの頭を引き寄せ、唇を重ねた。

 「愛してる・・・・・」
 甘い声が耳元に響き、ゾクリとする。
 そんなあたしの反応を楽しむように首筋に一つキスを落とす。
「2人きりになりたい」
「でも、これから西門さんのところに・・・・・」
「ちゃんと連れて行く。だから、その前に・・・・・」
 甘い声で囁かれ、そのビー玉のような瞳で見つめられれば、拒否できるわけもなく・・・・・


 その後、西門邸に2人で現れたあたし達を見て。
 また、散々からかわれたのは言うまでもない・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 腕枕の次は、膝枕ってことで。
 次はどうしましょうか・・・・・。

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キャラメル・ボックス vol.13 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 厳格そうだけど、穏やかで類に似た雰囲気の類のお父さんと、儚げな雰囲気だけれど、美しく、類と同じ意志の強そうな薄茶の瞳の類のお母さん。

 2人はとてもにこやかに、あたしの前に座っていた。

 どんなことを言われるだろうと緊張していたあたしに、2人はまずその穏やかな微笑を浮かべながらあたしに声をかけてくれた。
「はじめまして、牧野さん。類から話は聞いているよ。今日はお会いできるのを楽しみにしていました」
「思ったとおり、素敵なお嬢さんで嬉しいわ。あまり緊張しないで頂戴。私たちは、あなたが類を選んでくれたことをとても喜んでいるのよ」
 その言葉に、あたしは戸惑った。
 まさか、そんなふうに言ってもらえるとは思っていなかったから。
 隣では、類が穏やかな笑みを浮かべてあたしを見ていた。
「あ、あの・・・・・」
「1年前、類が君と交際していたことも、わたしたちは知っている」
 類のお父さんが、ゆっくりと口を開いた。
「類は・・・・・幼いころからとても繊細な子で・・・・・・私は1人っ子の甘えだとそれを決め付けて、とても厳しく接していた。だが、そのせいで、類は私たちの前で感情を表さない子になってしまった。唯一心を許していたのが、司君たちF4と呼ばれる幼馴染たちと、君も知っている静さんだった。その静さんとの恋に決別し、類がきみという女性に恋をしていると知ったのは、君たちが高校生のころだ」
「!」
 驚いた・・・・・
 そんな前から、知っていたなんて・・・・・
「陰ながら見守ってきて。類が君のために、男らしく、人らしく変わっていくのをとても嬉しく思っていた。だが、君は司君の婚約者で・・・・・おそらく類は君との恋にも決別することになると思っていたよ。だがきっとそれは、類にとって人間的に成長する、大きなきっかけだと・・・・・そう思って、私たちはただ見守ることにした。だが君は司君と別れ、類を選んでくれた。そのまま、2人が幸せになってくれたらと、願っていたよ」
「まさか・・・・・あなたたちが別れるなんて思わなくて・・・・・知ったときはとてもショックだったわ」
 類のお母さんが目を伏せる。
「あの・・・・・・ごめんなさい、わたし・・・・・・」
「わかっている。君にもきっと辛い選択だったんだろうと言うことは。だが、私たちとしてはやはり類の辛そうな姿は見るにしのびなかった。何度か妻とも話し合い、君にも直接話をしに来ようと思ったこともあったんだ。だがきっと、それは類も望まないことだろう。もう子供じゃない。親が口出しすべきことではないということは、わかっていたからね。それで考えた結果・・・・・類に、見合いを勧めたんだ」
 あたしは、膝に置いていた手をきゅっと握った。
「類はすんなりそれを承諾し、縁談はとんとん拍子に運んだ。本来なら、親として喜ぶべきことだろう。だが、私たちにとっては・・・・・複雑だった。あの時の類は、魂が抜けてしまったように覇気がなく、ただ言われるままに仕事をこなすだけだった。このままで、幸せなはずがない・・・・・そう思っていたんだよ」
 類の両親は顔を見合わせ、静かに微笑み合った。
「きっと、ご心配なさったでしょう。今回の縁談を破談にすることで、類に良くない結果になるのでは・・・・そう思われたんじゃなくて?」
「は、はい。あの・・・・・」
「大丈夫よ。何も心配いらないわ」
 婦人の、穏やかな優しい笑みにあたしは戸惑っていた。
「それは・・・・・どういうことですか・・・・・?」
「騙されたんだよ、俺は」
 そう言い出したのは、類だった。
「え?騙された・・・・・・?」
 わけが分からず、類を見るあたし。
 類は、穏やかに微笑んでいる。
 ますます混乱するあたし。
「人聞きが悪いな・・・・・。まあ、事実だから仕方がないが。つくしさん、このことは、つい昨日まで類も知らなかったことなんだよ」
「え・・・・・・」
「今回の縁談は、最初から偽りだったんだ」
 お父さんの代わりに口を開いたのは、類だった。
「偽りって・・・・・」
「つまり、俺の両親が仕組んだ芝居だったんだ」
「芝居!?」
「縁談の相手は、昔から花沢と取り引きのある大手商社の娘。俺は会ったことがなかったけど、向こうの両親とうちの両親とは学生時代からの付き合いで・・・・・いわゆる幼馴染だったらしい。で、今回のことを持ちかけたところ、快く承諾してくれたってことらしい。娘の方ももちろん知っていて・・・・・実は既に結婚の約束をした恋人がいるらしい」
「ええ!?」
「正式に婚約するのはまだ先で、世間にも知られていないから都合が良かったらしい・・・・・けど、無茶するよ。あそこまでとんとん拍子に話が進んでて、本当に結婚てことになったらどうするつもりだったの」
 呆れ顔の類に、ご両親は顔を見合わせて笑った。
「あなたはわたしたちの子供よ?きっとこうなるだろうっていうことは、わかっていたわ。たとえつくしさんとやり直せなかったとしても・・・・・きっとこの結婚は間違いだと、気付くと思っていたのよ。あなたには、つくしさんしかいない・・・・・そうじゃない?」
 お母さんの諭すような問いかけに、類は照れくさそうに顔を背けた。
「つくしさん。辛い思いをさせてしまって・・・・すまなかったね。どうしても、類には目を覚まして欲しかった。自分が本当は誰を必要としているか。誰に必要とされているか・・・・・そして、自分の幸せは何か・・・・・。類の幸せは、つくしさん、あなたの幸せなのだよ。あなたを幸せにすることが・・・・類の幸せだ。類の傍に、いてやって欲しい。どんなことがあっても・・・・類は、君のためなら努力を惜しまないだろう」
「つくしさん・・・・・初対面だけれど、私たちはあなたを・・・・・本当の娘のように思っています。類の成長は、あなたなしでは考えられなかったでしょう。類がこんなふうに私たちと向き合ってくれるようになったのは、あなたのおかげです。どうか・・・・・これからも類の傍にいて・・・・・そして、わたしたちの家族に、なってはくれないかしら」
「あたし・・・・・・」

 言葉が、出てこなかった。

 涙が溢れてきて、止め処なく流れ出す。

 こんなにも類を愛している人たちが、あたしを、家族に迎えようとしてくれている。

 類に、こんなにも必要とされていた。

 この気持ちを、どう伝えたら良いんだろう。

 「幸せ、です。私。こんな幸せを感じたこと、今までありません。ずっと・・・・・あたしも、類さんだけです。彼の傍にいられるなら・・・・・どんなことでも耐えられます。一緒に・・・・・いさせてください」
「牧野・・・・・」
 類が、ふわりとあたしを抱きしめてくれた。
 暖かいぬくもりに包まれて、あたしは余計に涙が止まらなくなってしまう。

 幸せすぎて・・・・・・
 眩暈がする・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 反対されるか、賛成されるか・・・・・・
 どちらのバージョンも考えてみたんですが、やっぱりより幸せを感じて欲しくて、こっちになっちゃいました。
 楽しんでいただkれば嬉しいです♪

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うでまくら ~花より男子・つかつく~

Category : うでまくら ~花より男子・つかつく~
 朝の眩しい光で目が覚める。
 腕に軽いしびれを感じて隣を見ると、穏やかな寝息をたてる牧野がいた。
 愛しい女の寝顔に思わず顔も綻ぶ。
 そっとその髪に触れようとした瞬間―――

 「・・・・・類」
 呼ばれたその名前に固まる。
「おい・・・・・牧野!おい!起きろ!」
「・・・・・んー?・・・・・」
 牧野が目をこすりながら体を起こす。
「・・・・・お前、ふざけんなよ」
「は?何言ってんの?」
「今、お前類の名前呼んだだろ」
「は?」
 牧野は驚いたように目を瞬かせる。
「なんのこと?」
「類の名前だよ!今、呼んでただろうが!」
 思わず怒鳴ってしまうと、牧野が顔をしかめる。
「いきなり怒鳴らないでよ!意味分かんない!」
「だから!寝言だよ!」
「知らないっつーの!類の名前なんて・・・・・ん?」
 突然何か思い出したように言葉を切る牧野。
「・・・・・あいつの夢、見てたのか?」
「うーん・・・・・ていうか」
 歯切れが悪い。
 やはり2人の間には何かあるんじゃないかと疑惑が頭をもたげる。

 「おい」
「・・・・・そっか、わかった」
「なにがだよ?勝手に1人で納得すんなよ」
「違うよ」
「だから、何が!」
 イライラして、ついまた声を荒げてしまうと、牧野がまた顔をしかめる。
「いちいち大きな声出さないでよ。あのね、確かに夢は見てたけど、花沢類の夢じゃないわよ」
「じゃあ―――」
「あんたよ」
「は?」
 思わず間抜けな声が出る。
「じゃ、なんで・・・・・」
「あんたが、夢の中で言ったのよ。結婚式であたしのヘアメイクを担当する人間が気に入らないって。どうせならF3の誰かにやらせたいけど誰がいいかって聞くから、答えたの」
「それが、類?」
「そ。別に深い意味なんてないわよ。ただ、花沢類には髪切ってもらったりしたこともあったから、出てきたんだと思う」
 淡々と冷静に話す牧野を見ていたら、だんだんと俺も落ち着いてきた。

 ―――そうだった・・・・・こいつは、もう来月には俺と結婚するんだ。

 その準備が忙しくて、なかなか2人の時間が持てなくて・・・・・
 漸くこうして2人きりになれたっていうのに、俺は何をやってるんだ。

 俺は、拗ねたような表情で俺を見上げていた牧野をそっと抱きしめると、その黒髪に口付けた。
「・・・・・ごめん」
「道明寺・・・・・?」
「離れてた時間が長すぎたから・・・・・つい、余計な心配する癖がついちまった」
 その言葉に、牧野は小さく笑うと俺の背中に腕を回してキュッとしがみついた。
「ばか」
 声に、甘さが滲む。
「4年も待ってたんだよ?今更なんの心配すんのよ」
「・・・・・だな」
「だよ。・・・・・そんなにあたしが信用出来ないの?」
「信じてるよ、お前のことは」
「ほんと?」
「ああ」
「じゃ、許してあげる」
 クスクスと笑う牧野。
 こいつの笑顔を見るだけで、ほっとする。
 仕事をしている時には味わえない安心感だ。
 牧野を抱きしめる腕に力を込める。

「絶対、お前を幸せにするから」
「うん」
「ずっと・・・・・俺の側にいてくれ・・・・・」

 その言葉に、牧野が俺の背中に回した手にキュッと力を込めた。
 「うん」

「愛してる・・・・・」
「あたしも・・・・・愛してる・・・・・」

 そしてまた、2人の幸せな時間が始まる・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 なんと初めてのつかつくです(笑)
 なんとなく思いついて描いてみました。
 連載途中で短編書くと、ちょっとややこしい感じしますね・・・・・すいません。
 また思いついたら、いろいろ書いていきますので、どうかお付き合いくださいませ♪

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Fantasista vol.13~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 ホテルの地下にあるバー。
 そこで俺は、ちらちらと時計を見ながら時折携帯を確認しつつ溜息をついていた。

 「さっきから落ち着きないのね。誰かと待ち合わせ?」
 いつの間にか隣に座っていた、見知らぬ若い女。
 誘うような目で俺を見てるけど、今はそんなことに構ってる余裕はなかった。
「ああ、そう。悪いけど、俺の隣に座らないでくれるか」
「彼女?もう来ないんじゃないの?1時間もあなたを待たせるなんて、よっぽどいい女なのかしら」
「・・・・・少なくとも、あんたの100倍はいい女だよ。同じことを何度も言いたくない。そこに座るな」
 じろりと冷たい視線を投げつけると、女はびくりと体を震わせ、真っ青になってそこから離れた。

 また、溜息が漏れる。
 八つ当たりなんて、らしくねえ・・・・・・。

 「女の人に冷たい西門さんて、貴重かも」
 突然後ろで声がして、俺ははじかれたように振り返った。
「牧野!いつからそこに?」
 牧野が俺の顔を見て、にっこりと微笑む。
「今来たばっかり」
「何で・・・・・電話しろって言っただろ」
「ごめん、来た方が早いかなって」
「いいけど・・・・・類は?」
 そう聞くと、牧野が少し俯いて言った。
「・・・・・帰ったよ。また・・・・・来週にはフランスに帰るって。すごく忙しそう」
「そっか・・・・・。それで、話は・・・・・」
「その前に、何か飲んでもいい?」
 首を傾げてそう聞く牧野に、俺ははっとした。
「ああ、座れよ」
 そう言って隣の席を示すと、牧野はちょっと笑った。
「いいの?隣、座っても」
「当たり前。お前を待ってたんだぜ」
「でも、あたしはさっきの人より100倍もきれいじゃないよ。どっちかって言うと向こうの方がきれいっぽい」
 そういたずらっぽく言うのに顔を顰め、俺は牧野の腕を引っ張った。
「いいから座れって。お前、いつからそんな屁理屈言うようになったんだよ」
 俺の言葉に、おかしそうに笑う牧野。
 少しほっとしていた。
 辛そうな顔はしていない。
「で・・・・・どうだった?」
 飲み物を頼み、牧野の前に置かれると俺はそう聞いた。
「ん・・・・・類の気持ちが、わかった。ずっと、あたしの気持ちが落ち着くのを待ってたって・・・・・。あたしを、ずっと救いたかったって言ってた。でも・・・・・時期が来るまで待ってたって・・・・・」
「時期・・・・・・」
「あたしが、素直に類の言葉を聞ける時期。ちゃんと、類の話を信じられる時期・・・・・」
「それが・・・・・今?」
「うん。美作さんが、3ヶ月日本を離れるのを知って、その時期だと思ったみたい」
「なんだよそれ?あきらが3ヶ月いなくなるからって、それとこれとどう関係してくるわけ?」
 わけが分からなくてそう聞いてみると、牧野はちょっと首を傾げ、言葉を選ぶようにゆっくりと口を開いた。
「美作さんは、あたしと再会してから3年間・・・・必ず1ヶ月に1回は日本に帰ってきてたの。どんなに忙しくても・・・・・。それは、あたしのためだったって。あたしのことが心配で、必ず様子を見に帰ってきてたって。その美作さんが、3ヶ月も日本を離れるってことは・・・・・」
「・・・・・お前の心配をする必要がなくなった?」
「そういうことだって思ったんだって。だから・・・・・話が出来る時期だって思ったって」
「・・・・・」
 それはつまり、俺の気持ちにも、類が気付いてるってことだろうか。
 確かに、あきらが牧野の傍を長期間はなれるのには俺の存在が関係してる。
 あきらが、俺に任せると言ったから・・・・・。
 なんとなくそれが気に入らない気もしたが・・・・・。
「で・・・・お前は、納得できたの?」
「うん・・・・・・。その時の類の気持ちを聞かせてもらって・・・・・類が、辛かっただけじゃないって聞いて、ほっとした・・・・・。あの時のこと思い出すと、まだ胸が痛いけど・・・・・でも、幸せだったって・・・・・3ヶ月間、幸せだったんだって言うのを、今なら信じられる気がするの。あたしも・・・・類といられた時間は、幸せだったから・・・・・」
 穏やかに話す牧野。
 それを聞いて、俺はほっとすると同時に、やっぱり牧野と類の、他の人間にはわからないような強い絆を感じていた。

 「お前が、それでけじめがついたんなら良いけど・・・・・。で、類とは・・・・・」
「こっちにいる間は、忙しいみたい。帰る時には、見送りに行くって言ったの。類は必要ないって言ってたけど・・・・・西門さん、一緒に行ってくれる?」
「え?」
 まさかそんなこと言われると思わずにいたから、驚いてしまった。
「あ、行けなかったらいいの。あたし1人でも・・・・・。ただ、西門さんがついててくれると思うと、心強いから・・・・・今日も、ありがとう」
 そう言って微笑む牧野。
 いつになく素直な牧野に、俺は落ち着かない気分になる。
「別に、これくらい・・・・・良いよ、一緒に行く。妙な遠慮するなよ」
「うん、ありがと」
 俺の言葉に、嬉しそうに微笑む牧野。
 その笑顔がまぶしくて。
 胸が苦しくなるほど高鳴る。
 なぜか目を合わせることが出来なくて、飲み物を飲む振りをして、目をそらせる。
 そのくせ、同じようにグラスを手に、口元へ運ぶ牧野の顔をちらりと盗み見る。
 学生のころとも、いつもの表情とも違う、少し大人っぽい牧野の様子にどんな反応をしていいかわからない。

 いつもこいつには驚かされる。
 きっとずっとこうして振り回される気がする・・・・・・。
 それが悔しい気もするし、嬉しい気もする。
 妙な気持ちだった。
 ただ言えることは、こいつの傍を離れたくはないってこと。
 振り回されてもいい。
 どんな我侭にだって付き合っていける。
 
 ただずっと、傍に。
 牧野の隣にいたいんだ・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 つくしちゃんを幸せに出来るのは、やっぱりいい男じゃなきゃあね。
 F4が好きなのは、つくしちゃんを好きという前提のもとって気がしてきたなあ。

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キャラメル・ボックス vol.12 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 「ねえ、本当にこんな格好でいいの?」
 何度もしつこくそう聞くあたしを見て、類がくすりと笑う。
「十分だよ。いつもどおりの牧野でいいんだ」
 優しく微笑んで言ってくれるけど・・・・・。

 あたしは自分の格好を見下ろした。
 淡いブルーのワンピースに、ベージュのシンプルなコート。
 好きな人の両親に会いに行くというのに、こんな普通の格好で良いんだろうか。
 
 「両親に会ってほしい」
 そう言われて・・・・・

 予測していたことではあるけれど、それでもあたしの心臓はずっと落ち着きなく早鐘のように鳴り響いていて・・・・
 胸を押さえるような仕草に、類がふっと微笑む。
「そんなに緊張しないで。別に、尋問されるわけじゃないんだから。取って食われやしないよ」
「そ、そりゃそうだろうけど・・・・・でも緊張するよ」
 そう言うと、類が優しくあたしの手を握ってくれた。
「俺がついてる。絶対、牧野に辛い思いはさせないから」
 そう言ってあたしを見つめる瞳は優しくて、それでいて力強くて・・・・・
 急に頼もしく見えてきた類に、あたしはどきどきしていた。


 「お帰りなさいませ。先ほどから、お2人がお待ちでございます」
 類の家に着くなり、年配の家政婦の女性に頭を下げられ、慌ててあたしも頭を下げる。
「今、行くから。紅茶、入れてくれる?」
「かしこまりました」
 穏やかに微笑み、すっと下がる。
 一部の隙もない立ち居振る舞いに、つい溜息が漏れる。
「牧野、こっち」
「あ、うん」
 促され、慌てて類の後に着いて行く。
 いよいよ緊張が体中を駆け巡っていく。

 もう自分の体が自分のものじゃないみたいで、体中が心臓になったみたいに震えていた。
 動かしているのが、手だか足だかもわからない状態。
 もう、帰りたい・・・・・
 でも。
 ここで、逃げ出すわけには行かないんだ・・・・・・。

 あたしは目の前を歩く類の広い背中を見て、ごくりと唾を飲み込んだ。

 ―――大丈夫。類が隣にいてくれるもの・・・・・

 ぴたりと、類が立ち止まる。
 目の前には重厚な扉。
 この中に・・・・・類の両親がいるんだ・・・・・・。

 類が、静かに目の前の扉をノックした。
「入りなさい」
 低い、男性の声。
 類が、扉に手をかけた・・・・・・。


 -akira-
 「今頃、類の両親に会ってるころか」
 総二郎の言葉に、俺も頷いた。
「ああ。うまくやってるかな、あいつ・・・・・」
 心配なのは、やっぱり牧野のこと。
 司の時のこともある。
 無事にまとまれば良いけど・・・・・。
「心配するなよ。類がついてるんだ。類だったら・・・・・牧野を悲しませるようなことはもうしないだろ」
 そう言って穏やかに笑う総二郎に、ちょっと笑う。
「なんか、お前丸くなったな」
「なんだそりゃ」
「っつーか・・・・・そうか、ここんとこずっと機嫌悪いと思ってたのは、俺と牧野が付き合ってたからだもんな」
 そう言ってやると、ちょうどコーヒーを飲んでいた総二郎がむせ返る。
「―――なんだよ、急に」
「いや・・・・・。お前の気持ちに気付いてたのに、気付かない振りしてた俺も相当意地が悪かったなと思ってさ。良く黙ってたよな、お前も」
「・・・・・悔しかったよ。けど、俺がお前の立場でも多分同じことしてた。あいつには・・・・・誰か傍にいて、支えてやるやつが必要だったんだ。それが俺でもお前でも、同じことだったんだろうけど・・・・・今は、相手がお前だったことを良かったと思ってるよ」
「へえ?なんで?」
「俺だったら・・・・・きっとあいつを手放せなかった。力づくでも類と引き離してた・・・・・気がする」
 ふと、遠い目をする総二郎。
 俺はそんな総二郎を見て、暫く黙っていたけれど・・・・・
「・・・・・いや、多分お前も、牧野と別れるよ」
 と言った。
 総二郎が、ちらりと俺を見る。
「お前、結構お人好しだからな。格好つけてるけど・・・・・惚れた女には弱いだろ」
「・・・・・俺のこと、全部わかってるようなこと言うな」
 拗ねたようにむっと顔をしかめる総二郎に、また笑いが漏れる。
「事実だろ。最近は女遊びもしてねえじゃん」
「・・・・・馬鹿らしくなって。多分、当分そんな気になれねえよ。どんな女抱いても、目の前にあいつの顔がちらつく」
「・・・・・結婚は遠そうだな」
「お互い様だろ」
 総二郎と2人、笑いあう。
 恋の終わり。
 願うのは、愛しい女の幸せ。
 その隣にいるのが自分じゃなくても・・・・・・
 いつも、笑っていて欲しいと願わずにいられない。

 「もし、また類とこじれたら・・・・・・」
 総二郎が言い出す。
「おい、不吉なこと言うなよ」
「そん時は、今度こそ俺がもらうわ」
「おい・・・・・」
「・・・・・って言ったら、類のやつは絶対牧野から離れないだろうな」
「ああ・・・・・。1年前のときも、そうしてやればよかったかな」
「あん時はまだ俺たちもそこまで嵌ってなかったろ。全く厄介な女だぜ」
 くすくすとおかしそうに笑う総二郎に、俺は漸く安堵した。

 もしまた牧野と類がこじれても・・・・・
 今度は俺と総二郎で、お前を守ってやるから。
 だから、全力でぶつかって来い・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 類の両親がどう出るか。
 難しい問題ですが、類が落ち着いているので、多分大丈夫かな?

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Fantasista vol.12~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -tsukushi-

 「久しぶり」
 待ち合わせをしたレストランのテーブルで、花沢類は昔と変わらない笑顔であたしを迎えてくれた。
「花沢類・・・・・」
 何を言ったらいいかわからず、その場に立ち尽くしたあたしに向かい側の席を手で示し、座るように促した。
「あの・・・・・・」
「とりあえず、何か食べよう。今日は忙しくて・・・・・朝から何も食べてないんだ。さすがにお腹がすいた」
 照れくさそうに笑う花沢類。
 その笑顔も、昔と少しも変わらなくて・・・・・
 あたしの胸が、きゅっときしんだ。

 目の前に運ばれてきた料理を、静かに食べ始める花沢類。
 あたしの前にも料理が運ばれてきて・・・・・・
 少し迷いながら、あたしはゆっくりと食事に手をつけ始めた・・・・・。


 「元気そうだね」
「うん・・・・・花沢類も・・・・・」
「ホテルで働いてるんだってね・・・・・・あきらとは、よく会ってるみたいだって聞いてるよ」
 花沢類の言葉に、あたしは驚いた。
「知ってるの?」
「もちろん。情報は、いろいろ入ってくる。最近は・・・・・総二郎とも会ってるって」
「そんなことまで・・・・・」
「・・・・・そろそろ、話が出来るかなって思ったんだ」
 花沢類が、食後のコーヒーを持っていた手を休めてあたしを見つめた。
 真っ直ぐな瞳・・・・・
 あたしは、その瞳から目を逸らすことができなかった・・・・・。
「花沢類・・・・・あたし・・・・・」
「4年間・・・・・俺も、牧野と離れていろいろ考えたよ。もっと他に・・・・牧野を傷つけない方法があったんじゃないかって。あんなふうに傷つけ合う前に・・・・・俺から離れたほうが良かったんじゃないかって」
 花沢類は、ちょっと下を向いて小さく息を吐いた。
「でも・・・・あの時は俺も必死だったから。牧野に振り向いて欲しくて・・・・」
 きゅっと唇を噛み締める。
 泣いちゃダメだ。
 今、辛いのはあたしじゃない。
 花沢類だ・・・・・。

 ふと、花沢類は顔を上げると、あたしの顔を見て少し微笑んだ。
「そんな顔しないで。俺は大丈夫。牧野が・・・・・きっとそんなふうに自分を責めてるだろうって思ってた。だから、早く何とかしなくちゃって思ってたけど・・・・・少し落ち着くまでは、きっと何を話しても無駄だろうって思ったんだ。辛い思いさせて・・・・・ごめん・・・・・」
 その言葉に、あたしは首を振った。
「あやまら・・・・・ないで・・・・・あたし、花沢類に、ひどいこと・・・・・・」
「違うよ」
 花沢類は、ちょっと強い調子でそう言うと、あたしの手を両手で包み込んだ。
「俺は、牧野にひどいことなんかされてない。その逆だよ」
 あたしは、意味がわからず花沢類の顔を見つめた。
「3ヶ月間、俺は牧野に幸せをもらったんだよ」
 穏やかに微笑む花沢類。
「幸せ・・・・・?」
「うん。牧野の気持ちは知ってた。それでも、幸せだったんだよ。牧野といられた時間が。ただの友達でも良かった。だけど、たった3ヶ月でも恋人として牧野の傍にいられたことが・・・・・俺にとっては至福の時間だったんだよ。辛いと思ったことがないって言ったら嘘になる。でも、それ以上に俺は幸せだったんだ。本当だよ」
 あたしの手を握ったまま、ゆっくりと言葉を紡ぐ花沢類。
 その声は優しくて・・・・・あたしの胸に真っ直ぐに入り込んできた。
「・・・・・どっちが牧野を変えたのかな」
「・・・・・え?」
「ずっと・・・・・話したかった。牧野を早く救いたかった。でも・・・・・ちょっと前までの牧野だったら、今の俺の話を聞いてもやっぱり自分を責めてたと思うんだ。自分がもっと早く自分の気持ちに気付いてたらってね。だから、俺は待ってた。牧野が、ちゃんと俺の話を聞いてくれるのを・・・・・」
「あたしを、変えたって・・・・・何が?」
「あきらか、総二郎」
 そっと手を離し、軽く頬杖をついてあたしを見る。
 その目はなんとなくいたずらっぽい光を湛えていた。
「何で、あの2人が?」
「牧野があの2人とどういう付き合い方をしてるかまでは、わからない。だけど、ここ3年間、1ヶ月に1度は必ず日本に帰ってきてたあきらが、今回は3ヶ月も日本を離れる。これは、何かあったなって思ったんだ」
「なんで?」
 確信を持ってるように話す花沢類だけど、あたしには何のことだか全然わからない。
 確かに、美作さんが3ヶ月も日本を離れるなんて、この3年間で初めてだけど・・・・・
「あきらは、世話好きだからね。牧野と再会して・・・・・俺との間に何かあったって察知して、牧野のことを心配してたと思うよ。ただでさえ、牧野は良く面倒に巻き込まれるし。あきらのおかげで、今のホテルにもいられるんでしょ?」
「う、うん・・・・・美作さんには、すごく感謝してる」
「ん。そのあきらが、牧野を残して3ヶ月も日本を離れる。それにどういう意味があるか・・・・・・自分がいなくても、大丈夫だと思った。自分の代りがいるからだ。それは・・・・・・」
「西門さん?」
「そういうことだね。総二郎と牧野が再会して、総二郎が牧野に惚れて・・・・・任せられると思った。あの総二郎だ。いくら親友だって、そう簡単に大事な女を任せたりしない。それでも任せたのは・・・・・総二郎が本気だってわかったのと、牧野が、変わったからだと思うんだけど」
「あたしが、変わった?」
「うん。総二郎が見合いを断って、結婚を辞めたのを知って、牧野も何か感じたんじゃない?あの総二郎をそこまでさせたのは牧野だけど・・・・・でも、学生のときとは明らかに変わった総二郎を見て、牧野も総二郎に興味を持った。違う?」
 花沢類の言葉に、あたしは呆気にとられていた。
 西門さんのお見合いのことまで知ってるのにもびっくりだし・・・・・・
「あたしが・・・・・西門さんに・・・・・?」
「やっぱり気付いてないんだ。鈍感なのは相変わらずだね」
 くすっと笑う花沢類に、ちょっとむっとする。
「悪かったわね、どうせ・・・・・でもあたし、西門さんと再会してからまだ何日も経ってないよ?興味持つとか、そんなの・・・・・」
「時間は関係ないでしょ。とにかく、牧野が変わったって感じたから、あきらは牧野を総二郎に任せて仕事に集中することにしたんだ」
「・・・・・それじゃ、今まではあたしに気を使って早く帰ってきてたってこと?」
「そういうことだと思うよ。でも、それはあきらがしたくてしてたことだから・・・・・牧野が責任を感じることじゃない。それを気にしてあきらに気を使ったりしたら、それこそあきらの気持ちを無駄にすることになる。わかるよね?」
 あたしは、花沢類の言葉にゆっくりと頷いた。
 
 ―――もう、間違っちゃいけない・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 会話多!
 類が解説役みたいになってるし・・・・・・
 でももうちょっと、類にはがんばってもらおうかな~。

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キャラメル・ボックス vol.11 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 牧野のアパートの前で、牧野が帰ってくるのを待つ。
 総二郎の車で、帰ってくるって・・・・・・
 なんとなくそれが気に入らない。
 何で総二郎と?
 今更、つまらない嫉妬だってわかってるけど・・・・・・
 それでも、牧野が俺以外の男と一緒にいることに胸がざわつく。

 暫く、赤く色づいてきた空をぼんやりと眺めていた。
 そろそろ帰ってくるころだ。
 そう思って視線をおろしたとき・・・・・・
 停められた車の前で、抱き合ってる2人の姿が目に入った。

 あれは・・・・・・

 その姿を目にするとすぐに、俺は駆け出していた。
 「牧野!」
 俺の声に反応して、牧野が俺のほうを見るが、総二郎は牧野を離そうとしない。

 「総二郎、牧野離せよ!」
 そう言って、牧野の肩を後ろからぐいっと引っ張る。
「何だよ、類。いいところだったのに」
 ちっともそう思っていない口調で総二郎が俺を見る。
「どういうつもり!?」
 俺が総二郎を睨み付けると、牧野が慌てたように俺を見る。
「る、類、これは・・・・・」
「怒るなよ。友情を確かめ合ってただけ。だろ?牧野」
「う、うん」
 総二郎の言葉に素直に頷く牧野。
 その頬は微かに赤く染まっていた。
「・・・・・何も、されてない?」
 つい、疑りの目を向けてしまう。
「さ、されてないよ!送ってもらっただけだから」
「・・・・・・・」
「そういうこと。安心しろよ。俺は牧野にとって友達以上の何もんでもないからさ。お前が海外行っちまっても、俺が傍にいて変な虫が付かないようにするから安心しな」
「そういう総二郎が、一番心配」
「ひでえな、おい」
 総二郎が楽しそうに笑う。
 俺はちっとも楽しくなかったけど・・・・・。
「それより、お前の方はどうなの。問題は解決したのかよ」
 総二郎の言葉に、俺ははっとして本来の目的を思い出した。
「ああ、そうだ。それを話したくて・・・・・牧野、これから時間いい?」
「あ、うん。じゃ・・・・・西門さん、送ってくれてありがとう」
 牧野が総二郎の方を見ると、総二郎が微笑んで頷く。
「どういたしまして。何かあったらいつでも連絡寄越しな」
「うん」
 そう言って牧野も微笑み・・・・・
 2人の間に、なんともいえない雰囲気が流れる。
 なんとなく気に入らない。
 俺の知らない間に、2人の距離が確実に縮まった気がする・・・・・。
 
 ヤキモキしている俺を横目に見て、総二郎がくっと笑う。
「じゃ、そろそろ行くわ。類に睨まれてるし」
 その言葉に、牧野ははっとしたように俺を見る。
「類、後で連絡しろよ。あきらも気にしてたし」
「・・・・・ああ、わかった」
 そう答えると、総二郎は相変わらず口元に笑みを浮かべたまま、車に乗り込みさっさと行ってしまった・・・・・。

 「・・・・・牧野、大丈夫だった?あきら・・・・・」
 牧野の部屋に戻り、2人でお茶を飲みながら漸く落ち着いたころ、俺は聞いてみた。
「うん・・・・・。美作さんね、イタリアに行っちゃうんだって。仕事で・・・・・」
「イタリア・・・・・」
「うん。だから、あたしにプロポーズしたんだって言ってた。びっくりしたけど・・・・・ちゃんと話が出来てよかった。西門さんに一緒に行ってもらって・・・・・ちゃんと本当の気持ちが聞けたの。あたしも自分の気持ちを正直に話せて、良かったと思ってる。美作さんには・・・・・・それから西門さんにも、感謝してる。あたし、本当にいい友達もって良かったって思った」
「そっか・・・・・」
 にっこりと、穏やかに微笑む牧野を見て、俺もほっとしていた。
 あきらとは、俺もちゃんと話をしなくちゃいけないとは思ってるけど・・・・・・。
 それより、なんとなくさっきからもやもやしているものを何とかしたい。
「・・・・・総二郎に、なんか言われた?」
 そう聞いてみると、明らかにぎくりとした様子の牧野。
 ・・・・・・わかりやす過ぎ。
「・・・・・・告白、されたんでしょ」
 その言葉に、真っ赤になる牧野。
 全く・・・・・
 嘘がつけないって言うのも厄介だよな。
 そういうところもかわいいと思うけど・・・・・・
「・・・・・牧野」
「え・・・・・んっ」
 顔を上げた牧野の唇を、有無を言わせず塞ぐ。
 驚く牧野の腰を引き寄せ、そのまま深く舌を絡め取る。
 戸惑う牧野を抱きしめ、強引なキスを続け・・・・・・
 
 暫くして、牧野の体から力が抜けたのを見て、その体を解放する。
「はあ・・・・・・」
 苦しそうに荒い息を繰り返す少し開いた唇と、潤んだ瞳が艶っぽくて・・・・・
 思わずそのまま押し倒しそうになるのを、牧野の腕が俺の胸を押し戻して止める。
「ま、待って、類・・・・・・」
「何で?」
「だって、話が・・・・・あるんじゃないの・・・・・?」
「そうだけど・・・・・牧野が悪い」
「は?あたし?」
「総二郎には、渡さないよ。誰にも、絶対渡さない」
 じっと見つめて言えば、困ったように首を傾げる。
「西門さんは・・・・・友達だよ」
「でも、普通の友達じゃないよね」
「う・・・・・・」
「そうやって、無防備にするから・・・・・心配でしょうがない・・・・・・やっぱり、ダメだね」
「だ、だめって・・・・・・」
「牧野の傍からは、離れられない・・・・・ずっと、傍にいて離さないから・・・・・覚悟して」
 そう言ってまた抱きしめて・・・・・
 何か言いたそうに口を開きかけた牧野の口を塞ぐ。

 大事な話があるけど・・・・・・
 その前に。
 我慢は、体によくないから・・・・・・・・ね


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 どうも、あんまり深刻な話って書けないらしい・・・・・(^^;)
 まあいいか。
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Fantasista vol.11~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 牧野の気持ちが、俺に向いてるかどうかはわからない。
 嫌われてはいないんだろうけど・・・・・
 きっとまだ、恋愛の対象、っていうのではないんだろうなってことはわかる。

 まあもちろん、だからって諦める俺じゃないけど。


 「あれ、また来たの」
 そろそろ終わるころだろうと思ってホテルの前で待っててみれば、この態度・・・・・。
「あのな・・・・・その言い方はねえだろ。せっかく送ってやろうと思って待っててやったのに」
「だって・・・・・」
「良いから乗れよ。ここにいると邪魔になる」
 そう言ってドアを開け、牧野を押し込む。
 多少強引な手を使わないと、こいつには通じないんだってことは経験上わかっている。

 「さて、飯でも食いに行くか」
「は?」
「こないだ行ってたパスタの店、連れてってやるよ」
「・・・・・なんか、西門さん、最近強引になってない?」
「お前にはこれくらいがちょうどいい」
 そう言ってにやりと笑って見せると、牧野の顔が引きつる。
「そんな顔すんなって。いきなりホテル連れ込むようなことはしねえから」
「わかってるけど・・・・・・」
 牧野が頬を染めて視線を逸らす。
 こういう純情なところは相変わらずで・・・・・・
 そんな牧野に、やばいくらいにどんどん嵌ってる俺がいる。

 「あれ、メール?」
 牧野のバッグから、微かにバイブの振動音が聞こえる。
「あ、ほんとだ。マナーにしたままだったから・・・・・」
 牧野がバッグの口を開け、中から携帯電話を取り出した。
 その液晶画面を見た牧野の表情が、一瞬で強張る。
「・・・・・牧野?どうした?」
 真っ青な牧野の顔。
 ただ事じゃない。
「・・・・・・・が」
「え?」
「・・・・・類、が・・・・・・」
「!!」
 俺は、車を停止させ、路肩の寄せると牧野の手から携帯を取った。
 画面には『花沢類』の文字。
 折りたたみ式の携帯をゆっくりと開く。

 「・・・・・帰ってくる」
「え・・・・・・」
「明日・・・・・日本に帰ってくるって・・・・・。牧野・・・・・・お前に、会いたいって・・・・・」
 牧野は、俺の言葉にゆっくりと首を振った。
「会えないよ・・・・・・あたし・・・・・あたしは・・・・・・」
「牧野」
 俺は牧野を抱き寄せた。
 牧野の肩は震えていた。
「どうしよう・・・・・あたし・・・・・・」
「落ち着けよ。・・・・・・なあ、お前には酷かもしれないけど・・・・・・類に会えよ」
 俺の言葉に、牧野がびくりと震え、俺を見上げる。
「どうして・・・・・」
「お前がそんな状態なら、なおさらだ。一度類とちゃんと話さないと、先に進めないんじゃないか?類を傷つけたと思ってるままじゃ・・・・・次に進めない。違うか?」
「・・・・・・でも・・・・・・・」
「俺がついてる」
 俺は、牧野の黒い髪を優しく撫でた。
「俺が、傍にいる。何があっても、お前を守るから。だから・・・・・会ってこいよ。そして・・・・・戻って来い」

 類に会ったら、牧野はどうするだろう。
 類は、何のために牧野に会いに来るんだろう。
 牧野は・・・・・戻ってくるだろうか・・・・・

 不安がないわけじゃない。
 だけど、この問題をクリアにしなきゃ、きっと牧野は俺と向き合うことはできないだろう。
 きっといつまでも類とのことを引きずるはずだ。
 だから・・・・・・

 「西門さん、あたし・・・・・」
「・・・・・大丈夫。俺が、ついてる。必ず、傍にいるから」
 抱きしめる腕に力を込める。
 本当は行って欲しくない。
 ずっとこのまま、この腕の中に閉じ込めていたい。
 でも、それじゃあきっと牧野は俺のものにはならない・・・・・。


 『で、牧野はいつ類と?』
 翌日、俺のメールを見たあきらが電話を寄越した。
「明日。今日はあいつも忙しいらしい。明日、夜6時にホテルのレストランで待ち合わせだって」
『・・・・・・お前は、どうすんの』
「とりあえず、ホテルのバーにでも行って時間を潰すよ。牧野には、話が終わったら電話しろって言ってある」
『・・・・・俺には、何もしてやれない。あいつを、頼むぜ』
 電話の向こうにいるあきらの心配する声が俺の耳に響き、その心配する気持ちが伝わってくる。
「・・・・・ああ、わかってる。あいつの、あんな辛そうな顔は俺ももう見たくねえよ」
 あいつを、守りたい。
 あいつを守るのは、いつでも俺でありたい。
 心の底から、そう思ってるんだ・・・・・。

 ホテルまで送ると言った俺に、牧野は首を振った。
「大丈夫。ちゃんと行けるから・・・・・。西門さんが言ってくれた事・・・・・嬉しかった。このままじゃ、前に進めないって。あたしもそう思ったから・・・・・・ちゃんと、話してくるね」
 そう言って微笑んだ牧野を、抱きしめたくなる。
 でも今そうしたら、離せなくなりそうで・・・・・・

 俺はただ、牧野を見送ることしか出来なかった・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こちらも佳境?
 『キャラメル・ボックス』とかぶる場面もあるかと思いますが・・・・・
 混同されませんように(^^;)
 
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キャラメル・ボックス vol.10 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -soujirou-

 車で牧野を家まで送る途中、牧野の携帯が鳴り出した。
「類からじゃねえの?」
「あ・・・・・そうみたい」
 牧野が、慌てて携帯を耳に当てる。
「はい―――うん―――え、今どこ?―――ほんと?あたし、今帰るとこで・・・・・あの、車なの。西門さんに送ってもらう途中。―――うん、じゃ、あとで」
「何?類、どこにいるって?」
「今、あたしの家に着いたとこだって。誰もいないから、心配してたみたい」
「ふーん・・・・・向こうの話はついたのか」
「・・・・・・わかんない。何も言ってなかったから・・・・・」
 牧野の顔が不安気に曇る。
「・・・・・俺、着いててやろうか?」
 俺がそう言うと、牧野はそれでも俺に笑顔を向ける。
「大丈夫だよ、ありがとう」

 ―――そんな風に、無理して欲しくねえんだよ・・・・・。

 「牧野・・・・・」
「え?」
「俺が・・・・・・お前を好きだって言ったら、どうする?」
 その言葉に、牧野は一瞬呆けたような顔をする。
「は?」
「間抜けな声、出すなよ」
「だって、急に変なこというから・・・・・」
「変なことじゃねえ。マジだ」
「マジって・・・・・」
 戸惑ったように俺を見つめる牧野。
 それでも俺は続けた。
「俺は、お前が好きだ。ずっと好きだったよ。あきらがお前と付き合う前から・・・・・。言わなかったのは、お前をこれ以上苦しめたくなかったからだ」
「じゃ・・・・・なんで今、言うの・・・・・?」
 戸惑いに揺れる瞳。
「お前の力になりたいから。できればお前の隣にいるのが俺でありたかったけど・・・・・それがどうしたって無理なんだってことはわかってるし、もうそれについちゃ諦めがついてる。今はただ、お前の力になりたい。そうやって無理して笑わなくてもいいように・・・・・・俺の前では、無理する必要、ないから」
 そう言って俺は、牧野を見つめた。
 牧野のアパートが、すぐそこに見えていた。
 その前には、類の姿が・・・・・

 -tsukushi-
 突然の西門さんの告白に、あたしは動揺してしまっていた。
 そんな風に、考えたこともなかった。
 美作さんと一緒に、ずっとあたしを見守ってくれてた人。
 それはただ、友達だから。
 そう思っていた。
 西門さんみたいな人が、あたしを好きになるなんて、考えたこともなかった・・・・・。

 「俺の気持ちに応えようとか、そんなことは気にしなくていいから」
 西門さんが車を停めながら言った。
 あたしのアパートはすぐそこで、その前に類がたたずんでいるのも見えていた。
 でも、まだ類はこっちに気付いていない。
「ただ、俺がいるってこと。何か辛いことがあって、泣きたくなったとき・・・・・そん時には俺が傍にいてやるから」
「西門さん・・・・・・」
「俺は、どんなときでも、お前の味方だから。だから、何でも1人で抱え込もうとするな。俺を利用していいから」
「そんなこと・・・・・・」
「俺が、そうしたいんだよ。つうか、その役目を俺にくれ。類と喧嘩したときでも良い。まずは俺に言えよ。お前が俺を頼ってくれるなら・・・・・俺はそれで満足。何でも良いんだ。お前とはずっと、繋がってたい」
 そう言って、いつものように微笑む西門さん。
 あたしはどう答えていいかわからなくて、その顔をじっと見つめていた。
 きれいな切れ長の目。
 整った顔立ち。
 いつもはおちゃらけてるくせに、今日はとても真剣な瞳で、あたしを見つめてる・・・・・。
「ただの友達じゃ、満足できねえな。一番近い友達。類が彼氏で司とあきらはモトカレ。それなら俺は、お前にとって特別な男友達でありたい。何でも言える相手は俺だけだって言ってもらえるような・・・・・そんな存在になりたいんだよ」
 優しい瞳があたしを捕らえる。
 こんな西門さん、見たことない。
 まるで・・・・・宝物を見るみたいに、大事なものを見つめるように、あたしを見つめる・・・・・・

 「さ、もう行けよ。類が凍えちまう」
 西門さんに言われ、はっとして前方に見える類に視線を戻す。
「う、うん」
 促されるまま、あたしはドアを開けて、外に出る。
「・・・・・西門さん」
「ん?」
「あたしにとって・・・・・西門さんは特別だよ?」
 あたしの言葉に、西門さんが目を見開く。
「ずっと傍にいてくれて・・・・・・すごく心強かった。いつもあたしの気持ちをわかっててくれて・・・・・あたしも気づかないような気持ち、気付かせてくれた。西門さんみたいな人、他にいない。きっとずっと・・・・・あたしにとって、西門さんは特別な友達だから・・・・・・」
 精一杯の気持ちを口にする。
 気を使うとかそういうんじゃなくて。
 ただ、伝えたかった。
 きっと、素直に口にできるのは今しかないような気がしたから。

 西門さんが、ドアを開けて出てくる。
「西門さ・・・・・」
 西門さんがあたしの方に来たかと思うと、突然体を引き寄せられ、抱きしめられた。
「な・・・・っ」
「サンキュー・・・・・。俺には、その言葉だけで十分だ」
 見上げると、西門さんの優しい笑顔があった。
「西門さん・・・・・」
「幸せになれ。お前には、その権利があるから。俺は、ずっとお前の味方だ」
 真剣な瞳。
 いつの間にか、本当に大切な存在になっていた気がする。
 傍にいて、安心出来る。
 そんな存在に・・・・・

 「牧野!!」
 名前を呼ばれてはっと我に返る。
「やべ、気付かれたな」
 くすっと笑って、西門さんがあたしの耳元に囁く。
 類が走ってくるのが見えた。
 まだ西門さんに抱きしめられたままだったあたしは慌てて離れようとしたけれど、西門さんは離してくれなくて。
「ちょ、ちょっと!」
「もうちょっと。類に、見せ付けてやりたい」
 囁かれる甘い声にドキッとする。
 こんなことしてる場合じゃないのに!
 それでも、力づくで離れることが出来ないあたしが、そこにいた・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総ちゃん本領発揮?
 まだまだ、類には安心してもらっては困りますもの。

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Fantasista vol.10~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 「お前、サラって覚えてる?」
 牧野に聞いてみると、牧野はちょっと考えるように視線を外し、それから『ああ』と頷いた。
「あの、かわいい人だよね。優紀の先輩」
「そ。俺の幼馴染で・・・・・・初恋の相手ってやつ」
「じゃ、失恋て・・・・・」
「ん。まあ、振られたっていうのとは違うけど・・・・・去年・・・・・ちょうど今から1年前くらいかな。あいつ、結婚したんだよ」
「え、そうなの?」
「ああ。別に、俺たちは付き合ったこととかなかったし、今更あいつをどうこうしようとも思ってなかった。だけど、やっぱり俺にとってサラって女は特別だったから・・・・・聞いたときには妙な感じがしたよ」
 俺の言葉に、牧野は頷いた。
「結婚式を見に行って・・・・・正直、あんなに感動するとは思わなかったな。あいつ、すごくきれいだった。いつか、静の花嫁姿を見たときもきれいだって思ったけど・・・・・俺には、その時のサラが最高にきれいに見えたんだ。幸せそうで・・・・・。こんなにきれいな花嫁、もう見ることはないだろうなって。世界で一番きれいだって、本気でそう思った。幸せそうなあいつ見てたら、俺まで幸せな気分になって。なんだか妙に満たされた。もうこれで、思い残すことはないって。そこで漸く、俺の初恋に終止符が打てたような、そんな気がしたんだ」
「それが・・・・・失恋?」
「そういうこと。生まれて初めてマジで好きになった女が結婚して・・・・・なんだかそれで全部終わった気がした。もう、本気で女に惚れることはないんじゃないかって、思った」
 本気の恋愛なんか、考えられなかった。
 サラ以上に好きになれる女が現われるなんて、思えなかった。
 だから、あいつが結婚して・・・・・漸く俺の初恋が終わって、気が抜けた気がした。
 もともと結婚に夢なんかなかったけど、その後は、結婚相手に期待することもなく、ただ、襲名に向けてひたすら仕事して・・・・・後は親の決めた相手と結婚して、跡継ぎでも作ればいいって、そんな風に思ってた。

 それを変えたのは、牧野のあの一言だったんだ・・・・・・。

 既に決められた未来を、全てぶち壊したのはおれ自身だ。
 だけど、だからこそこの先何があっても後悔はしないって思える。

 あのときから、俺の気持ちは固まってたんだ。
 俺にとっての牧野。
 それはきっと・・・・・・

 「ファンタジスタ」
 俺が呟くと、牧野が目を瞬かせた。
「え?」
「お前が、言っただろ?優紀ちゃんが、俺のことをファンタジスタだって言ってたって」
「ああ、うん。優紀が・・・・・あんなにつらそうだったのに、すごくすっきりした顔で、言ってたの。西門さんは、あたしに夢を見させてくれたんだって。そのときの優紀の顔、今でも忘れられない。本当に、すごくきれいだった」
「その優紀ちゃんも、いまや人妻だもんな」
 まだ高校生だったころの話だ。
 
 でも・・・・・もしかしたら、俺はあのころから、牧野のことを好きだったのかもしれない。
 いつも、きっかけになっていたのは牧野だった気がする。
 牧野がいなかったら優紀ちゃんという子とも会わなかった。
 牧野がいなかったら、俺は変われなかった・・・・・。

 「いろんな意味で、俺はお前に感謝してるよ」
「な、何突然」
 俺の言葉に、牧野の頬が染まる。
「いつも、きっかけをくれたからな。お前は気付いてないだろうけどさ・・・・・。俺にとってのお前は、優紀ちゃんの言うところのファンタジスタなんだよ」
 その言葉に、牧野はその大きな瞳をさらに見開き・・・・・
「あたしは、何もしてないよ。きっかけを作ったのかどうかもわからないし・・・・・それに、結局のところそのきっかけを利用して行動したのは西門さんでしょ?あたしが何もしなくたって、きっと西門さんなら同じことをしてるよ」
 そう言って、恥ずかしそうにはにかむ。

 きっと本人は自覚してない。
 でも、そんな風にさりげなく言ってくれることで俺は自分に自信が持てるようになった気がする・・・・・。

 -tsukushi-
 西門さんが、優しく微笑んであたしを見つめる。
 いつもからかわれてばかりだったのに、そんな風に褒められたりすると落ち着かない。
 西門さんが、あたしを1人の女の子として見ることがあるなんて、考えたこともなかった・・・・・。

 『ファンタジスタ』

 それは優紀が西門さんに向けて言った言葉。
 
 ―――夢を見させてくれる人

 聞いたときは、わかったような、わからないような・・・・・
 あたしはそれほど良く西門さんのことを知らなかったから。
 でも、それから西門さんを見る目が変わったような気もする。

 ただのちゃらんぽらんな男じゃないのかな。
 だけど、なかなか本心を見せようとしなかった西門さんの中身を全部知るには時間が足らなさ過ぎた。

 そして5年ぶりの再会。
 見た目が大人っぽくなっただけじゃなくって、その雰囲気もだいぶ変わった気がした。
 相変わらずポーターフェイスは上手だけど・・・・・

 『俺・・・・・牧野が、好きだよ』

 あんなこと、言われるなんて思わなかった。
 ていうか、まだ信じられない。
 だって、あの西門さんだよ?
 
 「おい、牧野?」
 ボーっと考えことをしていると、いつの間にか西門さんの顔を至近距離に。
「わあ!」
 思わず大きな声を出してしまう。
 超間近に迫ったきれいな顔に、あたしの心臓は飛び出しそうになる。
「あのな・・・・・」
「ごごごごめん、ちょっとボーっとしてて・・・・・」
「・・・・・何、俺に見惚れてた?」
 にやりと微笑む西門さん。
 そういうところは全く変わってないわ・・・・・。
「ばっかじゃないの」

 相変わらずの西門さんに呆れて・・・・・でもちょっと図星を指された気分で、あたしは視線をそらせたのだった・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 このまま2人の距離が縮まればいいんですけども。
 でも、あと一波乱くらいはあるかな?

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キャラメル・ボックス vol.9 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -soujirou-

 「お前に説教されるとは思わなかったぜ」
 あきらが苦笑して言った。
「お前のためじゃねえからな」
「わかってるよ・・・・・牧野」
「え?」
 俺の隣で涙ぐんでいる牧野に、あきらは視線を移した。
「あのな、お前が責任感じる必要は何にもねえからな」
「美作さん・・・・・」
「俺は、お前に・・・・・それから類にも、感謝してるよ。お前たちには辛いことだっただろうけど、俺にとっては幸せな時間だった。お前といられて・・・・・初めて自分の気持ちに正直になれた気がしてた。あんなふうに女を好きになったのは初めてだった。お前の本心が、本当は俺にはないんだって思っても・・・・・・お前の傍にいたいと思った。辛いけど、やっぱりそれは俺にとって幸せな時間だったと思う。だから、お前は自信持ってていいよ。俺って男を、幸せにしてくれたんだからな」
 牧野の瞳からは、ぽろぽろと涙が零れていた。
 あきらの穏やかな、優しい微笑が牧野を包み込み、2人の間に優しい空気が流れる。
「美作さん、あたし・・・・・・あたしも、美作さんに感謝してる・・・・・・美作さんのおかげで、あたしも幸せだったよ。類のこと・・・・・考えずにいられた時間があったのは、美作さんがいてくれたから・・・・・・」
「ん・・・・・。俺が、日本を離れるのはお前のせいじゃないから、気にすんな。結婚は・・・・・当分しねえと思うけど、恋愛しねえわけじゃないから、いつかそういう相手が見つかったら、式には呼ぶよ」
 にやりと笑ってウィンクを決めるあきら。
 牧野も泣き笑いの顔で頷く。
「ん。待ってる。そのときには、花沢類と一緒に行くね」
「ああ」
 もう、俺は必要ないかな・・・・・・
 そう思ったとき、あきらが俺を見た。
「総二郎、お前にちょっと話があんだけど」
「は?」
「帰る前にちょっと、時間くれ。牧野、いいか?」
 そのあきらの言葉に、きょとんとしながらも頷く牧野。
「わかった。じゃ、あたし玄関で待ってるよ」
「ああ、わりいな。すぐ終わるから」

 牧野が出て行くと、あきらはじろりと俺を睨んだ。
「余計なことしやがって」
「お前のためでもあるんだぜ。好きでもねえ相手と結婚したって、結局牧野に思いを残すだけだろ?」
 俺の言葉に、あきらはため息をついた。
「ああ・・・・・サンキュー。こうなることはわかってたんだけどな・・・・・結構ショックだった。けど、おかげで牧野とのことはいい思い出にできそうだよ」
「ならいいけど」
「後のことも頼むぜ」
「ああ、わかってる」
「それからおまえ自身のことも」
「は?俺?」
 あきらがじろりと俺に視線を送るのに、首を傾げる。
「お前の気持ちくらい、気付いてる。牧野のこと・・・・・このままでいいのか?」
「って・・・・・・どうにも出来ねえだろ?今更・・・・・。俺は類に対抗する気なんかねえよ。あいつが・・・・・牧野が幸せになってくれればいいんだ。ここへ来て、俺の気持ち知ったりしたらあいつはまた余計なことで悩むことになる」
「そうでもないと思うぜ。牧野に・・・・・近くにお前っていう味方がいるってこと、言ってやればいい。それから・・・・・類にも、油断は禁物って思わせてやれば」
 ニヤニヤと笑うあきら。
 こいつは、結構策士だからな・・・・・。
「・・・・・ま、それもいいかもな。あっさり類に持ってかれて、実際おもしろくはねえし」
「だろ?幸せボケしてると横から掻っ攫ってくぞって脅しかけとけよ。それで・・・・・お前の思いも解放してやれよ」
「あきら・・・・・」
「次の恋に進むための、ステップだと思うぜ?」
 全く・・・・・
 自分の気持ちは隠そうとするくせに、人の心にはずかずか入り込んでくる・・・・・親友だからこそ、だろうけど。
 だけどまあ、それくらいでちょうどいいのかもしれない、と俺は思った。
 どうせ隠そうとしたって、俺の気持ちに気付いてないのは当の牧野くらいのもんだし。
 最後にちょっとくらいいたずらしてやったって、罰は当たらないよな・・・・・。
 
 
 「待たせたな、牧野。行こうぜ」
 玄関へ行くと、牧野が手持ち無沙汰でそこに突っ立っていた。
「あ、もういいの?」
 俺に気付き、にっこりと微笑む牧野。
 本当に・・・・・幸せそうに笑うようになった。
「牧野」
 俺の後ろから歩いてきたあきらが、牧野に声をかける。
「美作さん」
「これからまた、類のところに行くのか?」
 その言葉に、牧野はちょっと首を傾げた。
「ううん。一応、類から連絡来ることにはなってるけど・・・・・・」
「そっか・・・・・。ま、いろいろ大変だろうけど、がんばんな。何か困ったことがあったら言えよ。俺たちで協力できることがあったらなんでもするし」
 あきらが優しく微笑むと、牧野もほっとしたように微笑んだ。
「うん、ありがとう・・・・・」
 あきらがそっと牧野の頬に手を添え、いとおしそうに見つめる。
 一瞬、2人の間のときだけが止まってしまったかのように沈黙が訪れる。
「美作さん・・・・・」
 牧野の瞳から、涙が一粒零れ落ちる。
 あきらがそっと唇を寄せ、その涙を救う。
「・・・・・泣くな。お前はこれから幸せになるんだから・・・・・・。いつも、笑っててくれ。俺は・・・・・お前の笑顔が、大好きだよ」
「ん・・・・・・」
 牧野は頷き、涙を拭い精一杯の笑顔を見せる。

 輝くような笑顔。
 でもまだ完璧じゃない。
 その笑顔を完璧にするために・・・・・・
 やっぱり牧野には、あいつが必要なんだな・・・・・・

 俺はあきらと視線を見交わすと、お互いにやりと笑い、こぶしをつき合わせたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 仕上げです!
 あと一がんばり?

 
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Fantasista vol.9~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 あきらの見送りに空港へ行って、牧野にキスしようとしてるあきらが目に入って。
 反射的に体が動いてた。

 本気でキスしようとしたわけじゃなくても、ああいう場面は見たくないと思うのが当たり前だろう。

 自分自身、こんなに嫉妬深かったのかと驚くほどだ。
 あきらが見えなくなってからも名残惜しそうにそっちの方をじっと見つめる牧野にちょっとイラッとしてしまう。
「いつまで見てんだよ」
 そう言っておでこを弾いてやる。
「いたっ。もう、何すんの」
 涙目で俺を睨みつける牧野。
 全く、自覚がないってのは恐ろしいぜ。
「また、3ヶ月もしたら帰って来んだろ。そんな寂しそうな顔すんなよ」
「わかってるよ。ただ、無理して体壊したりしないといいなと思っただけ」
「・・・・・あっそ。なあ、何か食ってかねえ?俺、朝から何も食ってなくて腹減ってんだけど」
「いいけど・・・・・。なんかこないだから、西門さんと会うと何か食べてばっかりいるみたい」
 クスッとおかしそうに笑う牧野。

 俺としちゃあ少しでも長く牧野と一緒にいたいと思うからこそなんだけど、こいつにはそんな微妙な男心は分かんねえだろうな。
 ま、分かんなくていいんだけど・・・・・


 「お前、パスタ好き?こないだも食ってたよな」
 空港の中のレストランで、おいしそうにパスタを頬張る牧野を見て言った。
「うん、大好き」
 にっこりと笑って答える牧野が、すごくかわいかった。
「じゃ、今度うまいパスタの店に連れてってやるよ」
「え、ほんと?」
 途端にその大きな瞳を輝かせる牧野。まるで少女のような無邪気な反応に、俺の胸がときめく。
「ん、ほんと。その代わり、デートしようぜ」
 続いた俺の言葉に、顔を引き吊らせる牧野。
「何だよ、その顔。別にデートくらいいいだろ?ホテル行こうって言ってるわけじゃねえんだから」
「あ、当たり前でしょ!何言ってんのよ、もう」
 ホテルという言葉に過剰に反応して真っ赤になる牧野。

 ―――ほんと、見てて飽きないやつだよな。

 そんなところが男心を惹き付けてるんだって、本人は全く気付いてないんだろうけど・・・・・

 「あのな、別に今すぐ答えなんか求めてねえって言ってんだろ?あんまり構えんなよ。こっちがやりづれえ」
 溜め息とともに言えば、牧野がちょっと申し訳なさそうにうつむく。
「ごめん」
「謝ることはねえけどよ。ほら、だから、あきらといるときみたいにしててくれればいいんだって」
「美作さんと?」
「そ。あいつと居るときは、もっと自然に話してるだろ?」
「そりゃ、まあ。けど、美作さんと西門さんじゃ違うし」
 そう言って首を傾げる牧野に、ちょっとむっとする。
「違うって、どこが?」
「どこがって・・・・・うまく言えないけどさ。高校生のときなんかはよく一緒にいたし、同じように女好きなイメージがあったんだけど・・・・・」
「おい」
「だって、しょうがないじゃない。でも、美作さんと2人で飲みに行ったりするようになって、初めて気付いたこととかもあったよ。美作さんて、基本気遣いの人だから、あたしといるときにはあたしを1番にエスコートしてくれるし、他に女の人が近くにいても知らん顔してるし」
「そりゃ、当たり前だろ」
「あと・・・・・美作さんは、あたしが言いたくないことは聞かないで居てくれる。多分、話せばちゃんと聞いてくれるんだろうけど・・・・・・でも、言いたくない、と思ってるとさりげなく話を逸らせて気を紛らわせてくれて・・・・・・。美作さんといるとあたし、すごく気持ちが楽になる」
 やわらかい表情で、牧野が微笑む。
 男として見てはいなくても、牧野にとってあきらが特別な存在なんだってことが、わかるようだった。
 なんだか悔しくて、俺は牧野の顔から目を逸らした。
「・・・・・じゃ、俺は?」
「え?」
「俺は、お前の目にどう見えてる?」
 そう聞いてみると、牧野はちょっと戸惑ったように目を瞬かせた。
「西門さんは・・・・・よく、わからないよ」
「なんだよ、それ」
 ちょっとがっかりして溜息をつく。
 あきらとはずいぶん違わねえ?
「だって・・・・・昔の西門さんの印象って言ったら何十股もかけてるような女たらしで、お調子者で、すぐ人のことからかうような・・・・・ある意味女の敵ってイメージだったから」
「・・・・・すげ、最悪」
「でも、再会してからはちょっと変わったよ」
 フォローするように慌てて身を乗り出す牧野。
「変わったって、どんな風に?」
「ホテルで会ったときのこと、覚えてる?あたしが言ったこと」

 ―――西門さんって意外とピュアっていうか・・・・・・真剣な恋愛を求めてるのかなって・・・・・

 あの言葉で、俺は見合いをやめたんだ。覚えてないわけがない。

 「もちろん」
「あれはね、高校生のときからなんとなく感じてたことなの。さっき言った、女の敵みたいなイメージって、西門さんが自分で作ってるものなんじゃないかなって感じてたから。本当はきっと、周りが思ってるよりもまじめなんじゃないかなって。それが、大人になってちゃんと見えてきたっていうか・・・・・なんか、ソフトな感じになったなって」
「・・・・・俺、そんなに尖ってたか?」
 結構ショック。
 学生のころ、そりゃあ今に比べればガキだったろうけど、それでも牧野に指摘されるほど子供っぽかったんだろうか。周りの人間よか大人のつもりだったんだけど・・・・・
「尖ってたっていうのかな。変に大人ぶってたというか、本心見せないところあったじゃない?それが時々近づきがたい壁を作ってた気がするけど、今はその壁がなくなったみたいな感じがするの」
「ああ、そういうことか・・・・・・。ま、そりゃあ俺だってただ年とったわけじゃねえし。確かに最近は素直になったかもな。多分・・・・・失恋したせいかな」
「失恋?西門さんが?」
 牧野がきょとんとして首を傾げる。

 失恋、て言うんだろうな、あれも一応。

 まるで10年も前のことのように、俺は更のことを思い浮かべた・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総二郎の失恋の話を聞いて、つくしの心にも変化が起きます。
 ちょっとは大人の恋らしくなってきたでしょうか・・・・・?

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キャラメル・ボックス vol.8 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -soujirou-

 俺は牧野と店を出ると、そのまま牧野を車に乗せてあきらの家へ向かった。

 あきらは家にいて、俺と牧野の姿を見て一瞬意外そうな顔をしたが、そのまま部屋へと通した。

 部屋に入り、飲み物が運ばれて、その後使用人が下がるとあきらは俺たちを交互に見つめた。
「珍しいな。お前らが2人でここに来るなんて」
「お前に話があるんだよ」
「話?」
 不思議そうに首を傾げるあきら。
 俺がちらりと牧野のほうを見ると、牧野は緊張した面持ちで、唾をごくりと飲み込んだ。
「・・・・・美作さん」
「ん?」
「話があるのは・・・・・・あたしなの・・・・・」
 その言葉にあきらは一瞬沈黙し、ゆっくりと俺たちが座っていたソファーの前に腰を下ろした。
「・・・・・なんだ?」
「あの・・・・・あたし・・・・・・」
 牧野は両手で持っていたバッグをぐっと握り締め・・・・・・思い切ったように顔を上げると、あきらの顔を真っ直ぐに見つめ、口を開いた。
「美作さんとは・・・・・・結婚できない」
 はっきりと言い切った牧野は、じっとあきらの答えを待った。
 あきらは驚きもせず、暫くそのまま牧野を見つめていたが・・・・・・。

 「類、か」
 その言葉に、牧野の肩がびくりと震える。
「・・・・・ごめんなさい、あたしやっぱり・・・・・類が、好きなの。ずっと美作さんに支えてもらって、美作さんにはすごく感謝してる・・・・・・ほんとに・・・・・ありがとう・・・・・」
 涙を堪えているかのように、ちょっと震える声で、しかしはっきりと自分の意思をあきらに伝えようとする牧野。
 俺はそんな牧野を黙って見つめていた。
 あきら、大きな溜息をついて、髪をクシャリとかき上げた。
「・・・・・・嫌な予感は、したんだ」
「美作さん・・・・・」
「類が帰ってくるって聞いて・・・・・・一番に頭に浮かんだのはお前のことだった。また、辛い思いをするんじゃないかって心配だった。そしてそれ以上に、お前が俺から離れていっちまうような気がして・・・・・不安だった・・・・・」
 俯いたあきらの表情は、とても辛そうに見えた。
 それを見ていた牧野の表情も辛そうにゆがむ。
「お前たちが、まだ想い合ってるってことは、すぐに分かったよ。あんなふうに見つめあったりしてれば、誰だってわかる。焦った。ほんとに・・・・・今まで知らなかった感情が、俺の中にあった。お前を、類に渡したくなかった。何とかして・・・・・引き止めたかったんだ。考えてみれば、馬鹿だよな。お前の気持ちはわかってたのに・・・・・」
「美作さん・・・・・・あのね、あたし・・・・・今こんなこと言うのは違うかもしれないけど、でも聞いて。あたしがずっと元気で居られたのは、美作さんのおかげだって思ってる。美作さんがずっとあたしの傍に居て、支えてくれて。だからあたしは笑うことが出来たし・・・・・幸せだったよ?ずっと。美作さんと一緒に居られて、良かったと思ってる。プロポーズだって・・・・・びっくりしたけど、嬉しかったの」
 そこまで言ったとき、牧野の瞳から涙が零れ落ちた。
 ずっと堪えていたのだろう。
 一度零れた涙はもう堰き止めることが出来ず、次々に溢れ出した。
「ごめん・・・・・・なさい・・・・・・っ」
 あきらはそっと溜息をつくと、牧野の顔をじっと見つめた。
 その表情は、穏やかな、いつものあきらだった。
「・・・・・本当は、今だってお前を離したくなんかねえよ。だけど・・・・・・お前の顔見てたら、そんなこといえなくなっちまうよな」
 あきらの言葉に、泣き濡れた顔を上げる牧野。
「・・・・・ここに来たときから、わかってたよ。お前、すごく幸せそうな顔してる。・・・・・幸せなんだろう?」
 牧野がゆっくりと頷く。
「お前のそんな顔・・・・・久しぶりに見たよ。いや、初めてかもな。ずっと・・・・・笑っててもどこか寂しそうだったよ、お前は。俺は、それをわかってて、見て見ない振りをしてきたんだ。時間が経てば、お前が類を忘れられるんじゃないかと思ってたから。だけど・・・・・やっぱりかなわねえな。あっという間にお前をそんな顔にしちまうんだから・・・・・完敗だよ」
「あきら・・・・・」
「総二郎、お前は牧野を守るために着いてきたんだろう?俺が逆上して、乱暴でもすると思ったか?」
 あきらが俺を見てにやりと笑う。
「いや・・・・・お前に限って乱暴はしないだろうと思ってたよ。ただ・・・・・お前は、いつもギリギリまで我慢するやつだから。本当は今だって、我慢してるんだろ?」
 俺の言葉に、牧野も俺の顔を見る。
「あのな・・・・・人がせっかくかっこよく終わらせようと思ってんのに、何ぶち壊してんだよ」
 あきらが苦笑する。
「かっこなんかつけんなよ。お前の気持ちは、よくわかってるつもりだぜ。・・・・・大体、何も言わずに行っちまおうなんておれが許すと思ってんのかよ」
 そう言うと、牧野がきょとんとして目を瞬かせ、あきらがしまったというように顔を歪ませた。
「おい、総二郎―――」
「牧野に、類のときと同じ思いをさせるな」
 真剣にあきらの目を見て言ってやると、あきらははっとしたように口をつぐみ、俺から目を逸らした。
「それ・・・・・どういうこと?西門さん・・・・・・」
 牧野が俺を見上げる。
「・・・・・あきら、来月にはイタリアの方へ行くことになってるんだよ、仕事で」
「イタリア・・・・・?」
「もちろんすぐには帰ってこれない。向こうで5年か、それ以上か・・・・・少なくとも一人前になるまでは向こうで勉強しながら仕事して、その後、その成果次第でイタリア支社を任されることになってるんだろ?そのために、お前の親父がお前に見合いをさせようとしたんだ。だから・・・・・お前は、牧野にプロポーズしたんだろ?」
 俺の話に、あきらは頭をかき、息を吐き出した。
「・・・・・ったく・・・・・。ああ、そのとおりだよ。牧野がプロポーズを受けてくれれば一緒に・・・・・振られたらその縁談受けて、向こうに行こうと思ってた」
「美作さん・・・・・・」
「あきら。お前の気持ちは、わかってるつもりだ。けど・・・・・牧野の身にもなれよ。お前が、自分に振られたせいで他の女と気の乗らない結婚して、しかも自分の前から姿を消しちまったら・・・・・類のときみたく、また牧野はずっと自分を責め続けることになる。それでいいのかよ?」
 自然と声が大きくなる。
 わかってるつもりだ、俺だって。
 結局牧野を類に取られて。
 傍に居ることがどんなに辛いか。
 だけど・・・・・・
 辛い気持ちは、きっと牧野も同じ。
 いや、きっとそれ以上に牧野は苦しむんだ。
 牧野は、そういう女なんだ・・・・・。

 俺は、もう牧野が苦しむところをみたくない。
 牧野には・・・・・幸せになって欲しいんだ。
 そしてあの弾けるような笑顔を、また見せて欲しい・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 つくしのために、がんばる総ちゃんです♪

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Fantasista vol.8~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -akira-

 俺の役目は牧野を見守ること。
 いつの頃からかそう思っていた。
 ホテルで働いてるあいつを見かけて、たまに飲みに行ったりするようになって。
 好きだと思ったこともあった。
 いや、正確には今でも好きなんだけど、好きの意味が違う。
 女として好きだったのはほんの一瞬。
 その後は友達ともちょっとちがう、家族のような感じで、とても大切な存在だと俺は思ってる。
 類と何かあったんだろうってことはすぐにわかった。
 それも、牧野にとって相当辛いことだったんだろうということは容易に想像できたから、俺はそれ以上は追求しなかった。
 時間が解決してくれることだってある。だからそっとしておいたんだけど・・・・・
          
 久しぶりに総二郎に会って、牧野のことを聞かれた時に、そう言えば話してなかったなと思った。
 特に意識してるつもりはなかった。故意に避けてるつもりもなかったんだけど・・・・・
でももしかしたら。
 少し秘密にしておきたいっていう気持ちがあったのかもしれない。
 俺と牧野がこんなふうに会ってるなんて、誰も想像しないだろうから。
 2人だけの秘密なんて、ちょっと面白いよな。

 意外だったのは、総二郎が牧野に惚れてるらしいってこと。
 F4きってのプレイボーイのやつは、どんなイイ女にも本気にならない。それはやつなりの哲学でもあり、いつかは親の決めた相手と結婚しなければならないという運命への諦めでもあった。
 その総二郎が見合いをぶち壊した。しかも牧野と再会したその時に、だ。
 最初はまさかと思ったけれど・・・・・。
 俺と牧野の関係を知って嫉妬する総二郎を見て、確信した。
 牧野と総二郎。なんとなく変わった取り合わせだと思ったけど・・・・・
 マジな総二郎の顔見てたら、それも良いかもしれないと思った。
 恋愛経験の豊富なあいつなら、牧野の苦しみを取り除いてやることができるかもしれない。
 そんな気がしたから・・・・・。


 俺が日本を発つ日、空港まで見送りに来た牧野が、恨めしそうに俺を見て言った。
「美作さん、知ってたんでしょ」
 その表情で、だいたい何があったのか分かる。
「ん?何が?」
 わざと分からない振りをして聞いてやる。
「西門さんのこと!わざと2人にしたでしょ」
「なんだよ、告白でもされた?」
 その言葉に真っ赤になる牧野。
 全くわかりやすいやつだ。
「ぶっーーーーくっくっく・・・・・お前、分かりやす過ぎ」
「な・・・・・何よ、だって美作さんが―――」
「まあ、そう怒るなって。これでもお前の為を思ってやってんだぜ」
 そう言って頭をぐしぐしとなでてやると、ちょっと迷惑そうにしながらも、頬を赤らめ俺を見上げる。
「総二郎と話して、ちょっとすっきりしたとこもあるんじゃねえの?」
「まあ、ね・・・・・でも、あたしはまだ・・・・・」
「いいんだよ、焦んなくて。ただ、苦しくなったらあいつを頼れよ。結構頼りになるから」
「・・・・・美作さんだって、頼りになるよ?」
 俺に気を使ってるのか、そんな風に言ってくれるのが嬉しくて、上目使いに俺を見つめる顔が可愛くて、ついからかいたくなる。
「じゃあ、総二郎やめて俺にする?」
 そう言って顔を近付ける。
「へ・・・・・?」
 真っ赤になって固まる牧野。
 早く逃げてくれないと、マジでキスしちゃいそうなんだけど・・・・・。
 そう思いながらもそのまま唇に触れそうな距離まで近づく・・・・・

 と、そこで突然おでこをグイッと押され、よろける。
「うあっと・・・・なんだ、総二郎いたのか」
 牧野の後ろに、いつの間に来たのか相当不機嫌な顔をした総二郎が立っていた。
 こいつとの付き合いも長いけど、これほど不機嫌な顔は見たことがないかもしれない。
「西門さん!」
 牧野も驚いて振り向く。
「いたのか、じゃねえよ。何してんだよ、このスケベ」
 不機嫌に低い声でそんな風に言われても、ビビリはしない。
 つうか、逆になんかおもしろいものが見れて得した気分だ。
「スケベって、何言ってんのよ、西門さん!」
 牧野のほうがむっとして顔を顰めてそんなことを言うもんだから、余計に総二郎の機嫌が悪くなる。
「お前も、何してんだよ!あきらとキスするつもりか?」
 その言葉に、牧野の顔が真っ赤になる。
「な、何言ってんのよ!あたしは―――」
「まあまあ、待てよ牧野。総二郎もそんなに怒るなって」
 俺がそう言うと、総二郎が俺をじろりと睨みつける。
「あきら、お前やっぱり・・・・・・」
「バカ、勘違いすんな。このくらいでむきになるなって。キスくらい、目くじら立てるほどのことじゃねえだろ」
 わざと挑発するようににやりと笑ってやると、牧野は真っ赤になり、総二郎は額に血管を浮かび上がらせた。

 ―――おもしれえな・・・・・。当分このネタで笑えそうだ。

 「あきら・・・・・お前、俺で遊んでんだろ」
 総二郎が顔を引きつらせながら言う。
「まあな。おもしれえな、お前。結構独占欲強いんじゃん」
「・・・・・うるせえよ」
 ぷいっと背けられた総二郎の頬が、微かに染まっていた。
 牧野の顔を見ると、心底驚いた表情で総二郎を見ている。
 でも、その顔は別に嫌がってるわけでもなく・・・・・総二郎と同様、微かに染まった頬は、これからの2人の未来を予感させているようだった。 
「ま、がんばれよ。今度帰ってくるころには、もう少しその距離が縮まってることを期待するよ」
 そう言って、総二郎と牧野の間の10cmほどの隙間を指差した。
「美作さん!」
 頬を赤らめ、文句を言おうとする牧野のおでこを、指でピンとはじく。
「心配すんな。ちゃんと俺が見守っててやるから。甘えたいときは、無理しないで甘えろよ」
 そう言って、俺は牧野の頬に軽く触れるだけのキスをすると、素早く牧野から離れて搭乗ゲートに向かった。
「じゃあな!総二郎、牧野を泣かすなよ」
「わかってるよ」
 何か言いたげな総二郎の顔を見てにやりと笑い。
 俺は2人に向かって手を振ると、そのまま向きを変えて歩き出したのだった・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こういうあきら君が、私は大好きです。

 
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キャラメル・ボックス vol.7 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 美作さんに話をしなきゃ。
 そう思いながら家を出たあたしを待ってたのは、西門さんだった。
「西門さん?どうしたの?」
「お前とちょっと話したくてさ。時間あるか?」
「いいけど・・・・・なに?改まって」
「どっか入ろうぜ。俺、昼飯まだなんだ」
 そう言って歩き出す西門さん。
 あたしは、首を傾げつつ、西門さんのあとに着いて行った。


 「お前、類と何か話した?」
 喫茶店に入り、オーダーを済ませて開口一番、そんなことを言うもんだから、あたしは口に含んでた水を吹き出しそうになり、思わずむせてしまう。
「ゴホッーーーな、何、突然」
「・・・・・お前って正直なやつだな」
 呆れ顔の西門さんに思わずむっとする。
「西門さんと違って素直なんです!」
「あっそ。それでその素直なつくしちゃんは、類とどんな話をしたわけ?」
「ど、どんなって・・・・・」
「告白されて、プロポーズされて?ついでにエッチもしちゃった?」
 西門さんの遠慮のない言い方に開いた口が塞がらず、金魚のようにパクパクとさせてしまう。
「・・・・・図星かよ・・・・・本当に正直なやつだな。で、これからあきらのとこもにでも行くつもりだった?」
「・・・・・ムカつく。いちいち人の心理読まないでよね!」
「お前の考えてることなんか手に取るように分かるっつーの。全く単純なやつだよな。司みてえ」
「な・・・・・なんでここで道明寺が出てくるのよ!あいつと一緒にしないでよ!」
 思わず声を荒げるあたしの前に手をかざし、溜め息をつく西門さん。
「まてよ。別に喧嘩しに来たわけじゃねえんだ」
「だって・・・・・」
「お前はお前の思った通りにすればいいと思うぜ。ただ・・・・・このままだとまた、類の時みたくお前はあきらを傷つけたことをずっと気にし続けるんじゃないかと思ってさ」
 あたしは西門さんの言葉にはっとした。
 そうだ・・・・・
 西門さんもずっと、あたしの事を見守ってくれてたんだ。
「最初は、ただ友達としてお前を見守っていただけだったとしても、今のあきらはマジでお前に惚れてる。それは、お前も気付いてるだろ?」
 あたしは俯き、黙って頷いた。
 そんな事・・・・・わかってる・・・・・。


 -soujirou-
 俺の言葉に、辛そうに目を伏せる牧野。
 牧野の、そんな辛そうな顔はもう見たくない。
 だからこそ・・・・・この問題は、俺が何とかしてやりたかった。

 類に言われたとおり、俺は牧野に惚れてる。
 あの、泥酔した日に牧野を介抱したのがあきらじゃなくて俺だったら。
 何度そう考えた事だろう。
 だけど現実に牧野の傷を癒してやったのはあきらだった。
 そして、あきらは俺の親友で・・・・・あきらの気持ちも、俺は痛いほど分かってるつもりだった。
 だから、牧野があきらを選んだのなら、それでもいいと思ってた。

 だけど・・・・・
 同じように、類も俺の親友なんだ。
 そして、類がどれほど牧野の事を思っていて、どれほど辛い思いを抱えて日本を、牧野の傍を去ったのか、それも俺は見てきた。
 その類が帰って来て・・・・・
 婚約してもなお、未だ牧野の事を思っているのを見てしまえば、それを見て見ぬ振りは出来なかった。
 このまままた、辛い思いを抱えたまま結婚してもいいのか・・・・・。
 
 それから牧野。
 類の事を思えばこそ、類との別れを選んだ牧野。
 その方法が正しかったとは思えないが、きっとあのときの牧野にはそうすることしか出来なかったんだ。
 類の婚約を知ったときの荒れようを見れば、牧野の想いの深さは疑いようが無くて。
 何とかしてやりたくて・・・・・。
 それでも何も出来なかった俺は、ただ牧野を見守ってやる事しか出来なかった。
 ずっと牧野の傍に居て、支え続けたあきらの思いに答えようとした牧野を、あきらの愛情に寄りかかってしまった牧野を、誰が責めることが出来る?
 そして、1年ぶりに帰って来た類に、思いの丈をぶつけられて。
 真っ直ぐで純粋な愛を告げられて。
 心の奥底で未だ類の事を思っていた牧野が、類を拒めなかった事を誰が責めることが出来る?

 俺に出来るのは・・・・・
 この3人が何とかして傷つかずに済むようにする事。
 
 「牧野」
 俺の声に、牧野の肩がびくりと震える。
「俺は、牧野の味方だから」
「え・・・・・?」
 牧野が目を見開いて俺を見る。
「俺は、お前の味方だから。だから・・・・・お前が決めた事に、反対はしない」
「西門さん・・・・・」
「俺に、全部話せよ。お前の気持ちも・・・・・これからどうしたいのかも。それから・・・・・2人で、あきらのところへ行こう」
「西門さんと?でも・・・・・・」
「俺は、第3者だから。お前とあきらの橋渡しの役目が出来ると思う。お前は、あきらを傷つけたくないと思ってるんだろう?それを、俺が助けてやる。それから・・・・お前が傷つかないようにしてやるよ」
 俺の言葉に、それでも牧野は不思議そうに目を瞬かせている。
 まあ、それはそうだろう。
 こいつは、俺の思いを知らないのだから・・・・・
「心配するな。お前が気まずくなると俺もこれから先やりづれえから協力するだけだ。お前も、あきらを傷つけたくないと思うなら・・・・・それから、類の事を幸せにしたいと思うなら、俺に協力しろよ」
 
 牧野の性格は把握してる。
 『協力してやる』
 と言われれば反発する。
 『協力しろ』
 と言われれば、断れないんだ。
 そしてそれが、自分の大切な人間の為となればなおの事・・・・・

 「・・・・・分かった・・・・・」
 案の定、牧野はそう言って頷くと、牧野は自分の気持ちを全て俺に話し始めたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こちらでは久々、総ちゃんの登場です。
 何とか皆幸せに。
 ご都合主義といわれようとも、とりあえず「ハッピーエンド」が私の信条です♪

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Fantasista vol.7~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 「付き合ってたって言っても・・・・・3ヶ月くらいのことなの。花沢類が、大学を卒業する前の、3ヶ月・・・・・。最初は、ただ楽しかった。花沢類といることは自然で、道明寺といるときみたいに喧嘩もしなかったし・・・・・そのままずっと、一緒にいられたらって、思ってた。そのときは・・・・・」
 辛そうに伏せられる、牧野の瞳。
「・・・・・何があった・・・・・?」
「・・・・・プロポーズ、されたの」
「プロポーズ・・・・・」
「あたし、花沢類の家のことはほとんど知らなくって・・・・・・花沢類も特に話さなかったし、あたしも詳しく聞いたことはなかった。だから、フランス支社での仕事につくことになってるなんて、ちっとも知らなくって・・・・・。突然、着いて来てほしいって言われたの。結婚して欲しいって・・・・・」
 そこまで話すと、牧野は小さく息を吐いた。
「・・・・・すごく、迷った。結婚て言葉を聞いて・・・・・道明寺とのことを思い出して・・・・・。また、あんなふうに嫌な思いをするかもって思ったら・・・・・・でも、花沢類は、あたしを守るって言ってくれた。全力で・・・・・・あたしを幸せにしてくれるって。だから、あたしも、そのプロポーズを受けたの。花沢類のこと、本当に好きだったから・・・・・でも・・・・・」
「でも?」
「・・・・・違ったの・・・・・」
「違う?何が?」
 再び俯き、涙を流し始めた牧野。
 俺は、牧野の髪をそっと撫でた。
「牧野・・・・・?」
「あたし・・・・・そのプロポーズ受けた日に・・・・・花沢類と、ホテルに泊まったの」
 息が、止まったかと思った。
 男女が付き合っていれば、それは当然のこと。
 なのに、俺はその言葉にショックを受け・・・・・すぐに言葉を発することが出来なかった。

 「今まで、デートはしても泊まったりしたことはなくて。だから・・・・・すごく緊張して・・・・・でも、緊張してるだけだって、思ってた。花沢類は、怖がるあたしに、焦らなくていいからって優しく言ってくれて・・・・・・でも、そのとき気付いたの」
「・・・・・何を?」
「あたしは・・・・・花沢類のこと、男として好きなんじゃないんだって」
「それは・・・・・・」
「あたしはずっと、花沢類を友達としてしか、見てなかったの・・・・・。高校生のころ、花沢類に恋したことがあったけど・・・・・そのころの気持ちとは、全く違う。あたしの中で、花沢類はもう・・・・・男の人じゃなかった・・・・・。それに気づいて・・・・・愕然とした。自分で自分の気持ちに気付かないなんて、なんて馬鹿なんだろうって。それでも、花沢類はあたしを責めなかった。あたしの気持ちをわかってくれて・・・・・でも・・・・・花沢類は、あたしに言ったの」
「何を?」
「・・・・・知ってたって・・・・あたしの気持ち、気付いてたって・・・・・。それでも、いつかはその気持ちも変わるかもしれないって思ってたんだって・・・・・そう言ったの・・・・・」
 ぽろぽろと、頬を流れ落ちる涙。
 俺が指で掬ってやっても、それは止まることがなかった。
「あたし・・・・・3ヶ月もの間、自分の気持ちにも、花沢類の気持ちにも気付かず・・・・・あの人を、花沢類を傷つけてたの・・・・・あんなにあたしのことを思ってくれてた人を・・・・・・取り返しがつかないほど・・・・・傷つけてしまった・・・・・」
「牧野・・・・・・」
 涙を流し続ける牧野をそっと抱き寄せ、背中に腕を回す。
 震える牧野の体。

 類を、傷つけてしまったという事実。
 自分の本当の気持ちを知っていてもなお、傍にいてくれた類への思いと、それを踏みにじってしまったと思っている自責の念が・・・・・その震える肩から、伝わってくるようだった。

 「牧野・・・・・泣くな・・・・・・」
 そっとその黒髪にキスを落とし、落ち着かせるように囁きかける。
 声を押し殺して泣き続ける牧野が痛々しくて。
 他に、かける言葉が見当たらなかった。
 女が泣いてるときにかけてやる言葉なんて、今までいくらでも思いついたのに・・・・・
 今は、これ以上ないってくらい惚れてる相手を前にして、どうしたらいいか、わからなかった・・・・・。


 暫くして・・・・・漸く泣き止んだ牧野が、恥ずかしそうに俺から離れた。
「ご、ごめん、なんか止まらなくなっちゃって・・・・・」
「いや・・・・・」
「ずっと・・・・・誰にも言ってなかったから。聞いてもらってよかったかも。西門さんの言うとおり、少し、整理ついた気がする」
 そう言って強がって笑って見せる牧野が、逆に痛々しかった。
「・・・・・無理、すんな。俺でよければいつでも聞いてやるし・・・・・酒くらい、付き合ってやるよ」
 そう言うと、またちょっと笑う牧野。
「ありがと」
 それでもやっぱりその顔は無理してて。

 違う。そんな言い方じゃダメだ。

 牧野の力になりたいのに、どうしていいかわからないジレンマに、俺は少し焦っていた。

 「西門さん・・・・?どうかした・・・・・?」
 何も言わず、牧野の肩を掴む俺を、不思議そうに見上げる牧野。
 その頬には、まだ涙の跡がくっきりと残っていて、目も真っ赤に充血していた。
「・・・・・俺じゃ、ダメか?」
「え?」
 目を瞬かせる牧野。
「その傷・・・・・俺じゃ癒せないか・・・・・?」
「西門さん・・・・・?」
 不思議そうに首を傾げる牧野。
 俺はそんな牧野を、じっと見つめた。
「俺・・・・・牧野が、好きだよ」
 その言葉に目を見開き・・・・・困ったように眉を寄せる。
「何言ってるの・・・・・?からかわないでよ」
「からかってんじゃねえよ。本気で・・・・・俺は、お前に惚れちまったんだ。だから・・・・・俺と、付き合って欲しい」
 戸惑いに揺れる牧野の瞳。
「ちょっと・・・・・待ってよ、急にそんな・・・・・嘘でしょ?西門さんが、あたしのことなんて・・・・・」
「ああ、俺も信じらんねえよ。でも・・・・・本気なんだ。本気で、俺はお前に惚れてる。こんなとき・・・・もっとうまい口説き方がありそうなのに、それも思いつかねえ。マジで告白なんて、どうしたら良いかわからねえ。だけど、もう後戻りできない。自分でも押さえが利かないくらい・・・・・お前のことしか、考えらんねえんだよ」
 それでもまだ信じられないような顔で、俺を見つめる牧野。
 どう受け止めたら良いのかわからない。
 そんな顔だ。
「・・・・・今すぐ答えろとは言わねえよ」
 俺は苦笑して言った。
「ただ、考えといてくれ。俺のこと・・・・・」
「西門さん・・・・・でも、あたしは・・・・・」
「頼むから、今すぐ振ったりすんな。これでも、デリケートにできてんだ」
 そう言うと、牧野はまた困ったように俺の顔を見つめた。
「・・・・・都合のいい男でもかまわねえから。お前がちゃんと、類とのことを整理つけられるまで待っててやるよ。だから、泣きたいときは俺を呼べ。どこにでも行ってやる」
「そんな都合のいいこと・・・・・」
「良いんだって。自分1人で抱え込まれたりするよりずっと良い。おれを頼りにしろ。それで、いつか整理がついたら・・・・・俺のこと、ちゃんと男として見てくれ。それまで、ちゃんと待つから。だから・・・・・傍に、いさせていくれ」
 ただ、傍にいたいんだ。
 牧野の一番近くにいる権利・・・・・
 それを、手に入れたかった・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 類つく書いてると、総つく書きたくなる。
 総つく書いてると、類つく書きたくなる。
 そんなわけで、交互になってます。

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キャラメル・ボックス vol.6 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 ホテルの最上階のスウィート。
 夜景の見える窓の傍で、俺は牧野をソファーに座らせた。
 その横に俺も座り、そっとその髪を撫でる。
 
 呆れたように俺を見上げる牧野。
「・・・・・・強引、過ぎるよ」
「うん。わかってる」
 そう言って、牧野の髪にキスを落とす。
 牧野の頬が微かに染まる。
 さっき、あんなに熱い口づけをしたばかりなのに、こんなことでまた赤くなる牧野がかわいかった。
「・・・・・この1年間、俺は牧野のことばかり考えてた」
「・・・・・・・」
「忘れるために、牧野から離れたはずなのに・・・・・・。会いたくて、会いたくて。毎日そればかり・・・・・。それが苦しくて、堪らなくて、親が持ってきた縁談を受けたんだ・・・・・。会ったことなんてなかったし、送られてきた写真もろくに見なかった。見合いの席でもほとんど目も合わせず、ただ聞かれたことに答えて・・・・・多分、印象は最悪だったと思うよ。それでも、勝手に話は進んで、式の日取りまで決まってた」
 俺の話に、牧野は辛そうに目を伏せた。
「どうでも良かった。相手が牧野じゃないなら、誰でも一緒だった。だから、その日以来相手とは会うこともなかったし、顔も思い出せないくらいの印象しか残ってない」
 そう言って苦笑すると、牧野はちょっと複雑そうに俺を見上げた。
「それ・・・・・ひどいよ」
「でも、そうなんだから仕方ない。結婚前に、日本での仕事を少しやることになったとき・・・・・複雑だった。牧野に、会いたい気持ちと、会いたくない気持ちと、両方あったから・・・・・。だけど、実際牧野に会って・・・・・あきらと付き合ってること知って・・・・・どうしても、自分の気持ちを抑えられなかった」
「花沢類・・・・・」
「悔しかった。俺のいない間に、俺以外のやつが牧野の傍にいたことが。牧野の心に入り込んでたあきらが・・・・・・・羨ましかった・・・・・。牧野の傍にいるのは、俺のはずだったのにって・・・・・・・」
 牧野の髪に指を差し入れ、髪をすく様に撫でる。
 牧野の瞳が潤む。
「後悔したよ。どんなに辛くても・・・・・・牧野の傍を離れるべきじゃなかったって。ずっと傍にいて、牧野の傷を癒してやりたかった。どんなときでも・・・・・・牧野の隣にいるのは、俺でありたかったのに・・・・・」
「あたし、は・・・・・・・」
「やっぱり、俺には牧野しかいないんだ。牧野以外の女なんて、考えられない・・・・・・周りになんて言われようと・・・・・俺は、牧野の傍にいたい」
 牧野の瞳をじっと見つめる。
 涙が1粒、牧野の頬を伝った。
 その涙を唇で救い、そのまま唇を奪う。
 何度も啄ばむようなキスを繰り返し、頬に、耳朶に、キスの雨を降らせる。
「花沢、類・・・・・・あたしは・・・・・・」
 何か言葉を紡ごうとする牧野の唇をもう1度塞ぎ、今度は開きかけた唇の隙間から舌を差し入れ、熱い口づけをする。
 牧野の震える手が、俺のシャツを握り締めている。
 そんな仕草が、堪らなく俺を煽っていた。
「・・・・・・愛してる・・・・・・・・」
「類・・・・・・」
 呼ばれた名前に、俺はふと牧野を見つめた。
「・・・・・名前だけで呼ばれるの、久しぶり・・・・・」
 こつんと、おでこをあわせると照れたように視線を逸らす牧野。
「だって・・・・・・」
「嬉しい、すごく・・・・・」
「・・・・・・類、あたしは・・・・・・」
「あきらが・・・・・牧野にとってすごく大事な存在だってことはわかってるよ」
 その言葉に、牧野が顔を上げた。
「俺にとっても、あきらは親友だよ。それだけは、ずっと変わらない。でも・・・・・親友でも、譲れないものがある。牧野だけは・・・・・どうしても、譲れない」
「類・・・・・」
「牧野・・・・・。俺に、ついてきて」
 俺の言葉に、牧野の瞳が見開かれる。
「一度決まった結婚を白紙に戻すってことは、花沢の家に泥を塗るってこと。相手にも恥をかかせてしまう。この結婚は単なる結婚じゃなくってビジネスだから・・・・・それをぶち壊すんだから、ただじゃ済まないことは俺もわかってる。勘当されるかもしれないし、もう日本にはいられなくなるかもしれない。そうなっても、俺は仕方ないと思ってるし・・・・・・覚悟もできてるつもり」
「類・・・・・」
「だけど、俺も花沢の家から出たことがない人間だから・・・・・きっと、一緒にいたら苦労すると思う。それでも・・・・・俺には、牧野が必要なんだ。牧野がいてくれたら、他には何もいらない。牧野が傍にいてくれたら、何でも出来る。だから・・・・・俺についてきて欲しい」
 じっと見つめながら。
 1つ1つの言葉に、思いを込めて告げる。
 1年前に、言えなかったこと全て・・・・・
「幸せに出来るかって聞かれたら、正直わからない。きっと苦労させてしまうから。だけどそれでも、俺には牧野以外は考えられないから。一緒にいてくれれば、幸せなんだ」
 その言葉に牧野は一瞬目を見開き・・・・・そして急にぷっと吹き出した。
 目に涙を溜めながらおかしそうに笑う牧野を、今度は俺が驚いて見る。
「何?」
「だって・・・・・普通、プロポーズって、『幸せにする』って言うものじゃない?なのに、『わからない』って・・・・・・・」
 くすくすと笑い続ける牧野。
 俺は頭をかきながら
「そんなにおかしい?」
 と聞いた。
「ん。おかしい。でも・・・・・・」
「でも?」
 牧野は小さく息をつくと、俺を見上げた。
 きらきらと輝く大きな瞳が、俺を捕らえる。
「正直に言ってくれて、嬉しかった。あたしも・・・・・・ずっと苦しかったから。自分にも、周りにも・・・・・素直になれなかった。美作さんが、あたしの弱みも全部包んでくれて・・・・・・嬉しかったの。この人の傍にいたら、きっと幸せになれるって思った・・・・・」
「牧野・・・・・・」
「だけど・・・・・それはきっと、あたしが望む幸せとはちょっと違う。あたしは・・・・・人に幸せにしてもらうんじゃなくて、自分で幸せを掴みたいんだって・・・・・・今、気付いた」
 そう言って微笑んだ牧野の笑顔は、眩しいほどに輝いていた。
「美作さんはきっと、あたしを幸せにしてくれる・・・・・でも、あたしは・・・・・・あたしは、花沢類を、幸せにしたい。それが・・・・・あたしの幸せだよ」
 そう言って花の様に笑う牧野。

 愛しくて。

 その体を、思い切り抱きしめていた。

 「愛してる・・・・・・類・・・・・」

 その言葉が、まるで今まで苦しんできたものを全て消し去るように、俺の心に染み込んできた・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっとあきらがかわいそう。
 そのうち、幸せなあきら君のお話も書きたいなあ。

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「Bitter&Sweet」のほうに、R版をアップ中です。

Fantasista vol.6~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 あきらが行ってしまってから10分ほど経ったころ、牧野が現れた。
「あれ?美作さん、まだ?」
 俺しかいなかったことを不思議に思ったのか、首をかしげて聞く牧野。
「なんか、急用が出来たらしい」
「え、そうなの?なんだ・・・・・」
 明らかにがっかりした様子の牧野。
 そんなにあきらに会いたかったのか?
「何、俺だけじゃ不満?」
 ちょっとふてくされ気味に言うと、牧野はその大きな瞳を瞬かせた。
「そんなことないけど・・・・・」
「そ。じゃ、座れよ。とりあえずなんか飲もうぜ」
 そう言って促すと、俺の向い側に座る牧野。
 ふわり、とその瞬間に牧野から漂ってきた香。
 これは・・・・・
「お前、コロンなんかつけてたっけ?」
「あ・・・・・これね、美作さんにもらったの。海外の・・・・今回はどこだっけ?フランスか」
 フランスのコロンらしい、柔らかな花の香。
 甘く、それでいて爽やかで・・・・・
 悔しいけれど、牧野にぴったりの香だと認めざるを得なかった。
 それがあきらの気持ち全てを表しているようで・・・・・・
「へえ。コロン送るなんて、相変わらずなやつだな。けど、送る相手間違えてんじゃねえの」
 なんて憎まれ口が口をついて出る。
「あ、ひっどいなー。あたしだってコロンくらい着けるときあるんだから。今日は・・・・・美作さんにつけて来いって言われたから、つけたんだけどね」
 
 ―――あきらのやつ・・・・・

 あきらの俺に対する気遣いへの照れくささと、あきらの言うとおりにコロンをつけてきた牧野への嫉妬心で、俺の心は落ち着かなくなる。
「・・・・・でも、やっぱり落ち着かないかも。こういうの、あたしらしくないよね」
 照れくさそうに笑いながら言う牧野。
「んなことねえよ」
「え?」
「お前に・・・・・合う香だと思うぜ?あいつ、プレゼントの趣味は良いから。遠慮せずにつけてろよ」
 そう言って笑ってやると、牧野は意外そうに俺を見て・・・・ほんの少し、照れたように頬を染めた。
「あ、ありがと・・・・・」
 恥ずかしそうに俯くその表情がかわいくて。
 なんだかこっちまで照れくさくなってしまう。
「べ、別に、思ったこと言っただけだって。んな照れんなよ。こっちまで恥ずかしくなってくる」
「だって・・・・・西門さんと違ってあたしはそういうの慣れてないんだから、やめてよね」
 そう言って上目遣いに睨んでくる表情も、どきどきするほどかわいく見える。
 
 ―――やべえ・・・・・俺、相当重症かも・・・・・。

 カクテルが運ばれてきて、2人でグラス傾けながら話をする。
 仕事のこと、友達のこと・・・・・
 英徳を辞めてからの牧野をほとんど知らなかった俺にとっては、牧野の話は全て新鮮で・・・・・楽しそうに話す牧野の笑顔を見ているだけでもなぜか幸せな気分になれた。
 まるで初めて恋をした中学生みたいだ。
 牧野のくるくる変わる表情の1つ1つに、どきどきする。
 もっとその笑顔が見ていたい。
 もっと近くに行きたい。
 もっと・・・・・牧野のことが、知りたい・・・・・・。


 「なあ」
 飲んでいたグラスが空になり、同じものをオーダーした後、俺は口を開いた。
「え?何?」
 牧野が首を傾げる。

 ―――やっぱり、これだけは聞いておきたい・・・・・
 
 「お前・・・・・類とは連絡とってねえの?」
 そう聞いた途端・・・・・
 牧野の表情が、一変した。
「あいつがフランス行ったのは4年前。大学卒業してすぐだったよな。類ってやつは自分のことほとんどはなさねえから、俺らも無理に聞いたりしなかったけど・・・・・お前が英徳やめた後も、会ってたんじゃねえの?あいつ、お前の家にも行ってたろ?」
「・・・・・あたしは・・・・・会ってない。もう・・・・・ずっと・・・・・」
 さっきまでと違う、張りのない声。
 グラスを持つ手が、微かに震えていた。
「何か・・・・・あったんだろ?類と・・・・・」
 俺の言葉に、牧野は辛そうに表情を歪め、俯いてしまった。
「牧野・・・・・」
 俺は席を立つと、椅子をずらして牧野の隣に移動した。
「牧野、ごめん。お前を・・・・・傷つけたいわけじゃねえんだ。ただ・・・・・あきらも言ってた。類とのことで、何かよっぽど辛いことがあったんじゃないかって。辛くて・・・・・類とのことを、言いたくても言えないほど辛い顔をしてたって・・・・・・心配、してた。・・・・・・話してみねえか?話して・・・・・何もかもぶちまけて・・・・・それで整理がつくことだってあるだろ?」
「・・・・・・・」
 それでも、ただ黙って俯く牧野の小さな肩に、俺はそっと手を置いた。
「牧野・・・・・話してみろよ。俺が・・・・・傍にいるから」
 
 ずっと俯いていた牧野が、そっとその顔を上げたのは、それから数分後だった・・・・・。

 「あたし・・・・・・花沢類を・・・・・・すごく、傷つけたの・・・・・」
 そう言った牧野の瞳は、涙で潤んでいた。
「傷つけた・・・・・?」
 俺の言葉に、牧野は小さく頷いた。
 その瞳からは、今にも涙が零れそうだった。
「花沢類は・・・・・ずっと傍にいてくれた。道明寺と別れて、英得も辞めて、奨学生となって働きながら大学に通い始めたあたしをいつも励ましてくれて・・・・・いつも、心の支えになってくれた。そんな花沢類に、あたしは甘え過ぎてたの」
「でも・・・・・それは、類のやつも望んだことだろ?あいつは、お前のためなら何でもした。本当に純粋に・・・・・お前のことを、好きだった」
 いつも優しい眼差しで牧野を見つめていた類。
 司と付き合っていた牧野を、いつも応援していた・・・・・。
「そう。花沢類は、いつでもあたしを支えてくれてた。あたしもそんな花沢類が好きで・・・・・・だから、付き合いたいって、思ったの」
「・・・・・・類と、付き合ってたのか・・・・・?」
 
 予想はしていたことだ。
 だけど・・・・・俺の心はずきんと痛んだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 やっぱり類の存在は大きいです。

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キャラメル・ボックス vol.5 ~花より男子・類つく~

Category : キャラメル・ボックス(完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 このまま、離すつもりはなかった。

 一度は離してしまった牧野を。
 
 今度は、絶対に離さない・・・・・・

 あきらのことを『好き』と告げようとする牧野の唇をたまらず塞いだ。
 あきらの、他の男の名前を聞きたくなかった。
 俺だけを見てほしい。
 俺のことだけを・・・・・考えて欲しい。

 夢中で舌を絡め、その体をかき抱く。
 人に見られてたって、関係ない。
 もう1秒でも、離れたくなかった。

 長い口付けに牧野の体からは力が抜け、膝ががくんと折れる。
 俺はその体を支え、唇を離すと、耳元に囁いた。
「・・・・・部屋を、とってある」
 その言葉に、牧野が驚き、目を見開く。
「今夜は・・・・・帰さないつもりで、呼んだんだ・・・・・」
「な・・・・・に言ってるの・・・・・そんな・・・・・そんなこと、できるわけない」
「どうして?」
「どうしてって、あたしは美作さんと結婚するんだよ!?」
「させないよ、結婚なんか・・・・・・。決めたんだ。もう、俺は逃げない。牧野を手に入れるまでは・・・・・絶対に諦めない」
 ずっと、後悔していた。
 どうしてあの時、俺は牧野から離れてしまったのか。
 傷ついた牧野を救えるのは、俺じゃなかった。
 そう思ったんだ、あの時は。
 だけど・・・・・・違う。
 俺は、逃げてたんだ。
 いつまでも牧野の心を手に入れられないんじゃないかという不安から。
 牧野の心は、ずっと他にあると思っていたから・・・・・・
 だけど、そうじゃなかった。
 あのときの俺には、それすら見えてなかった・・・・・・・。

 1年という月日が流れ、意にそぐわない婚約までして、今更何を、と言われても仕方がない。
 それでも俺は・・・・・・・

 「好きなんだ、牧野が」
「花沢類・・・・・」
「1年もかけて・・・・・・漸く答えが見つかった。俺には、牧野だけだ。牧野のいない世界なんて、考えられない。ずっと一生・・・・・牧野の傍にいたい」
 抱きしめていた腕を緩め、牧野の瞳を見つめながら言う。
 牧野の瞳には涙が溢れ、頬を伝っていった。
 俺は唇でその涙を救う。
「・・・・・ずるい、よ・・・・・・」
 切なげに絞り出される、牧野の声。
「・・・・・ごめん・・・・・・」
「どうして・・・・・・」
「好きだから・・・・・・」
「あたしは・・・・・・」
「俺が嫌い?」
 牧野の頬に手を添え、その目を見つめる。
 牧野が、ゆっくりと首を振る。
「嫌いになんか・・・・・なれるわけ、ない・・・・・・知ってるくせに・・・・・」
「うん・・・・・・だから、あの時俺を振ったんだよな・・・・・・俺のために・・・・・・」
「自惚れないで、よ・・・・・!」
 ぐっと両手で胸を押される。
 だけど、俺は牧野を離さない。
「自惚れさせて。本当は・・・・・牧野も俺を好きだって。ずっと・・・・・好きだったって・・・・・違う?」
 俺が聞くと、牧野はぽろぽろと涙を流しながら、首を大きく振った。
「牧野・・・・・・・・」
「ちがわ、ないよ・・・・・・ずっと、好きだった・・・・・。本当は、道明寺と別れる前から、ずっと・・・・・だけど、そんなこと言えなかった。それを言ったら、それまでのことが全部嘘になるみたいで・・・・・道明寺とのことまで、全部・・・・・。だから、言えなかった・・・・・あの時ちゃんと言えてたら、花沢類のことだって、傷つけずに済んだのに・・・・・・」
 俺の胸がずきんと痛んだ。
 ずっと、傷ついたのは、俺のほうだと思っていた。
 だけど、牧野のほうがずっと傷ついてたんだ。
 その傷を、癒したのは俺じゃない・・・・・・。

 それでも・・・・・・
 俺はもう、牧野を離せない・・・・・。

 「牧野・・・・・・俺はもう、牧野を苦しめたくない。このまま別れたら、きっと後悔する。牧野だって・・・・・そうじゃないの?このままあきらと結婚して・・・・・本当に後悔しない?あきらのこと・・・・・結局傷つけることにならない?」
「花沢類・・・・・・」
「あきらと結婚して・・・・・本当に幸せになれるの?俺は・・・・・牧野が苦しむのを、もう見たくない。それはきっと、あきらも同じ想いだと思うけど・・・・・」
 見つめる牧野の瞳が、揺れた。
 牧野にとって、あきらが大切な存在なんだってことはわかってる。
 傷つけたくないと、思ってるのだろう。
 だからこそ、ここで諦めるわけには行かなかった。
 俺にとっても、あきらは大事な親友であることは変わらない。
 その関係は、ずっと続くものだって信じてる・・・・・。

 「あたし・・・・・あたしは・・・・・・」
 牧野の気持ちが、揺れているのがわかる。
 だけど、その揺れが治まるのを待つ余裕は、俺にはなかった。

 俺は、牧野を横抱きに抱えると、そのままホテルの部屋が並ぶ廊下を歩き出した。
「え?ちょ・・・・・花沢類?何して・・・!!」
 動揺する牧野に、俺はちょっと微笑んで見せた。
「部屋、とってあるって言ったでしょ?続きは部屋で」
「は!?ちょ、待ってよ!あたしはまだ・・・・・離してってばっ」
「離さないよ、絶対に」
 即答する俺を、呆気にとられたように見つめる牧野。
「今夜は、絶対に帰さない・・・・・・」
 そう言って・・・・・・

 俺は、予約しておいた部屋に、カードキーを差し込んだのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こうと決めたら、絶対ひかない。
 類ってそんな感じじゃないでしょうか。

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Fantasista vol.5~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 牧野の口からあきらの名前が出るたびに、俺の胸がきしむように痛む。

 認めたくはなかったけど・・・・・・

 これはもう、間違いない。

 おれは、牧野に惚れちまったんだ・・・・・・


 翌日、あきらからメールが入る。
『明日、牧野と3人で飲もう。青山のいつものバーで待ってる』
 たまにあきらと2人で飲みに行くバーだ。
 F4が揃うことは実を言うとそんなにない。
 司は女と遊ぶってことをしないやつだったし、今は忙しくてほとんど日本にも帰らない。
 類は、とにかく出不精で外に出るのを面倒くさがるやつだから、外で会うことさえ珍しかった。
 だから、一緒に飲みに行くのは大抵あきらだったが、あきらとだってそうそういつも一緒にいるわけじゃなかったから、今回は何ヶ月ぶりかで飲みに行くのだった。


 「よ、来たな」
 バーに入ると、あきらがいつもの席でグラスを傾けていた。
「相変わらず早いな。牧野は?」
「あいつは、遅れてくる。1時間遅い時間を教えたんだ」
 にやりと笑うあきらに、ちらりと視線を送る。
「・・・・・なんだよ?」
「いや・・・・・ちょっとお前とゆっくり話したかったんだ。今度向こうに行ったら、3ヶ月は帰ってこれない」
「へえ・・・・・。けど、こないだも話はしただろ」
「まあな。けど・・・・ちゃんと自覚してからじゃ、ちょっと話すことも違うかと思ってさ」
 その言葉に、俺は視線を逸らし、店のマスターに水割りをオーダーした。
「・・・・・・何か、俺に言うことがあるってのか?」
「一応、牧野の兄貴代わりとしちゃあな。お前の女性遍歴も知ってるわけだし?あいつが傷つくのを、みすみす放っておくわけにも行かない」
「・・・・・ちゃんと、他の女とは別れてるよ。牧野のことがあったからじゃねえけど・・・・・あの見合いの前に、整理しとけって言われて、全部の女と手を切ってる。ま・・・・・正直、最初か気乗りのしなかった見合いだから、携帯の番号も変えなかったし、メルアドもそのままで別れる前と変わりなく連絡寄越す女も何人かいたけど・・・・・そいつらとも、ちゃんと話をつけたし、ケー番もメルアドも変えた。新しいの教えたろ?」
 今日変えたばかりの携帯。
 新しい番号とメールアドレスを教えたのは、F4と牧野だけだ・・・・・。
「ああ。だから、本気なんだなと思ったよ。だけど、お前はとんでもねえ数の女相手にしてるからな。これからだってきっと、その手のトラブルは起こるだろ。そうなったとき・・・・・あいつを傷つけるようなことはするなよ?」
 あきらの目は真剣だった。
「・・・・・大丈夫、とは正直言いきれねえな。お前の言う通りだし。けど・・・・・俺だってこの恋を手放すつもりはねえから。これが、最初で最後の本気の恋だって、思ってる」
 俺はあきらの目を真っ直ぐに見返しながらそう言った。
「・・・・・それ聞いて少し安心したよ。後は、お前の家の問題だけど・・・・・」
「ああ・・・・・正直、それが一番の問題なんだ。今回の件で、牧野に対するお袋の印象は最悪だ。それをどう修正していくか・・・・・」
 俺は溜息をついた。
 あれから、ろくに母親とは口もきいてないけど・・・・・
 今後のためにも、このままでいいはずはない。
 おそらく、これからしつこいくらいに縁談の話を持ってくるはずだし・・・・・。
 それでも、俺にはもう他の女と結婚する気なんかない。
 俺が一緒になりたいのは、牧野だけだ・・・・・。
「お前のお袋さんか・・・・・確かに難しい人ではあるけど・・・・・けど、司のお袋ほど強烈でもねえだろ」
「それは、相手がお前だから・・・・・・昔から、あきらはお袋のお気に入りだったからな」
 小さいころから気配り上手で、大人を喜ばせることが得意だったあきら。
 お行儀よく、大人の前では羽目を外すこともなかったあきらは昔からお袋に受けが良かった。
 別に年上の女だからとかじゃなく、これはあきらの性質なんだろう。
 大人になってからはほとんど会うこともなくなったが、それだけにお袋の中でのあきらの存在は、子供のころの『お行儀の良いあきら』のままだった。
 逆に、一番親父に似ていると言われる俺は、お袋にとって厄介な存在といったところだ。
 今までは、それでも西門流を継ぐのは俺だということもあったし、兄貴のことがあったからあまり俺にとやかく言ってくることはなかった。
 だけど結婚の話となるとそうも言っていられない。
「お前は、でも家を継ぐ気でいるんだろう」
 あきらの言葉に、無言で頷く。
「ああ。正直、家元自体は弟に継いでもらっても良いと思ってる。けど、おれ自身、茶の道が好きだから・・・・・この世界から足を洗うのは、難しいな」
 兄貴のように、家を出て他の道に進むというやり方もある。
 けど、俺にとって茶道は既に俺の生活の一部で、今更切り捨てることはできなかった。
「となると、やっぱり問題はお袋さんか。親父さんはどうなんだ?牧野のこと、話したのか?」
「いや・・・・・こないだの一件で存在は知ってると思うけど、あの人は別に俺の相手が誰でも良いんだ。もちろん、あれでも家元だからな。西門流を存続させることが第一の条件だけど・・・・・それこそ、継ぐのが俺じゃなくっても構わないんだよ、あの人にとっては」
「・・・・・・ふーん。なるほどな・・・・・・」
「ま、そんな話は良いよ。第一、まだ牧野と付き合ってるわけでもねえし。あいつがすんなり俺と付き合うとも思えねえ」
「まあ、そうだな」
 すんなり頷かれ、俺は逆にがっくりする。
「・・・・・出来ればもう少し否定してくんねえ?」
「はは、そりゃ無理だわ。大体、お前みたいな男って多分、牧野が司みてえな性格のやつの次に嫌いなタイプだぜ」
「・・・・・あのなあ。応援してくれるんじゃねえのかよ」
「応援してるぜ?今言ったろ?牧野が最も嫌いとするタイプは司みてえな男だ。傍若無人、我侭、馬鹿で単細胞。だけど・・・・・そんな司のことを、牧野は好きになったんだ」
「・・・・・・つまり・・・・・」
「お前が必ずしも不利ってわけじゃねえってこと。大体、初対面ならともかく、お前と牧野は今友達って関係で、牧野の中でお前は単なる女たらしだとしても、嫌いなわけじゃねえんだから」
「・・・・・・励まされてんだか、こき下ろされてるんだか・・・・・」
「励ましてんだって、これでも。お前は大事な友達だからな。ただ、俺にとって今牧野は本当に大切な存在なんだ。だから、牧野を不幸にするやつに渡すわけにはいかない。何が何でもあいつを幸せにして、一生かけて全力であいつを守ってくれるようなやつじゃなきゃ・・・・・俺は、納得できねえんだよ」
 そう言って、にやりと笑うとグラスを空にしたあきら。
 その目は真剣で・・・・・・それでいて挑戦的な視線だった。
 俺がもし牧野を不幸にするようなことがあれば、きっと黙っていないんだろう。
 そしてきっと・・・・・自分の手で、牧野を幸せにしたいと思ってる・・・・・。
 そうしないのは、他でもない牧野のことを思ってのことなんだって、痛いほどに伝わってくる。
「・・・・・俺にとって、ラストチャンスってわけ」
 俺の言葉に、にっこりと微笑むあきら。
「そういうことだ。だから、うまくやれよ。家の問題だって、お前なら何とかできんだろ」
「軽く言ってくれるぜ。・・・・・・わかってるよ、何とかする」
「よし。その言葉が聞ければ、俺は良い。後は任せるよ。わりいけど、俺はもう行く」
「は?牧野がまだ来てねえのに?」
「俺は、お前と話したかったんだ。これでも忙しい身なんでね。時間がねえ。牧野のこと、うまくやんな」
 そう言って軽くウィンクを決めると、席を立ったのだった・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ああ、類の出番が・・・・・・・(^^;)

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