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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
*このブログについての誹謗中傷・クレームなどの書き込みはおやめください。
*このブログの無断転載複製を禁じます。
*万が一このブログをお読みになって不快感を感じられたとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

あなたしか見えない ~花より男子・あきつく~

Category : Birthday Novels~花より男子~
 「・・・・・なにこれ」

 目の前の光景に、あたしは呆然と立ち尽くしていた。
 いつも皆で集まるカフェテリアの一角で。
 目の前に広がるのは、プレゼントの山、山、山・・・・・・。

「F4の誕生日はいつもこうだぜ。知らなかったのか?」
 西門さんがにやりと笑う。
「・・・・・そういえば・・・・・・」
 今日は、美作さんの誕生日だから。
 相変わらず金欠なあたしは、それでも彼に喜んでもらおうと何とか手作りのケーキを持参したのだけれど・・・・・。

 包みを見ただけでもわかる、高級そうなプレゼントのオンパレードに、あたしは持ってきたプレゼントを背中に隠した。
「牧野、こっち来て座れば?」
 花沢類が手招きする。
「あ・・・・・うん・・・・・でも、あたし・・・・・・」
 プレゼントを隠したままその場で立ち往生していると、花沢類と西門さんが、顔を見合わせてそっと笑った。
「俺たち、ちょっと用事で外すんだわ。お前、あきらの相手してやれよ」
 西門さんが席を立ち、こちらへ歩いてきた。
 花沢類も後に続く。
「あきら、牧野のことずっと待ってたんだよ?」
 通りすがりに、そう耳打ちしていくから。
 あたしの心臓が落ち着かなくなる。

 2人が行ってしまって・・・・・残っているのは、テーブルに頬杖をついて優しい眼差しであたしを見つめる美作さんと、そんな美作さんの傍に行きたいのになかなかいけない、意地っ張りなあたし・・・・・。

 「座れば?」
 そう言われて、あたしの足は漸く動いた。

 「す、すごいプレゼントだね」
 あたしの言葉に、美作さんは肩をすくめた。
「皆、同じようなもんばっかりだよ。毎年毎年・・・・・いい加減、ラッピングを見ただけで大方の予想はつくようになった」
「・・・・・でも、皆美作さんのことを思って・・・・・・」
「ああ。だから、感謝はしてるよ、いつも」
 そう。なんだかんだ言いながらも、ちゃんと全部自分の家へ持って帰ってるし、プレゼントをくれた人たちの名前も覚えてるんだよね。
 そういうところが、美作さんらしい・・・・・。

 「・・・・・さっきから気になってるんだけど」
「え?」
「後ろに隠してるの、何?」
 美作さんの視線が、あたしの後ろへ・・・・・
 ぎくりとして、それを隠そうとするけれど・・・・・慌てたせいで手が滑り、ケーキの箱の入った紙袋を落としてしまった。
「あ!」
 慌ててそれを拾い、中の箱を見る。
 大丈夫・・・・・そんなに高さなかったし、簡単に崩れるようなケーキじゃないし・・・・・
「それ・・・・・もしかしてプレゼント?」
 美作さんの声にはっとして顔を上げれば、優しくあたしを見つめる瞳。
「う・・・・・うん。でも、あの、大したもんじゃないの、全然・・・・・」
 恥ずかしくなってぺらぺらとしゃべり出したあたしの手から、美作さんがその紙袋をさっと取り上げた。
「あ!」
「何?これ。甘いにおいするけど・・・・・もしかしてケーキ?」
 もう、観念するしかない。
「・・・・・そう。美作さんのお母さんみたいに上手じゃないけど・・・・・・」
「へえ、手作り?開けていいか?」
「う、うん・・・・・」
 どきどきしながら、目の前で美作さんが箱を開けるのを見つめる。
「へえ、良くできてんじゃん。もしかしてフォンダンショコラ?」
 嬉しそうに微笑む美作さん。
 どきんとあたしの胸が高鳴る。
「あの、あんまりおいしくないかもしれないけど・・・・・その・・・・・」
「ん?」
 優しい笑みをあたしに向ける。
 その微笑に励まされるように、あたしは美作さんを見つめた。
「・・・・・誕生日、おめでとう・・・・・」
 それだけ言うのがやっと。
 もう、沸騰寸前だった。

 ふわりと、美作さんの香りに包まれて。
 気がついたら、優しい腕に抱きしめられていた。
「サンキュ・・・・・すげえ嬉しい」
 耳元に聞こえる優しい声が、くすぐったかった。
「今まで生きてきた中で・・・・・一番嬉しい誕生日だよ」
「大袈裟・・・・・・」
「じゃない。本当に、嬉しいんだぜ。このまま、離したくなくなるくらい・・・・・・・」
 抱きしめられる腕に、力が込められたのがわかる。
「み、美作さん、あの・・・・・・」
「ん・・・・・?」
「み・・・・・見られてる、から・・・・・・」
「大丈夫」
「へ・・・・・?」
 大丈夫って、何が?
 そう聞こうとして顔を上げた途端、美作さんの唇がそれを塞ぐ。

 黄色い声が、遠くで聞こえた気がした。

 長いキスの後、唇を開放されて。

 優しい瞳で見つめられて、甘い声で囁かれた。

 「俺には、お前しか見えてないから・・・・・」

 だからあたしも。

 「あたしにも、美作さんしか見えない・・・・・」

 そうしてまた、ゆっくりと抱きしめられて・・・・・・・

 その香に、酔いしれた・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 初めての誕生日企画。
 なぜあきらから?
 別に意味はなく・・・・・・今まで忘れていただけのことでした(^^;)
 次は、忘れていなければ、類くんですね♪

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Sweet Angel vol.13 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 翌日。

 俺たちは大学に北條を連れて行った。

 俺たち3人に挟まれるようにしてびくびくしながら歩く北條。

 周りは皆何事だろうと振り返っていく。

 もちろん俺たちの目的は1つ・・・・・。


 4人でカフェテリアに入り、中を見渡す。
 ざわざわと、学生たちの視線が集中する中・・・・・

 ぎょっとした表情で俺たちを見る3人の女の姿があった。
「・・・・・あれ?」
「は、はい。彼女たちです」
「明らかにびびってんな。まさかこいつと俺らが一緒に現われるとは思ってなかっただろ」
 総二郎の言葉にあきらも頷く。
「ああ。おい北條、あいつらのことは無視しろよ。今日はとにかく徹底的に俺らと一緒にいろ」
「はあ・・・・・あの、でも、こんなことして何の意味が・・・・・」
「うるせーよ。お前は俺たちの言うこと聞いてろ。良いか、牧野が許しても、おれたちはお前のことを許さねえからな」
 じろりと総二郎に睨みつけられ・・・・・
 北條は何も言えず俯いてしまった。

 北條を囲むようにしてカフェテリアで俺たち4人がテーブルについていると、昼近くになって牧野が現われた。
 俺たちを見つけやってくると、ちらりと周りに視線をめぐらせた後、俺の隣に座った。
「どう?」
 そう小声で聞いてきた牧野に、俺は頷いて見せた。
「・・・・・顔はわかったよ。たぶん、もうすぐ昼だからそのころここに来るんじゃない?」
 俺の言葉に、牧野は不安そうに眉を寄せた。
「どうするの?これから・・・・・」
「大丈夫だよ。そんな不安そうな顔しないで」
「だって・・・・・」
「今、田村に婚姻届を無効にする手続きが取れるよう動いてもらってる。たぶん2、3日中には結果がわかると思うよ」
「ほんと?」
「ああ」
 俺が笑って見せると、漸く安心したように牧野も微笑んだ。
 俺と牧野のやり取りを見ていた北條が、戸惑った表情をしていた。

 そのとき、あきらがちらりとカフェテリアの入口に目をやった。
「・・・・・来たぜ」
 入口から入ってきたのは、例の女3人組。

 こちらをちらちらと気にしながら、パンと飲み物を手にテーブルにつく。

 「・・・・・北條」
 総二郎が北條の肩を掴む。
「は?」
「いいか。お前は動くなよ。それから・・・・・あいつらの方を絶対に見るな。いいな」
 総二郎の有無を言わせぬ迫力に、ただ黙って頷く北條。

 総二郎とあきらが、俺を見る。

 俺はそっと背後の3人を目にいれ、3人がこちらを見ているのを確認すると・・・・・

 隣にいた牧野の肩を抱き寄せ、その唇を奪った。

 突然のことに、目を白黒させて驚く牧野。

 その隣で、馬鹿みたいに口をあんぐり開けてその光景に釘付けになる北條。

 そしてその突然のラブシーンに気付き、次第にざわついてくるカフェテリア。

 そしてあの3人も・・・・・・

 席を立ち、呆然とこの光景を眺めているのがわかった。

 「・・・・・そろそろいんじゃね?」
 椅子にふんぞり返り、ふてくされたように俺たちを見ていた総二郎が口を開いた。

 思い切り深く口付け、その甘さに酔いそうになっていたところに水を挿され・・・・・・
 それでも仕方なくその唇を開放し、牧野を見つめる。
 牧野はこれ以上ないほど真っ赤に顔を染め上げ、俺を睨みつけた。
「類!!いきなり何するの!!」
「ごめん。これも作戦なんだ」
 苦笑して言う俺を、不思議そうに見つめる。
「・・・・・作戦?」
「・・・・・早速効果が出たみたいだぜ?」
 あきらが言って、視線を俺たちの後ろへ向ける。
「え?」
 牧野と一緒に後ろを振り向く。

 そこには、もうあの女たちの姿はなかった・・・・・・。


 マンションへ北條が帰ると、程なくインターフォンが鳴った。

 玄関へ出ると、なだれ込むように入ってきたのはあの3人の女たちだった。

「ちょっと!どういうことか説明してよ!!」
「何であなたがF3と一緒にいるわけ!?」
「牧野つくしと入籍できたんじゃないの!?」
「何であの女と花沢さんがキスしてんのよ!!」

 目をむき、噛み付くように北條を攻め立てる女たちの迫力に、北條はたじろぎ、そのまま尻餅をついてしまった。
「あ、あの・・・・・」
「何よ、さっさと答えなさいよ!!」

 そのときだった。
「その勢いで責められたんじゃ、何も言い返せないと思うぜ?」
 3人がはっと顔を上げる。
 そこにいたのは・・・・・
「さあ、どういうことか説明してもらおうか?」
 にっこりと微笑む総二郎。
 その横に俺と、あきら。

 F3の刺すような視線に、女たちはさっと顔色を変えたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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Sweet Angel vol.12 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 北條の話はこうだった。

 
 親に勝手に決められて、英徳の大学に進学したまではよかったけれど、もともと庶民だった北條には馴染むことができず、ほとんど講義には出ず、1人暮らしをしていたマンションにこもりきりだったという。

 それでも大学を辞めなかった理由は1つ。
 それが、牧野だった。
 入学式のその日。
 北條は、牧野が女3人を相手に回し蹴りを繰り出したところを見ていたのだ。
 それを見て、北條は牧野に惚れた。

 だけど、自分から接近することなど、北條にはできなかった。
 それどころか、大学に行くのもままならないほど内に篭もってしまったのだ。

 その北條の前に、ある日3人の女が現われた。

 この北條という男、性格に問題があるものの、頭はいいらしい。
 記憶力が良く、一度会った人間のことは忘れないそうだ。
 北條は、この3人のことも覚えていた。
 近所のコンビニへ買い物に行ったときに会ったことがあるらしかった。
 そのとき、北條は3人のうちの1人とぶつかり、持っていた物を落としたのだという。
 その中に、隠し撮りした牧野の写真があり、女たちにそれを見られたらしい。
 それを見たとき、女たちは皆驚いていたということだった。

 その女たちが北條のマンションを尋ねてきたのは、それから2日後のこと。
 英徳の学生だというその女たちは、愛想笑いをしながら北條にこう言った。

 「あなた、牧野さんが好きなんでしょう?」
 「この間、写真持ってたでしょ?」
 「牧野さんに教えてあげたら、すごく喜んでたの。牧野さんもあなたのことが好きなんですって」
 「今すぐ結婚したいって・・・・・」


 「それで婚姻届を出したってのか!?牧野に断りもなく!!」
 総二郎が北條の首を締め上げる。
「ぐ・・・・・く、苦しい・・・・・」
 牧野が慌てて総二郎を止めに入った。
「西門さん、やりすぎ!」
 総二郎が仕方なく手を離すと、北條は目を白黒させて苦しそうに喘いだ。
「ぼ、暴力で訴えてやるっ」
「馬鹿か。お前のやったことだって許されることじゃねえぜ。相手になんの断りもなく婚姻届なんか出しやがって」
 あきらが北條を睨みつける。
「だ、だって、彼女たちが言ったんだ!牧野さんは忙しいから、僕に届けを出しに行って欲しいって言ってたって!彼女たちから必要な書類も受け取ったし、判を押した婚姻届けもあった!そうしたら、出しに行くしかないだろう!?」
「お前なあ!」
 また総二郎がいきり立つのを、俺が片手で制し、その間に入った。
「牧野は、俺の婚約者だ。あんたの出した婚姻届は無効にしてもらう」
「な・・・・・・やだよ!僕は牧野さんと結婚したんだ!牧野さんは僕のものだ!」

 北條の言葉に、俺と総二郎、あきらを包み込む空気が、一瞬にして凍りついた。
「・・・・・お前、地雷踏みやがったな」
 総二郎が一歩、北條に近づく。
「てめえなんかに、牧野をくれてやるほど、俺たちはお優しくねえぞ」
 あきらが凄みを利かせる。
「・・・・・あんたに、牧野を譲る気はない。その指一本でも、牧野には触れさせない」
 3人で、北條の前に立ちはだかる。

 北條の顔色が、さらに青くなる。
 今にも卒倒してしまうんじゃないかと思ったそのとき・・・・・
 牧野が、口を開いた。
「3人の女の子の名前を教えて」
「え・・・・・」
「知ってるんでしょ?英徳の学生って言ってたよね。誰なの?」
 牧野が北條に近づく。
 北條をじっと見据えた牧野の瞳にも、強い怒りがこめられているようだった。
「あ、あの・・・・・確か、井上洋子と、三上咲と、山本里奈・・・・・だったと思う」
「本当に記憶力いいのね」
 牧野が、こんなときなのに感心したように言うのを、北條は頬を染めて聞いていた。

 そのときだった。
 それまで黙って事の成り行きを見守っていた三条が、口を開いた。
「その3人・・・・・知ってます」
「知ってる?本当か、桜子」
 総二郎が驚いて聞く。
「ええ・・・・・。先輩、覚えてません?こないだ、カフェテリアで話してたとき、あたしたちを睨んでた3人組」
 三条の言葉に、牧野はちょっと小首を傾げた。
「3人・・・・・ああ、あの時の・・・・・じゃあ、あの人たちが?」
「そうです。あの3人、大学に入ったころから先輩を目の敵にしてて・・・・・ひどい悪口ばっかり言ってたから、文句言ってやったことがあるんです。でも、全然懲りなくて・・・・・・まさかそんなことまでするなんて・・・・・なんてやつらなの!」
 悔しそうに歯軋りする三条。
 あきらが、俺と牧野を交互に見た。
「これから、どうする?その女たちのところ、殴りこむか?」
「そうだね。あたしもそうしたい気分だけど・・・・・相手が年下の女の子じゃ、殴るってわけにも・・・・・」
「・・・・・・俺に、考えがあるんだけど・・・・・」
 俺の言葉に、全員が一斉に俺のほうを見た。

 俺はゆっくりと考えながら、北條の方を見た。
 北條が、俺の視線にまた青くなる。
 俺はそんな北條に向かって、微笑んで見せたのだった・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 絶対零度の微笑。
 北條君は無事に帰れるのか?
 つくし絡みで類くんを怒らせたら、容赦なさそうですよね(^^;)

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Sweet Angel vol.11 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 冗談じゃない。

 せっかく結婚までこぎつけることが出来たって言うのに、こんなところで正体のわからない男に邪魔されるなんて。

 北條裕一

 そいつが誰かなんて興味はないけれど。
 とにかく、牧野と入籍しているという事実には変わりないのだから、それをどうにかしなければいけない。

 その男が英徳の学生で、牧野と同じ学科にいることはわかった。
 だけど、やっぱり牧野は知らないという。
 何でそんな、知りもしない男がそんなことをするのだろう?
 何かがあるんだ・・・・・・。

 「考えられるのは、牧野に対する嫌がらせ・・・・・。類と結婚させたくないと思ったやつが、関係ない男の名前を使って勝手に婚姻届を出したってこと」
 あきらが冷静に話し始める。
「そんなこと、できるの?」
 大河原の声に、あきらが頷く。
「意外と簡単なんだよ、入籍なんて。必要な書類と印鑑さえ持ってりゃ誰でもできる。それがたとえ本人じゃなくても・・・・・」
「そんな!」
 三条も怒りの声を洩らす。
「それから・・・・勝手に牧野に熱を上げたその北條ってやつが勝手にやった可能性もある。だけど・・・・・だとしたら牧野がまったく知らないってのが引っかかるんだけど・・・・・」
「知らないよ、ほんとに」
 牧野は、溜息とともに言った。
「さっきから、大学でよく同じ講義取ってる人たちのこと考えてるけど・・・・・。北條なんて人、まったく覚えてないんだよ。普段話したり、会ったりする人たちの名前は大体知ってるけど・・・・・」
 戸惑ったように首を振る牧野。
 牧野は嘘をついたりしていないだろう。
 
 2人で籍を入れに行きたいと言い出したのは、牧野のほう。
 この日を、本当に楽しみにしていたのだから・・・・・。

 「じゃあやっぱり嫌がらせ?けど、いくらなんでもそこまでするか?」
 総二郎の言葉に、皆が黙り込む。

 だけど、考えられないことじゃない。
 高校生のころから、牧野に対する嫌がらせの数々を見てきた俺たちは、やっぱりその可能性が一番高いと考えざるを得なかった・・・・・。

 だけど誰が?

 「どうするんですか?これから・・・・・」
 三条の言葉に、総二郎が口を開いた。
「こんなもの、無効だろ。確か強制的に籍を入れられた場合は無効に出来るはずだろ?」
「待てよ。もちろんこんなもの無効に決まってる。だけど、その前に誰がこんなことを仕組んだのか知る必要があるだろ」
 そう言ったのはあきら。
 さっきからずっと冷静に話をしているあきらだけど・・・・・
 そのあきらから感じるオーラからは、激しい怒りを感じられた。

 そのとき、再び俺の携帯が着信を告げた。
「はい―――そう、わかった。じゃ、ここへ連れて来て」
 簡単に電話を終え、携帯を閉じると、牧野の顔を見た。
「・・・・・北條を、ここへ連れて来てもらう」
「え・・・・・」
「さっきの電話で言ってた。本人から、事情を聞こう」
 俺の言葉に、その場にいた人間は皆、顔を見合わせ頷きあったのだった・・・・・。


 北條裕一が、ここ、美作邸に連れてこられ部屋に入ってきたとき・・・・・俺たちは一様に首をかしげた。
 同じ大学に籍を置いているというその男の顔に、まったく見覚えがなかったのだ。
 
 小柄で痩せ細った北條は顔色が悪く、銀縁のメガネの奥に光る瞳はぎょろりと血走っていた。
 おどおどした様子はどこか同情したくなるほど弱々しく・・・・・・
 この男が、1人でこんなことをしたとは思えなかった・・・・・。

 「あの・・・・・北條君?」
 牧野が声をかけると、北條は体をビクリと震わせ、その大きな瞳を牧野に向けた。
「は、はい!!」
 興奮したような声。
 牧野に向ける視線はたじろぐほど熱く、顔も紅潮していた
「えと・・・・・なんでこんなことしたの?」
 その牧野の問いに、北條は大きな目をさらに見開き、体を乗り出してこう言った。
「だって、結婚したいって言ったじゃないですか!」
「・・・・・・は!?」
 牧野がその言葉に驚き・・・・・・
 そして何か言うよりも先に、総二郎がつかつかと北條に近づき、北條の胸倉を掴んだ。
「お前、ふざけんなよ。牧野がてめえにそんなこと言うわけねえだろうが」
「だ、だって、そう聞いたんですから!」
「聞いた?」
 総二郎が顔を顰める。
「聞いたって・・・・・何を誰に聞いたんだよ?ちゃんと話せ。ことと次第によっちゃあてめえ、ここからただで帰れると思うなよ!」
 総二郎の迫力に、北條の顔がさっと青ざめる。
 いや、もともと青白いんだけど・・・・・
「わ、わかりましたよ・・・・・でも、嘘なんか・・・・・・」
 ぶつくさ言いながらも、北條は話し始めた。
 しどろもどろになって、途中何度も聞きなおしながら・・・・・・

 漸くその話を聞き終えるころ、誰がこんなことを企んだのかが見えてきたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 この話を書くまで、まったく考えていなかった展開になってしまいました。
 相変わらず無計画な作者でごめんなさい(^^;)
 わたしも予想できないお話の展開を楽しんでいただけると嬉しいです♪

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Sweet Angel vol.10 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 「で、結局式はいつ挙げるんですか?」
 大学のカフェテリアで、久しぶりに会った桜子をおしゃべりをしていた。
「うん。6月ごろがちょうど良いかなと思ってるんだけど・・・・・」
「ジューンブライド!素敵!」
「でも急に決まったから準備が大変だよ」
「何贅沢言ってるんですか。あー、いいなあ、結婚!しかも花沢さんと!あたしも道明寺さんと結婚したいなあ」
 そこまで言って、桜子は急に思い出したようにあたしを見た。
「そう言えば結婚式って道明寺さんも来るんですよね?」
「どうかな。招待状は出すけど、あいつも忙しいし・・・・・」
「来ますよ、絶対。花沢さんと先輩の結婚式に来ないわけないです」
 自信たっぷりに頷く桜子を見て苦笑する。

 例のごとく電話は繋がらない道明寺。
 メールで結婚式のことと妊娠したことを報告したんだけれど、返事はまだ来ていなかった。
 妊娠のこと、あいつはどう思うだろう・・・・・。


 ふと、桜子があたしの後ろ側へ目をやり、顔をしかめた。
「あいつら・・・・・」
 怒気を含んだその声に、あたしは後ろを振り返る。

 少し離れたところでこっちをじっと見ていたのは、3人の女の子たち。
 睨みつけていたのはあたしの方。
 あたしと目が合うと、ギクリとした様子で目を反らし、どこかへ行ってしまった・・・・・。

 「何?あれ」
 桜子の方を見ると、不機嫌そうな顔で肩をすくめた。
「F4のファンですよ。大学からの編入組。単なるミーハーですから、気にしないでいいですよ」
 そう言って飲み物に口をつける桜子。
 それ以上は話したくない様子なので、あたしも聞くのをやめておいた。

 ちょうどその時美作さんたちがカフェテリアに入って来るのが見えて、桜子が2人に手を振る。

 それきり、あたしの頭の中からはあの女の子たちのことは消えてしまっていたのだった・・・・・


 その2日後、あたしと類は2人で役所に婚姻届けを出しに出かけた。

 事務手続きは、人にやらせたらとお義父様に言われたけれど、夫婦になる2人の最初の共同作業だから。

 やっぱり2人でやりたかった。

 役所につき、必要書類に記入をして窓口に2人で提出する。

 その場で待たされること数分。

 窓口の女性が戸惑った様子であたし達を呼んだ。

 「何か問題でも?」
 類が尋ねると、女性は黙って頷きあたしの方を見た。
「あの、牧野つくしさんは、すでに婚姻されているようですが・・・・・」
 思いもしなかった言葉に、あたしたちは言葉を失い、顔を見合わせた。
「あの、何かの間違いですよ、それ。あたし、結婚なんてしたことないです」
 あたしの言葉に、女性は頑に首を振った。
「いえ、確かに婚姻されてます。それも出されたのは昨日なんですが」
「昨日!?」
「まさか!」
 昨日は西門さんの家に行っていた日だ。
 家に帰ったのは夜の8時過ぎ。西門さんの車で送り迎えしてもらっているのだから、1人で届けを出しに行くなんて不可能だ。

 「どういうこと・・・・・?」


 「牧野が結婚してたって!?」
「どういうことだ!!」
 美作さんの家に着くなり、美作さんと西門さんがすごい剣幕で迫ってきた。

 入籍をするはずだった今日、例のごとく皆で集まってパーティーをしようということになっていた為、ここ美作邸にやってきたのだけれど・・・・・
 ここへ着く前に事情を調べるべく手を回していた類。
 そしてその情報を知った美作さんと西門さんがキレた・・・・・というわけだった。
 そこには滋さん、桜子、優紀とその彼氏も来ていて・・・・・皆一様に戸惑った表情をしていた。

 「今、調べさせてるよ」
 類の答えにも、2人は納得できないようで
「おい、類、お前何暢気に構えてるんだよ!よくそんなに平気な顔してられるな」
 イライラと言葉を投げつける西門さんに、類は静かに視線を送った。
「暢気?俺が?・・・・・・そう見える・・・・・?」
 怒りを抑えた低い声に、西門さんがはっとして口をつぐんだ。

 そう。
 全然平気なんかじゃない。
 あたしが結婚していたと知った類が、周りも凍りつくほどのピリピリとしたオーラを放ち、一体誰があたしとの婚姻届を出したのか調べさせた時の、あの窓口の女の人の怯えた表情。
 それほど類が怒ったのを、あたしでさえ見たことがなかった・・・・・。

 「しかし、なんだって・・・・・。そいつの名前、なんつったっけ?」
 美作さんが少し落ち着いてあたしを見る。
「・・・・・北條裕一」
「聞いたことねえな。お前、心当たりは?」
 美作さんの言葉に、あたしは首を振った。
「全然・・・・・何がなんだか、さっぱりわかんないよ」

 そのとき、類の携帯の着信音が鳴り響いた。
「―――はい」
 類が話す様子を、あたしたちは固唾を呑んで見守った。
「―――英徳の・・・・・?それで・・・・・いや、牧野は知らないって言ってる。―――わかった。引き続き、そいつのこと調べて」
 電話を切った類が、ひとつ溜息をついた。
「類・・・・・」
 あたしが類を見つめていると、類があたしを見てちょっと微笑んだ。
 優しく、髪を撫でる類の手。
 その手のぬくもりから、類があたしを安心させようとしているのが伝わってくる。
「・・・・・大丈夫。今、調べてるから・・・・・」
「英徳の学生なのか?」
 西門さんの言葉に、類が小さく頷く。
「・・・・・牧野と同じ学科にいるやつで、学年も同じ。牧野、名前聞いたことない?」
 類の言葉に、あたしは首を振った。
 全然・・・・・。でも、何でその人が・・・・・・」
「今、調べさせてる。・・・・・大丈夫。このままにしたりしないよ」
 そう言って類は、あたしの体を抱き寄せた。
「絶対・・・・・他のやつとの結婚なんて、認めない・・・・・」
 そう言って、あたしを抱きしめる手に力をこめた類の声は・・・・・・・

 周りの空気をも凍りつかせるほど、冷たく、低いものだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 思いつきでこんな展開にしてしまいましたが・・・・・・
 これからどうなるか、見守ってくださいませ!

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Sweet Angel vol.9 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 美作さんのあったかい腕に包まれて、あたしはだんだん自分が落ち着いてくるのを感じていた。
 
 優しいぬくもり。

 美作さんの傍にいると、安心出来る・・・・・。

「・・・・・ひょっとして、総二郎とも同じようなことがあった?」
 美作さんの言葉に、はっとして顔を上げる。
「やっぱり・・・・・」
 呆れたような美作さんの顔。
「だ、だって、どうしても気になっちゃって!2人ともジュニアだし、これから先、きっとずっと一緒なんてことはないんだろうって思ったら・・・・・・寂しくって・・・・・」
「で?総二郎はなんて?あいつも、俺とおんなじ様なこと言ってたんじゃねえ?」
「・・・・・うん。ずっと・・・・・傍にいてくれるって・・・・・」
「それで、何で俺もそうなんだってことがわかんねえの?」
 珍しく拗ねたような美作さんの声に、あたしは素直に白状せざるをえない。
「だ、だって・・・・・。レッスン休んでもいいってことは、会えなくてもいいってことなんだって・・・・・美作さんは、あたしと会えなくなっても平気なのかなって思ったら・・・・・・」

 自分勝手な思いだってわかってる。
 美作さんや西門さんと一緒になることはできないのに、傍にいて欲しいと望んでしまう。
 類とずっと一緒にいたい。
 でも、2人とも、離れたくない・・・・・・。
 そんな勝手な思いを受け止めて、包んでくれる2人に、あたしは甘えてしまってる・・・・・。

 「レッスン休んだって、会えるだろ?少なくとも俺は、お前に会いに行くよ。お前に会えなくなったら、耐えられないのは俺のほうだぜ。忘れるなよ。俺は、お前に惚れてるんだ、心底。だから、お前から離れていったとしても、俺はどこまでも追いかけていく。覚悟しとけ」
 にやりと笑う美作さん。
 嬉しくて、でも照れくさくて、どんな顔をしていいかわからない。
 恥ずかしくって俯いても、その体は美作さんに捕まったままで。
「牧野、こっち向いて」
「・・・・・ダメ。今、顔赤いし」
「・・・・・総二郎と、キスしたろ」
 美作さんの言葉に、驚いて顔を上げる。
 至近距離に、美作さんの笑顔。
「な・・・・・」
「大体、想像つくんだよ。お前らがどんなやり取りしてたかなんて。お前のあんな泣きそうな顔見て・・・・・総二郎が平気でいられるとは思えねえ」
「そ、それは、でも、美作さんだってさっき・・・・・・」
 その先を言うのは恥ずかしくてまた俯こうとしたあたしの顎に、美作さんのきれいな手が添えられる。
「あんなの、ただの挨拶」
「あ、挨拶って・・・・・・」
「お前にしか、しねえけどな」
 その言葉に目を見開いた瞬間、美作さんの唇があたしの唇を塞ぐ。
 今度は深く、熱い口付けを送られて・・・・・
 眩暈がして、瞼を伏せた。
 蕩けそうなキスに、体の力が抜けるころ、漸く開放される。

 「不安なことがあるんだったら、ちゃんと話せよ。内に溜め込むのはお前の悪いくせ。お前にはすげえ味方が3人もいるんだから・・・・ちゃんと頼れ。それで・・・・・元気な子を産んでくれ」
 その言葉に、思わず噴出す。
「・・・・あのなあ」
「だって・・・・・やっぱり美作さんだなあと思って、そういう気遣い・・・・・。ありがとう。ちゃんと、頼りにしてるよ。これからもずっと・・・・・・」
 あたしの言葉に、美作さんが嬉しそうに微笑む。

 ごめんね。ありがとう。
 きっとどれだけ言っても足りない。
 あたしと類の幸せは、この人たちのおかげだって、そう思えるよ・・・・・。


 「で、あきらともキスしてきたわけ」
 家に帰ったあたしを迎えたのは、ふてくされ気味の類。
 こうなることを予想していたみたいで・・・・・・
 まんまと白状させられたあたしは、ベッドの上でちんまりと正座をしていた。
「や、あの・・・・・挨拶、だって・・・・・」
「挨拶?じゃ、相手があきらじゃなくてもキスするの?」
「ま、まさか!」
「・・・・・てことはあきらは特別ってことでしょ?」
「あ・・・・・」
 類のまっすぐな眼差しに、何も言えなくなってしまうあたし。
「類・・・・・・あたしは、類が好きだよ」
「うん。わかってる」
「あの2人は・・・・・あたしにとって特別なの・・・・・・なんて言っていいかわからないけど・・・・・・ずっと、一緒にいたい人たち・・・・・。傍にいて欲しいって、思える人たちなの」
 あたしの言葉に類はちょっと横を向き、大きな溜息をついた。
「・・・・・もう、いいよ」
 低い声に、どきりとする。
 
 ―――怒った?呆れた?
 
 心臓が、嫌な音を立てる。
 類がふとあたしを見て、苦笑した。
「そんな不安そうな顔しないで。怒ってるんじゃないよ」
 そう言ってあたしの頬に手を添えると、そっと額にキスを落とした。
「俺が、あんたを手放すなんて考えられない。わかってるでしょ?」
「・・・・・・・うん」
「俺にとってもあいつらは特別だよ。同じ想いを共有する親友でもあり、ライバルでもある。牧野は譲れない。それは絶対、変わらない。だけど・・・・・牧野の幸せのためには、あいつらが必要だってことも・・・・・わかってるんだ」
「類・・・・・」
 そっと類を見上げると、困ったように微笑んでいる類の顔。
「キスくらいは、目を瞑らないといけないかなって思ってる自分がいるのが、信じられないんだ。牧野を誰にも触れさせたくないって思ってるのに、あの2人は仕方ないって。きっと・・・・・俺が牧野の一部だったように、あの2人も牧野の一部になってるんだ。だから、切り離せない。認めたくはないけど・・・・・俺はきっと、あいつらも含めて、牧野が好きなんだ」
 そう言って笑う類は、少し照れたような表情。

 ―――ああ、そうか。

 類自身にも、きっとあの2人が必要なんだ。
 切り離せないのは、あたしからだけじゃなくって・・・・・・
 自分と同じ想いを共有している2人は、きっと親友以上・・・・・・類にとって、家族のような存在なのかもしれない・・・・・

 「わかってると思うけど・・・・・それ以上のことは、許さないからね」
 耳元で囁く声は、それでもやっぱり不機嫌で。
「わ、わかってるよ」
「・・・・・それから、俺の見てるとこではキスしないでね」
 そう言うと、あたしが何か言うより先に、唇を塞がれる。
 焦がれる様な情熱的なキスに、類の想いを感じ取る。
 
 いつまでも続く口づけにあたしの息が上がるころ・・・・・

 耳元に、甘い声が響いてきた。

 「牧野も、牧野が大切にしてるものも全部・・・・・・まとめて愛してる・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 つくしちゃんを中心に、お互いを思いあう関係です。
 4人がずっと一緒にいるためには、誰かが辛い思いをしたりするのではうまく行かないかなあと思うので・・・・・
 皆に幸せになってほしいと思った結果ということで・・・・・ご理解いただけると嬉しいです。

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Sweet Angel vol.8 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
*このお話はあきつくっぽい展開になっています。このシリーズでは総二郎、あきらともこういった展開が出て来ますので予めご了承ください。今後の展開に必要なお話だと思っていますが、抵抗のある方は読まれるのをお止めください。読まれる場合は全て自己責任においてお願いいたします。クレームには応じられませんのでご承知おきを・・・・・。

 -akira-

 「今日はここまで」
 俺の言葉に、牧野が首を傾げた。
「早くない?」
「いいんだよ。俺の部屋でお茶しよう」
 そう言ってにやりと笑うと、牧野はギクリとした表情になる。
 いつもは気付かずにいそうなところだけど・・・・・
 妊娠して、ちょっと敏感になったか?


 「レッスン、きつくないか?」
「うん、全然」
「そっか。ならいいけど。具合悪くなったらすぐ言えよ。今は普通の状態じゃないんだし、レッスンなんて休んだっていいんだから」
 そう言うと、牧野がふと俺を見上げた。
「ん?どうした?」
 俺が聞いても、牧野は何も言わず俺をじっと見つめているばかり。
「牧野・・・・・?」
 何故か、泣きそうな顔に見える。
 俺、なんか言ったっけか?
「おい、どうした?」
 俺の声にはっとしたように牧野が目を瞬かせ、すぐにうつむいてしまった。
「な、なんでもない」
 そう言う声は微かに震えているような気がした。
「・・・・・昨日、総二郎のとこで何があった?」
 牧野の肩が一瞬ピクリと震える。
「今日のお前ら見てれば、何かあったってことはすぐわかる。ちゃんと言ってくれよ」
 牧野の瞳が戸惑ったように揺れる。
「俺には言えない?」
 じっと牧野を見つめる。
「総二郎には言えて、俺には言えないわけ?」
「そ、そうじゃなくて!」
「じゃ、なに?」
 段々イライラしてくるのがわかる。
 明らかに昨日、総二郎と何かあっただろう牧野の様子。
 それが、俺には言えないのかと思うと悔しくてたまらなかった。
 ガキみたいに嫉妬して、らしくもねえって思うけど・・・・・
 自分でもどうしようもない思いが、溢れてた。
「・・・・・言いたくないなら言わなくてもいい。今日はもう終わりだから、帰っていいぜ」
 そう言って牧野に背を向ける。
 嫉妬してみっともない顔を、見られたくなかった。
 だけど・・・・・

 ふいに、牧野が息を吸い込む気配を感じ、振り向く。
 そこに立つ牧野の目には、涙が溢れていた。
「・・・・・牧野?お前・・・・・」
 俺の声に牧野ははっとして、はじかれたようにくるりと向きを変え、部屋を出て行こうとした。
「待てよ!」
 とっさに牧野を追いかけ、その手首を捕まえる。
「や・・・・!離して」
「待てって!何で・・・・・なんで何も言ってくれない!?」
 手首を乱暴に引っ張り、その体を抱きすくめる。
 暴れる牧野の体を抱きこみ、その肩に顔を埋めるようにして呟く。
「・・・・・なんで・・・・・俺には言えないんだよ・・・・・」
 牧野が暴れるのを止め、戸惑っているのがわかる。
「言ったらきっと・・・・・あたしを軽蔑するよ・・・・・」
「は?」
 思わず素っ頓狂な声を上げる。
 俺が牧野を軽蔑?ありえねえだろ、それ。
「そんなわけねえだろ。何言ってんだよ、お前」
「だって・・・・・・」
 俺の腕の中でおとなしくなった牧野。
 そっと体を離して見つめると、拗ねたような瞳が俺を見上げる。
「・・・・・言ってみろよ。ちゃんと聞いてやるから」
 そう言って髪を撫でると、牧野の瞳が切なげに揺れた。
 そんな顔見ちまうと・・・・・つい、錯覚しそうになる俺がいる。
「・・・・・何から言っていいかわからない・・・・・」
「全部言え。何でも聞いてやるよ。お前の気持ち全部・・・・・受け止めてやるから」
 俺の言葉に、牧野の瞳にはまた涙が浮かんでいた。
「じゃ、何で・・・・・何で帰っていいなんて言うの?何でレッスン休めばなんて言うの?あたしは楽しみにしてるのに。美作さんにとってはその程度のこと?そうやって、あたしと会えなくなっても美作さんは平気なんだ!会えなくなったら寂しいって思うのは、あたしだけ―――!」
 気付くと、俺はまた牧野を抱きしめていた。
 全身から溢れ出た牧野の思いが・・・・・・
 俺に伝わってきて、体を熱くしていた・・・・・。
「・・・・・お前、それ、反則・・・・・・」
「なによ・・・・・」
「平気なわけ、ねえだろ?俺にとってお前は何よりも大切な存在。だからこそ、大事な今の時期、無理させたくないって思ったのに・・・・・俺がお前に会えなくて平気?何言ってんだよ」
「だって・・・・・」
「帰っていいなんて、本心なわけねえだろ?ちょっと・・・・・総二郎に嫉妬しただけだよ。お前が俺に何もいわねえから・・・・・本当はこのまま帰したくないくらいだ。だけど・・・・・それじゃあきっと、お前は幸せにはなれない」
「美作さん・・・・・」
「俺が望んでるのは、お前の幸せだよ。それを与えるのが俺じゃなくても・・・・・お前が幸せなら、それでいい。俺は、それを傍で見ていたいんだ」
 牧野が俺を見上げる。
「傍に・・・・・いてくれるの・・・・・?」
「当たり前だろ?俺が、お前から離れられるわけない。これから何があったって、俺はお前の傍にいるよ。ずっと傍にいて・・・・・お前の笑顔を見せてくれ。それが、俺にとっての幸せなんだ・・・・・」
「・・・・・美作さん・・・・・」
「お前も・・・・・そう思ってくれてるってことだろ?俺に傍にいて欲しいって。ずっと、傍にいて欲しいって・・・・・」
 そう言って笑って見せると、牧野の頬が微かに染まる。
「うん・・・・・。あたし・・・・・類との子ができて、嬉しいのに・・・・・すごく嬉しいのに、なんだか寂しくて・・・・・。西門さんや、美作さんが、あたしから遠くなっちゃうような気がして・・・・・・でも、それは言っちゃいけないような気がしてたの。あたしの勝手な思いだから・・・・・・。だけどやっぱり寂しくて・・・・・抑えられなかった・・・・・」
 俺は、牧野の頬にそっと手を添えた。
「抑えなくていい。何でも言えばいい。我侭でも何でも、俺は聞いてやるから・・・・・。お前の望むことなら、何でもしてやるよ。俺はお前にとって、必要な人間でありたいって思ってる。だからいつでも会いたくなったら会いに来ればいいし、呼べばいい。お前の一番傍にいるのは類だ。それもちゃんとわかってる。類の傍にいて、お前が幸せならそれでいい。そんな気持ちに俺がなるなんて、考えたこともなかったけど・・・・・。でも、それが俺の本心だから。いつでも傍にいて、お前を助けられる立場でいたいんだ」
「美作さん・・・・・・」
 涙が、牧野の頬を濡らし、俺の指を掠めていく。
 俺はそっと、牧野の唇に触れるだけのキスをした。
「離れねえよ、どんなことがあっても・・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 余談なのですが、昨日、「自分の書いたコメントが誹謗中傷なのでは?」と心配された方がコメントを書き込んでくださいました。非公開なので詳細は書けませんが、非公開コメントの場合個人的にお返事することが出来ないので、こちらで失礼します。
 結論から言うと、違いますのでご安心を!
 誹謗中傷と、作品に対しての率直な感想というのは違いますので、ご心配なく。
 類ファンにとって、あまり嬉しくない場面がたくさん出てくるのは事実なので、それに対しての感想は様々あると思います。それは仕方のないことだし、わたしもわかってますので・・・・・。
 ただ、これはあくまでも類つくなので、結果的には一番幸せなのはやっぱり類くんだと思いますので心配なさらないでくださいね! 

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Sweet Angel vol.7 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 牧野がいつものように総二郎に送られて帰ってきた。
 帰ってくる前に、いつものように牧野から電話があって。
 玄関先まで迎えに出ると、いつものように牧野が車から降りてきて。
 いつものように運転席の窓から総二郎が顔を出して、軽く手を振る。

 そう、いつものことなのに。
 何かが引っかかった。
 牧野に関しては、きっと特別なアンテナがはってるんだと思う。
 我ながらそう思うほど、誰にもわからないことでも、牧野のことならわかる気がした。

 「総二郎と、何があったの?」
「は?」
 目を瞬かせる牧野。
 でも、その頬が微かに染まったのを俺は見逃さない。
「隠し事は、しない約束だよ?」
 その言葉に、案の定、困ったように瞳を泳がす牧野。
「つくし」
 手を引き、腕の中に閉じ込めてじっと見つめる。
「・・・・・言って?」
 耳元に囁けば、観念したように1つ息をつき・・・・・ぽつぽつと話し始めたのだった・・・・・。


 話を全部聞き終わり、俺は溜息をつく。
 いろんなことが渦巻く。
 牧野が総二郎やあきらのことを特別に思っているのはわかってる。
 だから、俺と結婚して子供が生まれることで、2人との仲が疎遠になってしまうことを寂しく思っていたとしても仕方がないことだとは思ってる。
 だけど・・・・・
 だからって、総二郎とキスしたなんてことを簡単に笑って許せるわけじゃない。

 それでも、これだけは俺ではどうしようもないことだって。
 その寂しさを埋められるのは、総二郎たちしかいないってこと。
 ちゃんとわかってて、認めてしまってる俺がどこかにいて・・・・・。

 怒るに怒れなくなってしまうんだ。
 このもやもやとした気持ちをどうすればいいか・・・・・
 その解決方法も、俺は知ってる・・・・・。

 俺は、牧野を抱きしめる腕に力をこめた。
「牧野の気持ちは、わかってるよ」
「類・・・・・」
「ちゃんとあいつらのこと認めてるつもりだし・・・・・あいつらと何があったって、牧野の気持ちはちゃんと信じてる・・・・・」
「・・・・・ありがとう」
「だけど・・・・・理屈ではわかってても、そうじゃないとこではやっぱり納得しきれない・・・・・」
「え・・・・・」
 牧野が不安気に俺を見上げる。
 その唇を、塞ぐように自分のを重ねる。
 長い口付けの後、その潤んだ瞳を見つめて。
「キスくらい、どうってことない・・・・・って思えるように・・・・・。俺の心も、満たしてくれる・・・・・?」
 耳元に、息がかかるほどの距離で囁くと、牧野の体がピクリと震えた。
「つくし・・・・・愛してる・・・・・」
「類・・・・・あたし、も・・・・・愛してるよ・・・・・」
 震える声で、紡がれる言葉が愛しくて。
 俺はそのまま、牧野に溺れていった・・・・・・


 -akira-

 「・・・・・何してんの?お前ら」
 大学のカフェテリアで。
 俺は目の前のテーブルにいる3人を見て言った。
 そこにいたのは類、牧野、総二郎の3人で。
 まあそれはいつものことなんだけど。
 何が違うって、類は牧野の体をぎゅっと抱き寄せてぴったりくっついたまま離さないし、総二郎は牧野のことをじっと見つめてニヤニヤしてる。総二郎に見つめられ、類に抱きしめられている牧野は真っ赤になってるし、類は総二郎のことをじろりと睨みつけてる・・・・・。

 ・・・・・何かあったな。

 そうとしか思えない光景に、俺はちょっと顔を顰める。
 基本、個人主義の俺たちだけど。
 こと牧野に関してはそうも行かない。
 俺の知らないところで牧野に何かあったのかと思うと、面白くない。

 「―――牧野、体調はどう?」
 俺の言葉に、牧野はちょっとほっとしたように微笑むと類から少し離れた。
「うん、大丈夫。つわりもそんなにきつくないの」
「そっか。じゃあ、今日俺んち来るの、大丈夫だな」
「うん」
 そう言って牧野が微笑むと・・・・・
 なぜか類と総二郎が顔を見合わせて微妙な表情。
「・・・・・なあ、あきら。今日は俺も・・・・・」
「却下」
 総二郎が言いかけるのを、即答で遮る。
 と、総二郎が顔を顰めて俺を睨みつける。
「レッスンの邪魔なんだよ。来ていいのは牧野だけ」
 そう言ってにやりと笑ってやれば、総二郎はおもしろくなさそうにそっぽを向き、類は何か言いたげに俺を見ていたのだった・・・・・。


 「お前と関わるようになって、類も総二郎も素直になったよな」
 家に向かう車の中でそう言ってやると、牧野が目を瞬かせた。
「え・・・・・そう?」
「ああ。類は感情をあんなに表に出すやつじゃなかったし、総二郎だってあんなふうに不機嫌なのをそのまま顔に出すやつじゃなかった。特に女の子相手ならなおさら、本心はオブラートに包んでポーズ作ってるやつだったのに」
「へえ・・・・・そうだったかな、そういえば。美作さんて、F4全員のこと、よくわかってるよね」
 感心したようにそう言う牧野。
 そう、俺はあいつらのことをよく知ってる。
 それこそ、あいつらのしそうなことなんて大体予想がついてたんだけど・・・・・。

 牧野に関わるようになってから、どいつもこいつも、予想外の行動をとりやがるから、始末が悪い。

 昨日、総二郎の家で何があったのか・・・・・・
 しっかりと問い詰めなきゃいけねえな・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 たくさんの拍手&応援コメントありがとうございます!
 とても励まされ、勇気をいただきました。
 この場を借りて、お礼を言わせていただきたいと思います。
 誹謗中傷コメントについては、すぐに削除してしまうのであたしも詳細は覚えていませんが(^^;)
 気にしないようにしようと、心がけてはいます。もちろん人間ですから嫌なことをかかれれば傷つきますし、落ち込むことも多々ありますが・・・・・
 でも、それよりも今はいろんなお話しを書きたい気持ちのほうが大きいので、このまま書き続けていきたいと思っています。
 楽しんでくださる方がいるのは、何よりの励みです。
 どうぞこれからもよろしくお願いいたします♪

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Sweet Angel vol.6 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 *あくまでも類つくですが、総つくっぽい展開になっています。このシリーズでは総二郎、あきらともこういった展開が出て来ますので予めご了承ください。今後の展開に必要なお話だと思っていますが、抵抗のある方は読まれるのをお止めください。読まれる場合は全て自己責任においてお願いいたします。クレームには応じられませんのでご承知おきを・・・・・。

 -soujirou-

 柔らかい唇を奪い尽くすように口付ける。

 唇が離れても、その体を離すことが出来ない。

 細い体は力いっぱい抱きしめたら折れそうで・・・・・

 俺はその髪にキスを落とした。

 「・・・・・馬鹿だな、お前」
「何よ、馬鹿って」
 牧野が拗ねたように俺を見上げる。
「俺が・・・・・俺らが、お前のこと離すわけねえだろ?」
「・・・・・でも、いつかは離れていくよ」
「何でそう思うわけ?」
「だって・・・・・・」
 俺は牧野の体を離すと、その小さな手を両手で包み込んだ。
「俺もあきらも、大学を出たら家を継ぐことは決まってる。俺はすぐに家元を継ぐわけじゃねえけど、家業に専念することは決まってる。そしていずれは親の決めた相手と結婚して子供作って・・・・・それぞれの家庭を持ち・・・・・お前とは疎遠になる。そう思ってるわけだ?つくしちゃんは」
 俺の言葉に、牧野がぐっと詰まる。
 
 まったく・・・・・
 こいつは何でこうかわいいんだろう。
 牧野は類を愛してる。
 その気持ちに嘘はないし、類との子供が出来たことを喜んでいるのも本当だろう。
 時折愛しそうにお腹に手を添える無意識の仕草。
 本人も気付かないうちに母性が目覚めてるのだろう。
 
 だけどきっと。
 俺やあきらとの繋がりが、どんどん薄れていってしまうのを憂いでいるのも本当の気持ち。
 ただの友達じゃない、特別な繋がりがあると、俺たちは思ってる。
 それでも時の流れは、否応なく俺たちを引き離しにかかるだろう。
 牧野は類と別れたりはしない。
 俺たちもそれを望まない。
 だから・・・・・

 「・・・・・それでも、離れたりしねえよ」
 俺の言葉に、牧野はその潤んだ瞳で見つめる。
「もちろん家に逆らうのは簡単なことじゃない。でも、お前はそんなこと心配しなくていい。決めるのはおれ自身だ」
「なんで・・・・・」
「そこまでするのかって?わかんねえか?」
 不思議そうに俺を見つめる牧野。
 俺はふっと笑って、牧野の髪を撫でた。
「・・・・・簡単なことだ。俺にはお前が必要だから。お前と会えなくなったら、俺は生きていけない」
 その言葉に牧野の瞳が大きく見開かれ、頬が染まる。
「お、大袈裟だよ・・・・・」
「俺は、大真面目だぜ」
 俺を見つめる瞳が揺れる。
「お前が幸せなら、それでいい。それも本気だ。だけど・・・・・お前から離れることは、できない。類に迷惑がられても、これだけは譲れない・・・・・」
「西門さん・・・・・」
「お前も、おんなじように俺達のことを思ってくれてるってことだろ?結ばれることはなくても・・・・・離れることはできない・・・・・。ちがうか?」
 牧野が、ゆっくり首を横に振った。
「・・・・・違わない。あたし、西門さんとも、美作さんとも離れたくないの。こんなのただの身勝手だってわかってるのに、止まらなくて・・・・・どうしたらいいのか、わからなかった・・・・・」
「簡単なことだろ」
 そう言って俺は、牧野の額に口付けた。
「ずっと・・・・・傍にいてくれればいい。類と、そのお腹の子と・・・・幸せになれ。俺は、その幸せをずっと見てる。それが、俺にとっての幸せだよ。俺のことを幸せに出来るのは、お前だけだぜ?これってすげぇことだとおもわねえ?」
 牧野の瞳から、涙が一粒、零れ落ちた。
「傍に・・・・・いてくれるの・・・・・?」
「ああ、ずっとな・・・・・。俺を、幸せにしてくれよ・・・・・」
 透明な涙を指で掬い取る。
「あたしに、できる・・・・・?」
「お前にしか、出来ない・・・・・一つ、頼みがあるんだけど・・・・・」
「頼み?」
「そ・・・・・。去年のクリスマスパーティー、覚えてるだろ?」
 牧野が首を傾げる。
「船の上の?」
「ああ。あん時・・・・キスしたの、覚えてる?」
 途端に赤くなる牧野。

 桜子に借りたドレスを着た牧野はきれいで。
 柄にもなく照れてた俺をからかう牧野が憎らしくなって、その唇を奪った。
 『クリスマスプレゼント』だと言い訳して。

 「な、何で今そんなこと?」
「・・・・・あきらに聞いたんだけど。あきらには、自分からキスしたって?」
「そ・・・・・それはだって、西門さんがキスしたこと美作さんに言ったから・・・・・!」

 『まさか、本当に牧野からしてくれると思ってなかったけど。試しに言ってみて、得したってやつ?』

 あきらの言葉に、嫉妬した俺。
 自分が蒔いた種とはいえ、あきらに先を越されたようで気分が悪かった。

「俺には?」
「う・・・・・」
「俺にも、キスして。そうしたら、これから先どんなことがあっても、お前を守ってやるよ。命に代えても・・・・・な」
 そう言って笑うと、牧野は困ったように俺を見つめ・・・・・
 ちょっと肩をすくめると、口を開いた。
「そんなこと、必要ない・・・・・・」
 そう言って、俺の肩につかまり、ちょっと体を寄せると、俺の唇に触れるだけのキスをした。
「西門さんが傍にいてくれるなら・・・・・それだけでいいよ」
 俺は牧野を抱き寄せ、その肩に顔を埋めた。
「それなら・・・・・いくらでも叶えてやる」

 牧野も、牧野の子も・・・・・もちろん類も。
 俺が傍にいて、守ってやる・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あくまでも類つくです(^^;)
 4人の関係がどれだけ深くなっても、これは不倫じゃない・・・・と、思いながら書いてます。
 ご意見のある方もいらっしゃるかと思いますが、どうか二次創作をご理解のうえ、誹謗中傷はご遠慮くださいね。
 これから先も、ずっと書き続けたいと思ってますので、もしわたしの創作をご理解いただけない場合は読まれるのをお止めくださいませ。
 お止めいただけない場合のクレームには応じかねますのでご了承ください。

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Sweet Angel vol.5 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 *あくまでも類つくですが、総つくっぽい展開になっています。このシリーズでは総二郎、あきらともこういった展開が出て来ますので予めご了承ください。今後の展開に必要なお話だと思っていますが、抵抗のある方は読まれるのをお止めください。読まれる場合は全て自己責任においてお願いいたします。クレームには応じられませんのでご承知おきを・・・・・。

 -rui-

 「牧野、休学っていつから?」
 いつものように俺が高等部の非常階段でうとうとしていると、いつの間にか総二郎が隣に座っていた。
「・・・・・9月いっぱいまでは通いたいって言ってる。10月7日が予定日だから、もう少し早めのほうが良いと思うんだけど・・・・・」
「いっそのこと4月から休学しちゃえば良いのに」
「それはいやだって。家にじっとしてるのは落ち着かないからいやだってさ」
「牧野らしいな。お前、大変だろ。あいつはじっとしてない割にそそっかしいから」
 同情するような総二郎の言い方に、ちょっと顔を顰める。
「・・・・・それが、牧野だから。でも、正直見ててハラハラするよ。妊娠初期って、一番大事な時期だっていうし、うっかり転んだらって思ったら家事もさせられないところだけど・・・・・」
「家事、やってんの?あいつ。使用人がいるのに?」
「やりたいんだって。だから余計に大変。使用人たちが、牧野に何かあったらってハラハラしながら見てる。妊娠してない状態なら放っといてもよかったけど・・・・・」
 俺の言葉に、総二郎も溜息をついて頷いた。
「だよなあ。あいつ、自分のことわかってるようでわかってないから・・・・・。何かしてないと落ち着かないって性分はしょうがないんだろうけど、お腹の子に何かあってからじゃ遅いぜ」
「ん、わかってる。考えてるよ。いっそのこと、どこかに閉じ込めておきたい気分」
「ま、何か協力できることがあったら言えよ。俺やあきらにできることなら協力すっからさ」
 総二郎の言葉に、俺は頷いた。
「サンキュ。今日、総二郎の家に行く日だっけ?」
「ああ、そうだ」
「俺、この後ちょっと会社に行かなくちゃ行けないから、牧野のこと頼むよ」
「ああ、任せろ」
 そう言ってにやりと笑う総二郎に・・・・・
 つい、一言付け加えたくなる。
「牧野に変なこと、しないでね」
 俺の言葉に、総二郎の顔が引き攣る。
「お前な・・・・・少しは親友を信用しろよ」
「総二郎のことは、良く知ってるから。信頼はしてるけど、信用はできない」
「あっそ・・・・・」


 -soujirou-

 「牧野、待たせたな」
 講義が終わり、校門へ行くと門にもたれるように牧野が俺を待っていた。
 俺が声をかけても、すぐには気付かずにボーっとしている様子が気になった。
「牧野?どうした?」
 近くで声をかけると、はっと我に返る。
「あ・・・・・西門さん。ごめん、ボーっとしてた」
「・・・・・どうかしたか?」
「ううん、なんでもない」
 そう言って笑うが・・・・・
 いつもとはやっぱりどこか違うような気がして、俺は牧野をじっと見つめた。
「なんでもないってば。ほら、行こう」
 先に立って歩き出す牧野。
 俺もその後に続き・・・・・道路に止まっていた車に乗り込んだのだった。


 「牧野!」
 俺の言葉にはっとして、牧野が持っていた茶碗を落とした。
「あつっ」
 お茶が、牧野の膝を濡らす。
 俺は袂から手拭を取り出すと、さっと牧野の膝を拭った。
「バカ!何やってんだ!ボーっとすんな!!」
「!!」
 牧野が、きゅっと唇を噛む。
「・・・・・今日はもう終わり」
「え・・・・・でも、まだ時間・・・・・」
「こんな状態じゃ、いくらやっても無駄だ」
 厳しく言い放つと、牧野は何か言おうとして、またすぐに言葉を飲み込んでしまった。
「・・・・・・ごめんなさい。あたし、帰るね・・・・・」
「ダメだ」
「へ?」
 俺は牧野の膝の上のお茶を拭い終えると、顔を上げ、牧野の頬に手を添えた。
「まだ時間は残ってるだろ?俺の部屋へ行って、じっくり話を聞こうか?つくしちゃん」


 「膝、大丈夫か?」
「うん。服の上からだったし・・・・・。ごめんね。せっかく教えてもらってるのに・・・・・・」
「んなこと良いから、ちゃんと話せよ。何があった?」
 俺の部屋で、ソファーに座った牧野が俯く。
「具合、悪いのか?」
 その問いに、軽く首を振る。
「じゃ、なんだ?類と喧嘩したってわけでもねえだろ?」
「違う。類はすごく優しいよ。優し過ぎるくらい。病気じゃないんだから、そんなに心配しなくても大丈夫なのにね」
「そうは言っても心配するだろ。今が大事な時期だって、先生も言ってたろ」
「うん・・・・・。だから、類もすごく大切にしてくれるよ」
「なんだよ、惚気?」
 そう言って笑うと、牧野が顔を上げて俺を見た。

 俺を見つめる瞳はどこか切なげに揺れていて・・・・・・

 俺の胸がどきんと大きく高鳴り、牧野から目が離せなかった。

 「牧野・・・・・・?」

 無意識に、俺の手が牧野の頬に伸びる。

 そのまま抱きしめると、牧野が俺の胸に軽く頬を摺り寄せた。

 やばいくらいに、心臓が騒いでた。
 このまま、こいつを攫っちまおうか・・・・・・
 一瞬、俺の胸をよぎる思い。

 だけど、それは許されない・・・・・。

 「ごめん・・・・・。あたし、ちょっと今おかしいみたい」
「・・・・・良いよ。気が済むまでこうしてな。利用できるものは利用すればいい」
「・・・・・優しいね、西門さん・・・・・」
「何だよ、珍しいこと言うな」
 くすっと笑うと、牧野もちょっと笑ったのがわかる。
「・・・・・・いつまで・・・・・・こうしてられるかな・・・・・・」
「いつまでって・・・・・この状態のこと?」
 抱きしめていた腕を緩め、牧野の顔を覗き込む。
「違うよ・・・・・・。類とあたしと、西門さんと、美作さん・・・・・・。一緒にいられるのは、いつまで?」
「・・・・・・・牧野・・・・・・」
「ごめん。勝手なこと言ってるのはわかってるの。でも・・・・・あたしと類が結婚して、子供が生まれたら・・・・・もう今まで通りに西門さんや美作さんに会うことが出来なくなっちゃうのかなって・・・・・そう思ったら、寂しくて・・・・・・あたし・・・・・・」

 止まらなかった。
 牧野の腰を引き寄せ、そのまま唇を奪う。
 
 牧野の瞳から零れた涙が、俺の唇を濡らした・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 妊娠中は精神的にも不安定な状態になったりします。
 特に初期は、つわりもあるし。
 個人差があるので、軽い人って良いなあ~とつくづく思ってました・・・・・。

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Sweet Angel vol.4 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 類の両親が、帰国する。

 類は心配いらないって言うけど、あたしの胸は不安でいっぱいだ。

 「ちょうど、日本に来る予定があったんだ。それを1週間早めてもらった。大事な話があるとだけ言ってある。大丈夫、俺からちゃんと話をするから。牧野は俺の隣にいてくれればいいから」
 いつものようにやさしく笑ってくれる類。
 この笑顔に、何度救われたかわからない。
 あたしは類の袖をきゅっと掴んだ。


 「お帰りなさい」
「牧野さん、お久しぶりね。まあ、以前よりもずいぶんおきれいになったんじゃない?」
「あ、ありがとうございます」
「まあ、座らないか。話があるんだろう?食事でもしながら話そう」
 類のお父さんが既に食事が運ばれてきているテーブルの席について言った。
「悪いが、あまり時間がないんだ。1時間後には出なきゃならん」
「ああ、そうだったわね。ごめんなさいね、牧野さん。せっかっく久しぶりにお会いできたのに・・・・・」
「いえ、こちらが無理にお願いをしたんですから・・・・・」
「牧野、座って。時間がないなら、早く食事を済まそう」
 そう言って類に促され、席に着く。
 続いて類のお母さんが席に付き、4人で食事を始めたのだった・・・・・。


 「牧野が、妊娠したんだ」
 オブラートに包むこともなく、いきなりそう切り出した類。
 目の前に2人並んで座っていた類の両親が、一瞬食事の手を止め、目を見開いた。
「まあ、それは・・・・・」
「確かなのか?」
「病院に行って診察を受けてるよ。だから呼んだんだ。俺は・・・・・牧野と籍を入れたいと思ってる。1日でも早く。それを、報告したかったんだ」
 夫妻が、顔を見合わせる。
 その表情からは、考えを読み取ることまではできない。
「報告、か。許しを得たいとかじゃないところがお前らしいな」
 肩をすくめて、お義父さんが苦笑した。
「反対する理由はないでしょ?」
 類の言葉にお義母さんも苦笑する。
「適わないわね。あなたには。籍を入れるのはいいとしても・・・・・これからどうしようと考えているの?あなたは」
 お義母さんの言葉に、類はチラリとあたしを見てから口を開いた。
「時期を見て、式を挙げたいと思ってます。牧野の体の事もあるから、それは牧野と相談して決めたい」
 類の言葉に、お義母さんがクスクスと笑いだす。
「ごめんなさい、急に。あなた、相変わらず牧野なんて呼んでいるのね。籍を入れるのなら、そろそろ名前で呼んであげなくちゃ」
「そうだな。もうすぐ花沢になるのに牧野はおかしいな」
 お義父さんまでがクスクスと笑っている。
 予想外の和やかなムードに、あたしはなんとなく何も言えないでいたが、それでもなんとか口を開く。
「あ、あの」
「なあに?牧野さん」
「あの・・・・・大学は、辞めなくちゃいけないんでしょうか」
 夫妻が、顔を見合わせる。
「・・・・・つくしさんはどうしたいんだね?」
 お義父さんの言葉に、あたしはごくりと唾を飲み、口を開いた。
「私は・・・・・出来れば、辞めたくないです。せっかく通わせて頂いているのに、途中で辞めてしまうのはもったいないと・・・・・」
「だったら辞めることはないわ」
 そう言ってお義母さんが優しく微笑んだ。
「休学という処置が必要にはなると思うけれど、辞める必要はないわ。休学して、1年は育児に専念して欲しいところだけれど・・・・・その辺は類とも相談して決めるといいわ。もちろん、その間は類にも日本にいてもらうようにします。類の仕事についてはいくらでも調整できるわ。ねえ、あなた?」
 お義母さんに笑顔を向けられ、お義父さんは困ったように肩をすくめた。
「まあ、仕方がないな。類とつくしさん、そしてかわいい孫のためとあらばこちらは何でもしよう」
 そう言って、お義父さんはあたしに笑顔を向けた。
「・・・・・心配していたんじゃないかね?私たちに反対されると。婚約したとは言え、まだ大学生の身だ。君は、まじめな子だ。もちろん子供のことも考えただろうが、類の仕事のことも心配していたんじゃないかな?」
 何もかも、あたしの気持ちをわかってくれているような優しい瞳。
 まるで類に見つめられているようで、あたしの胸がきゅんとなる。
「・・・・・言っただろう?君は、私たちにとっても大切な娘だ。君が苦しむようなことはしない。孫の誕生ももちろん楽しみだが・・・・・・君自身の体も、大切にしておくれ。いいね。無理だけはしないように・・・・・。わたしたちが君に言いたいことはそれだけだ。事務的なことは私たちに任せなさい。君は、くれぐれも体に気をつけるんだ。いいね」
「はい・・・・・。ありがとうございます」
「大丈夫よ。類だけじゃないわ。あの2人・・・・・総二郎君やあきら君も付いてくれてるんだもの。3人のナイトたちが牧野さん・・・・・いいえ、つくしさんにはついててくれてるんだもの。こんなに心強いことはないわよね」
 お義母さんの言葉に、類がちょっと肩をすくめて見せた。
 お義父さんが楽しそうに笑う。
「相変わらず楽しくやっているようだな。あの2人は頼りになるだろう。なんといってもつくしさんが信用しているようだからな」
 お義父さんの意味深な言い方に、ちらりと類を見上げれば、類は苦笑してあたしの髪を撫でた。
「・・・・・俺も信用してるよ、あの2人のことは。牧野のことをどれだけ大事に思ってるか・・・・・きっと俺たち3人にしかわからない」
 西門さんと美作さん。
 あたしにとっても、類にとってもとても大切で、切り離せない存在・・・・・・。
 あたしと類の子が生まれても、それは変わらないのだろうか・・・・・・。


 「少しは安心した?」
 類の両親が家を出た後、類があたしの肩を抱いて言った。
「うん・・・・・。ありがとう、類。あたし・・・・・なんだか幸せすぎて罰が当たりそう」
「何言ってんの。牧野はいつもがんばってる。それだけがんばってればこれくらいのご褒美は当たり前だよ。それに・・・・・新しい命のために、これからもっとがんばってもらわなくちゃいけない。だから、俺たちができることは何でもやらせて。遠慮はなしだよ。これから、俺たちは夫婦になるんだから・・・・・いいね?」
「ん・・・・・」
 類の唇が、優しくあたしの唇に重なる。
 何度も啄ばむような、やさしいキス。
 類の傍にいたい。
 類と一緒にいられれば、きっとどんなことも乗り越えていける・・・・・・。

 この時のあたしたちは、この後起こる出来事を想像することなんて、とても出来なかった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 もちろん、あの2人がこのままあきらめるはずはありません。
 ていうか、つくしもそれを望んでる?
 2人の幸せももちろんですが、あきらと総君にも幸せになって欲しいですよね♪

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Sweet Angel vol.3 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 最近、また牧野の様子がおかしいことに俺は気付いていた。
 何かを隠している。それが何かまではわからないけれど、一つだけわかっているのは、牧野は自分が言いたくなるまでは絶対に喋ろうとしないことだった。

 最近また仕事が忙しくなってしまい、牧野とゆっくり話をしている時間もなかった。

 どうしたものかと悩んでいた時。

 「明日、久しぶりに優紀と会う約束してるの。行ってもいい?」
「ん。気をつけて。遅くなるようだったら電話して」
「うん。わかった」

 特に変わったところはなかったように思う。
 でも何かが引っかかって。
 この日は早く帰ろうと思っていた。
 せっかくの土曜日なのに仕事が入ってしまい、がっかりするかなと思ってたのに、逆にほっとしている様子なのも気にいらなかった・・・・・。

 そして土曜日。

 予定していた会議が延期になり、思いの他早く仕事を終えることの出来た俺は、そうそうに車に乗り込み家へと急いだ。

 まだ帰って来てはいないだろうとは思ったが、何故か嫌な予感がしていつもは通らない、近道になる住宅街へ入る。

 そして、それを見つけた。

 小さな産婦人科から出て来たのは、総二郎に肩を抱かれた牧野だった。
 
 慌てて車を止めて外に出る。
 「牧野!」
 俺の声に驚いて振り向く牧野と総二郎。

 なんで2人が産婦人科から出てくるんだ?
 とてもじゃないが、冷静でなんかいられなかった。

 「・・・・・どういうこと?何で総二郎とここに?」
 ついきつい言い方になってしまう。
 2人が顔を見合わせ、何か言おうとしたその時。
 病院の扉が開き、中からあきらが出て来た。
「わりい、待たせた・・・・・・あれ、類?」
「・・・・・これ、どういうこと?」
 牧野が観念したように、大きな溜め息をついた・・・・・


 結局、心配そうについていたあきらと総二郎とはその場で別れ、2人で家へと帰ることになった。

 家に着くまで牧野は何も喋らなかった。
 どこか緊張しているような様子の牧野。

 まさか、という思いと、もしかしたらという思いが俺の頭の中を渦巻いていた。

 家に着き、すぐに部屋へ向かう。

 「・・・・・話してくれる?」
 優しく声をかけると、牧野はゆっくり顔を上げた。
 その瞳は、不安気に揺れていた。

 「類、あの、あたし・・・・・」
「うん」
 キュッと握った手は微かに震えていた。
 俺は、ベッドに牧野を座らせると自分もそこに座り、牧野の肩を抱いた。
「大丈夫。俺は、ずっと牧野の味方だから」
 俺の言葉に、牧野が顔を上げた。
「ずっと、傍にいるよ」
 頬に、そっと手を添える。
 牧野の瞳から涙が溢れ落ち、俺の手を濡らした。
「・・・・・赤ちゃんが・・・・・いるの・・・・・」
 その言葉を聞いた瞬間、俺は牧野を抱きしめていた。

「類・・・・・」
 少し戸惑ったような牧野の声。
「・・・・・よかった」
「え・・・・・?」
「産婦人科から、牧野が総二郎と出て来た時・・・・・凄い焦った」
「・・・・・焦ったって・・・・・」
「総二郎に、妊娠させられたのかと思った、一瞬」
「ええ!?」
 牧野が驚いてぱっと俺から離れる。
「なにそれ」
「だって、友達のところに行くって言ってたのにあんな場面に出くわしたら、誰だってそう思うでしょ」
 その言葉に、牧野はうっと詰まる。
「大体、なんで俺に言う前にあいつらに言うの?」
「ご、ごめん」
「婚約者は俺なのに・・・・・」
「あ、あたしだって、類に一番先に言うつもりだったよ!だけど、病院の前で入るの躊躇ってたら、偶然美作さんにあっちゃって・・・・・」
「で、2人に言っちゃったの?」
「―――てか、病院の前でぼーっとしてたから、分かっちゃったみたいで・・・・・」
 何となくその場面が想像できてしまい、怒るに怒れなくなる。
「西門さんが、信頼できるお医者さんを紹介してくれるって言って連れて行ってくれたのがあの病院なの」
 そう言われ、さっきの病院を思い出す。
 住宅街にある、こじんまりとした病院。
 確かに、人目にはつきにくいかもしれない・・・・・。
「それで・・・・・なんて言われたの?」
「妊娠9週目に入ってるって・・・・・」
「ってことは、何月?」
「えっと・・・・・予定日は10月7日ごろだろうって・・・・・」
「10月・・・・・そっか。気候的にはちょっと涼しくなって過ごしやすくなるかな」
 俺がそう言うのに、牧野はどこか戸惑ったように俺を見上げる。
「ね、ねえ、そんなことより・・・・・」
「ってことは・・・・・・出来たのってあれかな。冬休みに2人で温泉行ったとき。2日目からは結局総二郎たちに邪魔されたけど、最初の日の・・・・・・」
「うん、たぶん・・・・って、そうじゃなくて!」
 牧野の大きな声に、顔を顰める。
「何、大きな声出して。うるさいよ」
「だ、だって・・・・・あたしたち、まだ結婚もしてないんだよ。まだ大学にも通ってる。こんな状況で・・・・・」
 俺は牧野の心配してることを察し、牧野の肩を抱いた。
「・・・・・だから、俺に言わなかったの」
「だって・・・・・」
「俺は、すごく嬉しいのに・・・・・。牧野は、そうじゃないの?」
 がっかりしたように言うと、すぐに牧野がぱっと顔を上げ、俺を見た。
「そ、そんなこと!あ、あたしだって嬉しいよ?類との子だもん!嬉しくないわけない!」
 その言葉に俺はにっこりと笑い、牧野の唇に触れるだけのキスをした。
「よかった・・・・・それなら、大丈夫・・・・・。きっと、うまくいくから・・・・・・」
 そうして、まだ戸惑った表情の牧野を抱きしめ、その髪にもキスを落としたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 なんていうか、あんまり深刻な話は書けない・・・・・
 と言ってしまえば、どんな展開になるかおおよその想像はつくかと思いますが・・・・・
 それでも見限らず(笑)、最後までお付き合いいただければ嬉しいです♪

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Sweet Angel vol.2 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
-tsukushi-

 ついた先にあったのは、こじんまりとした個人病院で・・・・・大きな大学病院にでも連れて行かれるのかと思っていたあたしは、ちょっとびっくりしていた。
「でかいところは意外と情報が漏れやすいんだ。ここなら絶対安心だから」
 そう言って、西門さんはあたしの手を引いた。

 扉を開けたあたし達を迎えたのは、まだ30そこそこくらいの若い女医さんだった。
「どうぞ、上がって」
 優しい笑顔でそう言ってあたし達を中に入れると、一旦診察室の中へと入って行った。
「兄貴の、大学の先輩だった人。父親の跡継いで産婦人科医になった人で、兄貴の相談に乗ってくれてた人なんだ」
 西門さんの言葉に、美作さんが意味深な視線を向けた。
「美人だよな」
「変な勘繰りするなよ。あの人はそんなんじゃない。そういう人のとこ、俺が牧野連れて来るわけねえだろ」
「そりゃそうか」

 診察室の扉が開き、先生が顔を出した。
「お待たせしました。どうぞ入って」
 その言葉にあたしは立ち上がり、チラリと2人を見た。
「ここにいるから」
 西門さんの言葉に頷き、あたしは診察室へと入った・・・・・。

 「牧野つくしさんね。私は白井響子。よろしくね」
 にっこりと微笑む白井先生。笑うとエクボが出来て、かわいらしい印象になる。
「よろしくお願いします」
 そう言って頭を下げたあたしの顔を、先生はじっと見つめた。
「最初に聞きたいんだけど、あなたのお相手は、総二郎くん?」
「・・・・・え?」
 一瞬呆けてしまってから・・・・・
 その意味を理解し慌てて首を振る。
「ち、違います!西門さんとは、その、友達で・・・・・」
 そう言うと、先生は笑って頷いた。
「そう。あの総二郎くんがすごく大事にしてるように見えたから・・・・・あんな総二郎くん、初めて見たわ。すごく愛しそうに見つめて・・・・・随分変わったのね、彼」
「そ、そうですか・・・・・?」
「ええ。嬉しいわ。あなたのような子が総二郎くんの傍にいて」
 にっこりと微笑む先生。
 その笑顔はとても優しくて・・・・・
 いつの間にか緊張がほぐれていくのを感じていた・・・・・


 「妊娠9週目に入ってるわ」
 先生の言葉に、あたしは無意識にお腹に触れていた。
「・・・・・大丈夫?」
 先生が心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「はい・・・・・」
 そう返事をすることしかできなかった。

 『やっぱり』という思いと、『まさか』という思いが交錯する。
 触れたお腹からは、まだ何も感じない。
 だけど、確かにここに、新しい命があるんだ。
 そう思うと、胸が高鳴った。

 まだ学生なのに妊娠なんて、という思いがあるのに、それに反して、あたしの中に類とあたしの赤ちゃんがいるんだと言う事実に、不思議な幸福感を感じていたのだ・・・・・。

 「・・・・・彼と、よく相談してね。それから、妊娠初期はお母さんにとっても、赤ちゃんにとってもとても大事な時期なの。体には十分注意して・・・・・何かあったら、いつでも連絡を頂戴」
 そう言って、先生はあたしの手を握ってくれた。
 とてもやさしくて、暖かい手・・・・・。
 あたしは、ただ頷くことしか出来なかったけれど、先生の優しい笑顔に、とても励まされた気がした・・・・・。

 「とにかく、類に話すしかねえだろ?話しにくいんだったら俺が着いてってやってもいいけど」
 病院を出ながらあたしの肩を抱き、そう言ってくれる西門さん。
 診察室から出てきたあたしの顔を見て、何となくわかってしまったのだろう。
 美作さんも心配そうにあたしの傍に付き添ってくれていたけれど・・・・・
「あ、わりィ、忘れ物した。ちょっと取って来るわ」
 そう言ってまた病院の中へ戻ってしまったので、あたしと西門さんは、病院の外で美作さんが出て来るのを待っていた。

 「とりあえず家まで送るから。その後どうするか―――」
 西門さんがそこまで言った時だった。

 「牧野!?」

 突然呼ばれ、驚いて振り向くと―――
 
 そこには、同じように驚いた顔をした類が立っていた。
「類!!」
 どうしてここに・・・・・
 今日も確か、仕事だと言っていたのに・・・・・・
「・・・・・どういうこと?何で総二郎とここに?」
 類の表情が険しくなる。
 あたしは西門さんと顔を見合わせ・・・・・・

 西門さんが、何か言おうと口を開いたとき、後ろの扉が開いた。
「わりい、待たせた・・・・・・あれ、類?」
 出てきたのはもちろん美作さんで・・・・・・
 類はまた、驚きに目を見開いたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 個人差はあるんでしょうが、妊娠した時ってなんとなくわかるものですよね~。
 どこがどうって、うまく言えないんだけど・・・・・・
 何かが違うんです。
 新しい命が自分の中に芽生えるって、すごいことだと思います。

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オリジナル小説、始めました。こちらもよろしければ見てみてくださいませ♪
苺みるくの小説

Sweet Angel vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 *このお話は、「ブランコ」「X'mas Panick!!」「Traveling」から続くお話になります。
 こちらのお話だけでもお読みいただけますが、より詳しい内容をお知りになりたい場合は、「ブランコ」からお読みくださいませ♪

 
 -tsukushi-

 どうしよう。

 通りを渡ればすぐそこにそれはあるのに、あたしはなかなかその通りを渡ることが出来ないでいた。

 どうしよう。

 そんなことをしてるうちに時間だけがどんどん過ぎて行ってしまう。

 「牧野?」
 急に後ろから声をかけられ、あたしは飛び上がるほどびっくりしてしまう。
 振り向くと、そこには美作さんが立っていた。
「美作さん・・・・・」
「どうした?こんなところで」
 不思議そうな顔であたしを見る。
 それはそうだろう。
 本当だったら土曜日のこの時間は類と家で過ごしてるはずだったから・・・・・。
「み、美作さんこそ・・・・・こんな朝早く、こんなところでどうしたの?」
「朝早くって言ったってもう10時だろ?ま、土曜日のこの時間じゃまだ早いか。類は?一緒じゃないのか?」
「う、うん・・・・・」
 どうしよう・・・・・・。
 何を言ったらいいのかわからなくて、黙り込んでしまう。
 美作さんは、そんなあたしを変に思ったのかじっと顔を覗き込んでいる。
「・・・・・牧野?何があった?」
 心配そうな顔。
 何か言わなきゃ。
 そう思うのに・・・・・・声が出ない。
「・・・・・なあ、時間あるなら一緒に来ないか?これから総二郎と会う約束なんだ」
「西門さんと・・・・・?」
「ん。車で来ることになってる。もうすぐ待ち合わせの時間だし・・・・・」
「でも・・・・・あたし・・・・・」
 それでもその場から動けないでいるあたしを暫く見ていた美作さんは、すっとあたしの手を掴み、優しく引っ張った。
 ぼんやりと突っ立っていたあたしは、そのまま倒れこむように美作さんの胸に寄りかかってしまう。
「そんな顔するな。何でも聞いてやるから・・・・・な」
 美作さんの、いつもの優しい声にほっとして、涙が出そうになる。

 「おいおい、こんなところでラブシーンってどういうことよ?」
 突然横から声がして、あたしはまたびっくりして美作さんからぱっと離れた。
「おしいな。これから2人で逃げようと思ってたのに」
 含み笑いをしながらそう言う美作さんは、気付いていたのだろう。
 すぐそこに、車に乗った西門さんがいることに・・・・・


 「まったく、あんなところでいちゃいちゃしてんじゃねえよ」
 西門さんがじろりと美作さんを睨む。
 あたしたちは、西門さんの車に2人で乗り込んでいた。
「い、いちゃいちゃって!」
「そういうふうにしか見えなかったぜ。あんな場面、類に見つかったら半殺しにされるっての」
 その言葉に、あたしははっとして西門さんから目を逸らした。
 そんなあたしを見て、2人が顔を見合わせる。
「・・・・・類と、何かあったのか?」
 西門さんが聞く。
 さっきまでとは違う、真剣な声だ。
 あたしは、ゆっくりと首を振った。
「じゃ、何があった?俺たちにも言えないことか?」
 西門さんの真剣で、優しい声にあたしは顔を上げる。
「んな、泣きそうな顔して・・・・・そんな顔してあんなところに1人で立ってられたら放っておけねえだろ」
 美作さんが、優しくあたしの頭を撫でてくれる。
「あたし・・・・・・」
「ん?」
 この人たちになら、話せる。
 2人の優しい笑顔に、あたしは気持ちが和らいでいくのを感じていた。
 だけど、やっぱりどう言ったらいいのか分からなくて言い淀んでいると・・・・・
 美作さんが、口を開いた。
「・・・・・お前、もしかして・・・・・妊娠したんじゃねえの?」
 その言葉にあたしは驚いて美作さんを見る。
 と、同じように驚いて美作さんを見た西門さんが、あたしに視線を移し・・・・・
「・・・・・そうなのか?」
 と言ったのだった・・・・・。

 「類には、言ってないんだな」
 美作さんの言葉に、あたしは頷いた。
「さっき・・・・・お前がいた場所。あの道路挟んだ向い側に、小さい産婦人科があっただろ。なんとなくだけど、お前がそこに行こうかどうしようか悩んでるように見えたんだ」
 美作さんの鋭さに、あたしは何も言えなかった。
 そう。あたしは、産婦人科に行こうと思ってたのだ。
 生理が、もう1ヶ月以上も遅れてる。普段、2週間くらいまでは遅れることがよくあったから、なんとなく放っておいた。
 だけど、ふと気付いたらもう1ヶ月、生理が来てないことに気付いた。
 類に言おうか、とも思った。
 だけど、類は今仕事の方が忙しくて、家に帰ってくるのも夜遅く、毎日とても疲れているのがわかる状態で・・・・・。
 ちゃんと確かめてからにしよう。
 そう思ったのだけれど・・・・・・。
 よく考えたら、あたしたちは婚約こそしたものの、まだ結婚はしていない。
 一緒に住んではいるけれど、まだ正式に夫婦になったわけじゃないのだ。
 それに、まだ大学も卒業していないのに、妊娠だなんて・・・・・

 いろいろなことが頭を渦巻いていた。
 類のこと、家のこと、学校のこと、自分のこと、そして生まれてくる子のこと・・・・・・
 もし本当に妊娠していたら、どうしたらいいんだろう。

 まだ確かめてはいない。
 だけど、予感があった。
 その予感を、事実として受け止めるのが、怖かった・・・・・・

 「牧野・・・・・これから、病院に行こう」
 西門さんの言葉に、あたしは顔を上げた。
「でも・・・・・」
「心配するな。俺の知ってる病院で、信頼できる先生がいる。とにかく調べよう。話はそれから。な?」
 西門さんの優しい笑顔。
 髪を撫でる美作さんの優しい手。

 あたしは、ゆっくりと頷いたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 妊娠の話を、と言う声が意外と多いのを見て、ちょっと書いて見る事にしました。
 どうなることやら・・・・です(^^;)

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2009 Valentine Special 類編 ~花より男子・類つく~

Category : 2009 Valentine ~花より男子~
 いるかな?
 
 いつもの非常階段を覗く。

 さらさらの透き通るような薄茶の髪が目に入る。
 閉じられた瞳。
 長い睫がかすかに揺れていた。

 あたしはちょっとほっとして、静かに類に近づいた。

 傍に座り、ちょっと躊躇する。

 気持ち良さそうに寝てるし・・・・・
 起こすのは悪いよね。

 そう思って、持ってきたものを類の足元に置くと、その場を後にしようと立ち上がりかけたが・・・・・

 「置き逃げ?」
 その声に驚いて類を見る。
 その瞳はしっかりと開いていて。
「起きてたの?」
「起こされた。何?これ」
 そう言って、足元に置かれたものに手を伸ばす。
 茶色い包装紙できれいにラッピングされたそれを、目の前に掲げ、首を傾げる。

 気恥ずかしい気持ちが体を駆け巡り、うまくその顔が見れない。
 でも、じっと見つめられているのがわかるから、答えないわけにもいかない。
「・・・・・チョコレート」
 仕方なく、目を逸らしたまま答える。
 その言葉に、類の瞳が瞬く。
「チョコレート?俺に?何で?」
「何でって・・・・・」
 その言葉にがっくりする。
「バレンタインだからに決まってるでしょ!そりゃ・・・・・類のことだから、きっともうたくさんもらってるだろうけど・・・・・」
「バレンタイン・・・・・そっか・・・・・全然気にしてなかったから、忘れてた」
「って・・・・・もらってないの?女の子から、チョコレート」
「うん。おれ、朝からずっとここにいたし」
 その言葉に、あたしは呆れてため息をついた。
 ある意味、類らしいとも思ったけれど・・・・・
「・・・・・で、チョコレート、俺に?」
 そう言ってまた見つめられ、あたしははっとして目を逸らす。
「そ、そう言ってるじゃない。甘いものは苦手って言ってたけど、こういうときくらい、受け取ってよね。それでもあたし・・・・・」
「いらない」
 言いかけた言葉を遮り告げられた言葉は、とても冷たくて。
 あたしは、声を出すことも出来なかった。
「・・・・・他のやつと、同じものなんて欲しくない。総二郎やあきらにも、あげてるんでしょ」
「・・・・・・え?」
「義理チョコなんて、らしくないよ。変な気、使わないで。司とのこと・・・・・別れて落ち込んでた牧野を励ますのなんて、友達として当たり前でしょ」
 その言葉に、あたしの心はずきんと音を立てて痛み・・・・・
 気付かないうちに、涙が零れていた。
「・・・・・・して、そんなふうに言うの・・・・・・」
「牧野?何で泣いて・・・・・・」
「あたしは・・・・・類が、好きなのに・・・・・・」
「・・・・・え?」
 類が、目を見開く。
「義理チョコじゃないよ。西門さんや美作さんにもあげてない。類だけだよ。もう・・・・・道明寺のことも考えてない。ただ・・・・・類のことだけ考えて、作ったのに・・・・・類にとって、あたしは単なる友達なんだ・・・・・」
 悲しくて、悲しくて・・・・・・
 涙が、止まらなかった。
 こんなこと言ったら、きっと類が困る。
 ダメだ、こんなの・・・・・
「ごめん、あたし、もう行く。今言ったこと、忘れて」
 そう言って、類の手にあったチョコレートの入った箱を取ると、そのまま立ち上がり、非常階段を駆け下りた。

 ―――馬鹿みたい。あたし・・・・・類なら受け取ってくれるって、どこかで自惚れてたんだ・・・・・。

 恥ずかしくて、情けなくて・・・・・
 溢れ出る涙で、前が良く見えなかった。
 
 「あっ」
 階段を踏み外し、体が宙に浮く。
 そのまま落ちる―――と、思ったとき。

 あたしの体は、後ろから抱きしめられていた。
「る・・・・い・・・・・?」
「・・・・・危ないよ」
 優しい声が、耳元に響く。
 あたしはカッとしてその腕を振りほどこうとしたけれど、なぜか類は離してくれない。
「離してよ。もう、大丈夫だから。こんなこと、しないで」
「・・・・・嫌だ。俺のもの、返してもらってないし」
「俺のもの・・・・・?」
「その、チョコレート・・・・・俺にくれたんじゃないの?」
「これは・・・・・だって、いらないんでしょ?そう言ったじゃない!」
「うそ」
「うそ・・・・・?」
 思わず、類の顔を振り返る。
 すぐ間近に、類の優しい笑顔。
 どきんと胸が鳴る。
「・・・・・義理チョコだって、思ったから・・・・・牧野が、俺のこと思ってくれてるって知らなかったから・・・・・・他のやつと同じものなんて欲しくない。そう言ったでしょ?」
「言った・・・・・・けど・・・・・」
「だから・・・・・俺にだけ、くれるものなら、欲しい」
「だって・・・・・友達なんでしょ?あたしは・・・・・単なる友達なら、こんなのもらったって・・・・・」
 言いながら、また涙が出てくる。
 そのとき・・・・・
 類の顔が近づいてきて、優しくあたしの唇を塞いだ。
 触れるだけの優しいキス。
 そっと唇を離すと、その薄茶色のビー玉のような瞳で、あたしを見つめた。
「・・・・・好きだよ。ずっと、牧野が好きだった」
「うそ・・・・・」
「嘘じゃない。ずっと好きで・・・・・でも、牧野にとって俺はずっと友達のままだと思ってたから。だから・・・・・もう、自分の気持ちは言っちゃいけないって思ってた。牧野を苦しめるだけだと思ってたから。だけど・・・・・もう、言っても良いよね?」
 そう言って、優しく微笑む。
「類・・・・・」
「好きだよ、牧野・・・・・。ずっと、これからも・・・・・・」
「あたしも・・・・・好き」
「・・・・・チョコレート、俺にだけ・・・・・?」
「うん。類だけ。類だけが・・・・・好きなの・・・・・」

 類の唇が、またあたしの唇に重なり・・・・・・
 今度は、もっと深く、長く・・・・・
 お互いの思いを伝え合うように・・・・・
 
 耳元で囁かれる甘い言葉を聞いて、あたしは蕩けそうになる・・・・・。

 「このまま2人で溶けても良いって思えるくらい・・・・・・愛してる・・・・・」



                                fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 バレンタインデー企画。
 類編は、短くしてみました♪

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2009 Valentine Special 司編 vol.2 ~花より男子・つかつく~

Category : 2009 Valentine ~花より男子~
 -tsukasa-

 体が、勝手に走り出していた。
 たった10メートル程の距離がとても遠く、もどかしかった。

 牧野の足が動き、俺の方へ踏み出す。
 こっちへ伸ばされた手を掴み、思いきり引き寄せた。

 そのまま力いっぱい抱き締めた。
 小さな牧野の体を確かめるように、そのぬくもりを封じ込めるようにしっかりと・・・・・


 「バレンタインデー?」
 牧野を俺の部屋へ連れて行き、2人ソファーに腰を降ろし落ち着いたところで牧野が突然来た理由を話し始めた。
「そうだよ。今日は2月14日じゃない」
 言われてみれば・・・・・
 すっかり忘れていた。
「忘れてると思ったけどね」
 牧野は呆れたようにそう言うと、足元に置いていたバッグを開け、中から四角い箱を取り出した。
「はい、これ」
 差し出されたその箱を受け取る。
「開けてみてよ。結構自信作なんだから」
 得意気に笑う牧野。
 箱にかけられた青いリボンを解き、真っ白なその箱を開ける。

 中から出て来たのは、ハート型のチョコレートケーキだった。
 表面にはホワイトチョコレートで書かれた『To Tsukasa』の文字。

 「道明寺?」
「・・・・・」
 胸がいっぱいだった。
 言う言葉が見つからなくて、暫く黙り込んでいると、牧野がしびれを切らしたように俺の顔を覗き込んだ。
「ねえってば!黙ってないでなんか言ってよ!」
「お、おお」
 それでもまだ呆然としてる俺に、今度は不安そうな顔をする。
「気に入らなかった?」
「―――っかやろ」
「へ?」


 -tsukushi-

 突然、道明寺の力強い腕があたしを抱き寄せた。
「・・・すげぇ、嬉しい」
「道明寺・・・・・」
「びっくりした・・・・・会いに来るなんて思ってなかった」
「驚かせたかったの・・・・・どうしても今日、これを届けたくて。何回も失敗しちゃったけど」
「きれいにできてんじゃん」
 にっこりと微笑む道明寺。あんまり優しく笑うから、なんだかくすぐったい。
「どんなんでも良いよ。来てくれただけで嬉しいから」
「な、なんでそんな素直なの。いつもと違うじゃん。なんか調子狂う」
「わりいかよ。ここんとこずっとろくに話もしてなかったじゃねえか。少し・・・・・不安になってたんだよ」
「不安?」
「好きなのは・・・・・会えなくて寂しいと思うのは、俺だけなのかと思ってた」
 いつもと違う弱気な道明寺に、あたしは戸惑った。
「そんなこと、考えてたの?」
「俺は、お前の何倍もお前のこと思ってるよ。近くに類がいるって思っただけで不安になる。そういうのは迷惑か?」
「め、迷惑じゃないけど」
「出来ることなら、今すぐにでも一緒になりてえよ。そう出来ないのがすげぇもどかしい」
「道明寺・・・・・」
 切なげな道明寺の表情が、あたしの胸を締め付けた。
「あたしだって、寂しかったよ。時々テレビや新聞で見るあんたは別人みたいで・・・・・余計に寂しくなる。まるで全然知らない人みたいで、あたしだけ取り残されたような気分になる。だから・・・・・今日だけはどうしても会いたかったの。会って、あたしが作ったケーキ食べて欲しかったの」
「牧野・・・・・」

 道明寺の大きな手があたしの頬に触れる。
 まっすぐにあたしを見つめる瞳。
 ―――ああ、この瞳だ。ずっと会いたかった。ずっと・・・・・

 「つくし・・・・・」

 ―――聞きたかった、声。

 道明寺の顔が近づき、そっとあたしの唇に口付ける。
 道明寺の長い睫に思わず見とれて目を閉じずにいると、ふと、目を開けた道明寺と目があってしまった。
「お前、何目ぇ開けてんだよ」
「ご、ごめん、つい」
「ったく・・・・・」
 溜め息をつく道明寺。

 ―――どうしよう。呆れられるかな。でも、どうしても今・・・・・

 「ど、道明寺」
 ドキドキする胸を押さえながら口を開くと、道明寺があたしを見る。
「何だよ」
 不思議そうにあたしを見る道明寺の襟首を掴む。
「うわっ、な・・・・・」
 思い切って目を閉じ、唇を重ねる。

 数秒のキスのあと、そっと離れて目を開けて見ると、真っ赤になった道明寺と目があった。
「・・・・・大好き、だよ。ずっと・・・・・だから、約束して」
「・・・・・何を」
「あたし以外の人から、チョコレートもらわないで」
 超美形な道明寺は、英得の生徒にはもちろん、今や日本中の女の子の憧れの的だ。
 婚約者っていう立場でも全然安心なんて出来ない。
 いつも、あたしの心は不安でいっぱいだ。

 道明寺は、暫く呆気に取られたようにあたしを見ていたけれど・・・・・

 「それなら、心配無用だ。チョコレート以外だって、お前以外の女からは何一つ受け取らねえよ」
 にやりと笑い、もう一度口付ける。

 今度はもっと深く、熱く・・・・・
 そして、とろけそうなほど甘く・・・・・

 「ずっと、お前だけ愛してる。つくし」

 チョコレートよりも甘く、あたしの心に溶け込んでいった・・・・・


                                  fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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2009 Valentine Special 司編 vol.1 ~花より男子・つかつく~

Category : 2009 Valentine ~花より男子~
 -tsukasa-

 『あ、道明寺?ごめん!今忙しいの!!後でかけ直すから!!』
 画面いっぱいに牧野の顔が現れたかと思ったら、巻くし立てるように叫び、ブチッと切れた。
「・・・・・」
 ツーツーという無機質な音と暗くなったテレビ画面に暫し呆然とする。

 「あのやろう・・・・・」
 思わず顔が引きつる。
 ここのところ忙しくて電話もできなかったから。
 久し振りに電話してみたら、この様だ。
 日本を離れて2年。
 テレビ電話での会話はあるものの、こうして離れている時間があまりにも長くて、最近じゃ一週間連絡がないなんてこともざらで、それが普通になってきてしまっていた。
 あいつは相変わらずバイト漬けの毎日で忙しいらしく、滅多に自分からは電話を寄越さない。
 それも気に入らないことの一つだが、それよりももうひとつ。
 類のやつが相変わらず牧野の家に入り浸ってるらしいってのが気に入らなかった。
 牧野を疑うわけじゃないが、類の気持ちを知ってるだけに安心はできなたった。
 類は、昔のことだって言うけど・・・・・

 「司様、よろしいですか?」
 部屋の外から西田の声がした。
 危うく考えに浸りそうになっていた。

 ―――やべえ、まだ仕事があるんだった。

 俺は首を振り、雑念を振り払うようにそっと息を吐いた。
「・・・・・今行く」
 俺はテレビ電話の電源を切ると、そのまま部屋を出たのだった・・・・・。


 -tsukushi-

 「ふう、危なかった」
 あたしは電話を切ると、大きく息を吐いた。
 後ろを振り返れば、そこには溶かしたチョコレートの入ったボールと情けないほど不格好なチョコレートを混ぜたスポンジケーキ。
「また、やりなおしか」
 溜め息も今日で何回目だろう。

 3日後に迫ったバレンタインデー。
 遠く離れた婚約者を驚かせたくって・・・・・

 「よし、もう一回!」
 気合いを入れ直して腕捲りをしたところで、玄関をノックする音。
 ガクッと気が削がれてしまったが、出ないわけにもいかない。

 「はーい、どなた?」
「牧野、俺」
 聞き慣れた声に、急いでドアを開ける。
「類」
「・・・・・どろんこ遊びでもしてた?」
 類が、びっくりした顔をしてあたしを見た。
「は?」
 なんのことかと思って聞き返せば、ふいに類の手が伸びて来て、あたしの頬をそっと撫でた。
 突然の類の行動に驚いて声も出せないでいると、類はその手を自分の口元に持っていき、指先をペロリと舐めた。
 と思ったら、急に顔をしかめた。
「あまっ」
「へ?」
「チョコレート?」
「ああ・・・・・」
 漸く状況が飲み込めたあたしは、いつもながらの類の唐突な行動に溜め息をついた。
「・・・・・入る?」
「いいの?」
「いいよ。散らかってるけどね」
 そう言いながら、あたしは類を部屋に通した。

 「・・・・・本当にすごいね」
 類が、部屋に入った途端、その場に立ち尽くして言った。
「座れるところがあったら適当に座ってて」
「あい」
 そう言って、類は大人しく空いているスペースを見つけて座った。
 そして、あたしがスポンジの生地を作るのをジーッと見つめていた。

 「手伝おうか?」
 暫くして、手持ちぶさたになったのか、類が聞いてきた。
「ううん、いい。これは自分の手で作りたいの」
 そう答えると、類はクスリと笑った。
「・・・・・何よ」
「いや・・・・・牧野も女の子だなあと思って。それ、バレンタインデー用でしょ?」
「・・・・・うん」
「渡せると良いね」
「・・・・・うん」
「バイト、頑張ってたもんね」
 にっこりと微笑む類。
 何もかもお見通しっていうのが気に入らないけど、でも無邪気な類の笑顔を見てたら、やっぱり答えなくちゃいけない気がして。
「・・・・・うん」
 ずっと、見守ってくれてた人だから。
 一番にあたしの気持ちを理解してくれてる人だと思う。
 時々、罪悪感を感じたりもするけれど・・・・・

 『牧野の笑顔が見れたらそれでいいんだ』

 そう言って穏やかに笑ってくれるのが嬉しくて。
 その笑顔についつい甘えてしまうんだ。

 「きっと司も喜ぶよ」
「そ、そうかな」
「うん」
 妙に確信した表情に、何故だか安心してしまうあたし。
「・・・・・花沢類も、受け取ってね」
「俺?なんで?」
 不思議そうな顔の類。
「いつもお世話になってるから。感謝の気持ちだよ」
「・・・・・食べれる?」
「ひどっ」
 無邪気に笑いころげる類。
 あたしがほっとする瞬間だ。


 「司様」
 運転手の声にはっとして目を覚ます。
「おやすみのところ申し訳ありません。もう到着いたしますので」
「―――ああ」
 車がゆっくりと停まり、扉が開けられる。
 車を降りると、そこには西田が立っていた。
「司様。お客様がいらしているようですよ」
 何やら含んだような笑顔の西田。
「客?」
 首を傾げる俺を黙って促す。
 俺は仕方なくそのまま歩き出し、開けられた玄関を通る。
 両脇にズラッと並んだ使用人達が一斉に頭を下げる。
「おかえりなさいませ」
 そこまではいつもの光景。
 だがその使用人達の向こう側に立っていたのは―――

 「おかえり。道明寺」
 にっこりと微笑む。
 その笑顔は、ずっと会いたいと思っていた―――

 「牧野!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 つかつくは、私には結構難しいCPなので、たま~にしか書けませんが・・・・・
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2009 Valentine Special あきら編 ~花より男子・あきつく~

Category : 2009 Valentine ~花より男子~
 「つくしおねえちゃま、一緒にチョコレート作りましょ」
 いつものように、美作さんの家に遊びに行くと、双子の姉妹にそうかわいくお願いされて。
「いいよ」
 と、笑顔で頷いた。
 でも、心中はちょっと複雑だった。
 だって、あたしが作るチョコには意味があるから。
 
 単なる友達としてじゃなく、1人の男性として・・・・・・
 そんな風に美作さんを見るようになったのはいつからのことだろう。
 
 家にも、気軽に遊びに行けるような、気さくな友達。
 悩み事も、家族のことも、何でも言える人。
 どんな話でもちゃんと聞いてくれて、そして正しい道を示してくれる人。
 時に厳しいことも言われるけど、それが全部あたしの為だって思えるから、嬉しくて・・・・・。

 そんな気持ちが、いつの間にか恋に変わってた。
 だけど、相変わらず彼には10以上年上の、人妻の彼女・・・・・。
 あたしのことなんて、単なる妹くらいにしか思ってない・・・・・。

 「じょうずにできました」
「できました。ね、つくしおねえちゃま」
 にっこりと微笑む天使の笑顔。
 つられて微笑む。
「ほんと、上手に出来たね。じゃ、お兄さんに渡しに行こうか」
 と言うと、双子が顔を見合わせてにっこりと笑う。
 その笑顔に、何か企みがあるように感じたのは、あたしの思い過ごしか・・・・・

 美作さんの部屋の扉をノックすると、中から美作さんの声。
「どうぞ」
 扉を開け、中に入る。
 その途端、ばたんと閉められる扉。
「え・・・・・」
 振り返ると、双子はいなかった。
「・・・・・何してんの?お前ら」
 目の前の光景に、首を傾げる美作さん。
 絵夢と芽夢の姿も、目に入っていたはずだ。
「いや、あの・・・・・」
 もしかしたら、と今更ながら気づく。

 ―――あたし、嵌められた・・・・・?

 「牧野?どうした?」
 美作さんの声にはっとする。
 この状況・・・・・
 絶対あの2人の企みだ・・・・・・
 子供にいいように騙された自分に愕然とする。
 その後ろに、含み笑いをしてるやつがちらちらと見え隠れしているけれど・・・・・
 入れ知恵したのが誰かは、想像に容易い。

 「あ、あのね、チョコレートケーキ作ったの、絵夢ちゃんと、芽夢ちゃんと一緒に・・・・・」
「チョコレート?」
「う、うん。今日、バレンタインデーだから・・・・・あの、これ・・・・・」
 そう言って、あたしは出来た手のチョコレートケーキを差し出す。
 ハート型のチョコレートケーキに、ホイップクリームやフルーツでトッピングされたそれは、少し子供っぽいけれど、あの双子の、大好きな兄に対する愛情がしっかりと込められた物。
 そしてあたしの気持ちも・・・・・・。

 差し出されたケーキを、暫く無言でじっと見つめていた美作さんは、ふっと微笑むと、それを受け取ってくれた。
「サンキュ・・・・・。お前から何かもらうのって、もしかして初めて?」
「あ・・・・・そうかも、ご、ごめんね、いつもお世話になってるのに」
「何謝ってんだよ。いいよ別に、そんなの」
 そう言って美作さんは軽く笑うと、チョコレートケーキを小さな丸テーブルに置いた。
「・・・・・で?」
 そう言って首を傾げながらあたしを見つめる瞳に、何かを探るような光を見つける。
「・・・・・え?」
「お前がくれるのは、これだけ?」
「これだけ・・・・・・って」
「俺に何か、言いたいことがあるって、あいつらに聞いてたんだけど?」
 至近距離に近づいてきた美作さんのきれいな顔に、ドキッとする。
「あ、あいつらって・・・・・・」
「絵夢と芽夢が、言ってた。つくしおねえちゃまが、おにいちゃまに大事なお話があるって。とっても大事なことだから、ちゃんと聞いてあげてねって言われたんだけど」
 口元に笑みを浮かべたままそう言われ・・・・・
 あたしはまた、してやられたことに気づいた。
 あの双子に気付かれてるってことは・・・・・・
 ちらりと美作さんを見上げえる。
 多分、気付いてるんだよね・・・・・

 「・・・・・言えないよ・・・・・」
「何で?」
「だって・・・・・」
 美作さんには彼女がいる。
 なのに、告白なんて出来ない。
 ぐっと言葉を飲み込むあたしを、美作さんは相変わらず優しい目で見つめてる。
「・・・・・念のために言っとくけど」
「え?」
「俺、今彼女いないから」
「・・・・・え」
 見上げれば、満面の笑み。
「うそ・・・・・」
「じゃねえよ。もう、去年のうちに別れてる。今俺には、どうしようもなく惚れちまってる女がいるからって」
 その言葉に、また胸が締め付けられる。
「だから、そういう顔すんな。誰のこと言ってると思ってんの?」
「そんなこと・・・・・」
 知ってるわけない。きっとまた年上の人・・・・・
「・・・・・俺が、年上じゃない女を好きになるのなんて初めてのことだぜ。すげぇことだとおもわねえ?」
 ニコニコと、楽しげに笑う。
「今日、お前がここに来てくれたら・・・・言おうと思ってた」
 美作さんの繊細な手が、あたしの頬に触れる。
 その冷たくて、でも優しい感触に、あたしの胸が高鳴る。
「俺が好きなのは・・・・・牧野、お前だよ」
 そう言ってくれてるのに・・・・あたしは信じられなくて、なんて言っていいかわからない。
「うそ・・・・・だよ・・・・・」
「じゃないって。こんなこと、冗談で言えねえよ。マジで・・・・・どうしようもなく惚れちまってるんだ。このチョコレートケーキが、特別なもので・・・・・俺と同じ思いがこもってるなら・・・・聞かせてくれよ」
「あたし・・・・・・」
「ん・・・・・?」
「あたしも・・・・・美作さんが、好き・・・・・ずっと・・・・・美作さんのことだけ考えて、作ったんだよ・・・・・」
 漸く言葉を紡ぎ出せば、美作さんが嬉しそうに笑って、あたしを抱きしめてくれた。
「サンキュ・・・・・大事に食べなきゃな・・・・・・お前の気持ち」
「・・・・・うん・・・・・」

 自然と重なる唇。
 いつまでも離れられなくて・・・・・
 
 大好きって気持ちがこもったチョコレートケーキ。
 2人で食べたら、きっと気持ちも1つになれる気がした・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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2009 Valentine Special 総二郎編 vol.3~花より男子・総つく~

Category : 2009 Valentine ~花より男子~
 -soujirou-

 全く、冗談じゃない。
 珍しく牧野のほうから誘ってくれたから。
 柄にもなく有頂天になってた俺。

 待ち合わせの場所になかなか現われないあいつをひたすら待ってて・・・・・
 何かあったのかもしれないと、あいつの家まで行こうと思ったときだった。

 見覚えのある車の中に見えたのは、類と牧野。
 牧野が車を降りようとドアを開ける。
 類が牧野の腕を引っ張り、引き寄せたと思ったら、類がそのまま牧野の頬にキスをした。

 頭を、ハンマーで殴られたみたいなショック。
 すぐには動くことが出来なかった。

 キスくらいどうってことない。
 頬なんて外国じゃ単なる挨拶だ。
 今まで俺だって、誰にでもしてたし、されてた。
 特別な感情がなくたって出来ることだ。

 だけど・・・・・類にとって牧野は特別だ。
 牧野にとっても。
 そして・・・・・
 俺にとっても牧野は特別で・・・・・・たとえ単なる挨拶だって、牧野に触れるやつを、許せるわけなかった。

 俺の知らない間に、牧野は類と会ってたのか?
 夜通し一緒にいて・・・・・
 そのあと、平気な顔して俺と会うつもりだったのか・・・・・?
 そんな疑惑が、俺の胸を締め付けた。


 「好きだよ」
 牧野が、俺を真っ直ぐに見て言った。
「・・・・・え?」
 その言葉が、誰に向けられて言われたものなのか、わからなかった。
「誰を?」
 その言葉に、牧野が顔を顰める。
「西門さんに決まってるでしょ!」
「類、じゃなくて?」
「当たり前でしょ!何でそんなこと言うの!?」
 悲しそうに歪む牧野の顔。
 涙を堪えてるような、そんな顔。
「信じてよ・・・・・。あたしが好きなのは、西門さんだよ。だから、今日だって・・・・・」
 そう言いながら牧野は俯き、さっきからずっと握り締めていた紙製のバッグを開け、中からかわいくラッピングされた箱を取り出した。
「これ、作ってたら、朝になっちゃって・・・・・・待たせて、ごめんなさい・・・・・」
 そう言って、俺のほうに差し出されたそれを受け取る。
「これ・・・・・」
「チョコレート。バレンタインの・・・・・西門さんのことだからたくさんもらうと思ったけど、やっぱり、渡したくて・・・・あんまりおいしくないかもしれないけど、一生懸命作ったんだよ。見た目は、あんまりきれいじゃないけど、でも・・・・・」
 牧野の言葉を全部聞く前に、俺は牧野を抱きしめていた。
「わ、ちょ、に、西門さん・・・・?」
 慌てて離れようとする牧野を、逃がさないように閉じ込める。
「・・・・・・やべえ」
「へ?」
「すげぇ、嬉しい・・・・・。考えてなかった。全然・・・・・」
「だって・・・・・・チョコレート、たくさんもらってるでしょ・・・・・?」
「ああ。でも、俺にとってはいつものプレゼント攻撃とかとあんまりかわらねえし・・・・・バレンタインデーを特別に意識したことなんてなかったから、忘れてた」
「そ、そうなんだ・・・・・」
「これ・・・・・俺だけに?他のやつには?」
「あ、あげてないよ。西門さんだけ。だって・・・・・これは、特別だから・・・・・・」

 『特別』

 その響きが、嬉しかった。
 牧野にとっての特別。
 その場所にいられることが。
「・・・・・あたしが、好きなのは・・・・西門さんだけだよ?ずっと、西門さんのことだけ考えてる・・・・・・」
「ん・・・・・悪かった。あんな言い方して・・・・・ずっと、心配だったんだ・・・・・お前が、俺から離れていっちまいそうで・・・・・」
「変なの・・・・・。いつも女の人に囲まれてるのは西門さんのほうなのに。あたしだけが、ヤキモチ妬いてるんだと思ってた・・・・・」
 その言葉に、思わず顔が綻ぶ。
「ばーか。俺はずっと妬いてばっかりだったよ」
 腕の力を緩め牧野の顔を見てみると、牧野は頬を赤く染め、俺のほうを見上げていた。
「・・・・・類に言ったことは、本当だから」
「え?」
「この場所を・・・・・お前の恋人って場所を、他のやつに譲るつもりはねえからな。ずっと、お前を捕まえといてやるから・・・・覚悟しとけよ」
 笑ってそう言ってやれば、ますます赤く染まるその頬に、軽く口付ける。
「もうぜってえ、類には触れさせねえから」
「に、西門さん、あの、ここ、外・・・・・」
「今更だろ。言っとくけど、今日は帰さないからな」
「へ?」
「少しでも離したら、またどっかいっちまいそうだから・・・・・。もう、こうやってずっと捕まえとく」
「むちゃくちゃ・・・・・」
「本気だぜ、俺は。この腕は、離さない・・・・・・一生な」
 そう言って牧野の潤む瞳を見つめ・・・・・・
 そのまま、唇を塞いだ。
 もう何も言えないように・・・・・・

 その代わり、俺が何度でも言ってやる。

 愛してるって・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ヤキモチ総二郎。
 余裕のない彼を書くのが楽しくって好きです。

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2009 Valentine Special 総二郎編 vol.2~花より男子・総つく~

Category : 2009 Valentine ~花より男子~
 そこに立っていたのは、頭に角がないのが不思議なくらい、不機嫌を絵に描いたような様子の西門さんで・・・・・・・
「に、西門さん、あの・・・・・・」
「何考えてんの」
 あたしが言い訳するより先に、そうばっさりと言い捨てる西門さん。
「ごめん、なさい、あの・・・・・」
「待ち合わせに遅れてきたと思ったら、よりによってなんで類の車に乗ってくるわけ?しかも助手席に乗って、降り際にキス?恋人同士かよ」
 冷たい物言いに、あたし胸がずきんと痛む。
「そんな・・・・・」
「今日、呼び出したのはお前だろうが。わざわざ類とのラブシーン見せ付けるために呼んだわけ?ふざけんなよ」
 じろりとあたしを睨むその目に、いつもの優しさはなかった。
 胸が苦しくなり、涙が出そうになるのを必死で堪える。
「そんなんじゃない!類は、あたしをここまで送ってくれただけだよ。そんな言い方しないで!」
 むっとして言い返すあたしに、西門さんはさらに表情を険しくする。
「ああそうかよ!だったらその優しい類と付き合えば?」
 そう言ったかと思うと、くるりと背中を向けて歩き出す西門さん。

 あたしは、その場から動くことが出来ずにただその後姿を見つめていた。
 目には涙が溢れてきていた。

 「追いかけないの?」
 すぐ横で声がして、驚いて目を向ける。
「類!」
 いつの間に・・・・・
 類はいつものように穏やかに、あたしを見て微笑んでいた。
「追いかけないなら・・・・・・俺と一緒に行く?ここにずっと突っ立ってたら風邪ひくよ」
「あたし・・・・・・」
「でも、今俺の車に乗ったらもう後戻りはできないからね。総二郎のところに戻らない覚悟があるなら・・・・・乗って」
 穏やかな瞳に、真剣な光が見え隠れしていた。
 その瞳にはっとし、あたしはまた動けなくなる。

 いつもあたしを見守ってくれる類。
 あたしの幸せを願って、その優しさで包んでくれる類。
 いつか道明寺にも言われたみたいに、きっと類ならあたしを幸せにしてくれる。

 でも・・・・・・・・・

 「類、ごめん、あたし・・・・・」
 震える声でそう言いかけたあたしの腕が、後ろからぐいと引っ張られる。
「・・・・・悪ふざけにも、程があるんじゃねえ?」
 そう言って、類を睨みつけたのは
「西門さん!」
「なんだ、戻ってきたの。俺のことを推薦してくれたんだと思ったのに」
 にやりと笑う類。
「誰が。良いか、今こいつと付き合ってんのは俺だ。ふざけたことすんじゃねえよ」
「ふざけたつもりはないんだけど・・・・・牧野が、困ってるみたいだったから。不安に思うことがあるってのは、2人がまだまだ信頼しあってないってことじゃない?そこに、付け入られる隙があると思うんだけど」
 厳しい類の言葉に、西門さんが一瞬詰まる。
「・・・・・言ってくれるな。確かに、不安はあるさ。けど・・・・・やっと手に入れたこの場所を、お前にも、他のやつにも明け渡すつもりはねえ」
 静かにそう言い放った西門さんに、類は穏やかに微笑み・・・・・
「それなら、しっかり捕まえときなよ。牧野は、目を離すとすぐどっか行っちゃうからね」
 そう言って笑った。
 なんだかすごく不本意なんだけど・・・・・
 ちらりと見上げた西門さんの顔はやっぱりまだ憮然としていて、あたしは何も言い出せなかった。
「言われなくても、そうする。ちゃんと捕まえてるつもりでも、そうやってちょっかいかけてくるやろうがいるからな」
 西門さんの言葉に、類はまるで人事みたいに楽しそうに笑った。
「それは、俺の役目だと思ってるから。俺が願ってるのはいつだって牧野の幸せだからね。だけど・・・・・一度でもこの腕の中に捕らえたら、離すつもりはないから。覚悟しといてよ」
 そういうと、西門さんが何か言うより先にさっさと車を発進させ、行ってしまった・・・・。

 車を見送り、気まずい沈黙が流れる。
「・・・・・今更だけど。何で遅れた?」
 西門さんが、落ち着いた声で聞いてくる。
 その声に怒りは感じられなくて、あたしはちょっとほっとした。
「寝坊・・・・・」
「寝坊?こんな時間まで?」
「あの、寝てなくて・・・・・明け方の5時ごろまで・・・・・ずっと起きてようと思ってたんだけど、本読んでたらつい・・・・・」
「5時?そんな時間まで何やって・・・・・・」
 訝しげにそう言ったかと思うと、急にはっとしたような表情になり、眉間に皺を寄せた。
「まさか・・・・・・類といたのか・・・・・?」
「え?」
 あたしは一瞬何を言われたのかわからなくて・・・・・・でも、西門さんの表情から何を考えているのかがわかり、慌てて首を振る。
「まさか!そんなわけないじゃない!類とは、ここに来る途中に会って送ってもらっただけ!偶然だよ!」
「・・・・・・それを、俺はどうやって信じればいい?」
「西門さん・・・・・あたしのこと、信じられないの・・・・・?」
 また、心が急激に冷えてくる。
 西門さんの瞳が、疑いの色を乗せてあたしを見つめていた。
「・・・・・信じてえよ、俺だって。けど、俺は類の思いを知ってる。お前だって・・・・・類のことを特別に思ってる。そこに恋愛感情がないって言われたって、あんなところを見せ付けられれば平静でなんかいられるか」
「あんなところって・・・・・」
「車の助手席乗って、類にキスされてたろ」
「あれはだって、類が乗れって・・・・それにキスだって、あっという間のことで・・・・・そ、それにほっぺただし!」
「じゃああれが唇だったら?」
「!」
「キスされてたのが、唇だったら・・・・・それでもお前は、類だからって許すわけ?それ見て、俺がなんとも思わないとでも?」
「それは・・・・・」
「お前と類の関係が特別だって、俺も理解してるつもり。けど、俺だって不安になる。お前にとって俺ってなんなんだよ?」
 
 イライラと言いながら、悔しそうに地面をける西門さんの姿が。
 こんな場面なのに、なんだか新鮮だった。
 いつも回りに寄って来る女の人にヤキモキしてるのはあたしの方だと思ってた。
 恋愛に慣れてる西門さんにとってはあたしなんてまだまだ子供で。
 くだらない嫉妬なんて、きっと馬鹿にされるって。
 だから、いつも西門さんの前では強がって、嫉妬なんかしてない振りしてた・・・・・。

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 書いてて楽しい総つくのお話は、気付くと長くなってました。
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2009 Valentine Special 総二郎編 vol.1~花より男子・総つく~

Category : 2009 Valentine ~花より男子~
 「できた~・・・・・」
 漸く完成したその物の前で、大きく息をつく。
 何とか間に合ってよかった・・・・・。
 てか、今何時だろう?
 ふと時計を見ると、既に朝の5時をまわっていて、外はうっすらと明るくなりかけていた・・・・・。

 時間を確認した途端、睡魔が襲ってくる。
 だけど、ここで寝てしまったら確実に寝過ごしそう・・・・・・。
 そう思ったあたしは、仕方なく本でも読んで時間を潰そうとその辺にあった本を手に取ったのだった・・・・・。

 が、これが失敗というもので。

 気がついたときにはテーブルに突っ伏したまま、熟睡していたのだった・・・・・。

 「つくし!いつまで寝てるの!!」
 母親の怒鳴り声で、はっと体を起こす。
「い、今何時!?」
 慌てて起き出したあたしを、母親が呆れた目で見る。
「もう昼過ぎよ。全くそんなとこで・・・・・風邪でも引いたらどうするの」
 母親の説教を最後まで聞く余裕もなく、あたしは慌てて身支度を始める。

 ―――やばい!!待ち合わせは11時だったのに!!

 超不機嫌な顔の恋人の顔を想像し、ぞっとする。

 10分後にはアパートを飛び出し、待ち合わせ場所へと走る。
 が、どんなに急いでも20分はかかってしまうのだ。
 
 ―――先に、電話した方が良いかな?

 そう思ったとき、後ろから車のクラクションが聞こえ、反射的に振り返る。
「牧野、急いでるの?」
 そう言って運転席から顔を覗かせたのは、花沢類だった。
「類!!何でここに?」
「あきらと約束があって、向かう途中・・・・・。牧野は?何慌ててるの?」
「あ、あたしは、その・・・・・」
 なんとなく恥ずかしくなってはっきり言い出せずにいると、類は何かを察したように微笑んだ。
「乗れば?送ってあげる」
「で、でも」
「ほら、急がないとまずいんじゃないの?」
 そう言って助手席に乗るよう促され・・・・・
 あたしは一瞬迷ったものの、少しでも早く行きたくて、類の好意に甘えることにした。


 「今日は、バレンタインだもんね」
 運転しながら楽しそうに言う類。
「う、うん・・・・・」
「うまくいってるみたいで・・・・・安心した」
「どうかな・・・・・。あたし今日、大遅刻だし。きっと怒ってる」
 大きく溜め息をつく。
 そんなあたしをちらりと見て。
 類はいつものように穏やかに微笑んだ。
「大丈夫だよ。牧野が思ってるよりもずっと・・・・総二郎は牧野のこと好きだと思うよ」
「・・・・・そう・・・・・かなあ・・・・・」
 まだ付き合い始めて1ヶ月。
 思いが通じたときは、すごく嬉しかったけど。
 でも、日が経つに連れ、自信がなくなってくる。
 相変わらず彼には華やかな女性たちが入れ替わり立ち代り言い寄ってくる。
 それを冷たくあしらうでもなく、適当に相手をしながらするりとかわして行く西門さん。
 今は自分が恋人なんだという自信が、あたしは持てなかった。

 「・・・・・大丈夫。もっと自信持ちな。不安があるんだったら、ちゃんと言いなよ。黙ってるのは誤解の元になる」
「うん・・・・・わかってるんだけど・・・・・」
 素直になれないあたし。
 あたしばっかりが彼を思ってるみたいで・・・・・・
「・・・・・言ってくれれば、いつでも協力するよ。俺でも、あきらでも、利用できるものは利用すればいい」
「って・・・・・モノじゃないでしょ、2人とも。でも、ありがとう、心配してくれて・・・・・。あ、ここでいいよ。すぐそこだから」
 待ち合わせ場所が見えてきて、あたしは声をかけた。
「ん。じゃ、またね」
 類が車を路肩に寄せて止めた。
「送ってくれてありがとう。今度、お礼するから」
 ドアを開けながらそう言うと、類がくすりと笑った。
「良いよ、このくらい。それに・・・・・お礼なら、今もらう」
「え?」
 その瞬間、類に腕を引っ張られ、バランスを崩す。
 あっと思う間もなく、頬に、類の唇が触れていた。
「!!」
 驚いて、思わず開いていたドアから飛び出すあたし。
「な・・・・・!類!!」
 真っ赤になって口をパクパクさせるあたしを見て、おかしそうに笑う類。
「お礼、もらったから。じゃあね」
 そう言うと、ドアを閉め、さっさと車を発進させて行ってしまった。

 あたしは暫し呆然とその場に立ち・・・・・・
「・・・・・もう、心臓に悪いっつーの」
 と呟くと・・・・・・
「全く、いい度胸だよな」
 すぐ後ろから、超絶に不機嫌な低い声が響いてきて・・・・・・
 あたしは、恐る恐る後ろを振り返った・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 Valentine第一弾は総つくです。
 どうぞ楽しんでくださいませ♪

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Traveling ~花より男子・類つく~

Category : Travering ~花より男子・類つく~
 *このお話は、「ブランコ」「X'mas Panick!!」の続きになります。


 「2人きりになれるところならどこでもいいんだ」

 そう言って笑った類。

 そして冬休み。
 連れて来られたのはなんと熱海。
 しかも別荘とか高級ホテルとかじゃなく、あたしの実家の方がまだきれいなんじゃないかと思うほどの寂れた温泉宿だった。

 「こういうところの方が案外わかりにくいんじゃないかと思って」
「・・・・・かもね。てか、よくこんな宿見つけられたね」
 あたしの言葉に満足そうに笑う類。
 ここに来てからすこぶる機嫌の良い類。
 あたしはみんな一緒でも楽しいかなって思うけど・・・・・。
 でも類のそんな嬉しそうな顔を見れるなら悪くないかもと思ってしまった。

 ただ、問題が一つ。
 それは・・・・・

 「失礼しま~す!お茶お持ちしました~」
 そう言って部屋を開けたのはこの旅館の娘―――家族4人でやっている旅館なのだ―――だった。

 もうさっきから3度目だ。
 お菓子だとか、お茶だとか、浴衣だとか・・・・・
 なにかと理由をつけては部屋に来て、類にぽーっと見惚れているのだ。
 18くらいに見えるその娘さんはなかなかかわいらしい人で・・・・・
 そりゃあ類はかっこいいし、みとれてしまう気持ちは分かるんだけど。
 それでもあまりにもじろじろ見られると悔しい気持ちになるのはなんでだろう。
 娘さんが類に見惚れながら出て行くのを見て、あたしは小さく溜め息をついた。
「疲れちゃった?」
 類が心配そうにあたしを見る。
「ううん、大丈夫だよ。まだついたばっかりだし」
「・・・・・顔、引きつってるよ」
「え!」
 と、思わず両手を頬に当てると、類がにやりと笑った。
「あ・・・・・」
 ・・・・・引っかかった。
「・・・・・ちょっと、妬いてた?」
「べ、別に・・・・・」
 ぷいと顔を背けると、類がクスクスと笑う。
「あんたは、嘘つけないんだから」
 馬鹿にされてるみたいで悔しくてジロリと睨むと、思いの他優しい顔に出会い、ドキリとする。
 あまりに優しい瞳に見つめられて、何も言えずにいると、ふいに類に抱きしめられた。
「牧野、かわいい」
「・・・・・かわいくなんか、ないよ・・・・・」
「かわいいよ。そうやってやきもち妬いてくれるのも嬉しい。でも、心配しないで。俺が好きなのは、牧野だけ」
 その言葉が嬉しくて・・・・・
 でも、ちょっと照れくさくて・・・・・
 そのまま顔を上げられなくなってしまう。
「牧野・・・・・顔上げて」
 類が、抱きしめていた手を緩める。
「や。今あたし、真っ赤だもん。恥ずかしい」
「いいから」
 そう言って類は、あたしの顎を人差し指でクイッと持ち上げた。
「すごく、かわいいよ」
「恥ずかしいってば・・・・・」
 顔を背けたくても類の手がそれをさせてくれなくて、余計に恥ずかしくなってしまう。
「どんな牧野も好き。だから・・・・・」
 ゆっくりと重なる唇。
 啄ばむようなキスから、深い口付けに変わるまで、さほど時間はかからなかった・・・・・


 結局気付けば外は暗くなっていて。
 せっかく来たのだから、熱海の町を散策しようと思っていたのに、とがっかりするあたしの横で、満足そうに微笑む類。
「言ったでしょ?俺は、牧野と2人きりになりたかったの。町の散策なら、明日出来るよ。今日は・・・・2人きりを堪能したい・・・・・」
 そう言ってまたあたしの腰に手を回し、ぎゅっと抱き寄せる類。
 そんな風にされれば、あたしだって嫌とは言えなくて・・・・・・

 「で、でもさ、せっかく来たんだし、温泉、入りにいこうよ」
 その言葉に、類はう~んと考えて・・・・・・
「・・・・・わかった。じゃ、行こう」
 そう言って立ち上がり、あたしの手を引いて部屋を出ようとする。
「え、類?タオルとか・・・・・」
 慌てるあたしを振り返り、余裕の笑み。
「大丈夫。用意してくれてるから」
 その笑顔に、なんとなく嫌な予感・・・・・・。

 「・・・・・聞いてないよ」
 そこは家族風呂。
 そう、夫婦が2人きりで楽しめるようになっている個室になった温泉だった・・・・・。
「これがあったから、ここ選んだんだよ」
 温泉につかりつつ、あたしを抱きしめる手を緩めない類が言った。
 素肌が触れあい、すぐ耳の後ろで類の甘い声が響く。
 あたしの心臓はさっきからどくどくと激しい鼓動を打っていて・・・・・
 このままじゃ、早々にのぼせてしまいそうだった。
「でも、気持ちいいでしょ、温泉」
「う・・・・・うん、それは・・・・・」
「牧野と2人きりで、ゆっくりしたかったんだ・・・・・」
「類・・・・・・」
 温泉の中で向きを変えられ、2人向き合う格好になると、さすがにあたしは類を直視できず、俯いてしまい・・・・・
 そんなあたしの頬に手を添え、顔を類のほうへ向かされる。
「ちゃんと、俺のほう見て」
 温泉の中で響く、類の甘い声に眩暈を感じる。
「愛してる・・・・・」
 類のきれいな顔が近づき、唇が重なり、そのまま深い口付けを続ける。

 でも、さすがにこの場所でそれを長く続けることはできなくて・・・・・
「・・・・大丈夫?のぼせちゃった?」
「かも・・・・・・」
 はあっと息を吐き出すと、類があたしをじっと見つめる。
「・・・・・部屋、もどろっか・・・・・・」
 すっと耳の後ろを撫でる指の動きに、ピクリと震える。
「類・・・・・?」
「そんな色っぽい牧野見てたら・・・・・我慢できない・・・・・」
 熱っぽい瞳で見つめられ、あたしは何も言えなくなってしまう。

 やっぱり少しのぼせていたあたしは、そのまま類に抱えられるように部屋に戻り・・・・・・
 そのまま、熱く、甘い夢の中へと誘われていったのだった・・・・・・・


 ****************************

 「よお、牧野!類!」
 翌朝目覚めたあたしたちの目の前でくつろいでいたのは、なぜか既に温泉に浸かったあとの西門さんの美作さんだった・・・・・・・


                            fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 というわけで、この話はこれでおしまい♪
 ですが、一応これに続くお話しを考えてますので、お楽しみに♪
 バレンタインデー企画終了後、UP予定で~す。
 明日からはバレンタイン週間として、バレンタインデーのお話しをそれぞれのCPでUP予定です!

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傍にいて vol.5 ~花より男子・総つく~

Category : 傍にいて(完結) ~花より男子・総つく~
 「落ち着いたみたいだね」
 病室に戻ってきた類が、俺と牧野を見て言った。
 その、何もかもわかっているような意味深な笑みに、牧野の頬が染まった。
 類は、牧野の思いにも気付いていたんだろう。
 牧野のことを、ずっと見守ってきた類。
 相変わらず牧野を見つめる瞳には、誰にも向けられることのない類の牧野に対する思いが込められていて・・・・・
 2人の間に何もなかったって分かってても、やっぱり気になってしまうのはどうしようもなかった。

 「さっき、そこで刑事に会って・・・・・できれば、牧野に話聞きたいって言ってるんだけど・・・・・どうする?」
 あきらが、ドアの方を顎でくいと示す。
「無理しない方がいい。さっき類も言ったとおり、退院してからにした方が・・・・・」
 そう俺が言いかけるのを、牧野は首を振った。
「いいよ、大丈夫。早く、解決したい。いつまでもこんな事件に関わってたくないよ」
 さっきまだ、その傷の痛みに青い顔をしていたのに、全く牧野らしいといえば、らしいのだが・・・・・。
「大丈夫なのか?」
 心配でそう言うと、牧野は俺を見てちょっと笑った。
「ん。大丈夫」
「じゃ、呼んでくるよ」
 そう言って、類とあきらがまた部屋を出て言った。
「・・・・・無理はするなよ?」
「大丈夫だよ。でも・・・・・」
「でも?」
 俺が聞くと、牧野はちょっと恥ずかしそうに目を逸らし、囁くような小さい声で続けた。
「傍に・・・・・いてくれる・・・・・?」
 赤い顔してそんなことを言うから。
 つられて俺も赤くなる。

 ―――こいつ、かわいすぎるだろ・・・・・

 「いるよ、傍に・・・・・」
 握っていた手に、そっと力を込める。

 そのとき、病室の扉が開いた・・・・・・

 
 刺された時の状況をいくつか質問された牧野は、少し青い顔をしながらも,落ち着いて答えていた。
 その女とはそれまで特に接触がなかったこと、刺されるまで、その存在には全く気付かなかったこと・・・・・

 一通り事情聴取が終わったあと、警察はその女について、わかっていることを話してくれた。
 本当は牧野の傷が癒えてから、と思っていたらしいが、牧野が聞きたいと言ったのだ。

 その女が牧野に敵意を抱いたのは、実に高校時代からだとわかった。
 隣の県の女子高に通っていた女はテレビや雑誌に取り上げられていたF4に興味を持ち、中でも俺に強い興味を持つようになったのだという。それというのも、茶道部に所属していた女が、当時交際していたのがやはり同じ茶道部員で、その男とに二股をかけられ、ひどい振られ方をしたのが原因らしい。
 F4の事を自分で調べるうちに、司と付き合っているという牧野の存在を知った。
 F4と牧野の関係を、最初は羨ましいと思っていたらしいが、それがいつしか妬みに変わり、激しい敵意に変わっていった・・・・・。
 英特大進学を果たした女は、さらにF4・・・・・特に俺に熱を上げ、ストーカーのように後をつけまわすようになった。
 俺は気付かなかったが、聞くと本当に俺の行くところ行くところに出現していることがわかり、ぞっとした。
 牧野が司と別れると、女の行動はさらにエスカレートしていった。
 そういえば、このころから良く俺の前に現われるようになった気がする。
 それまではその存在も知らなかったが、同じ講義を選択していたり、カフェテリアにいるとすぐ近くのテーブルで本を読んでいたり・・・・・会えば、必ず挨拶をしてくるようになったのもこのころだった。
 特に意識もしてなかった俺は、最初、この女の危うい雰囲気には全く気づいていなかった。
 それが、ある意味きっかけになったのかもしれない。
 全く俺との距離が縮まないという事実を受け入れられなかったのか、自分こそが俺の恋人にふさわしいと、俺と結婚するのは自分しかいないのだと、思い込むようになっていたようだった・・・・・。
 邪魔なのは、牧野の存在・・・・・。
 そしてあの日。
 俺に牧野の悪口を吹き込もうとして逆に俺の本命が牧野だということを知った女は、こう思ったのだ。

 ―――牧野つくしさえいなければ・・・・・
 
 ナイフは、護身用にいつも持ち歩いていたもの。
 牧野の後を着けていた女は、類と牧野が別れるのを待って、1人になった牧野の隙を狙い・・・・・襲ったのだ。

 話を聞いている間、牧野は冷静だった。
 俺のほうが、女の行動に憤り、自分の不甲斐なさに落ち込んでしまっていた。
 俺があんなことを言わなければ。
 俺が、女の奇行にもっと早く気付いていれば・・・・・。

 牧野を、もしかしたら失っていたかと思うと、後悔してもし足りないくらいだったが・・・・・・

 刑事たちが病室を出て行くと、牧野は隣で項垂れていた俺の手を握り、微笑んだ。
「なんて顔してんの?」
「牧野・・・・・ごめん・・・・」
「謝らないで。言ったでしょ?西門さんのせいじゃないよ。すぐ傍にその人がいてあたしを狙ってるなんて、あたしも気付かなかったし・・・・・それに・・・・あたしは、生きてるから」
 明るく、にっこりと微笑む牧野の表情に、影はなかった。
 無理をしているわけじゃないのだ。
 そんな牧野が、眩しかった。
 それでも俺が何も言えないでいると、傍に立っていた類が、口を開いた。
「・・・・・でも、いいきっかけにはなったんじゃない?2人とも、ちっとも素直になれなかったからね。これで、漸く俺も安心できるよ」
 そう言って笑う類を、牧野がちょっと拗ねたような表情で見る。
「これからは・・・・総二郎が、牧野を守ってよ。俺も忙しいし、そういつも牧野の傍にはいられなくなるし」
「類・・・・・お前・・・・・」
 類の表情は、穏やかなままだった。
 だけど・・・・・俺には、その内に秘める牧野への思いが感じられた。
 牧野の傍で、牧野をずっと守ってきた類。
 きっと、その位置を誰にも譲りたくはないだろう。
 だけど・・・・・・

 俺は、牧野を見つめた。
「・・・・・これからは、俺がいつも傍にいる。お前を・・・・ずっと守るよ」
「西門さん・・・・・」
「だから・・・・・ずっと俺の、傍にいてくれ・・・・・」
「・・・・・・うん・・・・・・」
 大きな瞳から、涙が零れ落ちた。
 その涙を指で掬い・・・・・そっと、その唇に口付けた・・・・

 ―――これからもずっと、傍にいて・・・・・

 この場所は、誰にも、譲らない・・・・・・


                              fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 最初の構想どおり書き進められた、数少ないお話です(笑)
 大体いつも途中で壊れてしまうので(^^;)
 さて、明日は類つくのお話をアップする予定です♪

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傍にいて vol.4 ~花より男子・総つく~

Category : 傍にいて(完結) ~花より男子・総つく~
 side soujirou

 どっと力が抜けた。

 全く・・・・・今まで悩んでた俺はなんだったんだ・・・・・・

 牧野を見ると、きょとんとした表情で俺を見つめている。

 それを見て、また溜息が出る。

 牧野のことが好きだと、自覚したのはいつだったのか。
 今ではそれもはっきりと思い出せない。
 ただ、気付いたら夢中になってた。
 気付けばいつも目であいつを追っていて。
 複数の女と付き合うのも馬鹿らしくなってきた。
 どんなにいい女を抱いてても、思い浮かぶのはあいつの顔だ。そんな状態で、他の女と付き合えるはずがない。
 だけど、自覚すればするほど苦しくなっていった。
 あいつの傍には、いつも類がいて・・・・・2人の間には、見えない強い絆があって、それを断ち切ることなんか出来ないって・・・・・そう思ってたから・・・・・。

 「牧野つくしは、花沢さんを騙してるんですよ」
 そうあの女は言った。
 青白い顔をして、瞬きをしないその目はどこかイッちまってる感じだった。
「花沢さんと寝てるんです。体で、言うこと聞かせてるんです。あんな女、この英徳に通う価値もない女なんですよ」
 その言葉に、俺らしくなくキレた。
 類との関係を・・・・・・認めたくなかったのに、目の前に突きつけられたみたいだった。
「あんたが、牧野の何を知ってる?あいつのことを悪く言うのは許さない」
 じろりと睨みながら言うと、ビクリと明らかに動揺した様子だった。
「どうして庇うんです?あの女・・・・牧野つくしのことを、好きなんですか?」
「・・・・・ああ、そうだよ。俺は、牧野が好きだ」
 どうしてあの女にそんなことを言ってしまったのか・・・・・・
 あの女の、牧野を見下したようなその言い草に、頭に血が上ってしまったのかもしれない。
「どうして・・・・・西門さんは、たくさんの女の人と付き合ってるじゃないですか。牧野つくしもその中の1人ですか?あんな・・・・・ブスで、何の取り得もない女・・・・・西門さんの傍にいる資格なんてありませんよ」
「・・・・・・あんたに、そんなことを言われる覚えはない。他の、どこにでもいる女と一緒にするな。あいつはその辺の女とは違う」
 その言葉に、女の顔色がさっと変わった。
「俺の本命は、1人だけだから」
 その言葉に、真っ青になって震える女。

 まさか・・・・・
 思いつめたあの女が、牧野に危害を加えるなんて、思いもしなくて・・・・・・・

 「牧野が刺された!」
 類から連絡があったときには、目の前が真っ暗になった。
 刺したのがあの女だと、特徴を聞いてすぐに分かった。

 病院で、あいつの血の気の失せた顔を見て・・・・・・
 俺は、自分があの女に言ってしまったことを後悔した。
 俺が、あんなこと言わなければ・・・・・・
 あの女がまともじゃないことは、最初からわかっていたのに・・・・・

 目覚めないあいつを見て、俺が責任をとらなくちゃいけないって思った。
 ずっと傍にいて、あいつを守らなくちゃいけないって・・・・・。

 なのに目覚めた牧野は、頑なにそれを拒みやがる。
 
 類の傍にはいられるのに、俺はダメなのか。
 そう思ったら悔しくって・・・・・
 つい、その思いを吐露してしまった。
 そして、すぐに絶望的な気分になった。
 こんなこと言っても無駄なのに・・・・・
 こいつには類がいる。
 そう思って・・・・・・

 だから、牧野が俺を好きだと言っても、すぐには信じられなかった。

 類とのことが俺の誤解だとわかって、ほっとすると同時に・・・・・牧野の、無防備な状態に頭に来た。

 「毎日あんなとこで会って、2人きりでいれば誰だって誤解すんだろ!もうちょっと警戒心ってもんを持てよ!」
 安心して気が抜けて・・・・・
 それでもふつふつとそんな思いが湧きあがってきた俺は、勢いに任せて牧野を怒鳴った。
「な・・・・・何よ、警戒心って。だって、花沢類だよ?そんなもの必要ないじゃない!」
「お前、馬鹿か?類だって男だろうが!」
「そんなことわかって・・・・・・っ、いた・・・・・・っ」
 がばっと体を起こそうとして、牧野がその痛みに顔を顰め、脇腹を押さえた。
 俺は、はっとして牧野の傍に寄った。
「大丈夫か!?」
「だい・・・・じょぶ・・・・・」
 少し青い顔をしながらも、声を絞り出す牧野。
 俺は、牧野が押さえてる場所に目をやり、ほっと息をついた。
 傷は開いていないようだ・・・・・。
「悪い、つい・・・・・・。横になってろよ。まだ、動かない方がいい」
 俺はそっと、牧野の体をベッドに横たえた。
 牧野も少し落ち着き、こくりと頷いた。
「ん・・・・・ごめんね・・・・・」
「謝るな。今のは俺が悪い。つい、頭に来て・・・・・ずっと、類とのこと誤解してたから・・・・・。まさか・・・・・お前が俺のこと思っててくれてるなんて、思いもしなかった」
 俺の言葉に、牧野の頬が染まる。
 俺は、ベッドの横の椅子に座り、そっと牧野の手を握った。
 牧野は、一瞬ビクリとしたものの、おとなしくそのままになっていた。
「信じても、いいのか・・・・・?お前が、俺のこと好きだって・・・・・・」
 その言葉に、牧野はゆっくりと俺の方を向き・・・・・・
「信じて・・・・・。こんなこと、きっと普通じゃ言えなかった・・・・・ずっと・・・・・あたしじゃダメだって思ってたから・・・・・」
「牧野・・・・・・」
 そっと頬に触れると、牧野の体がピクリと震える。
 俺を見つめる瞳は潤んでいて・・・・・。
 その瞳に誘われるように、そっと唇を重ねたのだった・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 もう少しで終わりそうです。
 サスペンス風・・・・といっても、難しい推理とかはやっぱり書けません(^^;)
 難しく考えず、楽しんで読んでいただければ嬉しいです。

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傍にいて vol.3 ~花より男子・総つく~

Category : 傍にいて(完結) ~花より男子・総つく~
 「何言ってるの?迷惑とかそういうことじゃなくて、西門さんが責任感じることないって言ってるの」
「だから、俺の責任なんだよ」
「意味わかんないよ。どういうこと?」
「・・・・・彼女との話、全部は聞いてないんだな」
「え・・・・・」
「あの女は、最初からお前のこと疑ってたんだよ。お前も知ってるだろ?牧野つくしがF4をたぶらかしてるって噂」
「うん。でも・・・・・」
「あの女に聞かれた。牧野つくしが好きなのかって。まともに答える気なんかなかった。だけど・・・・・あの女にお前の悪口、あること無いこと言われて、つい、こっちもムキになっちまった」
 言いづらそうに目を反らす西門さん。
「なんて言ったの?」
「俺は・・・・・牧野が好きだって」

 「―――は?」
 今、なんて?
 丸一日寝てて、耳までおかしくなってしまったのかと思った。
「なんで・・・・・そんなこと・・・・・」
「あの女に・・・・・お前が類の家の財産を狙って、類を誘惑してるって・・・・・類と寝て、類を操ってるんだって言われて、カッとなっちまった」
「・・・・・いろいろ言われることには慣れてるよ。そりゃ、頭には来るしあたしがその場でそれ聞いたら殴ってたかもしれないけど・・・・・だからって西門さんがムキにならなくても・・・・・」
「違う」
「違うって・・・・・」
「俺が頭に来たのはお前の悪口を言われたからじゃない。お前と類が・・・・・関係あるって言われたからだ」
 そう言ってぷいっと顔を背ける西門さん。
 その頬には微かに赤みが挿しているようにも見えた。

 ―――どういう意味?

 「もし本当に関係があったとしても、そんな話を聞きたくなかった。だから・・・・・」
「よく・・・・・わからないんだけど・・・・・なんで聞きたくないの?いつも、西門さんだってあたしのことからかうくせに」
「だからそれは!」
「それは?」
 あたしが首を傾げると、西門さんはがっくりとうなだれ、大きな溜め息をついた。
「は―――っ、もうやだ。いい加減気付けよ」
「だから、なんのこと?ちゃんと言ってくれなきゃわかんないよ」
「さっき言っただろ?」
「え?」
 あたしが聞き返すと、西門さんは顔を上げ、あたしを見つめた。
 その顔があまりに真剣で・・・・・あたしの心臓が落ち着かなくなる。
「好きなんだよ」
「・・・・・え?」
「お前が好きなんだ。だから・・・・・類とのこと、わかってても、認めたくねえんだよ」

 声が、出てこない。
 西門さんの声がどこか遠くから聞こえてるみたいで・・・・・

 西門さんが、あたしを好き?
 
 まさか・・・・・

 しばらく黙ってあたしを見つめていた西門さんが、しびれをきらしたように口を開いた。
「―――いい加減、なんか言ってくんねえ?俺、一応告白してるんだけど」
「え・・・・・と、あの・・・・・嘘でしょう・・・・・?」
「じゃねえよ。こんなこと、お前に嘘言ってどうすんだよ。しかも振られるってわかってて・・・・・ありえねえよ」
「ちょっと待ってよ。なんであたし何も言ってないのに振られることになるの?」
 あたしの言葉に、今度は西門さんが目を丸くする。
「だって、そうだろ?お前は類と・・・・・」
「だから!それは違うって言ってるじゃない!」
「付き合って・・・・・ないのか?」
「何度もそう言ってるでしょ」
「・・・・・照れてるだけだと思ってた・・・・・」
「誤解しないでよ」
「じゃ・・・・・なんで俺が傍にいるのを嫌がるわけ?襲われたのは俺のせいなんだから、当たり前のことだろう?」
「それが嫌なの!」
「は?」
 あたしは、ゆっくりと息をついた。
「そんなふうに・・・・・責任感で傍にいて欲しくない・・・・・。だってそれなら、あたしの傷が治ったら・・・・また離れちゃうから・・・・・」
 西門さんの目が見開かれる。

 手が、震える。
 うまく言葉が出てこない。
 だけど・・・・・・
 今、言わなきゃいけない気がした・・・・・

 「あたし、西門さんが好きだよ。ずっと、好きだった・・・・・。でも、西門さんにとってあたしは女の子じゃないと思ってたから・・・・・振られるのが怖くて、言えなかった」
 一気に告げたあたしの思い。
 言葉にすることなんて、ないと思ってた。
 言葉にしてしまったら、壊れてしまいそうで、言えなかった思い・・・・・

 暫くして、西門さんがポツリと呟いた。
「・・・・・嘘だろ・・・・・?」
「何で嘘なの?それこそ、あたしがそんな嘘言ったってしょうがないじゃない。この状況で・・・・・」
「だって・・・・・お前、毎日のように類とあの非常階段で会ってただろ?それに、司と別れたのだって・・・・・」
「道明寺と別れたのは、あたしはあいつとは結婚できないと思ったから・・・・・たくさんやりたいことがある。そのどれも、道明寺の家に入ったら出来ないことだって思った。それでも前は、それよりも道明寺に対する思いが強かったからやっていけると思ってた。あいつが本当に好きだったから、その思いだけで十分だって。でも・・・・・離れてるうちに、だんだん変わっちゃったのよ。あたしの思いも・・・・・・道明寺の思いも・・・・・・お互い、もう『好き』って気持ちだけで繋がってることは無理だって思ったの。だから、別れた・・・・・・。類のことは関係ないよ。毎日会ってたのは・・・・・類に、フランス語を教えてもらってたから」
「フランス語?」
「そう。あたし今、フランス語を専攻してて・・・・・結構好きなんだ。でも難しくて・・・・・だから、類に本とか借りて勉強してたの。いずれ、フランス語の翻訳とか、できるようになりたいなって思って・・・・・だから・・・・・」
 あたしの話を聞いているうちに、西門さんの表情が困ったような、気の抜けたようなものに変わっていった・・・・・・。

 「お前・・・・・・そういうこと、もっと早く言ってくれよ・・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 本当は1回で終わらせようと思ってたお話なんですが・・・・・。
 いろいろいじってるうちに長くなっちゃいました。
 最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

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傍にいて vol.2 ~花より男子・総つく~

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 目が覚めた時、あたしの目に飛び込んで来たのは白い天井だった。
「牧野」
 声の方を見ると、そこには心配そうな顔をしてこっちを見る花沢類がいた。
「花沢、類。ここ・・・・・どこ・・・・・?」
「病院だよ。何があったか、覚えてる?」
 花沢類の言葉に、あたしはゆっくりと首を振った。
 どうして病院なんかにいるんだろう?
 あたしは体を動かそうとして、脇腹の辺りに鋭い痛みを感じて顔をしかめた。
「たっ」
「まだ動いちゃ駄目だよ。傷が開いちゃうから」
「・・・・・傷?」
「・・・・・牧野、刺されたんだよ」
 類の言葉に目を見開く。
「刺された!?誰に!?」
 類がそれに答えようと口を開いた時、病室のドアが開いた。
「お、牧野、気がついたのか」
 顔を出したのは美作さんだった。
「気がついたって!?」
 続いて美作さんを跳ね飛ばしそうな勢いで飛び込んで来たのは西門さんだった。
「牧野・・・・・」
 その顔は青ざめて、目も血走っているように見えた。
「西門さん?どうしたの?そんなに慌てて・・・・・」
「・・・・・牧野」
 首を傾げるあたしに、類が言った。
「牧野を刺した女、覚えてない?」
「そう言われても・・・・・」
 刺されたということも、信じられないくらいなのだ。
「じゃあ、その前のことは?総二郎と会ったこと、覚えてる?」
「西門さんと・・・・・?」
 あたしはゆっくりと西門さんに視線を移し・・・・・
 じっとあたしを見つめたままの西門さんを見て考えた。
 何か、あった気がする。
 なんだったっけ・・・・・?
「総二郎と、女が一緒にいるところを見なかった?」
「あ・・・・・」
 そうだ・・・・・
 西門さんが、女の人と話してた。なんだか聞いちゃいけない話を聞いちゃったみたいで、慌てて隠れたんだ・・・・・
「牧野を刺したのは、その女だよ」
「―――え」
 類の言葉を聞いて・・・・・
 突然、あたしの脳裏に記憶が蘇ってきた。

 沈んだ女の声。
 西門さんのそっけない態度。
 類の笑顔。

 それから・・・・・

 そうだ。車のキーを渡すために類を追いかけて・・・・・
 誰かがぶつかって来た。
 それはあたしの全然知らない人で・・・・・
 知らない?
 ううん、違う。
 彼女だ。
 後ろ姿しか見てなかったからわからなかった。
 あの時、西門さんと一緒にいた・・・・・

 「じゃあ、あの時の人があたしを・・・・・?」
「思い出した?」
 類の言葉に、あたしは頷いた。
「牧野と総二郎が一緒にいるのを見て、誤解して・・・・・ってことらしい」
 そうか、だから・・・・・
 あたしはもう一度、西門さんを見た。
 だから、あんな顔を・・・・・

 「その女はもう捕まったから、もう牧野が襲われることはないよ。ただ、牧野も警察に何か聞かれると思うけど・・・・・大丈夫?退院してからにしてもらおうか」
「え・・・・・」
「覚えてないだろうけど・・・・・丸一日眠ってたんだよ。幸い傷は浅くて済んだけど・・・・・あと2、3日は安静にしてた方がいい」
「丸一日・・・・・そっか。じゃあ、昨日はバイト休んじゃったんだ・・・・・」
「牧野」
 突然、それまで黙っていた西門さんが口を開いた。
「すまなかった・・・・・俺のせいで」
 そう言って頭を下げる西門さん。
「何言ってるの。西門さんのせいじゃないよ。彼女が勝手に勘違いしたんでしょ?そんなの・・・・・しょうがないじゃん」
 あたしは西門さんの顔を見てるのが辛くて、目を反らした。
「牧野・・・・・」
 西門さんが何か言いたげにあたしを見る。
 と、そんな様子を察したのか、類が座っていた椅子から立ち上がった。
「飲み物でも買ってくるよ。あきら、付き合って」
「ああ」
 2人が連れだって出て行ってしまうと、途端に気まずい空気が2人を包む。
「牧野」
「だ、大丈夫だよ、あたしなら。傷も浅いらしいし、何しろ丈夫に出来てるんだから。そんな顔、しないでよ。西門さんのせいだなんて、思ってないから」
「俺のせいだ」
「違うってば!」
 思わず大きな声を出してしまう。
「牧野・・・・・」
「責任なんて、感じなくていいから・・・・・」
 同情なんていらない。
 単なる責任感なんかで側にいて欲しくない。
 そんなの・・・・・
 辛くなるだけだ。

 「そんなに・・・・・嫌か」
「え?」
「俺がお前の側にいるのはそんなに迷惑なことか?」
 まるで怒ってるみたいに不機嫌そうなその表情に、あたしは戸惑った・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さて・・・・・・そろそろバレンタインデーですね。
 4人それぞれのお話しを書いてます。いっぺんにアップするのもどうかと思うので、1週間くらい前から1つずつ載せていこうと思ってます♪

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傍にいて vol.1 ~花より男子・総つく~

Category : 傍にいて(完結) ~花より男子・総つく~
 「俺の本命は1人だけだから」
 冷たい声色。

 自分が言われたわけでもないのに、それを聞いた途端、動けなくなってしまった。

 そっと盗み見てみれば、そこには西門さんと、見知らぬ女の後ろ姿。

 やばいところに居合わせてしまったと思ったけれど、今更戻ることもできず、かと言って進むことも出来ない。
 願わくば、早く何処かへ行って欲しかった。

 「すいませんでした・・・・・」
 沈んだ女の声。
 走り去って行く足音が聞こえ、ほっと息をつく。
 その瞬間、足元にあった小枝を踏んでしまい、パキッという音が辺りに響く。

 ―――やばっ

 一瞬の沈黙の後、近づいて来る足音。
 どうしよう、と思っている間に足音はすぐそこに―――

 「牧野?」
 目を見開いてあたしを見る西門さん。
「・・・・・こ、こんにちは」
 とりあえず、挨拶してみる。
「お前・・・・・今の、聞いてたのか」
「き、聞こえちゃったの。べ、別に聞くつもりは・・・・・」
 慌てて言い訳しようとするあたしを、呆れたように見つめる西門さん。
「わかってるよ、んなこと。それより、また高等部の非常階段に行くのか?」
「う、うん・・・・・」
「進歩しねえなあ、お前らの逢い引きも」
「あ、逢い引きって!変な言い方しないでよ!あたしと花沢類はそんなんじゃないんだから!」
「はいはい。ま、せいぜい仲良くやんな」
「だから、そんなんじゃないってば!」
 必死に否定するあたしのことは全く相手にせず、あたしの横を通り過ぎてく西門さん。
「じゃあな」
 そう言って振り向きもせず、ひらひらと手を振って行ってしまう西門さんを見送って。
 あたしは大きな溜め息をついた。
「ほんとに、違うのに・・・・・」
 もう声も届かないほど遠くなってしまった後ろ姿に、チクリと胸が痛む。
 決して振り向いてくれない彼の心と、自分の距離を思い知らされたような気がして・・・・・

 それから気を取り直して歩き出したあたしを、じっと睨みつけている人物がいたことを、この時のあたしは知る由もなかった・・・・・


 「はい、これ。いつもありがとう」
 あたしは、非常階段で待ってくれていた花沢類に、類に借りていたフランス語の本を返した。
「どうだった?」
 いつものように穏やかに微笑む花沢類。
「うん、面白かったよ。難しいけど・・・・・勉強になるよね」
「なら、良かった。また持って来るよ」
 類がにこっと笑う。
 この人の笑顔には、いつも癒される。
 嫌なことなんて吹き飛んじゃうくらい・・・・・。
「・・・・・牧野?何かあった?」
 類が、あたしの顔を覗き込む。
「な、何?急に。べ、別に、何もないよ」
「なら良いけど・・・・・元気ないような気がしたから。・・・・・総二郎に、会った?」
 突然出された名前にドキッとする。
 それが、顔に出てしまったようで・・・・・
「会ったんだ。やっぱり何かあったんじゃないの?」
「・・・・・本当に、何でもないよ。花沢類、心配し過ぎ」
 そう言って笑って見せると、類が小さく溜め息をついた。
「そんなに好きなら、言っちゃえばいいのに」
「・・・・・無理だよ」
 あたしだって、傷つくのがわかってて告白出来るほど、図太くないし。
 西門さんにとって、あたしなんて恋愛の対象どころか、女の子にも見えてないんだから・・・・・
 1人いじけていると、類が苦笑してあたしを見た。
「最近ずっとそんな顔してるよ。牧野が嫌なら無理にとは言わないけど。ずっとそのままじゃ辛くなるだけじゃない?」
「わかってる・・・・・けど」
 煮えきらないあたしに優しく笑い、頭を軽く叩く。
「いつでも力になるから。俺の力が必要になったらおいで」
「ん・・・・・ありがとう」
「じゃあね。俺、今日は用事があるからもう行くよ」
 そう言って手を振って行ってしまう類。
 あたしも軽く手を振って・・・・・
 類の姿が階段から消えると小さく溜め息をついた。
 最近、溜め息の数も増えた気がする。
 こんなのらしくないってわかってるけど・・・・・
 自分でも持て余してる恋心に、また溜め息が出る。

 ふと、さっきまで類が座っていた場所に鍵らしきものが落ちていることに気付く。
「車のキー?類、落としてっちゃったんだ」
 あたしは落ちていたキーを拾い上げると、類を追いかけるべく、階段を駆け降りた。
 非常階段を降りると、学校の門へと向かう類の後ろ姿が見えた。
「類!!」
 大きな声で呼ぶと、類が気付いて振り返る。
 キーを頭上で振って見せると、気付いて笑い、こっちに戻って来る。
 ほっとして、あたしも類の方へ歩き出す・・・・・と、突然類がハッとしたように一瞬足を止めた。
 急に表情が険しくなり、駆け出す類。
「牧野!逃げろ!」
「へ?」
 どうしたんだろうと、思った瞬間だった。

 どすん、と脇腹に強い衝撃を感じる。

 ―――なに・・・・・?

 横を見ると、そこには見知らぬ女性が立っていた。

 ―――見知らぬ?ううん、どこかで見たことがある。どこで・・・・?

 「牧野!」
 類の声が聞こえる。
 どうしたの?って、言おうと思うのに声が出ない。
 なんで?
 体から、力が抜けていく。
 目が霞む。

 よろけたその瞬間、女の手に光る物が見えた。

 それには赤いものがこびりついているように見える・・・・・

 そして・・・・・

 あたしは、意識を手放した・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっとサスペンス風?にしてみました♪
 この後も楽しんでくださいませ♪

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Fantasista vol.18~花より男子・総つく~

Category : Fantasista ~花より男子・総つく~(完結)
 -soujirou-

 あきらにはしてやられた。
 だけど、結果的には良かったんだと思う。
 たった3日間だって言われたって、俺に黙って他の男とN.Y.に行くだなんて、納得できるわけがない。
 たとえ結婚が決まってる男だとしたって、許せるわけなかった・・・・・。

 「俺には、お前がいなきゃダメなんだ」
 俺の言葉に、牧野の頬が染まる。
「でも・・・・・お前の気持ちを無視することはできないから・・・・・時間がかかっても、待ってようと思ったんだ。お前の気持ちが俺に向くまで・・・・・。時間がかかってもいい・・・・俺の方に振り向いてもらえるなら。そう思ってたけど」
「西門さん・・・・・」
「だけど、あいつが・・・・・天草が現われて、焦っちまった。あんなふうにお前のことを名前で呼ぶほど親しいんだと思ったら、むかついて・・・・・我慢できなかった。自分でもこんなに嫉妬深かったなんて呆れるけど。もう、抑えが利かなかった。俺はあきらみたいに大人じゃねえからな。他の男に持ってかれて黙ってることなんて出来ねえ。それでも・・・お前を傷つけるようなこと言って・・・・・・ごめん」
 その言葉に、牧野が首を振る。
「傍に・・・・・いて欲しい。お前の気持ちが、ちょっとでも俺に向いてるなら・・・・・ずっと傍にいてくれないか・・・・・?もう、絶対に傷つけたりしない。ずっと・・・・・大事にするから・・・・・」
 そう言って、牧野の手を握る。
 牧野はその瞳を俺に向け・・・・・
 ふわりと、花が綻ぶように微笑んだ。
「うん・・・・・。あたしも、西門さんの傍にいたい・・・・・西門さんと一緒に・・・・・」
「牧野・・・・・」


 「それにしても、何で電話にも出ないわけ?さすがに嫌われたかと思って焦ったんだぜ」
 帰りの車の中で。
 俺の言葉に、牧野はちょっと困ったような顔をした。
「だって・・・・・美作さんに話したら、俺がいいって言うまで電話には出るなって・・・・・」
 その言葉に、また溜息が出る。
「あいつ!俺が焦ること知ってて・・・・・」
「心配、してくれたんだよ。毎日電話して来てくれて・・・・・。美作さんと話してるうちに、あたしも自分に素直になれるようになった気がするもん」
「ふーん、毎日ね・・・・・」
 あきらにとって牧野は特別。
 牧野にとってもあきらは特別。
 そこに恋愛感情はなくたってやっぱりおもしろくない。

 会いたくて仕方なかったのに。
 声が聞きたくて仕方なかったのに。
 そう思ってるのはやっぱり俺だけだって、思い知らされた気がする。
 
 牧野は、俺に会えなくたってなんとも思ってない。
 俺と離れることに、寂しさなんか感じない。

 そう思うと、切なさがこみ上げる。

 「だけど・・・・・本当はもっと早く会いたかったな」
 ポツリと呟かれた言葉に、俺は思わずブレーキを踏む。
「きゃあっ、ちょっと、何で急に止まるの!!」
 バランスを崩した牧野が、前のガラスに頭をぶつけそうになって悲鳴を上げる。
「あ・・・・わりい。大丈夫か?」
「大丈夫だけど・・・・・どうしたの?急に」
「今の・・・・・聞き間違いじゃないよな?」
「今のって?」
 牧野がきょとんと首を傾げる。
「だから・・・・・もっと早く会いたかったって」
「ああ・・・・・だって、喧嘩したままなんて、気分悪いし。あのままN.Y.に行ったら、どうなっちゃうんだろうって不安だった。そのまま、忘れられちゃうのかなって・・・・・5年も会ってなかったのに、ほんの少しの間会えないだけで・・・・・忘れられたらどうしようって、不安になったの。そしたら、そのまままた会えなくなって・・・・・それで終わっちゃうのかなって思ったら、悲しくなっちゃって・・・・・」
 照れくさそうに、だけどちょっと寂しそうに目を伏せて話す姿が見ていられなくて、気付いたときには抱きしめてた。

 「俺は・・・・・お前を忘れたりしない」
「西門さん・・・・・・」
「たとえお前が俺を忘れても・・・・・・忘れない。絶対に。お前にも、思い出させてやる。俺っていう男を・・・・・」
「あたしも・・・・・忘れないよ」
「ごめん・・・・・本当はすぐにでも会いに行きたかったのに・・・・仕事が忙しくって・・・・でもそんなもの放り出して、会いに行けばよかった。そしたらそんな・・・・悲しそうな顔、させずに済んだのに・・・・・ごめん・・・・・」
 牧野は何も言わなかった。
 でも、その手をゆっくりと俺の背中に回し、きゅっとしがみついた。
「仕事なら、しょうがないよ。大丈夫・・・・・あたし、もう怒ってないから・・・・・だって、あれはただのヤキモチでしょ?」
 そう言って少し顔を上げて、上目遣いに俺を見上げる。
 その瞳にはいたずらっぽい光。
「違う?」
「あたり・・・・・・ったく・・・・・お前にはかなわねえよ・・・・・」
 顔が火照る。
 赤くなった顔を見られたくなくて、牧野の頭を抱え込むように抱きしめる。
「うぷっ、ちょっと、西門さん」
「今はまだ見るな」
「・・・・・いつまでこのまま?」
「もう少し・・・・・・」
「・・・・・西門さんの、顔が見たいな・・・・・・・」
「ドキッとするようなこと言うなよ・・・・・・いつからそんな駆け引きみたいなことするようになった?」
「誰かさんを見習ったの」
「嘘つけ。あきらの入れ知恵だろ」
 くすくすと笑う気配。
「またヤキモチ?」
「そうだよ。お前と会って、俺は妬いてばっかりだ。少しは察してくれよ」
「うん、だから・・・・・顔、見せてよ」
 俺はそっと、腕の力を緩めた。
 牧野が俺から離れて、そっと俺を見上げる。
「顔、赤いだろ?」
「うん。でも・・・・・そういう顔も、かっこいいよ」
 そう言って、牧野はその手を伸ばし、そっと俺の頬に触れた。
「そういう顔・・・・・あたしだけが知ってたい・・・・・・これからも、ずっと・・・・・」
 そうして、牧野はそっと顔を近づけて、俺に触れるだけのキスをした。

 時間が、止まったかと思った。
 身動きが出来なかった。
 夢でも、見ているのかと・・・・・

 「西門さんが、好きだよ」
 囁かれた言葉が、甘く俺の胸を締め付ける。

 気がついたら牧野の体を引き寄せて、唇を奪っていた。
 何度も、確かめるように深く口付ける。
 
 離したくなくて・・・・・・
 そのまま、全てを奪いつくすようなキスをした・・・・・。

 「愛してる・・・・・」
 キスの合間に何度も囁いて・・・・・・

 そのまま、永遠の愛を誓った・・・・・。



                            fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっと積極的なつくしちゃんになってもらいました。
 次の連載も、実はちょっとだけできてます。
 楽しんでいただけたら嬉しいです♪

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