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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
*このブログについての誹謗中傷・クレームなどの書き込みはおやめください。
*このブログの無断転載複製を禁じます。
*万が一このブログをお読みになって不快感を感じられたとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

まどろみ ~花より男子・総つく~

Category : まどろみ ~花より男子・総つく~
 ウトウトとまどろむ、至福の時間。

 隣に彼女の暖かいぬくもりがあれば直幸せで。

 前の日の夜から飽くことなく何度も愛し続けて、さすがに眠気に勝てなくなってきた頃だった。

 微かに聞こえてきたメロディーに意識が覚醒し始める。
 目を開く前にそのメロディーが止んだため、また眠気に襲われそのまま熟睡しそうになったとき、牧野の声が聞こえてきた。

 「―――もしもし?」
 どうやら牧野の携帯電話の着信メロディーだったようだ。
 
 半分夢の中で、牧野の声を聞く。
「うん、大丈夫・・・・・」
 俺に気を使ってか、小声で話す牧野。
 夢の中で夕べからの牧野の艶やかな声とリンクして、なんともいえない高揚感が沸きあがってくる。
 
 手探りで牧野の体を掴まえようとして―――

 その声が聞こえてきた。

 「―――今日はダメ?―――そうなんだ・・・・・うん、わかった。来週は会える?―――だって、早く会いたくて・・・・・あたしの方が行っちゃダメなの?」
 強請るような口調。
 
 俺の中のアンテナが、ピンと反応する。

 一体誰と話してる?

 牧野がそんなに会いたがる相手って?

 俺が寝ていると思って小声で話し続ける牧野。
 俺はうっすらと目を開けて、ベッドに背を向けている牧野の姿を見つめた。

 「そりゃ、会いたいよ。―――うん、大好き」

 紡がれた言葉に、一気に覚醒しがばっと起き上がる。

 それに気付いた牧野が、俺の方を振り返る。
 そして、俺の表情を見た途端、その瞳は驚きに見開かれ―――
「西門さん?―――あ、ごめん、今西門さんと一緒で・・・・・」
 電話の相手に謝る牧野。
 俺が口を開こうとすると、
「あ、ちょっと待ってて」
 そう言って手で制し、再び電話の相手に語りかける。
「―――うん、じゃあ来週ね」
 電話を終えた牧野が、落ち着いた様子で携帯を閉じた。

 一方の俺は、とても落ち着いてはいられなかった。
「―――誰と話してた?」
 俺の低い声に、牧野がきょとんと首を傾げる。
「誰って・・・・・聞いてなかったの?」
「ああ聞いてたよ。人が寝てる間にこそこそと、会いたいだの、大好きだの・・・・・ずいぶん舐めた真似してくれんじゃねえか。さっきまで抱かれてた男の隣で、堂々と浮気相手と電話かよ」
 俺の言葉に、牧野は目を瞬かせた。
「―――は?何言ってんの」
「何言ってるって?ふざけんなよ、いくら俺でも自分の女が隣で他の男に愛を囁いてるのなんか聞いてられるかよ!」
「ちょ―――ちょっと待ってよ!何勘違いしてんの?」
「うるせえ!相手は誰だよ!類か!?」
 完全に頭に血が上っていた。

 牧野が、電話の相手に『大好き』と言った。

 それだけで、嫉妬で頭がどうにかなりそうだった。

 漸く手に入れたのに。

 他のやつになんか渡してたまるか。

 「誤解だよ」
 牧野が溜息とともに呟く。
「へーえ、どんな誤解なんだか、言って欲しいもんだな。『大好き』な相手に、『会いたい』んだろ?」
 俺の言葉に、牧野は困ったように上目遣いで俺を見つめる。
「それだけ聞いたら、ほんとに浮気したみたい」
「違うって言うのか」
「当たり前でしょ!?」
 むっとしたように顔を顰める牧野。
 だけど、俺だって怒ってる。
 まさかこの俺が、自分の彼女の口からあんな台詞を聞くなんて。
「じゃあ、電話の相手が誰だか言ってみろよ」
 つい、乱暴な言い方になってしまうのを止められない。
 そんな俺を睨みつけながらも、牧野は口を開いた。
「・・・・・弟よ」
 その答えに俺は一瞬呆気に取られ・・・・・
「お前、嘘つくなよ。実の弟に『会いたい』だと『大好き』だのって、言うかよ?」
 俺の言葉に、牧野は小さく溜息をついた。
「だから、違うって・・・・・あれは弟に対して言ったことじゃなくて・・・・・」
「・・・・・どういう意味だよ?」
「だから・・・・・3ヶ月前、弟のところに赤ちゃんが生まれたの、西門さんだって知ってるでしょ?」
 牧野の弟は、2年前に大学で知り合った女性と結婚していた。
 そして待望の第一子が生まれたのが今から3ヶ月前のこと・・・・・。
「で、本当は今日、その赤ちゃんを連れてうちに来る予定だったのよ。でもそれが、弟の仕事の都合でダメになったって・・・・・その電話」
「・・・・・じゃあ、『会いたい』とか『大好き』ってのは・・・・・」
「赤ちゃんに、に決まってるじゃない。だって、向こうは長野に住んでてなかなかこっちに来れないし・・・・・出産したときに、病院にお見舞いに行ったきりだもん。だから今日も楽しみにしてたのに・・・・・。来週はどうかなと思って、聞いてみたけどまだわからないって。あんまりあたしが会いたがるから、弟が『そんなにうちの子が好きか』って。だから―――」

 ―――それで、『大好き』

 俺は体中の力が抜けるような錯覚を覚えるほど、思い切り息を吐き出した・・・・・。

 「・・・・・マジかよ・・・・・」
 牧野が溜息をつきつつ、俺の顔を覗き込んできた。
「勝手に勘違い、しないでよね?あたしが浮気なんて、ありえない。西門さんじゃあるまいし」
 その言葉に、俺もむっとする。
「おい、俺だって浮気なんかしねえっつーの」
「ほんとかな」
「当たり前だろ!俺が惚れてんのはお前だけ。これから先も一生ずっと―――お前だけだって、何度も言っただろ?」
 その言葉に牧野の頬が染まり、それから照れくさそうに、俺の額をぺちんと叩いた。
「てっ」
「だったら、あたしのことももうちょっと信用してよ。来月には祝言あげようって言うのに・・・・・浮気なんて、するわけない」
 拗ねたように俺を見つめる瞳。
 俺は、シーツに体を巻きつけた牧野を、そっと抱き寄せた。
「―――ごめん、悪かった」
「・・・・・いいけど。ヤキモチ、妬いてくれたんだ」
「・・・・・否定はしない。マジで、焦ったんだ・・・・・俺以外のやつに、『大好き』なんて言ってるのかと思ったら・・・・・」
 俺の腕の中で、牧野がくすくすと笑う。
「だって、本当に好きなんだもん。いつもシャメ見てるの。弟が、自慢げにしょっちゅう送って寄越すから。かわいくって・・・・・」
「・・・・・たまには俺の写真も見ろよ」
「いつも会ってるじゃん」
「・・・・・男の子、だったよな、確か」
「うん。いくらなんでも、甥っ子と浮気なんてしないよ」
「・・・・・安心できない」
 そう言って、牧野の体をちょっと離して顔を覗き込めば、その頬は微かに赤く染まっていて。
「・・・・・心配性、なんだ。案外」
「そ。お前に関しちゃな。だから・・・・・俺たちも早く作ろう」
「何を?」
 きょとんと首を傾げる牧野の体を、次の瞬間にはベッドに押し倒し、両腕で封じ込める。
「・・・・・俺たちの赤ちゃん」
 見る間に真っ赤に染まる顔。
「甥っ子に会えなくても寂しくないように・・・・・・自分で産んじゃえばいいだろ?」
 満面の笑みで見下ろす俺に、恥ずかしそうにしながらも、牧野が呟いた。
「・・・・・かわいい女の子が生まれても、あたしのこと忘れないでね」
 そんな牧野がかわいくて。
 思い切り抱きしめる。
「・・・・・忘れるなんて、ありえない・・・・・一生、愛してるよ・・・・・」

 まどろみの中で、俺は何度も愛を囁いた・・・・・。


                            fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっと長いかな?
 総ちゃん似の娘だったら、きっと男を惑わすような小悪魔になること請け合いだな・・・・・。

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Rainy day ~花より男子・類つく~

Category : Rainy day ~花より男子・類つく~
 「ここにいれば、牧野が来るような気がしてたんだ」

 類だったらそう言ってくれると。

 いつでもあたしを見守ってくれると、自惚れてたのかもしれない。

 朝からのひどい雨で、非常階段からの見通しも悪い。

 あたしはそこで、1人立ちすくんでいた。

 「俺を信じろ」

 そう言った道明寺を、あたしは信じてた。

 道明寺が、あたしではなく滋さんとの婚約を発表したときも、信じてた。

 きっと何か事情があるんだって。

 入籍のニュースを聞いても・・・・・・。

 2人の結婚式の様子をTVで見ても、あたしは・・・・・・

 だけど・・・・・

 「ごめん」

 いつも人の目を見て話すあいつが。

 初めてあたしから目を逸らし、そう言った声には力がなくて。

 あたしは初めて、真実を知った・・・・・。


 それから、あたしは真っ直ぐにこの場所に来た。
 雨の中、傘をさすことも忘れてた。
 類が、いてくれるような気がしたんだ。
 でも、そんなわけなかった。
 類は今、フランスにいるはず。
 花沢家の跡取りとして、本格的に仕事を始めた類がフランスへ渡ったのは先月のこと。

 もう、この非常階段に来ることもなくなったんだ・・・・・。

 涙は、出なかった。
 ただ、心は空っぽで。
 何も感じなかった・・・・・。

 ショックだったのは、道明寺の心変わりなのか。
 それとも、別れを告げられて涙も出ない自分なのか。
 どこかで、本当はわかってたのかもしれない。
 道明寺は、もうあたしを見てないって・・・・・。
 そして、あたしも、道明寺を見てないって・・・・・・

 類と会えなくなってから、心にぽっかりと開いてしまった穴は、自分1人では埋めることが出来なくて・・・・・

 「ほんと、あたしってバカ・・・・・・」

 気付いたらここにいた。
 それが、あたしの心そのものなんだと、今初めて自覚することが出来た・・・・・。

 「もう、手遅れだっつーの・・・・・」
 応えが帰ってくるはずのない独り言。
 だけど・・・・・

 「何が、手遅れ?」
 突然聞こえてきた声に、弾かれたように振り返る。

 変わらない笑顔。
 今一番会いたかった笑顔が、そこにあった・・・・・。

 「どうして・・・・・」
 あたしの声に、類がふっと笑った。
「牧野が、どこかで泣いてる気がして・・・・・心配だったんだ」
 そのとき、初めてあたしの頬を涙が伝っていった・・・・・。

 類の手が、あたしの髪を優しく撫で、そっと引き寄せる。
「・・・・・寄っかかって良いよ。俺が、支えるから・・・・・」
 優しい声が、深いところまで染み込んでくる。
「あたし・・・・・類に会いたかったよ・・・・・・」
「うん、俺も・・・・・。牧野に、会いたかった・・・・・」
「気付いたら・・・・・ここにいたの・・・・・」
「うん・・・・・」
「類が、いてくれる気がして・・・・・・」
「うん・・・・・」
「・・・・・呆れるかもしれないけど・・・・・」
「ん・・・・・?」
「軽蔑するかもしれないけど・・・・・」
「・・・・・俺が?」
 そっと顔を上げれば、類の優しい瞳にぶつかる。
「俺が、牧野を軽蔑するなんて、ありえないよ」
「・・・・・あたし、道明寺と別れても・・・・・ショックじゃなかったの」
「・・・・・うん」
「あいつの顔見て、悲しい気持ちにはなったけど・・・・・それよりも・・・・・類がフランスへ行っちゃったときの方が寂しくて・・・・・悲しくて・・・・・涙が止まらなかった・・・・・」
「・・・・・うん」
「会いたくて・・・・・会いたくて・・・・・堪らなかった・・・・・」
「うん・・・・・俺も」

 頬に伝う涙を、類の指が掬った。

 瞼に、類の唇が触れる。

 冷たくて、だけど優しいぬくもり。

 「俺もずっと、会いたかった・・・・・。ずっと・・・・・好きだよ・・・・・」
 
 類の唇が、溢れる涙を掬い取り・・・・・

 そして、優しくあたしの唇に触れた。

 慈しむような、優しいキス。

 「愛してる・・・・・」

 どちらからともなく紡がれた言葉が、雨が降りしきる中、やさしいぬくもりとなって2人を包み込んでいた・・・・・。


                              fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっとした思い付き。しつこい雨にうんざりしながらも、雨の音ってキライじゃないんだよなあと思い出して、勢いで書いたお話です。

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Special seat ~花より男子・あきつく~

Category : Special seat ~花より男子・あきつく~
 レストランの客たちが、にわかにざわつき始める。

 視線が集中してるのは、窓際に足を組んで座っている、こんなファミレスには似つかわしくない1人の客だった。

 またか、という思いでつくしはその席へ視線を向けた。

 憂い顔で窓の外をみているのは、美作あきらその人だった。

 長く伸ばした髪に、繊細そうな整った顔。
 単なるイケメンとは違う、独特の高貴な雰囲気はちょっと近寄りがたくて・・・・・。
 それでも女性の視線を独り占めするには充分過ぎるほどの魅力を持った男。

 本人は気付いているのかいないのか、女性たちには目もくれず、窓の外をぼんやりと眺めていた。

 「―――またきたの」
 丸いトレイに水を入れたグラスを乗せ、あきらのテーブルへと運ぶ。
 つくしに気づいたあきらがその視線を向け、ふっと微笑む。
 その彼の笑顔にも回りからは黄色い声が上がっているというのに、当の本人はまるで気にする様子もない。
「暇なんだ」
 そう言ったあきらの口元に、小さな絆創膏が貼ってあった。
「また・・・・・殴られたの?」
 呆れたようなつくしの言葉に、あきらは楽しそうに笑う。
「また言うな。仕方ねえじゃん。ホテル入ろうとしたら、ロビーにだんながいてさ。メールは見たら削除しとけっつーんだよなあ。あー、でも今日のは見た目ほどたいしたことないから気にすんな。口の端がちょっと切れただけで、腫れてもねえし」
「別に気にしてないけど!いい加減にしとかないと、そのうち命に関わるようなことになるかもよ?」
 じろりと睨みつけても、あきらは軽く笑い飛ばすだけ。
「まだ死にたくはねえけど、そん時はそん時だ」
「あのねえ」
「俺が死んだら、泣いてくれる?つくしちゃん」
 魅惑的な笑みを浮かべて、つくしを見上げるあきら。
 その笑顔にどきどきしながらも、つくしはわざと怒ったように水の入ったグラスをテーブルにがんと置いた。
「あのね、忙しいんだからくだらない話するだけなら帰ってよ!」
「何だよ、せっかく来てやったのに。客に対してその態度はねえんじゃねえの?」
「客だったらオーダーしてよ」
「はいはい。じゃ、コーヒー頼むわ、牧野さん」
 わざとらしい笑みを浮かべてそういうあきらをまたちょっと睨んでから、つくしはかしこまりましたと頭を下げて厨房へ戻ったのだった。

 「ねえ!本当にあの人彼氏とかじゃないの?ここんところつくしのシフトのときは必ず来てるじゃない。良いなあ~、あんなイケメン!」
 バイト仲間の女の子が羨ましそうにため息をつく。
「そんなんじゃないよ。あの人にとって、あたしみたいのは女じゃないから。単なる友達」
 言ってて、胸に微かな痛みを感じる。

 司と別れ、大学も辞めたつくしは今アルバイトをしながら就職活動をしているところだ。
 花沢類はフランスへ留学している。
 総二郎は家元襲名の為、大学へ通う傍ら毎日忙しくしているらしい。
 あきらも最近は家の仕事で1ヶ月に10日ほどは海外へ行っているということだ。
 みんな忙しく、確実にジュニアとしての道を進んでいるのだった。

 もうF4と関わることもない。
 そう思ってたのに、なぜかここ1ヶ月ほどあきらはこのファミレスへ顔を出すようになり、つくしの目の前に現れるのだった。

 バイトが終わり、店を出るとそこには車にもたれて立つあきらの姿が。

 超美形なイケメンが、高級車にもたれて立っている姿はまるで映画のワンシーンかファッション誌の1ページのようで、注目を集めていることこの上ないのだが、本人はまったく気にも留めていないようで、出てきたつくしに、いつものようににっこりと笑みを向けた。

 「送ってやるよ」
 そう言って車の助手席を顎で指し示すあきら。
 つくしは躊躇するように首を傾げた。
「良いよ、そんな遠くないし・・・・・」
「遠慮すんなよ」
「遠慮じゃないし。ていうかさ、最近どうしたの?西門さんが忙しいから?」
 不思議に思って聞くつくしに、あきらは苦笑する。
「俺がここに来るのがそんなに不思議?」
「だって・・・・・」
「俺が、お前に会いに来たって言っちゃいけないか?」
 あきらの瞳が、切なげな色を滲ませてつくしを見つめる。
「何・・・・・言ってんの」
 胸が高鳴り、体が震え出す。

 つくしはあきらの目を見ることが出来ず、俯いた。

 「・・・・・会いたかったんだ。お前に・・・・・」

 「冗談、止めてよ。今日だって人妻とデートだったくせに―――」
 つくしの言葉に、あきらはくすりと笑った。
「ああ、あれ嘘」
「・・・・・は?だって、ホテルでだんなと会って殴られたって・・・・・・」
「ん?これ?」
 そう言いながらあきらが口元の絆創膏を外す。
 そこには、傷口や痣などは何も見当たらなかった。
「それっぽく見えた?」
 呆気に取られ、何も言えずに目を丸くするつくし。
 そんなつくしを見て、楽しそうに笑うあきら。

 そんなあきらの反応に、つくしは頭に来て思わず声を荒げた。
「ふざけないでよ!!」
「―――心配した?」
 怒り始めるつくしを、穏やかに見つめるあきら。
「心配なんて―――」
「少しは俺のこと、気になった?」
 優しく、笑みを浮かべながらつくしを見つめる瞳は真剣で・・・・・つくしは言葉を失った。

 「ずっと、ただの仲間としか見られてなかったからな。どうやって気を惹こうか、これでも真剣に悩んだんだ」
「・・・・・なんで・・・・・」
「それを聞くか?いもしない人妻の彼女とデートしてる振りして、まずいコーヒー飲みに来て、こうやって待ち伏せて・・・・・意外とかわいいとこあったんだって自分でも驚いてるよ。いつからかなんて自分でもわからねえけど・・・・・。気になってしょうがない。お前のことが・・・・・忘れられねえんだ」
 甘さを含んだ瞳がつくしを捕え、つくしの心に真っ直ぐ入り込んでくるようだった。

 「好きだ・・・・・」

 それでも、何も言えずにたたずむつくしに、あきらは笑みを浮かべながら言った。
「もし、お前も俺と同じ気持ちでいてくれるなら・・・・・ここに、乗ってくれ」
 そう言って、助手席のドアを開ける。
「この車にしてから、この席には誰も座らせたことがない。お前が座らないなら・・・・・永久に誰も座らせない。座ってくれるなら・・・・・・俺の隣はずっとお前だけの指定席にするよ」

 どうぞ、と優雅な手つきで示される。

 つくしの足が、ゆっくりと動く。

 「・・・・・ほんとに、あたしだけ・・・・・?」
 つくしの震える声に、あきらがにっこりと微笑む。
「もちろん。お前が望むなら、ずっと・・・・・永久にな」

 そしてあきらはつくしの手を掴み。

 優しくつくしを抱き寄せたのだった・・・・・。


                            fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 久しぶりのあきつくです。
 時々こういう平和なお話を書きたくなります。

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導火線 vol.27 ~花より男子・総つくバージョン~

Category : 導火線 (完結)~花より男子・類総つく~
 -soujirou-

 「西門さん!」
 牧野が目を見開いて俺を見た。
「類に呼ばれた。玄関が開いてたから、勝手に入ってきてみれば・・・・・類、お前どういうつもり」
 溜息とともに類を複雑な目で見つめる。
「この時間に牧野と2人で話すのもどうかと思ったんだよ。俺は牧野が好きだし・・・・・いくらなんでも別れ話を聞いてなんとも思わないほどクールじゃいられないからね。総二郎が来るってわかってればブレーキになる」
「俺はブレーキかよ」
「良いでしょ、それくらい。帰りたかったら帰れば?その代わり牧野を無事に帰すかどうか保証はできないけど」
 にやりと挑戦的な笑みを向ける類。
 その言葉に俺の顔がぴくりと引き攣る。
「お前な・・・・・。なんかその余裕な態度が気にいらねえな。牧野と別れても、お前と牧野の距離って変わらないんじゃねえの?」
 俺の言葉に、牧野と類は顔を見合わせた。
 気持ちが通じ合ってるみたいなその様子も気に入らない。
「うん・・・・・それ、当たってるね。今、牧野とも言ってたけど・・・・・俺たちの気持ちは、何も変わってないから」
 そう言って、類がにこりと微笑む。
「変わったんじゃなくて・・・・・総二郎への想いが急激に増したって感じでしょ?」
 そう言われ、牧野は恥ずかしいのか頷きながらも俯いてしまった。
「だから・・・・・俺は今まで通り牧野の傍にいるよ。いつでも牧野を守れるように。もちろんその間に総二郎が牧野から目を離したら、俺も黙ってるつもりはないからそのつもりでね」
「冗談。俺が牧野から目を離すわけねえだろ。どうしたって・・・・・もう離せるわけねえんだから。お前が付け入る隙なんて、つくらねえよ」
 じっと牧野を見つめれば、漸く牧野が俺の方を見た。
「・・・・・じゃ、ここで誓って」
 類が静かにそう言うのに、俺は目を見開いた。
「は?」
「俺の前で、牧野を幸せにするって、誓って。それが出来ないなら牧野は渡さない。これから先もずっと、牧野を泣かせたりしないって」
「る、類」
 牧野が恥ずかしそうに類の袖を引っ張る。
「牧野の隣の位置を譲るんだったら、これくらいは当然でしょ。それとも俺が言っていい?」
「アホ」
 俺は、むっとして牧野の手を引っ張って立たせた。
「これは、もう俺の」
 その言葉に、牧野が僅かな抵抗を見せる。
「ちょっと!あたし、ものじゃないんだから!」
「うるせえ!黙って俺の言うこと聞いてろよ」
 暴れる牧野の腕をぐっと掴まえれば、牧野ははっとしたように動きを止めた。

 「―――マジで、惚れてるんだ。もう、お前なしじゃいられないくらい・・・・・・。幸せにするよ、必ず。お前のためなら何でもしてやる。だから・・・・・・俺の傍にいてくれ」
「西門さん・・・・・」
 牧野の瞳から、大粒の涙が零れ落ちる。

 じっと見つめていた類が、牧野に微笑みかける。
「・・・・・良かったね、牧野」
「類・・・・・」
「安心したら、眠くなった。総二郎、牧野送って行ってよ」
 そう言って類が大きな欠伸をする。
「ああ、分かった。類」
「ん?」
「・・・・・いろいろ、ありがとうな」
 俺の言葉に、類はいつものように穏やかに笑った。
「総二郎がお礼なんて、キモ」
「お前な・・・・・」
「お礼なんて、必要ない。そんなふうに油断してると、後悔するよ?俺の気持ちは変わらないんだから、忘れないで」
 俺は握っていた牧野の手をきゅっと握りなおした。
「わかってる。俺もこの手を離す気はないから・・・・・。じゃあな」
「うん。牧野、またね」
「うん・・・・・ありがとう、類」
 牧野が、なんとも言えない表情で涙ぐむ。

 そんな牧野の頬に、優しく触れるだけのキスを落とす類。

 それくらいは仕方ないかと、視線を外し溜息をついたのだった・・・・・。


 2人で外に出て、ゆっくりと歩く。
 繋いだ手が牧野のぬくもりを伝えて、俺を安心させてくれるみたいだ。
 牧野はさっきから何もしゃべらない。
 きっと類のことを考えているんだろう。
 
 それも、仕方がない。
 牧野にとって、類はずっと特別な存在だった。
 それはきっと、これからも変わらないんだろう・・・・・。

 「・・・・・西門さん」
 前を向いたまま、牧野が口を開いた。
「ん?」
「あたしね・・・・・類が大好きなの・・・・・」
「・・・・・知ってるよ・・・・・」
「傷つけたくなかった・・・・・・」
「・・・・・・・ああ」
「でも・・・・・抑えられなかった・・・・・」

 自然と2人の足が止まる。

 牧野が、涙に濡れた瞳で、俺を見上げる。

 「・・・・・西門さんが、好きなの・・・・・」

 俺は、黙って牧野を引き寄せ、力いっぱい抱きしめた。
「・・・・・俺も、好きだよ」
「ずっと・・・・・一緒にいたいの・・・・・・」
「一緒に、いよう」
「罰が当たってもいいから・・・・・」
「罰なんか、当たらせない。俺が守ってやる。ずっと・・・・・・お前を幸せにしなきゃ、類に殺されるからな」
 俺の胸に顔を埋めながら、牧野がくすりと笑った。
「西門さんが殺されたら、困るよ」
「殺されたって、死ぬもんか。もうお前を・・・・・誰にも渡したくねえからな・・・・・」
「じゃ・・・・・一緒に幸せになろ・・・・・」
「ああ・・・・・」

 そっと体を離し、牧野と見つめ合う。
 
 今まで生きてきて、これほど1人の人間を愛しいと思ったことはない。

 きっと・・・・・

 これからもずっと、牧野だけだ・・・・・・

 そっと唇を重ねる。

 「・・・・・俺の導火線に火をつけた責任、とってくれよな・・・・・」

 俺の言葉に、牧野は嬉しそうに微笑んでくれた・・・・・。


                             fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総二郎編、どうしても類がかわいそうになってしまうのですが・・・・・。
 類くんには別のお話で幸せになってもらいましょう♪

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導火線 vol.26 ~花より男子・総つくバージョン~

Category : 導火線 (完結)~花より男子・類総つく~
 -tsukushi-

 『・・・・・両親に紹介されるってことは、結婚を前提に付き合うってこと。実質上の婚約みたいなもんだからな』

 『花沢家の跡取りが婚約となれば、世間だって放ってはおかない。もう・・・・引き返せなくなる』

 『もし・・・・・類の両親に会うことを躊躇してるんだったら、止めとけよ』

 『お前が・・・・・俺を選んでくれるんなら、俺は全力でお前を守る。たとえ親友を敵に回しても・・・・・一生、お前を守って見せる』

 『愛してる』

 西門さんの言葉の1つ1つが、あたしを見つめる瞳が、頭から離れない。
 
 類と一緒にいれば、きっと幸せになれるって思えるのに。

 ずっと類と一緒にいたいって想ってたはずなのに。

 今、あたしの心には、いつの間にか西門さんが住み着いてしまっている・・・・・。

 目を閉じて、心を無にしてみれば、瞼に浮かぶのはやっぱり西門さんの少年のような笑顔で・・・・・・。

 涙が、止まらなかった。
 類への愛情が変わったわけじゃない。
 類のことは変わらずに大切だと思ってるし、ずっとその愛情は変わらないって思える。

 だけど。
 それ以上に、西門さんへの愛情が溢れてしまってるのだ。
 それを、類に黙っているわけには行かなかった。
 美作さんの言うとおり、あたしが自分に嘘をつけば、両方を傷つけることになってしまうのだから・・・・・。


 「珍しいね。牧野がこんな時間に」
 時間はもう夜の10時を過ぎていた。
 類のマンションを突然訪れたあたしを、類は穏やかな笑顔で迎えてくれた。

 中に入り、リビングのソファーに座る。

 あたしの向い側に座った類は、じっとあたしの顔を見つめた。
「・・・・・来るような、気がしてた」
 静かにそう言った類の瞳は相変わらず穏やかで・・・・・
 でもその瞳の奥には寂しげな影が見え隠れしていて、あたしの胸がずきんと痛んだ。
「類、あの・・・・・」
「待って」
 類が軽く手を振り、あたしの言葉を遮った。
「俺って牧野に関しては勘良いみたいで・・・・・なんとなくわかってた。だけど、それをいきなり正面切って言われるのは、正直言ってきつい」
「・・・・・うん」
「・・・・俺の気持ちは、変わらない。今までもずっとそうだったみたいに、これから先もずっと・・・・・。俺にとっては牧野以外の女なんて考えられない」
 切なげに響く類の声。
 あたしは何も言えず・・・・ただ、両方の手をぎゅっと握り締め、類の顔を見つめていた。
「だから・・・・・牧野も俺のことを好きになってくれたことが嬉しかった。これからもずっと・・・・一緒にいられるのかと思ったら、まるで夢見たいだって思ってた」
「類・・・・・あたしも、そう思ってたよ。類といることが幸せだったの。傍にいられることが・・・・・本当に幸せだと思ってた。それは今も、変わらないよ。類のこと・・・・・すごく大切だと思ってる」
「うん・・・・・嬉しいよ」
 何も変わらない、類の笑顔。
 切なくて・・・・・
 やっぱり涙が零れてしまう。
「類、あたし・・・・・」
「牧野に、頼みがある」
 唐突な類の言葉に、あたしは言葉を止めた。
「・・・・・何?」
「ごめんて、言わないで欲しい」
 その言葉に、はっとする。
「謝られたら、やりきれなくなる。言っただろ?俺の気持ちはずっと変わらない。牧野が俺以外のやつを選んだとしても・・・・・俺の気持ちは、何にも変わらない。俺は、牧野が幸せならそれでいい。それも、ずっと前から変わらない。だから、謝るな。俺のことを、大切だって言ってくれるなら・・・・・ずっと、笑っててくれ。俺にとって、何よりも大事なのは牧野の笑顔だから・・・・・」
 類の大きな手が、あたしの頬に触れる。

 涙が零れ落ち、類の手を濡らす。

 「幸せに、なって欲しいんだ。相手が誰であっても・・・・・。大事なのは、牧野の幸せだ。もし総二郎が牧野を不幸にしたら・・・・・おれは絶対に許さない」
「類・・・・・」
 類がそっとあたしの額にキスをする。
「笑ってて、牧野。牧野が笑っててくれるなら・・・・・俺はいつでも牧野の味方。いつでも、傍にいるから」
 類の言葉に、あたしは涙を堪え、笑みを浮かべた。
「・・・・・それでいい。俺はいつでも牧野の傍にいるから・・・・・・。これからもずっと、牧野の一部として、傍にいるよ」
「類・・・・・謝っちゃいけない代わりに・・・・・これは言ってもいい?」
「ん?」
「ありがとう、類・・・・・。ずっと、大好きだよ」
 あたしの言葉に、類は嬉しそうに微笑んだ。

 そのとき―――

 「そのセリフは、出来れば俺に言ってほしいところだけど?」
 突然聞こえた声に驚いて振り向けば、部屋の入口に立ってこっちを見ているのは西門さんだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 やっぱり後もう少し・・・・・・です。
 2人のバトルを期待されてた方、ごめんなさい。
 類の場合、普通に対決とかにはならない気がして。
 きっとつくしの気持ちを1番に考えてくれるんだろうなと、そう思いました。

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導火線 vol.25 ~花より男子・総つくバージョン~

Category : 導火線 (完結)~花より男子・類総つく~
 -tsukushi-

 『両親に会ってほしい』

 そう類に言われ、あたしは戸惑ってしまった。

 真剣に付き合っていれば、当然そんなときが訪れるって、わかっていなかったわけじゃない。

 類のことが本当に好きなら・・・・・・
「当然、考えておくべきだよな」
 あたしの横でコーヒーを飲みながら、ちらりとあたしに視線を向けたのは美作さんだ。
「わかってるよ」
「へ―え?じゃ、そんな顔してんのはなんでだ?まるでこれから死刑の宣告を待つ被告人みたいな顔してるぞ」
「変なこと言わないでよ!」
「事実だぜ。類の両親に会うってことは、つまり類と婚約するみたいなもんだろ?本当だったら緊張はしたってそんなに悩むようなことじゃねえはずだろうが」
「それは・・・・・」
 そうなんだけど。
 たとえば館山で西門さんと話した時だって。
 いずれは訪れるだろうこの時のことを考えてなかったわけじゃない。
 ただ、類のことが好きだから、類に着いて行くにしろ、日本で類のことを待っているにしろ、類とずっと一緒にいたいと思う気持ちは、変わらないはずだった。
 なのに・・・・・
 今は、類の両親に会うことさえも躊躇しているあたし・・・・・。
「・・・・・総二郎のことが、好きなのか?」
 美作さんの言葉に、心臓がどきんと高鳴る。
「な、何言ってるの、そんなこと・・・・・」
 ありえないって言おうとして、言葉が途切れる。
「ま、俺も正直、あいつがここまでお前に嵌っちまうとは思わなかったけどな・・・・・。けど、あいつが真剣だってことはいやって程伝わってくる。お前が戸惑う気持ちもわかるけどさ、そこまで嵌らせた原因はお前にあるんだし、ちゃんと受け止めてやれよ」
 美作さんの言葉に、あたしは思わず目をむく。
「ちょっと、何それ。あたしのせいだって言うの?」
「違うとは言い切れねえだろ?総二郎のやつが気持ちを伝えたとき、お前ははっきり拒絶しなかった」
「だって・・・・・それは・・・・・」
「類を選ぶにしろ、総二郎を選ぶにしろ、必ずどっちかは傷つく。もうそれは避けらんねえんだ。だったら・・・・・お前は、お前の気持ちに正直になって、あいつらの思いを昇華させてやれよ。仲間として・・・・・自分の気持ちに嘘をつくのは、両方を傷つけることになるんだってこと、忘れんな」
 美作さんの言葉に、胸が痛む。
 必ず、どちらかは傷つく・・・・・。
 あたしよりもずっと昔から2人と付き合ってきた美作さんの言葉は重くて・・・・・。
 あたしはただ、黙って頷くことしか出来なかった・・・・・。


 「あきらが、余計なこと言ったって」
 バイトが終わって帰ろうとして。
 店を出たあたしの前に現われたのは、西門さんだった。
「・・・・・今日は、車じゃないんだ」
「車だと、警戒されそうだからな。それに歩いた方が、お前と長く一緒にいられる」
 そう言って、少年のような笑みをあたしに向ける西門さん。
 その笑顔にドキッとして、あたしは俯いた。
「み、美作さんは2人のこと心配してるんだよ。親友だから・・・・・2人のこと傷つけたくないって思ってるんじゃない?」
「・・・・・わかってるよ。あきらには、いろいろ感謝してるんだ、これでも。心配してくれんのはありがたいけど、俺はお前を追い詰めるようなことはしたくない」
 西門さんの優しい声に、あたしはその横顔をそっと見つめた。
「つっても、もう遅いけどな・・・・・。類の両親が・・・・・来週帰国するって?」
「う、うん・・・・・」
「・・・・・会うのか?」
「会って欲しいって言われてる。けど・・・・・」
「けど?」
 その先の言葉が出てこなくて、あたしは口を噤んだ。
「・・・・・両親に紹介されるってことは、結婚を前提に付き合うってこと。実質上の婚約みたいなもんだからな」
 感情のない、平坦な声。
 あたしの胸が、きゅっと音を立てて痛んだ。
「花沢家の跡取りが婚約となれば、世間だって放ってはおかない。もう・・・・引き返せなくなる」
「お、脅かさないで・・・・・」
「脅しじゃねえよ。逆を言えば、それほど類は真剣に、お前のことを想ってるってことだ」
 西門さんの言葉に、あたしはきゅっと唇を噛み締めた。
 
 ぴたりと、西門さんが足を止める。

 つられて足を止めたあたし。
 ふいに、西門さんがあたしの手を握った。

 どきりとして西門さんの顔を見上げれば、真剣な西門さんの瞳と出会う。
「・・・・・迷ってるのは俺のせいか?」
「何、言って・・・・・」
「もし・・・・・類の両親に会うことを躊躇してるんだったら、止めとけよ」
「・・・・・あたしは・・・・・」
「お前が・・・・・俺を選んでくれるんなら、俺は全力でお前を守る。たとえ親友を敵に回しても・・・・・一生、お前を守って見せる。だから・・・・・」
 西門さんの手が、そっとあたしの頬に触れる。
 
 ゆっくりと、近づいてくる瞳。

 その瞳に捕らえられてしまったかのように、あたしは動くことが出来なかった。

 重ねられた唇は、その思いを表しているかのように熱くて・・・・・

 気付けば、あたしは瞳を閉じて、西門さんの腕の中に・・・・・。

 啄ばむように、何度も繰り返されるキス。

 「愛してる・・・・・・」

 キスの合間に、切なく紡がれる言葉が、あたしの胸に刻み込まれていった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 次回はクライマックス?
 1回で終わるかな?

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導火線 vol.24 ~花より男子・総つくバージョン~

Category : 導火線 (完結)~花より男子・類総つく~
 -soujirou-

 『これが最後だ。この件が片付いたら、俺は牧野を諦める。』

 確かに俺はそう言った。

 どうしたって牧野の気持ちが変わらないなら、諦めるしかないと思ったから。

 けど・・・・・

 牧野の瞳が揺れる。
 それはそのまま、牧野の気持ちを表しているような気がした。
 牧野が俺を拒絶できないのを見てとり、その唇を奪う。
 何度も繰り返すうち、俺はあいつの虜になり、その手を離せなくなる。

 親友の彼女。
 それはわかってるのに、自分を抑えることが出来ない・・・・・・。

 そんな自分は最低だと思いながらも、自分を見つめる牧野の瞳に、淡い期待を抱いてしまう。

 ―――類、悪いな・・・・・。もう、後戻りできないところまで来ちまった・・・・・。


 -rui-
 電話した時の牧野が、いつもと違うようで気になった。
 やっぱりあんな話、許すんじゃなかったと後悔の念が募る。

 総二郎の気持ちに気づいてからというもの、俺の心はざわざわと落ち着かなかった。
 今までいい加減な恋愛しかしてこなかった総二郎の本気を見せられて、牧野は明らかに動揺してる。

 これ以上2人を近づけちゃいけない。

 そんな危険信号が、俺の中で点滅していた・・・・・。


 翌日、大学へ行った俺は、カフェテリアでぼんやりと物思いに耽っている牧野を見つけた。
「・・・・・何考えてるの?」
 俺の声に、はっと我に返る牧野。
 俺の存在にまったく気付いていなかった牧野は、すぐ隣に座った俺に慌て始める。
「類・・・・・・び、びっくりした。いつの間に・・・・・」
 そう言いながら、俺を目を合わせようとしないのが、気に入らなかった。
「・・・・・昨日、総二郎の家で何かあったの?」
「な、何かって・・・・・別に・・・・・」
「そうやって、俺と目も合わせようとしない。何かあったとしか思えない。俺に隠し事できると思ってる?」
 俺の言葉に、明らかに動揺している牧野。
 そこへ―――

 「あんまり牧野を苛めんなよ、類」
 いつの間にか、俺の後ろに立っていたのは総二郎だ。
 牧野が、ぎくりとした様子で総二郎を見上げる。
「総二郎・・・・・。昨日は、うまく行ったの?」
「ああ、おかげでな。牧野、サンキューな」
「あ・・・・・ううん、別に・・・・・」
 微かに、牧野の頬が染まる。
 それを見た総二郎がにやりと笑い、牧野は気まずそうに視線をそらせた。
「・・・・・確か、これが最後って言ってたよね?」
 俺の言葉に、総二郎はちょっと目を見開き、肩をすくめると俺とは逆側の牧野の隣へ行き、椅子に座った。
「ああ・・・・確かに『この件が片付いたら、俺は牧野を諦める』って言ったけどな」
 そう言ってじっと牧野を見つめる瞳は甘く、牧野は必死で意識しないようにしているように見えた。
 それが返って、牧野の中の総二郎の存在の大きさを物語っているように見えて・・・・・。
「けど、それは牧野がお前に惚れてて、絶対に俺には振り向かないってのが前提。牧野の気持ちが俺に傾いてたら・・・・・それはまた、別の話」
 そう言ってにやりと笑い、俺に挑戦的な視線を向ける。
 牧野が驚いたように総二郎を見る。
「西門さん!何言って・・・・・」
「どういうこと?」
 牧野の言葉を、俺が遮る。
「昨日、俺は牧野にキスした」
 その言葉に牧野の顔がカッと赤くなり、俺は顔を顰めた。
 総二郎に殴りかかりたいのを、ぐっと堪える。
「けど、牧野は拒否しなかった。それは、俺に気持ちが動いてるってことじゃねえ?お前には悪いと思ってる。けど・・・・・俺にとっても、一生に一度の大事な恋だと思ってる。もしも牧野の気持ちが少しでも俺に傾いてるとしたら・・・・・俺は、この恋に賭けたいって思ってる」
 真剣な、総二郎の瞳。
 今まで、総二郎のこんな顔を見たことがあっただろうか・・・・・。
 幼馴染の、初めて見る本気の表情に俺は動揺した。
「それでも・・・・・俺は、牧野を離すつもりはないよ」
「ああ、だから、簡単にはいかないと思ってる。けど、俺も覚悟を決めたから。・・・・・牧野」
 総二郎が、牧野を見つめる。
 牧野が反射的にぱっと顔をあげ、総二郎を見つめた。 
 総二郎は牧野の頬にそっと手を伸ばし、顔を赤らめた牧野にふっと微笑んだ。
「逃げるなよ」
 ぐっと顔を近づけ、至近距離で牧野にそう告げると、総二郎は席を立ってまだどこかへと行ってしまった。

 顔を赤らめたまま、そんな総二郎の姿を目で追い続ける牧野に、俺の胸がまたざわつく。
「・・・・・牧野」
 俺の低い声にはっと体を震わせ、漸く俺のほうを向いた牧野をじっと見つめる。
「類、あの・・・・・」
「・・・・・両親に、会ってくれる?」
「え・・・・・?」
 目を見開く牧野の手を握る。
「来週・・・・・両親が帰国するんだ。あんまり時間がないから、ホテルで食事するくらいしか一緒の時間は取れない。けど・・・・・牧野を、紹介したいんだ」
 牧野の瞳が大きく揺れる。
「類、でも・・・・・そんなの、急に・・・・・」
「急じゃないよ。ずっと考えてた。できるだけ早く一緒になりたい。そのために・・・・・両親に紹介できるチャンスを待ってた。滅多にこっちには帰って来ないから、今回を逃したらまたいつになるかわからない。だから・・・・・」
 牧野の手を握る手に、力を込める。
「俺と一緒になってくれる気があるなら・・・・・両親に会ってほしい」

 俺にとっても一生に一度の恋・・・・・。

 この恋に、賭けてるんだ・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総つく編は、もうちょっとかかるかな?
 
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導火線 vol.25 ~花より男子・類つくバージョン~

Category : 導火線 (完結)~花より男子・類総つく~
 -rui-

 夜の道を車を走らせる。
 小高い丘へ続く道を走っていると、1台の車の横に立つ2人が目に入った。

 その手前に車を止め、ドアを開けて降りると総二郎が俺を見て微笑んだ。
「お迎えだ」
 総二郎の言葉に、牧野が俺の方を振り返った。
「類・・・・・」
「総二郎、終わった?」
「ああ、悪かったな、こんなとこまで連れ出して」
「いや・・・・・牧野」
 牧野の瞳には、涙が光っていた。
 そんな牧野の傍へ行って肩を抱き寄せる。
「――――じゃ、俺はお役ごめんだな」
「帰るの?」
「何だよ、帰りも俺の車に乗るつもりだったわけ?言っとくけどここで俺の車に乗ったら真っ直ぐ家になんて送らないぜ」
 そう言ってにやりと笑う総二郎。
 すっかり元通りになった総二郎に牧野の涙も止まり、ぷっと頬を膨らませる。
「そういう意味じゃなくて!」
「わあってるよ。俺はこれからあきらでも誘って飲み明かすよ。記念すべき日なんだぜ?この西門総二郎が失恋するなんざ」
「くせになるんじゃない?」
 俺が笑って言うと、総二郎が渋い顔をする。
「冗談。二度とごめんだぜ。もしまた失恋することがあるとしたら・・・・・きっと相手はまた牧野だな」
 冗談とも本気ともつかない総二郎の軽い言い方。
 でもその瞳は優しく牧野を見つめていて。
 牧野の瞳が一瞬揺らぐ。
「西門さん・・・・・」
「俺は、お前の幸せのためなら何でもしてやれる。類と何かあって逃げ出したくなったらまず俺のとこに来いよ。絶対何とかしてやる」
「縁起でもないこと言うなよ。何かなんて、あるはずない。牧野は、俺が絶対幸せにする」
 そう言って牧野を抱き寄せれば、途端に牧野の頬が朱に染まる。
 その光景に、総二郎は苦笑し車の扉を開けた。
「やってらんねえ。俺はもう帰るぜ、じゃあな!」
 そう言って車に乗り込み、扉を閉めた時―――
「西門さん!」
 牧野が、総二郎の車へと駆け寄る。
 
 総二郎が、窓を開けて顔を出す。
「どうした?」
「あの・・・・・ありがとう!」
 牧野の言葉に、総二郎は2、3度目を瞬かせ・・・・・
 そして、ふっと笑った。
「どういたしまして。また、大学でな」
「うん・・・・・」
 2人の視線が一瞬から見合い、牧野が一歩下がる。

 総二郎が窓越しに手を振り、車をユーターンさせると、そのまま走り去って行った・・・・・。

 「ありがとうって?」
 俺が聞くと、牧野はちょっと首を傾げた。
「言いたかったの、なんとなく・・・・・。あの西門さんが、本気であたしを思ってくれたなんて・・・・・。今でも嘘みたい」
 俺は後ろから、牧野の腰に腕を回して抱き寄せた。
「・・・・・揺れ動いたりした・・・・・?」
 耳元で低く囁く。
「そんなこと・・・・・」
「でも、どきどきしてた・・・・・違う?」
 俺の言葉に戸惑いつつも、牧野が白状した。
「・・・・・少しだけ。だって・・・・・あんなふうに真剣な西門さん、初めてだったから・・・・・」
 牧野の体をくるりと振り向かせ、その唇を奪う。

 熱い口付けを交わし、額をこつんとぶつける。
「たっ」
「今回は・・・・・目を瞑ってあげる。特別にね」
 俺の言葉に、牧野がくすりと笑う。
「特別?じゃ、次はどうなるの?」
「次があるのは、困るんだけど?」
 そう言って牧野の頬を軽くつねる。
「ないない、嘘だよ、そんなの」
 否定しながらも、楽しそうに笑う牧野。
 なんだか遊ばれてるみたいなのが悔しくて。
「やっぱり、許さない。お仕置きしなくちゃ」
「ええ?」
「今日はうちに泊まって・・・・・」
 そっと耳元に囁けば、ぴくりと反応が返ってくる。
「出来れば・・・・・これからもずっと、うちにいてほしいんだけど・・・・・」
 牧野の顔を覗き込めば、目を真ん丸くして、真っ赤になってる。
 可愛すぎるその表情に、思わず頬が緩む。
「帰してあげたくても・・・・・そんな顔されると、離せなくなっちゃうよ。もうずっとこのまま・・・・・一緒にいたい」
「・・・・お仕置きって、そんなに長く続くもの・・・・・?」
「そうでもしないと、また浮気されたら困る」
 俺の言葉に、慌て始める牧野。
「う、浮気じゃないよ!あれは―――」
「でも、総二郎の導火線に火をつけたのは牧野だから・・・・・。もう、無防備に男を誘えないように、俺がずっと見張ってる」
「誘ってなんか・・・・・ないもん」

 拗ねたように俺を見上げる牧野はかわいくて。
 そういうところが男を誘ってるんだって思うけど、きっと言っても牧野にはわからないだろうから。

 だから言葉で伝える代わりに、もう一度熱い口付けを・・・・・。

 他の男なんか目に入らないくらい、俺でいっぱいにしたいから・・・・・。


                                        fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 類つく編、一足お先に終了です♪
 総つく編は、明日から再開予定です♪

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導火線 vol.24 ~花より男子・類つくバージョン~

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 -soujirou-

 『あたしは・・・・・西門さんと友達でいたいよ・・・・・』
 牧野の苦しげな声が耳に残ってる。
 
 あいつを傷つけたり、困らせたりするつもりはなかったんだ。
 だから、諦めるつもりだった。
 なのに・・・・・
 自分がこんなに諦めの悪いやつだとは知らなかった。

 「総二郎」
 店に、類が入ってきた。
 ホテルの最上階にあるバーで、俺は類を呼び出した。
 この気持ちに決着をつけたくて・・・・・。

 「よお、悪かったな、呼び出したりして」
 笑って言えば、類は肩をすくめて俺の隣に座った。
「別に。話って何?」
「・・・・・牧野の、ことだ」
「・・・・・だと思ったけど」
「お前と、約束したから、諦めるつもりだったけど・・・・・・どうもそう簡単に行きそうもねえ」
 俺の言葉に、類はちらりと横目で俺を見た。
「それで・・・・・?」
「時間は、かかるかも知れねえ。でも、俺はあいつの望むとおりにしてやりたいって思う。あいつが、俺と友達でいたいって言うなら、友達でいようと思う」
「総二郎・・・・・」
「けど、俺はやっぱりあいつに惚れてるから、すぐに単なる友達として割り切れって言われても無理だ」
「・・・・・だろうね」
「だから・・・・・時間はかかると思う。あいつを諦めるまでには。だけど、惚れた女がそれを望んでるならそうしたいと思うし、友達でいてほしいって言われればそうしてやりたいと思う。問題は・・・・そうすることであいつが俺に気を使ったり、泣いたりするようなことにはなってほしくねえんだ」
「うん」
「だから、類。お前はあいつをしっかり掴まえててくれ。あいつを守って・・・・・幸せにしてやってくれ」
 そう言って俺は、類を真っ直ぐに見つめた。
 類も俺の視線を受け止める。
「・・・・・それでいいの?」
「ああ。もう、決めた。いつまでもうじうじしてるのはごめんだ。俺も、自分自身の気持ちにけりをつけてぇ。無理に諦めようとするのは止めた。そんなことしてもあいつが苦しむだけだってわかったからな。だから・・・・俺は、俺に出来ることをしようと思う」
「それで、後悔はないってこと?」
「ああ。無理に牧野を忘れようとしてやけになるよりはずっと、賢明だろ?」
 そう言って笑って見せると、類はそれでも複雑そうな表情で俺を見た。
「・・・・・総二郎の気持ちは、俺もわかるつもりだから、総二郎がそれで良いなら俺は何も言わないよ。だけど・・・・・総二郎はそれで辛くないの?そのまま牧野の傍にいて・・・・・本当に諦められるの?」
「それをお前に言われるとはな。お前だって、そう思ってたんだろ?ずっと。あいつが司と付き合っててもあいつの傍を離れなかったのは、どういう形でも牧野の、惚れた女の傍にいたかったからじゃねえのか?」
 俺の言葉に、類は息をついた。
「そうだよ。だから、わかるんだ。そうやってずっと傍にいたら、諦められないんじゃないの?」
「かもな。でも・・・・・俺も今はそれでも牧野の傍にいたいと思うんだ。友達としてでいい。それ以上は望まない。あいつが幸せになってくれれば、それでいい。その相手が親友のお前なら、文句はねえよ」
 そう言った俺を、類はじっと見つめていた・・・・・。

 俺が出した結論は、結局このまま牧野の傍にいることだった。
 離れることはたやすい。
 だけど、それじゃ解決にはならない。
 そして、傍にいればきっと俺は諦められない。
 だったら。
 牧野の望む通りにしてやればいい。


 「よお、牧野」
 バイト先のファミレスから出てきた牧野を、俺は車にもたれて待っていた。
「西門さん・・・・・」
「ちょっと、いいか?」
 そう言って俺は、牧野を車に乗せた。
 
 暫く車を走らせ、着いた先は眺めのいい小高い丘へ続く道。

 「・・・・・類と、話したよ」
 車を降り、眼下に広がる夜景を眺めながら、俺は牧野を見つめた。
「類と?」
「俺は、お前が幸せならそれでいい」
 俺の言葉に、戸惑ったような牧野の表情。
「心配しなくても、俺はお前から離れたりしない。けど、もうお前たちの邪魔もしない」
「どういう、こと?」
「俺は、お前の友達に徹するってこと。お前も、それが望みなんだろ?」
「・・・・・友達で、いてくれるの?」
 牧野の言葉に、俺は笑った。
「ずっと、友達だよ。お前がそれを望むなら。だから、お前は類と幸せになれ」
「西門さん・・・・・」
「簡単に、諦めるって決めたわけじゃない。それが、お前のためだと思ったからそうするんだ。だから・・・・お前も、俺をお友達と思うなら、幸せになってくれ。必ず・・・・・いいな?」
 俺の言葉に、牧野がゆっくりと頷く。
 その大きな目には涙が溜まっていて。
 だけどそれを零れ落ちないよう耐えるように、牧野は笑顔になり、頷いた。
「うん・・・・・。ありがとう、西門さん・・・・・」

 牧野の髪をそっと撫で、その額にそっと唇を寄せた。
 俺が、牧野に送る最後のキスだ・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さて、次回は類つくバージョンのクライマックスです。
 先日は、『Sweet Angel』についてのコメントを頂きありがとうございました!
 なんだか長くなってしまったので、終わり方がいまいち切れが悪かったかなと思うのですが(^^;)
 このお話が終わったら、暫くは長編のお話はお休みして短編をたくさん書けたら良いなと思ってます♪

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Sweet Angel vol.52 (完結)~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 「つくし、優のおむつ変えたよ」
 快斗におっぱいを上げながらベッドでうとうとし始めていたつくしに声をかける。
 俺の声にはっとしたように目を開けるつくし。
「あ、ありがと。快、寝ちゃってる・・・・・。このまま寝ててくれるかな」
 そういいながら、ベビーベッドまでそっと快斗を連れて行き、横たえる―――と、途端に目を開き、ぐずり始める快斗。
「うあ、ダメか。よーしよし、いい子ね~」
「つくし、快は任せて、優におっぱい上げてよ。こっちもぐずり出しそう」
「わかった。じゃ、こっちよろしく」
 そう言ってつくしは再びベッドに快斗を置き、俺の腕から優斗を受けとる。
「優はおとなしいよね~」
「一卵性なのに、やっぱり性格は違うんだな。そういえば、あきらと総二郎ももうこの2人を完璧に見分けてたな」
「あ~、そうだね」
 双子は、幸運にも何の異常も見られず、体重も順調に増え、出産から10日後には無事母子揃って退院することが出来た。

 その日にあわせて帰国した両親が、双子を離そうとせず、あの父親までがおむつ換えなんてものをやりだしたから、さすがに俺も驚いた。
 無理やり仕事を調整してきたので、翌日の夜には日本を発たなければならず、残念そうに家を出たが・・・・・『来週も、絶対に会いに来るから』『つくしさん、無理しないで使用人に任せられることは任せてしまいなさい。気を張りすぎると体によくないわ』と言い残していくことを忘れなかった。

 それからは毎日あきらと総二郎が顔を見せ、俺がいない間にも双子のおむつを変えたり、ミルクを作ったりというようなことを進んでやってくれるようで、つくしはとても助かっているようだった。
 それについては俺も助かるし、夜、3時間おきにおっぱいを欲しがって泣く双子たちを目の当たりにすると、やはり子育ては大変なものだと実感せざるを得なかった・・・・・。

 それでもつくしはなるべく使用人に頼らず、自分で何でもやろうとしてしまうところがあるから、そのたびに俺はつくしに言い聞かせていた。
「頼れるところは頼りな。双子なんだし、ここでつくしが倒れたりする方が子供にとっては不幸だよ。無理したって、いいことない。せっかく使用人がいるんだから、使ってやって」
 その言葉に、つくしもちょっと照れたように笑った。
「うん、そうだね。つい、なんでも自分でやりたくなっちゃって・・・・・。悪いくせだよね。美作さんたちにも言われた。そうやってなんでも自分でやっちゃってたら使用人たちの立場がないって。ちゃんと仕事させてやれって」

 漸く静かな寝息をたて始めた双子の姿を覗き込んで、2人方を寄せ合う。
「かわいい」
「うん」
「寝顔は天使だね」
「ほんと」
 くすくすと、2人で笑い合う。
 2人きりのときとはまた違う幸福感。
 2人一緒に泣き出したり、同時におむつを汚したりしたときには笑ってなんかいられない状況にもなったりするけれど・・・・・
 こうしてかわいらしい寝顔を見ていると、やっぱりこれ以上の幸せはないと思えてくる。
 つくしと、俺の大事な宝物・・・・・。


 -tsukushi-
 「西門さん、いらっしゃい」
 昼間、家に顔を出してくれた西門さん。
 大学にも通う傍ら、時間のあるときは必ずうちに来てくれる。
「よ。あれ、双子寝てるのか?」
「ん。今寝たとこなの。コーヒー入れるよ」
 小声でそう声をかけると、おもむろに肩を引き寄せられる。
「コーヒーも良いけど・・・・・。久しぶりに2人きりなんだから、もっと他のことがしてえな」
 そう耳元で囁かれ、どきんと胸が鳴る。
「な、何言ってるの」
 慌てて体を離そうとするあたしを見て、くすりと笑う。
「相変わらずかわいいやつ。そういう顔見せられると、キスしたくなるんだけど?」
 そう言って顔を寄せてくる西門さん。
「ちょ、ちょっと―――」
 もう少しで唇が触れそうになったとき―――
「何してんだよ!」
 後ろからべりっと引き剥がされ、割って入ってきたのは美作さんだった。
「チッ、もう少しだったのに」
 おもしろくなさそうに文句を言う西門さん。
 美作さんは呆れたように西門さんを睨みつけた。
「バーカ。俺の目の前でさせるかっつーの。それよか、ここでしゃべってたら双子が起きちまう。向こうでコーヒー飲もうぜ」
 それにはあたしたちも頷き、そっとその場を後にしたのだった・・・・・。


 「つくし、ちゃんと寝れてるか?」
 美作さんの言葉に頷く。
「うん、最近漸く夜も続けて寝てくれるようになって・・・・・。1ヶ月検診でも何も異常なかったし、ちょっとほっとしてるとこ」
「そうか。よかったな。ところで大学・・・・・。来年から復学か?」
 大学復学は来年4月から。
 そう予定していた。
「うん。なるべくなら普通に卒業したくて・・・・・。でもやっぱり単位足りないかな」
「夏休みを利用すれば何とかなるかも知れねえけど、無理はするなよ。類の親も、その辺は理解してくれてんだろ?」
 西門さんが真剣な顔で言う。
「うん」
「大学の勉強も大切だけど、子供との時間も大切にしろってさ」
 突然部屋の入り口の方で声がして振り向くと、類がコーヒーカップを手に入ってくるところだった。
「類!お帰りなさい」
「ただいま」
 にっこりと微笑み、あたしの隣に座る。
「赤ちゃんの時期ってのは、親は大変だけど、あっという間に過ぎていくもんだから・・・・・今しかない時間を、無駄にするなって。大学へは、いつでも通える。後悔するようなことはしてくれるなって。経験者は語るってやつじゃない?」
 類の言葉に、美作さんと西門さんも頷いた。
「そうだな。やろうと思えば勉強なんてどこでもできるわけだし。つくしは焦らず、マイペースでやれば良いんじゃねえ?」
「だよな。俺たちも協力するし。言っとくけど、お前らだけの天使だと思うなよ?あの双子が大きくなったら、ぜってえパパって呼ばせてやる」
 にやりと笑う西門さんに、類は渋い顔をする。
「やめてよ、大きくなったとき『本当のパパは誰?』とか子供たちに聞かれたくない」
 類の言葉に思わず噴出す。
「つくし」
「ごめん、だって・・・・・。本当に言いそうだと思って。でも、良いんじゃない?3人もパパがいるなんてすごい幸せものかも」
「だろ?それにきっと、司も入りたがるぜ。あいつ、子供みてえなとこがあるから意外といい遊び相手になるかもな」
 西門さんの言葉に、美作さんが笑う。
「子供みたい、じゃなくてあいつは子供だよ。きっとあいつはパパってより同等・・・・・『司』って呼び捨てにされそうだな」
 その言葉にみんなで笑い・・・・・
「そんなふうにずっと・・・・・みんなと一緒にいられると良いな・・・・・」
 ふと零したあたしの言葉に、3人があたしを優しい眼差しで見つめる。
「いるよ、ずっと」
「ああ、離れたくないのはこっちの方だぜ」
「頼まれたって、離れてやんねえよ。お前と・・・・・あの双子たちは、俺らの天使だからな・・・・・」

 いつものように優しく微笑んでくれる人たち。
 でも、いつもよりももっと優しく感じるのはきっと、新たに誕生した命が、とても愛しいものだから・・・・・。
 新しく芽生えた愛情が、きっとあたしたちを優しくさせてる。
 そしてこれからも、あたしたちをずっと繋いでいってくれる。
 そんな気がした・・・・・。


                                   fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 漸く終了いたしました。
 長い間お付き合い頂き、本当にありがとうございました。
 ベビー誕生のお話、皆さんの期待通りのお話だったかどうかはわかりませんが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
 この双子たちがどんな風に成長していくのか、それは皆さんの心の中でお楽しみください。
 きっといつかまた、このお話の続きを書くこともあるかと思いますが、とりあえずこれにて終焉でございます・・・・・。

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Sweet Angel vol.51 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 「うひゃあー、ちっちぇえー!」
「見ろよこの手!」
 入院3日目、今日はあきらと総二郎がお見舞いに来た。
 俺とつくしの腕に抱かれた優斗と快斗を見て興奮した声を上げる。
「しかし本当にそっくりだなあ。お前ら見分けつくの?」
 あきらの言葉に俺とつくしは顔を見合わせた。
「こっちが優斗」
 そう言って俺は自分の腕の中の優斗を見て笑った。
「で、こっちが快斗だよ」
 つくしも自分の腕の中の快斗を見た。
 総二郎が目を丸くする。
「へえ、さすが。こんがらがったりしねえの?」
「父親だからね。自分の子、間違えたりしないよ」
 と、俺が言うと、2人がちょっと顔を顰める。
「ま、俺らにもそのうち見分けつくようになるだろ」
 そうあきらは肩を竦め、
「だよな。毎日会ってたら、誰が父親かわかんなくなるんじゃねえの?」
 と、総二郎も言って笑う。
 その言葉に俺はむっと顔を顰めた。
「それはない。子供だって、いくら小さいからって自分の親くらいわかるよ」
「どうかな~」
「ちょっと、やめてよ3人とも。あ―――」
 つくしがそう言った途端―――
「ふみゃああ」
 つくしの腕の中の快斗がぐずり始め、伝染したかのように優斗もぐずり始める。
「お、なんだ?」
 あきらが驚いて腰を浮かす。
「おっぱいかな。オムツは替えたばっかりだし・・・・・」
 つくしが言うと、あきらと総二郎は微かに頬を染め、顔を見合わせた。
「「おっぱい・・・・・」」
 が、つくしはそれに気付かず、早くあげなくちゃいけないと焦ったのか、パジャマの前ボタンをプチプチと外し始めたから、慌てたのは俺のほうだ。
「つくし、ちょっと待って。2人とも外出てよ」
 と止めようとしたが、時既に遅く―――

 パジャマがはだけ、つくしの胸が露に―――

 「つくし!」
 慌ててつくしの前に立つ俺。
 それでもまだつくしはきょとんとして俺を見上げている。
「え?」
「まだ2人がいるのに!」
 見れば、2人ともつくしの胸元に目が釘付けで・・・・・
「―――あ」
 そこで漸く、つくしが気付いて慌てて胸元を隠す。
「授乳するから、2人とも出てて」
 俺が2人を睨みつけると、2人は顔を見合わせ・・・・・
「別に俺ら平気だぜ?」
 とあきらが肩をすくめる。
「そうそう、赤ちゃんに授乳するのなんて当たり前だし?恥ずかしがるようなことじゃねえだろ?俺らの仲で」
 総二郎もそう言ってにやりと笑う。
「俺が平気じゃない。いいから出てって」
 ぎろりと睨みつけると、2人は溜息をついて肩を竦めた。
「へいへい。んじゃ、30分くらいその辺うろついてるわ」
「また後でな、つくし」
「あ、うん、ごめんね」

 2人が出て行ってしまうと、俺は溜息をついた。
「授乳するときは、せめてあいつらに出てってもらわないと」
「だって、2人で泣かれるとすごいボリュームで・・・・・。早くあげなくちゃって焦っちゃうんだもん」
 頬を染めながらそう言い、つくしはまた授乳するべく胸元を肌蹴、乳首を丁寧に消毒した。
「わかるけどさ、あいつらには見られたくない」
 つくしは快斗の口に乳首を含ませると、しっかりとその体を抱きかかえた。
「あたしは別に、平気だけど・・・・・」
 しれっと言われたそのセリフに、俺は腕の中の優斗がぐずるのをあやしながらも目をむいた。
「平気って!」
「だってさ・・・・・もう家族みたいなもんでしょ?それに西門さんの言うとおり、授乳するのは当たり前のことなんだし、別に恥ずかしがること・・・・・・」
「俺はいやだ」
 俺は優斗をあやしながらつくしの隣にどかっと座った。
「何で平気でいられるわけ」
「だって・・・・・」
 つくしが快斗を抱きながら、困ったように俺を見上げた。
「授乳が当たり前だって、それはわかるけど、だからって他の男にそんな姿見せたくない」
「誰に見せたって平気ってわけじゃないよ」
「じゃ、あの2人だからいいの?余計にむかつくね」
 吐き捨てるように言った言葉に、つくしがため息をついた。
「もう・・・・・。快、もういいの?じゃ、優と交代しようね」
 一旦立ち上がるとベッドに快斗を寝かせ、俺の腕から優斗を受け取った。
「お待たせ~。おっぱい飲もうね~」
 ベッドに座り、優斗に乳首を含ませる。
「・・・・・すっかりママっぽくなったね。昨日はまだ危なっかしかったのに」
「ふふ、看護婦さんの教え方がうまいんだよきっと。でも・・・・・こうしておっぱい飲んでる赤ちゃんって、すごくかわいい・・・・・。こういうのって、他の人もそう思うのかな。そういう可愛さ・・・・・みんなにも見てもらいたいなって思ったの」
「だからか・・・・・」
 俺は再び溜息をついた。
 つくしがなんとも言えない顔で俺を見上げ、微笑んだ。
「ごめんね。あんまりかわいいから・・・・・自慢したかったの」
 俺はその言葉に答える代わりに、つくしの額にキスを落とした。
「良いよ、今回だけは許す。けど・・・・・やっぱりあいつらには見せちゃダメ」
 頑固に言う俺に、つくしは呆れたようにくすくすと笑う。
「しょうがないな。じゃあ言うこと聞いてあげる。我侭なパパだね~」

 優斗に向けられるつくしの笑顔は眩しいほどにきれいで・・・・・。
 なんだか少し、妬けてくる。
「・・・・・早く退院の日にならないかな」
「どうして?」
「夜は俺、帰らなくちゃいけないし・・・・・。1週間もつくしが夜いないのは寂しい」
 そっと髪を撫で、その耳をなぞるとぴくりと反応するつくし。
 微かに頬が染まる。
「・・・・・つくしは、寂しくない・・・・・?」
「そりゃ・・・・・寂しいよ、あたしだって・・・・・・」
 上目遣いに俺を見つめる瞳が潤む。
 そっと、啄ばむように口付ける―――と、

 「ふみゃああっ」
 突然ベッドの上の快斗が泣き出した。
「わっ、何?類、見てあげて。もしかしておむつかも」
「・・・・・・わかった」

 うちに帰ってきても、暫くはこの天使たちに邪魔されそうだな、と俺は思ったのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さてさて、そろそろこのお話も終わりに近づいてきました。
 このお話が終わったら、このシリーズもとりあえずおしまいということで・・・・・。
 その後は、短編で時々書いていけたら良いなと思っています♪

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Sweet Angel vol.50 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 外はまだ明るくて、遠くの方が漸く茜色に染まってきたばかりだと言うのに、今日1日でまるで何日分もの時間がたってしまったような不思議な感覚だった。

 ベビー用品のお店の駐車場で、小さな女の子が車に轢かれそうになって、類が飛び出した。
 あたしも反射的に走り出そうとして―――

 次の瞬間、下腹部に激しい鈍痛を感じ、その場にうずくまった。

 何かが、弾けるような感覚。

 気付けば足元には水溜りができていた。

 ―――破水?

 すぐに気付いたけれど、あたしは動くことも、声を上げることも出来なかった。
 
 「つくし!!」
 類が駆け寄ってきてくれるのが分かった。

 あの女の子は?

 『大丈夫』

 類の言葉にほっとする。
 そこから先は、ほとんど覚えていない。
 ただ痛みを堪えることに必死で。
 何人かの声が聞こえた気はする。
 でもそれも定かではなくて。

 車に乗せられた感覚はある。
 そして気付いた時にはもう分娩台の上だった。

 先生の声に従っていきんだり、力を抜いたり。
 何かを考えている余裕なんてない。
 ただ必死で、痛みを逃すように呼吸を繰り返し、手に力を込める。

 「つくし、がんばれ!」

 類の声が、聞こえた。
 いつもは穏やかな類の声が、微かに上ずっていた。

 「ふみゃああっ」

 猫みたいな声が聞こえた。

 ―――ああ、やっと生まれたんだ。

 1人目が生まれ、すぐにまた陣痛がやってきて、2人目を産む。

 「お疲れ・・・・・。頑張ったね」
 類の優しい声が、ゆっくりと心に染み込んでくるように響いた。

 そして、赤ちゃんを初めてこの手に抱く。
 柔らかくて、暖かくて・・・・・そして、なんだろう、すごく・・・・・いい匂い。
 
 幸せの、匂い・・・・・


 あっという間のようで、すごく長く感じた1日だった。
 今朝はまだ、普通にごはんを食べて、類の車に乗ってお店に行って・・・・・

 今はもう、あたしのお腹の中に赤ちゃんはいない。
 それがちょっとさびしいような、物足りないような、本当に不思議な感じだった・・・・・。

 「そうだ、名前・・・・・」
 だいぶ前から、類と2人で考えていた名前。
 男の子だった場合と、女の子だった場合、2つずつ候補を考えて。
「男の子、かあ・・・・・じゃ、やっぱり・・・・・」
 自然に口元が緩む。
 うんと考えて、2人で決めた名前。

 類の幸せそうな笑顔。
 両親の、慌てふためく姿。
 今は何でも幸せに感じる。
 
 誰もいなくなった病室で目を閉じる。
 瞼に浮かぶのはやっぱり類の笑顔と、かわいいかわいいあたしの子供たち・・・・・。

 幸せに、なろうね。

 優斗、快斗・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 すいません。思いっきりあたしの趣味が入った名前です。
 でも好きなんです。
 女の子だったらどういう名前だったんだろう・・・・・・。

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Sweet Angel vol.49 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 交互に赤ん坊を抱いた後、看護婦たちに赤ん坊を預け、つくしはその後の処置をしながら先生の話を聞いた。
「双子ちゃんだし、普通よりは小さめなのは仕方のないことなんだけれど、今回は予定日より一ヶ月早かったせいもあってやっぱりちょっと小さいわ。1850gと1790gよ。これから細かい検査をしてみて、特に異常がなければここで入院してもらうけど、少しでも異常があった場合は念のため大きな病院に移った方が良いと思うわ」
 先生の言葉に、俺達は顔を見合わせた。
「異常って言うと・・・・・」
「そうね、いろいろなパターンがあるけれど、小さく生まれて来た分、代謝異常なんかは疑って診なくちゃいけないところだけど・・・・・。でも、小さくても何の問題もなく育つ子だってたくさんいますからね。まずはお母さんの身体を元の状態に戻さなくちゃいけないし。赤ちゃんは、私たちがちゃんとみますから、今はゆっくり休んでちょうだい」

 処置を終えたつくしは個室に移り、処方された薬を飲むと、そのまま横になった。

 俺はその間に、電話をかける為に一旦外へ出た。

 まずは両親に連絡し、それからつくしの家族に。
 そして総二郎、あきら、司の順に知らせた。

 俺の両親は必ず1週間以内に帰国すると断言し、つくしの両親はすぐに行くと言って慌てて電話を切ってしまった。
 総二郎とあきらもすぐに行くと言っていたが、それは遠慮してもらうことにした。
 司には直接話すことはできなかったが西田さんに伝言を頼んだので、おそらくすぐに伝わるだろうと思った。

 一通りの連絡を終え、俺は再び病院に戻り新生児室を覗いた。

 保育器に入った双子をガラス張りの壁越しに見つめる。
 小さな胸が上下し、穏やかに呼吸しているのがわかった。
 2人並んだその姿は面白いほどそっくりで、親でも間違えそうだと思った。

 不思議な気持ちだった。
 つくしと2人でいるときとも、お腹の中にいる双子を撫でているときとも違う、なんとも言えない幸せな気持ち。
 生まれてきてくれたことが嬉しい。
 つくしが無事でいてくれたことが嬉しい。
 
 今までに感じたことのない喜びが、俺を自然に笑顔にしていたようだった。


 「気分どう?」
 部屋へ行くと、つくしはベッドに横になったまま窓の外を見ていた。
「あ、類・・・・・。うん、大丈夫。産後痛っていうの?薬で軽くなってて助かった。陣痛と同じくらい痛いんだもん、びっくり」
「そうなんだ。その辺の痛み、男にはわからないよね。今、新生児室覗いてきたよ。外からだけど」
「ほんと?どうだった?」
「うん、かわいい。すげえ小さくて・・・・・つくしに似てる」
 俺の言葉に、つくしが柔らかく微笑んだ。
「そう・・・・・。早くまた抱っこしたいな。楽しみ・・・・・・」
「検査が、全部済んでからだって?つくしの体もまだ無理だし。明日は起きられるようになるのかな」
「うん、たぶん・・・・・。類、うちに・・・・・」
「連絡しといたよ。つくしの両親はすぐ来るって。うちの両親も来週には帰国するってさ」
「喜んでくれるかな」
「当たり前。もう、すぐにでも帰りたいって言ってたよ。仕事なんかしてる場合じゃないって、あの父親からそんな言葉が聞けると思わなかった。さすがに周りがそうはさせないだろうけど・・・・・。よっぽど嬉しいんだよ」
 くすくす笑って言うと、つくしも嬉しそうに笑った。
「よかった・・・・・。ところで、あの子たちの名前なんだけど・・・・・」
 つくしの言葉に、俺は頷いた。
「うん、この間2人で考えた名前で良いと思うけど・・・・・」
 その言葉に、つくしも頷いた。
「じゃあ、決まりだね。お義母さんたちも、喜んでくれるかな」
「うん、大丈夫」
 おれはベッドから出ていたつくしの手を握ると、そっと唇にキスを落とした。
「・・・・・唇、荒れてる」
「思い切りいきんでたから、乾燥しちゃったみたい。あ、身の回りのもの・・・・・」
「持ってこさせるよ。他に何か欲しいものは?食べ物とか・・・・・・。おなか空かない?」
「なんだか、胸がいっぱいで・・・・・。でものどは乾いたかな」
「スポーツ飲料でも買ってこようか。ちょっと待ってて」
 そう言って俺が席を立ったとき、ちょうど病室のドアが開いた。
「つくし!!」
「つくし!赤ちゃんは!」
 飛び込んできたのは、つくしの両親だった。
「パパ、ママ。ここ病院なんだから静かにしてよ」
「そんなこと言ったってお前・・・・・」
「それで、赤ちゃんはどこ?」
「新生児室よ。今日はまだ抱けないから・・・・・」
 と、つくしが言い終わるよりも早く、2人はまた病室を飛び出して行ってしまった・・・・・。

 「まったくもう、慌しい・・・・・」
 呆れたようにつくしが言うのに、俺は笑った。
「仕方ないよ。じゃ、俺はちょっと行ってくるね」
「ん、ありがとう」

 新生児室の前の廊下をちらりと覗くと、つくしの両親がガラスに顔をべったりとくっつけるようにして食い入るように赤ちゃんを見ているのが見えた。
 2人の目には涙が光っていて、初孫の誕生を心から喜んでいることがその姿から伝わってきて、思わずこっちの胸も熱くなる。

 どうか、つくしも赤ちゃんも無事に退院できますようにと、そう願わずにはいられなかった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 Sweet Angelちゃんたちのお名前は?さて、どうしようかな・・・・・。

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Sweet Angel vol.48 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 「つくし!!」
 抱き起こそうとすると、つくしは真っ青な顔で俺を見上げた。
「類・・・・・あの子は・・・・・?」
「ああ、大丈夫だ。なんともない」
「そ・・・・・よかった・・・・・」
「つくし―――」
「大変!!破水してるわ!!」
 駆け寄ってきた、さっきの車を運転していた女性が叫んだ。
「急いで病院に運ばないと!あの、かかりつけの産婦人科は近くですか!?」
「車で、10分ほどです」
「だったら、早く連れて行ってあげてください!」
「はい。つくし、運ぶよ」
 つくしの体をそっと抱き上げ、車の傍へ行くとあの女の子の母親が俺の手から車のキーをとり、ドアを開けてくれる。
「あなた、タオルを引いてあげて。ほら、そこにあるわ。―――すいません、勝手に」
「いえ・・・・助かります」
 女の子の父親の方が、後部座席に置いてあったタオルを座席に引いてくれる。
「そっと・・・・・衝撃を与えすぎると、赤ちゃんが出てきちゃいますから、なるべく安全運転で・・・・・でも、できるだけ急いであげてください」
「ありがとう」
 俺が礼を言うと、女の子の母親は涙ぐんで首を振った。
「お礼なんて、言わないでください。きっと、わたしたちのせいで・・・・・・」
「いや、あなたのせいじゃありません。彼女が無理しすぎたのと、それに気付かなかった僕のせいです。じゃ、失礼します」
「わたし、ついていたほうが・・・・・・」
 なおも申し訳なさそうに言う母親に、俺は再び首を振り、笑って見せた。
「大丈夫です。彼女は、強い女ですから。それに、僕がついてます。じゃあ」
 車に乗り込み、その場を去る俺たちを見送りながら、2組の親子が頭を下げているのが見えた。

 とにかく急がなければ。
 後ろの席では、座席に横たえられたつくしが真っ青な顔をして荒い呼吸を繰り返している。
 時折呼吸が落ち着いては、また突然苦しみだす。

 陣痛が始まっているんだ。
 破水しているのだから当然といえば当然だが、まだ予定日までは1ヶ月もある。
 気ばかりが焦るのを何とか抑えるように、俺は運転に集中する。

 病院に向かう途中、信号待ちしている時に白井先生に知らせる。
 つくしは苦しそうにしながらも、いきまないよう必死で堪えていた。
「つくし、もうすぐ着くからがんばれ」
 俺の言葉に微かに頷く。

 俺はハンドルを握る手に力を込めた・・・・・。


 「花沢さん!」
 病院に着くとすぐに、白井先生と看護婦が駆けつける。
 寝台につくしを載せ、すぐに分娩室へと運ぶ。
「陣痛は何分間隔はわかります?」
「たぶん、2分間隔だと」
「わかりました。類さんも立ち会いますか?」
「良いんですか?」
「お二人がよろしければ」
 白井先生の言葉に、俺はつくしを見つめた。
 つくしが俺を見て、頷く。
「・・・・・春日さん、類さんの白衣を」
 白井先生の言葉に看護婦の1人が頷き、その場を離れたかと思うと、白衣など一式を持ってきて俺に渡してくれた。
 それを身につけ、つくしの傍へ行くとつくしは白井先生の指示に従っていきみ始めていた。
「つくしさん、痛みが来たら力を入れて、そう、そのままいきんで。首を上げちゃダメよ。お腹に力入れて!そうよ、上手上手。類さん、つくしさんの肩を抑えてあげて」
「はい」
 言われるまま、つくしの肩を抑える。
 つくしは上体を起こさないよういきむという独特の方法を痛みが来るたび繰り返し、額からは汗が滝のように流れていた。
「もう頭が見えてるわ。つくしさん、もう少しよ!がんばって!」
「つくし、がんばれ!」
 俺の手にも力が入る。
「はい、いきんで!そう、もっと力入れて!もう少し!もう一度!はい!――――出るわよ、はい、力入れて!―――よし!!」

 その瞬間、白井先生の手には小さな赤い塊が滑り込むように収まり、次の瞬間には弱々しくもしっかりとした泣き声が響いたのだった。
「ふみゃああっ」
 猫みたいだ、と瞬間的に思ってしまった。
 白井先生はその子を看護婦に手渡すと、もう一度つくしに向き直った。
「さあ、つくしさん、もう一頑張りよ。また痛みが来るから、思い切りいきんで」
「は・・・・・はいっ」
 1人目が無事に生まれたことが、つくしに新しい力を与えたようだった。
 またすぐにいきみ始め、同じ動きを3度、4度と繰り返し・・・・・・
「はい!2人目も出たわよ!」
「ふみゃああっ」
 やっぱり猫の声・・・・・と思っていると。
「猫、みたい・・・・・」
 大仕事を終え、息も絶え絶えのつくしが弱々しい声でそんなことを言ったので、俺は思わず噴出した。
「俺もおんなじこと、思ってた」
 つくしが俺を見て、柔らかく微笑む。
 その笑顔は、今まで見たどんな笑顔よりもきれいに見えた。
「お疲れ・・・・・。頑張ったね」
 そっと額の汗を拭ってやる。
「つくしさん、本当にお疲れ様。2人とも元気な男の子よ」
 白井先生と看護婦の腕には小さな赤ん坊が抱かれていた。
「抱いてあげて下さい。お父さんも」
 言われて、つくしは先生から、俺は看護婦から赤ちゃんを受けとる。

 小さな体、小さな手、小さな足・・・・・。
 全てが小さくて、全てが柔らかい。
 そしてなんとも言いようのないぬくもり。

 我が子を抱いた瞬間、つくしの表情が喜びの表情に変わり、それはまるで女神のようだと俺は思ったのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 復帰第一弾はつくしちゃんの出産で♪
 応援&励ましのコメントをありがとうございました。
 1人1人の方にお礼を言いたいのですが、重複してしまいますのでこちらで割愛させていただきたいと思います。
 体調のこと、仕事のこと、家族のこと、いろんなことがいっぺんに重なり、体と言うよりは精神的に参ってしまいました。
 今後も毎日更新するのは難しいかもしれませんが、なるべくまめな更新を心がけますので、どうぞよろしくおねがいします!

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お休みします。

Category : diary
すいません。一身上の都合ですが、2、3日お休みをいただきます。
すぐに復帰するか、長くなってしまうかはまだ分かりませんが、できるだけ早く復活したいと思ってますので、暫くお待ちください。

このままやめてしまうようなことにはなりませんので、ご理解いただければ嬉しいです。

Sweet Angel vol.47 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 写真はちゃんと2枚ずつあって、それぞれ自分の写真を受け取り、花火大会が終わるとすぐにまたヘリに乗ってどこかへ行ってしまった道明寺を見送り、あたしたちも解散した。

 車の中で、3人との写真を改めて2人で眺め。
「ま、いい記念になったんじゃない?」
 類の、半ば諦めたような言い方にちょっと笑う。
「うん。ごめんね、ずっと隠してて。類にはちゃんと言っておきたかったんだけど・・・・・」
「もう良いよ。なんとなくだけど、気付いてたし・・・・・。本当に結婚したわけじゃないしね。あいつらも、これで満足でしょ」
「ん・・・・・」

 後部座席にもたれ、2人で寄り添う。
「・・・・・疲れた?」
 そっと目を閉じたあたしに、類が聞く。
「ううん、大丈夫。ちょっと眠くなっちゃっただけ」
「そっか。今日は昼間も総二郎と散歩したんだっけ。あんまり無理しないで・・・・・。ちゃんと休みなよ」
「もちろん、休んでるよ。大丈夫。普段寝てばっかりいるから、たまにこんな日があるとすぐ眠くなっちゃうのかな」
 あたしの言葉に、くすりと笑う類。
「きっと、お腹の子達が眠いって言ってるんだよ」
「じゃ、きっと類似だ」
「つくし似でしょ?」
 言い合いながら、くすくすと笑う。
 
 幸せで、平和な時間。
 あたしがずっと望んでいた幸せ。
 こんな日が、ずっと続けば良いのに・・・・・。

 唇に、柔らかい感触を感じた。
 類の手が、あたしの髪を優しく撫でる。
 軽く触れ合うだけのキスが、心地いい。

 「・・・・・あと2ヶ月か・・・・・。2人きりをちゃんと堪能しておかなきゃ」
「そうだね。生まれたら、きっと忙しいよね。やったことないから想像つかないけど・・・・・。知り合いに双子ちゃんとかもいないし。あ、でもたまに街中で双子ちゃん用のベビーカー、見るよね。あれ、どうなんだろう。横並びのと縦並びのとあるけど、どっちが使いやすいのかな」
 うーんと悩むあたしを、おかしそうに眺める類。
「さあ。どっちにしろ大きくて大変そうだけど・・・・・。でも、2人並んでる方が顔も一緒に見れるしお互いの存在も近くて良さそうな気がする」
「そうかな。どっちかが泣き出したら伝染するのも早そうだけど・・・・・。あーでも2人並んでるって良いよね。絶対かわいいもん。じゃ、横並びにしようかな」
「・・・・・ベビー用品のお店、見に行こうか。そろそろ揃えておいてもいい時期だし」
「うん!」
 本当は、花沢の両親がいろいろ用意はしてくれているのだけれど、やっぱり自分たちでも選びたい。
 そう思っていたあたしの気持ちを察して、類が両親に『頼みたいときは言うから』と言っておいてくれた様だった。
 それでも、ベビー服やおもちゃなど、外国製のかわいらしいものがよく送られてくる。
 『かわいいのがあったから、つい買っちゃったわ』と義母に言われれば、それをつき返すわけにも行かないし、本当にかわいいものが多くてあたし自身気に入ってしまうのだから仕方がない。
 そんな感じで、我が家にもたくさんのベビー用品が溜りつつあったのだ・・・・・・。


 -rui-
 9月に入り、いよいよつくしのお腹もはちきれんばかりの大きさになり、さすがに動くのが大変そうだ。
 それでも毎日料理を作ったり散歩に出たりと、体を動かしていないと落ち着かないというあたり、つくしらしいといえばつくしらしいのだけれど・・・・・。

 「つくし、あんまり派手に動くなよ。安定期って言ったって、転んだりしたら危ないんだから」
 俺の言葉にも、つくしは軽く笑うだけ。
「大丈夫だよ。昨日も白井先生、問題ないって言ってくれてたし。双子ちゃんは相変わらず元気に動いてるって」
 そう言ってうふふと嬉しそうに笑う。
 歩くのも大変そうなのに、毎日つくしは幸せそうに笑う。
 やっぱり母性というものなんだろう。
 そんなつくしを見ているとこっちまで嬉しくなるし、幸せな気分になる。
 『癒されに来た』と言っては、総二郎やあきらも毎日のように顔を出す。
 花沢家は今までにないほど、毎日が活気に溢れていた。

 そんなある日、俺とつくしはベビー用品を買いに行こうと車で出かけた。
 つくしが最近ネットにはまっていて、ネット検索で見つけた店があるのだと言う。
「通販で全部揃えちゃってもいいんだけど、どうせなら自分の目でいろいろ見たいじゃない?」
 と言うつくしらしい理由で、2人で見に行くことに。

 駐車場に車を止め、エレベーターに乗るべく歩いていると―――

 「ママー!」
 子供の声に振り返ると、2歳くらいの小さな女の子がこちらに向かってかけてくるのが見えた。
 あれ?と不思議に思って見ていると、その後ろの車から、お腹の大きな女性が降りてくる。
「まどか!ママこっちよ!」
 どうやら似たようなマタニティを着たつくしを見て、母親と勘違いしたらしい。
 女の子は母親の声に振り向き、またすぐに戻ろうとする。が、その時―――

 「危ない!」
 
 女の子が振り返った瞬間、そこに駐車していた車が急にバックしてきたのだ。
 きっと、小さな女の子の姿に気がつかなかったのだろう。

 考えている余裕はなかった。
 俺はすぐに駆け出し、女の子の体を抱えるとその向こうへ体を躍らせた。
 「類!」

 間一髪、俺は車を避けることが出来、女の子も無傷だったようで泣きながら母親の元へ走っていく。
「まどか!!」
 母親が女の子を抱きしめる。
 車に乗っていたらしい父親が運転席からでてきて、俺のほうへ駆けて来る。
「大丈夫ですか!!」
 バックして来た車の運転手も、慌てて車を止め、駆け寄ってきた。
「すいません!気がつかなくて・・・・・大丈夫ですか!」
 見れば、まだ若い女性で後部座席にはチャイルドシートにやはりこちらも小さな男の子を乗せていた。
「大丈夫です。お子さんは・・・・・」
 女の子を抱いた母親も駆け寄ってきた。
「ありがとうございます!」
「おい、まどかは・・・・・」
「大丈夫、なんともないわ。本当に、なんてお礼を言っていいか・・・・・」
 涙ぐむ母親に、笑って見せながら首を振り、つくしの方を見て・・・・・・
「つくし!?」

 つくしが、さっきまで立っていた場所でうずくまっていた。

 その体の下には、水溜りのような液体が広がっていていたのだった・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さあ、いよいよです!

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Smile for me 2 ~花より男子・総つく~

Category : Smile for me ~花より男子・総つく~
 あいつの笑顔を独り占めしたくて。

 強引だって言われても良い。

 あいつの隣には、いつでも俺がいたかったんだ。


 Smile for me 2

 講義が休講となり、俺は類の姿を探して高等部の非常階段へ向かった。

 あいつが未だにあの非常階段へ通うにはわけがある。
 他でもない、牧野のため。
 今はもう大学も辞めてしまった牧野が、未だよく顔を出すのがその非常階段で・・・・・。

 非常階段を上がっていくと、案の定類の姿が見えた。
 珍しく、声を上げて笑っている。
 そしてその横には、やっぱり牧野が・・・・・・。

 「あ、西門さん」
 牧野が俺に気付き、そのはじけるような笑顔を俺に向けた。
「・・・・・類、今野教授が探してた。レポート提出してくれって」
 俺の言葉に、類がああ、と頭をかいた。
「やば、忘れてた。わざわざ探しに来てくれたの?携帯に連絡してくれれば良いのに」
 類の言葉に俺は肩を竦めた。
「お前、電源切ってるだろうが。たぶんここだろうって思ったから」
「ふーん。じゃあね、牧野、また」
「うん」
 牧野に手を振り、その場を後にする類。
 俺はそれを見送り・・・・・
 くるりと牧野に向き直った。
「な、なに?」
「何?お前は、何してんの?」
「え・・・・・。今日は休みだから、ここで休んでたんだけど」
 しれっとそんなことを言う牧野に、溜息が出る。
「休みのときは知らせろって、言っただろ?」
「だって、西門さんは今日大学でしょ?」
「お前は土曜も日曜も仕事だろうが!だから、俺がお前に合わせるって言ってんのに」
「・・・・・講義が終わるころ、メールしようかなって思ってたんだけど・・・・・・」
 意外な言葉に、俺は一瞬呆けた顔になる。
「俺に・・・・・・?」
「うん。その後、すぐに会えるかと思って、ここにいたんだけど・・・・・・。ダメだった?」

 ―――やられた。

 こいつは超がつくほど鈍感なくせに、時々こういうかわいいことを言い出したりするんだ。
 それも、無自覚なままその大きな瞳で俺を見上げて・・・・・。

 そのままうっかり、牧野のペースに嵌りそうになり、はっとする。
「お、お前な、それなら何で類と会ってたりするんだよ?」
「何でって・・・・・。ここで寝てたら、類がきたの。ここは、類もよく来る場所だし、別に珍しいことじゃ・・・・・」
「ちょっと待て。お前、ここで寝てたのか?」
「え?うん。本読んでたんだけど、気付いたら寝ちゃってて・・・・・。目が覚めたら、隣に類がいたの」
「・・・・・お前なあ、男の隣で無防備に寝たりすんなよ!」
「そんなこと言ったって・・・・・・。大体、そんなのいつものことだし、類だって気にしてないよ」
 牧野の言葉に、俺は再び溜息をつく。

 ―――やっぱりこいつは何もわかってない。類の気持ちも、俺の気持ちも・・・・・・

 「西門さん?」
 牧野が、不思議そうに俺の顔を覗き込む。
 突然牧野の顔が間近に迫り、俺は柄にもなくドキッとして目を逸らした。
「あ、あのな、これからはここに来る前にメールしろよ」
「どうして?」
「どうしても。心配しなくても、俺はちゃんと卒業できっから。俺は、もっとお前と会いたい」
 その言葉に、牧野の頬が見る間に染まる。
 そんな牧野がかわいくて、思わずその肩を引き寄せ、抱きしめる。
「そういう顔を、他のやつに見せたくないんだよ」
「そ、そういう顔って・・・・・?」
「かわいくて・・・・・抱きしめたくなるような顔」
「そんな顔、してない・・・・・・」
「してる」
 牧野の髪をそっと指に絡め、耳の後ろを掠めるように触れると、牧野の肩がぴくりと震え、耳まで真っ赤になった牧野がそろりと顔を上げる。
「・・・・・類の前で、寝たりするなよ。類と2人きりになったりするな。それから・・・・・・」
「まだあるの?」
 照れたように、呆れたように上目遣いで俺を見る。
「あんなふうに、類の隣で笑うなよ・・・・・・」

 牧野の頬に、そっと手を添える。

「お前の笑顔は・・・・・・俺だけのもんだ・・・・・」

 牧野が何か言うより前に、その唇を塞ぐ。

 長く、甘いキス。

 漸く唇を離すころには牧野の瞳は潤んでいて。

「・・・・・我侭」
「良いさ、そう言われても。お前を・・・・独り占めできるなら」
「・・・・・じゃあ、あたしも我侭言っていい・・・・・?」
「ん?」
「西門さんの笑顔も・・・・・・あたしだけに見せて?」

 恥ずかしそうにそう言った牧野にちょっと驚いて。

 だけど嬉しくて。

 もう一度、牧野の唇にキスをした。

「そんな我侭なら、いくらだって聞いてやる・・・・・」

 そうして俺は、牧野の体を抱きしめた・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総ちゃんファンのリクエストに漸く答えることができて、わたしもうれしいです♪
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White Wedding ~花より男子・類つく~

Category : White Wedding ~花より男子・類つく~
 *このお話は、「White Christmas」の続編になります。


 「そろそろ来るころだねえ」
 店長がニコニコと笑う。
 あたしは時計を見て、時間を確認した。

 店が閉まるのは7時。
 それから後片付けをして、店を出るのは7時半ごろ。

 いつも閉店ごろに現われるのが、彼の常だった。

 クリスマスにバイトしていた洋菓子店でそのままバイトを続けているあたし。
 どこか父親にも似た感じのあるちょっとぼんやりした感じの、優しい店長。
 ここでバイトを始めてから、もう半年が過ぎようとしていた・・・・・。

 「おつかれ」
 いつものように現われた類。
 店長が奥から顔を出して軽く会釈する。
「・・・・・店長さんも、もう終わりだよね」
「うん、片付けが終わったら帰ると思うけど・・・・・何?店長に用事?」
 不思議に思って聞くと、類はちょっと頷いて微笑んだ。
「ん、ちょっと・・・・・。牧野、着替えておいでよ。ここで待ってるから」
「ん?うん、わかった」
 そう言ってあたしは店の奥へ入って行ったのだった・・・・・。

 
 着替え終わり、外へ出ると既に車に乗った類がそこで待っていた。

 「・・・・・店長と、何話してたの?」
 助手席に乗り込み、聞くと類はちらりと視線だけをあたしに向けた。
「ん?まだナイショ」
「ナイショって・・・・・なんか企んでる?」
 訝しげに聞くあたしの言葉に、くすくす笑う類。
「そのうち話すよ。今はまだダメ」
「なんで?」
「だから、まだ言えない」
「ふーんだ」
 ぷうっと頬を膨らませる。
 それを見て、ますますおかしそうに類が笑う。
 ツボに嵌ると、なかなか笑いが止まらないらしい。
「・・・・・来週」
「え?」
「日曜日、空けといて」
「日曜日?何かあるの?」
「日曜日になったら教えてあげる」
 にっこりとそう告げられたら、それ以上突っ込んで聞くことはできなかった・・・・・。


 そして翌週の日曜日。
 類に連れて来られたのは、海の見える白いコテージ風の別荘だった。

 「そっちの部屋で、着替えて来て。服が置いてあるから」
 そう言って示された部屋に入る。
 なんだか強引にここまでつれてこられてしまったけれど、類が何をしようとしているのかはまだ聞くことが出来ず・・・・・
 あたしは首を傾げつつ、とりあえず言われたとおり着替えようとテーブルの上にあった大きな箱を開けたのだった・・・・・・。


 「類!!」
 着替えを終えたあたしは、部屋を飛び出して類を探した。
リビングはがらんとして類の姿はなくなっていた。
 慌てて別荘の中を探し回り・・・・・

 漸く見つけたのは、海が目の前に広がる、広いテラスだった・・・・・。

 そこにいたのは、白いフォーマルのスーツに身を包んだ類。
 あたしに気付くと、嬉しそうに微笑んだ。
「すごい、きれいだよ」
「どうして・・・・・・」
 戸惑うあたしにゆっくり近づいてくる類。
 そして、手に持っていたブーケをあしらったヴェールをあたしの頭に乗せた。

 それは、シンプルだけどオーガンジーの素材がふわりと花のように広がったウェディングドレスと見事にマッチしていて・・・・・。

 「どうして?」
 もう一度聞くあたしの左手を取り、薬指にすっと指輪をはめた。
 プラチナ台に小ぶりだけれど本物のダイヤが載ったかわいいデザインの指輪。
 あたしは信じられない思いで類を見つめた。
「・・・・・結婚して欲しい」
「だけど、こんな、急に・・・・・あたし、まだ類の両親にも挨拶してないのに・・・・・・」
「報告はしたよ。好きな人がいるから、結婚しますって。それから、牧野の両親にも・・・・。すごく喜んでた」
 類の話に、あたしは呆気に取られて声も出ない。
「・・・・・牧野が迷ったり、逃げたりする余裕がないように、準備は万全。婚姻届も用意してあるよ。後は牧野のサインだけ」
 得意げに微笑む類。
「・・・・・こっち、来て」
 そう言って、手を引かれる。
 あたしはドレスの裾を踏まないよう、慌てて類についていく。

 「店長さんに、作ってもらったんだ」
 リビングに戻り、そこにあった大きな箱をゆっくりと開ける類。
 中から出てきたのは、真っ白いクリームとベビーピンクのクリームで作られたバラの花で彩られた、立派なウェディングケーキだった・・・・・・。
「すごい・・・・・・」
「でしょ?俺もまさかこんなに本格的なものつくってもらえると思ってなくて・・・・・。若い頃、イタリアの三ツ星でパティシエやってただけのことはあるね」
「ええ!!ほんとに?初耳!」
「牧野のためだったらって、喜んで作ってくれたんだ」
「店長が・・・・・・」
 いつの間にか、涙がこみ上げてきていた。
「・・・・・これから、いろいろ苦労させるかもしれない。だけど、俺は牧野にはいつも牧野らしくいて欲しいと思ってるし、変な形式とか、気にして欲しくない。牧野は牧野のやりたいように・・・・・・。俺は、どんな牧野でも好きだから」
 ゆっくりとあたしを見つめる瞳は、暖かくて、優しくて・・・・・。
「類・・・・・・ありがとう。嬉しいよ・・・・・」
「結婚・・・・・してくれる・・・・・・?」
 類の言葉に、あたしは微笑み、頷いた。

 ゆっくりと唇が重なる。

 耳元に囁かれる、甘い声。

 「ずっと、俺だけのものでいて・・・・・・・」

 静かな波の音がBGMとなり、あたしたちは幸せのヴェールに包まれながら、再び誓いもキスを交わしたのだった・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 クリスマスのお話の続編と言うことで、悩んだ結果こういうお話になりました。
 次回は漸く総つく、書けるかな?

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導火線 vol.23 ~花より男子・総つくバージョン~

Category : 導火線 (完結)~花より男子・類総つく~
 *このお話は2バージョンに分岐されています。
 『類つくバージョン』と『総つくバージョン』、交互にUP予定です。
 紛らわしいと思われる部分もあるかと思いますが、どうぞ終了までお付き合いくださいませ。


 ~総つくバージョン~
 -tsukushi-

 抱き寄せられて、深く口付けられているのが、まるで夢の中のことのようだった。

 唇を開放されて、その黒い瞳に見つめられているのに気付き、あたしは慌てて西門さんから離れようとしたけれど・・・・・。

 「・・・・・離して」
「・・・・・いやだって言ったら?」
「困らせないで・・・・・。今日は、ここに来るだけって話だったでしょ?」
「そのつもりだった。それでもう・・・・・諦めようと思ってた。でも・・・・・」
 腰に回ったままの西門さんの腕に力がこもる。
「諦めるなんて、無理だ。こんなに・・・・・好きなのに、その気持ちを忘れるなんて、出来ねえよ」

 そうしてまた、西門さんがあたしを抱きしめ・・・・・首筋に、顔を埋めるように口付ける。
「や・・・・・。やめて・・・・・」
 着慣れない着物のせいもあって、思うように体が動かない。

 口付けられたところから、熱を帯びていくように体が熱くなるのを感じる。

 ―――ダメ、このままじゃ・・・・・

 流されてしまうような気がした。
 拒絶しようと思えばできるはずなのに、そうしてはいけない気がして・・・・・。

 「お前の・・・・・・本当の気持ち、聞かせろよ・・・・・」
 耳元で、低く囁かれる言葉に、あたしの体は震える。
「本当の、気持ち・・・・・?」
「類のこと関係なしにして・・・・・俺のこと、どう思ってる・・・・・・?単なる友達か?それとも・・・・・」
 体を離され、至近距離で見つめられる。
 胸が、どきどきして止まらない。
「さっきから、お前のドキドキしてんのが、伝わってくる・・・・・・。キスも・・・・・嫌がらなかったよな」
「そ、それは、西門さんが・・・・・!」
「俺が無理やりしたから?けど、お前は無理やりされたからってそのまま雰囲気に流される奴じゃねえだろ?今、流されてるとしたら、それは俺のせいじゃない・・・・・。おまえ自身の気持ちが、俺に動いてるってことじゃねえのか?」
 真っ直ぐにあたしを見つめる、西門さんの瞳。
 逃れられない。
 そんな気持ちにさせられる。

 そのとき、あたしのバッグの中の携帯が着信を告げた。

 はっとして西門さんから離れ、バッグの中の携帯を取り出す。
「―――もしもし」
 かけてきたのは、類だった。
『牧野?終わった?』
「あ・・・・・うん、これから出るところ」
『迎えに行こうか?』
「だ、大丈夫。類、今日は忙しいんでしょ?」
『少しくらいなら、抜けられると思うけど』
「うん、でも悪いし。今日はもう帰るだけだから、大丈夫」
『・・・・・・そう。わかった。じゃあ気をつけてね』

 類との電話を終え、あたしは再び携帯をバッグにしまうと、本当にもう帰ろうと入り口の方を振り返ろうとしたが―――

 突然、後ろから西門さんに抱きしめられ、身動きが出来なくなってしまった。
「離して」
「・・・・・だから、迎えに来てもらえばよかったのに。そうしたら俺も諦めるかもよ?」
 からかうような口調。
 思わずカッとなって西門さんお手を振りほどこうとするあたしを、さらにきつく抱きしめる。
「やめて」
「男の力に敵うと思う?無駄だよ。場数が違う」
「威張らないでよ。もう帰るんだから・・・・・・離して」
「この着物、どうするつもり?」
 言われて、はっとした。
 そうだった。これ・・・・・西門さんに借りたものなんだ。返さなくちゃ・・・・・。でも、着替えを持ってきてない・・・・・。
「あ、明日・・・・・返すから、今日はこのまま帰らせて。着替えが・・・・・」
「着物の脱ぎ方なんかわかるの?脱いだ後の着物は?ハンガーにでもかけるつもり?」
「そ、それは・・・・・」
 そんなこと、あたしにわかるわけがない。
 それをわかってて言ってるんだから・・・・・どれだけ意地悪なんだろう、この人は。

 と、突然西門さんがくっと笑い、あたしを抱きしめる腕を緩めた。
「悪い。からかいすぎた」
 驚いて振り向くと、それでも甘さを含んだ真剣な目で、あたしを見る。
「だけど、俺の気持ちは本当。まだ諦めるつもりはないから。お前の気持ちが、少しでも俺に動いてるなら・・・・・強引にでも引き寄せて見せる」
「そんなこと・・・・・」
「とりあえず、今日のことは礼言っとく。困ってたのは本当だから。着替え、お前の家出る時にちゃんと預かってきてるよ。持ってきてやるから、その間にうちの人間に脱がせてもらいな」
 そう言うと、あたしの言葉を待たずにさっさと部屋を出て行ってしまう西門さん。

 程なくして、西門家のお手伝いさんが2人入ってきたかと思うとあっという間にあたしが着ていた着物を脱がせ、西門さんから預かったらしいあたしの着換えを差し出してくれたのだった・・・・・。

 来たとき同様、西門さんの車に乗せられ、家まで送ってもらうあたし。

 なんだかあっという間の出来事で、思考のほうが着いて行ってない気がした。

 果たしてさっきまでのことは本当なのかしらと疑いたくなってくる。

 ちらりと横顔を盗み見てみれば、そこには涼しい顔でハンドルを握る西門さん。
 いつもと何も変わらない。それはもう、憎たらしいほどに・・・・・。
 なんだか、どきどきしていた自分が馬鹿らしくも思えてくる。

 「・・・・ついたぜ」
 西門さんの声に、はっとする。
 気付けばもう車は家の前に止まっていた。
「もしかして、俺に見惚れてた?」
 にやりと笑う、きれいな顔。
「そ、そんなんじゃないわよ!じゃ、さよなら!」
 そう言って勢いよく出て行こうとして―――

 ふいに腕をつかまれ、体ごと引き戻される。
「な―――」
 文句を言おうとして開いた唇に、暖かい感触。

 あまりにも早業過ぎて、怒るのも忘れていたんだと思う。

 次の瞬間には腕を離され、耳元に甘い囁き―――

 「―――キスするごとに、お前は俺を好きになっていくよ」

 気付けばあたしはアパートの前で1人立ちすくんでいた。
 既に西門さんの車は行ってしまった後。

 だけど、唇にはしっかりとそのぬくもりが残されていた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総つくは、やっぱり総二郎が強気に出るのが一番かな?

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ひざまくら 2 ~花より男子・類つく~

Category : ひざまくら ~花より男子・類つく~
 「浮気もの」
 告げられた言葉に、顔が引き攣る。
「だから、何でそうなるの」
「総二郎と会うこと、俺に黙ってたでしょ」
 ぷい、と顔を背ける。
 こういうところは、まるで子供みたいだ、と思うけれど。
 一度不機嫌になってしまうとなかなか機嫌を直してくれない。

 どうしたものかと思い溜息をつくと、諸悪の根源がくすくすと笑い出す。
「言いながら、牧野に膝枕してもらってくるくせにな。お前ら、相当なバカップルだぜ?」
 その言葉に、類がぴくりと眉間に皺を寄せるが、あえて何も答えず、西門さんの方を見ようともしない。

 新作着物のお披露目、というものにモデルとして借り出されたあたしは、何を間違ったか西門さんのお母さんにえらく気に入られてしまい・・・・・。
 ことあるごとにお茶会だ、また新作の着物が入っただのと言ってはあたしを招待してくれるのだ。
 もちろん気に入られて嬉しくないわけではないし、嫌われるよりはずっといい。
 でも、そうやって招待されるたびに類の機嫌は悪くなる一方で・・・・・。
 もちろん西門さんの家に行くときは類にも言っているし、一緒に行けるときは同行してもらっている。
 だけど、あたしと類の関係を知っているにも拘らず、西門さんのお母さんはにこやかにこう言い放つのだ。

 「牧野さんと総二郎さんの子供だったらさぞかしかわいい子が生まれるでしょうね」

 この言葉で、類がその日一日不機嫌だったことは言うまでもなく・・・・・

 そして今日。
 たまたま類が不在だったときに西門さんに『お袋が呼んでる』と連れ出された。
 普段話もしない母親がここのところ機嫌が良いと言うので、西門さんもあたしを連れ出したがるのだ。
 
 そうして出かけた先にいた西門さんのお母さんのお買い物に付き合い・・・・・その途中、類からの電話であたしは大学まで戻ることになったのだ。
 西門さんの車で大学まで戻ると、そろそろ空が茜色になってきていて、その茜色に照らされた芝生に、類は寝そべっていた。

 「ここで待ってるって言ってたのに」
 類はあたしたちのほうも見ずにごろりと寝返りを打った。
「そう言うなよ。ちょうどお前いなかったしさ、5時までには戻るつもりだったんだ。うちの母親の我侭だし、俺が無理に連れ出したんだ、大目に見てくれ」
 西門さんに促され、類の傍に膝をつくと類があたしの膝に頭を乗せる。

 最近、ご機嫌のよくないときの類の定位置となりつつあるそこで、類は目を閉じた。

 「・・・・・本気で、総二郎と結婚させるつもりなんじゃないの?」
 類の言葉に、あたしはちょっと笑った。
「まさか。そうじゃないから気楽に付き合えるんだよ。たぶんね、予行演習のつもりなんじゃない?お嫁さんになる人とうまく付き合えるように」
 あたしの言葉に今度は西門さんがげんなりとする。
「おい、止めてくれよ。冗談じゃない」
 そう言いながらも母親と出かけるのがまんざらいやそうでもない西門さん。
 やっぱり、家族思いな人なんだと思う。

 やぶへびと思ったのか、西門さんはその後あたしたちをまた例のごとくからかい、その場を後にした。
「・・・・・すぐに連絡しなくて、ごめんね」
 薄茶のさら髪を撫でながら、あたしが言うと類はその瞳をあたしに向けた。
「・・・・・わかってるよ。総二郎に引っ張られて行って、後はあのおふくろさんに捕まって電話する暇がなかった。だろ?」
 類の手が伸びて、あたしの頬に触れた。
「わかってると思ってた・・・・・・」
「理屈ではわかってても、やっぱりむかつく。俺がいないときにっていうのがわざとっぽい」
「まさか、考えすぎだよ。西門さんも、素直じゃないからお母さんと2人だと普通に話せないけど・・・・・間にあたしを挟んでると、ちゃんと普通に会話してる。でしょ?」
「だね。俺も驚いた。あんなに素直な総二郎は見たことないよ」
 ふっとおかしそうに笑う。
 漸くいつもの彼に戻ってきたようだった。
「でも今度から総二郎には釘を刺しておかなくちゃ。俺がいないときは連れて行くなって」
「心配ないのに」
「気付いたら西門家の嫁になってたなんてしゃれにならないから」
 首の後ろに手が回り、ぐっと引き寄せられる。
 そのまま唇が重なり、甘いひと時が訪れる・・・・・。

 「・・・・・機嫌、直った?」
 あたしの言葉に、類が優しく微笑む。
「後30分、こうしてくれてたらね」
「30分?足がしびれちゃうよ」
「牧野のこと、心配しすぎて眠くなったから。もう少し、がんばってよ」
 そう言って類は大きなあくびをすると、目を瞑ってしまった。

 あたしは溜め息をつきつつも・・・・・
 
 天使の様な類の寝顔を眺めて、柔らかな彼の髪を撫でたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 続編第2弾は、「ひざまくら」でした♪
 やっぱり類つく強し・・・・・。
 1度続編でアップしたお話は、投票数を全てクリアします。
 でもこうしてると類つく、総つくが多くなりそう・・・・・・。
 あきつく・つかつくも応援してくださいね~(^^;)

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Sweet Angel vol.46 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 ―――パ――――ン!!

 という大きな音とともに打ち上げられる花火たち。
 道明寺邸の屋上でそれを眺めながら、あたしたちは思い思いの格好で楽しんでいた。

 あたしは大きなカウチソファーに類と並んで座り、手を繋いで・・・・。

 「ね、赤ちゃんにもこの音、聞こえてるよね」
「ん、これだけの大きな音だからね。びっくりしてるかも」
「楽しんでるよ、きっと」
「つくしのほうが楽しそうだよ」
 類がくすくすと笑う。
「だって、花火ってなんか興奮する。類は嫌い?花火」
「う~ん・・・・・煩いよね。でも・・・・・つくしとこうして一緒に見るのは、ちょっと楽しい」
「ちょっとだけ?」
 なんとなくおもしろくなくってそう聞くと、類があたしを見て笑う。
「音が、大きすぎるんだよ」
「確かにね。でも、それがまた良いんだよ。迫力、あるじゃない?」
 そう言って、また夜空を見上げる。
 
 次々に上がる花火で、まるで昼間のように明るくなった空。

 あたしのお腹では、さっきからとんとんと元気にキックしてる赤ちゃんたち。
 また来年、ここで花火を見るときにはきっと2人の可愛い子供たちが一緒にいるはずで・・・・・。
 そう思うと、不思議な気持ちだった。

 「命って、なんかすごいね・・・・・」
「うん・・・・・」

 改めて、この世に生を受けたことに感謝する。
 そして、新しい命を授かったことに・・・・・。

 「あれ・・・・・なんだろう」
「へ?」
 類の呟きに、思わず変な声が出る。
「ほら、あれ・・・・・。こっちにくるみたい・・・・・・」
 指差す方を見ると、花火が上がっているのとは違う方向に、光が動いているのが見えた。
「何・・・・・?」
 
 全員の視線が、そちらへと向いた。
 徐々に近づいて来るそれの姿が、次第にはっきり見えてくる。

 そしてそれがなんだかわかると、みんなの表情が驚きに・・・・・・


 バラバラと大きな音を立てながらあたしたちの目の前に現れたのは、1基のヘリコプターだった・・・・・。

 屋上のヘリポートに舞い降り、そこから現われたのはもちろん―――

 「道明寺!!」

 黒いランニングにジーパンという姿でヘリコプターから降り立った道明寺は、にやりと微笑みながら、あたしたちのほうへゆっくりと歩いてきたのだった・・・・・。

 「よお、何だよお前ら、揃ってアホヅラしやがって。屋敷の主が現われたのがそんなに不思議なことかよ?」
 道明寺の言葉に、最初に反応したのは類だった。
「そりゃ、驚くでしょ。日本に帰ってくるなんて聞いてなかったからね」
 と言って肩を竦める。
 その言葉に、道明寺は声を上げて笑った。
「そりゃそうだ。言ってなかったからな」
「びっくりした!何で急に?仕事は?」
 あたしの言葉に、道明寺はちらりとあたしの方を見た。
「その仕事で、来たんだけどな。それは明日から。たぶん今日はここに集まってるだろうと思って、今日の仕事を早めに片付けて飛んできた。何とか間に合ってよかったよ」
 そう言いながら、あたしの傍まで来た道明寺は、じっとあたしのお腹を見つめた。
「すげえな。この間は全然目立たなかったのに・・・・・。双子だって?また無理して、倒れないようにしろよ?」
「うん、気をつけてるよ」
「そうか」
 ほっとしたように微笑む道明寺のところへ、みんなが集まってくる。
「司、お前連絡くらい入れろよ」
 そう言ったのは美作さん。
「マジ、驚かせすぎ。ここんとこ電話にも出なかったくせに」
 そう呆れ気味に言ったのは西門さん。
 F4が揃うのも、あたしたちの結婚式以来だった。
「わりいな、さっきまでマジで忙しかったんだよ。でも牧野のことが心配だったし・・・・・あと、これ持ってきてやったぜ」
 そう言って、道明寺はにやりと笑うと持っていた紙袋とぽんとあたしに投げて寄越した。
「へ・・・・・何?」
 袋を開けて、中に入っていたものを出してみると・・・・・
「あ!!これ!」

 入っていたのは、あの結婚式のときの写真で・・・・・。

 「いつの間にこんなの、撮ってたの?」
 隣で写真を覗き込んで来た類が目を丸くする。
「式の前に・・・・・3人がね、あたしとの写真・・・・・記念に撮りたいっていうから・・・・・」

 それは、ウェディんドレスに身を包んだあたしと、3人それぞれとのツーショットの記念写真。
 あまり時間がなかったから、急いで撮ってもらったものだけど・・・・・。
 
 さすがというべきか、カメラマンの腕がよかったのだろう。
 どれもとてもきれいに仕上がっていた。

 「そっか。だから・・・・・。変だと思ったんだ。3人ともなかなか式場に来ないから」
 類の言葉に、3人が顔を見合わせる。
「それそれ。絶対類に感づかれると思ったから、慌てちまったんだよな」
 道明寺の言葉に、美作さんと西門さんが肩をすくめる。
「で、司が連れてきたカメラマンだったからそのまま司と一緒にN.Yに帰っちまって・・・・・。いつになったら見られるのかと思ってたぜ」
「まさか直接持ってくるとはな」
「まあそう言うな。遅くなっちまったけどよ。良く撮れてんだろ?」
「ああほんと。きれいに撮れてんじゃん。なあ、つくし」
 美作さんと写ってる写真。
 他のもそうだけど、どれもまるで本当の結婚写真みたいで・・・・・なんだか照れくさくなる。

 「確かにきれいだけどさ・・・・・。まるきり重婚みたいだよ、これ」
 不機嫌そうに写真を見て呟く類。
 並べられた3枚の写真。
 確かに、これじゃ重婚に見えるわ・・・・・。
 そう思い、あたしは乾いた笑いを浮かべたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いつの間にやら神出鬼没のキャラになりつつある、司です。

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Special Thanks. 2 ~花より男子・類つく~

Category : Special Thanks. ~花より男子・類つく~
 『大好き』

 たった一言のメール。
 でもそれだけで伝わるはずだった。

 それは、彼とあたしだけの暗黙のルール・・・・・・。


 バイトに遅刻しそうだったあたしを、車に乗っけて送ってくれた花沢類。
 バイトはぎりぎりセーフ。
 ちゃんとお礼をいう暇もなかったから、せめて一言メールで・・・・・・。

 『大好き』

 あたしが、類だけに使う『ありがとう』の代わりの言葉。

 それをまさか、間違って美作さんに送信しちゃうなんて・・・・・・。

 まさに最悪の失敗だった。

 そしてバイトが終わったあたしを待っていたのは絶対零度の身も凍るほどにぞっとする冷ややかな瞳であたしを見つめる花沢類だった・・・・・。

 「あきらから、自慢げに転送されてきたよ。これどういうこと」
 そう言って見せられた携帯の画面には、あたしが類に送ったはずのメールが・・・・・。
 すぐには、分からなかった。

 ―――美作さん?転送?何のこと?

 花沢類は、むっとして黙ったままだ。
 すぐに、自分の携帯を確かめる。
 そして、最悪の失敗に気づいた・・・・・。
「やだ!あたし間違って美作さんに・・・・・!違うの、花沢類。このメール、花沢類に送るつもりだったの。本当だよ、休憩時間に、慌ててやったから・・・・・」
 慌てて言い訳を始めるあたしを、変わらず冷ややかな瞳で見つめる類。

 ―――これはやばい。本気で怒ってる・・・・・よね・・・・・?

 あたしの背中を冷たい汗が伝って行った。
「ねえ、花沢類、これは間違いなの・・・・・」
 どうしよう?どう言えばわかってもらえるだろう?
 どんな言い方をしても、ただの言い訳に聞こえる気がしてしまい、あたしはそれ以上何も言えなくなってしまった。

 やがて、花沢類はあたしに背を向け、車のドアを開けた。
「花沢類!待ってよ!」
「・・・・・たとえ間違えだって、俺以外の男に『大好き』なんて・・・・・。そう簡単に、笑って許せないよ」
 さっと、血の気が引くのがわかった。
 本気で怒ってる花沢類の低い声が、あたしの胸に突き刺さる。

 そのまま類は車に乗り、走り去ってしまった。
 
 あたしはそのままその場から動くことが出来ず・・・・・・。

 冷たい夜風が吹き付ける道の真ん中で、立ちすくんでいた。

 どのくらいそうしていたかわからない。

 突然後ろから、ふわりと何かを肩にかけられて・・・・・
「・・・・・いつまでそうしてるの・・・・・風邪、ひくよ」
 ゆっくりと振り向けば、そこにはちょっと決まり悪そうな顔をした類が・・・・・。
「花沢類・・・・・どうして・・・・・・」
「・・・・・気になって・・・・・」
 その言葉を聞いた瞬間、あたしの目から涙が溢れ出した。
 あっという間に視界が涙でぼやけ・・・・・
 次の瞬間には、あたしの体は類の腕に抱きしめられていた。
「・・・・・悔しかった・・・・・牧野と俺だけのルール、あきらに知られたみたいで・・・・・。ガキっぽい嫉妬だってわかってるけど・・・・・抑えられなかった・・・・・・。ごめん・・・・・」
「謝らないで・・・・・。悪いのは、あたし・・・・・。ごめんなさい」
「でも、牧野を泣かせたのは俺だよ・・・・・。家に帰って・・・・・でもやっぱり気になって、牧野の家に行った・・・・・。でも、まだ帰ってないって・・・・・。まさか・・・・・まだここにいるなんて思ってもみなくて・・・・・」
 類が、腕の力を緩め、あたしの顔を両手で挟み込むようにして見つめた。
「こんなに冷たくなって・・・・・馬鹿だな、あんたは」
「だ・・・・・って・・・・・どうしたらいいか・・・・・どうしたら類に許してもらえるのか・・・・・わからなくて・・・・・」
 泣きながらそう言うあたしを見て、ふっと優しく微笑む類。
 そして、耳元に唇を寄せると、甘く低い声で囁いた・・・・・。
「そういうときのために、あの言葉があるんじゃないの・・・・・?」
「え・・・・・」
 そして今度は、にっこりと満面の笑み。
「俺と牧野だけの・・・・・特別な言葉」
 あたしは類を見つめ、小さな声で聞いた。
「言っても、良いの・・・・・?」
「俺にだけ、ならね・・・・・。メールなんかじゃなくて・・・・・直接言ってくれたら良かったんだ・・・・・」
 類の冷たい手が、あたしの頬を撫でる。

 息がかかるくらいの距離で、見つめ合う。

 そうだ・・・・・。

 どうしてもっと早く気付かなかったんだろう・・・・・。

 類の傍で。
 
 類の為にだけ・・・・・。

 「大好き、だよ・・・・・類・・・・・」

 そうすれば、いつでも彼は、あたしだけにその甘い微笑をくれるのに・・・・・・

 「俺も・・・・・大好きだよ・・・・・・」

 そして、蕩けるくらい、甘いキスを・・・・・・

 「つくし・・・・・愛してる・・・・・・」

 蕩けるくらい、甘い言葉を・・・・・・

 あたしだけに・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 投票スタート時こそ、総つくの「Smile foe me.」にリードされていたものの、やはり類つく強し!で、見事に逆転。
 第1回目は「Special Thanks.」の続編でした♪
 次回もまた、投票結果を見て続編を書いて行きたいと思いますので、どうぞ投票に参加していってくださいね♪

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導火線 vol.23 ~花より男子・類つくバージョン~

Category : 導火線 (完結)~花より男子・類総つく~
 *ここより、このお話は2バージョンに分岐されます。
 『類つくバージョン』と『総つくバージョン』、交互にUP予定です。
 紛らわしいと思われる部分もあるかと思いますが、どうぞ終了までお付き合いくださいませ。


 ~類つくバージョン~

 -tsukushi-
 甘い口付けに、思わず酔いそうになっていたところで我に帰る。

 西門さんの胸を押し戻し、何とかそこから離れる。
「・・・・・止めて。こんなことまで・・・・・・聞いてないよ」
 あたしの胸は、まだどきどきと落ち着かない。
 西門さんが、切なげにあたしを見つめていた。

 暫くの沈黙の後、急に西門さんは笑顔になり、明るい声であたしに言った。
「試してみる気はないか?」
「何を?」
「俺と・・・・・ちょっとでも付き合ってみようとか、おもわねえ?」
 にやりと、口を端を上げて笑う。
 まったく、この人は・・・・・
「・・・・・どうしてそうやって、わざとナンパな言い方するの?」
 あたしの言葉に、西門さんはちょっと目を瞬かせた。
「わざと?」
「あたしがどう答えるか分かってて・・・・・わざと怒らせるような言い方、してるみたいだよ」
 西門さんは、黙ってあたしを見つめていた。
「本当は、そんなんじゃないでしょ?どうしてこんなことするの?」
 あたしの言葉に、西門さんはふっと笑った。
 何か、諦めきったような笑い方のような気がした。
「お前、俺のことなんだと思ってるわけ?俺は西門総二郎だぜ?お前のよく知ってる・・・・・女好きでちゃらんぽらんな、ただの遊び人だよ。最近、お前が妙にきれいになってきたからさ、ちょっと興味が湧いて来たんだよ。お前が、俺のこと好きになったりしたら類の奴がどんな顔するかなあなんて・・・・・」
「・・・・・からかっただけだって言うの・・・・・?あの日・・・・・館山であたしに言ったことも、全部冗談だったって言うの・・・・・?」

 館山で、西門さんは確かにあたしに言った。

 ―――気付いたらお前に会いたくて、毎日お前のことばっかり考えてる。他の女と遊ぶことなんて、今の俺には出来ねえ―――

 あのときの言葉が全部嘘だったとは、あたしには思えなかった・・・・・。

 「・・・・・冗談だったら、よかったのにな・・・・・」
「西門さん・・・・・」
 自嘲気味に、あたしから目を逸らして微笑む西門さん。
 胸が、苦しくなる。
 最近西門さんを見ていると、こんなふうに切なくなることが多い。

 それはきっと、西門さんの気持ちが、痛いほどに伝わってくるから・・・・・。

 「・・・・・冗談に、してくれよ。もう、こんなふうにお前を連れ出したりすることもない。これが最後だ・・・・・・。これで、類がヤキモキすることもなくなる。俺は・・・・・類を裏切りたくねえんだ」
「・・・・・終わり・・・・・?なかったことに、するの?全部」
「そのほうが、良いだろ?お前だって」
「そう・・・・・だね・・・・・」
 でも・・・・・。
「じゃあ、そういうことで。家まで送るよ。あー、それとも類の家に送って行った方が良いか?」
「ううん、うちでいい・・・・・」
「ん、じゃあ行こうぜ」
 歩き出す西門さん。
 でも、あたしは動けなくて。

 部屋を出ようとして、西門さんがあたしを振り返る。
「どうした?」
「それで・・・・・いいの?」
「は?」
「全部なかったことにして・・・・・。それで、またちゃらんぽらんな生き方をするの?それでいいの・・・・・・?サラさんのときみたいに・・・・・後悔はしないの?」
「・・・・・何が言いたいわけ?お前、俺に諦めて欲しいんじゃねえの?類が好きなんだろ?」
「そうだけど・・・・・」
「なら、俺が諦めた方が良いだろうが」
 どう言ったら良いのかわからない。
 だけど、このままにはしておけない気がした・・・・・。
「でも、ダメ。なんか違うよ。あたしのためとか、類のためとか、そういうんじゃなくて・・・・・西門さん、もっと自分のこと考えて。自分押さえ込んで、後悔だけ残して・・・・・それじゃきっといつか、西門さんだめになっちゃう」
「・・・・・俺は良いんだよ。これが、俺の生き方なんだ」
「嘘!そんなの無理してるだけだよ!何でもっと・・・・・本当の気持ち言ってくれないの!」
「本当の気持ち言ってどうなる?お前のこと好きだって言って・・・・・それでどうなる?お前の気持ちは変わらないんだろう?無理やり奪うことなんかできねえ!それなら・・・・・諦めるより他ないだろうが!」
「だけど友達だから!あたしは・・・・・西門さんと友達でいたい。だから、このままうやむやにしてしまうなんて、出来ないよ・・・・・・」
 
 どうしたら良いのかわからない。
 あたしの気持ちはどうしたって変わりようがなくて。
 類のことが好き。
 それは変わらない。
 だけど・・・・・
 西門さんのことだって、友達としてとても大切で、失ったりはしたくない。

 以前西門さんが好きだったって言うサラさん。
 彼女とのすれ違いで、西門さんもサラさんもお互いを避けるようになり・・・・・
 優紀が作ったきっかけによって後悔を思い出に変えたけれど・・・・・

 でも、あたしたちはどうなるの?
 サラさんのときみたいに・・・・・西門さんはあたしを避けるようになるんじゃないだろうか・・・・・?
 そうしたら・・・・・

 「あたしは・・・・・西門さんと友達でいたいよ・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 どこで分岐するか、ということを考えていたんですが・・・・・。
 なんだかんだで結構最後の方になってしまいました。
 どちらにしても、みんながハッピーで終われるようなお話にしたくて・・・・・。

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Sweet Angel vol.45 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -soujirou-

 「あっつい~~~」
 だるそうにつくしが手で顔を仰ぐ。

 8月。
 真夏の太陽が肌をじりじりと焼いていた。
 俺はつくしの手を取り日陰のベンチまで連れて行く。
「だから言っただろ?いくら散歩っつったって、こんな日中に来なくたって。夕方にすりゃあいいのに」
「だって・・・・・。家にじっとしてるのに飽きちゃって。せっかく西門さん来てくれたんだし、たまにはギラギラした太陽の下に出るのもいいかな~なんて」
「アホか・・・・・。夜にはまたみんなで花火大会見に外出るってのに、何でわざわざ・・・・・」
「・・・・・最近、西門さん忙しそうだし・・・・・。今月に入ってから、ゆっくりうちに来れるの初めてじゃない?家でのんびりもいいけど・・・・・たまには2人で出かけるのもいいかなって思ったんだけど・・・・・やっぱりこう熱いと、そんな気分にもなれないかな」
 少しがっかりしたような、申し訳なさそうなつくしの表情。
 
 他の誰でもない、俺のことを考えてくれたんだって知ってうれしくなる。

 俺ってこんなに単純だったか?
「いや・・・・・俺は嬉しいけど。そういうふうにつくしが思ってくれたってことが。つくしの体に負担にならなきゃ、どんな場所だっていいよ、俺は」
 そう言って笑うと、つくしも嬉しそうに微笑み俺を見上げる。
「そのうちまた、みんなで旅行とか出来たらいいな・・・・・・。忙しいだろうけど」
「ああ、そうだな。卒業する前だったら、何とかできるんじゃないか?もちろん双子ちゃん連れて」
 そっとつくしのお腹に手を添える。
「俺とあきらで、世話してやろっか。その間にお前と類は新婚旅行気分味わえば」
 つくしの切迫流産騒動があってから、結局類との旅行は流れてしまった。
 『仕方がない』と言えばそれまでだけど、類が大学を卒業したらそれこそゆっくり旅行なんてする暇はないだろうし、その前に何とか機会を作ってやりたいと思ってた。
「みんなで、新婚旅行?」
 つくしがおかしそうにくすくす笑う。
「それもいいだろ?俺達らしくて」
「うん。そうかもね」
 寄り添ってベンチに座る俺たちを見て、通り過ぎていく老婦人が『楽しみねー』と微笑む。
 軽く会釈を返しながら・・・・・
「夫婦に見えたかな」
「だろ」
 くすくすと笑いあう。
「そういえば・・・・・結婚式のときのあれって、まだ見れないの?」
 つくしの言葉に、俺は溜息をついた。
「そうなんだよ、俺もまだ見てねえ。司のとこで止まったままだ。あのやろう、いくら忙しいからって・・・・・」
「・・・・類が、たまに思い出したようにあの時のことを言うの。あたしが何か隠してるって」
「はは、さすが」
「笑い事じゃないよ。西門さんたちはいいけどさ、あたしは逃げ場がないんだから、早く言っちゃいたいのに」
「わかったよ。司の奴をせっついてみるから」
 そう言ってつくしの頭を撫でると、ちょっと顔を顰める。
 こうやって子供扱いされるのを嫌うつくし。
 だけどそんなふうに拗ねる様子がやっぱり可愛いと思って顔が綻ぶのを止められないから困ったもんだ。
「花火、楽しみだな」
 俺の言葉に、つくしは満面の笑みを浮かべる。
「うん」


 「やっぱりここが1番よく見えるな」
 あきらが夜空を見上げる。
 ここは道明寺邸の屋上だ。
 いつものメンバーが集まり、屋上で花火が上がるのを待っていた。
「道明寺がこの場にいないのってなんか不思議」
 つくしが持って来たカウチソファーにゆったりと座っていた。
「そうだね。司の家なのに」
 飲み物をグラスに注ぎ、つくしに渡す類。
 優紀ちゃんと滋がつくしの傍に来てはお腹をなでている。
「すごい、本当に大きくなってきたね。楽しみ~」
「双子ちゃんていろいろ大変そう。いろいろ手伝いにいくからね、困ったことがあったら遠慮しないで教えてよ?」
「ん、ありがと優紀」

 「桜子、彼氏できたって?」
 飲み物をてにぶらぶらしている桜子に声をかけると、桜子がぶっと飲み物を噴出した。
「ゴホッ・・・・・誰に聞いたんですか!」
「あきらだよ。お前が男とホテルから出てくるとこ見たってさ。安っぽいラブホテルなんか使うなよな」
「だって、彼普通のサラリーマンだからお金持ってないんですもの」
「サラリーマン?お前が?」
「いけませんか?・・・・・わたしのこと、全部知っても好きって言ってくれたの・・・・・・彼が初めてなんです」
 桜子の頬が、微かに染まる。
 高校生のころから見てきたけれど、こんな表情をする桜子を見たのは初めてだった。
「そりゃ、貴重だな。大事にしろよ」
「・・・・・余計なお世話です。言われなくても・・・・・離しませんから」
 そう言って俺に背を向け、つくしのところへ行って話の輪に入る桜子。
 その様子を見てると、あきらが傍にやってくる。
「あいつも変わったな」
 俺の言葉に、あきらがにやりと笑った。
「つくしを見て、自分も子供を産んでみたいと思ったんだと。あいつ、ガキの頃に散々嫌な思いして・・・・・だから、ずっと子供は産みたくないって、そう思ってたって。昔の自分に似てる子が生まれて、その子が苛められるのを見たくないって。ずっとそう思ってて・・・・だけど、幸せそうなつくしを見てるうちにそれは違う気がしてきたって。その彼氏が、つくしにちょっと似てるんだってさ」
「へえ・・・・・。そりゃあ1度会ってみてえな」
 それを聞いてあきらがくすくす笑う。
「たぶん、あいつは嫌がるよ。俺らに会ったら彼氏がびびるだろうってさ」
 
 つくしの方を見れば、女4人子供の名前談義なんかで盛り上がっている。
 その横では、相変わらずつくしを見守っている類がいて。

 あと2ヵ月後には、この見慣れたメンバーにかわいい新入りが2人増えるのかと思うと、それでまた楽しみが増えそうだった・・・・・。
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 投票のご協力、いつもありがとうございます♪
 頃合を見て、投票数の多いものから続編を書いていきたいと思ってます♪
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導火線 vol.22 ~花より男子・類総つく~

Category : 導火線 (完結)~花より男子・類総つく~
 -tsukushi-

 「きつ・・・・・」
 あたしは胸元を押さえて顔を顰めた。
「悪いな、ちょっとの間の辛抱だから」
 そう言って西門さんが苦笑する。

 車に乗せられ、西門邸に向かう。
 西門さんに着付けてもらった着物はすごくきれいで・・・・そしてあたしでもさすがに背筋が自然に伸びてしまうほど、それが高価なものであることが分かり・・・・・いやでも緊張感が走った。

 助手席で緊張してるあたしを、西門さんがちらりと見つめる。
「・・・・・すげえきれい。馬子にも衣装だな」
「・・・・馬子にもは余計。でもすごい緊張しちゃって・・・・・大丈夫かな」
「ああ。お前は、俺の横にいてくれるだけでいいから。類のときの・・・・・予行演習だとでも思えば」
「やだ、そんなの余計に緊張しちゃうよ」
 青くなるあたしを見て、西門さんが楽しそうに笑う。
 無邪気な、少年のような笑顔。
 その笑顔に、あたしの胸が高鳴る。

 ―――西門さんて、こんなふうに笑う人だっけ・・・・?

 最近は、本当にいろんな表情を見せてくれるようになった西門さん。
 それを知るたびに、どうして女の人がこの人に惹かれるのかがわかるような気がして・・・・・
 落ち着かない気分になる・・・・・。


 「彼女は、牧野つくしさん。同じ英徳大の学生だよ」
 容赦のない、厳しい視線があたしに注がれる。
「・・・・・はじめまして、牧野つくしです」
 何とか、声を絞り出すものの・・・・その後はもう続かなくなる。
 雰囲気に圧倒されてしまう。
 道明寺の母親・・・・道明寺楓と初めて会った時もそうだったけど、このなんともいえない威圧感・・・・・。
 この場にずっといたらそれこそそのまま灰になってしまうんじゃないかと思えるほどだった。
「・・・・総二郎さん、この方と結婚するおつもり?」
「いや、まだ結婚までは考えていません。彼女もまだ学生ですから。ただ、俺は彼女以外の女性との結婚なんて考えられない。ですから・・・・・」
「見合いは断ると、そういうことか」
 西門さんの父親が口を開く。
 初めて会う、西門家の当主で、茶道の家元。
 さすがの貫禄というか・・・・・。
 それでも、まだまだエネルギッシュで男の色気を感じさせるあたり、やっぱり西門さんの父親だなと感じてしまう・・・・・。

 「そうです。大学を卒業するまでは・・・・・まだ、結婚のことは考えたくありません」
「大学を卒業したら、彼女と結婚すると?」
 父親の言葉に、西門さんは隣にいるあたしを見つめた。
「彼女が・・・・・承諾してくれるなら・・・・・・」
 その瞳は真剣で、とても演技とは思えなくて・・・・・
 あたしの心臓がまた、落ち着かなくなる。
「・・・・・わかった。そういうことなら・・・・・結婚の話はまた卒業後ということにしよう」
「あなた!」
 立ち上がり、部屋を出て行こうとする父親に、母親の方が慌てて声をかける。
「本人がダメだというものは仕方ないだろう。この話はこれで終わりだ。私は出かける」
 そう言ってさっさと出て行ってしまうのを、あたしは呆気にとられて見ていた・・・・・。
 残された母親が、ちらりとあたしに冷たい視線を寄越す。
「・・・・・あなたたちのことを、これで認めたわけではありませんよ」
 そう言い捨てると、母親もまた部屋を出て行ったのだった・・・・・。

 足音が遠ざかり、部屋が静寂に包まれると、あたしは漸く呼吸ができるようになったかのように、大きく息を吐き出したのだった。
「こわ・・・・・。息が詰まって死ぬかと思った・・・・・」
 そんなあたしを、苦笑して見る西門さん。
「お疲れ。悪かったな、つき合わせて・・・・・けど、これで何とか卒業するまではごまかせそうだ」
「なら、よかったけど・・・・・。もうこんなのごめんだよ。心臓がいくつあっても足りない」
「緊張しすぎだよ。ま、あの2人相手じゃしょうがないか。俺もあの雰囲気は嫌いだ」
「そうなの?」
「ああ。息が詰まるだろ。あの2人に対抗できるとしたら・・・・・おまえしかいないと思ったんだけどな」
 そう言って、あたしを見つめる。
 その瞳にまた、初めて見る甘さを感じてドキッとする。
「な、何言ってんのよ、あたしは・・・・・」
 慌てて目を逸らそうとしたあたしの頬に、西門さんの手が触れる。
「・・・・・でも、少しときめいてただろ?俺に・・・・・・」
「な・・・・・・」
「・・・・・答え合わせ、するか?」
 相変わらずあたしの頬に手を添えたままの西門さん。
 あたしの胸はずっと、どきどきと落ち着かない。
「なんのこと?」
「まだ、はっきりと言ってなかっただろ?俺が出した問題の答え」
「それは、だって・・・・・」
「あのまま諦めても良かったけど・・・・・せめて俺の気持ちくらい、はっきりと伝えておきたいと思ったんだ」
 真っ直ぐにあたしを見つめる、西門さんの瞳。
 力づくで、拒もうと思えば拒めたかもしれない。
 だけど、なぜだかこのときのあたしにはそれができなくて・・・・・。

 「好きだ・・・・・・」

 その言葉を頭で理解するのと、西門さんの唇があたしの唇に重ねられるのと、ほぼ同時だったかもしれない・・・・・。

 気付くとあたしは、西門さんの腕にしっかり抱きしめられ、深く口付けられていたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総二郎が本気を出したら、さすがのつくしも・・・・・?
 
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Sweet Angel vol.44 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -soujirou-

 まったく油断も隙もない。

 今日は家の用事があって・・・・・それでも何とか早めに用事を片付けて類の家に行ってみれば、リビングに類の姿はなくて、身重のつくしをあきらが抱きしめてやがる。
 
 思いっきり殴りつけてやれば、不本意そうに俺を睨みやがる。
 
 「あきら」
 俺の話を聞いて類もあきらを睨みつける。
 さすがに分が悪いと思ったのか、目を逸らし頭をかくあきら。
「んなこええ顔すんなよ。つくしがあんまりかわいいこと言うから、ちょっと抱きしめたくなっただけだって」
「かわいいこと?つくし、お前何言ったんだよ」
 俺の言葉に、つくしがぎくりとした様子で目を逸らす。
 その様子にまたカチンと来る。
「おい・・・・・」
「べ、別にたいしたこと言ってないよ。かわいいことなんて・・・・・」
「俺も聞きたいな、それ」
 隣で類が、静かに微笑みながら言う。
 その微笑につくしの顔色が変わってるあたり、単なる優しい笑みじゃないってことが伺える。
「だから・・・・たいしたことじゃなくて・・・・・マイフェアレディーのこと、ちょっと言っただけ」
「マイフェアレディー?」
 俺があきらを見ると、あきらの方はすっかり諦めたように肩を竦め、ソファーに座りなおした。
「生まれてくる子が女の子だったら、マイフェアレディーみたいにしたいって俺が言ったんだよ。そしたら、つくしが『きっと女の子が生まれたらあたしのことなんか相手にしてくれなくなっちゃうんでしょ』って言ったんだよ。それって、すげえかわいくね?」
 にやりと笑うあきら。

 つくしを見ると、顔を真っ赤にしてそっぽを向いてる。

 俺は類と顔を見合わせ・・・・・
「・・・・・なるほどね。そりゃあかわいいわ。俺でも抱きしめるな。ってか、俺ならキスしてるかも」
「・・・・・総二郎」
 じろりと俺を睨む類。
「けど気にいらねえ。何でそれをあきらに言うかな。もしそれを言い出したのが俺だったら、俺にも言ってたのか?そのセリフ」
 俺の言葉につくしは困ったような顔をし、あきらがくすりと笑った。
「お前、それ愚問。俺たちはつくしの『恋人』、だろ?」
「・・・・・そっか」
「類、怒るなよ。つくしはお前のもの。それは百も承知だから。たまには俺たちにもおすそ分け、してくれたっていいだろ?つくしにとって、俺たちも必要だってことは認めてるんだし。俺たちの役目はつくしを守ること。それはずっと変わらない。でもそれは、お前や生まれてくる子供たちを守るってことでもある。大丈夫。俺たちはちゃんとその役目を果たすよ」
 あきらの話に、類は肩を竦めてため息をついた。
「・・・・・ずるいな。それを言われたら、これ以上怒れない」
 類の言葉に・・・・・
 つくしはほっと息をつき、俺とあきらは顔を見合わせて笑ったのだった・・・・・。


 「つくしは、落ち着いてるみたいだな」
 帰り道、俺の車に乗ったあきらに言った。
「ああ。さすがにもう無理はしねえだろ」つくし自身、あれにはずいぶん堪えただろうし・・・・・。まあでも後3ヶ月。つくしがちゃんと出産できるように俺たちがちゃんと守ってやらなくちゃな」
「ああ、当然」
 そう頷いて・・・・・俺は頭につくしを笑顔を思い描いていた。


 -rui-
 「妬いてたの?あきらの話に」
 あきらたちが帰ると俺はつくしの肩を抱き寄せて聞いた。
 つくしはちょっと困ったように、眉を寄せた。
「そういうつもり、なかったんだよ。ただ・・・・・子供が大きくなるってことはその分あたしも年をとるわけだし・・・・・。そうしたらもう、あたしよりも娘なのかなあと思ったらちょっとさびしくなったって言うか・・・・・」
「・・・・・それが、ヤキモチなんじゃない?」
 苦笑して言うと、つくしの頬が染まる。
「あきらにっていうのが気に入らないけど・・・・・そんな顔見せられたら、俺も怒れなくなるよ」
「そんな顔って・・・・・」
「かわいくて・・・・・キスしたくなるような顔」
 そう言って、俺はつくしの唇に触れるだけのキスを落とした。
「・・・・・心配しなくても、俺も・・・・・きっとあきらたちも、ずっとつくしのこと思ってるよ。年をとっても関係ない。俺たちだって一緒に年をとるんだから・・・・・。ずっと、つくしのことが好きだよ」
 腕の中に閉じ込めて、つくしを見つめる。
 恥ずかしそうに俺を見上げるつくし。
「・・・・・そういうこと、よくさらっと言えるよね」
「本当のことだから」
「・・・・・ありがとう」
「ん?」
「・・・・・あたしも、ずっと類が好き、だよ」
「・・・・・うん」

 もう一度、抱き寄せてキスをする。
 今度はもっと深く、長く・・・・・。

 「一生ずっと、傍にいて・・・・・」
 耳元に囁けば、ぴくりと震える体。
「・・・・・言われなくても・・・・・離れない・・・・・」
「離さない・・・・・」

 そのまま暫く抱き合っていると・・・・・
 突然腹部の辺りに、とんっと軽い衝撃。
「あ、動いた」
 俺の声に、つくしがくすくすと笑う。
「赤ちゃんが、パパ、きついよって言ってるみたい」
「・・・・・ちがうよ、きっと・・・・・」
「え?」
「・・・・・早く仲間に入りたいって、言ってるんだよ・・・・・」
 その言葉につくしが顔を上げ、嬉しそうに微笑んだ。
「・・・・・そうかも」
 
 幸せのヴェールに包まれながら、俺たちはこつんとおでこをくっつけ・・・・・
 何度も、啄ばむようなキスを繰り返した・・・・・。
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 胎動って、不思議ですよね。
 お腹にいるときの赤ちゃんって、何をしてるんだろうって思って、以前に聞いてみたことがあります。
 そしたら、「踊ってた」って言ってました。う~ん、なるほど・・・・・

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導火線 vol.21 ~花より男子・類総つく~

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 -tsukushi-

 音を立てないように、そっと扉を開ける。

 と―――

 「牧野?どこ行ってたの?」
 ベッドに、半身を起こして類がこちらを見ていた。
「類、起きてたの?」
「少し前に目が覚めた。隣見たら、牧野がいないから・・・・・どこ行ってたの?」
 そう聞かれて、あたしは一瞬躊躇した。
 変に誤解されたくはないけれど・・・・・
 でも、隠し事をすれば、きっと類のことだ、気付いてしまう気がした・・・・・。
「牧野?どうかした?」
「あ、うん・・・・・ちょっと屋上に・・・・・」
「屋上?何で?」
「あの・・・・・なんか目が覚めちゃって。で、起きたら廊下で話し声がしたから出てみたら、西門さんが携帯で誰かと話してて・・・・・」
「総二郎?」
 類が一瞬顔を顰める。
「うん。で、その・・・・・話をしてたんだけど、ここで話してたら類を起こしちゃうと思って、屋上に・・・・・」
「・・・・・牧野、こっち来て」
 言われて、あたしは類の傍へ行った。
 類に手を引かれ、ベッドに腰掛ける。
「総二郎と屋上で、何話してたの?」
「それは・・・・・」
 どう言ったらいいんだろう。
 もしかしたらだけど、類はきっと西門さんの気持ちに気付いてる。
 でも・・・・・
 黙ってしまったあたしをじっと見つめる類。
 そして、そのままあたしの肩を抱き寄せ、額に優しくキスをしてくれた。
「・・・・・なんとなく、わかった。言いたくいなければ、言わなくていいよ」
 優しい声が、耳元に響く。
「・・・・・類はずっと・・・・・知ってた・・・・・?」
「・・・・・うん」
「そっか・・・・・」
 それから暫く、あたしたちは何も言わずにただ寄り添っていた。
 時折、類の手が優しくあたしの髪を撫で、暖かいキスを落としてくれる。
 それが気持ちよくて、ちょっとくすぐったくて・・・・・。
 あたしはそっと、目を閉じた。

 ―――西門さんは、まだ屋上にいるのかな・・・・・
 まだまだ寒いから、いつまでもあそこにいたら風邪を引いてしまいそう。
 早く部屋に戻ってくれるといいな・・・・・

 屋上で見た、ちょっと切なげな瞳の西門さんが、頭から離れなかった。
 今まで、どんな思いであたしと類のことを見ていたんだろう・・・・・
 
 西門さんの気持ちは、素直に嬉しいと思った。
 だけど、それ以上は・・・・・
 そっと見上げれば、あたしを見つめる薄茶色のビー玉のような瞳に出会う。
 ずっと、大好きだった人。
 今までも、きっとこれからも・・・・・。

 西門さんがそれ以下だとか、そういうことじゃなくて。
 
 あたしの類に対する気持ちは、きっとずっと変わらないものだって思えるから・・・・・。

 だけど、西門さんに対しての気持ちはどうだろう?
 
 最初は、単なる女たらしだと思ってた。
 顔が良くて、家柄が良いだけの、お坊ちゃんだと。
 何の苦労もしたことのない、いけすかない奴だって、そう思ってた。

 だけど、今は。
 
 ポーカーフェイスがうまくて、口がうまくて。
 でも本当はすごく真面目で、優しくて。
 それから最近は、傍にいるとどこか安心感を与えてくれるような、そんな暖かさを感じてた・・・・・。
 
 この気持ちが、これからも変わっていくことがあるんだろうか。

 それは、今のあたしにはわからなかった・・・・・。


 翌日、あたしたちは昼過ぎにそれぞれの車に乗り帰ることになった。

 西門さんも類も、表面上はいつもとどこも変わることなく・・・・
 ただ、車に乗る直前、美作さんがあたしに耳打ちをした。
「おまえら、何かあっただろ。頼むから、ここで修羅場はやめてくれよ。帰ってからなら相談乗るぜ」
 人に気を使う美作さんらしい言い方で、思わず苦笑した。
 
 これからどうなるかなんてわからないけど・・・・・
 でも、とりあえず今は類の態度が変わるということもなかったのだった・・・・・。

 
 「絶対ダメ」
 類が憮然とした表情できっぱりと告げる。
 その隣であたしは類と西門さんの顔を交互に見る。
「言われると思ったけどよ・・・・・。けど俺もここは引き下がるわけにいかねえんだって。1日だけでいいんだ。牧野を、俺に貸してくれ」
「牧野はものじゃないよ。大体、見合いを断るために牧野を恋人として紹介するなんて・・・・・。そんなこと、許せるわけないし、1日で解決する話とも思えないよ」
 西門さんを睨みつける類。
 その類の視線を受け止める西門さん。
「・・・・・わかった。じゃあ約束してやるよ。これが最後だ。この件が片付いたら、俺は牧野を諦める。それならいいだろ?」
 その西門さんの言葉に、類がちょっと目を見開いた。
「諦める・・・・・?本当に?」
「ああ。だから、今回だけは牧野を貸してくれ。俺はまだ結婚する気にはなれない。大学を卒業するまでは、そんなことは考えたくねえ。だから・・・・・俺の隣にいてくれるだけでいいから、頼む」
 そう言ってあたしを見つめる西門さん。
 その瞳は真剣で・・・・・でも、その真意まで読み取ることはできなかった。
「・・・・・牧野、どうする?」
 類の言葉に、あたしはちょっと考え・・・・・
「いいよ、協力する。今回だけ、なんでしょ?だったら・・・・・西門さんにはいつも助けられてるもん。このくらい、どうってことないよ」
 そう言って、笑って頷いたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 クライマックスの序章?という感じにしようと思ってるんですが・・・・・どうなることやら。

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Sweet Angel vol.43 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -akira-

 「だいぶ大きくなってきたな、そのお腹」
 7月に入り、つくしの体調も最近は安定してきていた。
 切迫流産しかけてから、大事をとって早めに大学を休学することになったつくし。
 最近は散歩にも出かけられるようになっていたが、やっぱりあまり無理はさせたくないのでダンスなんかのレッスンは休ませることにし、その代わり週に2、3回は花沢の家に俺たちが通うようになっていた。

 類の部屋のソファーで、類と並んでゆったりと座るつくし。
 そのお腹は見た目にはっきりと分かるほど大きくなってきていた。

 そのお腹を優しく撫でながら・・・・・
「うん。すごく元気なの。ぽんぽん蹴っ飛ばしたりしてね」
「そりゃ、お前の子だからな。すげえやんちゃなのが生まれそうだな」
 俺の言葉に、類もくすくすと笑う。
「なによー、それ」
 ぷくっと頬を膨らませるつくし。
 類がそんなつくしをいとおしそうに見つめる。
「元気な方が良い。つくしに似てる子が良いな」
「あ、それ良いな。女の子だったらマイフェアレディーみたいにするか」
 と、途端に類が顔を顰める。
「それ、あきらの相手にするってこと?絶対やだよ」
「なーんでだよ。良いじゃん、大事にするぜ?」
「だーめ。女の子が生まれたら、出入り禁止にするよ」
「げ、きびしーなそれ」
 俺が顔を顰めると、つくしが楽しそうに笑う。
「総二郎もおんなじ様なこと言いそうだけどなー」
 その俺の言葉に類が口を開きかけたとき、類の携帯が着信を告げた。
「―――はい。あー・・・・ちょっと待って。書斎に資料があるから、かけなおす」
 そう言って一度電話を切ると、類は立ち上がった。
「ごめん、田村から。ちょっと書斎に行って来る」
「うん」
 
 類が出て行き、つくしと2人になる。
「・・・・・退屈でしょうがないって顔してるな」
「だって・・・・・」
「でも、我慢強くなったじゃん。ちゃんと家でおとなしくしてるんだもんな」
「何よ、子供あやすみたいに言わないで。あたしだって・・・・・これから母親になるんだもん。自分の子供、守れなかったら親って言えない」
 その言葉が、どことなく自分を責めているような気がした。
「・・・・・切迫流産しかかったのは、お前のせいじゃない。そのことは深く考えるな。今は安定してるんだし・・・・・お腹の子も無事だったんだから」
 つくしが、俺を見て微笑む。
「ありがと、美作さん」
「別に。お前は、笑ってるのが1番だからな」
 その言葉に、頬を染める。
 こういうところはいつまでも変わらない。
「子供、お前は男と女どっちが良い?」
 その言葉に、つくしはちょっと首を傾げる。
「あたしはどっちでもいいけど・・・・。でも、最初は男の子がいいかな。あたしが長女だったから・・・・お兄ちゃんっていうの羨ましかったりしたし。類に似た男の子って絶対かわいいと思うもん」
「ふーん・・・・・で、お前にぞっこんな息子になるのか?」
「何それ、ぞっこん?」
「類に似たら、好きになるのはお前しかいないって気がする。なんかライバルが増えるみたいでやな感じだな」
 半分本気でそう言って溜息をつく俺を、きょとんと眺めるつくし。
 かと思うと、急にじろりと横目で俺を睨んでくる。
「なんだよ?」
「だって、美作さんだって、女の子がいいって言ってたくせに」
「は?」
「マイフェアレディーだって。きっと女の子が生まれたらあたしのことなんか相手にしてくれなくなっちゃうんでしょ」
 そう言って頬を膨らませるつくし。
 俺は驚いて言葉も出ない。
 暫くまじまじとつくしを見つめていると、その視線に耐えられなくなったのか決まり悪そうに頬を染め、俺の方を見て口を開いた。
「なによ」
「いや・・・・・お前、ひょっとして妬いてんの?」
「へ・・・・・」
「俺に相手して欲しいと思ってるわけ?」
 その言葉に目を見開き、カーッと顔を赤らめる。
「あ、いや・・・・・そうじゃなくて、ね・・・・・・」
 落ち着きなく視線を彷徨わせながらも、その顔はどんどん赤くなって・・・・・

 俺は堪らず立ち上がると、つくしの隣に行ってその体を抱きしめた。
「わっ、ちょっと、美作さん!」
「お前、かわいすぎ!」
「な・・・・・!」
 慌てて俺から離れようとするつくしの体を、俺はさらに力をこめて抱きしめ、その額にキスを落とした。

 結婚したって、子供が出来たって、やっぱり俺はつくしが好きだと。

 そのめいいっぱいの想いをのせて。

 そのまま俺は幸せを噛み締めるようにつくしを抱きしめていると・・・・・

 『ガツンッ』

 おもいっきり頭を殴られ、俺はソファーから転げ落ちた。
「いってえーっ」
「てめえは何やってんだよっ!」
 その声に顔を上げると、総二郎が鬼の形相で俺を睨みつけていた。
「西門さん!いつ来たの?」
「たった今だよ!お前も、何やってんだよ?」
「な、何って、だって、美作さんが・・・・・」
「何騒いでるの?」
 扉を開けて、類が入ってきた。
 途端に、つくしが慌てる。
「る、類」
「何でもねえよ」
 類の機嫌を損ねる前に話を逸らそうとしたけれど・・・・・
「こいつら、ここで抱き合ってたんだよ」
 総二郎の声に、類の顔色が変わった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いつものじゃれあい?と思って類も大目に・・・・・
 見てくれないかな・・・・・

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導火線 vol.20 ~花より男子・類総つく~

Category : 導火線 (完結)~花より男子・類総つく~
 -tsukushi-

 館山で過ごす2日目は、フラワーライン、南房パラダイス、いちご狩りと、1日使って遊びまわって夜、別荘に帰ってきたころにはみんなくたくたになってしまっていた。
 
 夕食の後はみんな早々にそれぞれの部屋に引っ込み、就寝してしまったのだけれど・・・・


 夜中、あたしはふと目が覚めてそのままトイレに立った。

 そして戻ろうとしたとき、部屋の外で人の話し声がした。

 なんとなく、気になって・・・・・。

 部屋の扉を開けてみた。

 そこにいたのは西門さんだった。
 あたしには気付かず、壁に背中をつけて携帯で誰かと話しているようだった。

 「ん・・・・・悪いけど、そういうわけだから。もう電話もしないでくれると嬉しいね」
 なんとなく直感で、相手は女の人だって気がした。
「・・・・・いや、それは無理。・・・・・いいや、俺まだ彼女と付き合ってねえし。彼女が言ったわけじゃねえよ。俺がそうしたいだけ。・・・・・そういうこと。・・・・・君のこと?好きだったよ、もちろん」
 そう言って笑った西門さんは、笑みは浮かべているものの、そこには何の感情もないような気がした・・・・・。
「だから付き合ってたんだからね。でも、恋っていうのは色あせていくものだし?君にも君に合った男が現れるよ、いつかね。・・・・・いや、俺は無理。言っただろ?俺今、すげえ惚れてるやつがいるから。もし・・・・・この恋に破れても、君とまた付き合うことはない。もう、恋愛ごっこは止めた。・・・・・真剣に、恋をしてるんだ」
 西門さんの、瞳の色が変わった。
 まるで、目の前にその恋する人がいるみたいに、優しくて、暖かい・・・・・

 そのとき、突然気付いた。

 最近、あたしのことを見つめる西門さんの目・・・・・・。

 その目は、あの・・・・・・

 急に、カーッと顔が火照るのを感じて、あたしは慌てて扉を閉めようとして―――

 「わっ」

 危うく指を挟みそうになり、小さな悲鳴を上げてしまった―――。

 再び扉を閉めようとして、その扉を押さえられていることに気付き、そっと顔を上げる―――。
「じゃ、もう切るよ。バイバイ」
 そう言って、携帯を閉じる西門さん。
 視線は真っ直ぐあたしに注がれ、満面の笑みを浮かべていた・・・・・。
「・・・・つくしちゃん。ちょっと話しよっか?」
「あ、あの・・・・・」
「このままここにいると、類に聞かれると思うけど、いい?」
 その言葉にはっとして、一瞬後ろを振り返る。
 静かな寝息をたてている類。
「・・・・・出てくれば?」
 その言葉に、あたしは渋々部屋を出たのだった・・・・・。


 「盗み聞きってのはあんまりいい趣味じゃねえよな」
 屋敷の屋上に出て、西門さんと向かい合う。
「だから、聞こえちゃったんだってば。部屋の外で声がしたから、誰かと思って・・・・・」
 慌てて言い訳すると、西門さんがくすくす笑う。
「わかってるよ。別に怒ってないし」
 その言葉にちょっとほっとするあたし。
 でもすぐに西門さんの真剣な眼差しに会い、また心臓がどきどきと落ち着かなくなる。
「・・・・・で、漸く気付いたってとこ?」
「気付いたって・・・・・」
「・・・・・俺が出した問題の答え。わかったんじゃねえの?」
 あたしは西門さんから目を逸らすことが出来ず・・・・・暫くそのまま、見詰め合っていた。
「・・・・・あたしには、答えられないよ」
「なんで?」
「何でって・・・・・!」
「ま、わかるけど。俺も実際、言うつもりなかったし」
 そう言って西門さんは手すりにもたれて、遠くに見える海を見つめた。
「類は友達だし、お前は仲間だ。これから先もそれはかわんねえと思うし。だから、言うつもりなんかなかった。なのに・・・・・・なんでだろうな」
「西門さん・・・・・」
「ちょっと、悔しかったのかもな。誰かさんは類のことしか見えてねえし、俺のことはまるっきり男として見てねえし。類に少しヤキモキさせたかったのと・・・・・・お前に、男として意識させたかったのかもな」
 にやりと笑い、あたしを見つめる。
 軽い言い方なのに、その瞳は真剣で。
 胸が、切なくなる。
「実際、ここまで嵌ったのは初めてで、おれ自身戸惑ってるよ。類のことは裏切れないって思ってるのに、気付いたらお前に会いたくて、毎日お前のことばっかり考えてる。他の女と遊ぶことなんて、今の俺には出来ねえ。こんな真剣な恋愛、俺がするなんて我ながら信じらんねえんだ」
 手すりにもたれたままあたしを振り返り、真正面からじっとあたしを見つめる。
 真剣で、切なげな瞳。
 その瞳に、嘘はなかった・・・・・。
「・・・・・ありがとう」
 あたしが言うと、西門さんはちょっと目を瞬かせた。
「何でお礼?」
「なんとなく・・・・・嬉しかったから」
「おいおい」
 くすりと、西門さんが苦笑した。
「いいのかよ?そんなこと言って。思わず期待しちゃうぜ?」
「だって・・・・・西門さんが、誰かを真剣に好きになるって、きっとすごいことでしょ?どうしてそれがあたしなのか・・・・・全然わからないけど。でも、西門さんの気持ちは、素直に嬉しいと思うから。だから・・・・・」
「そっか・・・・・。でも、お前の気持ちはかわらねえんだよな」
 そう言って西門さんはふっと笑うと、また海の方を見た。
「それは・・・・・ごめん」
「謝るな」
 少し強い口調に、あたしは口を噤む。
「わかってたことだ。お前の気持ちも、類の気持ちも・・・・・。類は、親友だ。さっきも言ったけど、類を裏切るつもりはねえし、お前を傷つけるつもりもねえんだ。ただ・・・・・おれ自身の気持ちにけじめをつけたかった。お前が謝る必要はねえよ。つうか、俺に悪いとか、頼むからそんなふうにだけは思うな。俺にもプライドってもんがあるからな」
「・・・・・うん」
「もう行けよ。類に気付かれたらやばいだろ」
「西門さんは・・・・・」
「俺も、少ししたら行くよ。この海を、もう少し見てからな」
 そう言って、あたしに背を向ける。
 その背中が、あたしに早く行けと言っているようで・・・・・・
「わかった・・・・・じゃ、おやすみ・・・・・」
「ああ・・・・・」
 あたしに背を向けたままの西門さんに声をかけ、そのまま屋上を後にしたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 とうとう総二郎の気持ちを知ったつくし。
 類への気持ちは変わらないけれど、三角関係にも微妙に変化が現われるかも・・・・・?

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Sweet Angel vol.42 ~花より男子・類つく~

Category : Sweet Angel (完結) ~花より男子・類つく~
 -rui-

 「切迫流産?」
 俺は病室のベッドで眠るつくしの横に座っていた。
 つくしは点滴を打たれながら眠っていた。
「しかかったの。今は落ち着いてるわ」
 駆けつけてくれた白井先生が言った。
「赤ちゃんは・・・・・」
「大丈夫。問題はないわ。安静にしていれば・・・・・。きっと、結婚式の準備とか・・・・・例の計画のことで疲労が溜まっていたのね。ごめんなさい・・・・・わたしたちのせいだわ」
「いや・・・・。先生のせいじゃありません。きっとつくし自身、気づいてなかったんです。とても楽しみにしてたし・・・・・4人の幸せを願っていたから・・・・・。でも普通の体じゃないんだから、もっと考えてあげなきゃいけなかった。俺が、気付いてたら・・・・・・」
「類」
 あきらと総二郎が、病室に入ってきた。
「司は、もうN.Y.に発ったよ。つくしの傍にいたいって言ってたけど・・・・・仕事もあるし、あいつがここにいても結局変わらないからな。西田さんに引っ張っていってもらった」
 そう言ってあきらがつくしの傍に来た。
 総二郎もつくしの顔を覗き込む。
「気を張ってたんだな、ずっと。もっと、気を使ってやらなきゃいけなかった」
 総二郎の言葉に、白井先生が微かに笑みを浮かべて言った。
「あなたたちは充分つくしさんのことを気遣ってあげていたわ。きっと、彼女自身の体質にも原因があるんだと思うわ。さっき、担当の医師と話したの。つくしさんの主治医として、わたしももっと早くに気付いてなければいけなかったわ。今回は大事に至らずに済んだけれど・・・・・今後は少し安静にしていないと・・・・・。それで、類さんにはお知らせしておきたいことがあるんだけど」
 白井先生が、意味ありげに俺たちを見渡す。
 総二郎とあきらは顔を見合わせ、
「俺たちが聞いたらまずいこと?」
 とあきら。総二郎も不本意そうに肩を竦める。
「つくしに関する事なら、俺たちも知っておきたい。これでもつくしの恋人のつもりだし?」
「恋人って・・・・・」
 俺が顔を顰めると、2人してにやりと笑う。
「愛人なんて厭らしい言い方おかしいだろ?俺たちはオープンな関係なんだし」
「・・・・・言ってれば。で、先生。それは、悪い知らせ?」
「悪い知らせではないわ。いい知らせかどうかは・・・・・・ただ、つくしさんはもう少しあなたには内緒にしておきたいって言っていたの。驚かせたいんだって・・・・・もちろんあなた達にもね。ただ、こういう事態になってしまった以上、少なくとも夫である類さんには知っておいてもらった方が良いと思うのよ」
 その言葉に、俺はちらりと2人の顔を見てから、口を開いた。
「それなら・・・・・彼らが知っていても問題ないと思います。つくしにとって、彼らは家族みたいな存在なので」
 俺の言葉に、白井先生は頷き・・・・・ゆっくりと話し始めた。

 「お腹の中の子だけど・・・・・実は、双子なのよ」
 白井先生の言葉に、俺たちは呆気にとられ・・・・・顔を見合わせた。
「検診のとき、一緒に来てもエコーのときになると出て行ってもらってたでしょう?」
「ええ。でもそれは、男女の区別を知られたくないからって・・・・・。そうか・・・・・だから、まだそんなのわからない時期から・・・・・」
「類は勘が良いから気付いちゃうかもしれないって言って、絶対に見せないって言ってたよな・・・・・」
 あきらの言葉に、総二郎も頷いた。
「双子の場合、母体から送られる養分も1人の時よりも少なくなってしまうから、貧血も起こりやすくなるし妊娠中毒にも陥りやすくなるの。もちろんつくしさん自身気をつけていたと思うけれど・・・・・。これからは、周りの人も気をつけてあげないと。つくしさんにはこんなに素敵なだんな様と・・・・・恋人がいるんだから、これからは心配ないかしらね」
 白井先生の笑顔に、俺たちも微笑み、しっかりと頷いたのだった・・・・・。


 「何だ、ばれちゃったの?」
 病院のベッドで目覚めたつくし。
 俺の話に、がっかりしたように溜息をついた。
 朝になり、つくしが目覚めたのを見届けると、あきらと総二郎は一旦帰って行った。
「みんな心配したんだよ。そういう状態だって知ってたら、もう少し気をつけたのに」
 そう言っておでこを弾くと、つくしはちょっと顔を竦め、決まり悪そうに首をすぼめた。
「ごめん・・・・・。あたしも、こんなことになるなんて・・・・・ちょっと、なめてたんだね。白井先生にも気をつけるように言われてたのに・・・・・」
「ん・・・・・。とりあえず1週間入院らしいから」
「え・・・・1週間?入院?」
「当たり前でしょ。切迫流産しかかったんだよ?」
「だって・・・・・」
 それでも文句言いたげなつくしに苦笑する。
「今日1日ここにいて、急変がなければ、明日白井先生のところに転院させてくれるってさ」
 その言葉に、ぱっと顔を輝かせるつくし。
「ほんと?」
「ほんと。だから、おとなしくしててよ」
「ん・・・・・。心配かけて、ごめんなさい」
 つくしの髪を、クシャリと撫でる。
「無事でよかった・・・・・。つくしも・・・・・この子達もね」
 そうしてお腹をそっと撫でれば、つくしもいとおしそうにお腹に触れる。
「もっと・・・・・しっかりしなくちゃ。お母さんになるんだもんね・・・・・」
 そう言ってふわりと微笑んだつくしの顔は、それでももう母親の表情になっているような気がした・・・・・・。


 生まれてくる子が双子だということを知らせると、俺の両親は大喜びで『じゃあ2人分の育児用品が必要ね!類、あなたも育児参加しなきゃダメよ!』と母親が興奮したように電話口で言ったかと思えば、その横で父親が『ベビー服が倍必要になるな!ミルクは足りるのか!?』などと気の早いことを言っていた。
 仕事の都合で今日はもうフランスへ発ってしまう両親。
 既に空港に着いていたのだが、『少し寄る時間はないのか』と言って、運転手を困らせているのが聞こえ、苦笑した。
 つくしの両親も駆けつけ、病室で万歳三唱をしたりして、看護婦に注意されるなんていう一幕もあり・・・・・。相変わらずつくしの回りは賑やかだった。

 それでもとりあえずは安静に。
 無事に出産の日を迎えるまでは、つくしが無茶をしないよう見守るのが、俺の役目となった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今日になって急に思いついた『双子ちゃん』
 双子の赤ちゃんは、産むのも生まれてからも大変です。
 単純に2人分といかないところが育児の難しさかな。
 でもつくしと類なら、きっとがんばってくれると思いますよ♪

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 今後の創作の参考にさせていただきますので、ぜひ参加していってくださいね♪

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