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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
*このブログについての誹謗中傷・クレームなどの書き込みはおやめください。
*このブログの無断転載複製を禁じます。
*万が一このブログをお読みになって不快感を感じられたとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

火花 vol.5 ~花より男子・総つく~

Category : 火花 ~花より男子・総つく~
 -tsukushi-

 「じゃあ、牧野、気をつけて」
 心配そうにあたしを見る類に、あたしはにっこりと笑って見せた。
「うん、ありがとう」
 それでも名残惜しそうにあたしを見て・・・・

 車の中にいた類のお母さんに促され、漸く車に乗り込む類。

 車の中からあたしに軽く頭を下げる類の両親に、あたしも慌てて深く頭を下げ・・・・・

 黒く光るリムジンが走り出し、やがて見えなくなるころに、漸くあたしは体の力を抜いたのだった・・・・・・。

 「超緊張した・・・・・。あ、そうだ、電話・・・・・」
 西門さんのことを思い出し、彼に電話しようとバッグから携帯を取り出そうとして―――

 「きゃああ―――!誰か!!」

 空気を切り裂くような女性の悲鳴に、あたしはびくっとして声のしたほうを見た。

 今あたしがいたフレンチレストランの少し先にある、これまたとても高級そうな料亭。
 その前に和服姿の女性がうずくまっていた。
 女性の前に止まっていたリムジンから、運転手らしき男性が慌てて飛び出してくるのが見えた。
 
 そして、こちらの方へ走ってくる若い男。
 その手には、その男には似つかわしくない、高級そうな女性もののハンドバッグが―――

 ―――ひったくりだ!

 気付いたときには、体が勝手に動いていた。

 横をすり抜けていこうとする男に、思い切り体当たりをする。
「うわあ!」
 叫び声とともに倒れる男。
 その手からバッグが放り出され―――
「くそっ」
 慌てて起き上がる男。
 男と一緒に倒れていたあたしも、慌てて起き上がろうとして―――
 足首に、鋭い痛みが走り顔を顰める。
 
 男はまた、飛ばされたバッグを拾い逃げようとしていて―――

 とっさのことだった。

 考える間もなく、あたしは自分が履いていたパンプスを脱ぐと、その男めがけて思い切り投げつけたのだった―――。



 「本当に、助かりましたわ。あのバッグの中には、大切なものが入っていたの」
 深々と頭を下げられ、あたしは慌てて手を振る。
「そんな、頭なんて下げないでください。あたしはただ、体が勝手に動いてしまっただけで・・・・・偶然ですから」
 和服姿のその女性が顔を上げる。

 本当に驚いた。

 もう周りは暗くなっていて、始めは気づかなかったのだ。

 運転手に助け起こされ、あたしの元へ駆けつけたその女性は・・・・・
「さあ、車にお乗りになって。急いで足の手当てをしなければ・・・・・。牧野さんに怪我をさせたなんて言ったら、総二郎さんに怒られてしまうわ」

 そう、ひったくりにあった和服の女性は、西門さんのお母さんだったのだ。

 あたしの投げつけたパンプスは見事引ったくりの男の頭に命中。
 男はそのままあっけなく伸びてしまい、駆けつけた警察によって連行されたのだった。

 足首を捻ってしまったあたしは、西門家の運転手の方に肩を貸してもらい漸く立ち上がり、西門さんのお母さんに頭を下げられていた・・・・・というわけだ。

 「あの、本当に大丈夫なので・・・・・」
 リムジンに乗るよう勧められたあたしだったが、突然あたしがお母さんと一緒に現われたら、きっと西門さんもびっくりするだろうと思って遠慮したのだけれど―――
「そんな、このまま帰らせるわけにはいきません。総二郎さんの大切な人ですもの。それに、わたくしにとっても大事な恩人ですわ。さあどうぞ、ご遠慮なさらずに」
 そう言って、半ば強引に車に押し込まれたあたし。

 そして西門さんのお母さんも後から乗り込み、車は出発したのだった・・・・・。


 「あら、珍しい。あなたも帰ってらしたの」
 西門邸に着き、客室へと続く廊下で西門さんのお父さんを見た西門さんのお母さんが驚いて声を上げた。
「お前こそ―――」
「牧野!?」
 お父さんがあたしを見て目を丸くしたのと同時に、お父さんの後ろにいた西門さんが声を上げた。
「何でお前が?」
「まあ総二郎さん、お前だなんて・・・・・!牧野さんは足を怪我してらっしゃるのよ、急いで手当てしないと」
「怪我?」
 西門さんの表情が変わる。
「あの、たいしたことないの。ちょっと捻っただけで・・・・・」
「・・・・・どういうことか、説明してもらえるか?」
 お父さんが、お母さんに向かって言うと、お母さんは静かに微笑んだ。
「わたくしを、助けてくださったのよ、このお嬢さんは」
 その言葉に、西門さんとお父さんは顔を見合わせたのだった・・・・・。


 「まったく、相変わらずお前ってやつは無茶ばっかりして」
 おでこをピンと弾かれ、あたしは痛さに顔を顰めた。

 あたしと西門さんは、あたしの足の手当てをしたあと、西門さんの部屋に来ていた。
 もう遅いからと帰ろうとしたのを、西門さんが強引に止めたのだ。
 帰りは送るから、と。
 言い方こそ穏やかだったけれど、そこには有無を言わせぬ迫力があって・・・・・
 あたしは、黙って言うことを聞くしかなかった。

 「いったい!やめてよ、痕になっちゃう」
「しかし・・・・・お前が、お袋を助けるなんてな」
「あたしもびっくりした。まさかあんなところで西門さんのお母さんに会うとは思わなかった」
「・・・・・類に送ってもらうのかと思ってた」
 西門さんの繊細な掌が、あたしの頬に触れた。
「類もそのつもりだったみたいだけど、お仕事みたいで・・・・・でもいいの。緊張しちゃって・・・・・漸く今日、ほっとできたみたい、今」
 あたしの言葉に、西門さんは小さく笑い・・・・・
 そっと、あたしの唇に口付けた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今回の火花は、思わぬところで散りそうです。

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火花 vol.4 ~花より男子・総つく~

Category : 火花 ~花より男子・総つく~
 -tsukushi-

 ―――こんなに緊張しながら食事をしたのは初めてかもしれない。

 足を踏み入れたことのない、超高級フレンチレストラン。

 そこの個室で、あたしと類は、類の両親と食事をしていた。

 時折類のお母さんが笑顔で声をかけてくれるけれど、それ以外は静かなもので・・・・・類と類のお父さんは向かい合って座ってるにもかかわらず、目も合わせない。
 仲が悪い、というわけではないようだけど・・・・・。
 たぶん、2人の性格なのだろう、と思えた。
 ただ、いつもテレビをつけてわいわい話しながら食事をするのが常だったあたしにとって、この静けさはとても居心地が悪くて・・・・・。

 「牧野さんが、困ってるわ。あなたたち、親子なんだから少しおしゃべりくらいしたらどうなの?」
 にっこりと、穏やかに微笑む類のお母さん。
 なんとなく人を安心させるような笑顔が、類に似ている、と思った。
「―――そんなの、いつも話してないのに何話せばいいんだか」
 類が肩を竦めると、類のお父さんがちらりとあたしを見た。
 その様子に、やっぱり類と重なるとこを見つけ、なんだかどきどきしていた。
「我が子ながら、ずいぶんぶっきらぼうなやつだと思うんだが・・・・・君は、類のどこにそんなに惹かれたんだい?」
「え・・・・・」
「君はとてもしっかりした女性のようだ。類の見た目にだけ惹かれたとは思えない」
「あなた・・・・・」
「ぜひ、聞かせて欲しい。君の気持ちを」
 真っ直ぐに、あたしを見つめる瞳。
 その瞳は、やはり類にどこか似ていて・・・・・
 あたしは、目を逸らすことができなかった。

 「わたしは・・・・・類さんに、とても感謝しているんです」
 あたしの言葉に、類があたしの方を見た。
「いろいろなことがあって、とても辛いときもありました。でもそのどんなときにも、類さんはあたしの傍にいてくれました。あたしは類さんの傍にいるだけで、安心できた。いつでも傍にいて・・・・・1人じゃないんだってこと、教えてくれる人です。だから、あたしも類さんのために何か出来るなら、喜んでそれをしたいって思ってます」
「―――それは、結婚でも、ということかい?」
 類のおとうさんの言葉に、あたしは目を見開いた。
「類は、君のことを真剣に愛している。いずれは結婚を、と思っているだろう。君はそこまで考えているかい?」
「あの、あたしは・・・・・」
 その時、類が口を開いた。
「牧野を困らせるようなこと、言わないでよ。まだ俺たちはそういうこと話し合ってないんだ。学生のうちは、そういうこと考えないで楽しめればいい。結婚についてはそのうち考えるから」
 類の言葉に、類のお父さんは肩をすくめ、苦笑した。
「―――分かった。悪かったね、牧野さん。老婆心で……つい、結婚と直結して考えてしまうんだよ。今の話は忘れてくれ」
「あ・・・・・はい」
 あたしはそっと安堵の息を吐き出し、類のほうを見た。
 類が、あたしに笑顔を向けてくれる。
 ちょっとからかうような、安心させてくれるような、そんな笑顔だ。
 そんな類にあたしも笑顔で返した時―――

 『Prrrrrrrr……』

 突然なりだした携帯の着信音に、その場の空気が一瞬止まる。
「ああ、すまない、私だ」
 そう言って類のお父さんは席を立ち、胸ポケットから携帯を取り出しながら、個室の扉を開けた。

 お父さんが出ていくと、あたしは思わず息を吐き出してしまった。
 それを見て、類と、類のお母さんがくすりと笑う。
 そのタイミングが、本当にそっくりで2人が親子なんだということに改めて気付かされた感じだった。
「ごめん、牧野。気を遣わせて」
 類の言葉に、あたしは慌てて首を振った。
「ううん、そんなこと。ちょっと緊張してしまって・・・・・」
「かわいらしい方ね。とても素直で・・・・・なんだか久しぶりに楽しい食事ができた気分よ」
 そう言ってにっこりとほほ笑んでくれた類のお母さんに―――
 あたしの胸が、ずきりと痛んだ。
 頼まれたとは言っても、あたしは、この優しい人をだましているんだ。
 そう思うと―――

 その時、個室の扉が開き、類のお父さんが戻ってきた。
「すまない、実は急な用事が入ってしまって・・・・・すぐに失礼しなくてはならない」
 その言葉に、類のお母さんが顔を顰める。
「まあ、あなた・・・・・せっかく牧野さんと食事をしているのに―――」
「あ、あの、私なら大丈夫ですから、どうぞ―――」
 あたしが手を振って言うと、類のお父さんがあたしを見て頭を下げた。
「本当にすまない。この埋め合わせは必ず―――」
「そんな、気にしないでください。こんな素敵なレストランに連れてきていただいて、それだけでとても感謝してるんです」
 あたしの言葉に、類のお父さんがふっと笑った。
 思わずドキッとしてしまうほど、やさしい笑みだった。
「ありがとう。あなたは、やさしいお嬢さんだ。またぜひ、お会いしたいな」
 その言葉に、またあたしの胸がずきりと痛む。
「それで、すまないんだが、類にも一緒に行ってほしいんだが」
「俺?」
 類が、目を瞬かせる。
「ああ、先方の希望で、ぜひお前も一緒に、とのことだ。顔見せ程度だが、大事な取引相手だ。断ることはできない」
「またそんな勝手な・・・・・牧野をここに1人で置いてけって言うの?」
「あ、あたしなら平気だから」
「けど・・・・・」
「車を1台呼んで、牧野さんを送らせよう」
 類のお父さんの言葉に、あたしは慌てて首を振る。
「そんな、大丈夫です、わたし。ここからなら電車で帰れますし―――」
「いや、しかし―――」
「本当に、大丈夫です。緊張してしまうので・・・・・どうかもう、気を使わないでください」
 そんなあたしをちらりと横目で見て、類が口を開いた。
「牧野がそう言うなら、そうするよ。ここは駅からも近いし、危ないことはないだろうし。ただ、気をつけて。タクシー呼んでもいいし」
 類の言葉に、ほっと息をつく。
「うん、ありがとう」
 類の両親は顔を見合わせると、ちょっと息をついた。
「わかった。君たちがそう言うなら・・・・・。だが、女性の1人歩きは危ない。くれぐれも、気をつけてくれよ」
「はい、ありがとうございます」
 そう言って、あたしは類の両親に頭を下げたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 思っていたより長い話になってしまいました。
 簡単に終わらせたかったんだけどな・・・・・。
 いつも本当にありがとうございます♪
 これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪

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火花 vol.3 ~花より男子・総つく~

Category : 火花 ~花より男子・総つく~
 -soujirou-

 パタン。

 パタン。

 さっきから何度も繰り返している動作。

 携帯電話を開いたり閉じたり。

 イライラと落ち着かない俺を、あきらが呆れた表情で見てる。

 「終わったら、電話来るんだろ?少しは落ち着けよ」
「・・・・・わかってる」
「少しは信用してやれって。類も牧野も、お前を裏切ったりしねえだろ?」
「わかってるって。信用はしてる。そういう問題じゃねえんだよ」
「じゃあどういう―――」
 そこまで言いかけて、言葉を切る。
 そして俺の顔をまじまじと見つめたかと思うと、ぷっと吹き出した。
「なんだよ」
「いや・・・・・。お前、マジで変わったよな」
「は?」
「類がどうとか、牧野の気持ちがどうとかじゃねえんだな。結局、牧野がお前以外のやつといるのが気にいらねえんだ。そうだろ?」
 にやりと笑いながら俺を見るあきらのからかうような視線に、俺は堪らず視線を逸らす。
「そこまで独占欲の強いやつだとは知らなかったぜ。牧野もこれから苦労すんな」
「うるせーな。苦労なんて―――」
 そう言いかけたとき、持っていた携帯が鳴り出し、着信を告げた。
「もしもし」
 慌てて電話に出ると、少し驚いたような、牧野の声。
『早いね、出るの』
「たまたま、だよ。終わったのか?」
 ニヤニヤと笑いながらこっちを見ているあきらに背を向け、そう聞く。
『えっと、それが・・・・・』
「何だよ?」
『夕食に、招待されちゃって・・・・・』
「はあ?断んなかったのか?」
『断り切れなくて・・・・・。帰りは、類に送ってもらうから』
 なんとなく、嫌な予感がした。
「・・・・・類は?なんて言ってる?」
『ごめんって。適当に話し合わせてくれればいいって。久しぶりに時間が取れたんだから、たまには親に付き合えって言われて・・・・・。お父さんのほうはともかく、お母さんには弱いみたいで、類も困ってた』
「見合いの話はどうなった?」
『あ、それは大丈夫みたい。今回は見送るって言ってたから』
「ってことは、お前の役目は果たしたってことだろ?何とか断れねえのかよ」
『そんなこと言ったって・・・・・・。あ、類。ごめん、とにかくそういうことだから、またね』
「あ、おい―――」
 気付けば、無機質なツーツーという音に、俺は舌打ちする。
「どうした?類と結納でもしてたか?」
 あきらのジョークに、笑う気にもなれない。
「・・・・・類の両親と食事だと」
「へえ。ってことは気に入られたんだな、類の親に。あの気難しい親父さんにしちゃあ珍しいな」
 それがまず気に入らなかった。
 類の父親が、厳しい人間だってことは俺もあきらも昔から知ってる。
 まだ小さかった俺らに対しても、甘い顔をしたことなんて一度もない。
 その父親が、牧野を気に入ったとしたら・・・・・?

 「・・・・・俺帰るわ」
 席を立つ俺を、あきらが心配そうに見上げる。
「おい、大丈夫か?別に食事するだけなら心配するほどのことでもねえだろ?」
「わかってる。ちょっと用事思い出したから、帰るだけだよ」
 そう言って手を振り、あきらの家を出る。

 もちろん用事なんてない。
 今日は牧野が来てから、一緒に食事にでも行こうと思っていたのだから。

 
 家に帰ってからも何も手につかず、ベッドに横になり、ぼんやりと過ごす。

 そのうちに、眠気が差してきてほんの少しウトウトとする。

 ―――コンコン

 ドアをノックする音に、はっとして起き上がる。
「―――総二郎、いるか?」
「―――ああ、ちょっと待って」
 体を起こし、ドアを開ける。

 目の前に立っていたのは、父親だった。
「珍しいね。俺の部屋に来るなんて」
「少し、聞きたいことがある」
 
 俺は部屋に父親を通し、自分はベッドに座った。
「何」
 自慢じゃないが、物心ついた頃から父親と1対1で話したことなどほとんどない。
 ましてや父親が俺の部屋に来たことなんて・・・・・。
「・・・・・お前がいつだったか、連れて来たお嬢さんがいただろう。なかなか礼儀正しい、気の強そうな―――」
「牧野のことか?」
「ああ、そんな名前だったか。その牧野さんとは・・・・・今でも付き合っているのか?」
「―――ああ」
 正確には、付き合いだしたのはあの後なのだけれど・・・・・
 今はそんなことはどうでもいいだろう。
「付き合ってるよ。それがどうかした?」
「今日・・・・・彼女を見かけたよ」
「は?」
「類くんと一緒だった。きれいにドレスアップして・・・・とてもお似合いのカップルに見えた。どういうことなんだ?」
 俺はその話に溜め息をつき・・・・・口を開いた。
「牧野と付き合ってるのは、俺だよ。類と牧野は・・・・友達だ。普通の友達とはちょっと違うかもしれないけど・・・・・なんて言うか・・・・・」
 言いよどんでいると、父親がそんな俺を見て苦笑した。
「モトカレ、とか言うやつか」
 そんな父親の言葉に目を丸くする。
「そんなに驚くな。わたしもだてに長く生きてない。そのくらいの言葉は聞いたことがある」
「へえ・・・・・そんなに若い彼女がいるとは知らなかったな」
 俺の言葉に、父親は口の端をあげて笑った。
「―――お前には関係のないことだ。それより、大丈夫なのか、お前たちは」
 その言葉に、俺は肩をすくめた。
「それこそ、あんたには関係ないことだろう」
 そう言って父親を睨みつける。
 父親も、俺の視線を受け止め・・・・・

 暫く俺たちはそうして、睨み合っていた・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 花男の話に、父親のことは出て来ても絵として出てこないんですよね。
 まあ、その方がこっちも妄想しやすいっていう利点はありますが・・・・・
 どういう人なんでしょうね。

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火花 vol.2 ~花より男子・総つく~

Category : 火花 ~花より男子・総つく~
 -tsukushi-

 アパートまで迎えに来てくれた類の車に乗る。
 演技とはいえ、類の恋人として両親に挨拶しなくてはいけないという大仕事に、嫌でも緊張が高まる。
「そんなに緊張するなよ」
 くすりと類が笑うのを、恨めしそうに見る。
「そんなの、無理。類の両親に会うのだって初めてだし・・・・・。ねえ、あたしの格好変じゃない?」
 シンプルな紺のワンピース姿の自分を見下ろす。
 類がちらりとあたしの全身に目を走らせる。
「変ではないよ。地味だけど・・・・・」
「だって、このくらいしかまともなのって持ってない。変じゃないなら、いいかな」
 ほっと息をつくと、類はちょっと考えるようにう~んと唸り・・・・・
「ちょっと、寄っていこうか」
「え?どこに?」
 不思議に思って聞くと、類はそれには答えず、急にハンドルを切ってぐるりと車をUターンさせた。
 突然のことに体を持っていかれるような感覚になり、あたしは目を白黒させる。
「うわあっ、何するの!」
「シートベルト、したほうがいいよ」
「早く言って!てか、どこ行くのよ?」
「ブティック」
「はあ!?」
 にこりと微笑む類。
 そうして呆気にとられるあたしをよそに、車はすごいスピードで、青山へと向かっていたのだった・・・・・。


 「―――信じらんない」
 鏡の前で、あたしは溜息とともに呟いた。
「似合ってるよ。これにしよう。あと、これに合うアクセサリーと靴をつけて」
「かしこまりました」
 ブティックの従業員が頭を下げ、その場を離れる。
 あたしは、もう一度鏡に映った自分を見た。

 薄いクリームイエローのさらりとしたシルクのワンピース。
 胸の下にアクセントになる黒い幅広のベルト。
 ふわりと広がった膝丈の裾からは品のいいレースが覗いていた。
 
 さすがと言うか、着るものが違うだけであたしでもお嬢様に見えるから不思議だ。
「かわいいよ」
 隣でにっこりと微笑む類にはっとする。
「ね、ねえ、これ―――」
「プレゼント」
 類の言葉に、さすがに慌てる。
「そんな!貰えないよこんな高い服!」
「でも、さっきの紺のやつよりずっと牧野に似合ってるよ」
「そういう問題じゃなくて!」
「いいじゃん。俺の両親に会ってもらうんだから、そのくらいさせてよ。自分のためじゃなくて、俺のためって思ってくれればいい」
 その言葉に、ぐっと詰まる。
 
 類の為。

 そう言われてしまえば、断れなくなるとわかってて言ってるんだから・・・・・
 
 お手上げ、と溜め息をつけば、類がくすくすと笑う。

 「今日だけは俺の恋人なんだから、よろしくね、つくし」
 あたしの名前を呼ぶ声に、なんとなく甘さを感じてドキッとしてしまう。
「わ、わかってる」
 そう言って、目を逸らすのが精一杯。
 ビー玉のような瞳で見つめられると、落ち着かない気分になってしまう。
 何も後ろめたいことはないはずなのに、この場に西門さんがいなくて良かったと、ほっとしている自分がいた・・・・・。


 店を出たところで、類がちらりと時計を見る。
「ちょっとギリギリ。急がないと」
 その言葉に、ぎくりとする。
「ねえ、安全運転してよ?」
「もちろん。俺の運転はいつだって安全だよ?」
 しれっと言われた言葉に、思わずぞっとする。
「あたし、まだ死にたくないし」
「何言ってんの。いいから早く乗れよ」
 促され、助手席に乗り込む。
 シートベルトを締めた瞬間、ぐんと勢いよく発射する車。
 思わず十字を切りたくなったことは、類にはないしょだけれど・・・・・。


 そのあたしたちの姿を、通りの向こうからじっと見つめている人物がいた。
「あれは確か・・・・・」
 眉間に皺を寄せ、記憶を手繰り寄せるようにじっと考え込む。
「どうかされましたか?」
 運転手の声に、ゆっくりと首を振る。
「いや・・・・・。良いんだ。行ってくれ」
 その言葉に、運転手が車をゆっくりと発進させたのだった・・・・・。


 「こちらが、牧野つくしさん。今、彼女と付き合ってる」
 類があたしの肩を抱いて言う。
「お話は伺ってます。あなたのような方が類の相手というのが意外ですが」
 厳格そうな類の父親がつくしをじっと見つめる。
 厳しく、一部の隙も見逃さないようなその視線に、つくしは小さく体を震わせた。
「彼女が、どんな人物だろうとそんなことはどうでもいいでしょう。とにかく、今俺は彼女と付き合っていて結婚なんてするつもりはないから」
 父親の目を真っ直ぐに見ながらそう告げる類。
 2人の間に、緊張が走る。
「わたしは素敵なお嬢さんだと思うわ」
 ふわりと、まるで緩やかな風のようにそう言ったのは類の母親だ。
 穏やかに微笑むその雰囲気は、類にとても似ていると思った。
「類は、そのお嬢さんと結婚したいと思っているの?」
 母親の言葉に、類はちらりとあたしを見て肩をすくめる。
「今はまだ、結婚は考えていません。はっきりと言えるのは、俺は彼女以外の女性と付き合うつもりも、結婚するつもりもないということです」
 そうはっきりと言い切った類を、少し驚いたように類の両親は見て、目を見交わしたのだった・・・・・。

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 このまま類と結婚?
 なんて思うほど類つくっぽい展開になってる気が・・・・・。
 総ちゃんの不安が、的中しないといいんですけどね~。

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火花 vol.1 ~花より男子・総つく~

Category : 火花 ~花より男子・総つく~
 「冗談じゃねえよ」
 イライラとした気持ちを抑えきれずに、俺は吐き捨てるようにそう言った。
 牧野が、困ったように俺を見上げる。
 向い側に座っていた類は、俺とは対照的にニコニコと楽しそうに笑っていた。

 大学のカフェテリアで、俺と牧野、類とあきらは講義の後に落ち合い、お茶していた。

 「まあまあ、そんなに怒るなよ、総二郎。別に本当に類と牧野が結婚するわけじゃねえんだから」
 あきらが苦笑して言うのを、俺はむっとして睨む。
「当たり前だろ?ってか、振りだけだっていやだっつーの」
 俺の言葉に、類は肩をすくめる。
「けど確か、前に俺と牧野が付き合ってたとき、総二郎に同じことで協力したことがあったよね」
 にやりと笑って俺を見る。
「それは―――!」
「今は確かに総二郎と付き合ってるけど、まだ結婚したわけじゃないし。俺の見合い断るのに、牧野に協力してもらうくらい、いいでしょ?」
 類の言葉に、牧野が溜息をついて俺を見る。
「西門さん、あたしなら、大丈夫だから・・・・・」
「大丈夫、だって?」
 牧野の言葉に、俺は思わず声を荒げる。
「何が大丈夫なんだよ?類の両親に、類の恋人だって紹介されるんだぞ?見合いを断る為の口実ったって、もしそこで類の両親に気に入られてすぐに結婚なんて話になったらどうすんだよ!?」
「そんなこと、あるわけないじゃん。大丈夫だってば、その日だけのことなんだし。類が困ってるなら、あたしは協力したい」
 そう言って、類の方を見る牧野。
 類が優しい笑みを牧野に向け、2人がしばし見詰め合う。
 その様子が、まるで本当の恋人同士のようにも見え―――

 そんな2人の姿を見ていられなくて、俺はがたんと音を立てて席を立った。
「勝手にしろよ。俺はもう帰る」
「西門さん!待ってよ!」
 後から慌てて牧野が追いかけてくる。
 俺は構わずそのままカフェテリアを後にした・・・・・。


 「ちょっと待ってってば!!」
 門を出たところで、牧野がぐいっと俺の腕を引っ張る。
「―――勝手にすればいいだろ?大事な類の頼みだもんな。お前が、断るわけねえよな」
「もう!何でそんな言い方するの?たった1日だけのことなんだから、協力してあげたっていいじゃない!」
「だから!そうすりゃあいいだろ?」
「何でそんなに怒ってるのよ!?」

 俺はその言葉にぴたりと足を止め、牧野のほうを振り返った。

 急に振り返り、牧野の顔をじっと見つめた俺を、牧野が目を見開いて見る。
「な、何?」
「・・・・・お前は、平気なのかよ?」
「え?」
「お前ら、言ってたよな。別れる時・・・・・お前らの気持ちが変わったわけじゃないって。お互いを好きな気持ちは変わらないんだって。それくらい好きな相手に・・・・・もしまた、本気でプロポーズされたら、どうする?」
「どうするって・・・・・何言ってんの?あたしはただ、類のお見合い断る口実のために、ご両親に会うだけだよ?プロポーズなんて・・・・・」
「類はまだ、お前を諦めてねえよ。前にも言ってただろ?両親に紹介したいって。そん時はまだお前ら付き合ってたからな。会えば確実に結婚の話になってただろ。今回だって、見合いを断るだけじゃない。お前らの結婚の話になるはずだ。もし両親の前で類にプロポーズされたら・・・・・お前はどうするんだ?」
 俺の言葉に、牧野は戸惑った表情を見せた。
 考えてもなかったんだろう。
 だけど、俺はこの話を聞いたときから、その可能性を考えていた。

 以前、俺が牧野に同じことを頼んだとき。
 俺は、遠まわしに牧野にプロポーズをしているつもりだった。
 もちろん、そんな遠まわしなやり方は牧野には通用しないけれど・・・・・。

 「そんなこと・・・・・断るに決まってるよ」
「両親の前でか?」
「それは・・・・・わからない。でも、後でちゃんと断るよ。当たり前でしょ?類だって、それは分かってくれるはず。たとえ類がまだあたしのことを思ってくれてたとしても・・・・・・あたしたちを嵌めるような事、するわけないよ」
 牧野の手が、俺の手にそっと触れた。

 牧野が、じっと俺を見上げる。

 「西門さん?何をそんなに心配してるの?あたしは、類と結婚するためにいくんじゃないよ?ただ、類にはたくさん感謝してるから・・・・・何か役に立てるなら、そうしたいと思ってるだけ」
 真っ直ぐに俺を見つめる瞳が、俺の気持ちを静めてくれるようだった。

 繋がれた手を引っ張り、牧野の体を抱きしめる。
「・・・・・ごめん」
「うん・・・・・」
「類には、俺も感謝してる・・・・・。ただ・・・・・お前のことに関しちゃ、黙って見てることが出来ねえんだ。お前たちの絆、いやってほど見て来てるから・・・・・」
 俺の言葉に、牧野がそろりと俺を見上げる。
「それでも、あたしが付き合ってるのは西門さんだよ?」
「・・・・・信じてるよ。お前のことも・・・・・類のことも」
 その言葉に、牧野が嬉しそうにふわりと微笑んだ。

 そっと触れるだけのキスをする。

 大丈夫。牧野は、ちゃんと戻ってくる。

 そう自分に言い聞かせるように・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 導火線(総つく編)の続編です。
 ここのところ、頂いたコメントにレス付けられなくてごめんなさい!
 1人1人にお礼をさせていただきたいところなのですが・・・・・
 非公開のコメントもあるので、こちらからで失礼します!
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Only Love ~花より男子・類つく~

Category : Only Love ~花より男子・類つく~
 「・・・・・何してんの」
 ドアを開けると、飛び込んできたのはかわいらしいメイド姿の牧野だった。
 俺に見られたのを知ると、途端に顔を真っ赤に染め上げる。

 胸元の大きく開いた白いブラウスに、胸のふくらみを強調するような紺のエプロンドレス。
 スカートの裾はふんわりと広がり、白いペチコートがちらちらと見えるのが逆にセクシーだった。
 ミニ丈の裾からは生足が覗き、膝までの白いソックスが細い足にぴったりと張り付いていた。

 「何してんの?」
 もう一度聞くと、牧野は観念したように溜息をついた。
「・・・・・試着」
「その服、どうしたの?まるでメイド喫茶にでも行くみたいだね」
 そう冗談めかして言えば。
 牧野の目が一瞬ぎくりとしたのを、俺は見逃さなかった。
「・・・・・どういうこと?」
「・・・・・桜子に、頼まれて。バイト」
「バイト?あの三条が?」
「うん・・・・・。桜子の、前の彼氏がメイドのコスプレが好きで、家にナイショでバイトしてたんだって。でも、その彼と別れて・・・・・。バイトも、もう辞めるんだけど、どうしても明日だけ人が足りないからって頼まれたんだけど、桜子も用事があるからって・・・・・」
「それであんたが頼まれたの?何でそんなの引き受けるの」
「だって、強引にこの制服押し付けられて・・・・・どうしてもって泣きつかれちゃったんだもん」
 上目遣いに俺を見上げる牧野。
 俺は、大きな溜息をついた。
「・・・・・その格好を、他のやつにも見せるの?」
「だって、制服だから・・・・・」
 俺は牧野の腰を引き寄せ、その体を腕の中に封じ込めた。
「絶対ダメ」
「だって・・・・・」
 困ったように俺を見上げる牧野。
 胸の膨らみが上からはっきりとわかるその格好に、俺は顔を顰めた。
「・・・・・どうしても行くんなら、俺も行く」
「だ、だめ!」
「何で?」
「だって・・・・・」
 牧野の頬が染まる。
「他のメイドさんを、見て欲しくない。類を・・・・・見せたくない」
 潤んだ瞳。
 
 頭で考えるよりも先に、体が動いてた。

 乱暴にその唇を奪い、華奢な体をかき抱く。

 漸く腕を緩めるころ、牧野は俺に摑まらないと立っていられない状態だった。

「・・・・・かわいいね、その格好」
「あたしには、似合わないよ」
 照れたように言うその表情が、かわいかった。
「似合ってるよ。でも・・・・・俺以外のやつには、見せないで」
「また・・・・・」
「俺、本気だから。明日1日・・・・・牧野を縛り付けてでも、行かせないよ」
 耳元で囁けば。

 牧野は観念したように俺の胸に額をつけて、くすりと笑った。

「もう、強引」
「・・・・・嫌いになった?」
「ううん・・・・・。大好きよ・・・・・」

 それから俺たちはまた、ゆっくりと口付けを交わした・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こちらのお話も、拍手のお礼用小話に使用していたものです。
 これは一話完結。
 これくらいの短いお話しを思いついたときには、拍手のお礼小話としてアップしたりします。
 たま~に新しいお話が入ってたりするので、時々覗いてみてくださいね♪

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Miracle Girl vol.1 ~花より男子・F4×つくし~

Category : Miracle Girl ~花より男子・F4×つくし~
 「よお、類」
「・・・・・なんで総二郎がいるの?」

 牧野のアパートを訪ねた俺を出迎えたのは、なぜか総二郎だった。

 「大学の帰りに拾った。ちょうど帰るところだったから」
 しゃあしゃあと言ってのける総二郎。
「方向、逆でしょ?」
「ま、細かいこと気にすんなよ」
 にやりと笑うその表情に、カチンと来る。
 当の牧野は俺が来たのを見て、いそいそとコーヒーなんか入れてる。
「花沢類、上がってよ。今コーヒー入れたから」
 俺は靴を脱ぐと、部屋に入りちゃぶ台の横に座った。
「ちょうど良かった。今、電話しようかなって思ってたところなの」
「俺に?何か用事だった?」
「ていうか、西門さんが今夜飲みに行こうって言うからさ。類も誘おうかなって思ってたの」
 にっこりと微笑む牧野を見て。
 横にいた総二郎に視線を移す。
『チッ』
 という舌打ちが聞こえてきそうな表情で、俺から目を逸らす総二郎。

 ―――ふうん。なるほどね・・・・・

 そういうことなら、俺だって受けて立つよ。

 勝負はこれから。

 最初に言っておくけど。

 負けるつもりは、ないからね。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 拍手のお礼用小話に使っていたお話です。
 超短編。
 類視点のお話。
 一応これの続きっぽいお話で、あきら視点バージョンもありますが、それはまた今度ということで♪

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ビターキャラメル vol.5 ~花より男子・類つく~

Category : ビターキャラメル ~花より男子・類つく~
 「ずいぶんいい雰囲気だったじゃねえか」

 テラスから戻ると、拗ねたように西門さんが言った。
「ほんと、ちょっと接近しすぎじゃないの?」
 じろりと横目で睨む類の視線も鋭い。
「う・・・・・そんなことないってば。ちょっと話してただけ。見てたでしょ?2人とも」
「だから、見たまんまを言ってるんだろうが。大体、モトカレとの不倫なんて良くありがちな話だし?」
「バーカ、俺たちはそんな安っぽい関係じゃねえんだよ」
 呆れたような美作さんの言葉に、西門さんの顔が引き攣る。
「すげーやな感じだな。安っぽくない関係ってどんなんだよ?心の恋人とか言うんじゃねえだろうな」
「ま、俺にとってはそんな感じか?」
 しれっと認める美作さんに、あたしは焦り、類も眉間に皺を寄せる。
「どういうこと、それ。つくし、まさか―――」
「違うってば!」
「あせんなよ、類。俺にとってはって言っただろうが。俺にとって牧野は今でも一番大事な女だからな。けど、見返りが欲しいわけじゃない。お前が、牧野を幸せにしてくれればそれでいい。もちろん、それが出来なかったときには俺も黙ってねえけど?」
 そう言って美作さんがにやりと笑えば、類はむっとしたように美作さんを見返す。
「変なこと言うな。つくしを幸せにするのは、俺の役目。あきらにも、他の誰にも譲る気はないよ」
「だってさ。良かったな、牧野」
 ぽんぽんとあたしの頭を軽く叩く美作さん。
 
 なんだか照れくさくて、頬が熱くなるのを感じる。

 「心配はしてねえよ。お前らが結婚してから今まで、ずっと見てきてるからな。牧野が幸せだってことはわかってる。だから、俺は安心してドイツへ行けるってわけだ」
「あきら・・・・・。いろいろ、感謝はしてるよ。フランスでは、あきらがいたからつくしに寂しい思いをさせなくて済んだと思ってるし。だから、つくしの気持ちもわかってるつもり。つくしのあきらを大切に思ってる気持ちも、寂しいと思う気持ちも・・・・・。だから、2人の絆の深さもわかってるつもりだし・・・・・認めてはいるけど」
「そうか、良かった。なら、俺の多少の我侭は許せるよな?」
 にんまりと笑い、あたしの肩をぐいと引き寄せた美作さん。

 次の瞬間には、美作さんの唇があたしの唇に重なっていた―――。

 「あきら!!」
 類が慌てて、あたしの体を引き寄せ美作さんから引き剥がす。
「何してんだよ!?」
 あたしは驚きのあまり固まり―――
 西門さんも呆然とその様子を眺めていた。
「最後の、我侭だよ。当分牧野には会えなくなるんだ。これくらいはいいだろ?」
「良くない!」
「けちけちすんなよ」
「そういう問題じゃないだろ!?」
 額に青筋を立てて怒っている類に、さすがにあたしもたじろぐ。
「る、類・・・・・」
 そんなあたしにまた優しい笑みを向けながら。
「これでドイツでもがんばれる。俺が1人でがんばるための、栄養補給だと思って大目に見ろよ」
 その言葉に、類が大きな溜息をついた。
「まったく・・・・・。いつからそんなにずうずうしくなったんだか。今回だけだからね。今度やったら、絶対に許さない」
「了解。―――ああ、空港には見送りに来なくていいからな。また泣かれちゃかなわねえ。湿っぽいのはごめんだ」
 そう言っておどけたように笑う美作さん。

 あたしに気を使ってくれてるんだと、わかるけれど。
 今は、美作さんの望むとおりにしたい。
 あたしはそう思って、笑顔で頷いたのだった・・・・・。


 飛行機が、大きな風を巻き起こしながら空にゆっくりと舞い上がっていく。

 あたしは頭上を通り過ぎていく飛行機を見上げながら、太陽の眩しさに目を細めた。

 今頃、美作さんもきっと飛行機の中だろう・・・・・。

「本当に良かったの?見送りに行かなくて」
 隣で、類が言う。
「約束、したから。それに、やっぱり顔見たら涙が出そうだもん」
「・・・・・寂しい?」
「そりゃあね・・・・・。でも、大丈夫。美作さんが、ずっと見守ってくれるって言ってたから・・・・・だから、あたしはいつも笑顔でいなくちゃ」
「・・・・・やっぱり、ちょっと妬けるな。遠く離れてもお互いを思ってるなんて、すごい強い絆だよね」
 ちらりと、あたしを横目で睨む。
「2人の間には、俺も入り込めないものを感じるよ」
「それは、だって、類と美作さんは違うから・・・・・・」
「それでも、悔しい。言っとくけど、不倫は絶対ダメだからね?」
「だから、不倫なんてしないってば!」
「じゃ、約束」

 風のように、あっという間に奪われる唇。

 驚く暇もないくらいの早業に、あたしは言葉も出てこない。

 「あきらの我侭は、あれが最後って言ってたから。もう、絶対他のやつとキスなんかさせないよ」
 そう言ってふわりと抱きしめられる。

 いつでもそうやってあたしを安心させてくれる人。
 類と一緒なら、あたしはどこでも幸せ。
 
 それが、美作さんにとっても幸せだというのなら。

 あたしはずっと類と一緒にいるよ。
 そうして、類と一緒に幸せになる。
 いつでも笑っていられるように。

 その笑顔を、いつでも美作さんに見守ってもらえるように・・・・・・


                              fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 というわけで。
 ちょっと総二郎、出番少なめでした。
 総つくに比べてあきつくは少ないので、ちょっとあきら贔屓のお話です(^^)

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ビターキャラメル vol.4 ~花より男子・類つく~

Category : ビターキャラメル ~花より男子・類つく~
 「ドイツ・・・・・?」
 突然のことで、頭が回らない。
 美作さんは相変わらず穏やかな表情で、あたしを見つめている。

 「・・・・・さっきの電話?急に決まったの?」
 類の言葉に、美作さんは肩をすくめた。
「決定したのはついさっきだけど、話があったのは結構前。まだフランスにいた頃だよ」
「そんな前から?どうして・・・・・」
 言ってくれなかったのだろうと、少し悲しい気持ちになる。
「決定してから言おうと思ってたんだ。あんまり早くからわかっちまうと、うろたえ出すやつがいるから」
 にやりと笑ってあたしを見る。
「あ、あたしは、だって・・・・・日本に帰ってきてから3ヶ月しか・・・・・」
「だから、元々ドイツに行く準備のために戻ったんだ」
「ま、今まで偶然が重なっただけで、実際1年前にそうなる予定だったんだ。仕事じゃあしょうがねえだろ」
 西門さんがわざと明るい口調で言う。
 だけどその声はどこか遠くから聞こえてくるようで・・・・・
「・・・・・つくし?大丈夫?」
 類があたしの肩を抱く。
「あ・・・・・うん。ちょっとびっくりして・・・・・」

 類と西門さんがちらりと目を見交わす。
「・・・・・わりい、類。ちょっと牧野貸してくれるか」
 美作さんの言葉に類は溜め息をつき、口を開いた。
「わかった」
 その言葉に、美作さんは席を立ち、あたしを促し窓からテラスへと出た。
 あたしも、その後を着いていく。

 
 「悪い。そんな顔させるつもりはなかったんだ」
 溜息をつきつつ、優しくあたしを見つめる美作さんに、胸が苦しくなる。
「ううん・・・・・。考えてみれば、西門さんの言うとおりだよね。たまたま、仕事で行った先が同じだっただけで・・・・・でもなんだか、ずっと一緒で・・・・・・傍にいることが当たり前みたいになっちゃってて・・・・・実感、湧かない。いつ行くの?」
「・・・・・来週」
 美作さんの言葉に、あたしは目を丸くする。
「来週!?そんなに急に・・・・・」
「牧野、聞いてくれ」
 美作さんの顔が、急に真剣なものに変わる。
 そっとあたしの肩に置かれた彼の手に、力がこもる。
「美作さん・・・・・・?」
「俺が、お前たちの傍にいたのは、偶然じゃない」
「え・・・・・?」
 思いもしなかった話に、あたしは愕然とする。
「俺が、お前たちの傍にいられるよう、父親に言って仕事の場所を調整してもらってたんだ」
「なんで・・・・・・」
 あたしの言葉に、美作さんはふっとまた優しい笑みを浮かべた。
「お前が、心配だった。司と別れ、類とも別れた時のこと、今でも覚えてる。お前は辛いときもそれを全部自分の胸の内に閉まっちまうところがある。そうして結局爆発するまで放っといて・・・・・類が婚約した時のことだって覚えてるだろ?自暴自棄になって、俺と付き合うことになった時のこと。俺は、もうお前にそんな辛い思いをして欲しくなかった」
「でも、それは・・・・・」
「わかってる。今のお前には、類がついてる。だけど、心配だったんだ。もしまたお前が1人になったら・・・・・・。そう思うと、どうしても傍を離れられなかった。だけど、今度ばっかりは・・・・・・今まで、俺の我侭を通してきちまったからな。タイムリミット。どうしても、断りきれなかった」
 そう言って、苦笑する美作さんの瞳は、どこまでも優しくて・・・・・

 知らなかった。
 そんなふうにずっと傍にいてくれたこと。
 あたしは1年前、あたしを何より大事にしてくれていた美作さんを裏切ったのに・・・・・
 
 美作さんの優しさに、涙が止まらなかった。

 「牧野、泣くな」
 大きな手が、あたしの髪を撫でる。
「お前には、いつも笑っていて欲しいんだ。そうじゃないと、安心できねえ」
 あたしの顔を覗き込み、笑顔を見せる。
「笑っててくれ、いつも。離れても、俺はお前の幸せを願ってる。いつも見守ってるから。お前は、類の傍にいて幸せになるんだ。いいな?」
 美作さんの顔を見上げる。
「優しすぎるよ・・・・・。どうしていっつもそうなの・・・・・・。あたしは・・・・・美作さんの気持ちも知らないで・・・・・・」
「お前は、知らなくていいんだ。本当はずっと言わないでおこうと思ったんだけど・・・・・。類のやつは、もう気付いてる。類からそれを聞いたらきっと、お前はまた気にしそうだからな」
 そう言って美作さんがちらりと部屋の中に視線を向ける。
 中では、類と西門さんが心配そうにこちらの様子を伺っていた。
「これからは、俺は傍にいてやれない。だけど、1年以上お前らを見守ってきて・・・・・もう大丈夫だってことは、十分わかってたんだ。それでも傍にいたかったのは、やっぱり俺の我侭だな」
 あたしを見つめる瞳に、切なさが滲む。
「ここには総二郎もいる。俺がいなくても大丈夫だ。もしまた海外に行くことになっても・・・・・お前たちなら大丈夫だ。類がお前の傍にいれば、心配はない。あいつが、お前の傍から離れるなんてありえないからな。だから・・・・・安心しろ」
「そんな・・・・・永久に別れるみたいな言い方、しないで」
「ああ・・・・・。また、会える。俺はいつでもお前のこと思ってるから。お前に何かあれば必ず駆けつけるよ」

 もう決まってしまったこと。
 それはもう変えようがないんだと、言い聞かせられているようだった。
 永遠に会えないわけじゃない。
 
 何よりも、美作さんが今まであたしを思ってくれていたことが嬉しくて、切なくて・・・・・・
 あたしは、その思いに応えなくちゃいけないんだと、再認識させられたようだった・・・・・。

 「牧野。俺の思いに応えてくれようと思うなら、幸せになってくれ。類と・・・・・。それだけで、俺も幸せを感じられるから」
 そう言って微笑む美作さんに、あたしは頷いた。
 涙を堪えて・・・・・
 笑顔で見送ることが、今のあたしに出来ることなんだ・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 つくしとあきらの繋がりは、もしかしたら付き合っていた頃よりもずっと深いものなのかもしれないです。

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ビターキャラメル vol.3 ~花より男子・類つく~

Category : ビターキャラメル ~花より男子・類つく~
 「キャー!つくし!久しぶり!!」
 美作邸に着くなり、滋さんの抱擁を受け、倒れそうになるあたし。
「し、滋さん、久しぶり。相変わらず元気そうだね」
「あったりまえじゃない!つくしも、幸せそうだね!」
 ニコニコと、からかうような眼差しを向ける滋さんに、あたしもあることを思い出す。
「滋さんこそ。婚約したんだって?おめでとう」
 その言葉に、頬を赤らめながらも満面の笑みを浮かべる滋さん。
「ありがと!今度つくしにも紹介するね!結婚式には絶対呼ぶから!」
 幸せそうな滋さんを見ていると、あたしまで幸せな気分になってきた。
「はいはい、惚気大会はそれくらいにしてくださいよ。今日は美作さんの快気祝いのパーティーなんですから」
 そう言って割って入ってきたのは桜子だ。
 確か、美作さんのところの系列会社の重役秘書をしていると聞いた。
 すっかり貫禄のついた桜子は、緩やかなウェーブを巻いた髪を背中にかかるくらいまで延ばし、化粧もばっちりと決めていた。
「桜子、見違えた。キャリアウーマンっぽく見えるよ」
「っぽく、じゃなくてそうなんです。来年には社長婦人になってるかも、ですよ」
 うふふと意味深な笑みを浮かべる表情は相変わらずだ。
「つくし、いつまで入口にいるの。早く中に入ってきて」
 そう言ってひょっこり顔を出したのは、これまたすっかりOLが板に着いた優紀だった。
「あ、ごめん、今行く」
 慌てて言いながら、優紀の後を着いていく。
 ショートカットが気に入っているのか、短い髪は昔のまま変わらないのに、すっかり慣れた薄化粧とてきぱきとした立ち居振る舞いが、以前よりもずっと大人っぽく感じさせた。

 「お、来たな。類は?」
 広いリビングのソファーには西門さんが座っていて、もうすっかりくつろいでいた。
「すぐ来るよ。車降りたところで、田村さんから電話かかってきちゃって。美作さんは?」
「あきらも電話。そっちにいるよ」
 くいと顎で示された方を見れば、美作さんが窓の外、庭に面したテラスのベンチにもたれかかり、携帯で話している様子が見えた。
 
 仕事の話だろう、真面目な顔で話しこんでいる美作さんを見て、なんとなくドキッとしてしまった。
 ソフトで優しいイメージの強い美作さんだから、眉間に皺を寄せ、仕事の話をしている彼というのが見慣れなくて、つい目を離せないでいると、いつの間にか傍に来ていた西門さんにおでこを弾かれる。
「いたっ、何すんのよ」
「見惚れてんじゃねえよ。類に怒られるぞ」
「見惚れてなんか・・・・・」
「お前まさか、フランスであきらと何かあったんじゃねえだろうな」
 じろりと横目で睨まれ、あたしは目をむく。
「まさか!ありえないから、そういうの。やめてよね、変なこと言うの」
「油断ならねえから、お前は。何せ結婚したってのに隙だらけだし。『昔の男』がずっと傍にいるってどうなんだよ」
「だから、そういう言い方しないでよ。美作さんとはいい友達なんだから」
「へーえ?俺ともいい友達?」
 言いながら、顔を覗き込んでくる西門さん。
「あ、当たり前でしょ?あのね、そうやって急に顔近づけないでよ」
 慌てて身を引けば、にやりと余裕の笑みで。
「ん?何、どきどきしちゃった?」
 そう言ってまた顔を近づけるから、あたしはさらに後ろに下がろうとして―――

 ぽすんと、暖かいぬくもり。
「総二郎、つくしをからかわないで」
 あたしを腕の中に収め、むすっとしてそう言ったのは類だった。
「類、いつ入ってきたの?」
「さっき。つくし、話に夢中で気付かなかったろ」
 ちろりと睨まれ、うっと詰まる。
「ご、ごめん」
「まあまあ、しょうがねえだろ。こんないい男が目の前にいるんだから」
 そう言いながら一歩近づいた西門さんを、類が片手で押し戻す。
「それ以上近づくなよ」
「なんだよ、話すくらいいいだろうが」

 「何やってんの、お前ら」
 電話を終え、リビングに戻ってきた美作さんが呆れ顔で言う。
「おお、終わった?休みだってのに、仕事の電話かよ」
 西門さんの言葉に、苦笑して肩をすくめる。
「ああ、まあな。悪かったな。始めようぜ」
 美作さんの言葉にみんな集まり、西門さんが乾杯の音頭を取る。
 あたしの隣に立った美作さんが、ちらりとあたしを見る。
 何か言いたそうなその視線に首を傾げてみると、なんでもないというように少し微笑み、また西門さんのほうに向き直った。

 ―――なんだろう?

 なぜか、その様子に引っかかるものを感じていた・・・・・。
 
 それでも久しぶりに集まったメンバーとの会話が弾み、パーティーが盛り上がっていくにつれ、そんなことも気にならなくなっていた。

 まるで高校生のころに戻ったような感覚。
 そういえば1人足りないけれどと、時折道明寺の話題に触れながらもパーティーは和やかに進み―――

 気付けば、もう外は暗くなってきていた。
「あ、ごめん、あたしもう行かなくちゃ。この後、婚約者と会うことになってるの」
 時計を見た滋さんが、慌てて席を立つ。
「あ、あたしも失礼します。ちょっと用事が―――」
「優紀ちゃんもデート?」
 西門さんの言葉に、頬を染める優紀。
「いいですわね、羨ましい。わたしはそんな相手いませんけど、ちょっと用事があるのでお2人と一緒に失礼しますね。先輩、今度は女だけで飲みに行きましょうね!」
「あ、うん。またね」

 ぞろぞろと女性3人がいなくなり、急にリビングは静かになってしまった。

 「女のパワーはすげえな」
 西門さんが感心して言うと、美作さんもくすくす笑う。
「まったくだぜ。そういや桜子はこれから秘書仲間と合コンらしいぜ」
「合コン?あいつも相変わらずだな。どうりでメイクも気合入ってるはずだ」
 呆れたようにそう言う西門さんに、みんなが笑う。
 
 目の前に置かれたカクテルを手に持ち、口に運ぼうとしたそのとき。

 美作さんが、口を開いた。

 「俺、ドイツに行くことになったよ」

 ぴたりと、手が止まる。

 ゆっくりと美作さんのほうを見ると、美作さんもこちらに視線を向けていて。

 「たぶん、3年は向こうにいることになる」

 そう言って美作さんは、穏やかに微笑んでいた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 キャラメルボックスのときより、甘めになってる気が・・・・・。
 題名、変えようかな・・・・・。

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ビターキャラメル vol.2 ~花より男子・類つく~

Category : ビターキャラメル ~花より男子・類つく~
 病院を出て西門さんと別れ、車に乗る。

 あたしは、久しぶりに会える友人たちのことを考えて、ちょっと浮かれていた。

 「―――嬉しそうだね」
 類の声にはっとする。
「だって、久しぶりだし・・・・・。類は嬉しくないの?」
 あたしの言葉に、類は肩をすくめた。
「あきらたちにはしょっちゅう会ってるし、他は興味ない。俺は、牧野と2人きりで過ごしたかった」
 ちょっと、機嫌悪いかも・・・・・?
 あたしは類の横顔をちらりと盗み見た。
 まっすぐ前を見つめる瞳。
 でも、その表情はやっぱりちょっと怒ってるみたいだった。
「・・・・・明日、休みでしょ?久しぶりに2人で過ごせるよ」
「邪魔が入らなけりゃね」
 前を向いたまま、素気なく言う。
 やっぱり雲行きがあやしい・・・・・。
「邪魔って・・・・・」
「結婚してから今まで、2人きりでゆっくり出来たのってどのくらいある?仕事は忙しいし、たまの休みにはあきらが押しかけてきたり、日本に帰ってきてからも休む暇はないし、これからだってきっと休みになればあきらや総二郎が来るんだろ」
「それは・・・・・。でも2人とも大切な友達だし」
「もちろん俺だってそう思ってる。だけど・・・・・俺たち夫婦の時間だって、大切だよ」


 家に帰り、途中だった食事の支度を再開する。
 ここは花沢の家からは少し離れた高層マンションの最上階。
 花沢の家でも良かったのだけれど、2人きりの時間を大切にしたいと言う類の意見で、マンションを買うことになったのだ。
 そんな贅沢な・・・・とは思ったのだけれど、あたしも使用人たちに全て家事を任せきりにするよりも夫婦たちのことくらいは自分たちでやりたいと、賛成したのだった。

 だけど実際は仕事が忙しく、ここでゆっくり過ごせるのは、夜中に帰って寝るときくらい。
 たまには2人でどこかへ出かけたり、日の出てるうちに2人きりの休日を楽しみたいと思っていたのだ。
 そして、明日はその久しぶりの休日なのだけれど・・・・・。

 さっき、病院を出るときの会話を思い出す。
 明日が休みなら、これから飲みに行かないかという西門さんの誘いを、『疲れてるから』と言って素っ気無く断った類。
 よっぽど疲れているんだろうと思っていたのだけれど・・・・・。

 食事が終わり、ソファーで横になっている類の傍へ行く。
「お疲れ」
 あたしに気付いた類が、にっこりと微笑みあたしの腕を引く。
 漸く笑顔を見せてくれた類にほっとして、あたしは類の胸に頭をもたせ掛ける。
「類も」
「・・・・・さっきはごめん。ちょっとイライラしてた」
 ちらりと、類を見上げる。
「仕事で、何かあった?」
「いや、そうじゃないよ。あれは・・・・・ちょっと、妬いてただけ」
 照れくさそうに、あたしの髪を撫でながらはにかむ類。
「妬いてた?美作さんに?それとも西門さん?」
「どっちも、かな。あきらが事故に会ったって聞いて心配して駆けつけたけど・・・・・つくしが先にそこにいるのに、驚いた」
「それは、杉田さんが・・・・・」
「うん、わかってる。だけど俺に言っておいて欲しかった。慌ててたってことはわかってるけど・・・・・。それから総二郎のことも」
「西門さん?」
「口説かれてた」
 ちらりと拗ねた視線を向けられて、あたしは驚く。
「聞いてたの?」
「部屋に入ろうとしたら、聞こえたんだ。ああいうの、総二郎はつくしの反応見て楽しんでるんだってわかってるけど、やっぱりいい気はしないよ」
 類があたしの首に腕を回し、後ろから首筋にキスを落とす。
「つくしは、俺の奥さんなのに。あいつら、そういうの無視しすぎ」
 完全に、ふてくされてる。
「つくしも・・・・・。いちいち総二郎のああいうのに反応しないで」
「そんなつもりないんだけど・・・・・。急にああいうこと言い出すから、びっくりしちゃって」
「それがあいつらにはツボなんだって。顔なんか赤くしてるとこ見ると、余計にね。だから、安心できない。つくしを1人であいつらに会わせたくないんだ。隙がありすぎ」
 耳元でしゃべるから、類の息がくすぐったくて身を捩ろうとすると、類はあたしの腰に腕を回し、ぎゅっと抱きしめてきた。
「明日は、どこにも行かないでここでこうしてたい」
「お休みなのに、全然出かけないの?」
「2人きりを満喫したいんだ。来週はまた、邪魔が入るし」
「・・・・・嫌なの?」
「正直に言えば、俺はいつでもつくしと2人がいい。でも、友達も大切だとは思ってるし、つくしの気持ちもわかってるつもり・・・・・。だから、来週は我慢してあげる。その代わり、明日は俺の我侭聞いて・・・・・」
 そうして、あたしを抱きしめる腕に力をこめる類。

 気付けば、ソファーの上で類に組み敷かれていたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっと短い?
 いつまでも新婚気分を味わっていたい2人です。

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ビターキャラメル vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : ビターキャラメル ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 その日あたしは、家で少し早めの夕食の準備にとりかかっていた。
 明日は休日。
 久しぶりに類とゆっくり出来るはずだった。

 フランスで1年間生活し、また日本へ戻って来てから3ヶ月。
 慌ただしく過ぎていく毎日の中で、なかなか2人きりで過ごす時間も持てずにいた。
 午後の5時を回る頃、家の電話が鳴り出した。

 慌ててキッチンを飛び出し、受話器を取る。
「はい!」
『あ、牧野様、杉田です』
 既に結婚し、花沢姓になったあたしを『牧野』と呼ぶ人間は限られていた。
 これは―――
「杉田さん?どうかしました?」
 美作さんの秘書である杉田さんの慌てた声に、美作さんに何かあったんだろうかと、あたし心のに不安が広がる。
『実は、交通事故に遭われまして』
「交通事故!?」
 背筋に、冷や汗が流れる。
「それで、美作さんは!?」
『すいません、わたしも今別の場所にいまして、詳しいことは―――。これから病院に向かいますので、牧野さんも・・・・・』
「行きます!どこの病院ですか!?」
 おそらく電話の向こうで一瞬耳を離しただろうと思えるほどの大声で、あたしは怒鳴っていたのだった・・・・・。


 「美作さん!!」
 病室のドアを勢いよく開けて病室に飛び込んだあたしを、目を丸くして迎えたのは―――
「お前、ここ病院だって知ってる?」
 ベッドの隣に立って呆れ顔で言ったのは西門さん。
 そして―――
「個室にしておいてよかったぜ」
 と苦笑したのは、ベッドに横たわっていた美作さんだった・・・・・。
「美作さん・・・・・大丈夫なの!?」
「でかい声出すなって。杉田に聞いたのか?」
「うん。交通事故にあったって・・・・・」
 あたしの言葉に、美作さんは肩をすくめた。
「ああ、ドジっちまった。駐車場出るとこで、カーブを曲がってきた車に気付くのが遅れた。けど向こうもカーブでスピード落としてたし、かすっただけだから・・・・・打撲とかすり傷だけで済んだ。一応、検査のために1日入院だけどな」
 その話に、あたしはほっと息をついた。
「よかった・・・・・」
「まったく、杉田のやつもちゃんと確認しねえでお前に電話したな」
「あ、そういえばその杉田さんは?こっちに向かうって言ってたけど、まだ?」
「ああ、あいつにはさっき電話して社のほうに向かってもらった。急いでやってほしい用があったから」
「そっか・・・・・。でもよかった、たいしたことなくて・・・・・」
 再び息をつくあたしを、美作さんが見て笑う。
「悪かったな、心配かけて。杉田のやつ、俺に何かあったらまずおまえに知らせなくちゃいけないと思ってるみたいだから」
 そう言う美作さんの隣で、西門さんもにやりと笑う。
「そりゃあそうだろう。日本からフランス、フランスから日本と、まるで追っかけみたいにずっと牧野の傍にいて、毎週のように会ってればただならぬ関係だって思われても不思議じゃない」
 西門さんの言葉に、あたしは顔を顰めた。
「ちょっと、変な言い方しないでよ。たまたま仕事の都合で移動した場所が同じだっただけ。それに毎週会ってるのだって、類が一緒なんだから怪しまれるようなこと何もないよ」
 そう言うあたしを、横目で見つめる西門さん。
「たまたま、ね・・・・・」
「何よ、本当のことだもん。ね?美作さん」
「ああ」
 あたしの言葉に、笑顔で頷く美作さん。

 美作さんとあたしが付き合っていたのは、類と結婚する前のこと。
 今では、何でも話せる大切な親友の1人だ。
 もちろんそれは西門さんも一緒なんだけれど・・・・・

 「ったく、ずりぃよなあ。俺だけのけ者って感じ?」
 拗ねたように西門さんが言う。
「それは西門さんはずっと日本にいたから・・・・・別にのけ者になんかしてないし」
「へーえ、ほんとに?」
 ずいっと突然そのきれいな顔を近づけてくるから、思わず焦ってしまう。
 この年になっても相変わらずの美形だと、感心してしまうあたしもどうかと思うけど。
「ほ、ほんとに」
「じゃ、そこんところ確認する意味で、今夜あたり一緒に飲みにいかねえ?」
 にっこりと魅惑の笑みを向けられ、あたしは目を逸らすこともできずにどきどきしていた。
 と―――
 ぐいっと、西門さんの腕が引っ張られ、壁のほうに追いやられる。
「調子に乗んな、総二郎。2人きりで会うのはルール違反だろ?」
 じろりと美作さんに睨まれ、西門さんは溜息をついて肩をすくめた。
「わーかってるよ。冗談だって」
「油断ならねえやつ。あ、そういや牧野、類には言ってきたのか?」
「ああそうだ、さっき俺が電話したときは会議中だとかで話できなかったぜ。一応田村さんに伝言頼んどいたけど」
「あ・・・・・そうだ、慌てて出て来たから、あたし何も・・・・・」
 会議が終わったら、直帰すると今朝言っていたから、もうそろそろ―――

 「なんだ、元気そうだね」
 突然後ろから声がして振り向くと、扉を開けて立っていたのは・・・・・
「類、仕事終わったの?」
 あたしの言葉に、類は笑顔で頷く。
「うん。今日は早く帰れるって言っただろ?びっくりしたよ。会議終わって帰ろうとしたら、田村があきらが事故に遭ったなんて言うから」
「その割には、全然慌てた素振りがねえな」
 美作さんがからかうように言うと、類は穏やかに微笑み肩を竦めた。
「たいしたことないって聞いたから。でもほっとした。顔色も良いし、すぐ退院できるんだろ?」
「ああ、明日には」
「退院したらパーティーするか?久しぶりにみんな集まって」
 西門さんが楽しげに言う。
「そういえば、こないだ優紀とも話してたの。久しぶりに会いたいねって」
「いいな。じゃ、来週の日曜あたりどうだ?ダメならずらすけど」
 美作さんの言葉に、類が頷いた。
「俺はいいよ」
「俺も。じゃあ決まりな」
 
 日本に帰ってきてからというもの、忙しくて優紀たちとも電話で話すくらいでゆっくり会う時間がなかった。

 久しぶりに会えると思うと、なんだかとてもうきうきしているあたしだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 キャラメル・ボックスの続編です。
 今回は短めにまとめたいと思ってるんですが・・・・・。
 登場人物が多くなると、セリフが大目になってしまって読みにくいかもです。
 その点、大目に見ていただき楽しんでいただけると嬉しいです♪

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うでまくら 2 ~花より男子・つかつく~

Category : うでまくら ~花より男子・つかつく~
 ふと、目が覚める。

 さっきまで確かに感じていたぬくもりが消えていた。

 眠るとき、この腕に頭を乗せ静かな寝息をたてていたはずなのに・・・・・

 「―――つくし?」
 司の呼びかけに、答える声はない。
 慌てて体を起こし、ベッドを降りようとして―――

 バルコニーに、人影があるのに気付く。

 バルコニーに置かれた白いロッキングチェアーに座り、ゆらゆらと揺れる影。
 あれは―――


 「つくし」
 静かに窓を開け、声をかけるとつくしがゆっくりと振り向いた。
「あ・・・・ごめん、起こしちゃった?」
 ふわりと微笑むつくしの腕の中には、すやすやと眠る愛娘、光の姿が。
「どうした?」
「さっき、ちょっとぐずって・・・・・。起こしちゃいけないと思って、すぐにここに連れて来たんだけど」
「俺のことは気にするな。もう寝たのか?」
 司の言葉に、つくしは再び光に目を落とし、愛しそうに見つめる。
「うん、やっとね・・・・・。すぐにベッドに寝かそうとするとまた起きちゃうから、暫くここにいようかと思って」
 月明かりの下、ロッキングチェアーに揺られるパジャマ姿のつくしと光。
 思わず見惚れるほどの美しさに、司は目を細めるが・・・・・

 「いつまでもこんなとこにいたら風邪ひくぞ。まだ夜は冷える」
 司の言葉に、つくしは再び顔を上げる。
「でも・・・・・」
「抱いてれば、大丈夫なんだろう?そのまま、一緒に寝ればいいだろう」
「いいの?またぐずりだしたりしたら、起こしちゃうかも。久しぶりにうちで寝られるのに―――」
 3ヶ月ぶりの我が家。
 来週にはまた、アメリカへ行かなければいけない。
「だからこそ、だろ?1週間しかこっちにいられないんだ。光のぬくもりを、この腕にしっかり残していきたい」
 その言葉に、つくしが嬉しそうに微笑む。
「うん・・・・・」

 ゆっくりと立ち上がり、司に肩を抱かれ部屋に入っていくつくし。
 そのまま静かにベッドに横たわると、いつものように司の腕枕に頭を寄せ、2人の隙間に光を寝かせた。
 少し身じろぎしたものの、そのまま静かな寝息をたて続ける光の姿に、2人でほっと息をつく。

 「・・・・・お前に、任せきりにして悪いな」
 司の言葉に、つくしは首を振った。
「そんなこと、気にしてない。すごくがんばってくれてることわかってるし・・・・。大変だけど、みんながいろいろ手伝いに来てくれるから、楽しいよ」
「寂しくないか?」
「うん、大丈夫」
「・・・・・それもちょっと、複雑だな」
 溜め息とともに呟かれる言葉に、つくしが思わず噴出す。
「笑うなよ」
「だって・・・・・」
 司と結婚して、1年後には娘の光も生まれて・・・・・
 大変だけれど、毎日幸せを感じていた。
 愛するものといられる幸せ。
 でもそれだけではなく・・・・・
「俺といる時間より、類たちといる時間の方が絶対長いだろ」
 拗ねたような司の口調に、くすくすと笑うつくし。
「だって、毎日のように来るんだもん。美作さんなんて、あたしよりも光あやすのうまいし。西門さんも、マイフェアレディーだなんて言ってる」
「ふざけろ。ぜってーあいつらにはやらねえぞ」
 額に青筋を立て、光を抱きしめようとする司に、つくしも慌てる。
「ちょっと、起きちゃうよ」
「―――お前は、大丈夫だろうな」
「何が?」
「類と・・・・・何もねえだろうな」
「当たり前、でしょ?」
 にっこりと微笑むつくしに、漸く安心したように微笑む司。

 毎日のように屋敷に押しかけてくる友人たち。
 その存在が、つくしにとってとても大きなものであることは、司も承知していた。

 この広い屋敷で、子育てに追われる毎日が大変じゃないわけはない。

 家を空けることが多い夫の司。
 使用人たちの助けはあるものの、精神的に孤独感に襲われることは避けられないことと、半ば覚悟していたのだが。
 それを埋めてくれるのは、高校時代からの友人たちだった。
 もちろん、自分たちだって忙しいのだ。
 それでも、毎日誰かしらが顔を出して光とつくしの様子を見に来てくれるのが、つくしにはとてもありがたかった。
 傍にいて、話し相手になってくれるだけでもかなり違うものだ。

 そしてそんなふうに妻の力になってくれる親友たちに、司だって感謝しているのだ。
 心配事はあるものの・・・・・
 それでも家に帰って来たときに迎えてくれるつくしの笑顔が変わりないことに、ほっとする瞬間。
 それはやはり親友たちのおかげであると、理解していた・・・・・。

 暫くすると、司の腕に頭を乗せてすやすやと寝息をたて始めるつくし。
 司はそんな愛しい妻と妻にそっくりな愛娘の寝顔に、目を細め・・・・・

 優しくつくしの額にキスを落とした。

 そして、次に目覚めたときにも、2人の穏やかな寝顔が見れるといいと思いながら目を閉じたのだった・・・・・。


                              fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 どうしても普段、虐げられ気味のつかつく。
 たまにはこんな平和なひと時もいいでしょう。
 投票が100票超えましたので、うでまくら続編、書いてみました♪
 のわりに、これの投票についてのコメントがまったくなかったのが寂しい・・・(^^;)
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Dress vol.5 ~花より男子・類つく~

Category : Dress ~花より男子・類つく~
 30分後。
 ようやく会場に姿を現した類に、再び会場内がどよめいた。

 入り口からゆっくりと、つくしに向かって歩いて来る類。
 つくしの前に立つと、いつもと同じように穏やかに微笑んだ。
「最高に綺麗だ」
 つくしは少し涙ぐみながらも、ふわりと微笑んだ。
「ありがとう。類も、すっごくかっこいいよ」
 手を取り、見つめ合う2人。

 あきらと総二郎が、2人のそばに来た。
「おせえぞ、類」
 あきらがにやりと笑う。
「何処にいたんだ?」
「さあ。一昨日の帰り、家の前で拉致られて、車に乗せられたんだ。その後すぐ目隠しされて・・・・・あれはたぶんメイプルホテルだと思うけど、部屋に窓がなかったからよくわからなかった。食事だけ運ばれて、後は誰も来ないし、全く状況がわからなかった。ただ・・・・・司が絡んでるんだろうなとは思ったけど。手荒なことをするつもりはないみたいだったから、とりあえず何かわかるまで待つしかないと思ったんだ」
 淡々と話す類は、監禁されていたとは思えないほど冷静だった。
「で、事情は聞いたのか?」
 総二郎の言葉にも穏やかに頷く。
「ここに来るまでの車の中で聞いたよ。司の母親から直接電話があって。それから父親に電話した。大体の事情はわかったけど・・・・・俺にとっては仕事の話はどうでもよかった。司が・・・・・俺に手荒なことをするわけないと思ってたし、両親にも俺の気持ちは言ってたから、そうなるだろうって予想はついてた。こんな大袈裟なことをする前に、俺に相談してくればって思ったけどね」
 少し残念そうに。
 それでも優しい笑みをつくしに向ける類。
「それだけ、あいつのとこも切羽詰ってたんだろ。とにかくお前が無事でよかったよ」
 そう言ってあきらも笑った。
「だな。で、無事類が戻ったところで、でもお前確かダンスできねえんだよな」
 総二郎がにやりと笑い、類の肩を叩く。
「・・・・・それが、何?」
 なんとなく嫌そうな顔で、類が総二郎を見る。
「せっかくお前のために牧野がドレス着て来てんのに、壁の花じゃ勿体ねえじゃん。牧野、俺と踊ろうぜ」
 そう言って総二郎がぐいとつくしの腕を引っ張る。
「ええ?なんで?」
 つくしが驚いて腕を離そうとするが、ぐいぐいと引っ張られ、ドレスの裾を踏みそうになりながら着いて行くので精一杯だ。
「おい、総二郎!」
 類がその後を追おうとして、あきらに腕を掴まれる。
「まあ、いいじゃねえか。高校最後の思い出作り。総二郎の次は俺な」
「・・・・・もしかして、こういうの狙ってた?」
「まさか。いくらなんでもお前が拉致られるのなんて予想外だよ。俺たちはただ、牧野との思い出が欲しいだけ」
 そう言って静かに微笑むあきらを、類がじっと見つめた。
「・・・・・本気ってこと?」
「ああ」
 
 暫し、2人が睨み合う。

 「俺は、牧野を離すつもりはない」
 類の言葉に、あきらがふっと笑みを零す。
「わかってる。でも、俺たちにとっても牧野以上の存在なんてないんだよ。もし―――今回みたいにお前が牧野の前から姿を消すようなことがあれば・・・・・俺も総二郎も、ただそれを見てるだけじゃすまなくなる」
「俺は、牧野を残していなくなったりしない」
「わかってる。もしもの話だ」
 そう言って肩を竦めると、あきらは総二郎とつくしのほうへ目を向けた。
「さ、そろそろパートナーチェンジだ。じゃ、牧野借りるぜ」

 あきらが総二郎たちの元へ歩いていき、総二郎と交代する。

 総二郎はつくしに軽く手を振ると、類のほうへと戻ってきた。

 「んな、仏頂面するなよ。お前もそろそろダンスくらい覚えとけば。やる気になりゃあ何でもできるタイプのくせに」
「・・・・・相手が牧野なら、何でもするよ」
 類の言葉に苦笑する。
「はいはい。まったく嫌になるよな。どれだけあいつの傍にいたって、あいつはお前のことしか見てねえんだから。お前と牧野の間には、誰も入り込めねえよ」
「・・・・・入り込もうと思ってた?」
 じっと見つめる類の瞳を、総二郎はいつものようにポーカーフェイスで見返した。
「さあな。隙があればそういう気にもなるかもな。だから、油断するなよ。司がいなくても、俺とあきらはいつでもその隙を狙ってる」
「油断なんか、しない。隙なんて作らせないよ。牧野に何かあったら、たとえ総二郎やあきらでも、許さない」
 真剣にそう言う類に、総二郎はおどけたようにひょいと肩を竦めた。
「こえーな」
 いつものポーカーフェイス。
 でも、つくしを見つめる視線が今までに見たことがないくらい真剣なものだということは、隣にいる類には嫌と言うほど伝わってきたのだった・・・・・。


 「あきら、交代」
 いつの間にかあきらの後ろに立っていた類が、あきらの肩を叩く。
「お、類。お前踊れんのかよ」
「踊れないよ。でも、これ以上牧野は貸せない」
 そう言ってあきらをじろりと睨む類に、あきらも苦笑した。
「O.K.じゃ、牧野、またな。ダンス習いたきゃ、いつでも教えてやるから」
 そう言って軽く手を振ると、そのまま行ってしまうあきら。

 つくしは、類を見てほっと息をついた。
「やっぱり、あたしにはまだまだ優雅にダンスなんて無理みたい。そのうち本当に美作さんに習いに行こうかな」
「ダメ。ダンスなんて、出来なくてもいいよ」
「でも、せっかくこんなきれいなドレスもらったのに・・・・・」
 自分の姿を見下ろし、溜息をつくつくし。
 シンプルなデザインのベアトップのドレス。
 胸元を飾る真っ白なコサージュがポイントになっていて、ハイウェストで切り替えられたシルエットが細見のつくしにとても似合っていた。
「よく似合ってる。思ったとおり・・・・・。でも、きれいな牧野を他のやつに見られるのはちょっと悔しい」
 類の言葉に、つくしの頬が染まる。
「何言ってんの。誰もあたしのことなんて見てないよ」
「そんなことないよ。少なくとも―――」
 あの2人は、牧野のことしか見てないんだから―――。
 途中で言葉を切った類を、不思議そうに見つめるつくし。

 類はちらりとあきらと総二郎のほうに視線を走らせてから、再びつくしを見つめ―――

 そして、突然つくしの腰を引き寄せると、あっという間につくしの唇を塞いだのだった・・・・・。

 突然のことに目を閉じるのも忘れていたつくし。
 やがて会場中の視線が自分たちに集まっていることに漸く気付き―――

 慌てて類の胸を押し、名残惜しそうに唇を離した類を睨みつけたのだった。
「こんなとこで!!」
「だから。見せ付けてやらないと」
「わけわかんない」
 真っ赤になって怒るつくしに、類がやわらかな笑みを見せる。
「牧野つくしは、俺のもの。誰にも譲るつもりはないから―――覚悟しておいて」

 その言葉にまた頬を染めるつくし。


 そんな2人を遠くから眺めながら、あきらと総二郎もまた、穏やかに笑っていた・・・・・。


fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっと今回はイメージがあんまり膨らまず、中途半端な感じになっちゃいました。
 同じネタで、全然違う話をいつかまた書いてみたいです。

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Dress vol.4 ~花より男子・類つく~

Category : Dress ~花より男子・類つく~
 プロムの会場には、ぞくぞくと卒業生がパートナーとともに入場してきていた。

 その会場に、滋や和也とともにやってきていた桜子が、周りを見渡す。
「先輩、まだ来てませんね。道明寺さんも・・・・・一緒に来るんでしょうか」
「ニッシーやアッキーもいないよ。つくしと一緒かな」
「花沢類は?どこにいるかわかったのかな」
 心配する3人をよそに、会場がざわつき始める。

 「何事?」
 桜子の声に3人は顔を上げ、入り口の方へ視線を向ける。
 そこから入ってきたのは―――

 
 「道明寺さん!?」
 司が、シルバーグレーのスーツを身につけ、会場に現われたのだ。

 周りを圧倒するようなオーラを振りまきながら、会場の中央を割って近づいてくる司に、3人は声も出せず見惚れていた・・・・・。

 「牧野はどこだ?」
 険しい表情の司。
「先輩は、まだ来てません」
「司、一体どうしたの?類くんは?」

 そのときだった。
 再び会場内がざわつき、入口付近にいた人波がかき分けられる。

 「あれは―――」
 桜子が驚きに目を見開く。

 そこにいたのは、デザイナーズスーツで決めた総二郎とあきら。
 そしてその2人に挟まれるようにして立っていたのは、薄紫のシルクのドレスに身を包んだつくしだった・・・・・。

 「うわ、つくしキレー!」
 思わず滋が感嘆の声を上げる。
 桜子や和也もつくしに見惚れていた。

 そんな中、司が大股に3人の方へ歩いて行き、つくしの前に立った。

 「てめえ、どういうつもりだ」
 ジロリとつくしを睨みつけるのを、つくしはまっすぐに受け止めた。
「なんで俺が送ったドレスを着て来なかった?」
「花沢類との約束だから。あんたからもらったドレスは着ないって」
 つくしの言葉に、司の表情が一層険しくなる。
「花沢の家がどうなってもいいのか」
 司の言葉に、つくしはちょっと小首を傾げた。
「あたしには、わからない。もっとわからないのはあんたよ、道明寺。親友を人質にするなんて、あんたらしくない」
 その言葉に、司の肩がピクリと震える。
「あたしはただ、自分に正直でいたいだけ。花沢類が好きだから、花沢類にもらったドレスを着たかった。花沢の為にあんたがくれたドレスを着たって、花沢類は喜ばない」
 きっぱりと言いきったつくしを、司はじっと見つめた。
「あんたの家の事情はあたしにはわからないよ。でもそれは、こんなことをしなきゃいけないものなの?親友を傷つけてまでやらなきゃいけないことなの?」
 つくしの意思の強い瞳が、射るように司を見つめる。
「司」
 総二郎が口を開いた。
「悪いけどいろいろ調べさせてもらったぜ。今お前のとこが厳しい状況なのはわかった。花沢が今手掛けてるものから手を引かなければますますやばくなるってことも」
 その話に司がふっと下を向く。
「だけど花沢だって、同じような状況だ。ここで手を引いたら経営状態の悪化は目に見えてる。これはあくまでも想像だけど、お前はそれに反対したんじゃねえのか?親友を破滅させるようなこと、お前がするわけない。だけど、そこで条件を出された。それが、牧野のことだ。違うか?」
 司は押し黙ったままだ。
 あきらが後を続けた。
「花沢の撤退に協力するなら牧野との結婚を認める。おばさんにそう言われたんじゃねえのか?それでこんなことを」
「でも、間違ってるよ、道明寺」
 つくしの瞳が悲しげに揺れた。
「たとえ言う通りにあたしがあんたと一緒になったとしたって、心は言う通りになんかならない。あたしの気持ちまでは手に入れることはできないんだよ」
「おばさんはそこまで読んでると思うぜ?結局あの人は牧野を認める気なんかないんだ。お前だってわかってるんじゃねえのか?」
 あきらの言葉に司は溜め息をつき、ゆっくり顔を上げた。
「―――ああ、その通りだよ。けど俺は・・・・・それでも牧野とやり直したかった。あの時のことをずっと後悔してた。だから・・・・・できることならお前と・・・・・あのN.Y.で別れた時からやり直したかったんだ」
「道明寺・・・・・。だけどもう、時を戻すことはできないんだよ」
 つくしの言葉に、司は力なく笑った。
「そうだな。全く、何やってんだか、俺は。情けねえ」

 その時、いつの間にか司の後ろに立っていた秘書の西田が司に歩み寄った。
「司様」
 その声に司が振り向き、その耳に西田が何事か耳打ちする。

 司の表情が、どこか複雑なものに変わる。
 それはほっとしているようにも見えた。

 「―――類を、解放した」
 その言葉に、つくしたち3人は顔を見合わせた。
「どういうこと?」
「お袋が類の親父と話した。撤退せず、共同出資を申し出てきたって。その条件として出してきたのが類の解放と、牧野・・・・・お前から手を引くことだそうだ」
「あたしから・・・・・?」
「類の親父曰く、類は牧野以外の女と一緒になる気はないと言ってるから、牧野と別させるようなことがあれば、類が花沢を継ぐこともなくなってしまうだろうってさ。お前らの言う通り、お袋にとっちゃあビジネスさえうまくいけば牧野のことはどうでもいいんだ。あっさりO.K.してこの話はおしまいだ」
 司が両手を上げ、降参のポーズを作る。
「花沢類は・・・・・」
「うちの車で今、こっちに向かってる。30分以内には着くはずだ」
 司の言葉に、つくしはほっと胸を撫で下ろした。
「よかった・・・・・」
「司、お前はどうするんだ?」
 あきらの言葉に、司は肩をすくめた。
「俺は帰る。類に殴られたかねえからな」
 そう言って、司はつくしを見つめた。
「―――お前に会えてよかったよ。おかげですっきりした。これでもう迷いはねえ」
「道明寺・・・・・」
「類に、謝っといてくれ」
「自分で言いなよ」
「いや、もう時間がねえ。じゃあな」
 それだけ言うと、司は3人に背を向け、西田を従え歩いて行ってしまったのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 お仕事の話は苦手です・・・・・・
 妙な部分があるかと思いますが、ご容赦くださいませ。

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Dress vol.3 ~花より男子・類つく~

Category : Dress ~花より男子・類つく~
 卒業式前日。

 登校したつくしを待っていたのはあきらと総二郎だった。

 「どうしたの?」
 2人の真剣な表情に、何かただならぬものを感じたつくし。
 あきらと総二郎は顔を見合わせ、あきらが口を開いた。
「牧野、落ち着いて聞けよ」
「だから、なに?」
「類が、いなくなった」
 あきらの言葉に、つくしの顔がサッと青くなる。
「なに、それ?」
「これ、見てみろ」
 そう言って総二郎が差し出した手紙のような紙を受け取り、開いて見る。

 その内容を見て、つくしは愕然とした。
 その内容とは―――


 ―――花沢類の身柄を拘束した。
 類を自由にして欲しければ次の条件をのむこと。

 1.牧野つくしが指定のドレスを着用し、プロムに出ること。
 2.牧野つくしが道明寺司と共にN.Y.に行くこと。
 3.牧野つくしは二度と花沢類に会わないこと。

   以上。

 守らなければ、花沢に未来はない。―――

 「めちゃくちゃだぜ」
 あきらが首を振って溜め息をついた。
「これ・・・・・花沢の家に?」
 つくしの言葉に総二郎が頷いた。
「大騒ぎになってる。田村さんに、類の両親に知らせるのは待ってもらってるけど・・・・・時間の問題だろう」
「牧野・・・・・どうする?」
「どうするって・・・・・」
 つくしは、突然の出来事に頭を抱えた。

 ―――まさか、道明寺がこんなことをするなんて・・・・・

 「だけど、何か変だと思わねえか」
 あきらの言葉に、つくしは顔を上げる。
「何が?」
「この文章だよ。あの司が、こんなもん書けると思うか?」
 その言葉に、総二郎とつくしは顔を見合わせる。
「そういやあそうだな。あの司がこんなもん・・・・・」
「それに、あいつらしくない。こんなこと考えるなんて・・・・・」
 そうだ。
 改めて見てみれば、文字はワープロの文字だから筆跡などはわからないが、どう考えてもあの司がこんな文章を考えられるはずがないと思えた。
「どういうこと・・・・・?」
 つくしの言葉に、総二郎とあきらは顔を見合わせた。
「やっぱり、母親か」
「だろ。ただ、何で母親がこんなことしてるのかだ。あれだけ司と牧野のことに反対しておいて、何で今更こんなこと・・・・・・」
「わかんないけど・・・・・・今更、あの魔女があたしのこと認めるとは思えないよ。何か別の理由があるような気がする」
「言えるな。けどとりあえず類をどうにかしないと。プロムは明日だぜ?どうするんだ」
 あきらに聞かれ、つくしは眉を顰めた。
「あたしが・・・・・道明寺に贈られたドレスを着なきゃいけないんだよね?」
「ああ。けど、それだけじゃすまないんだぜ。おそらくそのままN.Y.へ連れて行かれることになる。そうしたらたぶん、そう簡単には日本へ帰ってこれなくなっちまう」
 あきらの言葉に、つくしは困ったように首を振った。
「そんなこと、無理。そんなふうに向こうへ連れて行かれたって、あたしは道明寺とやり直すことなんて出来ない。あたしが道明寺について行くとしたら、それは類のため。そんなことで元に戻ったって・・・・・あいつが納得するとは思えない」
「・・・・・司の意思じゃないとしたら?」
 総二郎が、眉間に皺を寄せ、そう口を開いた。
「どういう意味だ?」
「全て、あの母親の企みってことは考えられないか?どうも司がこんなことするとは思えねえ。あいつは馬鹿だけど、親友や・・・・惚れた女を傷つけるようなこと、できるやつじゃねえ。母親に・・・・利用されてるんじゃねえのか?」
「・・・・・だとしたら、狙いは何だ?」
「調べてみようぜ。たぶん・・・・・花沢の家に関係あるんじゃねえか?田村さんは何も言ってなかったけど・・・・・もしかしたらもう、類の両親は知ってるのかもしれない。司の母親の方から、何か言ってきてる可能性がある」
「目的は・・・・・花沢の家ってこと・・・・・?」
 つくしの顔が強張る。
「そのために、お前を手に入れることを条件に司を利用してる・・・・・とは考えられないか?目的が達成されれば、お前は必要ない。あの母親のことだ、お前が司の元から去ることは計算済み。そうなったとしても司は道明寺から出ることはできないから、自分の思い通りに出来ると踏んでる・・・・・。だけどそんなことになったら、花沢の家だってもうお前を受け入れないだろう」
 総二郎の言葉に、あきらが悔しそうに舌を鳴らす。
「くそっ、なんてこった・・・・・。とにかく俺は類の行方を調べる。総二郎」
「ああ、俺も行く。牧野、お前は・・・・・家にいろ。何かわかったら知らせるから。いいか、下手に動くなよ?」
 そう言うと、2人はつくしを置いて行ってしまった・・・・・。


 つくしは家に戻ると、司から贈られてきたドレスを前に、じっと考え込んでいた。
 
 N.Y.まで司を追いかけていったつくしを、冷たく追い返した司。
 後でわかったことは、やはりあれは道明寺楓の指示だったということ。
 あそこでつくしを追い返し、1年間我慢すれば自由にしてやるという取り引きをしたのだという。
 だけど、それを聞いてももうつくしは司の元へ戻る気にはなれなかった。
 傷つき、魂が抜けてしまったかのようだったつくしを救ったのは類だ。
 その類の優しさに癒され、そしてつくしを強く思う心が、つくしの心を動かしたのだ。
 漸く立ち直ったつくしが、必要としたのは司ではなく、類だった・・・・・。

 「花沢類・・・・・。あたしはいつもあなたに助けられてた・・・・・・。今度は・・・・・あたしが、あなたを助ける番だよね・・・・・」

 そう呟き、つくしはドレスを手に取った・・・・・。


 翌日。
 卒業式に出席していない類の噂で、学校内は騒然としていた。
 そんななかあきらと総二郎は沈黙を守り、つくしとともに裏庭にいた。

 「類が道明寺の手の内にいることは確かだけど、その居場所まではわからねえ」
 悔しそうにあきらが唇を噛む。
「半端じゃねえよ、道明寺楓は」
 総二郎も溜息をつく。
「牧野、お前プロムどうするんだ?ドレス・・・・・」
 総二郎の言葉に、つくしは顔を上げ、にこりと笑った。
 その笑顔に、あきらと総二郎は顔を見合わせる。
「ちゃんと着るよ、ドレス」
「・・・・・何、考えてる?」
 つくしの落ち着いた様子に、逆に心配になるあきら。
「下手なことすんなよ?余計にこじれる」
 総二郎も不安な様子でつくしを見る。
 そんな2人を、相変わらず笑顔で見返すつくし。
「あたしが考えてるのは、1つだけ・・・・・。花沢類のことだけ、だよ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いろいろ難しいこと考えてたら、どうしたらいいかわからなくなってきてしまった。
 でもたぶん、それほどややこしくならずに単純に、終わると思います・・・・・。
 あたしの頭で、考えられる限界というものがありますので(^^;)

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Dress vol.2 ~花より男子・類つく~

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 「司から、ドレスが送られてきたって?」
 学校へ行くと、なぜか総二郎がつくしの教室へ来ていた。
「―――情報、早いね」
「昨日、類に電話したら様子が変だったから問い詰めた。あいつ、本当にプロムに来るのか」
 総二郎の言葉に、つくしは肩をすくめた。
「そう言ってたけど・・・・・。それより、西門さんがいるとかなり注目集めるんだけど」
 ちらりと周囲を見渡す。
 遠巻きに、総二郎を見つめる視線。と、自分を睨みつける視線。
「なら、ちょっと出ようぜ。詳しく話せよ」
「別に、話すことなんて・・・・・」
「いいから、来いって」
 そう言って、つくしの手を引き歩き出す総二郎。
 つくしは、クラスメイトたちの刺すような視線の中、総二郎に手を引かれ教室を出て行ったのだった・・・・・。


 「N.Y.へ連れて行く、か。あいつも諦めわりいな」
 2人で屋上の手すりにもたれ、話していた。
「だけど、今更そんなこと言われたってあたしが行くわけないのに」
「・・・・・何か、考えがあるのかもしれねえな」
「何かって?」
「さあ。てか、司だけで考えたのかな、それって」
 総二郎の言葉に、つくしは目を瞬かせる。
「どういう意味?」
「司のやつが、お前を諦めてなかったとしたって・・・・・あの母親がお前をN.Y.に連れて来る事なんて許すと思うか?」
 総二郎が、じっとつくしを見る。
「お前と司を引き離したのは、あの母親だ。その母親が、簡単にそんなこと許すわけない」
「母親は、知らないんじゃ・・・・・」
「プロムに出ることを、知らないわけないだろ?司の気持ちくらいあの母親なら気付いてるはずだし、それを知ってて司を好きにさせるはずない。何か、理由があるんだよ」
 そう断言する総二郎を、つくしは少し不安げな表情で見上げた。
「んな顔するな。あいつがなに企んでようと、お前がちゃんと類のことを思ってるなら何の心配もねえだろ?」
 ピンと、おでこを弾かれる。
「たっ」
 おでこを痛そうに抑えるつくしに、くすりと笑う総二郎。
「もう、未練はねえんだろ?司に」
「当たり前―――」

「牧野」

 屋上の入口に、類が立っていた。
「よお、類。よくここがわかったな」
 総二郎を軽く睨み、近づいてくる。
「牧野のクラスに行ったら、総二郎と一緒に出てったっていうから・・・・・。探したよ」
「何だよ、別に俺が攫ってきたわけじゃねえぜ。昨日の司の話をもっと詳しく聞きたかっただけだ」
 総二郎が、手を上げて少し後ろに下がる。
「・・・・・もう終わった?」
 類の言葉に、困ったように肩をすくめる。
「ああ。じゃあおれはもう行くよ。じゃあな、牧野」
「うん」
 つくしに軽く手を振り、プラプラと長い足を持て余すように歩いていく総二郎の後姿を見送って・・・・・
「―――油断できないな」
 ポツリと呟く。
 そんな類をつくしは不思議そうに見つめた。
「何のこと?」
 類はそんなつくしを見て、小さく溜息をつく。

 少しは自覚して欲しいものだと、思ってはいても口には出さないでおく。
 言っても無駄だとわかっているから・・・・・。

 つくしが司と別れてから。
 類はずっとつくしと一緒にいた。
 つくしを守りたい。
 つくしの傍にいたい。
 それだけを考えていた。
 
 総二郎とあきらは司のこともあり、最初は静観していた。
 だがそのうち2人を応援してくれるようになったのだが・・・・・
 つくしと付き合うことになって、類は気付いた。
 総二郎とあきらがつくしを見つめている瞳が、以前と違うことに・・・・・。

 「今日、放課後大丈夫?」
 類の言葉に、つくしはにっこりと微笑み頷いた。
「うん。ドレスドレスが届くんでしょ?」
「うん。気に入ってくれるといいんだけど」
「それは大丈夫。それよりも、あたしに似合うかが心配」
「それなら大丈夫。絶対に似合うから」
 そう言って自信ありげに微笑む類に、つくしは照れくさそうに、でも嬉しそうに微笑み返した。


 「お帰りなさいませ。届いておりますよ。例のもの」
 類がつくしを伴い家へ戻ると、いつもどおり家政婦の辻が出迎えた。
「部屋に?」
「はい、置いてございます」
「わかった。おいで、牧野」
「うん。辻さん、こんにちは」
「いらっしゃいませ」
 すっかり顔なじみになった辻と笑みを交わし、類について屋敷内を歩く。
 花沢家の使用人の名前は全て覚えられるほどここにも顔を出すようになった。
 皆好意的で、心配していた類の両親も、類からつくしの話を聞いて会うのを楽しみにしているということだった。

 類の部屋に入ると、ベッドに大きな箱が置いてあるのが目に入った。

 類が近づき、箱を開けた。
 中から出てきたのは、鮮やかな薄紫の光沢のあるシルクのドレスだった。
「うわ・・・・・すごい、きれいな色・・・・・・こんなの、初めて見る」
 つくしは頬を紅潮させ、目を丸くしてそのドレスに魅入っていた。
 その姿を見て、類が満足そうに微笑む。
「着てみてよ」
「あ・・・・・う、うん。じゃ、類後ろ向いてて」
「何で?」
「何でも!ほら早く!」
 つくしにぐいぐいと背中を押され、類は仕方なくつくしに背を向けた。

 ―――今更・・・・・。もう何度も見てるのに・・・・・

 そんなことを思って、類はふっと笑みを浮かべた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 プロムシリーズの基本?みたいになっちゃってますが、F4みんながつくしに惚れちゃってます。
 そんな話ばっかりで・・・・・

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Dress vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : Dress ~花より男子・類つく~
 類はすこぶる機嫌が悪かった。

 そんな類の顔を、恐る恐る覗き込むつくし。

 一向に機嫌のよくならない彼に、溜息が出る。

 事の発端は今朝つくしの元に届けられた1着のドレスだった・・・・・。

 送り主は『道明寺司』。

 もうそれだけでも類の機嫌を悪くするには十分なのだが・・・・・。

 「別に、プロム用とは書いてないし・・・・・。単なるプレゼント、じゃない?」
 つくしがそう言っても、類はまるで聞く耳持たず。
 類たち3年生の卒業式まであと1週間。
 つくしをパートナーに誘った類は、つくしのためにドレスも当然用意していたのだ。
 そこへ、絶妙なタイミングで司から届いたのは、淡いブルーのシフォンのドレス。
 シンプルだが、大きく胸と背中の開いたそれはかなり大人っぽく、さすがに着るのを躊躇してしまうようなデザインだった。
「単なるプレゼントを、何でこの時期に?誕生日でもないのに。プロム用に決まってるよ」
 むっとしたままそう言い放つ類。

 N.Y.で司と別れ、迎えに来てくれた類とそのまま付き合うようになったつくし。
 それから司もかなり忙しかったようでずっと音沙汰なかったのだが・・・・・

 「でも、道明寺からもらったドレスなんて着ないよ、あたし」
 つくしの言葉に、漸く類がつくしのほうを見る。
「・・・・・ほんとに?」
「当たり前でしょ?花沢類と付き合ってるのに・・・・・。道明寺がどういうつもりでこんなもの送ってきたのか知らないけど、あたしは、もう道明寺とは何の関係もないんだから」
 真っ直ぐに類を見つめながらそう言うつくしに、類はほっとしたように少し微笑み、その髪に手を伸ばした。

 そして、ゆっくり2人の顔が近づき、唇が触れ合おうとしたその瞬間・・・・・

 ブルブルブル、と2人の間で何かが振動し、つくしが慌てて飛びのいた。
「ひゃあ、何?」
「・・・・・携帯、牧野の」
「あ・・・・・」
 つくしが首からかけていた携帯のバイブの振動だった。
 学校にいる間は、マナーモードにしていたのをそのままにしていたのだった。
「ご、ごめん」
 そう言って、つくしは慌てて携帯を開いた。
 そしてその画面を見た瞬間、つくしの表情がさっと変わる。
「どうした?」
「・・・・・道明寺だ・・・・・」
 つくしの言葉に、類の顔色も変わる。
「ドレスのこと・・・・・じゃない?」
 つくしは躊躇しながらも、携帯のボタンを押した。
「・・・・・はい」
『牧野か、俺だ』
 聞こえてきたのは、確かに司の声だった。
『ドレス、届いたか』
「うん。どういうつもり?」
『・・・・・プロム用だ。着て来いよ』
「なんで・・・・・」
『俺が、プロムに行くからだ。お前が、パートナーだ』
「何言ってるの?もうあんたとあたしは終わったんだよ?あたしはもう―――」
『俺の中ではまだ終わっちゃいない。俺はまだ―――お前が好きだ』
「やめて・・・・・」
 つくしの声が震える。
 見ていた類が、堪らずつくしの手から携帯を奪う。
「司?俺」
『類か・・・・・。卒業式には間に合わないが、プロムには行く予定だ』
「どうして今更?今まで音沙汰なかったくせに・・・・・急に帰ってきて、牧野を返せって?」
『・・・・・帰るんじゃない。プロムに出るだけだ。そして―――牧野を連れて、N.Y.に連れてくる』
 司の言葉に、類が表情が固くなる。
「そんなこと、させない」
『悪いが、俺の気持ちは変わらない。牧野に―――ドレスを着て待ってろと言っておけ。必ず、俺が取り戻す』
 そう言って、一方的に切れた電話。
 類は溜め息をつき、携帯を閉じるとつくしに返した。
「道明寺、なんて・・・・・?」
「・・・・・牧野を、N.Y.へ連れて行くって」
「は?」
 つくしは目を丸くした。
「何よ、それ。そんなこと、できるわけない」
 つくしの言葉に類は頷き、堅い表情のまま、言った。
「させないよ、絶対に」
 そして、つくしを抱き寄せた。
「牧野は、誰にも渡さない」
「・・・・・誰のとこにも、行かないよ。あたしは、ここにいる・・・・・・」
 そっと体を離し、見詰め合う。
 
 司と別れてから、つくしがすぐに立ち直れたわけじゃない。
 今のつくしがあるのは、類の存在があってこそ。
 つくしはそう思っていた。
 今の自分に必要なのは、司ではなく、類だと・・・・・。

 そっと、口付けを交わす。
 何度も繰り返し、お互いの存在を確かめるように・・・・・。

 「愛してる・・・・・」
 類の甘い囁きが、心地良く耳に響いた・・・・・。


 このときの2人には、この後に訪れる出来事など想像することもできなかった・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 すいません。また、司がちょっと悪者風に(^^;)
 やっぱりね、どうしても二次小説では司以外とがいいかなあと思ってしまうんですよね。

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Only one. vol.3 ~花より男子・総つく~

Category : Only one. ~花より男子・総つく~
 「類に、何の相談がある?」
 牧野を近くの公園まで連れ出し、おれはそう聞いた。
「え・・・・・」
「電話、したんだろう?類に」
「ああ・・・・・うん。でも、それは・・・・・」
「何で俺じゃねえんだよ?」
 俺の言葉に、牧野が目を丸くする。
「は?」
「何で相談するのが、俺じゃなくって類なわけ?お前の彼氏は俺だろうが」
 怒りをどうにか抑えるので精一杯だった。
 
 何で俺じゃなくって類?

 どうしてもそれを聞かずにはいられなかった。

 「俺には言えないことでも、類だったら言えるわけ?」
 その俺を、戸惑ったような表情で見上げる牧野。
「ちょっと待ってよ、何でそんな話になるの」
「お前が俺に何もいわねえからだろ?それとも、今更心変わりしたとか言うのかよ?」
 その言葉に、牧野がむっと顔を顰める。
「だから、何でそういうことになるのよ?花沢類はそんなんじゃないって、西門さんは分かってくれてると思ってたけど」
「買いかぶるなよ。俺だって普通の男だよ。自分の彼女が自分以外の男と仲良くしてりゃあやっかみたくもなる」
「・・・・・じゃあ、自分はどうなのよ?」
「は?俺?」
 突然話を振られ、俺は首を傾げる。
 牧野はむっとした表情のまま、俺を睨みつけていた。
「何の話だよ?」
 俺の言葉に、牧野はぷいと横を向いてしまう。
「おい、ちゃんと話せよ。何のことだ」
「・・・・・こないだ、優紀といるとこ、見た」
「は・・・・・?いつ?」
「2週間くらい前・・・・・。バイトの帰りに、2人で駅前にいたでしょ」
 牧野の言葉に、俺はしばし記憶をたどった。

 2週間前・・・・・そういえば、あきらと飲んだ帰りに偶然優紀ちゃんと会ったことが・・・・・

 「そんなこと、気にしてたのか?」
 俺の言葉に、牧野がキッと顔を上げる。
「そんなことって!西門さんにとっては他の女の子と会うのはそんなことかもしれないけど、あたしにとっては―――!」
「妬いてたんだ?」
 その言葉に、牧野の頬が染まる。
「べっ、別にそういうわけじゃ・・・・・」
「じゃ、どういうわけ?」
「だから、それは・・・・・」
 悔しそうに唇を噛み、俺を睨みつける牧野。
 俺はなんだか嬉しくなって、頬が緩むのを感じていた。
「・・・・・優紀ちゃんとは偶然会っただけ。あの後すぐに別れたよ」
 そっと牧野の髪を撫でる。
「ずっと気にしてたのか?言えばよかったのに」
「・・・・・言えないよ」
「なんで?」
「だって・・・・・優紀と西門さんのことは、知ってるもん。あたしと付き合う前のことだけど・・・・・でも、もしかしたら優紀はまだ西門さんのこと好きかもしれないって思ったことあったし、西門さんだってもしかしたらって・・・・・」
 俯きながら、そう話す牧野がかわいくて。
 俺は牧野の頬にそっと唇を寄せた。
「―――バカなやつ」
「な、何よ、だって―――」
「優紀ちゃんとお前は違う」
「違うって・・・・・」
「優紀ちゃんにはいろいろ感謝してるよ。でも、彼女に恋愛感情を持ったことは一度もない。それは誓って言える」
 俺の言葉に、牧野がゆっくりと顔を上げる。
「・・・・・ほんとに?」
「ああ。大体・・・・・お前と付き合ってて、その親友に手ぇ出すほど俺も馬鹿じゃない」
「親友じゃなかったら、手ぇ出すの?」
「アホ」
「な・・・・・何よ、馬鹿とかアホとか、ずいぶん―――!」

 牧野の唇を塞ぐ。

 何度も啄ばむようなキスをして・・・・・。

「・・・・・俺が好きなのは、お前だけ。他の女なんか、目に入らない」
 そっと耳元で囁けば、頬を真っ赤に染め上げながらも、俺を睨みつける強気な女。
「・・・・・嘘ばっかり」
「マジだって。それより・・・・・誤魔化さねえで、そろそろ俺の質問にも答えろよ」
「え?」
「類に・・・・・何の用があった?」
 逃げられないように、牧野の腰をぐいと引き寄せる。
「それは―――」
 気まずそうに視線をそらせる牧野。
 でも、逃がしてなんかやらない。
「それは?」
「・・・・・髪を、切ってもらおうと思ったの」
「・・・・・は?」
 牧野の言葉に、目を丸くする。
「だって・・・・・最近美容院にも行ってないから伸びすぎちゃって・・・・・。せっかくドレス着ても、これじゃみっともなくて・・・・・だから、花沢類に・・・・・」

 思ってもみなかった話に、言葉がすぐには出てこなかった。

 ―――じゃあ、俺のために・・・・・?

 「だったら、ちゃんと言えよ。プロムにも、出るつもりで・・・・・?」
 恥ずかしそうに、頬を染めながら頷く牧野。
「あたし、ダンスなんて踊れないし、ドレスも似合わないし、きっと浮いちゃうから・・・・・やめようと思ったのも本当なの。でも・・・・・美作さんが、西門さんが他の女を誘ってもいいのかって・・・・・」
「・・・・・お前だって、そうすればって・・・・・」
「本気なわけ、ないでしょ。そんなの・・・・・嫌に決まってる・・・・・あたし以外の人となんて、行って欲しくない」
「・・・・・ほんと、バカなやつ」
 そう言って、ふわりと抱きしめる。
 優しく抱かなきゃ、折れてしまいそうなほど細い体。
 俺は牧野の髪に、そっと口付けた。
「俺が、お前以外の女誘うなんてありえない。こんなに惚れてんのに・・・・・。少しは信用しろよ」
「・・・・・自信、なくて・・・・・。西門さんの隣にいても、吊り合うようになりたかった。見た目だけ取り繕ったってしょうがないってわかってるけど・・・・・。でも、プロムのときだけでも何とかならないかなって・・・・・類に相談したの・・・・・そしたら、髪切るくらいなら、やってあげるって」
「それが、間違いなんだよ」
「だって」
「類に・・・・・他の男に髪なんか触らせるな」

 そっと体を離し、牧野の瞳を見つめる。

 「お前は、そのままでいい。俺は、どんな格好でもお前なら何でもいいんだ。取り繕う必要なんかない。ただ俺の隣にいてくれれば・・・・・」
「西門さん・・・・・」
「俺がどんなに不安だったか・・・・・。これからは、もう容赦しねえから・・・・・覚悟しとけよ?」

 そうしてまた、牧野の柔らかい唇を塞ぐ。

 もう他のことなんて考えられないように、熱く、深く・・・・・。

 
 その後、ドレスに着替えさせた牧野をエスコートして。

 作戦成功と、満面の笑みで迎えた親友たちに制裁を加えたのは、言うまでもない・・・・・。


                             fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 つくしだってきっと不安になることがあるはず。特に総ちゃんみたいな人だとね。
 そんな気持ちで書いたのですが・・・・・。
 あれ、司が・・・・・(^^;)

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Only one. vol.2 ~花より男子・総つく~

Category : Only one. ~花より男子・総つく~
 卒業式当日。

 朝から、学校の回りはマスコミや野次馬で溢れかえっていた。
 
 俺たち3人は、今まで袖を通すことのなかった制服を着て来ていた。
 司は結局仕事でこれなくなったと、朝になって連絡があった。

 「で・・・・結局牧野は来ないのか」
 あきらの言葉に、俺は肩をすくめた。
「さあな。あいつ、あれから俺の電話にでねえから、話もしてねえよ」
 その言葉に、窮屈そうにネクタイを緩めていた類がちらりと俺を見る。
「・・・・・昨日、牧野から電話あったけど」
「は!?」
 類の言葉に驚いたのは俺だ。
 牧野から電話?
 俺からの電話には出ないのに、類には自分からかけるのかよ?

 もやもやとした嫉妬心が、心の中に湧き上がる。
 類は、いつも牧野の中で特別な位置を占めていると思ってた。
 それはたとえ恋人でも侵すことの出来ないもの。
 それでも、牧野の恋人は俺なのだから・・・・・・

 「何の用で?」
 俺の言葉に、類はネクタイを緩めながらゆっくりと口を開いた。
「・・・・・なんか、相談したいことがあるみたいだった。詳しくは聞かなかったけど・・・・・会う時間、あるかって」
「会うって・・・・・牧野と?」
「他に誰がいるんだよ」
 類が呆れたように俺を見る。
「プロムなんて、牧野が来ないなら出てもしょうがないし。俺はいつでもいいって言ったら、引越しが終わったら来るって」
「ちょっと待てよ、何だよそれ!」

 頭に来た。
 引越しが終わったら、類に会いに来るだって?
 俺があんなに誘ってもプロムには出ないの一点張りだったくせに・・・・・

 「まあまあ、落ち着けよ総二郎」
 わなわなと肩を震わせる俺の肩を叩くあきら。
「これが落ち着いてられるか!何で類には会いに来て、俺の誘いは断るんだよ?相談って何だよ?彼氏の俺にも言えないことかよ?」
「総二郎だから、言えないんじゃないの?」
 類の言葉に、俺は固まる。
「俺だから・・・・・って、どういうことだよ?」
「だから、まだ俺は何も聞いてないし。知らないよ。だけど、総二郎には言いづらいことでも俺になら話せるってこと、あるんじゃないの?」
「ああ、そりゃああるかもな。お前ら、喧嘩してるし。なおさらお前に相談なんかできねえだろ」
 そう言ってあきらも頷く。

 俺は暫く、何も言うことができなかった。

 ―――俺は、牧野にとってなんなんだ?

 彼氏になって、俺は牧野にとって特別なんだと思ってた。
 俺にとって牧野がそうであるように、牧野にとっても俺は一番大事な存在になれたんじゃないかと。
 そう思ってた・・・・・。

 だけど、牧野にとっては・・・・・

 「―――冗談じゃ、ねえ」
 俺の小さな呟きに、あきらと類が、ちらりと視線を向ける。
「なんか言ったか?総二郎」
「・・・・・認めて、たまるかよ」
「何が?」
 きょとんとして俺を見る2人を無視し、俺は門に向かって歩き出した。
「おい、どこ行くんだよ?」
 あきらの声にも何も答えず、俺はそのまま歩き続けた。
 ただひたすら、あいつのいるところを目指して―――

 
 「漸く、動いたな」
 「意地っ張りだから、2人とも」
 そう言って2人が顔を見合わせ、笑っていたことなど、知る由もなく・・・・・


 制服のまま、集まっていたギャラリーの間をすり抜け、通りを全速力で走る。

 周りなんか気にしてる余裕はなかった。
 ただひたすら、おれは牧野の家を目指して走った・・・・・。

 
 「ねえ、TVは?」
「ああ!忘れてた!ギリギリまで見てたから!」
「もう乗せるとこないよ、どうすんの!?」

 ぎゃあぎゃあと大騒ぎしながら引越し作業をしている牧野家。

 それでもいつもながらの仲の良さそうな一家に、こんなときでも安堵している自分がいる。
 この家族だから、牧野つくしという人間が育ったのだと、今更ながら感心する思いだ。

 「あ、あら!西門さんじゃありませんか!」
 牧野の母親が俺に気付いて驚きの声を上げる。
  
 その声に気付き、階段を下りてきていた牧野が俺を見た。
「西門さん!?何でここに?卒業式は―――」
「ふけてきた。お前に会って―――どうしても話したかったんだ」

 じっと見つめる俺の視線を、牧野は戸惑った瞳で受け止めていた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いつもヤキモチばっかりの総ちゃん。
 でも本当は、つくしのほうがヤキモキしてるんじゃないかな・・・・?

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Only one. vol.1 ~花より男子・総つく~

Category : Only one. ~花より男子・総つく~
 「今更何を迷う必要があるって言うんだ?」
 イライラと言う俺を困ったように見つめる牧野。
「だから、そういうんじゃなくて、引越しがあるんだってば、その日」
「プロムは卒業式の後だぜ。間に合うだろ?」
「簡単に言わないでよ。西門さんにはわからないだろうけど、大変なんだから」
「何だよ、俺にはわからないって」
 売り言葉に買い言葉。
 2人で暫し睨み合う。


 俺と牧野が付き合い出したのは去年のクリスマスから。

 N.Y.に行ってしまった司と別れ、落ち込んでいた牧野を励ましたりして一緒にいるうちに自然にそうなっていた。

 そして俺たち3人の卒業式。
 英徳では毎年卒業式の後にプロムと呼ばれるダンスパーティーが開かれていた。
 参加は自由。一応パートナー同伴ということになっている。

 もちろん俺は牧野を誘った。
 が、牧野の返事は実にそっけないもので。

 『あ、あたし無理。その日引越しがあるの』

 そりゃあないだろう。
 牧野の事情はわかってるつもりだ。
 でも、もうプロム用のドレスだって用意したっていうのに・・・・・。

 考えたくなくても、余計なことを考えてしまう。

 先週、あきらから聞いた話が頭に蘇る。
 ずっとN.Y.に行ったきりだった司が、卒業式には顔を見せるというのだ。
 プロムにまでは出られないが、卒業式ぐらいは・・・・ということらしい。

 今更、とも思う。
 だけどやっぱり気にならないはずはない。
 ずっと2人のことを見て来たのだから・・・・・。

 「・・・・・司に、知られたくないわけ?俺たちのこと」
 俺の言葉に、牧野が目を見開く。
「は?何言ってんの?道明寺は関係ないでしょ?大体、言わなくたってあいつならもうとっくに知ってるんじゃないの?」
 そう言ってぷいと横を向く牧野。
「どうだか、俺はしらねえよ。けど、お前がそこまで断る理由っつったらそれくらいしか思いあたらねえ。司に会うのが怖いのか?もしまだ司がお前を想ってて、それを告白されたりしたら、おまえはまたあいつのところに行くのかよ」
「そんなこと、ありえない。さっきから何言ってんのよ。あたしは、引越しがあるからいけないって言ってるの!道明寺は関係ない!」
「だから!引越しが終わってからでも十分間に合うって言ってるだろ?何でそこまで頑なに拒むんだよ?そんなに俺の相手が嫌かよ!だったら他の女誘うぞ!」
 勢い余って口から飛び出した俺の言葉に、牧野の瞳が一瞬揺れる。

 しまった、とは思ったが、今更引くに引けない。
 俺も少し、意地になっていた・・・・・。

 「・・・・・じゃあ、そうすればいいじゃない」
 低く、感情を抑えた声。
 すっと視線を外し、下を向く。
「牧野―――」
「無理して、あたしなんか誘わなくったっていいよ。どうせ西門さんとあたしじゃ吊り合わないもん。ドレスだって似合わないし。もっと西門さんに合う人を誘えばいい」
「おい―――本気で言ってるのか?」
 牧野は俯いたままだ。
「おい、こっち向けよ」
 そう言って、牧野の腕を掴もうとした瞬間、その手を振り払われる。
「あたし―――バイトがあるから」
 そう言って、駆け出す牧野。
 追いかける間もなかった。
 あっという間に遠くなっていく背中を、俺は道の真ん中に立ってただ見送るしかなかった・・・・・。

 
 「―――で、どうすんだよ?本当に他の女誘うつもりか?」
 あきらの家に上がりこみ、適当に作ってもらったカクテルを飲みながらソファーにもたれる。
「そうできたら、どんなに楽か―――」
「何だよ、結局惚気に来たのかよ」
 あきらが呆れたように言う。
「まさか、断られるとは思ってなかった」
「・・・・・ま、あいつにも事情はあるだろ。引越しがあるってのも本当だろうし・・・・・。自分は場違いだとでも思ってるんじゃねえの?」
「それだけであんなふうに拒むか?司のこと・・・・まだ引き摺ってんじゃねえのか?」
 俺の言葉に、あきらがちょっとイラついたように溜息をついた。
「総二郎、いい加減にしろよ。牧野が司と別れてから、俺たちは3人で牧野を見守ってきた。類が牧野に惚れてることも知ってたし、俺だって・・・・・。その中で、牧野が選んだのはお前だ。いい加減な気持ちで、お前と付き合うことを決めるような女じゃないってことくらいお前だって知ってるだろ?あいつのこと疑うなら、すっぱりと別れちまえよ。そうすりゃあ俺も類も、心置きなく牧野を口説けるってもんだぜ」
 グラスの酒を一気に飲み込み、席を立つあきら。
「―――俺はもう寝る。飲みたきゃ勝手に飲んでろよ」
 そう言うと、さっさとリビングから出て行ってしまった・・・・・。

 「んなこと・・・・・わかってるっつうの・・・・・」
 司と別れて、傷ついた牧野を励ましていたのは俺だけじゃない。
 類はほとんどの時間牧野に付きっきりだったし、あきらも牧野を気遣い、世話を焼いていた。
 そうしているうちに、類だけじゃなく、俺やあきらも牧野に惹かれていったんだ・・・・・。

 牧野が、俺を思ってくれてるってことはわかってるつもりだ。
 けど、不安になるのは何でだろう。
 俺は牧野だけを見つめてる。
 だから牧野にも、俺だけを見ていてほしいと思う。
 
 だけど現実には、牧野が見ているのは俺だけじゃないような、そんな気がして仕方がなかった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あきら君よりちょっと長めの、総二郎編です。
 不安に思うのは、きっとお互いに・・・・だと思うんでうけどね。

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Moon ~花より男子・あきつく~

Category : Moon ~花より男子・あきつく~
 「まあ~~~♪つくしちゃんってばかわいいわ~~~」
 母親の言葉に、つくしは引き攣った笑みを浮かべる。

 プロム用のドレスに着替えたつくしが、リビングにいた俺たちの前に姿を現した。

 ベビーピンクの、ふわりと広がったシフォンのドレス。
 裾と肩部分には白いバラをかたどったリボンがいくつも縫い付けられ、1つにまとめた髪にもピンクのリボン。
 アイドルも真っ青といった感じか・・・・・。

 「あの・・・・・これちょっと、かわいすぎる気が・・・・・」
 遠慮がちに口を開く牧野に、母親がニコニコと微笑みかける。
「いいじゃない!すごく似合ってるわ~~~。ねえ、あきら君?」
 同意を求められ、俺は苦笑して肩をすくめる。
「いいんじゃね?」
「やっぱり?よかったわ~~~。ね、ウェディングドレスのデザインも考えなきゃいけないわね!楽しみだわ~~~」
 母親の言葉に、牧野の顔が再び引き攣る。
「ウ、ウエディング・・・・・」
「そうよ!あ、いけない、時間がないわ。つくしちゃん、ごめんなさいね、わたしこれから出かけなくちゃいけないの。あきら君、後を頼むわね!」
 にっこりと微笑み、その場を後にする母親。
 扉が閉まると、俺は座っていたソファーから立ち上がり、牧野の前に立った。
「悪いな、つき合わせて。でもマジで、それ、かわいいぜ?意外と似合ってる」
 俺の言葉に、牧野の顔がカーッと赤くなる。
「い、意外とって・・・・・。あたしこんなかわいらしいの、着たことない」
「ああ。だからわからなかった。お前ってピンク似合うんだな」
 牧野の髪に付けられたピンクのリボンに触れる。
 ふわりと髪が揺れ、牧野の肩がぴくりと震える。
「・・・・・すげえかわいい」
 真っ赤に頬を染めた牧野の唇に、チュッと触れるだけのキスをする。
「・・・・・このまま、結婚式挙げてもいいくらい」
「って・・・・・まだあたし、卒業もしてないし。でも・・・・・本当にいいの?」
「何が?」
「未だに、信じられない・・・・・。美作さんが、あたしのこと好きなんて・・・・・あたしの片思いだと思ってた」
「それは俺の方。司をN.Y.まで追っかけてって・・・・・まさか別れるとは思わなかったけど、そこまであいつのこと好きだったのに・・・・・」
「道明寺とは、あのときに全部終わったの。あたしは・・・・・美作さんが、好きだよ。夜の月みたいに、いつもあたしを見ててくれた。傍に・・・・いてくれたでしょ?」
 俺を見上げる牧野を、そっと腕の中に閉じ込める。
「それが、俺の役目だと思ってたから・・・・・。ずっと、言わない方が良いと思ってたんだけど・・・・・。思い切って、プロムのパートナーに誘ってよかったよ」
「嬉しかった・・・・・すごく」
「・・・・・1つ、頼みがあるんだけど?」
「何?」
 俺は、牧野の瞳を覗き込んだ。
「プロムで。俺以外の奴と踊っちゃダメだぜ?」
 牧野は頬を染めながら、俺を上目遣いに見上げる。
 その表情がかわいくて、俺は頬を緩ませる。
「誘われないから、大丈夫だよ」
「総二郎は誘うと思うぜ。類も・・・・・。でもダメ。譲らないからな」
 そっと唇を塞ぐ。

 一瞬身じろぎするが、戸惑いながらも俺の首に腕を絡める牧野。

 そのまま抱き合い、深く口付ける。

 やっと手に入れた、俺だけのヴィーナスだ。

 誰にも、渡せない・・・・・。

 俺は牧野の手を取り、用意されたリムジンに乗り込むと、プロムの会場へと向かった。

 着いた先には、類や総二郎も待ってるだろう。

 あいつらもまた、牧野を想ってる事にはとっくに気付いてる。

 だけど親友の2人にもこれだけは譲れない。

 F4の中の月だった俺が、漸く掴んだ幸せだ・・・・・。

 「あたしには、美作さんが必要だってわかったの。夜の道を1人で歩いてるような、不安なときに・・・・・美作さんの笑顔が、あたしを助けてくれた。夜道を照らす月の光みたいに・・・・・だから、いつも傍にいてくれないと、歩けないんだよ」
 笑顔でそう言う牧野がかわいくて。

 ダンスの途中だというのも構わず、牧野の腰を引き寄せ、キスをした。

 お前が望むなら。

 俺はいつでもお前の傍にいる。

 それが俺の―――『月』の―――役目だから・・・・・


                             fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 プロム、あきら編です。
 N.Y.で2人が別れたというところから、飛んでます。
 つくしが誰とも付き合っていない状態なら、きっとあきらもつくしを好きになってたんじゃないかなあと思いまして。

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Bouquet vol.4 ~花より男子・総つく~

Category : Bouquet ~花より男子・総つく~
 そこに立っていたのは、司だった。
 抱き合っている俺たちを、無表情に睨みつけている。
「道明寺・・・・・」
 真っ青になっている牧野の肩を抱いたまま、俺は司を見た。
「司。言い訳はしねえ。俺は・・・・・牧野が好きだ」
「総二郎・・・・・何の冗談だ・・・・・」
「冗談なんかじゃ、ねえよ。俺は、牧野が好きだ。誰にも渡したくない」
 
 その瞬間、司の拳が俺の頬を殴りつけた。

 「西門さん!!」
 後ろ側に吹っ飛んだ俺に、慌てて駆け寄る牧野。
「どけ!牧野!」
「道明寺、やめてよ!」
 牧野が俺の前に立ち塞がり、司を睨みつける。
「牧野・・・・・てめえ、総二郎のことを・・・・・」
「・・・・そうよ。あたしは・・・・・西門さんが好きなの・・・・・。道明寺のこと、ずっと待ってるつもりだったけど・・・・・ごめん・・・・・」
「ふざけんな・・・・・ごめんで済むかよ!」
 わなわなと震えだす司。
 俺は立ち上がり、牧野の手を引いた。
「西門さん・・・・・」
「いいから、下がってろ」
 しゃべると、微かに血の味がした。
 殴られたときに、口の中を切ったようだった。
「司・・・・・。お前には悪いと思ってる。だけど、俺はマジだ。牧野がお前を想ってるならずっとそれを応援するつもりだった。けど・・・・・牧野が俺のことを想ってくれてるなら・・・・・もう誰にも、渡す気はない」
「―――のやろう!!」
 司が、俺の胸倉を掴む。
「道明寺!やめて!」
 牧野の叫び声。
 
 牧野は、司を嫌いになったわけじゃない。
 それでも、遠距離恋愛というのは思った以上に牧野を苦しめていたんだろう。
 司にもそれはわかってるはずだ。
 それでもどうにか、繋ぎとめておきたかったんだ・・・・・。

 「お前が・・・・・牧野を不幸にしたら、俺は一生お前をゆるさねえ」
「司・・・・・」
「どんなことをしても・・・・・牧野だけは、渡す気はなかったんだ・・・・・誰にも・・・・・」
「・・・・・ああ」
「だが・・・・・今、牧野が見てるのは俺じゃねえ。そこにいる牧野はもう・・・・・俺の惚れた女じゃねえ・・・・・」
 そう言って司は俺を離し、悔しそうに顔を歪ませた。

 牧野がの目からは、涙がぽろぽろと零れていた。
「ごめん・・・・・。ごめん、道明寺・・・・・」
 
 司はそんな牧野に背を向けると、肩で1つ、息をついた。
「・・・・・俺は仕事があるから、もう行く。静にはもう会って話して来たから・・・・・。もう式は始まってる。さっさと行けよ・・・・・」
 そう言うと、司は俺たちのほうを振り返ろうともせず、そのまま歩いていき・・・・・まるで待っていたかのように目の前にすっと停まったリムジンに乗り込むと、あっという間に行ってしまったのだった・・・・・。


 「後悔、しないか?俺を選んだこと・・・・・」
 手を繋ぎ、教会へと向かいながら俺が言うと、牧野はちらりと俺を見上げた。
「しないよ。そっちこそ・・・・・たくさんのきれいな彼女たちより、あたしみたいなパンピー選んだこと・・・・・後悔しないの?」
「ああ、そりゃあするかもな」
「ちょっと!」
 俺の言葉にきっと目を吊り上げて怒り出す牧野。
 俺はちょっと身を屈めると、チュッと牧野の唇に触れるだけのキスをした。
「!!」
 途端に、真っ赤になる牧野。
「嘘だよ。後悔なんか、するわけない。生半可な気持ちで、親友を裏切ったりできるわけねえだろ。俺の気持ちは、さっき言ったとおり。マジで惚れてるんだ。一生離すつもりはねえから・・・・・覚悟しとけよ」
「西門さん・・・・・」

 教会についた俺は、そのまま牧野の手を引き地下に降りて行った。
「大体こっちの教会には、地下にもう1個あるところが多いんだよ」
「わあ、小さくてかわいい」
 目の前に現れたこじんまりとした教会に、牧野が感動したように声を上げる。
「・・・・・式はもう始まってるな。ってか、そろそろ終わるころか・・・・・」
「・・・・・静さんに、謝らなくちゃ」
「ああ。けどその前に、誓っときたい」
 俺の言葉に、牧野がきょとんと首を傾げる。
「俺は、今まで散々いろんな女と付き合ってきたからな。口で言ったって、すぐにはお前が安心できないだろうってことはわかってるつもりだ。だけど・・・・・誓って言う。俺が好きなのは、お前だけ。これから先もずっと・・・・・・俺にはお前しかいない。だから・・・・・信じて欲しい」
「西門さん・・・・・」
 牧野の目から、また涙が零れる。
 その涙を指で掬い、俺はふっと笑った。
「よく泣くやつだな」
「だって・・・・・」
「それから、これも言っとく。俺は、お前を他の誰にも渡すつもりはないし、触れさせるつもりもない。お前も無防備に、他のやつに触れさせたりすんなよ?」
「無防備って・・・・・いつあたしが・・・・・」
「いつも!類がお前の家に入り浸ってるのがいい証拠だろうが」
「はあ?何言ってんのよ、類は―――」

 「俺は、牧野の一部だから」

 突然聞こえてきた声に、俺たちは驚いて上を見上げた。
 張り出すように、1階の部分が地下から見上げられるようになっていた。
 そこにはいつからいたのか、類とあきらの姿が。
「牧野も、俺の一部。俺たちの関係はずっと変わらないからね。総二郎と付き合ってても、それは同じだよ」
「類、てめえ・・・・・」
 俺が文句を言おうと口を開くと、ひょいとウェディングドレスに身を包んだ静が現れた。
「静さん!きれー・・・」
 牧野が頬を紅潮させ、見惚れている。
「牧野さん!受け取って!」
 静が、手にしていたブーケを牧野に向かって投げた。
 ブーケが、きれいな弧を描いて牧野の元に落ちてくる。

 駆け出し、そのブーケを受け止める牧野。

 そして、ブーケを手に俺の方を振り向き、満面の笑みを見せる。

 その瞬間、俺たちの未来が見えた気がした。

 真っ白なウェディングドレスに身を包み、幸せそうに微笑む牧野が。
 そして、その横には俺がいるはず・・・・・。

 そんな未来へと進むため。

 俺は、牧野をしっかりと抱きしめたのだった・・・・・。


                           fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 びっくりするくらい、あきらの出番がなかったですね(^^;)
 これのあきらバージョン・・・・は難しそう・・・・なので保留です。
 あきらは強引に奪うとか、そういうのしそうにないし。
 まあいずれ、何かの拍子に思いつくことがあれば、書いてみたいネタではあります。

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Bouquet vol.3 ~花より男子・総つく~

Category : Bouquet ~花より男子・総つく~
 目の前で崩れ落ちそうになる牧野の体を支える。

 「―――のやろうっ」
 考えている余裕なんかなかった。
 ただ、目の前に立っていた男の顔面を思いっきり殴りつけてやった。
 倒れた男の手に、銀色に光るナイフが握られているのに気付いたのは、そのときだった。

 ―――こいつは、まさか・・・・・。

 渡仏する前にニュースで見た、通り魔の事件の話が頭に蘇る。

 幸いなことにやつは俺の一発ですっかり伸びてしまっていた。
 俺は携帯を取り出すと警察に連絡した。

 「―――牧野。おい、しっかりしろ!」
 牧野の頬を、軽く叩く。
「ん・・・・・・?」
 軽く瞬きをして、牧野の瞼がゆっくりと開く。
「―――西門、さん?」
「大丈夫か?どこか痛いか?」
「あ・・・・・ううん、大丈夫・・・・・」
 そう言いながら体を起こし、そこに倒れている男を見て愕然とする牧野。
「・・・・・たぶん、こいつ通り魔だよ」
「ええ!?」
 驚いて俺の顔を見る。
「だから言っただろ?この辺はあんまり治安がよくねえんだ。軽はずみにこんなところ通ったりして―――」
「ご・・・・ごめんなさい・・・・・」
 青い顔をしながらしゅんんとなる牧野を、俺は思わず抱きしめていた。
「に、西門さん・・・・・?」
「無事で、よかった・・・・・」
「あの・・・・・・」
「お前が死んだら・・・・・俺は生きていけねえ・・・・・」
「・・・・・何・・・・・言ってるの・・・・・」
「後悔、したくねえんだ・・・・・たとえ玉砕しても・・・・・・」
 牧野の体をちょっと離し、その瞳を見つめる。
 戸惑ったように俺を見つめる牧野。
 俺はその牧野の肩を抱いたまま・・・・・口を開いた。

 「俺は・・・・・お前が、好きだ」

 驚きに見開かれる牧野の瞳。

 遠くの方から、パトカーのサイレンの音が近づいてきていた。

 「・・・・・冗談、でしょう?」
 俯く牧野を、じっと見つめる。
「なんかじゃねえよ。マジで・・・・・惚れてる。お前を、このまま攫ってもいいと思えるくらい・・・・・」
「ねえ、待ってよ。そんなこと急に・・・・・信じられるわけ、ない。だって、西門さん、たくさん彼女が・・・・・」
「・・・・・別れた」
「え・・・・・?」
 牧野が、再び俺を見上げる。

 そのとき、通りの向こうにパトカーが停まるのが見えた。
「―――ちょっと、そっちで待ってろ。俺が話をしてくる」
 そう言って俺は牧野を人通りのある明るい道の方へ押しやると、パトカーの方へと向かった・・・・・。


 「煩わしくなったんだ」
 警察に男を引き渡し、簡単に状況を説明し、俺は牧野の元へと戻った。
 そして、小さな噴水の傍へ行くと、そう切り出した。
「煩わしい・・・・・?」
「ああ。そんなふうに考えたことなかったんだけどな・・・・・。毎日複数の女と会って、夜通し遊び歩いて・・・・・根なし草みたいに渡り歩いてるのが良いと思ってた。1人の女に縛られたくないって。けど・・・・・今の俺は、お前のことしか見えてねえ。お前さえいてくれれば・・・・・それでいいとさえ、思ってる。自分でも驚いてるよ」
 牧野は戸惑いながらも、揺れる瞳で俺を見つめていた。
「好きなんだ、マジで・・・・・。お前が目の前で倒れて・・・・・こんなことで、お前を失いたくないって、思ったんだよ。自分の気持ちも伝えないまま・・・・・別れるなんて、いやなんだ」
 真っ直ぐに、牧野を見つめる。
 もう、自分の気持ちを隠すことなんて出来なかった。
 そして・・・・・さっき、微かに感じた淡い予感に、期待する。
「お前の気持ちは?」
「あ・・・・・あたしは・・・・・」
「俺は、お前はずっと司を好きだと・・・・・4年間、じっと司を待ってるんだと、そう思ってた。だから、それなら俺の気持ちは言わないでおこうと。お前を困らせるだけの想いなら、ずっと隠し通そうと思ってたんだ。でも・・・・・」
 俺は目の前の、牧野の頬にそっと手を伸ばした。
 牧野がぴくりと震える。
「・・・・・正直に、言ってくれ。お前が今想ってるのは、誰なんだ・・・・・?」
 戸惑いに揺れる瞳。
 じっと見つめる俺を、見つめ返して・・・・・・
「・・・・・・言っても・・・・・良いの・・・・・?」
「・・・・・俺が、そう頼んでるんだ」
 それでも直、戸惑いながら・・・・・

 漸く、牧野が口を開いた。

 「あたしも・・・・・西門さんが、好き・・・・・・」
 その瞬間、牧野の瞳から涙が零れ落ちる。

 俺は、震える牧野の体をそっと抱きしめた。
「どうしていいか、わからなかった・・・・・。道明寺のこと、ずっと待ってるつもりだったのに・・・・・。気付いたら、西門さんのことばっかり考えてて・・・・・。やめなくちゃって、ずっと思ってた。西門さんには彼女がいっぱいいるんだし、あたしはただの友達なんだからって・・・・・でも・・・・・・」
「やめるなんて、言うな。一番好きな女に、漸く想いが通じたのに・・・・・・今更、お前を離せるわけ、ない」
「西門さん・・・・・」

 牧野の髪をそっとなで、その頬に唇を寄せる。

 ぴくりと身じろぎをする牧野を、逃がさないように腕の中に封じ込め、そっと唇を重ねた・・・・・。


 そして、唇を離したそのとき・・・・・

 俺たちをじっと睨み付ける、その視線に気付いた。

 「司・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 殴り合いか、話し合いか・・・・・。
 総二郎なら、どっちかな?

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Bouquet vol.2 ~花より男子・総つく~

Category : Bouquet ~花より男子・総つく~
 「3月とはいえパリはさみーな」
 2日後、俺たち4人はパリに来ていた。
「教会ここ左」
 あきらがメモってきた教会の地図を見ながら言う。
 あきらは相変わらずこういうところがまめで、俺たちは迷子になる心配がない。
 その横で牧野がカメラを手にきょろきょろしている。
 初めてのヨーロッパでかなり興奮しているようだった。

 「美作さん、今度ここ!!」
「か・・・・かんべんしてくれよ、はずかしい」
 あきらが引っ張りまわされ、閉口している様子を呆れて見る。
「何で銅像と写真撮るか。意味わかんねえ」
 そう言う俺の横で、類がくすりと笑う。
「なんだよ」
「別に。そういうところがかわいいって顔してるから」
 ちらりと意味深な視線を送られ、思わず言葉に詰まる。

 ―――こいつ・・・・・

 「・・・・・なんで牧野の招待状を俺に渡した?考えてみりゃあ当日、空港ででも渡せば済むことだったのに」
 俺の言葉に、類は楽しそうに笑った。
「今頃気付いた?総二郎にしては鈍いね」
「お前な・・・・・」
「好きなんでしょ、牧野のこと」
 真っ直ぐに俺を見る類の瞳。
 こいつの、何もかも見透かしたようなこの視線には弱い。
「・・・・・だから、何だよ。心配しなくても手なんかださねえよ」
「ふうん?いいの?それで」
「・・・・・どういう意味だよ。あいつは、司の彼女だ。今更俺が出てったところでどうにもならねえよ」
「そうかな?」
 穏やかな笑みを浮かべる類。
 その表情からは類の気持ちを読み取ることはできない。
「この1年、牧野がどんなに寂しい思いをしてたか知ってる。類、お前だって見て来ただろ?」
「うん。だから俺はなるべく牧野の傍にいようと思った。俺じゃ司の代わりにはなれないけど、少しでも気が紛れれば良いと思ったから。でも・・・・・最近の牧野は少し変わったよ」
「変わった?どう―――」
 どういう風に?と聞こうとして、牧野の声に遮られる。
「ああっ、フィルム切れちゃった」
 その声に、がっくりと項垂れる。
 
 ―――なんでデジカメじゃねえんだ、この時代に

 「―――お前写真撮りすぎ」
 俺が声をかけると、振り向きながら拗ねたように眉を寄せる。
「だって初ヨーロッパなんだもん。何でほぼ日帰りなの」
 牧野の言葉に、あきらがふっと笑う。
「俺が、2日後にデートがあるから」
 その言葉に、牧野が心底呆れたようにあきらをじろりと見る。
「そろそろ始まる」
 類が時計を見て言うと、牧野がまた慌てたように口を開く。
「あっ、あたしフィルムとってすぐ行く」
「1人で大丈夫かよ」
 あきらの言葉に、俺が答える。
「俺が一緒に行くよ。牧野1人じゃ絶対迷子だ」
「平気だってば!」
「いいから、急ぐぞ」
 そう言って牧野の腕を取り、走り出した・・・・・。


 「持ってきた?」
 ホテルの部屋から戻ってきた牧野に聞く。
「うん。ごめんね、つきあわせて」
「いいよ。ほら、急ぐぞ」
 そうしてまたホテルを出て走り出す。

 暫くすると、牧野が口を開いた。
「・・・・・西門さんも、2日後にデート?」
「あん?なんだそりゃ」
「美作さんが言ってたから・・・・・西門さんもそうかなって」
「・・・・俺は、デートの約束なんかねえよ」
「ふーん・・・・・」
 なんとなく歯切れの悪い牧野を、走りながらちらりと見る。
「何だよ?らしくねえな。言いたいことははっきり言えよ」
「べ、別に・・・・。それよりも急がなきゃ」
 俺から目を逸らした牧野の頬が、微かに赤く染まっていた。

 たったそれだけのことなのに、胸がざわつく。

 どうってことはない。期待なんかするな。

 自分に言い聞かせる。

 「こっちの方が近いかな」
 牧野の声にはっとする。
 人通りのない、薄暗い横道に入っていく牧野。
「おい、ちょっと待てよ、この辺はあんまり治安が―――」
「だって時間ないじゃない。大丈夫だよ、すぐに通り抜ければ―――」
 そう言って俺のほうを振り返りながらも先に進む牧野。

 薄暗かったのと、牧野のことしか見てなかったのとで、気付くのが遅れた。

 牧野のすぐ傍に、人の気配。

 気付いて牧野の手を取ろうとした、その瞬間だった。

 ―――ドスンッ

 誰かが牧野にぶつかり、牧野はそのまま崩れるように倒れた・・・・・。

 「牧野!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ここでの類くんは、あくまでも見守り役に徹してます。
 そして司は登場するのか?

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Bouquet vol.1 ~花より男子・総つく~

Category : Bouquet ~花より男子・総つく~
 「そういや、静から招待状届いた?」
 俺の言葉に、牧野はきょとんと首を傾げた。
「招待状?なんの?」
「結婚式の」
 その言葉に、目を見開き驚く牧野。
「結婚式!?誰が?誰と!?」
「静が、フランス人と。同じ弁護士だって。何だ、知らなかったのか?」
「ぜんっぜん!静さんが・・・・・」
 言ったきり、黙ってしまった牧野。
 
 俺は、驚きのあまり固まってしまっている牧野の横顔を、ちらりと盗み見た。

 今日は、英徳の高等部の卒業式だった。
 牧野は無事就職先も決まり、相変わらずバイトに明け暮れる毎日。
 卒業式の後もバイトだという牧野を、車で送ると言って乗せたのだ。

 俺たちが高等部を卒業してから1年。
 あのプロムの日以降、牧野と司は会っていないらしい。
 司が強引に置いて行ったTV電話でたまに会話はしているらしいが、時間が合わないことが多いので、最近はそれもすれ違い気味だと牧野がこぼしていた。
 類は相変わらずそんな牧野たちを穏やかに見守っていた。
 いまいち本心を見せないあいつだけど・・・・・おそらくまだ牧野のことが好きなんだろう。
 3日とあけず牧野の家に顔を出しているという話を聞けば、そう思わずにいられなかった。

 そして俺はといえば、高等部を卒業してからというもの、退屈な毎日で・・・・・。
 高等部のときと大して変わらないはずなのに、どこかぽっかりと穴が開いてしまったような感覚。

 最初、それは幼馴染である司が抜けてしまったせいだと思っていた。
 でもそれは違うと気付いたのは、最近のこと。
 気付けば足が向いている高等部。
 自然と牧野を探していた。

 ふざけあったり、愚痴を聞いてやったり、からかったり・・・・・
 なんでもないやり取りが楽しくて。

 いつからか・・・・・
 俺の中に牧野が住んでいた。
 なくてはならない存在として・・・・・。

 類と2人で非常階段で楽しそうに話し込んでる姿を見ると、イライラした。
 『昨日も類が来た』と楽しそうに話す牧野に胸が痛んだ。
 寂しそうに司のことを話している姿を見れば、抱きしめてやりたくなった。

 叶うはずがない。

 そんな恋を、自分がするなんて・・・・・

 どんな女と付き合っても、俺の心の隙間は埋まらない。
 それを埋めることが出来るのは、牧野だけだ・・・・・。

 「今日当たり、届くんじゃないか?航空券も入ってたから、たぶん類やあきらも一緒に行くことになる」
「航空券って・・・・・どこで式挙げるの?」
「フランスに決まってるだろ」
 俺の言葉に、牧野はさらに目を丸くする。
「フランス!ひゃ~~~・・・・ってことは、もしかして道明寺も行くの?」
 一瞬、ずきんと胸が痛む。
「ああ、たぶんな。あいつは忙しいから、大変だろうけど・・・・・。静の結婚式だ。多少無理してでも来るだろう」
「そっか・・・・・」
 もっと喜ぶかと思えば、なぜか複雑そうな表情で溜息をつく牧野。
「どうした?嬉しくねえのかよ。1年ぶりの再会だろ?」
「うん・・・・・。なんか、久しぶりすぎて・・・・・いろんなことがあったし、あいつと会うときは必ず何かが起こる気がするから・・・・・・本当に会えるのかなって」
「それでも、会いたいんだろ?」
「・・・・・どうかな」
 俯いたままの牧野。
「おい」
「だって、なんか・・・・・会えないことに慣れちゃって・・・・・」
 そのまま、窓の外に視線を移す牧野。
「・・・・・寂しいのにも、慣れてきちゃったかな」
 なんとなく声をかけることが出来なくなってしまい、俺はまた前を向き、運転に集中した・・・・・。

 「帰りも、迎えに来てやろうか?」
 バイト先に到着し、ドアを開けて降りる牧野に声をかける。
「え、いいよ。ここまで送ったもらえただけで十分。ありがとう、西門さん」
 にっこりと微笑む牧野がまぶしかった。
「ん・・・・・。じゃあな、がんばれよ」
 そう言ってまた車を走らせる。

 なんとなく落ち着かなかった。

 牧野が心変わりなんかするはずない。
 そう思うのに、さっきの牧野の表情が気になって・・・・・。

 そんなことを考えて溜息をついたとき、携帯の着信音が鳴り出した。
 一度車を路肩に寄せ、電話に出る。
「はい」
『あ、総二郎?』
 電話の相手は類だった。
「どうした?珍しいな、お前から電話なんて」
『今日、静から結婚式の招待状が届いたんだけど』
「ああ、俺んとこにも来たぜ」
『牧野のやつも、一緒に届いたんだ』
「は?何で・・・・・ああ、牧野の住所なんてしらねえか、あいつ引っ越してるし」
『うん。牧野に、渡してほしいって書いてあったんだけど・・・・・』
「ふうん」
『総二郎から、渡してくれない?』
 類の言葉に、俺は一瞬驚く。
「は?何で?お前しょっちゅう牧野の家行ってるだろうが」
『明日は行けない。会社の仕事、頼まれてて。だから、悪いけど』
「・・・・・わかった。これから取りに行けばいいか?」
『うん、じゃ』
 そこですぐに切れる電話。
 相変わらずマイペースなやつだ。
 けど・・・・・
 あいつが、牧野に関することを俺に譲るなんて・・・・・

 俺は、なんとなく落ち着かない気持ちで、類の家へ向かった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 類の場合は、自然と成り行きに任せられたけど、総二郎の場合はちょっと前からさかのぼらないと、不自然かな?と思いまして、こんなスタートになりました。

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君だけに vol.3 ~花より男子・類つく~

Category : 君だけに ~花より男子・類つく~
 「類・・・・・牧野・・・・・。俺は認めねえぞ!俺が今まで何のために・・・・・!」
 司が肩を震わせ、俺たちを睨みつける。
 俺は、その視線を受け止めながら口を開いた。
「・・・・・ごめん、司。司ががんばってたのは知ってる。でも・・・・・それは牧野のためだけじゃないはずだよ。道明寺のため・・・・・自分のためでもあるだろ?司はもう、立派な道明寺の後継者だ」
「知った風な口を聞くな!」
「それでも・・・・・俺はもう、牧野を離すつもりはないよ」
「類、てめえ―――」

 司が、俺に掴みかかろうと1歩踏み出す。

 俺はその瞬間、牧野の手を握りなおし、走り出した。

 司の横をすり抜け、教会の前の通りを駆け抜ける。

 「待て!!」
 司の声が追いかけてくる。
 当然そんなの待てるわけがない。

 教会の前を通り過ぎようとした時―――
 総二郎とあきらが、呆気に取られてこちらを見ているの目に入った。
 そして―――

 「類!牧野さん!」

 教会からウェディングドレス姿で出てきたのは、静だった。
「静さん!ごめんなさい!」
 牧野の言葉に、静がふわりと微笑むのが見えた。
「牧野さん!受け取って!!」
 そう言って―――

 真っ白なブーケが、放り投げられた。

 牧野が手を伸ばし、ブーケをキャッチする。

 「類!牧野さん!幸せにね!」
 手を振る静。
 俺はそんな静に笑みを返し・・・・・
「おい!捕まんなよ!」
「そのまま日本まで逃げちまえ!!」
 総二郎とあきらの声が、俺たちを後押しした・・・・・。

 俺は牧野の手を握ったまま走り続け―――

 ちらりと振り向けば、牧野も懸命に俺の手を握り、走っていた。

 そして、その向こうにはあきらと総二郎に抑えられている司の姿が見えた。

 「お前ら、ふざけんな―――!」


 暫く走り続けた俺は、牧野の息が苦しそうに響き始めたのを感じ、足を緩めた。
 もう、司の姿はなかった。
 「・・・・・後悔、しない?」
 手を繋ぎ、ゆっくり歩きながら牧野の顔を見つめる。
 牧野が俺を見上げ、にっこりと微笑んだ。
「するわけ、ない。道明寺にはすごく悪いことしたって思うけど・・・・・。でも・・・・・もう、自分に嘘はつけない」
 揺ぎ無い、牧野の瞳。
 ずっと、見守ってきた牧野。
 司と一緒に幸せになるなら、それでいいと思ってた。

 だけど今は・・・・・・

 「幸せに、するよ」
 俺の言葉に、牧野が驚いて俺を見上げる。

 目の前には、小さな教会。
 おれたちはその前に立ち、お互いを見つめた。
「たとえ何があっても、もうこの手は離さない。俺がきっと幸せにしてみせるから・・・・・。俺に、ついてきて・・・・・」
「類・・・・・」
 牧野の大きな瞳から、大粒の涙が零れ落ちる。

 「・・・・・愛してる・・・・・」
 そっとその体を抱きしめ、耳元に囁く。
「類・・・・・あたしも・・・・・愛してる・・・・・」
 涙声で紡がれる牧野の言葉。
 その言葉がゆっくりと俺の胸に響いてきたころ―――

 目の前の教会の鐘が、静かに鳴り始めた・・・・・。

 俺たちは自然に体を離すと、そのまま見つめあい―――

 ゆっくりと、唇を重ねた。

 鐘の音が鳴り終わるまで、何度も口付けながら。

 俺たちは、永遠の愛を誓った・・・・・。


                            fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 題名は、vol.1を書いていたときになぜか頭に響いてきた少年隊の「君だけに」(古)
 意味はないけど、なんとなく合ってる気がして。
 司には気の毒な結果になってしまいましたが・・・・・・
 こんなクライマックスも、あっていいんじゃないかな~と思って書いてしまいました。

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君だけに vol.2 ~花より男子・類つく~

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 もう行かなくちゃ。

 結婚式はもう始まってるだろう。

 司ももう着いてるかもしれない。

 そう思うのに、体が動かない。

 牧野も、俺の腕の中でじっとしていた・・・・・。

 「・・・・・いいの?そろそろ行かないと・・・・・。きっと司も来てる・・・・・」
 俺の言葉に、牧野の方がぴくりと震える。
「・・・・・わかってる。もう式、始まっちゃってるよね・・・・・。静さんに、謝らなくちゃ・・・・・」
「うん、俺も・・・・・」
 牧野がゆっくり俺から離れ、2人で立ち上がった。

 牧野は俯いていたが、少し微笑み、口を開いた。
「ごめん、泣いたりして・・・・・気にしないでね、ちょっと気持ちが高ぶっちゃっただけだから」
 そう言いながらも、俺のほうを見ようとしない。
「牧野」
 俺は、そのまま行こうとする牧野の手を掴んだ。
「どうして・・・・・俺の方を見ないの?」
「・・・・・別に・・・・・」
「こっち見て」
 ぐいと手を引っ張る。
「牧野」
 名前を呼ぶ声を少し強めると、漸くそろそろと顔を上げる牧野。
 俺を見つめる瞳は揺れていて・・・・・

 まるで牧野の心そのものを現しているように思えた。
「・・・・・そんな顔で、行くの?司が来てるかもしれないのに・・・・・」
「・・・・・大丈夫、教会につくまでに・・・・・顔、整えとくから・・・・・」
「牧野・・・・・。だったら、今言って。どうしてそんな顔してるのか」
「そんなの・・・・・言えない」
「どうして?」
「だって・・・・・」
 再び俯いてしまう牧野。

 俺は牧野の手を握ったまま、じっと牧野を見つめていた。

 「・・・・・お願い、見つめないで」
 消え入りそうな小さな声。
「どうして?」
「・・・・・類の顔が、真っ直ぐに見れない。あたし・・・・・このままじゃ・・・・・道明寺の前に行けない・・・・・」
「・・・・・どうして?」
 繰り返し聞くと、牧野は戸惑う素振りを見せながらも、口を開いた。
「類が・・・・・類が死んだらどうしようって・・・・・いなくなったらどうしようって・・・・・本当に怖くなったの。あたし・・・・・類と会えなくなることなんて考えられなかった。いつも傍にいてくれて・・・・・それが当然みたいに感じてて・・・・・違うのに・・・・・。類には類の人生があって・・・・・いつか結婚して、自分の家庭を築いていくのに・・・・・。それが当たり前のことなのに、あたし考えてなかった。考えたく・・・・・なかった・・・・・。それがどうしてなのか・・・・・ずっと考えずにいたのに・・・・・類がいなくなっちゃうかもって思った瞬間に・・・・・わかっちゃったの・・・・・」
 牧野の泣き濡れた瞳が俺を見上げる。
 俺は、黙って牧野を見つめていた。
「あたし・・・・・類が好きなの・・・・・」

 揺れる瞳に、俺が映っていた。

 俺は黙って、牧野を抱きしめた。

 「類と・・・・・離れるのはいや・・・・・ずっと・・・・・傍にいたい・・・・・」
 涙声で紡がれる言葉が、俺の胸に響く。
「じゃあ、傍にいて。ずっと俺の傍に・・・・・」
「でも・・・・・・」
「いやだよ、もう離さない。ずっと、好きだったんだ・・・・。漸く俺の方を見てくれたのに・・・・・。もう、手放すことなんて出来ない」
「類・・・・・」
「このまま・・・・・俺の傍にいて。司からも・・・・・どんなものからも守ってみせるから」

 そっと俺を見上げる牧野。
 俺は牧野の頬に手を添え、そっと唇を重ねた。
 牧野の、涙の味がした。
 
 何度もそのぬくもりを確かめるように、何度も口付けを交わしていた、そのとき。

 「お前ら、何やってる!!」
 鋭い怒声に、はっとして牧野が俺から離れる。
 俺はとっさに牧野を自分の背に隠した。

 「・・・・類、てめえ・・・・・どういうつもりだ」
 路地の入口で、こちらを睨みつけていたのは司だった。
「司・・・・・来てたの・・・・・」
「ああ、来てたさ。お前らがホテルにフィルムを取りに行ったきり戻らないって言うから、探しに来て見れば・・・・・牧野!説明しろよ!」
 牧野が、ビクリと体を震わせる。
「道明寺・・・・・ごめん・・・・・」
 牧野の震える声に、司の眉がぴくりと吊り上がる。
「ごめん・・・・・だって?それはどういう意味だ。まさかお前・・・・・類とできてるのか?」
「へんな言い方しないで!そんなんじゃないよ!」
「そんなんじゃない?じゃあ今のはなんだ!類と・・・・・キスしてたじゃねえか!」
「それは―――!」
 俺は、言葉を遮るように2人の間に立った。
「牧野は、悪くない。俺が・・・・・牧野を諦め切れなかったんだ」
「類・・・・・」
「ふざけんなよ・・・・・諦め切れなかったからキスしたって言うのか?牧野の気持ちを無視して!」
「道明寺、違うよ。類はあたしの気持ちを無視したりしない!あたしが、類のことを―――」
 牧野が俺の前に立ち、真っ直ぐに司を見つめた。
「あたしが・・・・・類のことを好きになったの。類がいない世界は・・・・・考えられないの・・・・・」
「牧野・・・・・類とは友達だろ?友達として、ずっと近くにいりゃあいい。何で今になって―――」
 司が牧野の肩を掴む。
「ダメなの・・・・・自分の気持ちに、気付いちゃったから・・・・・もう、嘘はつけない・・・・・・。道明寺のこと、本当に好きだった。でも・・・・・類が、好きなの・・・・・・離れたくないの・・・・・」

 牧野の瞳に、涙が光る。

 俺はそっと牧野に近づき、その手を握った・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 読み返してみると、改めて「ここでこうだったら」と思う場面が満載で。
 同じパターンで総ちゃん編も考えてみたいもんです。

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君だけに vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : 君だけに ~花より男子・類つく~
 静の結婚式に招待され、総二郎、あきら、そして牧野とフランスへ来ていた。

 ほぼ日帰りの慌しいスケジュールの中、牧野は写真を撮るのに夢中だった。

 後もう少しで結婚式が始まろうというとき。
 フィルムを取りに戻ると言って駆け出した牧野のあとを、俺は少し遅れて追いかけた。
「待って、牧野、俺も行く」
 俺の言葉に、走りながら振り向く牧野。
「ええ?いいのに。静さん待たせちゃ悪いし、あたしだけなら・・・・・」
「牧野を1人にすると、何か面倒に巻き込まれそうだから、心配」
 俺の言葉に、牧野はうっと詰まる。
「ひどっ、人をトラブルメーカーみたいに!」
「まんま、牧野のことだと思うけど・・・・・」
「類!」
「急がなくていいの?」
「あ!」
 そしてまた、慌てて走り出す。

 そんな牧野の後姿を見て、俺はちょっと笑った。

 ―――いつになっても、牧野は変わらない。

 そんな牧野だから、俺は・・・・・

 ホテルに戻り、フィルムをバッグにしまいこむと再び教会へ向かって走り出す。
「なんか、同じような街角ばっかりで、迷いそう」
 きょろきょろと街中を見回す牧野の手を、そっと掴む。
 牧野が、微かに頬を染めて俺を見上げる。
「こっち。着いてきてよかった。1人だったら確実に迷子ってるんじゃない?」
「そ、そんなことないってば」
 必死に言い募る牧野に、思わず笑いが漏れる。
「良いから、早く行こう。式、始まっちゃうから」
「あ、そうだ!」
 途端に慌てだす。
 ほんと、牧野といると退屈しない・・・・・・。

 「・・・・・ここ通ったほうが近いかも」
 途中、細い路地を見つけてそこへ入る。
「な、なんか薄暗いとこだね。大丈夫?」
 不安げな牧野に、俺は振り返って笑顔を見せる。
「すぐ通り抜けるから。ほら、もうすぐそこ―――」
 そう言ってまた前を向いたときだった。

 ―――ドスンッ

 何かに思い切り体当たりされたような衝撃。

 「類!!」

 牧野の声が聞こえた。

 だけど目の前は真っ暗で・・・・・・

 意識を失う瞬間、牧野の笑顔が見えた気がした・・・・・。


 「類!類!!しっかりして!!」
 牧野の大声が耳元に響き、俺は目を覚ました。
「うるさ・・・・・牧野・・・・・」
「類!よかった!」
 ほっとしたような声。
 目を開けると、牧野が心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。
 うっすらと、涙が滲んでいるようにも見える。
「・・・・・牧野?一体・・・・・・」
「さっきの・・・・・通り魔だったみたい。ほら、日本のニュースでもやってたでしょ?フランスで出没してるって言ってた・・・・・・今、パトカーが来て連れてったとこ」
 牧野の言葉に、俺はがばっと起き上がる。
「牧野、怪我は?」
 思わず牧野の肩を掴む。
「あたしは平気。それより類のほうこそ、大丈夫?痛いところない?警察の人は、みぞおちを殴られて気絶してるだけ・・・・みたいなこと言ってたけど、あたし、フランス語なんてしゃべれないし、良くわからなくて・・・・・。病院、行った方が・・・・・」
 心配そうに俺を見つめる牧野に、俺はちょっと笑って見せた。
「いや、大丈夫。牧野が無事でよかった・・・・・。ごめん、こんなところ通った俺が悪い」
 俺の言葉に、牧野は首を振る。
「ううん。元はといえば、あたしが式の直前にフィルム取りに戻ったりするから・・・・・・」
「それにしても、どうやってそいつ捕まえたの?」
「捕まえたって言うか・・・・・類が殴られたの見て、頭に血が上っちゃって。バッグで思いっきり何度も殴ってやったら、伸びちゃったの」
 照れくさそうに頭をかきながら言う牧野。
 その光景が頭に浮かび、思わず噴出す。
「ぶっくく・・・・・・それ最高。見たかったな」
 その言葉に、牧野は顔を顰める。
「やめてよ、必死だったんだから・・・・・。類が・・・・・死んだらどうしようって」
「縁起でもないな。それより・・・・・本当だったら俺があんたを守らなくちゃいけないのに・・・・・。危ない目にあわせてごめん」
 俺の言葉に牧野は首を振り、俺のシャツをぎゅっと掴んだ。
 瞳には、今にも零れそうな涙が溜まっていた。
「牧野?どっか痛い?」
 ふるふると首を振った瞬間、牧野の瞳から涙が零れ落ちる。
「よかった・・・・・類が無事で・・・・・」
「牧野・・・・・」
 牧野の瞳から零れ落ちた涙が、俺のシャツを濡らした。
「類が死んだらどうしようって・・・・・類がいなくなったらどうしようって・・・・・。生きてて、よかった・・・・・」
 俺は、ぽろぽろと涙を流し始めた牧野の髪を撫で、その頭を引き寄せた。
「泣くなよ・・・・・。これから結婚式だってのに、そんな泣き顔で行くつもり?」
「・・・・・類が・・・・・いなくなるなんて・・・・・思ったことなかったから・・・・・。いなくなるって考えただけで、あたし・・・・・どうにかなりそうだった・・・・・」
 牧野の言葉に、俺は何も言うことが出来ず・・・・・ただそっと、その体を抱きしめた。

 僅かに身じろぎする牧野。
「ごめ・・・・・シャツ、汚れちゃう・・・・・」
「・・・・・構わない」

 ただ、抱きしめていたかった。

 俺のために涙を流す牧野が愛しくて。

 ずっと、このまま牧野を掴まえていられたらいいのにと。

 言葉に出来ない想いが、胸に溢れていた・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 連載、というほど長くはしないつもりですが、ちょっとだけ続きます。

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Special Holiday ~花より男子・つかつく~

Category : Special Holiday ~花より男子・つかつく~
 「雨かよ、ついてねえな」
 司は窓の外を見てぼやいた。
 今日は久しぶりの休日だ。
 ここのところずっと休みなどなかったのだが、今日は予定していた会議がながれ、急にぽっかりと1日空いてしまったのだ。

 そんなときに限って雨。
 普段はほとんど車で移動しているし自分で傘をさすこともないので天気など気にしないのだが・・・・・

 まあ別に約束があるわけでもないし、行きたいところも・・・・・あるにはあるが、それには時間が足りなさ過ぎる。

 司は溜め息をついてソファーに腰を下ろした。

 「司様」
 扉をノックする音と共にメイドの声が聞こえた。
「なんだ」
「お客様がいらしてますが」
 その言葉に、司は顔をしかめた。
「なんだよ、今日は休みだぞ。追い返してくれ」
「ですが―――」
「うるせえ!さっさと追い返せ!いいな!」
「・・・・・かしこまりました」
 メイドの足音が遠ざかる。
 司は再び溜め息をつき、ソファーに深く身を沈めた。

 そして、窓の外へと視線を移したとき―――

 ダッシュボードの上に置いていた携帯が鳴り出した。

 ―――なんなんだよ、休みだってのに・・・・・

 司は舌打ちしながらも、仕方なく携帯を手に取った。
「―――はい」
『ちょっとどういうつもりよ!』
 キンと響く甲高い声は、何よりも聞きたかった彼女の―――

 「牧野!?何だよ、いきなり・・・・・」
『何だよじゃないわよ!人がせっかく遠路はるばる海を渡って来てやったっていうのに、門前払いってどういうことよ!』
「―――は?」
『は?じゃないわよ!』
「今・・・・・なんつった?」
『はあ?あんたふざけてんの?だから、門前払いって―――』
「じゃなくてその前!」
『―――だから、』
「いるのか?」
『は?』
「そこに、いるのか?」
『―――』
「おい!」
『―――いるわよ』

 考えている余裕はなかった。

 気付いた時には携帯を投げ出し、部屋を飛び出していた。

 メイド達が驚いて目を丸くしているなか、司はだだっ広い屋敷の中を駆け抜け、玄関を目指した。

 重厚な扉を力任せに開け放ち、降り頻る雨の中、門へと急ぐ。

 広い敷地が、この時ばかりは恨めしかった。

 ようやく門が見えて来た頃には、司はずぶ濡れになっていた。

 門の前に、つくしが立っているのが見える・・・・・

 「牧野!!」
 司の声につくしが振り向く。

 つくしが持っていた傘を放り出し、駆け出す。

 お互いの腕を伸ばし、まるでスローモーションのように引き寄せられる。

 「道明寺!」

 つくしの瞳が、涙で濡れていた。

 司の手がつくしの体を捉え、力いっぱい抱き締めた。

 「牧野・・・・・!お前、なんだって急に―――!」
「なによ・・・・・会いに来ちゃいけないっていうの?」
「―――いけなか、ない」
「じゃ、素直に喜びなさいよ、天邪鬼」
 その言葉に、司はクッと笑った。
「偉そうなやつだな」
「―――会いたかったの」
 つくしの声が切なさと甘さを滲ませる。
「俺も・・・・・会いたかった」
 抱きしめる腕に力を籠める。
「スゲー、会いたかった」
 磁石のように引き寄せ合い、もう離れることなどできなくなってしまったようだった。

 雨の中、お互いを抱きしめ合い、そのぬくもりを確かめるように目を閉じる。

 まるでこの世界中に2人しかいなくなってしまったかのように。

 たとえ今そうなってもきっと思い残すことはないと。
 そうはっきりと思えるほど、今はお互いのことしか見えなかった。

 「―――愛してる」
 「あたしも、愛してる」

 そのまま唇を求め合い、息もできないほどの口付けを交わす。

 ようやく唇を離す頃には、つくしの息はすっかり上がってしまっていた・・・・・。

 「―――行こう」
 どこへなんて、聞かない。

 2人は見つめあい、手を取り合って、雨の中屋敷へと歩いていったのだった・・・・・。


                                   fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 久しぶりのつかつく。
 あの司が遠恋なんて、よく耐えられるもんだなあと、つくしへの愛情の深さに感心します。

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