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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
*閲覧については自身の責任においてお願いいたします。
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*万が一このブログをお読みになって不快感を感じられたとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

Kissxxxしよう vol.2 ~花より男子・類つく~

Category : Kissxxxしよう ~花より男子・類つく~
 -rui-

 牧野が好きだ。

 その思いは日に日に強くなっていくばかりで。

 ただの友達でいることが、辛かった。

 不意打ちのキスに、恥ずかしそうに頬を染める牧野。

 かわいくって仕方ない。

 できれば誰の目にも触れさせず、どこかに閉じ込めておきたいくらいだった。

 
 「ベタ惚れって感じだな」
 総二郎が俺と牧野の様子を見て言った。
 その言葉に、牧野が真っ赤になる。
「な、何言ってるのよ、別に―――」
「ベタ惚れなのは本当のことだから、俺はいいけど」
 そう言って笑うと、牧野は俺の顔を見て口をパクパクさせた。
 顔を赤くして、まるで金魚みたいだ。
「うわ、付き合ってらんねえ。お前らバカップルもいいとこだぜ」
 総二郎が呆れてそう言い、席を立った。
「邪魔はしねえよ。ごゆっくり」
 冷やかすようににやりと笑って牧野に視線を送ると、軽く手を振って喫茶店を出て行く総二郎。
 牧野はなんともいえない表情でそれを見送って―――
「顔が熱すぎて、倒れそう」
 と呟いた・・・・・。


 「類様、静様からお電話がありました」
 家に帰ると、家政婦の竹村がそう言った。
「静から?何だって?」
「また後で電話するそうです。久しぶりでございますね。お声だけでしたが、お元気そうで」
 俺が生まれる前からこの家にいる竹村は、静のことも良く知ってる。
 懐かしそうに目を細める姿に、俺も静の姿を思い出していた。

 『類?久しぶりね』
 電話から懐かしい静の声。
「元気そうだね」
『おかげさまで。ところで・・・・・久しぶりで悪いんだけど、あなたに頼みがあるのよ』
「・・・・・なんか嫌な予感がするんだけど」
『あら、いい勘ね。実は、私と一緒にうちの両親に会いに行ってほしいのよ』
 その言葉に、さすがの俺も暫し絶句したのだった・・・・・。


 「静さんが、帰ってくるの?」
 バイト帰りの牧野を家まで送る車の中で、俺は静のことを話した。
「ああ。日本に帰ってくる用事があって・・・・・どっかで聞きつけた静の両親が、静を呼びつけたんだって。で、1人で行くと喧嘩になりそうだから、付き添ってほしいって。牧野も行く?」
 俺の言葉に、牧野は目を見開いた。
「ええ?やだよ、あたしお金持ちって苦手」
 その言葉に、思わず噴出す。
「じゃ、俺も苦手?結構お金持ちのほうだと思うけど」
「や、そうじゃなくて・・・・・」
 途端に慌て出す牧野がかわいくて、俺は笑いが止まらなくなる。
「やば・・・・・あんた、面白すぎ」
「もう、類って変なとこにツボがあるんだから」
 ぷうっと頬を膨らませる牧野。

 俺はくすりと笑い、素早く牧野の頬にキスをした。

 「ちょっ、危ないよ!運転中に!」
「大丈夫。ちゃんと見てるから」
 俺の言葉に、呆れたような視線を向け・・・・それでも目は笑ってた。
「・・・・・静さんの用事って?」
「さあ?仕事関係じゃない?詳しくは聞いてない。興味もないし」
「静さんのことなのに?」
 ちらりと俺の横顔を見る牧野の瞳に、微かに不安の色を感じ取る。
「心配?」
 そう笑って聞くと、牧野は恥ずかしそうに目をそらした。
「そんなんじゃないよ。ただ・・・・・静さんは類にとって特別でしょ?」
 その言葉に、俺は肩をすくめた。
「俺の特別は、牧野だけだよ。心配しなくても、もう静のことは俺の中で思い出になってる。俺が好きなのは、牧野だけだから」
 そう言って見つめれば、また頬を染めて慌て出す。
「な、何でそういうことさらっと言うかな。ちゃんと前見てよ、危ないから」
「はいはい」
 くすくすと笑いながらも、俺は牧野の家へと車を走らせたのだった・・・・・。


 「類、久しぶりね」
 空港まで迎えに行った俺の前に現れた静。
 以前よりもぐっと大人っぽく、そしてとても生き生きとした表情の静。
 仕事も私生活も順調なのだろうと、その姿から容易に想像でき、俺も自然に笑顔になった。
「ごめんなさいね、無理なこと頼んで」
「別に、無理なことじゃないよ。でも、親子水入らずの場に俺がいるのも変じゃない?」
「類なら大丈夫よ。それに―――両親にどうしても報告したいことがあるの。でも、それを1人で言う勇気がなくて・・・・・。類に、一緒にいてもらえたらいえるかもしれない」
 静の言葉に、俺はちょっと目を見開いた。
「珍しいね。そんな弱気なこと言うの。よっぽどの重大事件?」
「かも知れないわね。わたし―――結婚しようと思ってるの」
 そう言って、静は幸せそうに微笑んだのだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 静の登場も久しぶり。
 もうちょっとつくしをやきもきさせるつもりだったんですが・・・・・。
 今回は平和に終わりそう?

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Kissxxxしよう vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : Kissxxxしよう ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 「牧野が、好きだよ」

 まさに直球勝負。
 
 普段はあまり感情を表に出さない花沢類の言葉は、まっすぐにあたしの胸に入り込んできてその薄茶色のビー玉のような瞳から、逃れられなくなる。

 F4が高校を卒業して1年。

 あたしと道明寺は結局別れることになり、F4との交流もなくなる―――はずだった。

 でも、花沢類は相変わらずあの非常階段に顔を出すし、美作さんや西門さんも3日と開けず高等部に顔を出す。
 わざとらしくうざがって見せても、あの人たちには何の意味もないんだ・・・・・。

 そんなことを実感して結局はF3とつるんでいることの多いあたし。

 そして今日、あたしが高等部を卒業する日。

 花沢類から何度目かの告白をされたのだった・・・・・。

 「あ、ありがと」
 何度聞いても、この人に言われると照れてしまう。
 だって絵に描いたような王子様が、あたしのことを好きだなんて、やっぱり信じられなくて。
「俺、本気だよ?あんたがまだ司を忘れられないって言うなら、忘れるまで待つよ。俺の気持ちはずっと変わらない」
「道明寺のことは、もう吹っ切れてるよ。そんなに未練がましくない」
「だったら、付き合おうよ」
 にっこりと、天使の微笑。
「でも・・・・・」
「俺のことが嫌い?」
「嫌いなわけ、ないでしょ」
 あたしの答えに、花沢類は満足そうに微笑む。
「じゃ、問題ないよ。俺、ずっと牧野のこと大事にするよ」
 ドキッとするほどきれいな男の子。
 嬉しくないわけない。

 本当は、あたしだって類のことが好きになってた。
 だけど、この人の瞳を間近に見てしまうと言えなくなる。
 素直じゃないのは、昔からだけど・・・・・

 チュッと、唇が軽く触れる。

 ボーっとしてる間にまたキスされて、あたしは真っ赤になる。
「ちょ、ちょっと、ずるい!また勝手に・・・・・!」
「ボーっとしてるからだよ。油断してるとまたするから、気をつけたほうがいいよ」
「何よそれ、自分勝手なんだから!」
「いいじゃん、彼女なんだし」
「彼女って―――」
 あたしまだ、付き合うって言ってないのに。
 そう思ったけど、否定する気はなくて・・・・・
 そのまま口をつぐんでしまったら、花沢類がまた優しく微笑み、あたしの髪を撫でた。
「俺には、牧野だけ。だから、付き合って―――」
 いつもの軽い調子じゃなくて。
 真剣な瞳でそう言うから、あたしの胸が異常な速さで鼓動を打ち始める。
「俺の、彼女になって―――」
 
 自然に、頷いていた。

 何も言えなくて。

 類の瞳に映るあたしを見ていた。

 類の顔がゆっくり近づいて、また唇が重なる。

 でも今度のは触れるだけじゃない。

 何度も、啄むような口付けの後、あたしの唇を割って入ってきた類の舌が、歯列をなぞり、あたしの舌を絡め取った・・・・・・。

 背中がぞくっとするような、感じたことない快感があたしを熱くしていった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 久しぶりに?初々しくラブラブな2人を書いてみたくなって・・・・・
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Miracle Girl vol.10 ~花より男子・F4×つくし

Category : Miracle Girl ~花より男子・F4×つくし~
「あきらが好きなのか?」

道明寺の言葉に、溜息をつく。

「だから、何でそうなるの」

「結婚の話が出てるって」

「美作さんのお母様がね、その気になってるってだけで、あたしは別に・・・・・」

「じゃあ誰ならいいんだ?」

「誰って・・・・・そんなのわかんない」

「わかんないって、お前!ふざけんなよ!」

「うるさいなあ。今はまだ、そんなこと考えたくないの!」

「じゃあ、いつならいいんだ?」

「だから、そんなのわかんないってば!少なくとも今、あんたとの結婚は考えてないから!」

「なんだと!?」

暫く道明寺と睨みあい・・・・・

「お前が、他のやつと結婚するっつても絶対邪魔してやるからな!!」

噛み付きそうな勢いでそう怒鳴った道明寺を見て。

あたし、一生結婚できないかも・・・・

と、溜息をついたのだった・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 つくしはみんなのもの。
 というコンセプトで、明るく楽しいお話を目指してます♪
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Miracle Girl vol.9 ~花より男子・F4×つくし

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「牧野!!」

西門さんの剣幕に、あたしは思わず仰け反る。

「な、なに?」

「お前、あきらと結婚するって本当か!!」

がっくりと項垂れる。

「何でそんな話になってるかな」

「違うのか?」

「違うに決まってるでしょ!」

「・・・・・じゃ、俺のうちに来いよ」

「は?」

「両親に紹介する」

あんぐりと口を開けたまま、あたしは固まってしまった。

一体どうして、そういう話になっちゃうんだろう・・・・・?

「昨日は、類の家に泊まったって?」

その言葉にぎくりとする。

「あれは、無理やり―――」

「で、一夜をともにしちゃったわけ?」

「へんな言い方しないでよ!何もなかったんだから」

「そりゃああいつはお前の嫌がることはしないから。けど、キスくらいはしたんだろ?」

思わず反応してしまい、西門さんのこめかみがピクリと震える。

「やっぱりな・・・・・。このまま、無事に帰れると思うなよ」

蛇に睨まれた蛙、じゃないけど・・・・・。

あたしは西門さんの瞳に捕らえられてしまったかのように、身動きができなかったのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 やっぱり総二郎は強気で強引なイメージがあるかも。
 頭がいい分、司よりも手ごわいかな?

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Miracle Girl vol.8 ~花より男子・F4×つくし

Category : Miracle Girl ~花より男子・F4×つくし~
「今日は、俺のうちに泊まって」

類の言葉に面食らう。

「何?唐突に」

「こないだはあきらのうちに泊まったんでしょ?それなら、今日は俺のうち」

「何でそうなるの?別に、泊まろうと思って美作さんの家に行ったわけじゃないし―――」

「じゃ、どうして?」

「え?」

「何であきらの家に行ったの?」

「美作さんのお母様に呼ばれて・・・・・」

「どうして?」

「それは・・・・・」

「それは?」

「・・・・・うちに、お嫁に来ない?って・・・・・」


―――冗談じゃない。

牧野をめぐるバトルはイーブンだったはずなのに、あきらの親に気に入られたことで、あきらがリードしてる形だ。

牧野自身も、あきらには気を許してる部分がある。

それはあきらの人を安心させる雰囲気とか、何でも話してみたくなるような独特のオーラのせいだろう。

「別に・・・・・美作さんが特別ってわけじゃないよ。確かに話しやすいけど、それは類だってそうだし・・・・・。美作さんのお母さんて面白いの。すごくかわいらしくて、ケーキ作りとか、教えてもらう約束なの」

そう言ってにっこりと微笑む牧野はかわいいけれど。

そうやってどんどんあきらに近づくのを黙ってみてるわけには行かない。

俺は、牧野の腕を掴んだ。

牧野がきょとんとして俺を見上げる。

俺はそんな牧野ににっこりと微笑んで。

「今日は、絶対俺の家に連れて行くから」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

拍手のお礼用に書いたものですが、あまりに短いのでちょっと付け足しました。
つくしが無意識のままあきらに傾いている状態で、闘志を燃やす類、って感じかな?

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Special Thanks 3 ~花より男子・類つく~

Category : Special Thanks. ~花より男子・類つく~
 『海の見える家に住みたい』って、前に話したことがあった。

 今あたしは、窓から海を眺めながら、流れてくる潮風に目を細めていた。

 もうだいぶ大きくなってきたお腹から振動を感じ、あたしはお腹をそっと撫でた。
「あ・・・・・パパ、帰ってきたみたい。すごい、そんなこともわかるの?」
 丘の上の家に続く道を、見慣れた車が走ってくるのが見えた。

 結婚してすぐに、妊娠していることがわかった。
 新居にと購入していたこの家に引っ越すことが決まっていて、でも坂が多い場所だからと類は心配していたっけ。

 もうすぐ10ヶ月。
 婚約してから、類の秘書としてずっと傍にいたあたしだけれど、さすがにお腹が大きくなってくるといろいろ周りに気を使わせてしまうことも多くなり、8ヶ月に入ったときお休みをもらうことにした。
 
 「ただいま」
 帰って来ると、すぐにあたしを抱きしめて唇に軽いキス。
「お帰り。今日はもう終わり?早いんだね」
 あたしの言葉に、類が柔らかく微笑む。
「本当は、毎日もっと早く帰って来たい。1人でいるのは退屈じゃない?」
「ううん、平気。いろいろやることあるし。それに、時々みんなが遊びに来てくれるし」
 その言葉に、類はちょっと顔を顰めた。
「あいつらはうるさすぎるよ。あんまり相手にしなくてもいいよ」
「あはは、賑やかでいいじゃない。今日もチラッとだけど美作さんが顔出してくれたんだよ」
「あきらが?1人で?」
 類が目を丸くする。
「ん。近くまで来たからって。でも良く聞いたら近くって言ってもそことは5kmも離れてるんだよ。いくら車だからって、ついでって距離じゃないでしょ?相変わらずまめな人だなあって思っちゃった」
「・・・・・で、家に上げたの?」
「ううん。上がっていったらって言ったんだけど、類に殺されるって言って、お土産だけ置いて帰っちゃった」
 そのときのことを思い出し、くすくす笑う。
 類は面白くなさそうにあたしをじっと見つめていた。
「今までにもそんなことあった?あきらじゃなくても、総二郎とか」
「ううん。ここ、彼らの家から離れてるからね、それこそこっちのほうに来る用事でもなきゃ1人では来ないんじゃない?特に西門さんなんて、面倒なことに巻き込まれたくないだろうし」
「面倒なことって?」
「誰かさんがやきもち妬いて、出入り禁止になったりとか?」
 悪戯に笑いながら類の顔を覗き込むと、ちょっとばつが悪そうに目をそらせる。
「俺がやきもち妬くの、面白がってるな?」
「だって、嬉しいから。こんなお腹の大きくなった女に妬いてくれるの、類だけだもんね」
 そう言ってソファに体を沈めると、類もその隣に座りあたしの肩を抱く。
「お腹が大きくなったって、牧野はかわいいから」
 優しい目に見つめられて、あたしはとたんに恥ずかしくなってしまう。
「そういうこと言ってくれるのも、類だけだよ」

 類の指が、あたしの髪を弄ぶ。
 甘い瞳があたしのすべてを包み込んでくれる、穏やかな時間。
 使用人を置くことを類の両親に薦められたけれど、あたしは丁重にお断りした。
 家族だけで過ごす時間を、大切にしたかったから。

 「あきらのお土産って?」
「ケーキみたい。あたしが前にテレビで見ておいしそうって言ってたやつ、覚えてくれてたみたいで。そういうの、美作さんて抜かりないじゃない?」
「確かに」
 類がくすりと笑う。
「俺も、つくしにお土産あるんだけど」
「え、そうなの?」
 にっこり笑顔で頷く類。
 だけど、その手には何も持ってないみたいだけど??
 不思議に思って首を傾げていると、類がおかしそうにくすくすと笑う。
「何期待してる?」
「何って・・・・・だって、何も持ってないし」
「目に見えるものとは限らないよ」
「どういう意味?」
 ますますわからない。

 「―――休暇を取ったんだ」
 静かにそう言う類を、あたしは驚いて見上げた。
「休暇?いつ?」
「今日から、1週間」
「1週間も?」
「両親からの、プレゼント。長い休みなんて今度いつ取れるかわからない。子供が生まれたら、もう2人きりでの旅行なんてできなくなるしね」
「でも、もう9ヶ月だし、旅行なんて―――」
「旅行じゃない。ここで、2人でゆっくりしよう。毎日海を見て、美味しいものを食べて、眠くなったら寝るんだ」
 類の言葉に、ぷっと吹き出す。
「それじゃ、いつもの休日と変わんない」
「でも、2人きりになれるよ。あいつらにはその間来るなって言っておいたから」
「言うこと聞くかな?」
 ふてくされ顔の仲間たちの顔が浮かぶ。
「聞かせる。聞かなかったら絶好だよ」
「こわ」
 くすくす笑って頬を寄せ合う。
 手を握り合って、あたしのお腹の上に乗せてみれば、微かな振動が類にも伝わる。
「元気だね」
「2人きりじゃなくって、自分も一緒だって言ってるんじゃない?」
「もちろん、一緒に決まってる」
「それから―――」
「ん?」
 あたしを見つめる類の甘い瞳を見上げる。

 「―――大好きって、言ってるみたい―――」

 類の唇が、優しく落ちてくる。

 「―――休暇、ありがとう」
 あたしの言葉に、ふっと微笑む。
「ありがとうって言葉、違わない?」
 こつんとおでこをつき合わせる。

 2人きりのときにだけ流れる、甘い空気。

 あたしは類の耳元で、囁いた。

 「―――大好き―――」


                        fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 久しぶりにあきらも総二郎も登場しないお話です。
 たまには平和に、甘~く。

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Miracle Girl vol.7 ~花より男子・F4×つくし

Category : Miracle Girl ~花より男子・F4×つくし~
「あきらの家に泊まったって?」

突然目の前に現れた西門さんが、鋭い視線であたしを睨む。

「何でそれ・・・・・」

「んなことどうでもいい。何考えてんだよ、お前」

「何って・・・・・だって、気付いたら寝ちゃってたんだもん」

「寝ちゃってた、じゃねえだろ!?それじゃあ襲ってくださいって言ってるようなもんじゃねえか!」

「い、言ってないよ、そんなこと!」

「あきらだったらそう受け止める」

「何でそんなこと」

「俺があきらの立場だったらそう思うからだ!」

「威張らないでよ!」

「とにかく」

ぐっと手首を掴まれる。

「な、何・・・・・」

「俺を怒らせた責任、取ってもらおうじゃねえか」

にやりと口の端をあげて笑った西門さんの顔は。

ぞっとするほど殺気を帯びているように見えたのは、あたしの気のせいだろうか・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 実際、F4全員に惚れられたらつくしの身が持たないだろうな~。

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策略 ~花より男子・総つく~

Category : 策略 ~花より男子・総つく~
*このお話は、「2009 Valentine Special 総二郎編」から続くお話になります。


 「だからって何で類となんだよ」
 俺はイライラと頭をかいた。
 牧野は困ったように俺を見つめている。
「だって、西門さんはこの映画見たくないって言ったじゃない」
「だからって、何で類と行くんだよ?」
「類が、この映画見たいって言ってたから・・・・・」

 事の発端は1週間前、牧野が映画のチケットをもらったから一緒に行こうと言って来た。

 別に映画に行くくらいどうってことない。

 牧野とならそれがアニメ映画だっていいと思ってたくらいだ。

 だけどそれは茶道界の裏側を描くとか何とかいう内容の映画で、サスペンスものだった。
 サスペンスが嫌なんじゃなくて。
 茶道界の裏側を描いただなんていうナンセンス極まりない映画のコンセプトが気に入らなかった。
 映画なら、別のやつにいくらでも付き合うからそれだけは勘弁してくれと言った。
 牧野も1度は納得して『じゃ、このチケットは優紀にあげようかな』と言っていたのに。

 昨日、届いたメールに、目が点になる。
 『これから、類と映画見てくる。後でまたメールする』

 「優紀に渡そうと思って持ち歩いてるときに、たまたま類に会ったの。映画の話をしたら、暇だから見に行きたいって。で、時間があるならあたしも一緒にって・・・・・」
「で、のこのこ着いて行ったと」
「だって、1人じゃつまらないだろうし、ちょうどバイトも休みだったから・・・・・。メール、入れたでしょ?」
「ああ、けどその後すぐに電話したけど、お前出なかっただろうが」
「それは映画館に入ったから・・・・・。映画見るくらい、別にいいでしょ?」
 牧野の言葉に、俺の繭がピクリと反応する。
「映画見るくらい?」
「だって、他に何も―――」
「何かあってからじゃ遅いっつーの!」
「そんなに怒んなくたっていいじゃない!」
「怒らせてんのは誰だよ!?」
 
 腹立たしいことこの上ない。
 映画を見ただけ。
 そう言ってしまえばそうだけど。
 だけどそれだけじゃ俺の気持ちはおさまらなかった。
 よりによって、類とだなんて―――。

 おさまらないいらつきを抱えたまま牧野を睨みつけていると、牧野の瞳が、一瞬揺れたように見えた。

 「―――あたしだって、西門さんと行きたかった」
 思いもしなかった言葉に、俺は一瞬呆けた。
「―――は?」
「映画の内容なんて、どうでも良かった。西門さんと、見に行きたかったんだよ。でも、西門さん絶対嫌だって言うし―――」
「だ、だからって何で類と」
「類に話したら一緒に行きたいって言われて―――断る理由もないし、だから」
「断る理由、あるだろ?俺と行きたいんだって言えばよかったじゃねえか」
「だって、嫌がってる人無理やり連れて行けないじゃない!」
「そうじゃねえだろ?」
 俺は思わず、牧野の腕を掴み、自分のほうへ引き寄せた。
「俺が行けないからって、何で類と行くんだっつってんの!」
「それは―――」
「あの映画を見る気はなくっても、お前が類と見に行くのはもっと嫌なんだよ!」
 俺の言葉に、牧野の頬がみるみる赤く染まる。
「・・・・・映画くらい、どうってことないって俺だって思ってる。だけど、お前が2時間もあいつの隣にいたのかと思ったらやっぱり面白くねえんだよ。ガキっぽいやきもちだって思われても―――それでもお前の隣に俺以外の男がいるのは面白くねえんだよ」

 目を丸くして、俺を見つめる牧野。

 しばらくして口を開いて。

 何を言うのかと思ったら。

 「ガキ」
 その言葉に一瞬固まる。
「おい―――」
「ほんっとにガキ。そんなことでやきもち妬いて。そんなに類といるのが気に入らないなら、ずっとあたしの傍にいてくれればいいじゃない」
 牧野が両手で、俺の顔をはさむように包み―――

 次の瞬間、牧野の唇が俺の唇に重なった。

 突然の牧野からのキスに、俺は柄にもなく顔が熱くなるのを感じた。

 「―――あたしが、一緒に映画を見たいと思うのは、西門さんだけだよ」
「じゃ・・・・・なんで」
「行ってないもん」
「―――は?」
「チケットは、優紀にあげたの。類にも会ったし、誘われたけど・・・・・行かなかった。あたしは、西門さん以外の人とは行かない」
「牧野・・・・・」
「でも、一緒に行ってくれなかったのが悔しかったから、ちょっと意地悪してやろうと思ったの」
 そう言って、ぺろりと舌を出す牧野。
「騙されたでしょ?」
 にっこりと、満面の笑みを浮かべて俺を見る。

 悔しさと、怒りと―――
 それから、安堵と。
 いろんな感情が渦巻いて、すぐには言葉が出てこなかった。

 ―――やられた。

 いたずらっ子のような笑みを俺に向ける牧野が、それでもやっぱりかわいくて、ぎゅっと抱きしめる。

 「お前には、かなわねえよ。今度・・・・・お前の好きな映画、付き合うから」
「絶対だよ?」
「ああ、約束する。だから―――俺の知らないとこで、類と会ったりすんなよ」
「あれは、偶然―――」
「けど、今回のこと企んでお前に入れ知恵したのは類だろ?」
 俺の言葉に、牧野が驚いて顔を上げる。
「何でわかるの?」
「当然。それも気にいらねえんだよ。言いたいことは、ちゃんと俺に全部言え」
「えらそうに」
「いいから!わかったな?」
 そう言う俺を見て、くすりと笑う牧野。
「うん」
 
 ガキっぽくたっていい。
 他のやつには、どうしたって渡せない。
 こんなにかわいいやつを・・・・・・
 ずっとこの腕に閉じ込めておきたいくらい、もう離せないのだから・・・・・

 俺はそっと、牧野の唇にキスを落とした・・・・・。


                          fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっとまとまりがないって言うか・・・・・何が書きたいのか良くわからない文章になってしまった。
 まず、バレンタインデーのお話自体がそんな感じの話で、続編といっても何を書けばいいのやら・・・・・って感じだったので、ちょっと思いつかなくて悩んでしまいました。
 
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Miracle Girl vol.6 ~花より男子・F4×つくし~

Category : Miracle Girl ~花より男子・F4×つくし~
「あきらの家に泊まったって本当?」

怒りを含んだ類の視線にドキッとする。

「と、泊まったっていうか―――」

「泊まったの?」

「つい、寝ちゃって、よく覚えてな―――」

「泊まったんだね」

「―――――うん」

じっとあたしに注がれる視線。

類が怒っているのが伝わってくる。

でも、あたしと類は付き合ってるわけじゃないし。

そんなに怒らなくても・・・・・。

「美作さんのお母様と一緒におしゃべりしてたらつい、長居しちゃって・・・・・。気付いたらあの双子ちゃんと一緒にベッドに寝かされてて・・・・・そのベッドがまたふっかふかで気持ちよくって、だから熟睡しちゃったんだよきっと」

あたしは悪くない、なんて思っててもつい言い訳しちゃうから、また余計に睨まれたりするのかな・・・・・。

「双子の部屋・・・・・ってことは、あきらは一緒じゃなかったってこと?」

「あ、当たり前じゃない!何で―――」

泊まるにしたって、美作さんの部屋のわけないのに。

「よお牧野。昨日はよく眠れたか?」

後ろから聞こえた声に、あたしははっとして振り向いた。

「美作さん!」

「お前、寝顔は意外とかわいいんだな」

「は!?」

「・・・・・あきら、それどういうこと」

また一段と、類の声が低くなる。

その言葉に、美作さんがにやりと笑う。

「妹たちを寝かしつけるのは、俺の役目だから」

そして一瞬、2人の間に火花が散る。

「楽しい夜を、過ごさせてもらったよ」

美作さんのその言葉に、類が顔を顰め・・・・・・

確かに、何かがぶちっと切れる音がした・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あまり深い関係にはならず、それぞれキスくらいまでで・・・・・
 え?キスくらい?マジ?

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魅力的な悪魔 ~花より男子・総つく~

Category : 魅力的な悪魔 ~花より男子・総つく~
*このお話は、「2009 Whiteday Special 総二郎編」から続くお話になります。
こちらのお話だけでもお読みいただけますが、より詳しい内容をお知りになりたい場合は、「2009 Whiteday Special 総二郎編」からお読みくださいませ♪


「あれ、あんた―――」
 明らかにあたしに向いている声に、あたしは足を止める。
 大学からバイト先へ向かう途中のことだった。

 目の前には、どこかで見たことがあるような若い男。

 ―――誰だっけ?

 「やっぱり。あんた、『牧野つくし』だろ?」
 そのしゃべり方、仕草・・・・・・こいつは・・・・・
「あんた、あの時の―――」

 忘れもしない。
 今年のホワイトデーの前日。
 田村礼子という女の指示で、男4人に拉致られたあたし。
 西門さんに振られた礼子という女の逆恨みだった。
 そのとき、あたしを拉致った4人の男たちの中の1人が―――
 こいつだった。

 「何の用?また拉致るつもり?」
 あたしの言葉に、その男が苦笑した。
「違うよ。もうあんなことしねえ。馬鹿なことして―――あんたには悪かったと思ってる」
 殊勝な態度の男に、あたしは目を瞬かせる。
「何を企んでるの?」
「何も企んでないって。俺、会社辞めたんだよ」
「え?」
「彼女の叔父さんの会社の社員だったんだけど・・・・・あの1件以降、急に人事異動になったり、待遇悪くなってさ。完全に厄介者扱いで・・・・・なんか馬鹿らしくなっちまって。今は不動産会社でバイトしながら宅建の資格取るために勉強中」
「へえ・・・・じゃあもう田村礼子とは」
「何の関係もないよ」
 そう言って、男は肩をすくめた。
「ほんとに、何であんな女にのぼせ上がってたんだろうって思うよ。あんな犯罪まがいのことまでして―――。あんたたちが訴えなかったおかげで表沙汰にはならずに済んだけど。危うく、自分の人生まで棒に振るところだった。本当に申し訳ないことしたし・・・・・感謝してるんだ」
 すっきりとした表情で笑うその様子は、確かにあのときの男と同じ人なのに、まるで別人のような印象だった。
「あたしは何にもしてないけど・・・・・。でも、そういう風に反省してくれてるんならあたしもうれしいよ。拉致られたことも無駄じゃなかったってことだもんね」
 あたしが笑って言うと、彼もぷっと噴出した。
「あんたはすごいよ。男4人に囲まれてもびびらないんだから。はっきり言って俺たちのほうがびびってた。最初から、俺たちには勝ち目なんかなかった。あんな女に使われてる時点でね。いい勉強になったよ」
「・・・・・他の3人は?」
「ああ、あいつらも似たようなもじゃねえかな。もともと友達ってわけじゃねえしよくしらねえけど・・・・・。みんな違う部署だったけど同じ社内だ。うわさで聞いてる。みんな会社は辞めて、新しい仕事についてるって話だよ。あの女のために馬鹿なことするやつなんて俺たち4人くらいのもんだったのにな、今から思えば。―――馬鹿な女だよ」
 吐き捨てるように言うけれど。
 それでも彼女に同情してるような目をしていた。
 きっと、そのときは本当に彼女のことを好きだったんだろう。
「そういや、あんたの話も聞いてるよ」
「え?」
「例の彼氏と、結婚するんだって?おめでとう」
 にやりと笑って言われ、あたしは不意打ちに会ったように一瞬言葉が出てこなかった。
「F4の1人と結婚なんて、大変そうだけどあんたならきっとやっていけるよ」
 なんだか顔が熱くなるのを感じ、あたしは両手で頬を覆った。
「あ、ありがと」
 そんなあたしを見て、またくすくすと笑われる。
「あんた、かわいいな。あんたとはもっと違う場所で出会いたかったよ。そうしたら―――」

 「誰と誰が出会うって?」

 突然後ろから聞こえてきた声にあたしは驚き、後ろを振り返った。
 そこには、仏頂面で眉間に皺を寄せた西門さんが、腕を組んで立っていた。
「あんた、誰」
 不機嫌な声そのままに、あたしと話していた男を睨みつける西門さん。
 彼は慌てて後ずさりながら
「お、俺は斉藤―――えと、結婚おめでとう。お幸せに!じゃあ!!」
 そう言い放つと、くるりと向きを変え、そのまま一目散に走り去ってしまった・・・・・・。

 「斉藤っていうんだ」
 そういえば名前知らなかったと思ってそう呟くと、西門さんがあたしをじろりと睨んだ。
「何だよ、あれ。何話してた?」
「何って・・・・・」
「顔、赤くして。まさか口説かれてたとかじゃねえだろうな」
「まさか!」
 思わずぎょっとする。
 でも・・・・・全部聞いていたわけじゃない西門さんに、どう話そう?
 見当違いのやきもちを妬いてる彼の誤解を解きたいところだけど・・・・・・。
「・・・・・怒らないで、聞いてくれる?」
「俺が怒るようなことなわけ?」
「そうじゃないってば」

 あたしはひとつ溜め息をつき―――

 『斉藤』の話をしたのだった。
「じゃ、あいつが拉致ったのか?くそっ、一発ぶん殴ってやるんだった」
 その様子に、早々に逃げ出した彼の姿を思い出し、苦笑する。
「でも、ちゃんと反省してたよ」
「お前は甘いんだよ。大体―――なんであいつにあんな顔見せるんだ」
「あんな顔って?」
 不思議に思って聞くと、西門さんは呆れたように溜め息をつき、あたしにずいっと顔を近づけた。
 あたしは思わず後ずさる。
「な、何?」
「ほら、そういう顔―――赤くなって、目が潤んで・・・・・男が、ぐっと来る表情だよ」
「は?何言って―――」
 あたしが何か言うより早く

 西門さんのキスがあたしの唇を塞いだ。

 あっという間の出来事。
 通り過ぎる人たちも気づかないほどの・・・・・。

 「次ん時には、もっと熱烈なやつにするから、覚悟しとけよ」

 そう言って満面の笑みを浮かべる彼が。

 眩しいほどに魅力的な悪魔に見えた・・・・・。


                           fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 すいません、総つくなのに総ちゃんの出番が少なくて・・・・・
 総つくも、たまには穏やかなお話で・・・・・?

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Miracle Girl vol.5 ~花より男子・F4×つくし~

Category : Miracle Girl ~花より男子・F4×つくし~
家に帰ると、牧野がリビングで眠りこけていた。

「疲れてたみたいなの。起こすのかわいそうだから、このまま泊まってもらったらどうかしら」

どうかしらって・・・・・

母親の言葉に、俺は絶句する。

「あきら君、客間に運んであげてくれる?」

「・・・・・わかった」

俺は牧野を横抱きにし、部屋まで運ぶとベッドに横たえた。

スースーと穏やかな寝息。

無邪気な寝顔が、天使のようにも見えた。

胸が高鳴る。

そっとその頬に触れてみれば、微かに睫が震える。

僅かに開かれたその唇に誘われるように、そっと口付けた・・・・・。

「「おにいちゃま!!」」

突然勢いよく開かれた扉。

おれは慌てて牧野から離れる。

「「つくしおねえちゃまと一緒に寝てもいい?」」

天使の笑顔の小悪魔たちに、思わず溜息が漏れていった・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょこっとあきつく風味にしてみました。
 彼は幸せになってもらいたいんですよね~

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White Summer ~花より男子・類つく~

Category : White Summer ~花より男子・類つく~
*このお話は、「White Christmas」「White Wedding」から続くお話になります。

 
「男の子がいいなあ」

「・・・・・なんで?俺は女がいい」

「そっちこそなんで?男の子、かわいいと思わない?」

「・・・・・つくしが、その子にばっかり構いそうでいやだ」

「・・・・・バカ」

「じゃ、つくしは何で?」

「・・・・・あたしも、おんなじ」

「俺にとって、つくしはいつでも一番だよ」

「・・・・・・あたしも」

 White Summer


 白い砂浜を、類と手を繋いで歩く。

 久しぶりの2人揃っての休日。

 昨日の夜、突然思い立ったように
「海に行きたい」
 と言い出した類。
 すでに学生たちは夏休みに入っていて、きっと海はどこも込んでるんじゃないか。
 そう危惧するあたしに。
「だったら、人のいないところへ行こう」
 そう言って花沢家の自家用ヘリで連れてこられたのは、誰もいない南の島だった・・・・・。

 「確かに人はいないけどね」
 呆れるように呟いたあたしの隣で、類は嬉しそうに笑う。
「つくしと、2人きりになりたかったんだ。せっかく結婚したっていうのに家にいても使用人がいるし、仕事で帰りも遅くなる。たまの休みくらい、2人きりで過ごしたい。これって我侭?」
「・・・・・そんなことない。あたしも2人になりたかった」
「珍しく素直だね」
 類の手が腰に回り、すばやく引き寄せられるとチュッと額にキスを落とされる。
「こんなに素敵なところにつれてきてもらったのに・・・・・。意地張ってたらもったいないと思ったの。だめ?」
「まさか」
 にっこりと微笑み、今度は唇にキス。

 まぶしいくらいの太陽の下、真っ青な海に真っ白は砂浜。

 まるで天国にいるみたいだった。

 「・・・・・体の調子はどう?」
 あたしを抱きしめながら、耳元に囁く類。
 くすぐったくて体を捩りながらも首を傾げる。
「体?」
「最近、疲れやすいだろ?休みを多くしたほうがいいんじゃないかと思って」
「ああ・・・・・ううん、大丈夫」
「本当に?顔色もよくないし、白井が食欲もないみたいだって心配してた」
 白井さんは、花沢家の家政婦だ。
 類が生まれる前から花沢にいる人で、家政婦の中で類のことを叱れるのは彼女くらいだって田村さんが言ってたっけ。
「大丈夫。具合が悪いわけじゃないの。そうじゃなくって・・・・・」
「何?」
「・・・・・赤ちゃんが・・・・・」

 類の目が、大きく見開かれた。
「・・・・・ほんとに?」
「まだ病院には行ってないの。昨日、自分で検査薬を・・・・・。でももう2ヶ月遅れてるから、たぶん・・・・・」

 そこまで言って、あたしはまた抱きしめられた。ふわりと、包み込むように。

 「・・・・・驚いた」

 「・・・・・産んでも、いい・・・・・?」

 「当たり前だろ?嬉しいよ、すごく」
 体を離し、あたしの目を真っ直ぐに覗き込む。
「まだ早いかなって、思ってたけど・・・・でも、牧野の子だったら、いつ生まれてもいいとも思ってた」
 満面の笑みに、確信めいたものを感じてしまう。
「もしかして・・・・・狙ってた?」
「まさか。できてもいいとは思ってたけど。つくしは、嬉しくないの?2人の子供」
「嬉しくないわけ、ない」
 あたしの言葉に、くすくす笑う類。
「ややこしい。素直に嬉しいって言えば」
「だって・・・・・あたしも、まだ早いかなって思ってたから。でもやっぱり嬉しくて・・・・・ちゃんと病院にいって確かめてから話そうと思ってたんだけど」
「冗談。俺も一緒に病院にいくよ。それに―――そうだ、ヘリなんか乗って大丈夫だった?帰るときは船にする?」
 類の言葉に、あたしはぎょっとする。
「いや、船は酔うからだめ。大丈夫だよ、ヘリで。類、心配しすぎ」
「だって、妊娠初期って一番注意しなきゃいけない時期っていうじゃん。仕事も休んだほうが・・・・・」
「大丈夫だってば!もう、やっぱり言わなきゃよかった。美作さんの言うとおり―――」
「え?」
 突然類の声が鋭くなって、あたしははっとする。

 ―――やばっ

 「何であきら?あきらに言ったの?」
 類の視線が鋭いものに変わり、あたしは慌てて類から離れようとしたけれど、類の腕がそうはさせてくれなくて―――
「つくし?」
「ち、違うの。薬局でこれ買ってたとき、偶然美作さんに会っちゃって。まだわからないから言わないでって言ったら、類はきっと心配して仕事やめろとか言い出すから、仕事したかったらギリギリまで黙ってたほうがいいかもなって・・・・・」
「・・・・・ふーん・・・・・・?」
 相変わらずその目は鋭くて・・・・・
「仕事、続けたいの?」
「できれば・・・・・。店長にはお世話になってるから」
「俺も、あの店長さんには感謝してるよ。でも・・・・・その体で、立ち仕事なんて」
「・・・・・体調の悪いときは、休むようにするから。店長さんとも相談してみる」
 そう言って見上げるあたしを、類はじっと見つめて・・・・・
 ふっと、優しく笑った。
「わかった。無理しないって約束して」
「うん」
「それから―――」
 風で流されたあたしの髪を、類の指が絡める。
「もう、秘密はなしだよ」
 その言葉に頷くあたしを優しく抱きしめて・・・・・・
 耳元で、囁いた・・・・・

 「ずっと・・・・・この子もつくしも、丸ごと愛してる・・・・・」


                               fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 以前に拍手のお礼用小話でアップしていたお話と組み合わせてみました♪
 
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Only you ~花より男子・あきつく~

Category : Only you ~花より男子・あきつく~
*このお話は、「あなたしか見えない」から続くお話になります。
 こちらのお話だけでもお読みいただけますが、より詳しい内容をお知りになりたい場合は、「あなたしか見えない」からお読みくださいませ♪


 
 「あれは、グッチの財布の女だ」
 あたしをずっと睨んでる女がいるな、と思ってそちらを気にしていると、美作さんが唐突にそう言った。
「は?グッチ?」
「そ。俺の誕生日に、毎年グッチの新作の財布をプレゼントしてくる女だよ」
「よく覚えてるね・・・・ってか、プレゼントで人の顔覚えるの?」
 呆れてそう言うあたしに、美作さんは悪びれもせずににやりと笑い、
「いい方法だろ?1人1人の名前なんて覚えてらんねえからな」
 と言った。
 あたしはあえて何も言わず肩をすくめた。
 
 呆れたフリをしながらも、本当は感心していた。
 それと同時に、妬いてもいた。
 毎年誕生日に山ほど贈られるプレゼント。
 彼は、必ずそれを1つずつ確認し、くれた人にちゃんとお礼をするのだ。
 そして、誰が何をくれたのか決して忘れないのだから、このマメさには感動すら覚える。
 だけど・・・・・

 それだけたくさんの人に想われていて、美作さんの中であたしの存在ってどれだけなんだろう。

 そんな不安に、時々襲われる。

 マメな彼だから、たくさんの愛情表現でいつもあたしを安心させてくれるけれど。

 果たしてそれはずっと続くものなんだろうかと、つい心配してしまうのは、自分に自信がないからだとわかっているけれど・・・・・。

 「どうした?」
 あたしの顔を覗き込む美作さんの視線に、はっとする。
「あ―――なんでもない」
「そうか?ならいいけど―――」
 ふと、美作さんがあたしの後ろのほうに視線を向け、微かにその表情を曇らせる。
「行くぞ」
 そう言って、あたしの腕を取って立ち上がる美作さん。
 あたしは美作さんに引っ張られるようにして立ち上がった。
「どうしたの?」
「いいから早く」
 そう言って芝生の上をずんずん歩いていく。
 あたしは何がなんだかわからず、それでも必死で美作さんに着いて行き―――

 
 門を出たところでようやく足を止める美作さん。
 あたしは、また突然立ち止まった美作さんの背中にぶつかりそうになり、慌てて足を止める。
「何なの?突然」
 あたしの言葉に、美作さんはちょっと照れたように髪をかき上げた。
「・・・・・類がくるのが見えたから」
「類が来るから?」
「・・・・・最近、お前類といる頻度高いだろ」
 ちょっとばつが悪そうに目をそらす美作さん。

 ―――それってもしかして・・・・・

 なんだか信じられないような気持ちで美作さんをじっと見つめていると、美作さんが微かに頬を染め、あたしを見た。
「何だよ、かっこ悪いと思ってるんだろ、やきもちなんて」
「お、思ってないよ!ただ、美作さんがやきもちやいてくれるなんて思ってなかったから―――」
 あたしがそう言うと、美作さんは照れくさそうに頭をかいた。
「俺だってやきもちくらい妬くよ。大体、お前は無防備すぎるんだ。あの非常階段で類といるときに寝ちまってたり、見てるこっちはいつもハラハラしてるってのに」
「そ、それは、だって類だし・・・・・」
「それが気にいらねえ。類は特別って感じが。言っとくけど、俺はお前を類にも誰にも譲るつもりはねえからな」
 ふてくされたようにそう言い捨てる美作さん。
 それがなんだか嬉しくて―――つい頬が緩むのをごまかすように、あたしは手のひらで口元を隠した。
 だけど―――
「あんま喜ぶなよ」
 ピシリと言い当てられ、思わずぎくりとする。
「よ、喜んでないよ」
「嘘つけ。やきもち妬いてるのが自分だけじゃないってわかって安心したんじゃねえの」
 にやりと笑ってそう言われ、あたしは驚いて固まる。
「俺がほかの女の話なんかしてるときのお前、すげえふてくされた顔してるぜ?自分で気づいてねえだろ」
「そ、そんなこと―――」
「ごまかすなよ。俺は嬉しいんだから」
 そう言って、美作さんがくすくすと笑った。
 からかうような、それでいてあたしを包み込むような優しい笑顔で・・・・・
「・・・・・やきもちなんて妬いたら、鬱陶しがられるかと思ってた」
「何で?それだけ俺のこと思ってくれてるってことだろ?俺は嬉しいよ。お前だって・・・・・さっき、喜んでたろ?」
 言い当てられ、また頬が熱くなる。
「それは、だって、あたしと美作さんじゃやきもちの頻度が違うって言うか・・・・・」
「ちがわねえよ。俺だっていつも妬いてる。大人気ないと思うから表情に出さないようにしてるだけ。その分フラストレーション溜まりまくり。この責任、どう取ってくれる?」
 にっこりと、大人な笑顔で迫ってくる美作さんに、あたしは一歩後ずさる。
「せ、責任って・・・・・美作さんだって」
「俺?じゃあ俺も責任とってやるよ。お前の行きたいところ・・・・どこでも連れてってやる」
 そう言って、あたしの髪を優しく撫でる。

 そんな仕草にもどきどきしてしまう。

 さらりと流れる彼の長い髪が、日の光に透けてすごくきれいだった。

 「―――2人一緒なら、どこでもいい」
 あたしの言葉に、美作さんが嬉しそうに笑みを浮かべる。
「じゃ、それでお互いチャラにしようぜ。で、今すぐ―――2人きりになれるとこに行こう」
 そう言って手を繋がれ、歩き出す。
 
 しっかりと繋がれた手が嬉しくて、きゅっと握り返す。

 美作さんの背中が、嬉しそうに笑ったような気がした。

 いつだって、あたしを安心させてくれる彼の背中が愛しくて―――

 ずっと、彼だけを見ていたいと思わずにはいられなかった・・・・・


                           fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あきつくの基本は、あまり他のメンバーが顔を出さないこと?
 あきらは優しすぎるので、他の人が出てきてしまうと譲っちゃう気が・・・・・。
 そんな彼がとっても大好きです♪

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Miracle Girl vol.4 ~花より男子・F4×つくし~

Category : Miracle Girl ~花より男子・F4×つくし~
「お前ら、俺をナメてんのか?」

道明寺の額に、青筋が浮かぶ。

「別に、なめちゃいねえけど」

肩を竦めて、西門さんが答える。

「俺のいねえ間に何があった?」

「何って言われても・・・・・」

と首を傾げる花沢類。

「ま、なるべくしてなったって感じ?」

と、穏やかに微笑む美作さん。

「だから、なんで!!」

道明寺が、わなわなと震え始める。

あたしは見て見ない振り・・・・・。

「3人とも牧野に惚れたって、どういうことだよ!!」

道明寺の言葉に3人は顔を見合わせ・・・・・

「相変わらずものわかりの悪いやつ」

「好きなものは好きなんだから、しょうがないでしょ」

「言っとくけど、俺たちは手ごわいぜ?」

F3の不敵な笑みに、道明寺は言葉をなくし・・・・・

あたしはこれから起こるであろうバトルに、天を仰いだのだった・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 Miracle Girlシリーズは拍手のお礼用小話でチョコチョコ書いてるものなので、繋げてみるとちょっと不自然なところがあるかもしれませんが、その辺は大目に見てやってくださいませ(^^)

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Promise vol.7 ~花より男子・総つく~

Category : Promise ~花より男子・総つく~
 -soujirou-

 「さて、じゃあ俺もそろそろ行くかな」
 俺の両親がいなくなると、あきらがおもむろに言って立ち上がった。
 その言葉に、牧野が目を見開く。
「え、もう行っちゃうの?」
「わりいな、俺も仕事があるんだわ。てか、さっきから総二郎にすげえ目で睨まれてるし。ぶっ飛ばされないうちに行くわ。また連絡するよ」
 そう言ってにやりと笑うあきら。
 牧野がちらりと俺のほうを見る。
「じゃあな。仲良くやれよな」
「美作さん―――」
 不安げにあきらの袖を掴む牧野を、優しい瞳で見つめるあきら。
「そんな顔するな。お前が今話さなきゃいけないのは総二郎だろ?素直になれよ」
 牧野の頭を優しく撫で、俺にちょっと目配せするとそのまま部屋を出て行ってしまった。

 残された俺たちは、しばし無言で。

 気まずい沈黙を破ったのは、俺だった。

 「・・・・・最初に謝っとくよ。ごめん」
 俺の言葉に、牧野は目を瞬かせた。
「なんで?」
「お前を、疑った。あきらとのこと―――あんなふうに、言うつもりじゃなかった。思わず頭に血が上って・・・・・・」
「それは・・・・あたしもそうだから。あんなにきれいな人と一緒にいるところ見たら、なんだか自信なくなっちゃって・・・・・ごめんなさい」
 俺たちは顔を見合わせ、自然と微笑んだ。
「けど、まさかあきらと親父の間で、あんな話をしてたなんて思わなかった」
「ほんと。美作さん、そんなこと何も言ってなかったのに」
「・・・・・ひとつ、聞いていいか」
「え?」
「もしも、あきらがマジでお前にプロポーズしたら・・・・・お前はどうする?」
 そう聞いた俺の顔を、牧野はまじまじと見つめていた。
「・・・・・なんでそんなこと聞くの?」
「いいから、答えろよ」
「そんなの、断るに決まってるよ。美作さんのことは好きだけど、結婚とか、そんなこと考えたこともないし」
「本当に?」
「当たり前でしょ!何なのよ、もう!」
 ついには怒り出す牧野。
 俺はほっとため息をついた。
「ならいいよ。お前はそうやって怒るけど、俺だって昨日からずっと心配のし通しだったんだ」
「・・・・・わかってる。早く会って話さなくちゃって思ってた。でも、美作さんの頼みを断るわけにも行かないし・・・・・。恋愛感情とか関係なく、美作さんにはいろいろ助けてもらってるから・・・・あたしで力になれることなら、そうしたいと思ったの」
「ん・・・・・わかってる、つもりだったんだけどな。お前とあきらのことは。家族みたいに大事な存在だって。だけど男の俺から見てもあきらはいい男だと思うし、お前のことも大事にしてくれる。もしかしたら、結婚するとしたら俺よりもあきらのほうがお前にあってるんじゃねえかって―――」
「ちょっと!」
「まあ聞けって。だけど俺はお前を離すことなんかできねえ。たとえば親に反対されたとしても、俺にはお前以外の女と一緒になることなんか考えられねえ。だから・・・・お前がたとえあきらのことが好きだっつっても離すつもりなんかなかった」
 俺の言葉に、牧野は気が抜けたように目を瞬かせた。
「何だ、結局そうなら聞かなくたっていいじゃない」
「馬鹿、だからってお前の気持ちだって無視できねえだろうが」
「わけわかんない。言ってることが矛盾してるよ」
「だから!」
 俺は呆れたように俺を見ていた牧野の肩を掴むと、そのままぐいと引き寄せ抱きしめた。
「―――西門さん?」

 「―――愛してる」

 耳元で囁くと、牧野の体がピクリと震えた。
「俺と―――結婚してほしい」
「結婚・・・・・?」
「そうだ。さっきも言ったとおり・・・・・俺には、お前しかいない。お前以外の女は考えられない。だから・・・・・ずっと俺の傍にいてほしいんだ」
「でも・・・・・」

 俺は体を離し、戸惑う牧野の瞳を覗き込んだ。
 「俺と結婚なんて・・・・・考えられないか?」
 その言葉に、首を振る。
「そうじゃなくて・・・・・だって、西門さんのお母さんは・・・・・」
「説得するよ」
「説得?」
「ああ。ちゃんと、牧野のことをわかってもらえるように話す。他にも、いろいろ面倒なことがあると思うけど、それでも・・・・・俺にはお前しかいない。お前と一緒なら、どんなことでもできる。だから、結婚してくれ」

 まっすぐに牧野の瞳を見つめる。
 牧野の瞳が一瞬揺らぎ、涙で潤む。
「―――はい」
 囁くように、でもしっかりと頷き、答えてくれた牧野。
 俺は、もう一度牧野を抱きしめた。
「もう―――隠し事はなしだぜ。たとえあきらに頼まれても・・・・・俺にはちゃんと本当のことを言えよ」
「ん。わかった」
「それから・・・・・もう他のやつに、キスなんかさせるなよ」
 そう言ってちょっと体を離し、間近に牧野を見つめると、途端に赤くなる。
「あ、あれは―――」
「すげえショックだった。俺以外の男がお前に触れるのなんか、許せない。これからは―――絶対に触れさせねえ」

 牧野の頬を両手で包み、そっと唇を重ねる。

 啄むようなキスの後、徐々に深くなるキス。

 「・・・・・お前から、あきらに触れたりするのもなしだぜ。あんまりあいつばっかり頼るなよ」
 牧野があきらの手に触れたり、袖を掴んだりする仕草に、何度むかついたことか。
「あれは、なんか自然に・・・・・。あたし長女だから、家じゃ頼られる立場だし・・・・・でも美作さんといると甘えられるって言うか、甘えさせてくれるからつい・・・・」
「ついじゃねえよ!甘えるなら俺に甘えろっつーの!」
「う・・・・・西門さんに?」
「・・・・・・いやなのかよ」
「だって・・・・・・なんか恥ずかしいもん」
 恥ずかしそうに頬を染める姿に。

 完全にやられた、と思った。

 きっとずっと敵わない、こいつには。

 だけど、離してなんかやらない。

 「俺が、ずっと甘えさせてやるよ・・・・・一生な・・・・・」

 甘い約束で、お前をずっと離さない・・・・・。


                           fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 終わり方がわからなくなってしまった(^^;)
 とりあえずつくしにメロメロな総ちゃんを書きたかったって感じ?
 
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Promise vol.6 ~花より男子・総つく~

Category : Promise ~花より男子・総つく~
 -soujirou-

 「―――どういうことだよ?それ」
 そう言うのが精一杯だった。
 あきらの『恋人』だって?牧野が?
 冗談じゃない!牧野の恋人は、この俺なのに!

 と、あきらが俺のほうを見てぷっと吹き出した。
「お前、なんて顔してんの。今にもぶっ倒れちまいそうだぜ?」
 あきらの言葉に、俺はかっとなってその場に立ち上がった。
「ふざけんなよ!どういうことか、ちゃんと説明しろよ!」
「総二郎、落ち着きなさい」
 穏やかだが、厳しい父親の声に、俺は我に返り、再びそこへ座った。
 あきらは相変わらず余裕の笑みを浮かべながら、楽しそうに俺の顔を見ていた。
「だから、説明してやろうと思ってここへ来たんだよ。心配しなくても、俺と牧野が結婚するってわけじゃねえから安心しろよ」
「だったら・・・・・どうして恋人だなんて」
 俺の言葉に、あきらは肩をすくめた。
「縁談を断る口実だよ」
「縁談―――」
「親父にしつこく薦められて、何とか断りたくて、牧野に協力してもらった。さっき牧野と親父を引き合わせたから、もう用は済んだ。牧野はお前に返すよ。もっとも―――」
 そこまで言うと、あきらはにやりと笑い、俺と牧野の顔を見比べた。
「牧野がもう総二郎に愛想をつかせたって言うんなら、本気で俺が付き合ってもいいけど?」
「美作さん!」
 牧野が頬を赤らめ、ばつが悪そうにあきらの腕を引っ張る。
「昨日みたいな場面、これからだってまたいくらでも遭遇するかもしれないぜ?お前は、総二郎のこと信じきることができるのか?あんなことでいちいち目くじら立ててたら、総二郎の相手はつとまらねえぜ。俺だったら、お前を不安にさせたりしない。結婚前の、今ならまだ遅くない。俺に乗り換えないか?」
 そう言ってあきらが牧野の手を取り、その瞳をじっと見つめる。
 牧野が戸惑ったように頬を染め、あきらの顔を見つめ・・・・・。

 俺は、我慢できずにまた席を立つと、目の前のお膳を乗り越え、あきらと牧野の間に割って入った。

 あきらの手を牧野の手から引き離し、牧野の手首を掴む。

 「あきらのとこへなんか、行かせねえ!」
 俺の言葉に、牧野は目を見開いた。
「西門さん」
「昨日のは、本当に単なる仕事だったんだ。あんなモデルに興味はねえし、これからだってお前以外の女と付き合うつもりなんかねえよ。それでもお前が不安になるって言うんだったら―――俺はお前のために何でもしてやる。お前のためだったら何でもできる。お前のためにしか・・・・・やらない」

 牧野しか、見えてなかった。
 父や母が見ていることなど、頭の中から消えていた。
 牧野を失いたくなくて・・・・・・
 ただそれだけだった。

 「―――馬鹿」
 困ったように俺を見つめていた牧野が、一言呟いた。
「な―――何が馬鹿だよ?まさかお前、本気であきらと―――」
「だから、それが馬鹿だって言ってんの。何でそうなるのよ?」
 呆れた様にそう言い放つ牧野。
 俺の後ろでは、あきらがくすくすと笑っていた。
「お前、馬鹿だな」
「あきら!大体お前が―――」
「昨日からずっと、牧野はお前のことしか考えてねえよ」
 あきらの言葉に、俺は驚き、改めて牧野を見つめた。
「み、美作さん―――」
「本当のことだろ?昨日からずっと心ここにあらず。今日俺の親父と会ってた時だって、親父の話なんかこれっぽっちも聞いちゃいなかったろ。俺の言葉に適当に相槌打つだけで―――ずっと総二郎のことを気にしてた。違うか?」
「それは・・・・・」
 牧野の顔が、見る見るうちに赤く染まっていく。
「お前らは、もうちょっとお互い素直になれよ。どっちも好きで好きでたまらないくせに、意地っ張り同士は見てて疲れるぜ」
 あきらがわざとらしくため息をついて言うのに、父親もくすくすと笑い出した。
「そのとおりだな。お前さんたちは、お互い強く思い合ってるというのが見てるほうにも伝わってくるほどその思いが強い。なのに、変な意地を張ってその気持ちをうまく伝えられずにいる。回りのほうがよっぽどそれをわかってる。あきら君はお前たち両方の気持ちを十分理解した上で、お前たちの幸せを願ってくれてるんだ。こんなに心強い味方はないんじゃないか?」
 父親の言葉に、俺はあきらを改めて見つめ―――
 あきらは、冷やかすような目を俺に向け、微笑んだ。

 それからあきらは母親のほうに視線を向けた。
「おば様。差し出がましいことをして申し訳ありません」
「あきらさん・・・・・。あなたはもう少し、利口な方だと思ってましたけど」
「それは買いかぶりすぎです。けど・・・・牧野に関しては、自信を持って言えますよ。牧野は、総二郎にとって必要な女性です。牧野がいなければ、総二郎は生きていけない。茶道の世界で、牧野のような人間を疎ましく思う方もいらっしゃるかもしれませんが・・・・・。牧野はきっと、総二郎の良き伴侶となるはずです」
「ずいぶん生意気を仰るのね」
「すいません。でも―――きっと、おば様にも理解していただける日が来ると信じてます。おじ様が、理解してくださったように」
 あきらの自信に満ちた目が、俺の母親を見つめる。

 母が、明らかに動揺した様子を見せた。
 『マダムキラー』、恐るべし、というところか。
 あきらのこういう艶っぽく、それでいて落ち着いた雰囲気が年上の女性の女心を刺激するのかもしれないと、俺はこんなときなのに感心していたのだった・・・・・。

 「さあ、わたしたちはそろそろ失礼しよう。家にお客人を待たせたままだからね」
 父親の声に、母親もはっとしたように腰を上げる。
「総二郎、お前はもういいから、2人のお相手をして差し上げなさい。牧野さん」
 父親が、牧野に声をかけると、牧野は弾かれたように背筋を伸ばす。
「は、はい」
「今日は突然驚かせてしまって申し訳なかったね。今度改めて、ご一緒にお食事でもしましょう」
 穏やかな笑顔を牧野に向ける父親。

 その笑顔に牧野が微かに頬を染めていたのが、なんとなく気に入らなかった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 最後の総ちゃんのやきもちは、特に意味はありません。
 これでさらにパパまで参戦、なんてことになったらややこしくてしょうがない・・・・・ですよね。

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Promise vol.5 ~花より男子・総つく~

Category : Promise ~花より男子・総つく~
 -tsukushi-

 西門さんを、傷つけてしまった。

 そんな想いがあたしの胸を締め付けて。

 美作さんの家で何をしていたのか、よく覚えていなかった。

 ロマンスグレーという言い方がぴったり来るような、美作さんの雰囲気をそのままに物腰のエレガントな紳士が現われ、あたしに向かって微笑んだ。
 
 美作さんのお父さんに挨拶し、美作さんの話しに合わせて相槌を打つ。

 たぶん、時間にして30分くらいだったと思う。
 気付けば、その部屋には美作さんのお父さんの姿はなくて、あたしと美作さんだけが残されていた。

 「さて、行くか。牧野、ボーっとすんなよ」
 美作さんの声に、はっとする。
「え?な、何?どこに行くの?」
 我に返ってそう聞くあたしに、美作さんは軽く溜息をついた。
「しっかりしろよ。飯でも食いに行こうっつってんの。もう昼だからさ」
「あ―――でも、あたし・・・・・」
「心配すんな。その後ちゃんと総二郎のところ連れて行くから。どうせあいつも仕事してるし、あせったってしょうがねえだろ?」
「・・・・・うん」
 わかってはいるんだけど・・・・・。
 俯くあたしに、美作さんは苦笑し、大きな手で優しくあたしの頭を撫でた。
「うまいもんでも食って、元気出せ。ほら、行くぞ」
「うん」
 気を取り直すようにあたしは頷き、美作さんの後についていった・・・・・・。


 -soujirou-
 「いったいここで何があるんですの?」
 母親が訝しげな顔で父親を見た。

 それはそうだろう。
 明日の茶会の準備に追われ奔走しているときに急に連れ出され、都内の高級料亭に来た俺たち。

 親父は穏やかに微笑み、『大事な客が来るから』と言うだけで、さっきから何も語ろうとしない。

 そうして待つこと20分。

 ようやく来た待ち人に、俺も母親も驚きを隠せなかった。

 「やあ、よくきてくれたね」
 そう言って父親が笑顔で迎えたのは―――

 「あきら!牧野!何で―――」
 呆気に取られる俺の前に現れたのは、あきらと牧野だった。
 あきらは涼しい顔をしているが、牧野は俺同様、俺たち3人がいることに驚いているようだった。
「美作さん、これは―――」
「牧野さん、とりあえずお座りください。私から説明しますから」
 俺の父親の言葉に、牧野は戸惑いを見せながらも素直に頷き、あきらに促されて俺の向かい側に座ったのだった。
 戸惑っているのは母親も同様で。
 きっと鋭い視線を父親に向け、口を開いた。
「あなた!これはどういうことですの?きちんと説明してくださいな」
 その言葉に父親は苦笑し、肩をすくめた。
「怖いな、そんな目で睨まないでくれよ」
「あなた!」
「ああ、わかった。今から説明するから―――。話は3ヶ月前にさかのぼるんだが」
「3ヶ月前?」
 思わず俺は声を上げる。
 3ヶ月前と言ったら、あきらがインドへ行くことになったころだ。
「ああ。私は、ある人物と会うためにホテルのバーにいた。もちろん仕事の付き合いだよ」
 ちらりと母親に視線を送るのを、母親はぷいと顔を背けた。
「そこでの話はすぐに終わったんだが・・・・・すぐに帰るのもつまらなくてね。しばらく1人で飲んでいたんだ。そこへ現れたのが―――あきら君だ」
 あきらが穏やかに微笑んでいた。
「あきら君も仕事で来ていたらしいが、それが終わり、1人で飲もうとバーに立ち寄ったところで私と会ったというわけだ。久しぶりに会ったからね。驚いたよ、立派になっていて・・・・・。少し一緒に飲まないかと、私から誘ったんだ。そこで、牧野さんの話をいろいろ聞いたよ」
 父親がその視線を牧野に向け、牧野ははっとしたように父親を見た。
「高校生のころからの話・・・・・司君との恋、別れ、それから類君とのことも・・・・・。ずいぶん辛い思いをしたようだね」
「いえ・・・・・わたしは・・・・・・」
「だが、君はその辛い出来事を乗り越え、前向きに生きている。誰でもができることじゃない。あきら君の話を聞いて・・・・・君がどれだけ素晴らしい女性かということを知ることができたよ」
 父親の言葉に、牧野が頬を赤らめ俯いた。
「あなた・・・・・そんなこと、今までわたしに一度もお話しにならなかったじゃないですか」
 母親が不本意そうに言うのを、父親が困ったように見て言った。
「君は、ずいぶん牧野さんを嫌っているようだからね。下手に話しても信じないだろうと思ったし、あきら君と彼女の仲を勘ぐるんじゃないかと思ったんだよ」
「当然でしょう。彼女の勤務先をご存知でしょう?大方、美作家に取り入って入り込んだに決まってますよ」
「それは違います」
 あきらが、静かに母の言葉を否定する。
「牧野は、俺の家とあのホテルの関係を知らなかった。それに、あのころ俺たちと牧野は疎遠になっていて・・・・・牧野が就職したことすら知らなかったんです。あそこに就職できたのは、彼女の実力です。うちとは何の関係もありませんよ」
「それは確かなようだよ。わたしもその件については総支配人に聞いてみたことがある。牧野さんに、何かコネがあったようなことは一切ないそうだ。彼女は、しっかりと自分の足で歩ける女性だ。誰かの後ろ盾など、必要としない。だからこそ―――総二郎は惹かれたんじゃないのかね?」
 父親の言葉に、俺は目の前の牧野をじっと見つめ―――
「ああ。そうだよ」
 と頷いたのだった。
「俺は、牧野に再会したとき、見合いの真っ最中だった。家のために結婚して、子供を作って。それが当たり前だという世界に何の疑問も持ってなかった。だけど・・・・・牧野に会って、俺の世界は変わった。いや、本当はずっとそれを求めていたのに、気づかないフリをしていたんだ。牧野はそれを・・・・気づかせてくれた」
「西門さん・・・・・」
「俺は、牧野が好きだ。一緒になるなら、その相手は牧野以外にはいない。たとえ反対されても・・・・・俺は、牧野以外の女性と結婚する気はないよ」
 俺の言葉に、牧野は目を潤ませ・・・・・
 母親の顔色は真っ青になった。
「けど、あきら、どういうことか説明してくれ。今まで牧野とどこで何をしてたんだ?」
 俺は今日ずっと気になって仕方がなかったことを、あきらにぶつけた。
 あきらはひょいと肩をすくめると、まるでなんでもないことのようにこう言ったのだ。

 「親父に、紹介したんだよ。俺の恋人ですってな」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総ちゃんの安息の日はまだ遠い・・・・・?

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Promise vol.4 ~花より男子・総つく~

Category : Promise ~花より男子・総つく~
 -soujirou-

 牧野がこっちを振り返るのが見えた。

 何か言いたげな。

 そんな風に見えたのは気のせいだろうか。

 「くそっ」

 自分の車に戻ろうとして、携帯の着信音に気付く。

 一瞬牧野からかと思ったが、それは家からで。

 「はい。―――今いきます」
 思わず溜め息が漏れる。

 仕事をサボるわけにはいかない。

 俺は思いを振りきるように車に向かって歩き出したのだった・・・・・。


 「総二郎さんもそろそろ身を固める時期じゃありません?」
 親戚のうるさがたの叔母が愛想笑いを浮かべて言う。
「はあ」
 適当に誤魔化してしまおうかと、曖昧な相槌を打っていたが―――
「ええ、そろそろいい縁談がないかと思っているところですのよ」
 いつの間にか隣にいた母親が、口を挟んできてぎょっとする。
 寄りにも寄って、この叔母に―――
「まあ!それなら私に任せてくださいな。とってもいいお話があるのよ。早速来週あたり―――」
「ちょ、ちょっと待ってください。俺は―――」
「あら、ぜひお願いしたいわ。いつまでも学生気分で遊んでいてもらっては困るわ。襲名前に話がまとまれば・・・・・」
「だからそれは―――」
「やあ、話が盛り上がってますな」
 母親と叔母の勢いにのまれそうになったとき、ふらりとやってきて間に入ったのは父親だった。
「あら・・・・家元」
 叔母が、明らかに邪魔者を見るような目で親父を見上げる。
「総二郎、そういえばお前には恋人がいたんじゃないのか?いつだったか、話をしていただろう」
 予想外の助け舟に、俺は一瞬驚いて言葉が出なかったが。
「あ―――はい。実は、今度父さんと母さんに紹介しようかと・・・・・」
「あら、恋人がいらっしゃるの?」
 叔母が、がっかりしたように俺を見る。
「恋人?単なる遊び友達じゃないんですの?あのお嬢さんについてはいろいろ話を聞いてますけれど」
 母親が、鼻で笑うように口の端を上げ、俺と父親を交互に見た。
「・・・・・彼女について、どんな話を知っているのかは知りませんが、俺にとっては大事な女性です。彼女を侮辱するようなことは言わないでください」
 俺の言葉に、母親の顔色がさっと変わる。
「まあまあ、その話はまた今度ということで。総二郎」
 父親に促され、席を外す。

 隣の部屋に入り、戸を閉めると父親がくるりと振り向いた。
「あまり、ことを荒立てるようなことは言うな。親戚を敵に回すと厄介なことになるぞ」
 父親の言葉に、俺は肩をすくめた。
「事を荒立てるつもりはないよ。ただ、母さんは牧野のことを噂だけで判断してるから。あいつのこと、何にもわかってない」
「まあ・・・・・いろいろ調べてはいるようだな。それもお前のためだと本人は思っているんだから、わかってやれ。ところで、その牧野さんとやらだが、いつわたしたちに紹介してくれるんだ?」
 その言葉に、俺は一瞬答えを迷った。
「近いうちに、連れて来ようと思ってるよ。ただ・・・・・牧野に辛い思いはさせたくないんだ。母さんが牧野のことをどう思ってるかは、大体わかってる。あいつを―――傷つけることになるんじゃないかと思って」
「・・・・・・ふむ。そうだな。わたしも実のところその牧野さんというお嬢さんについては何も知らんし・・・・・。だが、会ってみないことには知りようがないし、お互いに距離は縮まらんだろう」
「わかってるよ」
 俺が頭をかくと、父親はふっと楽しそうに笑った。
「お前が、そんな顔をするのを見るのは初めてだな。まあ、焦ることはない。縁談については断るよう母さんに言っておこう。お前が、牧野さんを連れてきてくれる日を楽しみにしてるよ」

 楽しそうに高笑いしながら部屋を出て行く父親。
「ったく・・・・・」
 思わず溜息が漏れる。
 だが、父親のいうことも一理ある。
 とにかく、両親と牧野を一度会わせてみれば―――
 牧野つくしという人間を、わかってもらうには実際に会うのが一番だということは、誰よりも俺が知っている・・・・・。

 それにしても。
 俺は再び深い溜息をついた。

 あきらと牧野は、どこへ行ったんだろう。
 品のいいクリームイエローのアンサンブルスーツに身を包んだ牧野は、一瞬見惚れてしまうほどきれいで。
 俺とデートするときに、あんな格好したことなんて一度もなかったのに。
 何であきらと―――

 まさか、本当にあきらと・・・・・?

 
 -akira-
 家についても、牧野は心ここにあらずで。
 俺は、溜息をついた。
「牧野」
 俺の声に、はっと顔を上げる牧野。
「―――え、何?」
「大丈夫か?」
「う、うん、大丈夫。ごめん、ちょっとボーっとしちゃって・・・・・」
 無理して笑顔を作る牧野の髪を、そっと撫でる。
「悪いな、すぐに終わらせるようにするから・・・・・。終わったらすぐに総二郎のとこに―――」
 そう言いかけたとき、スーツの胸ポケットに入れていた携帯が着信を告げる。
 慌てて携帯を取り、画面を見ると、そこには見慣れない電話番号が。
 誰だろうと思いながらも、俺はボタンを押す。
「はい。―――はい、わたしですが、どなた―――え!?」
 相手の名前に俺は驚き、目を見開く。
 そんな俺を見て、首を傾げる牧野。
「あ―――はい。いえ、大丈夫です。―――はい―――はい―――わかりました。では、後で―――失礼します」
 電話を終え、息を吐き出す。
「電話、誰から?お仕事?」
「あ、いや・・・・・牧野」
 自然に、笑顔が浮かぶ。
「何?いい知らせ?」
 相変わらずきょとんとしている牧野を軽く抱き寄せ、その頬にキスをする。
「わっ、な、何?美作さん?」
「すげえ、いい知らせ。後で教えてやるから、お前も楽しみにしてな」
 笑いながらウィンクしてそう言う俺を、牧野は不思議そうに見つめていたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 誰からの電話?
 果たしてその電話が2人にとっていいものかどうか・・・・・。

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Promise vol.3 ~花より男子・総つく~

Category : Promise ~花より男子・総つく~
 -tsukushi-

 突然、美作さんにキスされて。

 頭の中が真っ白になってしまった。

 何がどうなってるの?

 「悪かったな」
 頭上から聞こえてきた美作さんの声にはっとして顔を上げると、困ったような、照れたような顔をした美作さん。
「あそこまでするつもりじゃなかったんだけど・・・・・・。総二郎のやろうが、あまりにも熱くなってたもんだから、俺も頭に来ちまった」
 そう言って、小さな溜息をつく美作さん。
 あたしはなんて言っていいかわからず・・・・・。

 暫くすると、車があたしの家の前で停まった。

 「明日、昼ごろ迎えに来るから」
 そう言って微笑む美作さんはいつもの彼に戻っていて、あたしもほっと息を吐き出した。
「あ・・・・・うん。何着て行けばいいかな」
「ああ、そうだな。お前、あれ持ってたろ、クリームイエローのアンサンブルスーツ。あれに、小さめのイヤリングとネックレス。そんな感じでどうだ?」
「うん、わかった」
 センスのいい美作さんにアドバイスしてもらえると安心する。
 いつの間にか、あたしはずいぶん美作さんを頼るようになってた気がする・・・・・。
「美作さん」
 あたしの声に、美作さんがドアを開けようと動かした手を止める。
「ん?」
「さっきは、ごめんなさい。つい・・・・・興奮しちゃって」
 その言葉に、ふっと微笑む。
 優しく、クシャリとあたしの髪を撫でて。
「わかってるよ。けど、総二郎の態度見てわかったろ?あいつはマジでお前に惚れてる。あんなどこにでもいるようなモデルのことなんて、あいつは気にも留めてねえんだから。信じてやれよ」
「うん・・・・・」
「明日の件、済んだら俺が何とかとりなしてやるから、心配するな」
 そう言って、あたしの額に軽くチュッとキスをする美作さん。
 恥ずかしくなって赤くなるあたしを見てくすくす笑って・・・・・・。
 やっぱりこの人の傍は安心できると、あたしも漸く笑うことができた・・・・・・。

 
 翌日、朝からあたしは洗濯やら掃除やらで動き回り、バッグの中の携帯に何度も着信があったことなど、まるで気付いていなかった。
 仕事中はいつもマナーモードにしていて、昨日はマナー解除するのを忘れていたようだった。

 美作さんにアドバイスしてもらった服に着替え、バッグの中身をチェックしているとき、漸く着信に気付き・・・・・
「やだ、西門さんから何回も・・・・・・」
 西門さんのむっとした顔が頭に浮かび、あたしの背中を嫌な汗が伝う。

 電話した方がいいだろうか。
 だけど、美作さんに頼まれたことを説明して、納得してもらえるかどうか。
 昨日の今日じゃ、簡単にはわかってもらえないような気がした・・・・・。

 とりあえず、今日のことが終わってから。

 そう決めて、あたしは家を出た。
 アパートの前に、このアパートにはまったくそぐわない高級車が止まっていて、運転席に美作さんの姿が見えた。
 あたしに気付き、ドアを開けて出てくる美作さん。
「よお、今電話しようと思ってたとこだよ」
「時間ぴったりだね」
「ああ。うん、その服、やっぱりいいな。育ちがよく見える」
「ほんと?よかった。そういえば美作さんのお父さんに会うのって初めてだよね。なんか緊張する」
 あたしの言葉に、美作さんがくすりと笑う。
「大丈夫。俺が相手するから、お前は俺にあわせてくれればいいよ。じゃ、乗って―――」
 そう言って、美作さんが助手席のドアを開けたとき―――

 「牧野!!」
 突然呼ばれ、あたしは驚いて声のしたほうを見た。

 声の主は西門さん。
 アパートの前の通り、角に停まった車から降りてきた西門さんが、すごい形相でこちらを睨みつけていた・・・・・。

 「西門さん・・・・・」
 西門さんは、大股であたしの方に近づいてくると、美作さんの車に、バンと手をついた。
「・・・・・なんで電話に出ない?」
「あ・・・・・昨日からマナーモードにしてて・・・・・気付かなかったの」
「・・・・・で?そんなかしこまった格好して・・・・・あきらとどこへ行くんだ?」
「それは―――」
 
 どうしよう?
 
 あたしは隣にいた美作さんを見上げた。
「総二郎、悪いけど今は説明してる暇がねえんだ。後でちゃんと説明するから、今は黙って牧野貸してくれ」
 美作さんの言葉に、西門さんの眉間に皺が寄る。
「何だよ、それ。牧野は物じゃねえだろ?貸すってどういうことだよ。牧野をどうするつもりだ?」
「だから、後で説明するって。―――つーか、別にお前の所有物じゃねえんだから、俺が牧野をどうしようとお前にいちいち伺いたてる必要もないだろ」
「何?」
「とにかく、だ。今ここで言い争ってる暇はねえんだよ。牧野、乗って」
 助手席に押し込まれるようにして、乗り込む。
 ちらりと西門さんを見ると、これ以上ないくらいむっとした顔で、額に青筋を浮かべているのがわかった。
 そんな西門さんを、冷めた目で見る美作さん。
「じゃあな」
 そう言って自分も車に乗り込み、エンジンをかける。
「おい!あきら、待てよ!」
「車に手ぇかけんな、あぶねえぞ」
「こんなんで納得できるかよ!牧野!行くな!」
 窓を叩く西門さん。
 その真剣な表情に、あたしはドキッとして西門さんを見つめた。
「―――牧野、ここは我慢してくれ」
 美作さんの声にはっとする。
「わ、わかってるよ。早く出して」
 西門さんから目を逸らし、あたしはそう言った。

 車が一旦バックし、十字路になっているところまで行ってから方向を変える。

 西門さんが、こちらを睨みつけながら立ち尽くしている姿が目に入った。

 ずきんと、胸が嫌な音を立てる。

 ―――あたし、間違ってるんだろうか・・・・・。

 すぐに見えなくなってしまった西門さんの姿。
 でも、あたしを真剣な瞳で見つめる西門さんの姿が頭から離れなくて―――

 あたしは、両手を膝の上できゅっと握り合わせたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 意地っ張りで天邪鬼な2人。
 ここは大人なあきらの出番、だね。

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Promise vol.2 ~花より男子・総つく~

Category : Promise ~花より男子・総つく~
 -soujirou-

 雑誌の仕事で、ホテルを使った撮影を終えた俺は、1人でホテルを出ようと出口に向かった。

 「あ、西門さん、待って!一緒に帰りましょうよ」
 撮影に参加していたモデルが駆け寄ってきて、馴れ馴れしく俺の腕に自分の腕を絡ませてくる。
 牧野と付き合う前の俺なら、特に気にしたことなどなかったけれど。
 今は、こういうことも煩わしい。
「悪いけど、俺自分の車で来てるから」
 俺の言葉にも、モデルは特に気にしてるふうでもなく。
「どんな車ですかあ?わたしも乗せてくれません?」
 纏わりつくように腕にしがみつく女に、俺は顔を顰めながら足を緩めることなく外に出る。

 「悪いけど、彼女以外の女を乗せる気は―――」
 そう言ったとき、突然目に飛び込んできた光景。

 ホテルの隣にある、俺もよく行くクラブ。

 そこから出てきた男女のカップル―――。

 「牧野?」
 思わず声をかけていた。

 俺の声に弾かれるように振り向いたのは、間違えるはずもない、俺の彼女であるはずの牧野つくし。
 そしてその隣にいたのは、俺の親友のあきら。

 「西門さん?」
 驚く牧野。
 その横にいたあきらが、同じように目を見開く。
「総二郎。お前、何でここに?」
「それはこっちのセリフだろ?何でお前らがここにいる?あきら、いつ帰国したんだよ?」
 思わず声を荒げる俺。
 が、牧野の視線は俺ではなく、俺の腕にぴったりとくっついていたモデルに―――。
「仕事じゃ・・・・・なかったの・・・・・?」
 牧野の声が震え、俺ははっとして女の腕を引き剥がす。
「仕事だよ。彼女はモデルで―――」
「アユで~す!西門さんと一緒に撮影しました~」
 再びぴたっと腕にくっついてくる女。
 牧野のこめかみが、ぴくりと震えた。
「へえ。大変だね、茶道の次期家元ってそんな仕事もするんだ」
「しょうがねえだろ。本当に仕事なんだから。こんなモデルと一緒に撮影するなんて聞いてなかったよ」
「あ、そう」
 ぷいと顔を背ける牧野の態度に、俺もむっとする。
「お前こそ、何であきらといるんだよ。あきらが帰国したなんて話も、聞いてねえぞ」
 
 インドに行っていると聞いていたあきらが、何で今ここに、牧野といるのか。
 こんな夜に2人きりで、今まさにあきらの車に乗り込もうとしてる場面に鉢合わせて。
 もしかして、これまでにもこうやって俺に隠れて会っていたんじゃないかという疑念まで浮かんでくる。
 そのとき、あきらが口を開いた。
「昨日、帰国したんだよ。急に決まったことだし、俺も忙しかったから連絡できなくって、悪かったな」
「・・・・・その割には、牧野とはちゃっかり連絡取ってんのはどういうことだよ?俺に黙って2人で会って・・・・・まさか、今までもずっと俺に隠れて付き合ってたとかじゃねえだろうな?」
 思わず口から出てきた言葉に、牧野の表情がさっと強張る。
「なにそれ・・・・・あたしと美作さんのこと、疑ってるの?」
「疑いたくもなるだろ?こんなふうに隠し事されたら」
「自分だって、あたしに黙ってこんなきれいな女の子と―――」
「俺は仕事だって言ってんだろ!?」
「どうだか」
「おい!」
 頭に血が上り、ヒートアップしそうになったところで、あきらが牧野の前に出る。
「ちょっと待てよ、落ち着けって2人とも。総二郎、悪かったよ黙ってて。けどこれは、牧野のせいじゃない。俺が、総二郎には黙っててくれって頼んだんだ」
「いいよ、美作さん。何言ったっておんなじ。あたしと美作さん疑うなんて―――」
 そう言って牧野があきらの腕に手をかける。
「牧野。お前も落ち着けよ。こんなことで喧嘩してたら―――」
「いいってば。もう帰る。送ってくれるんでしょう?」
 そう言って上目遣いであきらを見て、腕をあきらの腕に絡める。
 もともと牧野には弱いあきらだ。
 そんなふうにお願いされればいやとも言えなくなる。
「牧野―――」
「いけよ、あきら」
 投げ捨てるようにそう言った俺を、あきらが呆れたように見る。
「総二郎、いい加減にしろって。お前が大人になれよ」
「余計なお世話だね。俺はお前とは違う。牧野みたいなお子様には、お前みたいな大人じゃなきゃつとまらねえってことじゃねえの。俺はあきらみたいにはなれねえよ」
 あきらの表情が、むっとしたものに変わりその声が低くなる。
「―――少し、頭冷やしたらどうだ。お前がそんな態度に出るなら、マジで牧野は俺がもらうぞ」
 あきらが、牧野の肩を引き寄せる。
 牧野が驚いた表情であきらを見上げている。
「勝手にしろよ」
 完全に頭に血が上っていた。
 俺の言葉に、ショックを受けたように牧野の体が震えるのにも、俺は気付かなかった。
「―――後悔すんなよ」
 助手席側のドアを開け牧野を押し込むように車へ乗せると、そのドアを閉め、再び俺を睨みつける。
「見損なったぜ。牧野のこと、泣かせるようなことはしねえんじゃなかったのか」
「・・・・・泣かせたことなんか、ない。牧野に嘘ついたことだってねえよ。裏切ったのは牧野だろ」
 俺の言葉に、あきらは溜息をつくと、何も言わずに車を回り込み、運転席側のドアをあけた。
「おい!」
「・・・・・前に言ったはずだぜ。おまえが牧野を悲しませるようなことをするなら、俺が牧野をもらうって。言っとくけど、一度手に入れたら俺はそう簡単には手離さねえからな」
 そう言うと、車に乗り込んだあきら。

 助手席に座らされた牧野があきらの方を見る。
 あきらが牧野に優しい笑みを向け・・・・・

 次の瞬間、あきらが牧野に素早くキスをするのが見えた。
 
 俺のほうからじゃ、牧野の表情はわからなかった。
 あきらが、にやりと勝ち誇ったような笑みを俺に向ける。
「―――のやろ」
 耐え切れず足を踏み出した瞬間、車が急発進し、あっという間に遠ざかってしまった・・・・・。

 「え~なんかすご~い!あの人、西門さんの彼女~?モテモテなんだ~、あの男の人もちょ~美形!いいなあ~~」
 隣の女が甲高い声で騒いでいる。
「ねえ、あの2人も消えたことだしい~、あたしたちも2人きりで、どっか行きません?」
 誘うように俺の体をなぞる女の手。
 俺は、その手を乱暴に振り払うようにすると、歩き出した。
「あ、ちょっと、西門さ~ん」
「悪いけど、これ以上俺に近づかないで。はっきり言ってあんたにはこれっぽっちも興味ねえから」
 俺の言葉に、さっと表情を強張らせる女。
「ひっど~い、あんな女よりアユの方がかわいいのに~」
「あんたと牧野じゃ勝負にならねえよ。わりいけど、俺は牧野以外の女じゃ立たねえんだ」


 すぐに、後悔していた。
 思わず頭に血が上って・・・・・。

 だけど、その後何度牧野の携帯にかけても、牧野が出ることはなかった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あきらとつくしの姿に切れる総ちゃん。
 お互い素直にならないと、本当にカップル変わっちゃうかも・・・・・?

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Promise vol.1 ~花より男子・総つく~

Category : Promise ~花より男子・総つく~
*このお話は、「Fantasista」から続くお話になります。
 こちらのお話だけでもお読みいただけますが、より詳しい内容をお知りになりたい場合は、「Fantasista」からお読みくださいませ♪


 -tsukushi-

 「牧野さん、3番に電話入ってます」
「はーい」
 手近にあった電話に手を伸ばし、受話器を上げ3を押す。
「はい、牧野です」
 電話の向こうから聞こえて来たのは、聞き慣れた人の声。
「牧野?俺」
「美作さん?」
「ああ。仕事中に悪いな」
「ううん、良いけど。今日本?いつ帰って来たの?」
 3ヶ月前にインドへと出張のため旅立った美作さん。
 そろそろ帰って来る頃かなと思ってはいたけど、いつもなら帰って来る前にメールで連絡をくれるのだ。
「昨日だよ。急に決まったんだ。で、お前今日時間ある?」
「今日?うん、大丈夫だけど・・・・・」
 美作さんにしては珍しく、慌てた様子なのが気になった。
「じゃあ、そっちの仕事が終わる頃迎えに行くから待っててくれ」
「うん、わかった」
「じゃあな」
 そしてすぐに切れた電話。
「なんだろ・・・・・」
 なんだからしくない美作さんの様子に、胸騒ぎがした。
 一応西門さんに知らせようと思い、携帯を開いて見て、メールが来ていることに気付く。
「あれ?」
 送信者は美作さんだった。

 ―――「さっきの件、まだ総二郎には言うな」

 ますますわけがわからなかった。

 ―――いったい何があったんだろう・・・・・


 「困ったことになった」
 そう言って溜め息をついた美作さんは本当に困った顔をしていた。
 仕事が終わり、車で迎えに来た美作さんに連れて来られたのは、よく行くクラブだった。
「どうしたの?」
「お袋が、大変なことしてくれて」
「お母さんが?」
「―――俺の恋人だって言って、親父にお前の写真を見せたらしい」
「―――は?」
 思わず声が裏返る。
「なんで?」
「俺にも何がなんだか―――。親父が急に俺の縁談話を持ちかけてきたって。で、お袋はお前のことを思い出して―――。お袋もそうだけど、妹たちがお前のこと偉く気に入ってて。『おにいちゃまのお嫁さんはつくしおねえちゃまじゃないといや』何て言うもんだから、お袋もその気になって・・・・お前の写真を見せたらしい」
 美作さんの家には、何度かお邪魔したことがある。
 そのときに双子の妹さんや美作さんのお母さんとも会って話をして・・・・・。
 双子ちゃんが懐いてくれるのがあたしも嬉しくって、よくおしゃべりしたものだけど。
 まさかそんなことに・・・・・。
「で・・・・あたしはどうすればいいの?」
「俺も考えたんだけど・・・・・実は、明日親父も帰国することになってる」
「そうなの?」
「ああ。で・・・・親父に、一度会ってくれないか」
「ええ?」
 驚いて、美作さんの顔を見る。
「俺も、まだ結婚なんて考えてない。できれば縁談なんて遠慮したいんだけど・・・・・。親父に直接断るとなると、やっぱりそれなりの理由が要るだろ」
「って・・・・・正直に言えばいいじゃない。まだ結婚したくないって」
「何度も言ってるよ。けど、見合いくらいならいいだろうって言われるんだよ。すぐに結婚しなくてもいいからって。けど、すぐに結婚しなくても付き合うとしたら結婚を前提ってことになるだろ?それが煩わしい。俺はまだそんなこと考えたくねえ」
「で・・・・・」
「いっそのこと、これを利用してやろうかと思って」
 そう言って美作さんが真面目な顔をしてあたしを見るのに、あたしは呆気にとられた。
「今回だけでいいんだ。ちょっと協力してくれねえか?」
「無理だよ!そんなの・・・・・。本当に付き合ってるわけじゃないのに、そんな人を騙すような真似・・・・・」
「親父と会うのは、明日だけだから。で、家にお前を呼ぶことになってるんだ。そのときだけ、俺の恋人になってくれればいい」
「呼ぶことになってるって・・・・・もう、あたしの返事聞く前からそのつもりだったんじゃない」
 呆れて言うと、美作さんがふっといたずらっぽい笑みを浮かべた。
「ま、そういうことだ。頼むよ」
 人懐っこい笑みでそう言われて。
 美作さんにはいろいろお世話になってるし。
 そんなふうに頼まれれば、いやとは言えなくなってしまうあたし。
「本当に1日だけ、だからね」
「ああ、わかってる。それから、総二郎にはこのこと―――」
「黙ってたほうがいいかな」
「明日は何か約束あるのか?」
「ううん。明日は西門さん、お茶会の準備があるって言ってたから」
「なら、わざわざ言って心配させることもねえだろ」
 そう言って微笑む美作さんに、あたしも頷いた。
 
 西門さんは、最近忙しそうだった。
 茶道界という、あたしには無縁だと思っていた世界の人と付き合い始めて半年。
 何度か彼の家にも行っているけれど、未だに彼の母親とは折り合いが悪く―――って言うか、一方的に嫌われていて、まともに話したことすらない状況だった。

 何とかする、と西門さんは言っていたけれど・・・・・。

 「遅くなっちまったな。家まで送るから、乗ってけよ」
 店を出て、美作さんがあたしの肩を軽く押し、車へと歩いていく。
 そのとき―――

 「牧野?」
 突然後ろから聞こえてきた声に、あたしは驚いて振り向いた。

 あたしたちが出てきたクラブの、すぐ隣にあるホテル。
 その前で驚いてこっちを見ていたのは―――

 「西門さん?」

 ―――どうしてここに・・・・・

 西門さんの横には、髪の長いスレンダーな美女。
 その彼女が、呆然とあたしたちを見てる西門さんの腕に、自分の腕を絡めていた・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 Fantasistaの続きです。
 ここではやっぱり、あきら君の活躍がないと!

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スキャンダル 2 vol.3 ~花より男子・類つく~

Category : スキャンダル ~花より男子・類つく~
 -rui-

 始めは道明寺司。
 そして西門総二郎。
 それから花沢類。

 3人の男と浮名を流した女、牧野つくし。

 相当悪い女みたいだな、これじゃ。

 俺は週刊誌の記事を読みながら、苦笑した。

 「類様、牧野様をお連れしました」
 ノックの音と共に田村の声が告げる。
「入って」

 扉が開き、田村と牧野が部屋に入ってきた。
「では、わたしは手配の方に回りますので」
 一礼し、田村が出て行く。
 その姿を戸惑ったように見送って。
「ねえ、手配って?このホテルで、何かあるの?」
 都内の高級ホテル。
 そのスイートルームに俺たちはいた。
 広い部屋できょろきょろと落ち着かない牧野。
 俺は立ち上がると、牧野の前に立った。
「今日、両親がここへ泊まることになってる」
「え・・・・・」
「両親に、牧野を紹介するつもりだよ」 
 俺の言葉に、牧野は目を見開いた。
「ちょ、ちょっと待って。急にそんなこと―――。それにあの、週刊誌の記事。あんなのご両親が見たら、怒るんじゃ・・・・・」
「それが、そうでもないんだ」
「え?」
「とりあえず、座って話そう」
 そう言って、俺は牧野の手を引きソファーに並んで座った。

 「今朝、電話があった」
 牧野の手を握りながら、落ち着いて話す俺を、じっと見ている牧野。
 その瞳は不安に揺れていて、早くその不安を取り除いてやりたかった。
「飛行機の中で、週刊誌を見たって。牧野のことは話してたから・・・・・喜んでたよ、うまくいってるんだって」
「え・・・・・本当に?」
「うん。日本へ帰って来るとき―――両親に言われたことがあったんだ。そんなに好きな相手なら、ものにしてみろって。それが出来たなら、俺を一人前と認めてやるって」
 俺の言葉に、牧野は口をぽかんと開け、呆気にとられていた。
「でも話の流れっていうか、勢いで出てきた言葉だし、俺も忘れてたんだけどね。でも、向こうは覚えてて・・・・・いっそのこと、婚約発表しようって」
「こ、婚約発表!?」
「うん。結婚するのは牧野が大学を卒業してからでいいけど、婚約くらいはしてもいいんじゃないかって。何しろ、目を離すとすぐに変な虫が寄ってくるお嬢さんみたいだからって」
「変な虫って―――」
 牧野の顔が引き攣る。
「牧野が司と付き合ってたことも、総二郎と写真撮られたことも知ってるんだ」
「うひゃ」
「でも、何でだかそれがうちの親にはツボだったらしくて、会ったこともないくせに『あのお嬢さんならいい』なんて言ってたよ」
 軽く笑って言う俺を、呆気に取られ見つめる牧野。
「なんだか、話についていけないんだけど・・・・・それって、喜んでいいこと、だよね?」
 牧野の言葉に、俺は頷いた。
「もちろん。で、これから記者会見だから」
 と言った俺の言葉に、また固まる牧野。

 たっぷり1分経ってから

 「はあ!?」

 と、素っ頓狂な声を上げたのだった。

 
 「ねえ!待ってよ!嘘でしょ?信じらんない!」
 呆気に取られていた牧野を強引にオフホワイトのワンピースに着替えさせ、会場に向かって牧野の手を引き歩いていく俺。
「もう準備は整ってるから。牧野は、俺の隣にいてくれればいいよ」
「そんな!だってあたしまだ、類のご両親にだって会ってないのに―――!」
「だから、そこで会えるから」
「そこでって―――」
「この会場に来てるから。大丈夫。段取りはもう決まってるし」
「決まってるって―――類!ねえ、類ちょっと待って!」
 ぐいっと手を引っ張り返され、俺は足を止めた。
 振り向くと、牧野が困ったように眉間に皺を寄せ、俺を見つめていた。
「急にこんなの―――あたし、着いていけないよ」
「―――同じことだよ」
「え?」
「俺はもう、牧野を離すつもりはない。婚約とか、結婚とか、本当はいつだっていい。でも、相手は牧野以外にはありえない。それだけは絶対に変わらない。だから、もし今婚約しないとしても、いずれはすることになる。今でも、1年後でも、それは変わらない。だったら、早くしちゃった方が後が楽」
「楽って・・・・・そんな考え方―――」
「それに―――ここで、牧野と俺の婚約が決まれば、おれはまたずっと日本にいられる」
「え・・・・・?」
 俺の言葉に、驚き目を見開く牧野。
「それ・・・・・どういうこと?」
「牧野がフランスへ着いてくるならともかく―――日本に残って大学を卒業したいと思っている以上、無理やり連れて行くことはできない。そう言ったら、父親が言ったんだ。『それなら、日本にいて彼女のそばにいればいい』ってね。俺も、父親がそんなこと言うのには驚いたけど・・・・・。どうやら、母親が勧めたらしいんだ。仕事は、日本でも十分できる。今はとにかく、2人を引き離すべきじゃないって。総二郎とのスキャンダルが、功を奏したって感じ?」
「じゃ・・・・・フランスには行かないの?」
「うん。行って欲しかった?」
 俺の言葉に、牧野がぶんぶんと首を振った。
「そんなわけ、ない!類と離れてることが、どんなに辛かったか・・・・・・あんな思い、もうしたくないって、そう思ってた。でも、類には類の仕事があって―――困らせたくなかった。仕事のお手伝いはあたしにはできない。だからせめて、邪魔したくないって―――」
 堰を切ったように、牧野の瞳から大粒の涙が零れ落ちた。
「牧野・・・・・」
 ぽろぽろと流れる涙を、俺は指で掬った。
「そんなに泣いたら、化粧が落ちちゃうよ。これから会見なのに」
「だって―――」
「でも、良かった」
「え・・・・・?」
 涙で濡れた瞳が、俺を見上げる。
「牧野は・・・・・俺がいなくても、平気なのかと思った。俺が思うほど、俺のこと思ってるわけじゃないのかって・・・・・」
「そんなわけ、ない。あたしは―――」
「うん、わかってる」
 そっと、牧野を抱き寄せる。
「ちゃんと、思ってくれてるって、わかってる。だけど、不安になってたんだ。もう、俺が牧野から離れるなんて無理だから。こんな風に慌しくはしたくなかったけど・・・・・でも、今聞いて、牧野」
「・・・・・何?」
「俺と・・・・・結婚して欲しい」
 その言葉に、ゆっくりと顔を上げる牧野。
 揺れる瞳に、俺が映っていた。

 「・・・・・返事は・・・・・?」

 「・・・・・はい・・・・・」

 涙で濡れた頬を両手で包み込み、そっと唇を重ねる。

 涙の味がする、触れるだけのキス。

 そっと離すと、牧野は微かに微笑んでいて。

 「―――ちょっとだけ、化粧直す時間、ある?」
 その言葉に、俺も笑って頷いた。
「大丈夫。俺が、直してあげるから」
 そう言って、再び牧野の手を握り、歩き出す。

 今度は、牧野も俺の手を握り返し、一緒に歩き出した。

 ゆっくりと、2人の未来へと続く道を・・・・・。


                             fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ちょっと急ぎ足で終わらせてしまいました。
 つくしと一緒にいたくて、強引な手に打って出た類くん。
 2人の未来が、垣間見えるようで・・・・・。

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スキャンダル 2 vol.2 ~花より男子・類つく~

Category : スキャンダル ~花より男子・類つく~
 -tsukushi-

 「冗談じゃないっつーの!!」
 小さな声で叫ぶ。
 という矛盾した状況。
 せっかく大学にやってきたのに、入れない状況なのだ。

 大学の門の周りにはカメラを構えた記者たちや目を三角にした女の子たち・・・・・。

 一度そこまで行ったあたしはあっという間に彼らに囲まれ、フラッシュの嵐と怒号、それから訳のわからない質問攻めに会い、一目散に逃げてきたのだ。

 『花沢類さんと結婚なさるんですか!?』
 『西門総二郎さんと婚約したんじゃなかったんですか!?』
 『二股かけてるんですか!?』
 『道明寺司さんともまだ続いてるとか』
 『誰が本命なんですか!?』

 「いったい何だっつーのよ・・・・・」
 溜息と共に呟かれた言葉に、後ろから突然答える声が。
「お前、しらねーの?」
 驚いて振り向くと、そこには西門さんと美作さんが。
「びっくりした!何でここに?」
 あたしの言葉に、西門さんが肩をすくめる。
「騒がしくってかなわねえからふけて来た」
「そこのさてんに2人でいたら、お前がきたのが見えたんだよ」
 そう言って美作さんが顎でくい、と路地の奥に見える喫茶店を指した。
「とりあえず来いよ。説明してやっから」
 そう言って西門さんに腕を引っ張られ、あたしは2人と一緒に喫茶店へと向かったのだった。


 「ほら、見ろよ」
 テーブルに着くなり、開いて寄越された写真週刊誌。
 そこに写っていたのは、路地裏でキスをするあたしと花沢類の姿で・・・・・。
「―――いつの間に!」
 呆気にとられるあたしを、呆れたように見る美作さん。
「まったく、話題にこと欠かないやつだよな。類のやつも最近週刊誌なんかで取り上げられること多くなってきたし総二郎だってそうだ。その2人の相手なんだから狙われて当然。格好のネタだろ」
「ちょっと、2人の相手って何よ。西門さんのは間違いだったんじゃない」
「世間はそう思ってない。世間から見たらどう考えても三角関係としか思えねえだろ」
「そんな―――」
「類からは、何も言ってきてないのか?」
 西門さんの言葉に、あたしは首を振った。
「何も。今日はずっと仕事で、約束もしてないし―――」

 そのとき、あたしのバッグから携帯の着信音が鳴り響いた。
「類じゃねえの?」
 美作さんの言葉に、西門さんも頷く。
 あたしは慌ててバッグから携帯を取り出し、耳に当てた。
「もしもし」
『牧野?』
 やっぱり類だった。
「類、あの写真―――」
『もう見た?そのことで、話があるんだ。今から来れない?』
「え・・・・・どこに?」
『迎えに行かせる。今どこ?大学?』
「えっと、大学の傍の喫茶店。名前は―――」
「Mint」
 隣で西門さんが答える。
「ミントだって」
『―――今の、総二郎?一緒にいるの?』
「あ、うん。美作さんも一緒」
『ふーん・・・・・。とりあえず、今からそこに迎えをやるから、車が来たら乗って』
 微かに、低くなる類の声。
 西門さんとの写真を撮られてからというもの、妙に西門さんを警戒する類。
 その空気を感じたのか、西門さんが隣で苦笑していた。

 「類と会うのか?」
 電話を切ると、西門さんがそう聞いた。
「うん。話があるって」
「その話って、もしかして―――」
 美作さんが、顎に手をやりながら口を開いた。
「なに?」
「今朝聞いた話。類の両親が、今日帰国するって」
 その言葉にぎょっとする。
「ええ!?」
「確か、こっちへ戻ってくるとき親を説得するのにだいぶ時間がかかったようなこと言ってたよな」
 西門さんの言葉にあたしは青くなる。
「どうしよう、あの週刊誌を見たら―――」
 西門さんと美作さんが、顔を見合わせる。
「ま、いずれは分かることだろうしな」
 にやりと笑う美作さん。
 心配してるというより、楽しんでるという表情だ。
「あ、わりいけど俺、この後デートだから行くわ。じゃあな、がんばれよ、牧野」
 そう言って席を立ち、美作さんはさっさと店を出て行ってしまった。

 「・・・・・相変わらず忙しい人だね。西門さんはいいの?」
 そう言って隣の西門さんを見ると、ちらりと横目であたしを見て、肩をすくめた。
「俺は暇だから。車が来るまで付き合ってやるよ。ま、こんなとこまた写真に撮られでもしたら類に怒られるんだろうけどな」
「類は、西門さんのこと疑ったりしないよ」
 あたしの言葉に、西門さんはちょっと笑った。
「だといいけどな。あいつ、お前に関しちゃめちゃくちゃ疑り深くなる傾向にあるからよ」
「そうかなあ。ちょっと拗ねてるだけだと思うけど」
「へえ、あいつが拗ねてるってことはわかるのか。お前も成長したな」
 冷やかすような口調に、ちょっとカチンと来るけれど。
 そんなふうにからかいながらも、いつも心配してくれてるんだよね、この人は。
「うっさいよ。それより、話ってなんだろう」
「さあな。類のことだ、何か考えがあるんだろ。大丈夫だって。あいつが、お前を苦しめるようなことするはずねえんだから」
 そう言って、にっこりと微笑む。
 なぜだか、西門さんのこの笑顔を見るとほっとする。
 この人の笑顔を見てほっとするなんて、高校生のときだったら考えられなかったことだ。
 何か裏があるんじゃないかと思って、2、3歩後ずさるところだけど。
 最近は・・・・・
「西門さん、なんか変わったよね」
 あたしの言葉に、西門さんが目を瞬かせる。
「は?俺?」
「うん。なんか、丸くなったって感じ?」
 
 一瞬の間のあと―――

 西門さんが破顔して、ぷっと笑った。
「なんだそりゃ」
「だって、高校生のときに比べたら―――」
「あー・・・・・かもな。でもそりゃあ、もしかしたらお前のおかげかもな」
「へ?あたし?」
 不思議に思って首を傾げると、西門さんはまた優しい笑みをあたしに向けた。
「お前といると、楽しいよ」
 なんだか声まで甘く感じられて、どきどきする。
 そんなあたしを楽しそうに見つめて、西門さんはあたしの髪をクシャリと撫でた。
「なんかあったときには力になるから、俺を頼れよな」
 優しく、包み込むような空気に、あたしも素直に頷いた。
「ありがとう、西門さん」
 
 そのとき、店の外に黒塗りの車が止まったのが見えた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 果たして類の話とはなんでしょう?
 
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スキャンダル 2 vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : スキャンダル ~花より男子・類つく~
 -rui-

 正直言って、安心できるなんてこと一生ないんじゃないかと、そう思ってる。

 総二郎と牧野のスキャンダルから3ヶ月。
 俺はまたフランスへ行かなくてはならなくなった。
 それは最初からの約束で、3ヶ月間日本で過ごしたら、フランスへ戻るよう言われていたのだ。

 もちろんその前とは状況が違う。
 牧野の気持ちも確認できたし、俺たちはれっきとした恋人同士なのだから。
 だけど・・・・・

 取引先との商談で、相手が来るのを待っていたときにふと手に取った週刊誌。
 総二郎の記事が、載っていた。
 容姿端麗な茶道界の時期家元として、ここのところ週刊誌などで取りざたされることが多くなってきていた。
 記者との対談の中の一幕。

 『今年のお正月は、かわいらしい女性と初詣に行かれたそうですね』
 『大学の友達なんですよ』
 『とても仲むつまじそうに見えましたが』
 『そうですか?でもあの時、別の友人も一緒だったんですけどね』
 『そうなんですか。でもお写真を拝見する限り、ラブラブなカップルそのものという感じでしたよ』
 『それは、2人でいるところをわざわざ写しているからでしょう。彼女は大切な友人ですから』
 『噂によると、ご友人の花沢物産の御曹司と三角関係だとか』
 『まさか。彼も含め、僕たちはいい仲間ですよ」
 『恋愛感情はまったくないと?』
 『・・・・・それはどうかな。俺は全ての女性が恋愛対象だと思ってるから』

 牧野はあくまでも友人と言い切る総二郎に食い下がる記者。
 最後には、結局否定せずに含みを持たせて終わっている。

 総二郎が、牧野に単なる友達以上の感情を持っていることには気付いている。
 牧野のほうはまったく気付いていないが・・・・・
 
 このまま牧野を残してフランスへ戻るのには、やはり不安があった。
 そうは言っても牧野をフランスへ無理やり連れて行くわけにも行かない。
 もちろん牧野が着いてきてくれるというなら俺は喜んで連れて行くけれど・・・・・

 「げっ、これ、あたしのこと?やだ、せっかく最近周りが静かになってきたと思ったのに」
 総二郎の記事が載っているからと、使用人が気を利かせて俺の部屋に置いておいてくれたその雑誌を手に取り、牧野が顔を顰める。
「・・・・・嫌がらせ、されてたんだっけ?」
「ちょっとね。ま、いつものことなんだけどさ。でもこういう記事出ちゃうと、また嫌味言われちゃうなあ」
 げんなりしたように溜息をつく牧野。
「いっそのこと、俺と一緒にフランス行く?」
 俺の言葉に、牧野が驚いて目を見開く。
「フ、フランス?」
「そ。向こうで大学に通えば?」
「そ、そんなこと―――」
「住むところだって気にしなくていいんだよ」
「え・・・・・」
「婚約して、同棲しちゃえばいいよ」
「ちょ―――待ってよ、急になに言ってるの?」
 目を白黒させる牧野に、俺はちょっと息をついた。
「―――牧野は、平気?」
「何が?」
「俺がまたフランスへ行っても。たぶん、また1年は戻って来れない。その間・・・・・会えなくても、牧野は平気?」
 俺の言葉に、牧野は戸惑ったように首を傾げた。
「寂しいよ、それは。でも、それが類のお仕事なんだし・・・・・それに、会えなくても電話で話したり、メールも出来るでしょ?1年なんて、きっとあっという間。そう思えば・・・・・」
「・・・・・俺は、我慢できないよ」
「え・・・・・」
「牧野に会えなくなるのは、もう嫌なんだ。いつでも傍にいたい。手を伸ばせば触れられる距離に―――」
 
 俺は手を伸ばし、牧野の腰を引き寄せるとそのまま勢いに任せて唇を奪った。

 驚いて開きかけた唇の隙間から、舌を滑り込ませ深く口付ける。

 牧野の手が、俺の袖口をきゅっと掴むその仕草にまたそそられ、何度も熱いキスを繰り返した。

 漸く開放したときには、頬を紅潮させ、潤んだ瞳で俺を睨みつけていた。
「・・・・・そういう可愛い顔を、他のやつに見せたくないんだ」
「かわいくなんか、ないし。そんなふうに言ってくれるの、類だけだもん」
「・・・・・だとしても、心配なんだ。1人にしておけない」
 腕の中に閉じ込めると、困ったように俺を見上げる。
「我侭って言われてもいいよ。1年前は、牧野の気持ちが整理できてないなら仕方ないと思って我慢した。でも今は・・・・・もう、我慢する必要、ないよね?」
「・・・・・駄々っ子みたい・・・・・。花沢類って、そんなキャラクターだったっけ?」
「俺も、自分は我慢強い方だって思ってたけどね。牧野と関わるとそれも難しくなる」
 そう言って苦笑する俺を、牧野は不本意そうに見つめたのだった・・・・・。


 翌日。
 まだ自宅で寝ていた俺の元へ、田村が慌てて駆け込んできた。

 「類様!これをご覧ください!」
 そう言って俺に見せたのは、薄っぺらい写真週刊誌で・・・・・
「これ・・・・・何・・・・・?」
 目を擦りつつ、その写真を見た。

 そこに写っていたのは、路地裏で、一目を避けるようにキスをする2人の男女―――

 俺と、牧野だった・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今回のスキャンダルは類君とつくしで。

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Miracle Girl vol.3 ~花より男子・F4×つくし~

Category : Miracle Girl ~花より男子・F4×つくし~
 「・・・・・酔ってて、何も覚えてないんだもん」

 「・・・・・いい度胸だよな。この道明寺司様相手に、その言い訳か」

 「本当のことだから」

 「酔ってましたで済まされる問題かよ!?」

 「怒鳴らないでよ!」

 「説明しろ!!何で類のベッドで、お前と類と・・・・あきらや総二郎まで一緒に寝てるんだよ!?」

 大きなクイーンズサイズのベッドに、並んで寝ているF3。

 夕べ4人で飲んだとこまでは覚えてるけど、途中からは記憶がない。

 まさか、こんなときに限って道明寺が日本に帰ってきて、しかも類の家に来るなんて。

 「おい!!てめえら起きろ!!」

 道明寺にどやされて、3人が目をこすりつつ起き上がる。

 「何だ、司かよ」

 「朝っぱらからうるせえぞ」

 「・・・・・司、おはよう」

 「・・・・・お前ら・・・・・ずいぶん舐めた真似してくれるじゃねえか」

 道明寺の額に青筋が浮かぶ。

 「牧野を酔わせて・・・・・何しやがった?」

 道明寺の言葉に、3人は顔を見合わせ・・・・・

 「そりゃ、その場合することは1つだろ」

 「4人で楽しい夜を」

 「牧野は、F4のものだからね」

 3人の不敵な笑みに、道明寺の怒りが爆発したのは言うまでもない・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 こちらはつくし視点。
 ゆる~りと進みます。
 誰とくっつくか、というよりは、明るくお馬鹿なつくしの取り合い・・・・みたいな感じで書けたらいいかなあ。

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Miracle Girl vol.2 ~花より男子・F4×つくし~

Category : Miracle Girl ~花より男子・F4×つくし~
 珍しく、牧野からメールが届いた。

 『暇だったら、一緒に飲もう!』

 そんなメールだけで有頂天になるなんてどうかしてる。

 それでも、指定されたクラブへ急いでいくと・・・・・。

 「よう、あきらも来たのか」

 にやりと笑って迎えたのは総二郎だった。

 そしてその横には仏頂面の類。

 「あ、よかった!美作さん!」

 牧野が飛び出してきて、俺の腕を取る。

 「おい・・・・」

 文句を言おうとして口を開くと、牧野が小声で囁いた。

 「ごめん、あの2人なんか険悪で・・・・・。お願い、帰らないで」

 上目遣いでお願いされれば、いやとはいえない。

 けど・・・・・

 目の前の2人を見て。

 険悪な理由がわかってしまえば、深い溜息が漏れていく。

 「・・・・・悪かったね、俺たちもいて」

 類が言えば、総二郎もにやりと笑う。

 「がっかりしてんのが、丸わかりだぜ」

 「・・・・・別に。勝負はこれから、だろ?」

 そう言って笑って見せる。

 かなり無理してるけど・・・・・・

 でもここで、戦線離脱してる場合じゃねえよな。

 覚悟しとけよ、牧野・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 拍手小話シリーズで、あきら視点のお話。
 ちょろちょろといろんな人の視点で続きを書いています♪

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火花 vol.10 ~花より男子・総つく~

Category : 火花 ~花より男子・総つく~
 -tsukushi-

 まさか、こんなところでプロポーズされるなんて。

 思ってもみなかった展開に、あたしは驚き、すぐには口を開くことができなかった。

 あたしを真っ直ぐに見つめる西門さんの瞳が、その想いが真剣であることをあたしに伝えていた。

 「―――花沢さん」
 それまで黙って成り行きを見守っていた西門さんのお父さんが口を開いた。
 その言葉に、類のお父さんがそちらに視線を向ける。
「なんでしょう?」
「親ばかと思われるでしょうが・・・・・わたしは息子と、それからこのかわいい息子の恋人のためなら、なんでもする覚悟でいます」
「それは素晴らしい。わたしも、もちろん同じ気持ちです。今までわが息子ながら、何を考えているのかわからないことが多かった。静さんとのことも恋愛とも言えない恋愛ごっこで幕を閉じた。もしかしたら、この子は本気で人を愛せないのではないかと―――。もしそうなら、そうさせてしまったのは、このわたし自身だと、そう思っていた」
 類のお父さんが静かに類を見つめ、それからあたしを見た。
「だが、このお嬢さんといる時の類は・・・・・確かに恋をしていると、そう思った。とても嬉しかったよ。君はすばらしいお嬢さんだ。君が類の傍にいてくれるなら。そう思って、結婚は早いかもしれないが、せめて婚約だけでも、と思った。まさか・・・・・あれが演技だったとはね」
 寂しそうに肩を落とす類のお父さんの姿を見て、あたしの胸がずきんと痛んだ。
「ごめんなさい、本当に・・・・・でも、あの時言ったことは嘘じゃありません。類さんには、とても感謝しているんです。言葉では言い表せないくらい・・・・・。類さんのことをなんと言ったらいいのか・・・・・友達とも、恋人ともいえない。だけど、かけがえのない人なんです。わたしにとって・・・・・」
「牧野・・・・・」
 類が、あたしを見て優しく微笑んだ。
「ありがとう。俺も、牧野にそう言ってもらえて嬉しかった。ほんと言うと、今回のこと頼んだのは、総二郎への仕返しの意味もあったんだ」
 そう言っていたずらな笑みを浮かべる類に、あたしは首を傾げる。
「仕返し?」
「うん。だって、悔しかったから。少し総二郎をひやひやさせてやりたかった。さすがに婚約まではやりすぎたって思ったけど・・・・・。でも、このまま2人が幸せになるのをただ見守るだけじゃ面白くないなって思ったんだ」
 類の言葉に、西門さんが顔を顰める。
「お前なあ、そんなことで―――」
「そんなこと、じゃないよ。俺にとっては。俺だって、簡単に牧野を諦めたわけじゃない。今だって牧野が好きだよ。だけど、牧野にとっての幸せは、総二郎といることだと思った。だから、応援したいと思った。その気持ちに、嘘はない。だけど総二郎に嫉妬する気持ちがなくなったわけじゃないからね。少し意地悪してやりたくなったって、仕方ないだろ?」
 類が穏やかに話すと、妙に説得力があるから不思議だ。
 西門さんは苦虫を噛み潰したような顔になり、見ていた西門さんのお父さんがふっと笑った。
「さすがだな。まあ、親友同士だからこそ、それでもうまくやっていけるんだろう。類くんのようないい男が本当に敵じゃなくて良かったな」
 それを聞いていた類のお父さんが、相変わらず笑みを浮かべながら口を開いた。
「まだ安心するのは早いですよ。類の気持ちは今聞いたとおりだし、わたしも―――牧野さんのようなお嫁さんだったら喜んで歓迎する。いつでも、結婚できる準備は整えておくよ」

 さすがの西門さんもその言葉に目を見開き―――

 西門さんのお父さんと、類のお父さんの間に、不思議な火花が飛散る。

 ―――えーと、これは・・・・・俗に言う嫁取り合戦・・・・・てやつ?ちょっと違う?

 まあどっちでもいいや。
 てか、あたしの気持ちもちゃんと考えてくれるんだよね・・・・・?

 「牧野」
 類があたしの髪を優しく撫でる。
「大丈夫。一番大事なのは、牧野の気持ちだから。それを無視して勝手に結婚の話を進めたりはしないよ」
「類・・・・・」
「当然だろ。てか、それ以前にもう勝負はついてるっつーの」
「それはどうかなあ」
「おい」
 2人の間で火花が散り始めるのを、あたしは間に挟まり、止めるべきかどうしようかと迷い・・・・

 ふと部屋の入口に目を向けると、そこにはいつの間に来たのか、類のお母さんと西門さんのお母さんが2人で部屋の中を覗き込み、楽しそうに笑いながらおしゃべりをしていたのだった・・・・・。


 
 「たく、えらい目にあった」
「でも、一応丸く収まった・・・・・んだよね?」
 類の家を出て、西門さんに家まで送ってもらいながら。
 そう言ったあたしを、ちらりと横目で見る西門さん。
「な、何?その目」
「・・・・・収まってねえぞ、まだ」
「え、なんで?」
 だって一応類のご両親にも納得してもらったし、喧嘩にもならずに済んだし・・・・・・

 そう思っていると、急に西門さんがぴたりと足を止めた。

 「つくし」

 突然名前を呼ばれ、ドキッとして立ち止まる。

 「・・・・・プロポーズの返事、まだ聞いてないぜ」
 頬に触れる、西門さんの掌の感触に胸が高鳴る。
「今日みたいのが、またそう何回もあったんじゃ、身がもたねえよ。ちゃんと・・・・・はっきりさせときたいんだ」
「西門さん・・・・・」
「それから、その呼び方も・・・・・。いい加減、名前で呼んで欲しいし」
「え・・・・・」
「類は呼び捨てで、俺は・・・・・・。回りが、お前と付き合ってんのは類だって思っても無理ないだろ、それじゃ」
「う・・・・・」
「さっき、あそこで言ったことは全部本当だから。俺の気持ちは、これからもずっと変わらない。だから・・・・・つくし。俺と、結婚して欲しい」

 気付いたら、涙が頬を伝っていた。

 今、この人を信じなくていつ信じるというのだろう。

 真っ直ぐにあたしを見つめる瞳は、どこまでも澄んでいて真実を映し出しているのに―――

 「はい・・・・・・」

 そう答えるだけで精一杯のあたしを、西門さんはふわりと、優しく抱きしめてくれた。

 「愛してる・・・・・・・つくし」

 「・・・・・あたしも、愛してるよ、総・・・・・・」

 この先も変わらない思いを、あたしはその腕の中で告げた・・・・・。


                                 fin.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 漸く終えることが出来ました。
 思いの他長くなっちゃって・・・・・。
 100票を超えてるお話が結構あるんですね。
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火花 vol.9 ~花より男子・総つく~

Category : 火花 ~花より男子・総つく~
 -soujirou-

 類に連絡を取ると、家にいるから来てくれということだった。

 リムジンに乗り、俺と牧野、それから親父は花沢邸へ向かった。

 屋敷へ着くと、早速広間へ通される。

 そこにいたのは、類と、類の父親だった。

 「お久しぶりですね。類たちが、小学生のとき以来かな」
 類の父親がそう言って微笑むと、親父も頷き、ちょっと笑った。
「懐かしいですね。お互い、年をとりましたね」
「ああ、子供たちが成長した分、それも仕方がない。総二郎君も立派になりましたな」
「いや、まだまだ・・・・・類くんこそ、堂々としたものだ」
 親父たちの社交辞令のような会話を聞きながら、俺と類はちらりと目を見交わした。

 「おじさん、すいません。突然押しかけて・・・・・」
 俺が口を開くと、類の父親が俺のほうを見た。
「いや。類から大体の話を聞いているよ。牧野さん」
 突然類の父親から名前を呼ばれ、牧野がビクリとしてその目を見開く。
「はい、あの―――」
「まずは、謝らせて欲しい。こちらが勝手に婚約の話を進めてしまい、申し訳なかったね」
「い、いえ、そんな。すいません、わたしこそ・・・・・。こんな、お2人を騙すようなことをしてしまって申し訳ありませんでした。」
 深々と頭を下げる牧野。
 そんな牧野の傍に来て、そっと肩に手を置く類。
「牧野、頭上げて。今回のこと、悪いのは俺だから、牧野が謝る必要なんかないんだよ」
「でも―――」
「いや、そのとおり。類から聞いたときは、驚いたが・・・・・これも、わたしたちが結婚を急ぎすぎて見合いを強行に進めようとしたことが原因だ。妻とも話したんだが・・・・・牧野さんには、本当にすまないことをしたと思っているよ」
 類の父親が、頭を下げる。
 これには牧野はもちろん、俺や親父も驚いてしまった。
 おそらく類も、父親のそんな姿を見るのは初めてじゃないだろうか・・・・・。
「やめてください、そんな―――わたしはただ、類さんのお役に立てればと、そう思っただけなんです。その結果、お2人を騙すようなことになってしまって、本当に申し訳なくて―――」
 類の父親が頭を上げ、牧野のことをじっと見つめた。
 類とよく似たその眼差しで見つめられ、牧野の頬が微かに染まったのがわかる。
「あなたは―――本当にいいお嬢さんだ」
 にっこりと微笑まれ、牧野が照れてうろたえる。
「そんなことは―――」
「今は、そちらの総二郎君とお付き合いしているそうだね」
 ちらりとこちらに視線を送られ、類とよく似たその意味深な眼差しに、俺も一瞬緊張する。
「はい。今回のこと、僕も知っていましたので、彼女と一緒にお詫びにと思いました」
「いや、その必要はないよ。きみは類の親友でもある。親友に頼まれて無碍に断ることもできず、ずいぶん心配したんじゃないかね?」
 ふっと、見透かしたような笑みを浮かべる。
「―――彼女のことも、類くんのことも、僕は信じてますから」
 慎重に、言葉を選ぶ。
 類の父親がただ穏やかなだけじゃないと言うことは昔から良く知っている。
 仕事の面でも、また家族関係についても常に厳しかった人だ。
 牧野のことを気に入っていると言うのが意外でもあったが、それだけに油断の出来ない相手、という気がした・・・・・。
「うれしいことを言ってくれるね。君のような男が類の親友で、わたしもうれしいよ。ところで・・・・・今回の婚約発表は見送ることにしたんだが」
 その言葉に、牧野がほっと息をつく。
「ありがとうございます」
「ただ、類が君という女性にとても深い愛情を持っていることを考えると非常に残念でね・・・・・。きっといい夫婦になると思ったんだが」
 類の父親の言葉に牧野は頬染め、困ったように類の方を見た。
 類も困ったように溜息をつくと、父親の方を見た。
「父さん、それはさっきも言ったとおり―――」
「ああ、わかってるよ。だが、総二郎君ともまだ結婚すると決まったわけじゃない。以前からの関係を考えれば、今後また君たちの関係が変わる―――とも考えられないかね?」
 思っても見なかった類の父親の言葉に、俺たちは驚いて声も出なかった。
「父さん!」
 類が、険しい表情で父親を睨んだ。
「俺は、牧野が幸せでいてくれるならそれでいいんだ。今牧野は総二郎と付き合っていて、それで幸せなんだ。その幸せを邪魔するようなこと、いくら父さんでも許さないよ」
 そんな類の険しい視線を穏やかに受け止め、肩を竦める。
「別にわたしは2人の仲を壊そうと思っているわけではない。ただ、先のことは誰にもわからない。今、2人でいることが幸せでも1年後、それが幸せとは限らない。そうじゃないかね?現に、牧野さんは高校生の時にはあの司君と付き合っていた。男と女の仲というのは予想できないものだ。だが、一生を共にできる相手というのはそうそういるものではない。わたしは―――牧野さんこそ、類の一生を共にできる女性だと思ったんだよ。だからこそ、先走って婚約発表しようなどということまで考えてしまった」
 予想もしていなかった類の父親の話しに、牧野はどう答えたらいいのかわからない様子でその顔を眺めていた。
 類も困ったように父親の表情を伺っている。
 俺は、この場で言っていいものかどうか迷ったが―――
 
 ふと親父を見ると、俺の視線に気付き、ひょいと肩を竦めて見せた。
 好きにしろ、とでも言うように・・・・・。

 「おじさん、いいですか」
 俺の声に、類の父親がその穏やかだが厳しい瞳を俺に向けた。
「なんだね?」
「確かにおじさんの言うとおり、先のことなんて誰にもわかりません。事実牧野が司や類と付き合ってきたのを俺はずっと見て来ました。俺の気持ちも、ずっと同じではなかった。単なる同じ学校に通う女の子が、いつの間にか友達になり、大切な仲間になり―――好きになってました。女性として・・・・・。その時はまだ類と付き合っていて、それでも諦めることができなくて・・・・・。漸く実らせることができた、大切な恋なんです。少なくとも、俺のこの気持ちが変わることはないと、俺は断言できます。牧野を幸せにするためなら、俺は何でも出来ます。牧野を幸せにすることで、俺も幸せになれる。だから・・・・・俺は、牧野と別れるつもりはありません。これからもずっと・・・・・」
「西門さん・・・・・」
 俺は、牧野の瞳を見つめた。
「牧野・・・・・俺と、結婚して欲しい」

 俺の言葉に、牧野の瞳が驚きに見開かれた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総ちゃん、決死のプロポーズです!
 両父親の反応は?

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火花 vol.8 ~花より男子・総つく~

Category : 火花 ~花より男子・総つく~
 -soujirou-

 俺は、昨日牧野が類の両親と会うことになった経緯をかいつまんで話した。

 どこから話をしようか悩んだが、親父は牧野と類が付き合ってたことも知ってる。
 変に誤魔化して、後々牧野が責められたりするのも嫌だったので、以前牧野と類が付き合っていたことも、以前紹介したときのいきさつも話すことにした。

 さすがに2人とも驚いてはいたが・・・・・

 「じゃあ、花沢さんのご両親はまだあなたと牧野さんがお付き合いしていることを知らないのね」
 お袋の言葉に、牧野は気まずそうに頷いた。
「はい。まさか、すぐに婚約なんてことになると思わなくて・・・・・・わたしが、浅はかだったと反省しています」
「いや、それは元はといえば総二郎が悪いだろう」
 親父の言葉に、俺はちょっとむっとして顔を顰める。
「何で俺が―――」
「元はと言えば牧野さんがまだ類君とお付き合いしているときに彼女に恋人役なんかを頼んだからだろう。大方、何とかして牧野さんを自分に振り向かせようと企んだんだろう。そういえば、あの時まだ結婚する気はないと言いながら、大学を卒業したら結婚するのかと聞いたわたしに『彼女が承諾するなら』とか何とか、言ってたな。あれは遠まわしなプロポーズだったんじゃないのか?」
 その親父の言葉に、牧野はえっと目を見開き、お袋もまあと驚いて俺を見る。

 「―――あのなあ・・・・・」
 俺は大きな溜息をつき、2人から視線を逸らすようにそっぽを向いた。
 顔が熱くなって、たぶん赤くなっているだろうということが自分でもわかった。
「ああ、悪かったな。遠まわしすぎて、ご本人には伝わっていなかったのか」
 にやりと、笑みを浮かべる親父。

 ―――くそ・・・・・いつか仕返ししてやる。

 「とにかく、だ。そんな小細工をして牧野さんの気を引こうとしたお前が悪い。同じ状況で、まだ牧野さんを想っている類くんがお前と同じことを考えたとしたって、お前にそれを責めることはできないだろう」
 親父のもっともな話に俺は溜息をつき、牧野がどうしたらいいかわからない様子で俺を親父の顔を交互に見ていた。
 次に、口を開いたのはお袋だった。
「そうね。それについては仕方ないわ。牧野さんにとって、類さんが大切な存在だということも理解できます。でも現実問題として、牧野さんは今総二郎さんとお付き合いしているわけですから、類さんと婚約するわけにはいかないわ」
 親父もその言葉に頷く。
「ああ。それで、2人で花沢さんのところに行って、どうするつもりだい?」
「本当のことを、話すつもりです。そして、きちんと謝りたいんです」
 牧野の言葉に、親父は口に手をやり、暫く考えていたが・・・・・
「―――君の気持ちは良くわかった。1つ、頼みがあるんだが」
「え・・・・・あたしに、ですか?」
 牧野が不思議そうに首を傾げる。
「ああ。出来れば、わたしも一緒に行かせてくれないかね」
 その言葉には、牧野だけではなく俺も驚いた。
「まあ、あなた―――」
 お袋も、目を丸くしている。
「どういうつもりだよ?」
 俺の言葉に、親父はちょっと肩をすくめ、
「牧野さんの力になりたいと思っただけだ。わたしは今まで好き勝手やってきて―――ずいぶん妻には気苦労をかけたと思っている」
「あなた―――」
「こういう特殊な世界をずっと見てきて、嫌気が差すことがずいぶんあった。そのたびにわたしは逃げて・・・・・面倒なことは妻に押し付けてきた。この家の当主として、貧乏くじを引いてしまったのは自分だと。運命に逆らえないのなら、せめて外の世界では好きなことをする権利があると、そんなふうに思っていた」
 自嘲気味に話す親父を、お袋がなんともいえない表情でじっと見つめていた。
「だが、子供じゃあるまいし、この家から出ようと思えばいくらでもそうすることができたのに、そうしなかったのはなぜか・・・・・・牧野さん、昨日のあなたの話を聞いて、気付いたよ」
「あたしに・・・・・?」
「君は、総二郎のことを、とても好きだと言ってくれたね。自分から切り離すことはできないと。離れたくないと」
「はい・・・・・」
「わたしも、同じ気持ちなんだと思ったんだ」
 そう言って、親父はお袋を見た。
「この家から出ないのは、家のためでも、子供たちのためでもない。自分のためなんだよ。わたしは・・・・・妻を愛してるんだ」
 親父の言葉に、お袋が目を見開く。
「今更何を、と思うかもしれないが・・・・・私にとって妻はわたしから切り離せない存在・・・・・・。牧野さんが総二郎を思うのと同じように、わたしも妻のことを思っているということに、漸く気付いたんだ。家のためなんかじゃない。わたしが・・・・・・妻から離れられなかったんだと」
「あなた・・・・・」
 お袋の瞳から、涙が一筋の涙が零れ落ちた。

 長いことこの2人の息子をやっているけれど。
 こんな2人の姿を見るのは初めてだった。

 いつもお袋にも子供たちにも背を向け、何人もの愛人作っていた親父。
 そんな親父を苦々しく思いながらも、何も言わずただひたすら家のために尽くしてきたおふくろ。

 そんな2人から、愛情を感じることができず俺もまた、2人に背を向けていた。

 「君が、気付かせてくれたんだ」
 穏やかに微笑む親父。
 そんな表情も、見たことがなかった―――。
「できれば、君にはずっと総二郎の傍にいてもらいたい。わたしと同じ道を・・・・・・家族に背を向ける道を進もうとしていた総二郎を変えてくれたのは君だ。君が総二郎の傍にいてくれるなら、わたしたちも嬉しい」
 親父の言葉にお袋も頷き、牧野の方を見た。
「わたしも、そう思っています。あなたは―――我が家にとって、とても大切な人です」
「そんな、あたしはなにも―――」
 恥ずかしそうに頬を染める牧野。
 そんな牧野を見て、両親は目を細めていた。
「できるだけ、きみの力になりたいと思っているんだ。争いに行くわけじゃない。ただ、総二郎の親として・・・・・いずれ、君の義父になるものとして、花沢さんと、話がしたいんだ」

 その言葉に牧野は頬を紅潮させ、目を瞬かせたのだった・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 花沢父と、西門父の、対決・・・・・・?

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火花 vol.7 ~花より男子・総つく~

Category : 火花 ~花より男子・総つく~
 -tsukushi-

 「こ、婚約!?」
 類の言葉に、あたしは思わず席を立ち、大きな声を上げてしまった。
「おい、どういうことだよ、それ」
 西門さんもさすがに表情を険しくする。
「ごめん、親父が勝手に話進めちゃって」
 類が珍しく困ったように髪をかきあげる。
「来月、大きなパーティーがあるんだけど」
「もしかして、あの合併の話か」
 横で聞いていた美作さんが聞くと、類が頷いた。
「ああ。その発表会見の席で婚約発表したいって」
「待てよ、まさかそれ、承諾したんじゃねえだろうな」
 西門さんの言葉に類は首を振った。
「まさか。最初から、結婚はまだ考えてないって言ってたんだから。でも、親父としては、婚約くらいしておいた方がいいと思ったらしくて」
「冗談じゃねえ。話が違うだろ?牧野を預けたのは見合いを断る為って言われたからだぜ。婚約なんて認めるわけにはいかねえ」
 厳しい口調の西門さんに、類も困ったような顔をする。
「わかってるよ。なんとか説得してみるけど・・・・・母親もそうだけど、何故か親父が牧野のことえらく気にいっちゃって。芯のある、頭のいい女性だって言ってたよ」
「ええ?」
 類の言葉にギョッとする。
 何しろ道明寺の母親には最後まで嫌われていたから、F4の親というだけで、条件反射的に緊張してしまうのだ。
 それがまさか、それほど気に入られることがあるなんて思いもしなかった・・・・・。

 とにかくもう一度話をしてみる、と言って類は大学を後にした。

 「しかしあの類の親父さんがね・・・・・大したもんだよ、牧野」
 美作さんの言葉にあたしは顔をしかめた。
「やめてよ、感心してる場合じゃないんだから。まさかこんなことになるなんて・・・・・」
 そのあたしの横で、西門さんが不機嫌そうに溜め息をついた。
「ったく・・・・・だから、最初から断っときゃよかったんだ」
「そんなこと言ったって・・・・・」
「大々的に婚約発表なんてことになったら、それこそ芝居だったなんて言い訳通らなくなるぞ」
 西門さんの言葉に、あたしはギュッと拳を握りしめた。
「総二郎、今牧野を責めたって仕方ないだろう。牧野のせいじゃねえんだから、お前はとにかく牧野の傍にいてやれよ」
 美作さんの言葉にも西門さんは溜息をつき、イライラと頭をかいた。

 その姿に、あたしの胸が嫌な音を立てる。

 あたしが、軽はずみにあんなことを引き受けなければ・・・・・

 西門さんは、始めから反対していたのに。

 このままじゃ、西門さんだけじゃなくって、類や類の両親も傷つけることになってしまう―――。

 そう思うといても立ってもいられなくて、あたしは席を立った。
「牧野?どこ行くんだ?」
 美作さんが声をかける。
「類の両親に、会ってくる」
 あたしの言葉に、美作さんと西門さんがぎょっとして目を見開く。
「なに言ってんだよ、お前!」
 そこを離れようとしたあたしの手を、西門さんが掴む。
「さっき、類が行ったばっかりだろ?今お前が行ってどうなるんだよ?」
「だって、あたしのせいで―――」
「牧野」
「あたし・・・・・類の両親を騙したんだよ。恋人の振りして―――」
「それは、類に頼まれたからだろ?」
「でも、騙してることに変わりない。あんなに・・・・・優しくしてもらったのに・・・・・・あたし、あの2人を傷つけちゃうんだよ」

 類の両親に会って、謝りたかった。
 ちゃんと会って、頭を下げなければいけないと、そう思った・・・・・。

 「・・・・・わかった。俺も一緒に行く」
 西門さんの言葉に、あたしは驚いてその顔を見上げた。
「西門さんが?」
「ああ。その前に―――お前に、付き合ってほしいところがある」
「え・・・・・?」


 2人で大学を出て西門さんの車で向かった先は、とある料亭だった。

 そこの女将らしき女性が出てきて、案内されるままに西門さんとともに中を進んでいく。

 いったい何があるんだろう?

 知らず、あたしは緊張していた。

 「お連れ様をお連れいたしました」
 1つの部屋の前で止まり、女将が中にそう声をかけると、襖を静かに開けた。
「あ―――」
 思わず、声を上げる。
 お膳の向こうに並んで座っていたのは、西門さんのご両親だったのだ―――。
「お袋が、昨日のお礼に牧野を招待したいって言ってたんだ」
 西門さんの言葉に、西門さんのお母さんがにっこりと微笑む。
「ごめんなさいね、突然。あまりかしこまらないで、気楽にしてちょうだい」
「母さん、悪い。実はあんまりゆっくりしてられないんだ」
「まあ」
「総二郎、どういうことだ?」
 西門さんのお父さんが口を開く。
 あたしは、戸惑いながら西門さんを見上げた。
「これから、俺たち類の両親のところに行かなくちゃならないんだ」
 西門さんの言葉に、ご両親は顔を見合わせる。
「花沢さんに?それはどうしてだ?」
「・・・・・父さんが、昨日類と一緒のところを見たって言っただろ?」
「ああ」
「昨日、牧野は類の両親と会ってたんだ」
 西門さんの言葉に、座っていた2人は顔を見合わせたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 思いがけず、両家の親に気に入られてるらしいつくしちゃん。
 さて、どうなることやら・・・・・。

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