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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
*このブログは管理人個人によるファンサイトです。 原作者や出版社等とは何の関連もありません。
*あくまでも管理人の二次世界の小説ですので、人によってはイメージに大幅なずれがある場合もございますのでご注意ください。
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夢のあと vol.34 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 類の誘拐騒ぎもようやく解決し、レイラは『とおる』とともにフランスへ帰り、再び日常が戻った頃。

 類とつくしの結婚に向けての準備は着々と進められていた。

 特に花沢家へと嫁ぐことになるつくしにとっては、仕事とその準備とでまさにめまぐるしいとしか言いようのない日々を過ごしていた。

 そのつくしの、唯一心の休まる時間が類との時間と、週に1回作法として稽古をつけてもらうことになった西門邸で過ごす稽古の後のお茶の時間だった。

 「なんかお前疲れてんなあ。大丈夫かよ?式の日にぶっ倒れたりすんなよ?」
 総二郎の部屋で足を伸ばし疲れ切った様子のつくしを見て、総二郎が呆れたように言う。
「倒れらんないよ。いっそタイムマシンで結婚式後の世界に行きたい」
「なんだそりゃ。普通女って、結婚式に憧れるもんじゃねえの?」
「ん~、そりゃ、ウェディングドレス着たりとか、そういうのには憧れたりするけどさ。その準備がこんなに大変なものだったなんて―――。当日だって、全然気が抜けそうにないもん。きっとプレッシャーで感動どころじゃないよ」
 大きな溜め息をつくつくしに、総二郎は苦笑する。
「ま、同情はしてやるよ。俺はまだ結婚なんて考えたくねえなあ」
「え―、でも西門さんだってそろそろ、そういう話があるんじゃないの?」
 ちらりと総二郎を見るつくし。
 総二郎は肩をすくめ。
「あるにはあるよ、いろいろな。けど、どうにか理由つけて断ってるところ」
「なんで?」
「まだ結婚したくないからに決まってるだろ?」
「そうだけど―――。でも西門さん、最近遊んだりとかもしてないんでしょ?」
 つくしの言葉に、総二郎がちょっと目を見開いた。
「は?なんでお前知ってんの?」
「こないだね、美作さんから電話があって。その時いろいろ話してる中で美作さんが言ってたの。『総二郎も女遊び止めたし、いよいよ年貢の納め時か』って」
 つくしの話に、総二郎は顔をしかめ不機嫌そうにコーヒーを口にした。
「あのやろ・・・・・。てか、なんであきらがお前に電話すんだよ」
「類に電話してもなかなか通じないからって言ってた。特に用事もないんだけど、こっちの様子聞きたかったみたい」
「だったら、俺に電話してくりゃいいのに」
「あたしの声が聞きたかったんだって」
「はあ!?」
 総二郎が素っ頓狂な声を上げ、つくしがぷっと吹き出した。
「―――っていうのは冗談で、そのときたまたま仕事先で桜子と会ったとかで。わざわざ写メ送ってくれたの。あたしも最初にそれ言われた時にはびっくりして―――なんかドキドキしちゃったけど」
「お前な・・・・・類にチクるぞ」
 総二郎の言葉にけらけら笑いながら『だめ』と首を振るつくしを見つめながら。
 総二郎は内心、少し焦っている自分を感じ動揺していた。

 つくしと再会してからというもの、こうして頻繁に会うようになった。
 もちろん今は稽古のためだし、その前だって仕事で忙しい類の代わりのお目付け役みたいなものだった。
 類とつくしがようやく結婚というところまでこぎつけて、ほっとする気持ちがあるのも本心だけれど。
 それとはまったく別のところで、どこか寂しいような、心にぽっかりと穴があいてしまったような空虚感があるのも事実で。
 女と会うのも煩わしくなり、すべて別れてしまった。

 先日、あきらと電話で話していた時にはあきらにもからかわれた。
「お前、『卒業』みたいに結婚式で牧野掻っ攫ったりすんなよ」
 その言葉に。
 笑えない冗談だと、苦笑していたのだけれど―――。

 そのあきらにさえ自分と知らないところでつくしと話していたのかと思うと、もやもやとした気持ちが湧いてくるのだからこれは重症だと認めざるを得なかった。
 ただ、これが恋愛感情かというとそれとはまた違う気がして。
 それがなんなのかわからなことがまた、総二郎をいらつかせていた・・・・・。


 そんなある日のこと。
 いつものように総二郎の元へ稽古を受けにきたつくしが、とんでもないことを言いだした。
「しばらく、ここに置いてくれない?」
「―――――はあ!?」
 こいつ、頭がおかしくなったのかとつくしのことをまじまじと見つめると。
「あのね、うちのお父さんが今の勤め先でようやく正社員になって。で、社宅に移ることになったんだけど、そこが狭くって。で、どうせあたしはお嫁にいっちゃうんだし、いっそもう家を出ちゃおうかなって」
「出ちゃおうかなって―――だったら行くのは俺んちじゃなくて類のとこだろ?なんで―――」
「それがね、類の家、来週から改修工事することになってて」
「あ―――そういやそんなこと言ってたな。お前が来るのに合わせてガタが来てるとこ全部直すって」
「そうなの。で、類のとこにも行けないから―――」
 そう言われて、総二郎はいよいよ焦っていた。
 つくしと、同じ家で暮らす?
 そんなことしてもしおかしなことになったら―――
「ちょっと待てよ、いくらなんでも俺んちはまずいだろ?」
「なんで?だって、お稽古の時とか便利だし」
「便利とか、そういう問題じゃねえだろ?一応俺だって男で―――」
 その言葉に、つくしはきょとんと首を傾げる。
「問題ないでしょ?だって類も一緒だし」
「だから類も―――って、え?類?」
「その改修工事で類の部屋も直すから、しばらく他の部屋にって言われたんだけど、類がそれならあたしと一緒にホテルにでもいるって。でもホテルなんてもったいないじゃない?あ、もちろんここでお世話になった分はちゃんとお礼を―――」
「あほ、んなこといいよ」
「え―――でも」
「いいから。―――そっか。そうだよな」
 そう言って溜め息をつく総二郎を、つくしは不思議そうに見つめていた。

 総二郎は、微かに赤くなった頬を隠すように、片手で自分の顔を覆った。

 ―――まったく、心臓に悪いぜ。

 そう思いながらも。
 これからの生活に、一抹の不安を抱える総二郎だった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ああ、また総二郎が勝手に動き出してる。
 こうなると止まらない・・・・・
 でも、裏的なことにはなりません。たぶん。
 もし妄想が止まらなくなってしまったら、その時は裏で―――

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夢のあと vol.33 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「―――子供の頃の話よ。それにその子と会っていたのは2週間くらいの短い間のこと。そんなことずっと引きずってるわけ―――」
「でも、そうだったの。あのとき、どうしてあなたが日本に来たのかっていう話も聞きました。あなたの会社が一時的に危機状態に陥って、両親は金策に走り回り、精神的に追い詰められていたって。だから、小さなあなたへの影響を考えて日本に住んでいたお婆様の元で暮らせるようにしたって。だけどきっとその時のあなたはそんな事情は知らないから、両親に捨てられたような気持だったんじゃないかってお婆様は言ってました。言葉もわからないような異国の地に1人置いて行かれて―――その男の子と出会うまでは毎日泣いてばかりいたって。だからこそ―――その男の子は特別な存在だったんじゃない?あなたにとって―――」
「―――その子がいなくたって、私の周りにはいつもたくさんの人がいるわ。友達だって、恋人だって―――」
「いいえ、違う」
 ぴしゃりと、つくしが言い放った。
「どんな人たちがあなたの周りにいるのか知らないけど―――。今のあなたを見ていればよくわかる。それはね、友達じゃなくって取り巻きっていうのよ。あなたの家柄とか、容姿に惹かれてくっついてる人たち。そういう人たちを、あたしもたくさん知ってる。だけど本当の友達は、家柄も容姿も関係ない。その男の子だけは―――あなたの家柄も知らない、容姿も関係ない。本当の友達だったんじゃない?」
 つくしは、一歩レイラに近づくと、手紙の束を持ったレイラの手を両手でつかんだ。
「―――その手紙を、よく読んで見ればきっとわかる。本当の友達とか、恋人がどんなものかって。本当に愛してる人だったら、こんなふうに誘拐したり、傷つけようとしたりしない。あなたはただ、自分のプライドのために類と結婚しようとしてる。そんなの―――愛情じゃないよ」

 つくしの瞳から、涙が零れ落ちた。

 「類を、返して。あたしにとって―――かけがえのない人なの」
 射抜くようなつくしの視線に、レイラは怯み―――そして、つくしの手を振り払った。
「―――私に、手に入らないものなんてない―――」
 そう言い放つと、レイラはつくしに背を向け、走り出した。
「レイラ!」
 つくしの声に振り向くこともなく、ただひたすら走った。
 手紙の束を握りしめて―――


 別荘にたどり着いたレイラは、その扉を開け放ち―――固まった。

 類と総二郎が、目の前に立っていた。
 類の手からは手錠が外されていた。

 そして2人の後ろには、粘着テープでぐるぐる巻きにされた秘書や使用人たち―――。
「な―――何を!」
「やり過ぎなんだよ、お嬢様」
 総二郎が言った。
「あんまり俺たちを舐めてもらっちゃ困るな。こんなことして―――ただで済むと思うなよ?」
 ぞっとするほどの、鋭く冷たい視線。
 類もまた、冷たい視線をレイラに向けていた。
「帰らせてもらうよ」
「類!待って、私はあなたを―――」

 「ちょっと待てよ」
 突然後ろから聞こえた低い声に、レイラは弾かれたように振り向いた。
「あんたが話すべき相手はこっち―――そう、牧野に聞いてきた」
 そう言って司がその肩を押しやった人物。
 それは―――

 「レイラ、ちゃん?」
 色白でひょろりと背の高いその男は、懐かしげにレイラを見つめた。
 少し気の弱そうな、それでいて意志の強そうな瞳。
 今でも少年のような、穏やかな笑みを浮かべたその人物に、レイラの瞳が大きく見開かれた。

 レイラの手に、手紙の束が握られているのを見たその男は、嬉しそうに微笑んだ。
「手紙、受け取ってくれたんだね。フランスに帰るって言ってたから、届いてないかもしれないって思ってたんだ。でも、君のこと忘れられなくて―――ずっと、会いたいと思ってたよ」
「私―――わたしは―――」

 「レイラさんも、同じ想いだったと思いますよ」
 そう言ったのは、司の後ろから姿を現したつくしだった。
「そうでしょ?レイラさん」
「―――じゃ、俺たちはもう行くか。あ、わりい。こいつらのテープとってやって。ちょっと痛いと思うけど―――」
 総二郎に言われ、司の後ろに控えていた黒服の男たちが、レイラの使用人たちのテープをはがしにかかったのだった・・・・・。


 「まったく、この俺様を言いように使いやがって」
 迎えに来た車に乗り込み、司がふんぞり返って言った。
「まあまあ、親友の緊急事態だ、しょうがねえだろ?」
 という総二郎の言葉に、さらに眉をしかめる。
「何が!あきらの野郎、『俺はデートで忙しいから』とか言いやがって!あいつの方が近くにいたんだぞ!」
「まあまあ・・・・・ここは道明寺家の力じゃないとって思ったんだろ、あきらも。で、サフォーの方は―――」
「さっき、父親から電話があった。サフォーの会長が娘が勝手なことをして申し訳ないって謝ってたって。今回のことはレイラの独断だったみたいだ。で、うちも今回のことについては仕事のミスってのもあったし、今後こういうことは一切しないって約束で一応和解したみたいだよ」
 類の言葉につくしはホッとして―――
「よかった。もう、こんな騒ぎこれきりにしてもらわなきゃ」
「けど、マスコミ対策もちゃんとしとかねえと学校には行けねえだろ」
「ああ!それがあった!」
「ああ、それなら心配すんな。滋がいいシナリオ考えてっから」
 司の言葉に、つくしたちは顔を見合わせた。
「「「シナリオ―――?」」」


 翌日、スポーツ新聞にある記事が掲載されていた。

 それは、フランスの資産家サフォー家の1人娘、レイラのロマンス。
 幼いころの初恋。
 その想いを温め続け、ようやく再会できた2人。
 その舞台は日本。
 遠目に見れば、雰囲気が何となく類に似ているというので、それを誤解されて仕事で関係のある類とのロマンスが間違って報道されたと―――

 ともすれば相当無理がなくもなかったが、そこは道明寺と花沢の力を持って何とか美談に持ち込むことができたようで。

 騒ぎから1週間後、ようやくつくしは職場復帰することができ。

 このまま結婚までなだれ込むかと思われた時、それは起きたのだった―――。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 類君をいじめたいわけじゃないんですけども。
 つくしにやきもち妬かせちゃおうと思ってた企画がどうもうまくいかず。
 そしてやっぱり類君が―――

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夢のあと vol.32 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「その男の子のこと、好きだったんですね」

 つくしの言葉に、レイラははっとする。
「―――別に、そんなんじゃないわ」

 色白で、いつもにこにこしてて女の子みたいにかわいらしい男の子だった。
 レイラが遊びに行くと、いつも嬉しそうに迎えてくれて。
 片言の日本語を話しても馬鹿にしたりしないで、簡単な日本語をいろいろ教えてくれた、優しい男の子だった。

 そう、そう言えば。
 類に面影が似ていたかもしれない、とレイラは思った。

 「その男の子が、どうなったのか、聞いたことはなかったんですか?」
 つくしの言葉に、レイラは肩をすくめた。
「聞いてどうするの。心臓の病気だったって聞いたわ。きっと亡くなってしまったのよ。あの子はいつもにこにこしてたけど―――あの子の母親はいつも泣きはらした顔をしてた。きっと良くなかったのよ」
「―――死んでなかったとしたら?」
「―――え?」
 つくしの言葉に、レイラが戸惑う。
「彼は―――その男の子は、死んだんじゃなかったんですよ」
「―――どういうこと?なんであなたがそんなこと―――」
 つくしは、持っていたバッグの中から、1通の手紙のようなものを取り出した。
 そして、それをレイラに差し出す。
「これは―――あなたがフランスへ帰ってしまった後、お婆様のところへ届いたんだそうです。その時、近々ご自分もフランスへ行く予定だったお婆様はその時にあなたに渡そうと思っていたそうです。だけど、体調を崩し1カ月ほど入院しなければいけなくなってしまい、フランスへは行けず―――。退院後も自宅での療養が必要となり、寝たきりの日々が続いていたため、すっかり手紙のことは忘れて、つい先日手紙などの整理をしていて、気付いたそうです。あなたに謝っていました。長い間、忘れていて申し訳なかったって―――」
 差し出された手紙を、レイラは震える手で受け取った。

 ―――あの子から?あたしに?

 たった2週間ほどだったと思う。
 とても短い間のことだった。

 だから、レイラ自身その時のことは忘れかけていた。
 いや―――忘れようとしていたのかもしれない―――

 白い便せんには、子供らしいけれど少し弱々しい字で、文章が綴られていた。

 「―――あなた、読んでみて」
 そう言って、レイラは手紙をつくしによこした。
「私、日本語は話せるけれど、文字は苦手なのよ。これも、読めないわ」
「―――わかりました」
 つくしは手紙を受け取ると、それを読み始めた。

 「レイラちゃんへ
 いつもあそびにきてくれてありがとう。
 ぼくは、とうきょうのおおきなびょういんでしゅじゅつすることがきまりました。
 しゅじゅつしたら、レイラちゃんとおなじようにげんきになれるそうです。
 そうしたら、またいっしょにあそんでください。
 レイラちゃんといっしょにまたあそべるようになったら、ぼくはすごくうれしいです。
 いえはひっこしてしまうけれど、またきっとあえるよね。
 いつか、ぼくもふらんすへあそびにいきたいな。
                           とおる」

 ―――『とおる』
 ―――それが、彼の名前―――

 レイラの頬を、涙が伝っていた。
 でも、レイラ自身それに気づいていないようだった。

 「―――この後も、何度も手紙が来ていたようです。ただ、お婆様の具合がよくなくて、家政婦さんがお婆様には渡さずそのまま仕舞い込んでいたと」
「じゃあ、あの子は―――」
「ええ。おそらく、手術は成功したんだと思います。だから、本人から手紙が来るんですものね」
 つくしがにっこりと笑う。
「これは、お婆様からお預かりした彼からの手紙です」
 そう言って、つくしは紐でひとまとめにされた手紙の束をバッグから取り出した。
「―――手紙のことなんて、最初のお婆様からの手紙には書かれてなかったわ。ただ、あなたに―――大事なものを預けてあるから、話を聞きなさいと」
「ええ。お婆様に会いに行って、あたしや類のことをお話しました。類を返してほしいと。お婆様はそれをお聞きになって、この手紙をあたしに託されたんです。あなたは本当は優しい女の子だから、きっとわかってくれるはずだって。大事なものと別れる辛さを、あなたは知っているからって―――そう仰ってました」
「―――彼は、今―――」
「その最後の手紙―――どこからだと思います?」
「え?」
 レイラは手紙の束の、一番後ろにある封筒を見た。
 差出人の名前と、その住所が―――

 レイラの手が、震えた。

 それは、フランス語で書かれていた。
 住所は、フランス―――。

 「それは1週間ほど前に、本当に久しぶりに届いたようです。それを見て、お婆様が手紙の整理を思い立ち、それまで溜められていた手紙を見つけたんです。おそらく―――彼は今、フランスにいるはずです。ちゃんとあなたとのことを覚えていて、本当にフランスへ行ったんですよ」
「―――ああ!」
 レイラの目から大粒の涙が零れ落ち、声にならない声が、喉から絞り出された。
「私は―――忘れていたわ、そんな昔のこと。自分のことしか考えてなかった。自分の幸せしか!」
「―――ちょっと、違うと思うけど」
 つくしが、レイラを穏やかに見つめて言った。
「忘れてたんじゃなくて―――なかったものと思いこもうとしてたんじゃない?」
「何よそれ―――どういうこと?」
「たぶん―――その時のあなたはその男の子が死んでしまったと思ってしまったから。大切な友達の死を、小さなあなたは受け入れることができなかった。だから―――その時のことを、なかったものとして。忘れることで、あなたは自分自身を守ろうとしたんだと思う。それは、あなたが意識したんじゃなくて、本能的に、ね」
「―――なんでそんなこと、あんたにわかるのよ」
「―――あたしも、大切な人と別れた時に、すごくつらかったから。何度も―――別れなくちゃいけなくて、辛くて―――もし、忘れられるものなら忘れたいって、なかったことにできたらどんなにいいいかって。そう思った。だけど―――忘れることはできなかった。あたしは、もう小さい子供じゃなかったから。それに、辛かったけど―――それを乗り越えられたからこそ今のあたしがいるし、また恋を―――花沢類を愛することができたと思ってる」
 つくしの話を、レイラは黙って聞いていたけれど。
 その真意はやはり測りかねて。
「どうしてそんな話を私にするの?私だって類を愛してるわ。私は類と結婚するためにここへ―――」
「違う。あなたは類を愛してない」
 つくしの力強い瞳が、レイラを見つめた。
「あなたは―――今までいろんな人と付き合ってきたって聞いたけど、そのどれも本気じゃなかった。そうでしょう?それは、あなたはその人たちを見てなかったから。あなたはきっと―――その人たちの中に、いつもその男の子の姿を探してた。忘れていた記憶だけど、きっと無意識に探して―――もっと心の奥の方では、その子がまだ生きてるって信じてた」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 会話ばっかりで―――
 しかも変な話になってるし。
 しばし、お付き合いくださいませ。

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夢のあと vol.31 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「花沢は、一体何をやっているの!?まだ牧野つくしとの婚約解消を発表しないじゃない!」

 レイラはいらいらと叫び、爪を噛んだ。
「もう一度、花沢に連絡を!今日中に婚約解消しなければ類が危険だと言いなさい!」
 レイラの言葉に、ひげを生やした背の高い男が部屋を出ていった。

 レイラはいら立っていた。
 
 小さなころから手に入らなかったものはない。
 望めば、何でも手に入れられた。
 おもちゃでも、洋服でも、ペットでも、それから人でも―――。

 どんな男だって、レイラはその美貌とお金で虜にしてきた。
 レイラが見つめ、その微笑みを向ければ、誰だってレイラに全てを捧げて来たというのに。

 類だけは、思い通りにならなかった。
 彼が見つめているのは、ただ1人の女性、牧野つくしだ。
 どこにでもいる、一般庶民だ。
 どうしてそんなにも彼女がいいのか―――。

 「―――絶対に、手に入れて見せるわ―――!」

 1人呟いたその時。

 玄関の方でチャイムの鳴る音がした。
 
 ―――いったい誰・・・・・?

 もちろんレイラ自身は出ない。
 扉を開け、玄関の様子を窺う。

 使用人の1人が、玄関の扉を開けるのが見えた。
 そこにいたのは、小柄な若い女性。
 長く伸びた黒髪が外の光に反射して輝いていた。

 ―――あれは―――牧野つくし―――?

 ―――どうしてここが―――?

 使用人の男がつくしの言葉に首を振っているのが見える。
 日本語のわからない使用人は、つくしが誰なのかも知らない。
 つくしのことを単なる押し売りか何かと思っているのだろう。
 しばらく見ていると、つくしはバッグの中から手紙のようなものを出し、使用人に渡した。
 使用人はその手紙の差出人を確認し―――

 驚いたようにその手紙とつくしの姿を交互に見比べ―――
 やがて、慌てたようにつくしに待っているように言い、扉を閉めると中へ入って来た。

 レイラの秘書が、すぐに使用人の元へ行く。
 その秘書も、手紙を見て驚いているようだった。

 レイラは扉を開け、そこへ悠々と歩いて行った。
「何事?」
 レイラの声に、秘書は難しい顔で振り向き―――
 黙って持っていた手紙をレイラに差し出したのだった。
 レイラはそれを受け取り―――
 差出人の名前を見て愕然とする。

 ―――サフォー・乃木坂てる子。

 漢字で書かれた名前の後にはサフォー家の紋章。
 これは―――
「―――お婆様・・・・・」
「レイラさま―――」
「―――あなたたちは下がりなさい」
 レイラの言葉に、2人の男はその場を後にした。

 レイラは1人になると、手紙の封を開けた。
 きれいに畳まれた便箋を広げ、そこに書かれていた文章に目を通す。

 そして。

 1つ息をつくと、玄関に向かい、その扉を開けたのだった―――。

 「―――こんにちは」
 つくしが、玄関のポーチに立ち微笑んでいた。
 意志の強い瞳が、レイラを見つめていた。
 
 ―――これが、牧野つくし。類の愛する人―――

 「―――よかったら、外に出ませんか?今日はすごくいいお天気で、気持ちいいですよ」
 無邪気に笑うつくしに、レイラは戸惑い―――
 それから、頷いた。

 2人の後からは、レイラのSPが着いて来ていた。
 つくしはちらりとそれを確認し、歩き出した・・・・・。

 海辺まで歩いて行くと、つくしは白い防波堤に上り、腰かけた。
「―――潮の香りがする。気持ちいい―――!」
 両手を広げ、空を仰ぐつくし。
「―――あなたって、子供みたいね」
 レイラはつくしを見上げながら、そう言った。
 つくしが、レイラを見てふっと笑った。
「やっぱり、日本語お上手ですね」
「―――祖母に、教わったのよ。もうずいぶん昔のことだけど―――」
「聞きました。すごく泣き虫で―――すごくかわいい女の子だったって」
 つくしの言葉に、レイラはプイと顔を背けた。
 頬が、微かに赤い。
「昔のことよ。今は―――泣いたりしないわ」
「でしょうね」
「なんのつもり?こんな所へ1人で―――。あなた1人で類を取り戻しに来たの?できっこないのに、そんなこと」
「―――そうでもないと思いますよ」
「類は渡さないわ!」
 きっとつくしを睨みつけるレイラ。
 つくしはレイラの視線を穏やかに受け止める。
「―――お婆さんが言ってました。あなたは本当はとても優しい子なんだって。昔、日本に1人置いて行かれた時―――寂しさからずっと泣いてばかりいたけれど、病気の男の子と出会って、仲良くなっていくうちに笑うようになったって。毎日その男の子の家へ遊びに行って、励ましてあげていたって。自分が宝物にしていたおもちゃも、ないと眠れないと言って離さなかったぬいぐるみも、全部その子にあげたって。病気が治ったら一緒に遊ぶんだと言って、毎晩空を見上げながら星に願い事をしていたって」
「―――昔のことよ。結局その子だって死んでしまって―――」

 3日ほど、風邪をひいて遊びに行けなかった。
 早く会いたくて、その3日間はいてもたってもいられなかったけれど、その子に風邪をうつしたくなくて、早く治そうとおとなしく寝ていた。
 そしてようやく風邪が治って、レイラは朝早く起きてその子の家へと走ったのだ。
 でも―――
 いつものように遊びに行った家は、もぬけの殻だった。

 それから1週間後。
 レイラもフランスへ戻ることになったのだ―――。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 わがままお嬢様だって、子供のころは純粋な心を持っていたはず・・・・・。

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夢のあと vol.30 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 『申し訳ない。すぐにでも飛んでいきたいんだが、こちらの方はひどい嵐で当分フライトできそうにないんだ』

 電話の向こうで、類の父親、亮が申し訳なさそうに言った。
「いえ、そんな―――天候が悪いんですから、仕方ないです」
『ありがとう―――。ところで、君はレイラ・サフォーという女性について、類から何か聞いたことはあるかい?』
「いえ・・・・・」
『そうか―――。彼女については、こちらでもいろいろ調べていたんだ。何しろフランスにいたころからずいぶん類にご執心のようだったのでね。ただ、類にはそんな気はなくて―――むしろ毛嫌いしていたと言ってもいいだろう。例え君との婚約を解消して、私たちが彼女との結婚を認めたとしても類が素直に彼女と結婚するとは思えない。できることなら、類を見つけ出したいんだが―――』
 声だけでも、亮のやるせない気持ちが伝わってくるようだった。
「あの―――あたしに何かできることは―――」
『残念だが、今のところ―――いや、待てよ。―――そうか、確か彼女が―――』
「え?」
『―――牧野さん、これから私が話すことを、よく聞いてほしい』
 亮の声音が微かに変わった。
 つくしの背が、自然と伸びる。
「―――はい」


 その頃類は、葉山にある海辺の別荘の地下に、監禁されていた。

 油断していた気はないのだが、ホテルの駐車場に出たところで突然襲われ、気づいた時には手錠に繋がれ、ここへ連れてこられていたのだ・・・・・。
 手錠には縄がつけられ、部屋の中なら自由に歩き回ることができ、トイレにも行けたが部屋から出ることはできなかった・・・・・。

 かんかんと、階段を下りてくる足音を類はベッドに横になった状態で聞いていた。

 ほどなくして、レイラが扉を開け、現れた。
「類、ご機嫌よう」
 にっこりと微笑むレイラ。
 透き通るほどに白い肌にバラ色の唇、こげ茶色の大きな瞳。赤みがかった茶色い髪の毛はみごとなウェーブを描き背中まで伸びていた。
 類はレイラの方を見ようともせず、手元の本をぱらぱらと捲っていた。
「―――その本、もう読み終わってしまったの?新しい本、持ってこさせましょうか」
「―――必要ない。俺をここから出してくれ」
 レイラの方を見ずに平坦な口調でそう言う類に、レイラの眉がピクリとつりあがる。
「それには、あなたの返事が必要よ。あたしと結婚するっていう、ね。わかってるでしょう?今、あなたの自由はこのわたしが握っているのよ」
 不敵に笑うレイラにも、類の表情は変わらない。
「あんたと結婚はしない。そんなことしたってあんたの欲しいものは手に入らない」
「そんなことないわ。今、私が欲しいのはあなただもの」
「体だけを手に入れたって、意味がない。俺の心は、手に入らない。何度も言ったはずだ。俺が愛してるのは1人だけだと」
 類の言葉に、レイラは唇をかみしめ、拳を握りしめた。
「牧野つくし―――あんな子のどこがいいの!美人でもないし、何も持っていないじゃない。結婚したって花沢にとって何もプラスにならないわ!私なら―――」
「あんたじゃない」
 低い声で、遮られる。
 その声の鋭さに、レイラの体がピクリと震えた。
 類が、ようやくレイラに視線を向けた。
 鋭くて冷たい、まるで氷の刃の様な視線―――。
「たとえ、牧野と結婚できなくても―――俺はあんたとは結婚しないよ、絶対ね―――」
「類―――」
「こんなこと、無駄だよ。あんたにとってもプラスにはならない」
「そんなこと―――わからないわ!私に、手に入れられないものなんてないのよ。あなたの心だって、きっと手に入れて見せるから!」
 そう言い放つと、レイラは踵を返し部屋を出ていったのだった・・・・・。

 手錠に繋がれた縄は、丈夫でそう簡単に切れそうもない。
 携帯も取り上げられ、外界との連絡手段はない。
 が、類は落ち着いていた。
 誘拐はしたものの、レイラに類を傷つける気はないとわかっていたし、きっと外では何らかのアクションを起こしているはずだと信じていた。 
 少なくとも、総二郎やつくしが、何もしないでいるわけがないと踏んでいた。
 ただ心配なのは、やはりつくしのこと。

 じっとしていることが苦手なつくし。
 1人で動き回って、無茶な事をしないでいるといいのだけれど。

 それから、おそらく今総二郎と一緒にいるだろうことも想像に容易く、それも類にとっては心配の種だった。
 今のところ、友達という枠を保っている総二郎だけれど。
 それ以上の気持ちがないとは言い切れないんじゃないかという思いが、類にはあった。
 数多くの女性と付き合っている総二郎だけれど、表面上だけで付き合っているような女とつくしではわけが違う。

 つくしのこととなれば、何をおいても駆けつけること。
 飄々としているようで、つくしの傍にいるときは常に外野に目を光らせていることなど。
 つくしは気付いていないであろう総二郎の行動にも、類はちゃんと気づいていた・・・・・。

 この地下に人が下りてくるのは、食事を持ってくるときか先ほどのように、レイラが1日に数回様子を見に来るくらいだ。
 食事もナイフが使われるようなものではなく、ほとんどが手で食べられるようなものだった。
 逃げ出すための道具になりそうなものは一切なく、たまにスプーンやフォークが添えられている場合でも、プラスティック製の、もろいものだけだった。
 
 とりあえず今は、誰かが助けに来るのを待っているしかないのだ。

 類は小さく溜め息をつき、ベッドに横になると、目を閉じたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 つくしの敵ということは、F4の敵。
 レイラさん、その辺甘く見てると怪我するよ~

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夢のあと vol.29 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 メープルホテルのスウィートに連れて行かれたつくし。

 広すぎるその部屋にどうしていいかわからずきょろきょろとしていると、総二郎が苦笑して言った。
「少し落ち着けよ。なんか食うか?ルームサービスならとれるぞ」
「いらない。朝ごはん、食べてきたから。それより―――いつまでここにいればいいの?仕事だって、いつまでも休めないのに」
「まあそう焦るなって。とりあえずここにいてくれ。ちょっと出てくるから」
 そう言ってさっさと部屋を出ていこうとする総二郎。
「え、ちょっと待ってよ、どこ行くの?」
 その問いに、総二郎は振り向きちょっと笑って見せた。
「すぐ戻るから、おとなしくしてな」
 まるで駄々っ子をなだめるみたいに、頭を優しく撫でられ。
 つくしはそれ以上追及することができなくなってしまった・・・・・。


 誰もいない、広すぎる部屋。
 ソファーに身を投げ出し、考えるのはやっぱり類のこと。

 土曜日に別れたきり、連絡が取れなくなってしまった類。

 レイラ・サフォーという女性が現れたんだとしても、なぜ連絡してこないのか。
 もしかして、連絡できない状況なんじゃないだろうか・・・・・。

 そう考えると居ても立ってもいられない思いだったが、今ここで自分が動いても、きっと類のためにはならない。

 あきらや総二郎の言う通り、おとなしく待っているしかないのか―――

 しばらくすると、総二郎がノートパソコンを手に戻ってきた。
「類の奴と、何とかして連絡が取れないかと思ったんだが―――どうもまずいことになってるな」
「まずいこと?」
「ああ―――。類の秘書の田村さん、知ってるだろ?」
「うん」
「あの人と連絡が取れた。今―――類は行方不明だ」
 その言葉に、つくしの顔色がさっと変わる。
「行方―――不明?」
「ああ。土曜日、あれから類は空港のホテルに泊まっていたレイラに会いに行ったそうだ。で、そこで結婚を迫られ、類はそれを断った。花沢のミスは自分がフォローできるし、サフォーにも傷が残らないよう対処すると約束して、向こうを説得したらしい」
「説得、できたの?それならなんで―――」
「サフォーの方にしてみればそれで充分だったはずなんだ。納得できなかったのはレイラ本人だ。彼女は強引にでも類と結婚する気で来日したんだ。そんなことで納得できるわけがねえ。その後―――類は行方をくらませた」
「田村さんは?一緒だったんじゃないの?」
「それが、そのフォローの件もあって先に会社に帰されたらしいんだ。類は自分の車で帰ると言って―――。で、翌日。類の家に連絡があった。類を無事に帰してほしければ牧野つくしとの婚約を解消しろって」
 総二郎の話に、つくしはすぐに言葉が出てこなかった。
「―――それって―――だって、誘拐じゃない!警察に―――」
「警察に言えば類の命はないとさ。それでも黙って相手の言うことに従うほど花沢も馬鹿じゃねえ。類の婚約については両親の承諾もいるし、その両親が帰国するまで待ってくれと言ったんだ。で、相手もそれには渋々従ったんだが―――下手な工作しないよう予防線張ったつもりか、レイラとのロマンスをマスコミに流したんだ」
「婚約解消させて―――」
「その後はもちろん、レイラとの結婚を迫るつもりだろうな」

 つくしはしばらくじっと考え込んでいたが―――
「どうして―――あたしには何もしてこないの?」
 そう言って、総二郎を見つめた。
「あたしとの婚約を解消させたいなら、類本人を誘拐するよりも、あたしをまずどうにかしようとするのが普通じゃない?なのに、今のところあたしには何もしてきてない。どうして?」
 つくしの言葉に、総二郎はにやりと笑い頷いた。
「いいとこに気付いたじゃん。俺らも、それが不思議だった。けど―――たぶん、類本人を誘拐した方が自分たちにとって得だって判断したんじゃねえかって、あきらと話してたんだ」
「どう言う意味?」
つくしが訝しげに首を傾げる。
「結婚を断られるのはこれが初めてじゃない。向こうにいたころも何度もあの手この手で迫って―――それでも類は落ちなかった。言い換えれば、それほどお前のことを思ってたってことだ。そのお前を誘拐したら―――婚約は、解消するかもしれない。お前の身の安全を考えてな。けど、あいつはそれこそどんな手を使ってもお前を救い出すよ。そしてお前を助けた後は―――おそらくサフォーに待ってるのは破滅だ」
「―――そうか。だから・・・・・」
「ああ。お前を第一と考える類じゃなく、花沢を第一と考える類の両親と取引できるよう、類を誘拐したんだ」
 つくしは、ぎゅっと両手を合わせ唇をかみしめた。

 「―――類の、両親は・・・・・?」
 つくしの言葉に、総二郎は首を振った。
「連絡付かねえよ。田村さんによると、今2人はドイツにいるらしい。状況は伝えてるらしいけど、向こうも忙しいから―――」
「忙しいって、だって類が―――!」
「だから落ち着けって―――あ、待て、電話」
 バイブの音に気付き、総二郎が胸ポケットから携帯を出す。
「―――はい―――え?―――あ!はい、あの、御無沙汰を―――ええ」
 急に姿勢を正し、慌て始める総二郎をつくしは驚いて見つめていたが―――
「―――牧野」
「え、あたし?誰?」
「―――類の、親父さん」

 その言葉に。

 つくしは知らず、唾をごくりと飲み込んでいた―――。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 すいません、なんだか会話ばっかりで・・・・・・。
 類同様、類の両親だってそう簡単に言いなりには――――ね?

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夢のあと vol.28 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 月曜日の朝のことだった。

 そろそろ出勤の時間になろうかというところで、つくしの携帯が着信を告げた。
 誰かと思えば、総二郎で。
「―――もしもし。どうしたの?こんな朝早く」
『お前、TV見てねえのか』
「あ、今うちのTV故障してて―――何事?」
 総二郎の緊迫した声に、つくしは何が起こったのかと一瞬体を緊張させる。
『今から、そっちに行くから』
「え?でも、あたし今から仕事に―――」
『そんな場合じゃねえんだって!すぐつくから、表に出てなるべく人目に付かないようにしとけ!』
「は?どういうこと?西門さ―――」
『説明は後だ!いいな、俺の言う通りにしとけよ!』
 そう言うと、電話は切れてしまった。
「―――なんなの、一体」
 首を傾げながらも、つくしは総二郎の言う通りにしようと身支度を整え、アパートを出ようとした―――のだが。


 玄関を開けた途端、目がくらむほどのフラッシュがたかれ、つくしは思わず固まってしまった。

 呆然と立ちすくむつくしに、無数のマイクが付きつけられる。

 「牧野さん!婚約者の花沢類さんがフランスで交際していたという女性をご存じですか!」
 「有名な資産家のお嬢様だそうですが、類さんから聞いてましたか!?」
 「結婚を前提にお付き合いしていたとのことですが、3人の間で話し合いはされたんですか!?」
 「牧野さん、今のお気持ちを!!」

 矢継ぎ早に降り注がれる質問を、つくしはとてもじゃないがすぐに理解することは不可能で。

 動けずにいたところで、いきなり腕をグイっと引っ張られる。

 「牧野!!走れ!!」

 総二郎だ。

 考えている暇はなかった。

 つくしはただ引っ張られるままに走り出し、まるで壁のように目前を塞いでいた記者たちの間をすり抜けると、ようやく見えた総二郎の後ろ姿にホッとし、全速力で走りだした。

 「そこに車止めてるから、急げ!」
 細い路地を抜けたところに見える高級車。
 その車目指してつくしは走り続け、後ろから追いかけてくる記者たちを振り向きもせずにその後部座席に乗り込んだのだった・・・・・。


 「―――いったい、どういうことなの―――」
 ゼーハーと息を整えつつ、つくしはようやく声を絞り出した。
「フランスの資産家とか、結婚を前提に交際してたとか―――何のこと?」
 猛スピードで走る車を操作しながら、総二郎が口を開いた。
「俺にもわからねえ。まさかとは思うが―――」
「類が―――フランスにいた時、付き合ってる人がいたの・・・・・?」
 別に不思議なことではない。
 あれだけの容姿、そして家柄があればもてないわけがないし、つくしにだって恋人がいたのだから、もし類がつくし以外の女性と付き合っていたとしてもそれをつくしがとやかく言う権利なんてない。
 それはわかっているけれど―――。
「俺も、逐一あいつの様子をきいてたわけじゃねえけど―――。けど、あいつがお前一筋だったのは確かだ。結婚を前提に―――なんて、考えらんねえ」
「今、類は―――」
「連絡が付かねえんだ。おそらく、この騒ぎをかいくぐって何らかの方法はとってくるはずだけど―――」
 その時、西門さんの携帯が鳴った。
 西門さんはちっと舌打ちするとバックミラー越しに追手をまいたことを確認し、路肩に車を止めた。
「―――あきらだ」
「美作さん?」
「ああ―――あきら、わかったか?」
 しばらく向こうの話を聞いているらしく無言になる総二郎。
 つくしは、また記者が現れないかと周囲に気を配りながらも、総二郎の様子をうかがっていた。
「―――わかった。牧野に代わるから、説明してやってくれ」
 そう言うと、総二郎は携帯をつくしの方へ差し出した。
「あきらに、類のことを調べてもらっといた」
 その言葉に、つくしは目を見開いた。
 さすがと言うか、よくこの非常時に思いつくものだ・・・・・

 「もしもし、美作さん?」
『よお、牧野。大丈夫か?』
「大丈夫、だけど・・・・・どういうこと?」
『簡単に言うと、政略結婚させられそうになったんだよ』
「政略結婚―――」
『もちろん類にそんな気はねえし、知ってたら会わなかっただろう。会社の取引先の相手として、相手の会社の社長が連れてきたのが、今回言われてる資産家の娘ってやつだ。名前はレイラ・サフォー。向こうでは有名な宝飾メーカーの会社の会長の娘だ。仕事の話だって言っては何度か類を食事に誘ったりパーティーで同伴したりしてる。けど類にしてみればあくまでも仕事の相手だ。プライベートの誘いはすべて断ってる。モデル並みの美女で、女優なんかもやったことがあるような娘だ。プライドも高いし自分大好きなお姫様だ。類が自分に興味を示さないことにいらついてたんだろうな。強引に婚約の話を進めようとしたんだ。ところがそれに気付いた類がそのメーカーとの取引を一切断ると言って来た。―――婚約の話を白紙に戻さないならってことで。で、サフォー側は慌ててその話を無しにした。で、その話はおしまい―――になったはずだったんだけど』
「何か―――あったのね」
 電話の向こうで、あきらが息を吐き出したのがわかる。
 つくしは、ごくりと唾を飲み込んだ。
『これは類のせいじゃねえんだけど―――向こうで、花沢の社員がミスったんだ。大したミスじゃねえんだけど―――サフォーが関わってる仕事で、サフォーに損害が出ちまった。小さな損害でも、サフォーの名に傷がつくことは避けられない状況で―――その取引からサフォーが手を引くって言いだしたんだ。ただし、条件をのむなら考えなおすと言って』
「その条件て―――」
『察しの通り。類との結婚だよ。レイラは類を諦めてなかった。と言うより、プライドを傷つけられた事が許せなかったんだろ。有名なプレイガールで、恋人なら何人もいたんだからな。類とのことが本気だったとは思えねえ』
 あきらの言葉に、つくしは考え込んだ。
 レイラという女性が本気かどうか、それはつくしにはわからないけれど。
 今がとてもまずい状況なんだということはわかった。
「―――あたし、どうすればいいの?」
『今は、とりあえず総二郎と一緒にいろ。おそらく職場にも記者は行ってるはずだし、仕事どころじゃない。必ず類から連絡があるはずだから―――いいな、お前は余計なことしないでおとなしくしてろよ。俺の方でもできるだけのことはするから』
「うん―――わかった」

 電話を終え、携帯を総二郎に返す。
「―――これから、どこに行くの?」
「俺が連れだしたのもばれちまってるからな。俺の家には行けない。―――さっき、ここへ来る前司に連絡した」
「道明寺に?どうして―――」
「内密に、メープルの部屋を提供してくれるって話だ。とりあえずそこへ行く」
 グンとスピードを上げて走り出す車の中で。

 つくしは、通り過ぎていく街並みを眺めた。

 ―――類。今頃、どうしてる・・・・・?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 総二郎が絡んでくるお話は、『総つくバージョンも読みたい』というご要望をよくいただきます。
 そうしたいのは山々なんですが―――
 あまり欲張ると頭がパンクしてしまいそうなので、総つくはまたいずれ、ということで。
 楽しみにしていただけると嬉しいです♪

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夢のあと vol.27 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「あの司と滋が婚約とはね」

 土曜日、類の部屋で。

 なぜか総二郎と3人でくつろぎながらTVを見ていた。

 司と滋の婚約発表の記者会見。
 ちらりと昔の、つくしとのことを聞こうとした記者もいたが、司と、その隣に控えていた司の母親に睨まれ、それ以降は一切その話題は出ず。
 カメラのフラッシュがたかれる中、司と滋は何度も見つめあい、和やかな記者会見となったのだ・・・・・。

 「まあ、これで司とのこともはっきりしたし―――お前らも心置きなく結婚できるんじゃねえ?」
 総二郎の言葉に、類とつくしは顔を見合わせた。
「そうだね。俺はつくしさえいいって言えばいつでもいいんだけど」
「え?あたし?」
「婚約はしてくれたけど―――結婚っていうとその話から逃げようとするからさ」
 類の言葉に、つくしはそうだったっけと首を傾げる。
 確かに、結婚はまだ急がなくてもいいかなとは思っていたけれど―――。
「時期だけでも、決めちゃえば。婚約期間が長過ぎると返って婚期が遅れることもあるらしいから」
 との総二郎の言葉に、確かにそうなのかも―――と考え始めるつくし。
 そんなつくしを見て、類はちょっと嬉しそうに微笑んだ。
「よかった」
 類の言葉に、目を瞬かせるつくし。
「何が?」
「結婚する気がないわけじゃないんだ」
「あ、当たり前でしょ。あたしだっていつかはって―――」
「じゃ、来年3月」
「―――は?」
「なんだよ、もう決めてんのか」
 総二郎の言葉に、類がにやりと笑う。
「総二郎もさっき言ってたけど―――待ってると長くなりそうだからさ、勝手に決めてきた」
「な―――じゃああたしの意見って、最初から必要ないんじゃない」
「そんなことないよ。牧野が嫌だって言うなら無理にとは言わない。でも―――嫌とは言わないでしょ?」
 そう笑顔で言われて。

 つくしはその頬を染めながらも、ちょっと口を尖らせ拗ねたような表情を見せた。
「―――言うわけ、ないじゃない。嫌だなんて―――」
 そのまま見つめあう2人に。

 総二郎がふーっと溜め息をつくと、立ち上がった。
「俺、帰るわ。このままだと存在忘れられそうだし。式の日取りが決まったら教えてくれよ―――」
 と言ったところで、類の携帯が着信を告げた。

 「―――はい―――うん―――」
 電話に出た類の表情が、徐々に曇っていくのを見て総二郎は出ていこうとしていた足を止めた。
「―――断れないの?―――でも、俺は―――」
 眉間にしわを寄せ、困ったように溜め息をつく。
 仕事の話なのか、難しい顔で考え込む類。
 つくしと総二郎はちらりと顔を見合わせた。
 類が、そんな表情をすることは珍しい。
 余程難しい問題なのか―――

 「―――わかった。後でこっちから連絡するって言っておいて―――。うん、じゃあ」
 電話を終えた類の表情もやはり曇ったままで。
「おい、どうしたんだよ。何かトラブルか?」
 総二郎の言葉に、軽く首を振る。
「いや―――ごめん、ちょっとこれから出なくちゃならなくて―――」
「仕事?」
「うん、まあ―――」
 つくしの問いにも、なんだか歯切れが悪い。
 明らかにいつもの類ではないのだ。
 それが気にはなったが―――

 「―――わかった。牧野、俺の車で送ってくから乗れよ」
「え、でも―――」
「ほら、行くぞ」
 そう言って総二郎がつくしの腕をグイと引っ張る。
 いつもだったらそこで文句を言うはずの類だが、この時はそれを気にする余裕もなく。
「ごめん、後で連絡する」
 そんな類を見て。
 つくしは仕方なく立ち上がると、総二郎とともに家を出たのだった・・・・・。


 「ありゃあ、よっぽどのことだぜ」
 車を運転しながらそう言う総二郎に、つくしも頷いた。
「なんだろう。やっぱり仕事で何か―――」
「いや、あれは違うな」
 妙に確信めいた総二郎の言葉に、つくしは眉を顰める。
「どういうこと?」
「仕事って感じじゃなかったってこと。あれは―――」
 そこまで言って言葉を止めると、つくしをミラー越しにちらりと見る。
「な、何?」
「いや―――。あんまり心配すんな。あいつのことだ、きっとうまくやんだろ」
 なんだか総二郎まで歯切れが悪い。
 つくしは首を傾げ―――
 家に帰ってからもなんだかすっきりしない気分で過ごすことになり。

 そして翌日の日曜日にも、結局類から連絡が来ることはなかったのだった―――。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今度は類の方に問題発覚?
 いつもつくしのトラブルばかりなので、たまにはね。

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夢のあと vol.26 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 いまさら、司が自分に何の話があるというのか。

 つくしにはわからなかったけれど。

 とりあえずいつもどおりに生活するしかない。

 類が心配して毎日のように迎えに来てくれてはいたけれど・・・・・。

 『だからさ、一緒に住んじゃおうよ』
 『いっそのこと結婚しちまえばいいじゃねえか』
 類と総二郎の言葉に、つくしはう~んと考えながら。
『とりあえず―――道明寺の話っていうのがなんなのか、聞いてみなくちゃ分からないでしょ』
 と言った。
 心配する2人をよそに、『いまさら、あたしに言い寄ったりはしないでしょ』と何とも楽観的な言葉を付け加え、つくしは笑ったのだった・・・・・。


 「不安じゃないわけじゃ、ないんだけどね」
 学校の昼休み。
 つくしはいつものように非常階段で独りごちた。

 たまに神出鬼没的に、類が現れたりするのだけれど、今日は―――

 「相変わらずここにいるのか」
 と言う声に、つくしは不思議なくらい落ち着いて振り向いた―――。
「進歩ねえな、おめえは」
 そう言ってにやりと笑う司。
 少し大人っぽくはなったけれど、その瞳は昔の司だった・・・・・。

 「あんまり、波風立てないでよ。せっかくうまくいってるのに」
 司と並び、空を見上げながらつくしが言った。
「言うじゃねえか。俺は邪魔ものかよ」
「そうよ。今、あたしは花沢類の婚約者なんだから」
「―――わかってるよ。別に、邪魔しようと思って来たわけじゃねえ。ただ―――お前が結婚しちまう前にちゃんと会って、話がしたかったんだ」

 司との婚約を解消した時も、やっぱり司が忙しくって直接会って話すことはできなかった。

 そのことは、つくしにとってもやはり心残りとはなっていたが・・・・・。

 「いまさら、なんの話?もう終わったことでしょ?」
 つくしの言葉に、司は苦笑した。
「それはそうだ。だが、俺にとってお前の存在価値が変わったわけじゃねえ」
「あたしの―――存在価値?」
「ああ。あくまでも俺の中の問題だけどな―――。いろいろ、あったみたいじゃねえか。ストーカー教師に生意気な高校生、犬屋についでに総二郎の奴も」
「―――よく知ってるね。てか、犬屋って・・・・・ブリーダーっていうのよ。それにあの人は別に関係ないでしょ。西門さんとだって、別に何もないよ」
「どうだかな。今までは何もなくても、この先どうなるか。何しろお前はじっとしてねえ奴だから。どんなトラブル持ってくるかわからねえ」
「あのねえ―――。あたしだっていつまでも高校生じゃないんだから」
「だから余計に心配なんだろうが」
 そう言って、司はつくしをじっと見つめた。
 真剣な瞳。
 それは、高校生のころを思い出させる―――つくしだけを見つめていたころの瞳だった。
「道明寺―――」
「類とのこと―――邪魔するつもりはねえよ。俺はお前との関係を続けることができなかった。いろいろ、仕事でもプライベートでも、背負込んだもんがでかすぎて―――お前との将来ってのが見えなくなっちまった。だから―――類がお前の傍にいてくれるようになったこと、よかったと思ってる。お前を幸せにできるのは、あいつしかいねえ。そう思ったから―――。余計なことはしねえほうがいいと思ってたけど、あのストーカー教師はお前が思ってたよりもずっと危険な男だと思って、遠ざけといた。高校生とか、犬屋の方は類や総二郎が傍にいりゃあ大丈夫だろうとは思ったけど・・・・・。総二郎には気をつけろよ。あいつは女に関しちゃ油断できねえ野郎だからな」
 司の言葉に、つくしは瞳を瞬かせ―――
「やっぱり、東野先生のことはあんたの仕業だったのね。まあ、もういいけど・・・・・。西門さんのことは、大丈夫だよ。類もやたら心配するけど、そんなんじゃないんだから」
「お前のそういうところが心配なんだ。あんまり自分の力を過信すんな」
「そんなつもり、ないけど―――。話っていうのは、そのこと?」
「それもある。それから―――お前に、報告しなきゃならねえことがあって」
 そう言うと、司はつくしから目をそらし、空を見上げて一つ咳ばらいをした。
 微かにその頬は赤いように見えた。
「道明寺?なんなの?」
 つくしに促され―――
 司は、一つ息をつくと、ようやく口を開いた。
「―――婚約が決まったんだ」
 その言葉に、つくしは目を見開いた。
「婚約?あんたが?」
「他に誰がいんだよ」
「そうだけど―――誰と?あたしの知らない人?」
「いや―――よく知ってるやつ」
「て―――」
「滋、だよ」

 つくしは驚きに目を見開き―――

 司は、照れながらも、先を続けた。
「先月―――急にN.Yに現れて。たまたま時間ができて、一緒に飯食ったりして―――そういうことになった」
「そういうことって―――やだ、本当に?おめでとう!滋さんと―――そうなんだ!」
 つくしは、本当に心から喜んでいた。
 滋とは、しばらく会っていないがたまにメールのやり取りなどはしていた。
 司のことは聞いていなかったけれど―――
 つくしには、言いづらかったのかもしれない、と思った。
「―――後で知った話。たまたま時間ができたり、食事したりしたのはおふくろのお膳立てもあったらしいけどな」
「は?そうなの?あの魔女―――あ、ごめん」
「いや、いいよ。マジであいつは魔女だからな。けど―――今回はよかったと思ってる。滋といると、俺は本来の自分を取り戻せる。あいつといると、ほっとできるんだ。俺は―――あいつを幸せにしてやりたい」

 そう言って前を見据えた司の瞳は昔のように強い光を宿していて。

 つくしは、その瞳を懐かしく思い―――そして、おとなになった司に少しの寂しさと、安堵の気持ちを感じていた。

 「―――おめでとう、本当に。教えてくれてありがとう。滋さんを―――絶対幸せにしてあげて」
 つくしの言葉に、司はにっと微笑んだ。
「ああ。明日、婚約発表がある―――。その前に、お前に報告しておきたかったんだ」
 司の言葉に、つくしも素直に微笑んだ。
「ありがとう。滋さんにも―――おめでとうって伝えて。幸せになってって」
「ああ、伝えるよ。必ず。あいつにとっても、お前はかけがえのない存在なんだ。だから―――お前も、必ず類と幸せになれ」
「うん」

 司がすっと手を差し出し、つくしもそれに応えるように手を差し出した。

 かたく交わした握手は、お互いの幸せを願う、温かいぬくもりとなって2人の心を満たしていた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 司の野生の勘、今回は当たるのか?
 ブリーダーさん、出番少ないしなあ。
 総二郎も――――なぜか、出てくるとつくしにちょっかい出したがるので大変です。

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夢のあと vol.25 ~花より男子・類つく~

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 「あ、先生幸せそうな顔してる」

 廊下で、突然かけられた声にドキッとして振り返る。

 そこにいたのは予想通りちょっとおもしろくなさそうな顔をした優介だった。
「婚約者、帰って来たんだ」
「―――まあね。村上くん、そういう話、ここでは―――」
 つくしが声をひそめると、優介は肩をすくめた。
「先生と婚約者の話なら学園中の奴らが知ってるよ。なんてったってあのF4が相手なんだから。別にいいじゃん、やばいことしてるってわけでもなし」
「そうだけど―――、村上くん、なんか性格変わった?」
 つくしの言葉に、優介がくすりと笑った。
「俺はもともとこういう奴。ずっとポーズ作ってただけ。―――こないだ牧野先生に言われて・・・・・なんか気が楽になったんだ。もう、『みんなの人気者』を演じなくてもいいんだなって。感謝、してるよ。失恋しちゃったけどね」
 そう言って笑う優介に、つくしは微笑んで見せた。
「いい顔、してる。大丈夫。そのままの村上くんでも十分人気者になれると思うから」
 もともと、演じる必要なんてない。
 どこかすっきりした顔の優介を見て。
 優介と関わってよかったのかもしれないと、つくしは思ったのだった・・・・・。


 「―――満たされた顔してやがんなあ」

 放課後、学校を後にしたつくしの目の前に現れたのは、いつもの車に乗った総二郎だった。
「お前、昨日家に帰ってねえだろ」
 にやりと笑みを浮かべた総二郎に、つくしの顔が朱に染まる。
「な、何でそんなこと―――」
「そんな顔してりゃあ聞かなくてもわかる。―――ま、いいや。乗れよ」
「え―――どこに行くの?」
「空港。あきらの見送り」


 「結局、美作さんが日本にいる間に1度しか会えなかったね」
 空港であきらを前にして、つくしは寂しそうに言った。
「くそ忙しかったからなあ。類とも会えなかったし」
「あいつも帰って早々忙しいみたいだな。来たがってたけど―――」
 総二郎はぐるりと空港を見渡した。
「しょうがねえよ。今度会った時には絶対飲みに行こうって言っといてくれ」
「了解。今度はいつごろ帰ってくるんだ?」
「さあな。1年後か2年後か―――。そんときゃ連絡するよ。お前も襲名の時には連絡寄越せよ。お祝い送るから」
 にやりと笑うあきらに、総二郎は肩をすくめる。
「その話はやめろよ。胃がいてえ」
 総二郎の言葉に、今度はつくしが驚いて目を見開く。
「え、西門さんでも胃が痛くなるなんてことあるの?」
 その言葉にあきらが噴き出し、総二郎がうんざりしたようにつくしを見る。
「てめえ―――俺のことどういうふうに見てんだよ」
「ご、ごめん。あんまりにも態度がふてぶてしいもんだから」
 つくしの言葉に、総二郎の額に青筋が浮かぶ。
「おい牧野。それ以上総二郎を怒らせると無事に帰してもらえねえぞ」
 あきらがくすくすと笑いながら言う。
「お前も、元気でな。類との結婚式には必ず出席するから忘れずに知らせろよ」
「忘れるわけ、ないよ。美作さんこそ―――海外にいすぎて、日本のこと忘れないようにね」
「了解」
 ふっと、優しい笑みを浮かべるあきらに。
 
 ―――ああ、やっぱり美作さんの笑顔は優しい。

 いつも、みんなの気付かないところで努力してる人だった。
 この人がいなければ、きっとF4は成り立たなかった・・・・・。

 今でもきっと、陰ながら努力しているんだろう。

 搭乗口へと消えていくあきらの後ろ姿を見つめ。
 これからきっと彼に訪れるだろう幸運を、つくしも総二郎も願っていた―――。

 「行っちゃった!?」
 突然後ろから聞こえてきた声に、つくしと総二郎が驚いて振り向く。
「類!」
「ちょ、待て、―――あきら!!」
 まさに、消える寸前だった。
 総二郎の声に振り向いたあきらが、類の姿を目に入れ、驚きと、そして喜びの表情を浮かべた。

 そして大きく手を振るあきらに、類も手を振り返す。

 すぐにあきらは見えなくなってしまったけれど。

 類は満足そうに微笑んでいた。
「よかった、ぎりぎり顔が見れて」
「びっくり―――すごい急いだんだね。汗びっしょりだよ」
 珍しく類が汗をかいているのを見て、つくしは目を丸くした。
「うん。久々、走った。牧野が足滑らせて頭打った時以来かも」
 その言葉に、つくしの顔が引きつる。
「うわ、懐かし」
「んなこともあったなあ。あんときの司にもマジ驚いたけど―――」
 総二郎の言葉に、つくしの顔色がふと曇った。
「あ、わりい」
「ううん―――。それよりも今朝、メールが届いたの」
 そう言ってつくしは、バッグから携帯電話を取り出した。
「メール?誰から?」
 類の問いに、つくしは黙って携帯を操作すると、その画面を類に見せた。
「―――!司・・・・・」
「は?マジ!?」
 総二郎も驚いてつくしの携帯を覗き込む。

 そのメールは実に簡単な文章が綴られていた。

 『来週、日本に帰る。

 その時に、話がしたい

              司』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さあて、司は何をするつもりかな?

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夢のあと vol.24 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「結婚しよ」

 唐突な類の言葉に、つくしは目を瞬かせた。
「はい?」
「何その間抜けな返事」
 類がむっと顔をしかめる。
「だ、だって急に―――」
「急じゃないでしょ。婚約してるんだし」
「でも」
「やっぱりこれ以上牧野を1人にしておけない。俺がいない間に―――高校生に迫られたり、総二郎と2人でこんなことしてるし」

 帰る前に改めて類と2人、掛井の家を訪れていた。

 柴犬の仔犬を抱き上げ、じっと見つめあったりしている様子はなんだか不思議だった。

 「こんなことって・・・・・犬を見に来てただけだよ」
 きょとんとしているつくしをちらりと睨み。
「そのブリーダーだって、結構いい男だったし?言っとくけど、1人でここに来ちゃだめだよ?」
「こ、来ないけど―――西門さんにも1人では来るなって言われたし。でも別に―――」
「それも気に入らない」
 ぷいっと顔をそらし、類は再び仔犬を見つめた。
「なんで総二郎が牧野にそれを言うわけ」
「え・・・・・っと、それは・・・・・類に気を使ったんじゃない?」

 何とか考えて言葉を続けるつくしに、類は溜め息をつく。

 類にしてみれば、高校生やブリーダーの存在はたいした問題じゃなかった。

 もちろんつくしに近づく人間はどんな奴だろうと気に入らないのだが。

 それでも、つくしのことは信じていたし、他の誰にも渡すつもりなどない。

 だが、総二郎の存在はつくしにとっても特別だ。

 同じF4として、類にとってもライバルになったらやりにくいことこの上ない相手だと思っていた。

 総二郎の、つくしに対する気持ちは今のところ友達以上恋人未満といったところだと思っている。

 その気持ちが、これ以上『恋』に傾いて行かないよう願いたいものだが―――。

 「ね、名前決めようよ」
 つくしが、類から仔犬を受け取り、自分の胸に抱いて言った。
「類が帰ってきたら、2人で決めようって思ってたの」
「―――なんか、考えてる名前とかあるの?」
「ううん。男の子だから、かっこいい名前にしてあげようかなーとは思ってるけど」
「じゃあ、ゆっくり決めればいいよ。今日はもう、帰らない?」
 類の言葉に、つくしははっとして仔犬を下ろす。
「あ、ごめん。疲れてるよね?帰国したばっかりで―――じゃ、帰ろうか」


 掛井の家を後にした2人は、しっかりと手を繋ぎもう暗くなってきた道を歩いていた。

 「車じゃないの?」
「駐車場がちょっと離れたとこにしかなくて。もうすぐ着くよ」
「そっか。でも、こうして歩くのもいいよね。ほら、星が見える」
 つくしが空を見上げる。
 つられて、類も空を見上げる。
「ホントだ。なんか―――日本の空だね」
「―――お帰り、類」
「ただいま」

 ふと見つめあい、唇を重ねる。

 離れがたい気持ちは、つくしだって同じ。

 どんなに会いたかったか。

 すぐに結婚、とはいかなくてもやはりいつも一緒にいたいという気持ちはいつだって持っているのだから・・・・・。

 「このまま連れて帰りたいな。離れたくない―――」
 つくしを抱きしめ、その耳元で切なげに囁く。
 つくしの体がピクリと震えた。
「―――でも、明日は仕事だし」
「うちから通えば」
「でも―――」
「今日は、一緒にいたいんだ。結婚のことは置いといてもいいから―――うちに、来て」

 熱っぽくつくしを見つめる類の瞳。

 そんな風に言われてしまえば、つくしに抗うことなんてできなくて。

 つくしはそのまま類の胸に身を預け―――

 こくりと頷いたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今日だけで済むかなあ?

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夢のあと vol.23 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 それから1週間後、つくしは再び総二郎と掛井宅を訪れていた。

 「うわあ、またちょっと大きくなった!尻尾振ってる!」
 そう言って仔犬を抱きしめるつくしを見て、総二郎が苦笑する。
「お前、すっかりはまってんじゃん」
「だって、この1週間、仕事中もこの子のことが気になって気になって―――」
「もしかしてもう名前決めてるとか?」
「う~ん、考えてはいるよ。西門さんは?名前決めた?」
「俺はまだ。ゆっくり考えようと思って」
「あたしも―――できれば、類と一緒に決めたくって」
 そう言って頬を染めるつくしを見て、総二郎が目を細めた。
 そしてそんな2人のやり取りを見て、掛井が微笑む。
「兄妹みたいだな。総二郎君、男兄弟だからそういう妹が欲しかったとか?」
 掛井の言葉に、総二郎はゲッという顔をする。
「妹なら、もっとおとなしくてかわいい子の方がいいよ。こいつは世話がかかり過ぎ。早く嫁に行ってほしいわ」
 その言葉に、つくしが頬を染めながらもむっと顔をしかめる。
「何よ、言われなくったって行くもん」
「嫁に行ったらいったで寂しいんじゃないの?」
 くすくすと笑う掛井。
 つくしと総二郎は顔を見合わせ・・・・・
 お互い、苦笑したのだった・・・・・。


 「確かに、寂しくなるだろうなあ、お前が嫁に行ったら」
 掛井の飼っている柴犬を散歩させるため、つくしと2人、2頭ずつ手綱を引きながら遊歩道を歩いていた。
「ええ?でも別に今までと変わらないでしょ?」
「変わるよ。やっぱ人の奥さんとなれば気ィ使うだろ。こうやって2人で会ってたりしたら周りにも何言われるか」
「そうかなあ。でもそうしたらちょっと寂しいね。お互い、犬の散歩とかで会えたら楽しいかも」
「ああ、いいな。けど―――絶対類がくっついてくるんだろうなあ」
 と、総二郎は遠くを見つめるように空を見上げた。

 近い将来、こうして犬を散歩させている自分と、つくし。そしてつくしの傍にはきっと類がいる。

 そんな未来予想図を楽しみにしながらも、やっぱり少し寂しい気持ちがあるのを、認めざるを得ない総二郎だった・・・・・。

 「類から連絡あるのか?そろそろ帰ってくるころじゃねえの?」
 総二郎の言葉に、つくしは頷いた。
「うん。来週くらいには、帰れそうって言ってたけど・・・・・。でも大丈夫かな。かなり強行軍で頑張っちゃってるみたいだから、体の方が心配。倒れたりしなきゃいいけど―――」

 「俺はそんなに軟じゃないよ」

 びっくりするくらい近くから聞こえてきた声に。

 2人はほぼ同時に弾かれたように振り向いた。

 そこには、不機嫌な表情で2人を見つめる類が、上着のポケットに手を突っ込んで立っていたのだった・・・・・。

 「類!どうして―――」
 つくしの声に、類はさらにむっとする。
「帰ってきちゃまずかった?ずいぶんいい感じだったみたいだけど」
「何言ってんのよ!いつ帰ってきたの?教えてくれれば空港まで迎えに行ったのに―――!」
 手綱を引いたまま、つくしは類に駆け寄る。
 その後を、総二郎がゆっくりとついて行く。
「驚かせようと思って・・・・・。牧野の家に行ったら、犬を見に行ったって言われて」
「よくわかったな、ここが」
「―――総二郎に聞いてたブリーダーの名前で住所調べて、今行って来たところ。2人で散歩に出たって言うから」
 言いながらも、類はじっとつくしを見つめていた。

 つくしは、言葉にならない思いで類を見つめていた。

 まだ1ヶ月も経っていない。

 本当は3ヶ月はかかると言われていたのだ。

 そのくらい、会えないことだって覚悟してた。

 その前は1年以上離れていたのだし。

 それでも、今こうして類が目の前に現れて。

 どれだけ自分が類に会いたかったかというのを思い知らされているようだった・・・・・。

 「―――牧野、そっちの2匹貸せよ」
 総二郎が、つくしの手から2頭の手綱を受け取った。
「先に行ってるから―――掛井さんには言っとく。じゃあな、類。連絡しろよ」
「ああ。―――総二郎」
 類の声に、総二郎が振り向く。
「―――サンキュ」
 その言葉に、総二郎はにやりとして。
「別に。俺がしたくてしてたことだし。これからも油断はするなよ?」
 そう言って4頭の犬を連れていく総二郎の後ろ姿を、類は複雑な思いで見つめていたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 波乱という波乱でもなかったかな?
 でも、類にとってはきっとはらはらし通しの期間だったに違いない!

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夢のあと vol.22 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「うあ、ちっちゃ!かわいい!」

 犬舎に案内してもらったつくしは、そこにいた柴犬の赤ちゃんに感動していた。

 「この子たちがちょうど今生後1カ月。これからワクチン打って、問題なければ3ヶ月以降から引き渡しできるんだ」
「へえ。すっごいかわいい。西門さんはどの子もらうの?」
「俺はこの子。毛色が渋いだろ」
 そう言って総二郎が抱き上げたのは、確かに他の子たちと比べるとちょっと毛色が濃い男の子。
「兄弟でも、こんな風に色が微妙に違うことってあるんですね」
 つくしが聞くと、掛井が微笑んで頷いた。
「そうだね。みんな同じように見えても、それぞれ性格も違うし、よく見ると微妙に違うところがあるんだ。だから、生まれたころから見てると仔犬を間違えることはないんだよ」
「へえ・・・・・」
 仔犬を代わる代わる抱き上げながらじっと見つめているつくしを、掛井は楽しそうに見つめていた。
「その、今抱き上げた子―――その子だけ、まだ新しいオーナーが見つかってないんだけど、牧野さんどう?」
「え、あたし?」
「うん。もし飼う気があるなら譲るけど」
「え、でも―――」
「類に言って、買ってもらえば。お前が飼うってことはゆくゆくは類も一緒に飼うってことだろ」
 総二郎の言葉に、つくしの頬がポッと染まる。
「で、でも、あたし今アパート暮らしだし。ペットは飼えないところだから、無理だよ」
「そうか、残念だな。すごく可愛がってくれそうだと思ったんだけど」

 確かに見ているとかわいくて、このまま連れて帰りたい気分にもなってしまうのだが―――

 「未練ありって顔」
 総二郎がくすりと笑った。
「類に相談してみれば。類のとこなら面倒見る人間もいっぱいいるし、安心だろ?」
「―――じゃ、聞いてみようかな」


 「彼が帰ってきたら、一緒に見に来るといいよ。引き渡しは3ヶ月以降だけど、僕がいるときならいつでも会わせてあげるから」
 にっこりと微笑む掛井に、つくしもホッとして頷いた。
「はい、ありがとうございました。楽しかったです」
「類がいない間は俺が付き合ってやるから、そんときは連絡しろよ」
「うん」
 つくしと総二郎のやり取りを見ていた掛井が、ちょっと目を見開いた。
「ふーん、総二郎君のそういう顔、初めて見たな」
「そういう顔?」
 総二郎の言葉に、掛井がふっと笑って、
「すごく、大事なものを見るような顔、してるよ」 
 と言ったのだった・・・・・。


 「気にすんな」
 つくしを送る車の中で、総二郎が言った。
「心配しなくても、『大事』っていうのはあくまでも友達として、だから」
 その言葉に、つくしはちょっと頬を染めながらも頷いた。
「わかってるよ。女としては、見てないって言うんでしょ」
「そういうこと。世話の焼ける妹みたいなもんでさ。お前見てると放っておけないんだよ。類みたいに、誰にも渡したくないみたいな独占欲はねえけど、ずっと変わらない関係で、困った時には頼ってもらえるような存在でいたいとは思ってる」
 ミラー越しに、総二郎の優しい視線がつくしを見つめた。

 今までからかわれてばかりだったのが、急に優しくなったりするからつくしもどう反応していいかわからなかったが・・・・・。
「お前、急に緊張した顔すんなよ。こっちまで照れるだろうが」
「あ、ご、ごめ―――」
「俺の役目は、お前と類を見守ることだと思ってるから、今まで通り付き合ってくれればいいんだよ。類がたま~に嫉妬する程度に、な」
 そう言ってにやりとする総二郎に。
 つくしも思わず吹き出した。
「了解。頼りにしてるよ」


 そうして家に戻ったつくしは、さっそく類に電話をかけた。
「―――もう仕事してるかな」
 向こうは朝の9時ごろ。
 日本だったら始業の時間だけれど―――

 数回コールした後電話がつながり、一瞬の間の後、類の声が聞こえてきた。
『―――牧野?どうかした?』
「あの、ごめん、仕事中だった?」
『いや、移動の車の中だから平気。こんな時間に珍しいね』
「えっと・・・・・実は相談したいことがあって」
『相談?何?』
「えっと―――類、犬好き?」
『犬?』
「うん、柴犬なんだけど―――」
『・・・・・ひょっとして飼いたいの?』
 そう言われ。

 つくしは、今日のことを類に話したのだった。

 『総二郎の紹介、ね。で、その柴犬が欲しいの?』
「う・・・・・欲しいっていうか、かわいいなって思って・・・・・でもうちアパートだし、ペットは飼えないからって言ったら、西門さんが類に相談してみればって・・・・・」
『別に俺はいいけど・・・・・。じゃ、そっちに帰ったら一緒に見に行こうか』
「ホント?ありがとう!」
『いや―――それで、牧野』
「え?」
『犬に会いたいのはわかるけど―――、あんまり総二郎に気を許さないでね』
「―――は~い」

 ―――その微妙な間に。

 早く日本に帰らなくてはと、改めて思う類だった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ぎりぎり、電話での登場ですが・・・・・。
 類君、早く帰っておいで~~~

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夢のあと vol.21 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「犬でも飼おうかと思って」

 総二郎と約束した日曜日、迎えに来た総二郎の車に乗り込むと、総二郎がそう切り出した。
「犬?西門さんが飼うの?」
「他に誰がいる?柴犬とか、かわいいじゃん」
「かわいいけど・・・・・なんか、西門さんのイメージじゃないっていうか。ボルゾイとか、プライドの高そうな犬ならわかるけど」
 つくしの言葉に、総二郎が顔をしかめた。
「お前、俺のことどういうふうに見てんだよ。とにかく、これから柴犬のブリーダーのとこに行くから」
「ブリーダー?ペットショップじゃないの?」
「ショップからは買わない。管理のなってないところが多いからな。知り合いに柴犬のブリーダーがいるんだよ」
「へえ。女の人?」
 総二郎のことだから、きっと数多くの彼女の1人なんじゃないかと思ったのだが。
「いや、男。お前、俺のこと完璧に誤解してんだろ。俺だっていつまでも遊んでばっかりじゃねえんだぜ」
「そう?」
「忙しくってな―――。それと、襲名近くなるといろいろ上げ足とろうとする輩も出てくる。身辺はきれいにしとかないとな」
「ふーん、大変なんだ・・・・・って、そんなときにあたしといて平気なの?」
 つくしの言葉に、総二郎は軽く笑った。
「心配すんな。お前は友達だろ?誰も女として見ねえから」
「あ、ひど!あたしだってもう高校生じゃないんだから―――」
「へえ、じゃあ俺に女として扱ってほしいわけ?」
 突然後ろを向きにやりと笑う総二郎に、つくしは思わず体を引く。
「そ、そうじゃないけど!前見てよ!」
 そんなつくしの反応に、また笑い転げる総二郎。
 つくしは総二郎が運転ミスしないかと、ひやひやしていたのだった・・・・・。

 
 「いらっしゃい、待ってたよ」
 出迎えてくれたのは、着物姿の落ち着いた感じの男性だった。
 年はまだ若く、30くらいに見えた。
「総二郎さんが来るなら仕事休めばよかったって、さっき妹に怒られたところだよ」
 そう言って男性がくすくす笑うのを見て、総二郎が苦笑した。
「あれ、バラしちゃったんですか・・・・・」
「つい口が滑って―――。でも今から北海道だそうだから、ここには来れないだろう」
 ちらりと男性が、つくしの方を見る。
「あ、彼女が牧野つくし。僕の親友の婚約者です」
 総二郎の言葉に、つくしが慌てて頭を下げる。
「は、はじめまして、牧野です」
「はじめまして、僕は掛井利彦といいます。総二郎君には時々お茶を習ってるんだ。昔のよしみで」
「昔の?」
 きょとんと首を傾げるつくしに、総二郎が口を開く。
「兄貴の小学校時代の友達。中学からは別の学校に行ってたからそれ以来付き合いなかったけど、先月の茶会で偶然再会して」
「犬を譲る代わりにお茶を教えてくれって頼んだんだよ」
「へえ・・・・・あ、犬の―――柴犬のブリーダーやってらっしゃるって」
「うん、そう。お茶でも飲んで、一息ついたら犬舎に案内するよ」
 
 そう言って先に立って歩く掛井の後を、総二郎とつくしが少し遅れてついて行った。
「なんか、ちょっと意外。ああいう人と西門さんが知り合いって」
「俺がいつも女とばっかり一緒にいると思うなよ。あの人はちょっと変わってるけど、すげえいい人なんだよ。大人だし、いろいろ相談に乗ってもらってる」
「へえ」
 総二郎が頼りにしているということを、ちょっと意外に思って掛井の後ろ姿を見つめ―――
 そして、はたと思い当たり、つくしの顔がポッと赤らんだ。
「まさか―――」
「ん?どうした?」
「西門さん、バイ―――?」
 その言葉に総二郎はぎょっとして―――
「あほか!!」
「だって―――」
「どうした?大きな声出して」
 掛井が、2人を振り返る。
「や―――何でもねえよ」
 そう言ってじろりと睨まれ、つくしは思わず首をすぼめたのだった・・・・・。


 「バイか、そりゃあいい!」
 話を聞いて、掛井がげらげらと笑った。
「まったく、とんでもねえこと言いだすからな、こいつは」
「ごめんってば」
「しかし、面白いね。聞いていた通りだ」
 掛井がそう言って微笑むのを見て、つくしはちょっと顔をひきつらせた。
「―――西門さん、あたしのことどう言ってるの」
「どうって、まんまいつものお前のこと話しただけ。それでトシさんが一度会ってみたいって言ってたから今日連れて来たんだよ」
「え―――そうなの?」
「ばれちゃったね。僕、あまり外を出歩かないし人づきあいもないもんだから、たまに会う人にいろんな話を聞くのが楽しくてね。君の話は久々に楽しかった。高校時代の話は特に、強烈な体験談ばっかりで、まるで映画みたいだと思ったよ」

 ―――そう言われると、複雑かも。

 高校時代。
 確かにあまり人が体験しないことを体験できたとも言えるかもしれないが―――

 「君みたいに、どんな逆境にも立ち向かっていける人ってそうはいないし、すごく興味深いと思ったんだ。できれば、君からも直接話を聞けたらと思ってね」
 掛井の言葉に戸惑うつくしを見て、総二郎が言った。
「トシさん、本業は小説家なんだよ。ブリーダーは趣味を兼ねた副業ってとこ?お前の話を、本にしたいんだってさ」
「え―――ええ!?」

 思わぬ話に、つくしはもっていたコーヒーカップを落としそうになったのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 類つくです。
 類が全く出ていなくても、類つくです(^^;)
 すいません、次回はたぶん・・・・・出る、かな・・・・・?

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夢のあと vol.20 ~花より男子・類つく~

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 「なんか、俺が入っていけない感じですよね」

 水上アトラクションに優介と並んでいるときだった。
 濡れるのは嫌だと総二郎は外で待っていた。
 優介の呟きに、つくしは首を傾げた。
「なんのこと?」
「―――先生と、西門さんのことですよ。まるきり、俺が入っていくような隙がない」
「西門さんと?あたしが?」
「ていうより―――F4と先生の間かな。同じ時を歩んできた者同士の絆みたいな・・・・・なんかすげえ強い絆で繋がれてる感じがした。俺なんかじゃ―――太刀打ちできないくらい」
 肩を落とす優介をじっと見つめ、つくしは優介の頭を軽く撫でた。
「それはね、あたしたちはお互いにお互いを大切な仲間だと思ってるから。村上くんにだって、そういう友達がいるでしょ?」
「俺は―――」
「明るくて、優しくてみんなの人気者、でしょ?」
「そんなの―――みんな、俺の上辺見てるだけだよ。俺んち、あそこの生徒たちに比べたらワンランク落ちるからさ。どうにかそれを人柄でカバーしてやろうと思って頑張ってるだけ」
「それ、上辺じゃないでしょ?それが村上くんのいいところじゃない。あたしなんかワンランクどころか、一般家庭と比べたってかなりレベル低いから、あの学校の生徒たちに合わせるのは大変だった。てか、結局合わせなかったけど。あたしね、村上くんてすごいなって思ってた。そういう努力するところとか、あたしはできなかったことをしてるなって思ってたの」
 にっこりと笑うつくしを、優介は切なげに見つめた。
「俺―――きっと、先生ならわかってくれると思ってた。きっと―――明るくて優しいいいやつなだけじゃないってこと。だから―――先生と一緒にいたかったんだ」
「ありがとう、あたしのことそんな風に思ってくれて。でも―――きっと、村上くんが思ってるよりもずっと、周りの人たちは村上くんのことわかってくれてるよ。たまには、弱音見せたって大丈夫。それでも友達でいてくれる人たちはきっと、ずっと友達でいてくれるはずだから・・・・・。仲間を、大事にして」
 つくしの言葉に優介は嬉しそうに笑い―――
 そして、素早くその額に触れるだけのキスを落とした。

 突然のことに、固まるつくし。

 そんなつくしを見て、優介がぷっと吹き出した。

 「先生、かわいい。そういうとこ見ると、もっと好きになっちゃいそうだけど―――やめとくよ。これ以上深入りしたら、本当に俺の命取られちゃいそうだから」
「もう―――」
 優介をじろりと睨み―――
 でも、その無邪気な笑顔に本気で腹を立てることもできず。

 ―――あたしって、結局甘いのかな・・・・・

 そんなことを思って、小さなため息をついたのだった―――。


 「―――で、一件落着?」
 夜になって優介と別れたつくしは、総二郎に家まで送ってもらっていた。
「うん、とりあえずね。西門さん、ありがとう。付き合ってくれて」
「どういたしまして。で―――俺との約束、覚えてるよな?」
 にやりと怪しげな笑みを浮かべる総二郎。
 つくしは思わず総二郎から離れながら。
「お、覚えてるよ・・・・・。何をすればいいの?」
「そうだな―――ぶっちゃけ、あんまし考えてなかったんだけど」
「はあ?」
「ただで協力すんのはしゃくだから、ああ言っただけ」
 総二郎の言葉に、つくしは顔をひきつらせた。
「しゃくって・・・・・」
「買い物にでも、付き合ってもらうかな。来週の日曜当たり、暇?」
 そう言ってにやりと笑う総二郎に、つくしはちょっとため息をついた。
「まあ、ね。そんなことでいいんならいくらでも付き合うけど・・・・・。いいの?」
「なんだよ、不満ならホテルでも行くか?」
 総二郎の言葉に、つくしの顔がカーッと赤くなる。
「結構です!もう、なんだっていつもそういうこと言うの。人が真面目に―――」
「まあまあ。お前といるとどうしてもからかいたくなるんだよな。昔からの習性ってやつ?相変わらず期待通りの反応してくれるし。最近仕事忙しかったから、息抜きになって楽しいんだよ」
 そう言って無邪気に笑う総二郎は昔の高校生のころの面影を残していて。
 つくしも苦笑して肩をすくめた。
「もう・・・・・」
「また来週、会おうぜ。メールするから、忘れんなよ」
「そっちこそ、デートの予定とか間違って入れないようにね」
「O.K!」
 笑いあいながら、総二郎と別れる。

 恋愛対象ではないから、気持ちは楽だった。

 肩肘張れずに付き合える男友達というのはいいものだな、なんて暢気に考えていたつくし。

 それがまたひと波乱起こすことなど考えもせずにいたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 『条件』っていうのがどうしても思い浮かばず・・・・・。
 なんだか妙な展開になってしまった感じ。
 きららにも、まるきり先が見えないお話しになりつつあります・・・・・

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夢のあと vol.19 ~花より男子・類つく~

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 日曜日、つくしが待ち合わせ場所へ行くと、そこにはすでに優介が待っていた。

 「牧野先生、おはよ」
 にっこりと微笑む優介に、つくしはちょっと目を見開いた。
 制服を着ているときのイメージとは違う、黒い革のライダースジャケットにジーパンという格好。
 背が高く脚も長い優介にはぴったりのファッションで、いつもよりも大人っぽく見えた。
「びっくりした。ずいぶんいつもと違って見える」
 つくしの言葉に、優介は笑った。
「見直した?」
「ちょっとはね」
「ちょっとだけ~?」
 拗ねたように口を尖らせる優介を見て、ぷっと吹き出すつくし。

 そこへ、こつんと頭を小突かれる。

 「たっ、な―――あ、西門さん」
 振り向くと、そこには不機嫌なん顔をした総二郎が。
「何楽しそうにしてんだよ、お前は」
「だって―――」
「―――おはようございます」
 総二郎に向かって。ぺこりと頭を下げる優介。
 総二郎はちらりと優介の顔を見て。
「ああ」
 とだけ言って、視線をそらせた。
「えーと、じゃあ、行こうか」
 つくしがちょっと引きつった笑顔でそう言い、3人は歩き出したのだった・・・・・。

 
 奇妙な組み合わせだった。

 優介も総二郎も、つくしとしか口をきかず、目も合わせない。
 遊園地の乗り物は、つくしが2人と順番に乗り、1人になった方は乗り物に乗らず外で待っているという感じ。
 ランチにしようと入った遊園地内のレストランでも、2人は目を合わせようとはせず、その奇妙な空気に、つくしの方は落ち着かない。
「ゆ、遊園地なんて久しぶり。西門さんは?彼女と遊園地とか来たりするの?」
 その言葉に、総二郎は肩をすくめた。
「俺はそんなお子様と付き合わねえよ。高校生の頃、滋に無理やり付き合わされて以来だな」
「へえ、滋さんと来たことあるんだ」
 つくしの言葉に、総二郎の顔が引きつる。
「一応、お前と司のために頑張ったんだけどな。すっかり忘れられてるってやつ?」
「え?そうだっけ?ごめん」
 そのやり取りを聞いていた優介が、ぼそりと呟く。
「―――おれも、その頃の英徳にいたかったな」
 その言葉に、つくしが優介の方を見る。
「同じ高校生だったら―――先生も、俺のこと1人の男として見てただろ?そしたら、もしかしたら俺と牧野先生が付き合ってたかもしれない―――」
 そう言って、優介がつくしを見つめる。
 つくしはどう言ったらいいのか迷っていたが・・・・・
「くだらねえな」
 そう言ったのは、総二郎だった。
「ありもしねえこと、今ここで言ったって何の意味もねえだろうが。だいたい、例えお前の言うとおりお前があのころの英徳にいたとしたって、牧野はお前と付き合ったりしてねえよ」
 総二郎の言葉にむっとする優介。
「そんなこと、わからないじゃないですか」
「いや、わかるね。牧野はお前なんかの手に負える女じゃねえよ」
「ちょっと―――それどういう意味?」
「あのころの牧野は、毎日戦ってた。いろんなものと戦って―――そして勝ったんだ。お前みたいな強烈な女、2人といねえよ。普通の男じゃ、太刀打ちできっこねえ。あのころの司だからこそ―――あの絆が生まれたんだろ」
 総二郎の言葉につくしは言葉を飲み込み、そっと俯いた。

 高校生だった頃の自分と、F4。

 確かに、あのころはずっと戦ってた。

 つい昨日のことのようなのに、今はあのころのようなエネルギーはない気がした。

 現実だったはずなのに、どこか夢の中の出来事のような、そんな気がしてくるのだ。

 「―――じゃあ、どうして道明寺さんと先生は別れたんですか?それほど強い絆なら、どうして・・・・・」
 優介の言葉に、総二郎は肩をすくめた。
「どんなに強い絆だって、長いこと離れてりゃあいろいろあるだろ。けど、絆が完全に断ち切れたわけじゃねえ。司は―――今でも牧野のことを気にかけてるよ」
 その言葉に、つくしははっとした。
「東野先生の移動、あれもしかして―――」
「さあ、俺もそこまでは知らねえけど。でも、それが仕組まれたものだとすればそれをできるのは司ぐれえだろ」

 もしそうだとすれば。

 司は、つくしの周りで起きている出来事をすべて把握しているということにならないだろうか。

 類と付き合い始めたことも、司にはわかっているということなのではないだろうかと、つくしは考えてした・・・・・。

 「ひょっとして、その道明寺さんがこれから先生と彼氏の間を邪魔するかもしれないってこと?」
 優介の言葉に、総二郎はじろりと冷たい視線を向けた。
「あほか。あいつがそんなことするかよ」
「―――邪魔するのが目的なら、あたしが東野先生と付き合い始めた時に何かしてるはずだよ。そうじゃなくて―――」
「あいつは、牧野の幸せを願ってるだけだ。例え別れたって、司にとって牧野が大事な存在だってことには変わりねえ。その牧野が不幸になるのは嫌だと、そう思ってるだけだ。基本、馬鹿だからな。邪魔するんだったらもっと分かりやすく邪魔すんだろ、あいつは」
 その言葉に、つくしも思わず笑った。
「言えてる。あいつは、策略とか計算とか、やらないんじゃなくてできないんだもんね」

 昔のことを思い出したように笑いあうつくしと総二郎を、優介はどこか複雑な表情で見つめていた・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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夢のあと vol.18 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「で、あいつとデートする気なわけ?つくしちゃんは」

 じろりとつくしを睨む総二郎。

 2人は、いつものバーでカウンターに並んで座っていた。

 優介のことを相談したくて、つくしが総二郎を呼び出したのだ。

 つくしは溜め息をつき、うんざりしたように言った。
「そんな気ないから困ってるんじゃない」
「いやなら行かなきゃいいだろ?」
「そういうわけにもいかないの。あたしだって教師なんだから、学校やめるって言ってる生徒のこと、放っておけないよ」
 つくしの言葉に、総二郎もイライラとため息をついた。
「面倒くせえなあ。なんだってこの俺がそんなガキのわがままに付き合わなきゃならねえんだよ」
「だって、こんなこと頼めるの西門さんくらいしか―――美作さんはすぐに日本発つって話だったし」
「で?俺は何をすればいいわけ?」
「―――その、デートに着いて来てほしいの」
 つくしの言葉に、総二郎は再び溜め息をつく。
「俺が着いてって、そいつは納得するわけ?」
「わかんないけど、でも、2人きりでっていうのはあたしもできないもん。ね、お願い。ちゃんとお礼はするから」
「お礼?」
 つくしの言葉に、総二郎の目の色が変わった。
「何してくれる?」
「えーと・・・・・お、奢るよ、ご飯とか・・・」
「飯ィ?この俺を満足させられるようなもの、ごちそうできるわけ?」
「う・・・・・そ、それは無理かもだけど、教師なんて安月給なんだから、その辺は大目に見てよ。友達でしょ?」
「こういうときばっかり友達なんじゃねえの」
「そんなことないってば!」
「どうだかな~。同じ日本にいたってのに、1年以上何の連絡もよこさねえような薄情な友達だしな~」
 深々と溜め息をつかれるのに、つくしも言葉が出てこない。

 確かにその通りなんだけども。

 司とのこともあり、F4とは関わらないようにしていたから・・・・・。

 つくしの様子をちらりと横目で見て、総二郎はふっとその顔に笑みを浮かべた。

 「俺の条件飲むなら、付き合ってやってもいいけど」
 その言葉に、つくしがパッと顔を上げる。
「ホント?条件て?」
「飲むのか飲まないのか。それを先に聞かせろよ」
「だって―――」
「俺の協力がないと、困るんじゃねえの?」
 にやりと、確信的な笑みにつくしはぐっと詰まったが―――

 「―――わかった。その代わり、ちゃんと約束守ってよね」
 つくしの言葉に、総二郎はその笑みを深くした。
「その言葉、そっくりお前に返してやるよ。俺は義理堅い男だから、約束は守る」
 その言葉に、つくしは反論したくもなったが、ここはぐっと我慢することにしたのだった―――。


 「―――2人きりじゃないの?」
 翌日の昼休み、非常階段でつくしを待っていた優介に、つくしは総二郎のことを話した。
「2人きりでなんて、無理に決まってるでしょ?この条件が飲めないならあたしは行かない。学校辞めるなりなんなり、好きにすれば」
 つくしの突き放した言い方に優介はチェッと舌打ちし、肩をすくめた。
「わかったよ。じゃ、それでいいけど―――ちゃんと来てよ。もし来なかったら―――」
「わかってるってば。約束は守るわよ」
 つくしの言葉に優介は、無邪気ににっこりと笑った。
「じゃ、今度の日曜日、楽しみにしてるから」

 優介が非常階段から姿を消すと、つくしは大きなため息をついた。

 優介のことは、嫌いじゃない。

 たぶん本当につくしのことを想ってくれているし、とてもいい子なのだと思う。

 だけど、つくしはその思いに応えてやることができない。

 それが、苦しかった。

 結局、自分がやっていることは優介を傷つけることになってしまうと思うと、胸が痛むのだった・・・・・。


 携帯のバイブが震え、つくしははっと我に返った。

 類からの着信。

 つくしは一瞬躊躇ってから、それを耳に当てた。
「―――はい」
『デートするって?』
 類の言葉に、つくしは目を見開いた。
「なんで―――西門さんが?」
『あとでばれたとき、変に勘繰られたくないからって言われた。―――つくし』
 突然名前で呼ばれて、ドキッとする。
「な、何?」
『わかってると思うけど―――その高校生とも、総二郎とも―――何かあったら許さないからね』
「何も、ないよ」
『わかってるけど―――安心できない。早く帰りたいな』
 電話の向こうから聞こえる類のため息に、つくしも切なくなる。
「じゃあ、早く帰ってきて。待ってるから―――」
『―――ん。牧野がそう言ってくれてるうちに、帰るよ』

 会えないことに、慣れることなんてなくて。

 「早く会いたい」

 言葉にしてしまえば、感情が溢れ出すのを止めることはできなかった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 優介対総二郎対類?あ、漢字ばっかり
 総二郎の動きは、今のところきららにも謎です・・・・・

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夢のあと vol.17 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 その日の帰り、つくしは携帯に何度か類からの着信があるのに気付いた。

 折り返しかけてみると、思いの外すぐに出てびっくりする。

 「どうしたの?」
『昨日、あきらが帰って来たんだって?』
「ああ、うん。3人で飲んだの。西門さんから聞いた?」
『うん。で―――変な話聞いたんだけど』
「変な話?」
『牧野が、高校生と浮気してるって』
 類の言葉に、つくしの顔が引きつる。
「そんなのウソだよ。浮気なんてしてない」
『でも、口説かれてるんでしょ?どういう奴?』
 その言葉に、つくしはそっと息を吐きだした。

 ―――もう、西門さんったら!

 いくらお目付け役って言ったって、そんなに何でもかんでも話さなくたっていいのに!

 そうは思っても、別に後ろめたいことはないのだから正直に話せばいいんだと、つくしは気を取り直した。
「普通の男の子だよ。F4とあたしの昔の話、いろいろ聞いてるみたいで、ちょっと興味持っただけだと思うよ。学校で、普通に話したりしてるだけ」
『―――牧野、油断してない?』
「え」
『高校生だって、男には違いないでしょ。ちゃんと警戒しないとだめだよ。言っとくけど―――牧野を手放すつもりはないからね。もし牧野に手を出したら―――高校生だって、手加減するつもりはないから』
 いたってまじめな声で言われ、つくしは青くなる。
「物騒なこと言わないでよ。大丈夫だってば。あたし、そこまで隙だらけじゃないもん」
『―――よく言う』
「類!」
『わかった。信じてあげる。―――また、連絡するから』
「うん。お仕事がんばってね」
『さんきゅ』

 携帯を閉じ、小さなため息をひとつ。

 まだ1週間も経ってないのに、類にたまらなく会いたくなってしまう。

 1年以上会えなくても平気だったのに―――

 ―――平気?

 ―――ううん、平気じゃなかった。

 会いたくて―――。
 ずっと会いたくて、類のことばかり考えていた。
 いま、会えなくても類が自分を想ってくれているのが伝わってきて。
 切ないけれど、心はポカポカと暖かかった。

 「すっげーラブラブ」
 突然すぐ後ろから声が聞こえ、つくしは弾かれたように振り向いた。
「村上くん」
「あ、今またあんたかって顔したろ。そう言うの、傷つくなあ」
 と、優介がわざと大げさにため息をつくのに、つくしは苦笑する。
「今の電話、彼氏でしょ?仕事中なのに電話してくるって、結構束縛されてんだね。そういうのうっとうしくないの?」
「向こうは今、仕事の時間じゃないから・・・・・。別に、束縛されてるなんて思ったことないよ」
「向こう?って、海外なの?彼氏」
「今フランス。1ヶ月くらいで帰ってくるけど―――」
 とつくしが言いかけると。
「マジで?やべえ、それすげえチャンスじゃん。ね、先生、じゃあ彼氏のいない間にデートしようよ!」
「あのね―――。村上くん、あたしの話聞いてる?」
 つくしの言葉に、優介はへへ、と笑った。
「だって俺、牧野先生のことマジで好きだし。ね、デートくらいいいじゃん。遊園地とかさ、行こうよ」
「だめ」
「うわ、即答。なんで?牧野先生、俺のこと嫌い?」
「あのね、好きとか嫌いとか、そういう問題じゃないでしょ?」
 呆れたように言いながら、すたすたと前を向いて歩くつくしに、村上も負けじとその横にくっついてくる。
「俺にとってはそういう問題だよ。好きな人がいたら、デートしたいって思うのは当然だろ?その相手が教師だろうが高校生だろうが、関係ないよ。重要なのはお互いの気持ちだろ?」
「―――確かにね。だから、何度も言ってるけどあたしは村上くんのことそういうふうには見れないから。あたしにとって、村上くんは一生徒よ。一生徒とデートなんてできません」

 足を止めずにピシャリと言い放ち、歩き続けるつくし。

 優介は足を止め、そんなつくしの後ろ姿をじっと見つめていたが―――

 「じゃ、俺が学校やめるって言ったら?」

 その言葉に、つくしはぴたりと足を止め、振り返った。
「ちょっと―――軽々しくそういうこと言うもんじゃないわ」
「俺は大真面目だよ。デートしてくれないなら、俺学校やめる」

 そう言い放った優介の目は確かに真剣で、冗談を言っているようには見えなかった。

 つくしはそんな優介の視線に戸惑い―――

 動くことができなくなってしまった―――


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 優介が、そこまでつくしに入れ込む理由は・・・・・?
 なんていうのも、これから書いて行きたいと思ってます♪

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夢のあと vol.16 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「頭いた・・・・・飲みすぎたなあ」

 学校への道を歩きながら、つくしがぼやく。

 夕べあきらや総二郎とバーで飲んで。

 懐かしい話に花が咲き、気づけば日付も変わり、足元もおぼつかないほどに飲んでいて。

 どうやって帰ったのかも覚えていないというありさまだった・・・・・。


 くらくらするほどの朝日に頭を押さえながら歩くつくしのバッグの中で、携帯電話がメールの着信を告げた。

 表示された名前は総二郎。

 『酔っ払い先生、大丈夫か?昨日言ったこと覚えてないだろうから念押しとくけど、高校生だからってなめてかかるなよ。あのガキに気を許すな。また連絡する』

 メールの内容に、ちょっと息をつく。

 何で総二郎がそこまで優介のことを気にするのか、つくしには疑問だった。

 他の生徒よりも目立つ子ではあるけれど、つくしにとっては他の生徒たち同様、普通の高校生にしか見えないしましてや男として意識したことなど一度もない。

 ―――ま、いいか。とにかく仕事しなきゃ・・・・・

 そう気を取り直し携帯を閉じると、つくしは背筋を伸ばし、歩き出したのだった・・・・・。


 「牧野先生、昨日飲み過ぎた?」

 学校の廊下で、後ろから顔を覗き込んで来たのは当の優介だった。
「あの人とずっと一緒だったの?マジで浮気してんじゃねえの?」
「やめてよ。飲んだのは3人で。て言うか、彼らと浮気なんてありえないから」
 夕べ、さんざん聞かされた2人の恋愛遍歴(?)を思い出し、うんざりする。
「3人?もしかしてそれもF4の人?すげえなぁ牧野先生は」
「どこが?あたしは普通の人だよ。F4だってちょっと特殊なだけで人間には変わりないし。特別な目で見過ぎじゃない?」
 その言葉に、優介はちょっと笑った。
「―――おれ、牧野先生のそういうとこ好きだな」
 急に小声で囁かれるように言われ、つくしはドキッとして目を見開いた。
「な、何言ってるの。あのね、あたしは君のことそういう風には見てないから。まだここを辞めるつもりもないから、変なこと言うのやめてよね」
「きっついなー。心配しなくっても、牧野先生やめさせるようなことはしませんって。ただ―――俺って結構あきらめ悪いから。これからも楽しみにしててよ」
 そう言ってウィンクすると、優介は手を振って行ってしまったのだった。

 その後ろ姿を見送り、溜め息をつくつくし。

 それでもやっぱりつくしにとって、優介は可愛い教え子以外のなにものでもなかったのだが―――


 昼食を終え、一息つこうといつもの非常階段へ行くと、そこにはすでに先客があり―――
「やっぱり来た」
 そう言ってにっこりと笑ったのは優介だった。
「なんでここに―――」
「牧野先生がここに来るって知ってたから。みんな知ってるけど、わざわざ先生の邪魔しに来るやつは他にいないし、ここなら先生と2人きりになれると思ってさ」
「―――村上くん、あのね―――」
「ストップ」
 つくしの言葉を、つくしの目の前に手をかざし遮る優介。
 ちらりと優介の顔を見るつくしに、ニコリと微笑む。
「今、先生にその気がないのは知ってるよ。けど、俺が牧野先生を好きになるのは個人の自由ってやつでしょ?その自由まで取り上げる権利、ないと思うけどなあ」
「それは―――」
「それに学校にいる間は、『花沢類の婚約者』じゃなくて、『牧野先生』なわけだし。俺は牧野先生の生徒。だからせめて学校にいる間は俺が牧野先生の傍にいたっていいと思うんだけど」

 言っていることは間違っていない気もするけど。

 でも何となくずれているような。

 そんな気がしてならなかった。

 「―――俺ね、実は牧野先生のことすげえ前から知ってたんだ」
 相変わらず楽しそうに笑いながらそう言う優介に、つくしは目を瞬かせた。
「え?」
「織部順平って、覚えてる?」

 優介の口から出た名前に、忘れられない思い出がよみがえる。

 「どうして―――順平君のこと―――」
 驚きに目を見開くつくしを、優介はどこか楽しそうに見つめた。
「俺の兄貴が、大学で順平さんと友達だったんだよ」
「―――村上くんの、お兄さん?」
「そ。で、その順平さんがしょっちゅう俺の家に来ててさ。そこで、なんかの拍子にっ高校生の時の話になって―――F4と牧野つくしって人のことを聞いたんだよ」
 
 ―――順平君。確か、大学は英徳には行かなかったって聞いたな・・・・・・

 いつだったか、桜子が言っていたことを思い出した。

 「F4に対する気持ちは、なんていうか複雑みたいだったけど―――牧野先生に対する気持ちっていうのがさ、なんて言うか、女神みたいに思ってるみたいな感じ?忘れられない人って感じで話してたのがすげえ印象的で―――俺もいつか会ってみたいって思ってたんだ。その順平さんの影響もあって英徳に入って―――。2年になって、まさか牧野つくしが教師として英徳に来るなんて思わなくてびっくりした」
 初めて聞く話に、つくしは何と言えばいいのかわからなかった。
 順平とは、あの一件以来関わることもなくなってしまった。
 あんなひどいことをされて、簡単に許すことはできなかったけれど・・・・・

 こうして第三者から、元気であることを聞くと不思議とホッとしている自分がいた・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ここでは順平は出てこないんですけども。
 キャラ的に、憎めない人でした。

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夢のあと vol.15 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 放課後になり、学園を後にしたつくし。

 門を出たところで、目の前に見たことがあるような高級車が止まった。

 「よお」
 顔を出したのは、総二郎だった。
「あれ、どうしたの?」
「今日、これからちょっと付き合えねえ?実は―――」
 そう言いかけた時だった。

 「牧野先生!」
 後ろから響く元気な声につくしは振り向き、総二郎もそちらを見た。
「村上くん―――」
 優介が門の手前でつくしに笑顔を向けていた。
「先生、浮気してると彼氏にちくっちゃいますよ」
 にやりと笑う優介に。
 つくしは苦笑した。
「浮気じゃないから。その『彼氏』の親友よ」
「知ってる。F4の1人でしょ?紹介してよ」
 そう言いながら優介が総二郎の前に立った。
 総二郎はちらりと優介を一瞥し、つくしをじろりと見た。
「なんだよ、こいつ」
「2年生の村上くん。―――こちらは西門さん。別に何だってこともないよ。村上くんのクラスの国語を、あたしが担当してるからって言うだけ」
 つくしの言葉に、優介が拗ねたような視線を送る。
「あ、冷てえなあ、先生。俺は先生を単なる教師として見たことなんて1度もないのに」
「ちょっと、村上くん」
 つくしは顔を顰めるが、優介はかまうことなく続けた。
「俺、そう簡単に諦めるつもりないから。高校生と思って、甘く見ない方がいいよ」
 にやりと笑みを浮かべる優介を、総二郎はその切れ長の鋭い目で睨みつけた。
「へえ、F4に立ち向かおうっての?いい度胸じゃん。言っとくけど、俺らを単なる金持ちのボンボンと思ったら大間違いだぜ」
 総二郎の言葉に、優介は軽く肩をすくめた。
「もちろん、わかってますよ。けど、俺のが若いし。まだ高校生だからあんたたちみたいに会社に縛られることもないし。それだけでも勝負になるんじゃないかなあ。少なくとも、学校にいる間は俺のが有利だよね」
 しばし睨みあう総二郎と優介。

 つくしは慌てて2人の間に立ちふさがった。
「ちょっと、やめてよ。村上くん、あたしは君と付き合うつもりも、彼と別れるつもりもないから。お願いだからそういう風に波風立てるのやめてよ」
 つくしの言葉に、優介は軽く両手を上げて見せた。
「こええなあ。ま、今日のところは退散するよ。でも、まだまだ諦めるつもりないから、覚えといて。じゃあね」
 そう言ってひらひらと手を振ると行ってしまう優介に。

 つくしは溜め息をつき―――

 そして、自分を見つめる総二郎の冷ややかな視線に気付いたのだった。


 「お前も懲りない奴だな」
 つくしを後部座席に乗せ、車を発進させると総二郎が言った。
「だから、あたしのせいじゃないってば。あんなの、ただあたしをからかって楽しんでるだけだよ」
「そうは見えなかったぜ。これは男の勘。あのガキ、本気でお前を類から取るつもりでいやがる」
 ちっと舌打ちする総二郎に、つくしは『そうかなあ』と、まるで緊迫感がない。

 相手は高校生。

 体は立派な大人かもしれないが、まだまだあどけなさも残るし、つくしにとっては『かわいい教え子』としかその目には映らなかった。
 その様子に、総二郎は溜め息をついた。
「まあ、お前の気持ちを疑うわけじゃねえけど・・・・・。けどあいつも体は立派な男だからな。油断してると痛い目に会いかねないってこと、忘れんなよ」
「は~い。で、どこに行くの?」
「ああ、実はあきらの奴が帰国したんだ」
「美作さんが?」
「そ。で、あのバーで待ち合わせしてるから、お前も連れて行こうと思って迎えに行ったんだよ」
 

 バーに着くと、あきらはすでにカウンターでグラスを傾けていた。
「牧野、久しぶりだな」
 にやりと微笑むあきらは、長く伸びた髪を後ろで一つにまとめ、革のジャケットにジーパンというラフな格好で2人を迎えた。
「なんか、ワイルドになったね、美作さん」
 つくしの言葉に、楽しげに笑うあきら。
「お前も、きれいになったじゃん。類と婚約したって?おめでとさん」
「ありがと。美作さんは?そういう話ないの?」
「俺が?今は仕事が忙しくてデートする暇もねえよ」
「よく言うぜ。噂は聞いてるぜ。世界を股にかけていろいろやってるらしいじゃねえか」
 総二郎の言葉に、あきらが苦笑する。
「お前は余計なこと言うなよ。日本で遊べなくなる」
 相変わらずの2人の会話に、つくしは懐かしげに眼を細めた。
「2人とも大人っぽくなったけど―――そういう会話は変わってないのね。タイムスリップしたみたい」
「お前に言われたかねえよ。相変わらずトラブルに首突っ込んでるんじゃねえの」
 あきらの言葉に、、つくしはちょっと目を見開き、総二郎がぷっと吹き出した。
「すげ、当たってるよ。こいつ、同僚のモトカレとようやく別れたと思ったら、今度は高校生に口説かれてんだぜ」
「高校生かよ!お前それ犯罪だぜ」
 あきらの言葉に、つくしは顔をしかめた。
「やめてよ、あたしはそんな気ないんだから。向こうだって、単に面白がってるだけですぐに飽きちゃうよ」

 そう言うつくしに。

 あきらと総二郎は顔を見合わせ、意味深な視線をつくしに向けたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あきらの登場は予定してなかったんだけど・・・・・
 なんか、いろいろ出してしまおうかなと。
 もしかしたら、やつの登場もあるかも・・・・・?

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夢のあと vol.14 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 類の両親へのあいさつも無事済み、なんだかとんとん拍子に婚約まで話が進んでいるつくしと類だったが。

 フランスでの仕事を無理やりやっつけてしまった感のある類。

 類の父親に『もう一度フランスへ行って、きちんと仕事を片づけてきなさい』と言われたため、また急遽フランスへ戻ることになったのだ。

 「1ヶ月くらいで戻れると思うから」
 なるべくなら行きたくないという気持ちがありありとわかる表情でそう言う類に、つくしは苦笑して頷いた。
「行ってらっしゃい。頑張ってね」
 そんなつくしを、空港で人目もはばからず抱きしめ、口付けた類。

 一緒に空港まで見送りに来ていた総二郎が呆れたように見ているのにも、まるで動じることもなく。

 
 「―――あいつ、1カ月かかる仕事を2週間くらいで片づけてきそうだな」
 車でつくしを送りながらそう言う総二郎に、つくしは笑った。
「でも、類のお父さんは3ヶ月くらいはかかるって言ってたんだよ。それを、1ヶ月でって言うんだもん。それ以上の短縮は無理じゃない?」
「3年を1年半にしたのだってかなりの短縮だもんな。けど、よかったじゃん。類の両親にっも認めてもらえて」
 そう言ってバックミラー越しににやりと笑う総二郎に、つくしの頬が染まった。

 類に、『助手席には乗っちゃだめ』と釘を刺されたつくしは、後部座席に1人座っていた。
「なんだか、急にこんな話になっちゃって、まだ夢の中にいるみたいな感じ。類が帰ってくるまではまた現実に戻されて―――やっぱり夢だったなんてことにならないかな」
「んなこと言ってたらまた類が拗ねるぜ。あいつにとってはすべて現実。お前が自分と一緒になることが何よりの現実なんだ。夢でなんか、終わらせねえよ」

 確かに。
 
 類の自分を見つめる瞳は何よりもそれが真実だと告げるもので。

 類のことを疑うなど、彼といると思いもつかないのだから、不思議だった。

 「ま、あれだよな。婚約までしてあいつもようやく少し安心したみたいだし。俺にお目付け役頼んでくるくらいだから、余裕が出てきたってことか」
「お目付け役なんて、いらないのに」
「そういうわけにいかねえだろ。お前は1人にしとくと何に首突っ込むかわかんねえからな。類が安心して向こうでの仕事を片づけるには、そういう不安材料は少しでも減らしときたいんだろ。ま―――その指輪見たら、そう簡単に声かけようなんてやつは現れねえだろうけどな」
 そう言ってバックミラー越しにつくしの手元を見る総二郎。

 つられて、つくしも自分の手元に視線を落とした。

 渡仏の前日、類から渡されたトルコ石の指輪。
 『外しちゃだめだよ』
 と念を押され―――
 つくしの左手薬指に収まったそれは、まるで類の分身のように、つくしを安心させてくれていた―――。

 「東野ってやつが転任したんならもう心配はないと思うけど、また変なトラブルに巻き込まれないように気をつけろよ。類のいない間におまえに何かあったら、俺が類に怒られる」
 つくしの家の前でつくしを下ろした総二郎が、窓から顔を出してそう言った。
「大丈夫だよ。あたしだって自分からトラブルに首突っ込むようなことしないから」
 今までだって、そんな風に思ったことは一度もないのだから。
 そんなつくしを、それでも総二郎は疑わしげに見つめて。
「だといいけどな。なんかあったら連絡しろよ。じゃあな」
「うん、ありがと」
 そう言って、つくしは総二郎を見送ったのだった・・・・。


 学園は、つい先日のつくしと類のキス写真事件などまるでなかったかのように日常を取り戻していた。
 
 「牧野先生!」
 自分を呼ぶ声に振り向くと、そこには2年生の村上優介が立っていた。
「村上くん、何?」
 村上優介は2年生の中でも目立つ存在だった。
 家柄ももちろん、頭脳明晰、ルックスよし、スポーツ万能、性格も明るい人気者だ。
 F4のような飛び抜けた存在というわけではなかったが、友達もファンも多い生徒だった。

 「自宅待機って、いつの間に終わってたの?」
 優介の言葉に、つくしはちょっと目を瞬かせた。
「よく知ってるのね。生徒には知らせてないって聞いてたのに」
「そういう話って自然と入ってくるもんだよ」
「ふーん。別に、自宅待機しなくちゃならないようなことはしてないってこと、わかってもらえただけよ」
「そうなんだ。牧野先生に、あんな恋人がいるって知らなかった。てっきり東野先生と付き合ってるんだと思ってたから―――。東野先生だったら十分勝負になると思ってたんだけどな」
 優介が、意味深な笑みを浮かべる。
「勝負?」
「うん。東野先生と俺だったら、俺のがイケてると思わない?」
 おどけたように言う優介に、つくしは思わず吹き出した。
「かもね。でも何で東野先生と勝負?」
「・・・・牧野先生って、激ニブだよね」
「は?」
「俺が東野先生と勝負する理由なんて、一つに決まってんじゃん」
「一つって―――」
「俺、牧野先生に惚れちゃってるんだけど」

 にっこりと、無邪気な笑みを見せる優介に驚き―――。

 つくしの頭に、『言わんこっちゃない』と溜め息をつく総二郎の顔が思い浮かんだのだった・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 う~ん、今回、オリキャラ多し。
 自分のお好みのイケメンを想像して楽しんでいただけると楽しいかもです。

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夢のあと vol.13 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 連れて行かれたのはホテルの一室。

 部屋の中には数人の制服を着た女性が待機していた。

 「着替えとメイク、頼んであるから。俺はロビーで待ってる」
 そう言うと、つくしが止める間もなく類は部屋を出て行ってしまったのだった・・・・・。

 「どうぞ、お召し替えを」
 そう言っていかにも上質そうなオフホワイトのワンピースを差し出され。

 もう、ここまで来ては仕方ないとつくしはそれを受け取ったのだった。


 1時間後、ロビーに現れたつくしを見て、類は少し驚き、嬉しそうに微笑んだ。

 「おかしくない?」
 はずかしそうに頬を赤らめるつくしの肩を抱く類。
「全然。すごくきれいだよ。やっぱりそのワンピースにしてよかった」
「類が選んでくれたの?」
「うん」

 品のいい花柄のレースを全面にあしらったオフホワイトのワンピースに、パールのネックレス。
 イヤリングやブレスレットもそろいのパールで品よくまとめ、長くのびた髪は緩くウェーブをつけ、パールのバレッタでアクセントをつけている。
 メイクはナチュラルメイクで目元をほんのりピンクのシャドウが華やかにしていた。

 「このホテルのスイートに泊ってる。今日はもうオフのはずだから」
 エレベーターに乗り込みそう話す類に、つくしは緊張を隠せなかった。
「ねえ、何話せばいいの?あたしのこと、話してあるの?」
「大体のことはね。俺の―――大切な人だって、言ってある」
 その言葉に、つくしの頬が染まる。
「大丈夫。俺に任せて・・・・・牧野は、俺の傍にいてくれればいいから」
 そう言って、安心させるようにつくしの手をぎゅっと握る類。
 その類の優しい視線に、ほんの少しだがホッとして、つくしは笑顔を見せたのだった。


 「まあ、こんにちは。お待ちしてましたのよ」
 部屋に入ると、類の母親―――佐和子が笑顔でつくしを迎えてくれた。
 緊張した面持ちで深く頭を下げるつくしを、嬉しそうに見つめる。
「あの、はじめまして、牧野つくしです」
「存じてますわ。とてもかわいらしい方で嬉しいわ。どうぞ、向こうに主人が」
 そう言って先に立って歩く佐和子の後を、つくしはホッと息をついてついて行った。
 類はそんなつくしの手をずっと握っていた。

 案内された部屋のソファーでくつろいでいたスマートな、かつ威厳の感じられる男性がつくしが入って行くと立ち上がり、類とつくしの姿を交互に見た。
「あなた、牧野つくしさんよ。牧野さん、主人の花沢亮です。類とはあまり似ていないでしょ」
 その言葉に、亮はちらりと佐和子に視線を向ける。
「余計なことは言うな。―――牧野さん、お話は類から聞いてます。どうぞよろしく」
「こ、こちらこそ、よろしくお願いいたします」
 先に頭を下げられ、慌てて深々と頭を下げるつくし。
 そんなつくしを見て、亮がふっと微笑んだ。

 その笑顔が、類のそれにそっくりで、つくしは思わずどきっとして亮を見つめた。

 
 「―――類から話を聞いたときは、正直驚きました。自慢にはならないが―――仕事で海外に行っていることの多い私たちは、あまり類と会話することもなかったものでね。久しぶりに帰って来ても、ろくに目も合わせないような・・・・・そんな関係で。たぶん、そうさせてしまったのは私自身だと、反省はしていたんですが、どうにも類がこの年になるまでどう接していいかわからなかった、というのが本音なんです」
 言いずらそうに、少し目を伏せながらそう話す亮。
 その仕草や話し方、声までがやはり類にそっくりだと、つくしは緊張しながらも亮をじっと見つめていた。
「その類が―――いきなり今日ここへやって来て、紹介したい人がいるから会ってほしいと行ってきてね。しばらくろくに話したこともなかったのに、私たちの目を見て、そうはっきりと言った類を見て―――余程大切な人なんだろうと、私たちは思ったんだ。今まで親としてろくなこともしてやれなかったことを考えると―――類が選んだ人なら、私たちはたとえそれがどんな人物でも受け入れようと、話していたんだよ」
「でも、心配いらなったわね」
 そう言って佐和子が微笑んだ。
「こんなにかわいらしくて―――それでいてしっかりしてらっしゃるお嬢さんだわ。背筋がピンと伸びて―――今時の若い方には珍しいんじゃないかしら」
「そ、そんなことは―――」
 あまりに褒められて、つくしは落ち着かなくなる。
 そんなつくしを見て、類がくすりと笑う。
「牧野は、今英徳の高等部で国語の教師をしてるんだ」
「まあ、素晴らしいわね」
「俺は、牧野が続けたいならずっとその仕事を続けてほしいと思ってます。そして、その傍で牧野を支えていきたい」
 そう言うと、類は父親の目をまっすぐに見つめた。
「牧野との結婚を―――そして、ずっと日本にいることを、認めてほしいと思ってます」
 そうはっきりと言い切った類を、つくしは驚いて見つめ―――

 亮が、ゆっくりと口を開いた。

 「きっと―――ここで私が何を言っても無駄だろうな。そんな目をしてる。いつの間にそんな大人の男になったのか・・・・・」
 亮の言葉に、佐和子も頷く。
「ええ、本当に―――。家に閉じこもってばかりいたひ弱な男の子はもうどこにもいないのね。立派になって―――嬉しいわ」
「牧野さん」
 突然名前を呼ばれ、つくしはドキッとして背筋を伸ばした。
「は、はい」
「私たちからのお願いを、聞いてくれますか」
「お願い、ですか・・・・・?」
「そうです。私たちは親として、あまり良い親ではなかったと思ってます。類とあなたには―――わたしたちと同じ過ちを犯してほしくない。類とあなたとで―――どうか幸せな家庭を築いてほしい。類を、お願いできますか?」
「類には、あなたのような女性が必要なの。どうか、類とずっと一緒にいてやってくれないかしら」
 2人の言葉に、つくしはすぐには口を開くことができず―――
 その瞳には、涙が溢れていた。

 「牧野・・・・・」
 類の手が、優しくつくしの背をなでる。
「とても、もったいないです。私は、どこにでもいるただの教師で―――そんな風にお願いされるような人間じゃありません」
「牧野さん、それは―――」
「聞いてください。私は―――今までいろんな失敗を繰り返してきました。でも、そのどれもあたしには必要な経験だったと、今は思ってます。そして、それを教えてくれたのは、類さんです。類さんがいてくれたから、今の私があるんです。ずっと―――傍にいてほしいのは私の方です。私にとって類さんは自分の一部で・・・・・ずっと、離れられない存在だと、思ってます」

 その言葉に、類の両親はホッとしたように微笑み、お互いを見つめ、頷きあったのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 これで2人の間に障害はない―――はず?
 でも、もうひと波乱くらいあった方が楽しいかも(S?)

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夢のあと vol.12 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 自宅待機を命じられたつくしだったけれど。

 なぜかその翌日には、学園長に呼ばれ学校へ行くことに―――。

 「今日から通常通り勤務してください」
 学園長の言葉に、つくしは目を瞬かせた。
「あの・・・・・どうして急に?」
「戻りたくないんですか?」
「いえ、そんなことは!」
「それなら問題はないでしょう。もうすぐ授業が始まりますよ、行ってください」
「―――はい。ありがとうございました」
 淡々と事務的な口調で、自分とは目を合わせようとしない学園長。
 
 それでも、勤務に戻れるというなら文句などあるわけもなく。

 つくしは学園長に一礼すると、園長室を出ようとして―――
「―――東野先生ですが」
 と言う学園長の声に、ぴたりと足をとめた。
「急に山形への転勤が決まりまして。昨日の内にすでに私物などは引き揚げてしまってます。おそらくもう会うこともないと思いますので」

 ―――転勤?東野先生が?

 「―――それは、いつ決まったんですか?」
 つくしの言葉に、学園長がちらりとつくしを見た。
「昨日の午後、理事長の方から連絡があったんですよ。私は、詳しいことは知りませんがね」
 そうそっけなく言うと、再び机の上の書類に視線を落とす学園長。
 つくしは、軽く一礼すると、園長室を出たのだった・・・・・。


 「東野先生に、何したの!?」
 放課後、車で迎えに来た類を見るなりつくしはそう言って詰め寄った。
「―――びっくりした。いきなり何を言うかと思えば・・・・・。あのさ、どうでもいいけどかなり注目集めてるみたいだから、とりあえず乗れば?」
 今にも類に掴みかからんばかりの勢いのつくしに。
 下校途中の生徒たちが興味深々とその光景に注目していた。
 何せ『噂の2人』が目の前にいるのだから―――

 生徒たちの視線にはっとし、つくしは類から離れた。
「どうぞ」
 類に助手席のドアを開けられ、つくしは頬を赤らめながらもおとなしく乗り込んだのだった・・・・・。


 「俺、何もしてないよ」
 車の中でつくしに事情を聞いた類は、そう言った。
「だって―――こんななんでもない時期に急に転任だなんて、絶対おかしいと思ったのに」
 つくしの言葉に、類はちょっと考え込んでいたが―――
「もしかしたら―――」
「え?」
「―――昨日、牧野が帰った後総二郎から電話があったんだ」
「西門さん?」
「ん。学園での騒ぎをどっかで聞いたらしくて。で、事情を話したんだけど―――」
「西門さんが、何かしたってこと?」
「いや―――。あの学園で、今でも力を持ってるのは―――司の家だよ」
 類の言葉に、つくしは目を見開いた。
「―――道明寺が?まさか!」
「あり得ないことじゃない。司にとって―――別れたとは言っても、やっぱり牧野の存在は大きい。今回の話を聞いたら、それくらいのことは平気でやるよ。少なくとも―――俺が司の立場だったらきっと、同じことしてる」
 そう言ってちらりと向けられた視線は真剣で。
 つくしは、何も言うことができなかった・・・・・。

 「と、ところで、どこに行くの?花沢類の家じゃないみたい」
 さっきからずっと、見覚えのない道を車は走っていた。
「千葉」
「千葉?なんで?」
「両親が来てる」

 「―――は!?」

 思いもよらなかった類の言葉に、つくしは素っ頓狂な声を上げた。
「急にでかい声出さないでよ。運転ミスったら牧野のせい」
「ご、ごめ―――じゃなくて!どういうこと!?あたし聞いてないよ!」
「そりゃそうでしょ。俺も今言ったし」
 しれっとそう言う類に、つくしは慌てまくる。
「ねえ、待ってよ、そんなの急に困るってば!あたしだいたいこんな服だし!」
 教師らしいと言えばらしい、地味なグレーのスーツ。
 髪だって長くのびた髪をひっつめてお団子にした状態で、化粧もほとんど素顔のような状態で、ファンデーションと口紅を乗せただけ、という感じだ。
「大丈夫だよ」
「大丈夫じゃないよ!花沢類の両親に会うのに、こんな格好―――!」
「―――ふーん・・・・・・。気にしてくれるんだ、そういうの」
 嬉しそうに笑う類に、つくしは途端に恥ずかしくなって顔を背ける。
「そ、そりゃ・・・・・誰だって気にするでしょ、この場合」
「―――でも、本当に大丈夫だから」
 類の言葉に、何かの含みを感じ、つくしは再び類の顔を見た。
「どういう意味?」
「行けば分かるよ」
 そう言った類に。
 これ以上何を聞いても無駄だと悟ったつくしは、小さく溜め息をつき、窓の外へ視線を移したのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 東野先生さようなら。
 ということで、彼の出番はおしまい。
 これで邪魔者はいない―――かな?

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夢のあと vol.11 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 東野に掴まれた手が、きりきりと痛んだ。

 「―――先生、離してください」
 つくしは何とか冷静さを保ちながらそう言う。
「君は、僕と結婚するんだ」
 東野の言葉に、つくしは首を振る。
「できません」
「どうして!僕たち、あんなにうまくいってたじゃないか!僕は、君を愛してるし、君だって―――!」
 興奮する東野に反して、つくしは冷めきっていた。
「私は―――東野先生のことを、愛してると思ったことはありません。尊敬してましたし、好きになれると思ってましたけど―――ごめんなさい。私はやっぱり―――」

 そこまで言った時だった。

 東野が腕を振り上げたかと思うと、その手で思い切りつくしの頬を殴ったのだ。

 『バシンッ!』と乾いた音が響く。

 つくしの体がよろけ、手すりに背中を打ち付ける。

 頬を手で押さえ、東野の顔を見上げると、東野の体は大きく震え、顔は真っ赤になって目が血走っているのがわかった。
「許さない、そんなこと―――。君をF4なんかに譲らない―――」
 
 そしてもう一度、腕が振りあげられる。

 手すりに追い詰められていたつくしはその瞬間目を瞑り、殴られるのを覚悟したが―――

 『ガシッ』

 鈍い音とともに、何かがどさっと倒れる。

 つくしが目を開けると、目の前に東野がのびていた―――。

 「牧野、大丈夫?」
 その声に顔を上げれば。
 そこには、心配そうにつくしを見つめる類の姿があったのだった・・・・・。


 「たっ」
「ごめん、しみた?」
 類の家で傷口を消毒してもらいながら。
 その痛みに思わず声を上げてしまった。
「大丈夫・・・・・。ありがと、花沢類」
 
 東野に殴られた頬は赤くはれ、唇からは血がにじんでいた。

 興奮状態の東野が、男の力で思い切り殴ったのだから相当なもの。
「自業自得。西門さんの言うとおり・・・・・。最初から、あんな人と付き合うんじゃなかった」
「牧野は、悪くない。自分を責めるのはやめな」
 穏やかだけど、厳しい類の言葉。
 
 「どんな理由があったって、牧野を殴る奴なんて許せない」
 濡らしたタオルでつくしの頬を冷やしてやりながら、類はじっとつくしを見つめた。
「―――まだあの学園にいるつもり?」
「だって―――教師は辞めたくない」
「やめる必要ないでしょ。他の学校に転任すれば―――」
「簡単に言わないで」
「簡単なことだよ。牧野がそう決心すれば。俺は、いつでも協力する」

 類の気持ちは嬉しかった。
 でも、ここであの学園を辞めればつくしは東野やあの学園から逃げたことになる。
 逃げるのは嫌だった。

 それに、多かれ少なかれ、どこへ行ったってトラブルなんてついて回るものだ。
 そのたびに、いちいち逃げていたらそのうち働けるところなんてなくなってしまう。

 今回のことでは―――
 東野については申し訳ないと思う部分はあるものの、つくし自身後ろめたいと思うことなどはないと思っていた。
 学園に対しても、生徒たちに対しても。
 やめる必要なんてない。
 堂々としていればいいんだと―――。

 「―――花沢類」
「ん?」
「あたしね・・・・・花沢類が好きだよ」
 つくしの言葉に、類はちょっと目を見開いた。
「道明寺と別れた時も―――東野先生に付き合ってほしいって言われた時も。最初に思い浮かんだのは、花沢類のことだった。でも―――認めちゃいけないって思ってた。それを認めるのは、それまでの道明寺とのことも全部否定してしまうような気がして・・・・・。だけど―――やっぱりさっきも、東野先生に殴られたときに思い浮かんだのは、花沢類の顔だった」
 つくしが、類を見つめる。
 類は黙ってつくしを見つめていた。
「あたし、逃げたくなかったの。だから、1人で歩いて行こうと思ってたけど―――。でも、少しだけ、頼ってもいい?」
「うん?」
「あたしの傍にいて―――あたしの味方でいて。それだけでいいから―――。それだけで、頑張れるから―――」

 類の手が、つくしの髪をなでた。

 類を見つめる瞳は、今にも涙がこぼれそうなほど揺らいでいるのに、でも決して負けはしないとい宣戦布告しているようで―――

 「俺は、最初からずっと牧野の味方だよ。傍にいてほしいって言われれば、いつまでだって傍にいる・・・・・。絶対、離れたりしない」

 そっと、傷口を避けるようにつくしの唇に優しいキスをする。

 その瞬間、つくしの瞳からは涙が零れおちて。

 類は、その涙も唇で優しく掬ったのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 女に手を上げるやつほど、最低な男はいませんよね。
 つくしだったらやっぱり倍返し、かな?

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夢のあと vol.10 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 翌日、つくしが登校すると、学園はいつもとは様子が違っていた。

 校舎の前の掲示板に、群がる生徒たち。

 つくしが何事かと近づくと―――

 「あ!牧野先生!」
 1人の生徒が気付くと、全員がつくしの方を振り返ったので、つくしの方が驚いて後ずさる。
「お、おはよう。何事?」
「先生、これ誰?彼氏?」
「え?」
「俺知ってるぜ!これ、花沢類さんでしょ?F4の1人だ!」
 男子生徒が言いながら、掲示板を指でさす。
 つくしはその掲示板に張り出されたものを見て、愕然とする。

 そこには、大きくA4判にまで引き延ばされた写真が張り出されていたのだ。

 写っているのは、つくしと花沢類。

 夜の街で、人目もはばからずキスをする2人。

 それは、昨日のつくしと類の姿だった・・・・・


 「牧野先生がどなたと付き合おうが、それは個人の自由ですからね、それに口を出すつもりはありませんが―――しかし、あんな写真が生徒の目に触れるのは、やはり教育上よろしくないでしょう」

 園長室に呼び出されたつくしは、学園長に苦虫を噛み潰したような顔で小言を言われ、うなだれるしかなかった。
「申し訳ありません。まさか、あんなとこを撮られていたなんて・・・・・」

 写真を撮ったのは、おそらく東野だろう、と思った。

 どうやってつくしの居場所を知ったのかは分からないが、東野以外にはあんなことをする理由が思い当たらなかった。

 「学園中、あの写真のことでもちきりですよ。どうしたもんですかねえ。これでは生徒たちに示しがつかない」
「―――私から、生徒に説明を」
「何を説明するんだね?花沢氏と結婚するとでも?」
「それは―――」
「とにかく、今日のところは牧野先生に授業をしていただくわけにはいかないでしょう」
「そんな」
「この騒ぎが収まるまで、自宅待機をしていただきます。その後の処置については、追って連絡しますので―――。これから残った教師たちで、これ以上騒ぎが広がらないよう生徒たちを指導しなければいけませんから、とりあえずお帰りください」

 丁寧だが、有無を言わせないような学園長の厳しい表情に。

 つくしは、黙って従うしかなかった・・・・・。


 「牧野先生」
 園長室を出たつくしの前に現れたのは、東野だった。
「―――東野先生」
「帰られるんですか?」
「ええ」
 つくしはそのまま東野の横を通り過ぎようとしたが・・・・・
「少し、お話しできませんか?非常階段で・・・・・」
 その言葉に、ぴたりと足を止める。
「―――でも、東野先生は授業が」
「1,2時間目はないんですよ。特別授業に変更されましてね。担任持ってるわけじゃないんで、そうなると暇なんですよね」
 にっこりと、いつもと変わらない笑顔を見せる東野。
 だが、つくしにはその笑顔もいつもと同じようには見えなかった・・・・・。


 「大変なことになりましたね」
 非常階段に出ると、東野がそう切り出した。
「―――東野先生、あれは―――」
「花沢類って、とんでもない人間なんですね」
「え?」
 東野の思ってもない言葉に、つくしは目を見開いた。
「あなたを連れだして、無理やり迫った上にあんな写真を―――。きっと、あなたをものにするためにわざとあんな写真を撮らせて教師を辞めさせようとしてるんですよ。とんでもない奴だ」
「―――花沢類じゃ、ありません」
「そうやってかばいたい気持ちはわかりますが、僕、朝見ちゃったんですよ。スーツを着た男が、朝掲示板にあの写真を張り出すのを。その男は、その後待っていたリムジンに乗り込んで去って行きました。あれは―――」
「違います。花沢類は、そんなことしない。あれは―――東野先生、あなたがやったことじゃないんですか?」
 つくしは、東野を睨みつけた。
 東野は、今までとは違う冷たい笑みを浮かべていた。
「ひどいな。僕を疑うんですか?僕は、あなたのことが好きなんですよ。それなのに、あなたをはめるようなことするわけが―――」
「―――もし、やったのがあなたじゃなくても、そんなことどうでもいいんです」
 つくしの言葉に、東野の顔色がさっと変わった。
「あたしは、花沢類のことを信じてる。花沢類が、決してそんなことする人間じゃないってこと、あたしは知ってるから。東野先生、あなたには申し訳ないことをしたと思ってますけど―――でも、もうあなたとはお付き合いできません」
 そうきっぱりと言い切ったつくしを、東野は真っ蒼な顔で見つめていた。
 その体は小刻みに震え、ぎゅっと握られたこぶしは、白く色を変えていた・・・・・。
「僕は―――あなたと別れるつもりはない」
「あなたにそのつもりはなくても、あたしはもう、お付き合いできないと言ってるんです。本当に申し訳ないんですけど―――」
「―――そんなに、花沢類がいいんですか」
 低い、くぐもった様な声。
 まるで独り言のようなその呟きは、よく聞き取れなくてつくしは東野の顔を見た。
「F4なんて―――単なる親の脛かじり連中じゃないか」
 東野の目が、ぎょろりとつくしを睨んだ。
 突然様子の変わった東野に、つくしは思わず後ずさった。
「こんなに君を想っているのに―――君は、あんな男と!」
 突然つくしに詰め寄り、その手をがしっと掴む東野。

 異常に血走ったその目に、つくしはぞっとして、すぐには身動きすることができなかった―――。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ワンパターン化してますが・・・・・。
 ここで現れるのは誰かな?

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夢のあと vol.9 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「まあでも、実際類が帰ってきて正解だったよな」

 途中、類が会社からかかってきた電話で席を外すと、総二郎がそう言った。
「正解って?」
「もしそのまま流されてあの東野と結婚してたら、お前絶対後悔してたと思うぜ。そう思わねえ?」
 総二郎の言葉に、つくしはぐっと詰まり―――
「でも、あたしだって結婚となれば慎重に―――」
「そうか?意外と流されやすかったんだなって思ったけどな、あいつと付き合い始めた時は。もっとも・・・・・それくらいお前が凹んでたんだって思えば納得もできるけどな」
「なによ、それ」
「気持ちが離れて別れることになったとはいえ、4年も司を待ってたんだ。そんだけ思い入れも深かったはず―――。違うか?それで、別れたからってすっぱり忘れられるってもんでもないだろうが」
 からかうような口調ではない。
 真剣な眼差しでつくしを見つめる総二郎に、つくしは何も言えなかった。
 なんだかんだ言っても、自分と司のことをずっと見守ってきてくれたのだ。
 司の気持ちも、つくしの気持ちもよくわかっているのだろう・・・・・。
「本当は、ちゃんと会って話を聞いてやりたかった。類もあきらも海外だし、優紀ちゃんも結婚して北海道だろ?滋や桜子も海外に行っちまった。お前1人で―――気持ちを持て余してるんじゃねえかと思ってた」
 総二郎の瞳が、優しくなる。
「けど―――。お前に対する気持ちが司や類と違うとは言っても俺がお前と会うことに、類はいい顔しねえからな。それに、お前を慰める役は類の奴にやらせてやりたかったし。これでも結構耐えてたんだぜ」
「何それ」
 総二郎の言葉に、つくしはちょっと笑った。
「ホントに・・・・あいつは、いつもお前の心配ばかりしてたよ。呆れるの通り越して、感心するくらい。仕事だって相当大変だったはずなのに。あいつがそこまで執着するのは、お前が初めてだぜ」
「―――静さんは?」
「静はまた別。あれは、恋してたんじゃなくて単なる憧れだろ。それに気付かせてやったのもお前だ。あの頃から―――類はお前だけを見てた。―――知ってるか?類がテーブル席に移ろうって言った理由」
 急にくすくすと笑いだした総二郎に、つくしは首を傾げた。
「知らない。何で?」
「俺と、お前が隣に座るのが嫌だったんだよ」
 言われた言葉に、つくしは目を瞬かせた。
「は?」
「あの場合、当然お前が真ん中になるだろ?俺とおまえが隣に座ることになれば、肩が触れることだってある。類は、他の男がお前に触れるのが許せねえんだよ」
「そんなこと―――」
「だから、お前に彼氏ができたっつっても、俺がお前に会うことは許さなかった。このままあの教師と結婚してもいいのかって言ったら、『俺が帰るから、総二郎は何もしないで、様子だけ見てて』って言ったんだぜ。相当だろ?しょうがねえから言うこと聞いてやったけど―――こうして帰ってくればそれも解禁。2人きりじゃなきゃいいんだったら、3人で会わせろって言ったんだよ」

 ―――そうか。だから・・・・・

 つくしは、総二郎から電話がかかってきたときの類の様子を思い浮かべた。

 不貞腐れたような、納得いかないような顔をしていた。

 あれは、総二郎に負い目があると思っていたから。
 自分がいない間、ずっと自分の代わりにつくしのことを見守っていた総二郎の言うことを、聞かないわけにはいかないと思っていたのか・・・・・。

 「笑えるだろ?あいつ、相当嫉妬深いぜ。けど―――お前に関しちゃあいつくらい真剣に思ってるやつもいねえ。くっついちまえよ」
「か、簡単に言わないでよ。だ、だいたい、嫉妬深いって―――」
「試してみるか?」
「え?」
 目をぱちくりさせるつくしの手を、総二郎の両手が掴む。
 不思議に思っていると、総二郎はそのままつくしの手を引き寄せ、唇を寄せるとそっと指先にキスを落とした・・・・・。

 「な―――!」
 驚いて手を離そうとしたその時。
 突然つくしのもう片方の腕がグイっと引っ張られて、つくしは席を立たされた。
「花沢類・・・・・」
 そこには、むっと顔をしかめた類が総二郎を睨みつけて立っていた。
「―――総二郎」
 怒気を含んだ類の声に、総二郎は両手を上げておどけて見せた。
「冗談だって。今までずっと見てきたご褒美だと思えよ、な?」
「ご褒美なら、俺が考えるよ。牧野には触んないで」
 そう言うと、類はくるりと総二郎に背中を向け、入り口に向かって歩き出した。
 つくしは呆気に取られ、類に引っ張られるように入り口に向かったが―――

 総二郎の方を振り向くと、総二郎は楽しそうに笑いながら、つくしにウィンクして見せたのだった・・・・・。


 「隙、あり過ぎ」

 店を出て、夜の道をつくしの手を掴んだまま歩きながら、類がそう言った。

 後ろ姿だったが、その声からも類が怒っていることが伝わってきた。
「あ、あれは、西門さんがふざけただけだよ」
「それでも、嫌だ」

 駄々っ子のような類の言葉に、つくしは驚きを隠せずにいた。

 ―――本当に、嫉妬してる・・・・・?

 「ねえ、早すぎるよ、類。もう少しゆっくり歩いて」
 アルコールを飲んだ後にハイペースで歩かされ、つくしは足をもつらせそうになった。

 ぴたりと、類の足が止まる。

 振り向いた類の瞳が、切なげにつくしを見つめていて、思わず胸が高鳴る。
「―――もう、限界なんだ」
「え?何が?歩くの―――」
 つくしの言葉を遮るように、類の腕がつくしの体を引き寄せ―――

 あっと思う間もなく、唇が重ねられた。

 まだ人目もあるということなど、類の頭の中にはなかった。

 いや、最初から人目なんか気にしていなかった。

 ただ、つくしが愛しくて―――

 貪るように、熱い口付けを与えたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 会えなかった時間が長かった分、一緒にいたいと思う気持ちが強くなったのかな。
 類君、ちょっと暴走気味?

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夢のあと vol.8 ~花より男子・類つく~

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 「お、来たな」

 バーに入ると、カウンターに座ってグラスを傾けていた総二郎がにやりと笑って言った。

 久しぶりに会う総二郎は、ますます艶っぽさが増したように見えた。

 「西門さん、久しぶり」
 つくしの言葉に、総二郎は笑みを深くする。
「ああ。1年以上会ってねえもんなあ。けど噂はいろいろ聞いてるぜ。牧野先生」
 からかうような眼差しに、つくしはぷうっと膨れる。
「やめてよ、そういう言い方」
「はいはい。とりあえず2人とも座れば?」
 その言葉に、類がちらりと店内を見渡す。
「いいけど―――テーブルに移動しない?」
 類の言葉に、総二郎はすぐにその意味を察し、にやりと笑った。
「はいよ。まったく、お前も相当だよな」
 そう言いながら席を移動する総二郎。
 つくしも2人に従いながら―――
 席を移動した意味がわからず、首を傾げる。

 4人がけのテーブルにつくしと類が並んで座り、総二郎はその向かい側に座る。

 類とつくしがオーダーを済ませると、総二郎が待ちきれない、とばかりに口を開く。
「で、どうなったわけ?彼氏とは別れた?つくしちゃん」
「え―――西門さん、あたしの彼のこと知ってるの?」
「当たり前。俺は何でも知ってるぜ」
「何それ―――。別れたっていうか・・・・・プ、プロポーズはお断りしたよ」
「は?なんだよそれ。プロポーズは断っといて、まだ付き合いは続けるつもり?」
「だって―――」
「やめた方がいいよ」
 総二郎とつくしの会話に、類が割って入る。
「牧野には、合ってない」
「って―――なんで花沢類がそんなことわかるの」
 むっとしてそう言うつくしを、類が冷静に見返す。
「言っただろ?俺は、牧野よりも牧野のことわかってる。あいつと付き合ってたってどうにもならないよ。早く別れた方がいい」
「ま、俺もそう思うけど―――」
 総二郎が苦笑しながら言う。
「牧野、お前が知らないこと1つ、教えといてやるよ」
「え?」
「お前の彼氏―――あの東野ってやつ、高校生の時に担任の若い女教師をストーカーして、事件起こしたことがあるんだよ」
「事件?」
 つくしは目を丸くした。
 
 ―――東野先生が?

 東野は、つくしの知っている限りとても穏やかでまじめな青年だった。
 今日のような東野は、初めて見る姿でつくしも驚いてはいたけれど―――。

 「よっぽど思いつめてたんだろうな。その教師の1人暮らししてるマンションまで押しかけて、レイプしようとしたんだ。幸い、その教師の婚約者が来て未遂に終わったけど―――。その後、女教師の婚約者が訴えようとしたんだけど女教師の方がそれを止めて和解したんだ。東野はその後転校してる」
「―――どうして、そんなこと西門さんが・・・・・」
「いろんな情報筋があるんだよ。それ以外にも、そいつはストーカーまがいのことを何度かやってる。見た目優しそうだし、爽やかな雰囲気だからみんな最初は騙されんだよ。特に牧野みたいなやつは騙されやすい」
「なに、それ」
「お人好しで、無防備だってことだよ」
 口を挟む類に、つくしはまたむっと視線を向ける。
「無防備?あたしが?」
「そうだろ?―――帰ってきてよかった。俺が来なかったら、そのまま流されて結婚してたんじゃないの?」
 類の言葉にうっと詰まる。
 それは自分でも、否定できない気がしたけれど・・・・・。
 と、総二郎がくすくすと笑いだす。
「ったく、大変だったんだぜ。類がフランスに行ってる間、とにかく牧野から目を離すな、でも絶対2人きりでは会うなって釘さされて」
「ええ?」

 ―――何それ?

 初めて聞く話に、つくしは目を丸くする。
「司と付き合ってる間は、それでも遠慮してたんだろうけど―――。司と別れてからは、毎日のようにメールで牧野の様子を聞いてきやがる。就職先のこと、職場の様子、生徒に変なのはいないのかとか―――そりゃもう、細かいったらねえよ。で、俺が牧野と会うことは許さねえくせに彼氏ができた途端『別れさせろ』とか言うし。無理だろ、それ」
 クックッと笑う総二郎を、類が決まり悪そうに睨む。

 つくしはしばらく口をポカンと開けたまま固まっていたが―――

 「―――何それ!何でそんな―――監視してたの!?」
「心配だったんだろ?あと2年はフランスのはずだったのに、牧野に彼氏ができたって知った途端どうやって画策したのか1ヶ月で帰国しやがった。まったく、普段ぼんやりしてるくせに牧野が絡んだ時のお前の行動力には驚かされるよ」
 総二郎の言葉に、類は肩をすくめる。
「牧野は、放っておくとすぐトラブルに巻き込まれたりするから」
「ちょっと、何それ。だいたい、そんな風に監視されてたなんて全然知らなかった。何でそんなことするの!」
 かっかしてそう声を荒げるつくしを、類は変わらず穏やかな瞳で見つめた。

 「好きだから」

 ストレートな、はっきりとしたその言葉に、つくしは一瞬何も言えなくなる。
 目の前の総二郎が、頬づえをついてつくしを見た。
「類の気持ちはお前が一番よく知ってるだろ?言っとくけど、こいつも好きなものに対する執着はそれこそストーカー並みだからな。簡単に逃げられると思うなよ?」

 脅しにも近い言葉を投げかけられて。

 蛇に睨まれた蛙のような気持にもなるつくしだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 類を蛇だなんて失礼な!
 という話はさておき、今回の総ちゃんはひたすら2人のとりもち役―――かな?

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夢のあと vol.7 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 目の前の東野は、じっとりと絡みつくような瞳でつくしを見つめていた。

 つくしの背中を、冷や汗が伝い落ちる。

 ―――どうしよう。

 そう思った時だった。

 「その手を、離せよ」

 いつの間にか、テーブルの横に立っていた人物が、東野の腕を掴んだ。
「って!」
 東野の顔が痛みに歪む。
 つくしが驚いて見上げると、そこには冷たく東野を見下ろす類が立っていた・・・・・。



 「びっくりした。まさか、あそこに現れるなんて」
 類の車で送ってもらいながら、つくしはそう言った。
「―――迷惑だった?」
 類の言葉に、首を振る。
「ううん・・・・・。東野先生には、本当に悪いことしてしまったけど・・・・・」


 突然現れた花沢類にぎょっとする東野。
 それでも、意地でもあるのか類をキッと睨みつけ
「僕はつくしさんの恋人だ。君は、ただの友達だろう。黙っててくれないか」
 と言い放った。
 が、類は東野を一瞥し、
「牧野、行くよ」
 と言ってつくしの手を引き、席を立たせた。
「る、類―――」
「ちょっと待てよ!まだ話は―――!」
「今、聞いただろ?彼女はあんたとは結婚しない。それで話は終わりだ。牧野は、あんたのものにはならない。あきらめな」
 
 顔を真っ赤にして怒りに体を震わせる東野を残し。

 類とつくしは店を出たのだった・・・・・。


 「おとなしく、見てるつもりだったんだ。ちゃんと別れ話くらいさせてやろうと思って。だけど、あの男が牧野の手をつかんだから―――」
 東野がつくしの手を掴むの見て、咄嗟に体が動いてしまった。

 他の男が、つくしに触れるのを黙って見ていることができなかった。

 結果的に、東野を怒らせてしまったけれど・・・・・

 「あれは・・・・・あたしが悪いから。東野先生が怒ってもしょうがないよ。明日―――ちゃんと、謝るから。花沢類は、心配しないで」
「そう言われても、心配。あの男が、あれですんなり牧野を諦めるとも思えないし。もし何かされたら俺に必ず言って。なんだったら、ほかの学校に転任しても―――」
「そんなこと、できないよ。―――大丈夫。東野先生は悪い人じゃないから―――話せばきっとわかってくれる」
 そう言って笑うつくしを、類は複雑な思いで見つめた。

 相変わらず、わかっているようでわかっていない、鈍感でお人好しなつくし。

 類が、ただ心配しているだけではないということも気づいてはいないのだろう・・・・・。

 その時、類の胸ポケットに入っていた携帯が着信を告げた。

 車を路肩に寄せて止まる。

 画面を見て、その相手に軽く息をつく類。

 それを見て―――
「あの―――あたし、ここで降りるよ」
 自分がいると話しにくいのかと思いそう言えば、ドキッとするほど素早い動きで、類がつくしの手を掴んだ。
「だめ、まだいて」
「でも―――」
「いいから―――もしもし」
 つくしの手を掴んだまま電話に出る類。
 つくしは仕方なくそのまま座っていたが―――
「―――今日?わかった。―――わかってるよ」
 なんとなく、気が乗らないといったような表情の類に、つくしは首を傾げる。
 話し方からみても、仕事の相手ではなさそうだけど・・・・・・。
 電話を切ると、類はつくしのほうに向き直り、口を開いた。
「今日、またあのバーに付き合ってくれる?」
「え―――?」
「総二郎が―――牧野を連れて来いって」

 不貞腐れ気味でそう言う類の、まるで駄々っ子のような表情に、つくしは目を瞬かせたのだった・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 意地っ張りなつくしには、もうひと押しが必要かな?
 というわけで、総ちゃんの登場です♪

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夢のあと vol.6 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 「―――参った」

 つくしは非常階段の手すりにもたれ、盛大なため息をついた。

 結局土曜日は類に家まで送ってもらい、日曜日もほとんど家から出ることなく過ごしたつくし。

 東野から携帯に何度も着信があったけれど、出る気にはなれなかった。

 「牧野の本心知ったからには、俺も遠慮なんてしないから。彼氏の存在なんて俺には関係ないから、覚悟しといて」

 ―――その宣戦布告は何?

 頭がガンガンして、うまく反論することもできなかった。

 ―――あたし、本当にあんなこと言ったの?

 『―――花沢類が好きだって。ずっと―――忘れられなかったって―――』

 類に聞かされて―――

 「そんなこと言ってない!」と慌てて反論しても、類には相手にされず。
 「酔っ払いの戯言だよ」と言っても、「酔ってるからこそ本心が出るものでしょ」と言われ・・・・・。

 類のことは好き。忘れるはずもないし、ずっと会いたいとは思っていた。
 だけど、それはそういう意味ではなくて―――
 だったらどういう意味?
 自問自答して、また頭痛がしてくる。

 「あー、もう、わけわかんない」
 頭をかきむしり、やけくそ気味に叫んだところで、後ろに人の気配が。
「牧野先生、大丈夫?」
 振り向けば、そこには東野が立っていた。
 朝から、何となく避けてしまっていた。
 ここにいることは、すぐにばれてしまうのに―――
「あ―――あの、金曜日はごめんなさい。失礼なこと―――」
「いや―――。あれ、花沢類さん、だよね。F4の1人」
「はい。あの、フランスから帰ってきたこと、あたし知らなくて―――その、久しぶりで―――」
 どういいわけしたらいいのかわからなくて、つい早口になってしまう。
「うん、仲良かったんだよね。びっくりしたけど・・・・・初めてあんな間近で見て、ちょっと感激したな。すごい美形なんだね」
「そ、そうですね・・・・・」
「一瞬、二股かけられてるのかと思ったけど―――確か、牧野先生が付き合ってたのは道明寺司の方だったと思って。彼とは――――仲がいいだけ、だよね?」
 確認するように顔を覗きこまれて。

 つくしは一瞬答えに困り、目をそらせてしまった。

 「牧野先生?」
「あの―――そうです。花沢類は、友達で―――なんて言うか、すごく一緒にいて落ち着く人で―――」
 言っていて、つくしは自分の胸をギュッと押えた。

 胸が痛い。

 本当のこと、のはずなのに―――。

 「牧野先生。今日―――放課後、時間ありますか?」
 東野の言葉に、つくしは顔を上げる。
「え?」
「大事な―――とても大事なお話があるんです。いつもの店で、待ってますから。必ず、来てください」
 そう言うと、東野はさっさと非常階段から出て行ってしまう。
「あ、あの―――」
 つくしの手が、虚しく空を彷徨った・・・・・。


 
 学校の最寄りの駅の、学校とは逆側にある小さな喫茶店。

 そこが、いつもつくしと東野が待ち合わせる場所だった。

 生徒たちのほとんどは送迎車での登下校をしているから、駅で生徒と鉢合わせなんてことはまれなのだが、それでも以前のつくしのような一般家庭の生徒がいないわけではないので、会うときはいつも用心していた。

 店の中の窓際の席。
 そこで、コーヒーを飲んでいた東野がつくしに気付き、手を振る。

 「―――ごめんね、呼び出して」
 東野の優しい言葉に、つくしはぎこちない笑顔で首を振った。
「いえ、そんなこと―――。あの、お話って―――」
「うん、あの―――。とりあえず、何か飲んだら」
「あ、はい」
 つくしは、やってきたウェイトレスに紅茶をオーダーした。

 ほどなく紅茶が運ばれてくるまでの間、東野は一言も発さず。

 何となく気まずい空気が2人を包んでいた。

 紅茶が運ばれ、ゆっくりと口にそれを運ぶつくしをじっと見つめながら、ようやく東野は口を開いた。

 「付き合ってまだ1ヶ月だし、こんな話をしてもどうかと思ったんだけど」
「―――はい」
「―――金曜日にF4を見て、少し焦ってしまって」
「え―――」

 「つくしさん」
 いきなり名前で呼ばれ、つくしはぎょっとして東野を見る。

 東野の瞳が熱っぽく、つくしを見つめていた。
「僕と―――結婚してくれませんか」

 『真剣に付き合ってるなら、当然考えてるんじゃない?真面目な人ならなおさら。彼にプロポーズされたらどうするの?』

 類に言われた言葉が、頭に蘇る。

 目の前の東野は、真剣そのものだ。

 いい加減な答えをするわけにはいかない―――。

 ごくりと唾を飲み、つくしは、口を開いた。
「あの―――ごめんなさい、あたしは―――正直、そこまで考えてなかった、です」
「じゃあ、これから考えてもらえないかな。僕は、真剣に君との結婚を考えてる」
「でも―――」
「付き合うとき、好きな人はいないって言ってたよね?F4もただの友達だって。それに、まだ1ヶ月だけど僕たちはうまくいってた。きっと―――これからもうまくいくと思うんだけど」

 東野の言葉は事実だ。

 事実なのだけれど―――

 「―――ごめん、なさい」
「―――どうして?」
「あたし―――浅はかでした。付き合うときに、もっとよく考えるべきだった・・・・・。東野先生のことは、同じ教師としてすごく尊敬してます。でも・・・・・付き合う前も、今も、それ以上には考えられないんです。同僚以上には―――思えない」
 東野の顔色が、さっと青ざめた。
「本当に、ごめんなさい。今まで優しくしてもらっていたのに―――」
「―――F4のせい?」

 東野の声が、突然低いものに変わった。
「え・・・・・?」
「急にそんなこと言いだすのは、F4と会ったからか?」

 目が、怖かった。

 「それは―――違います。あたしは―――」

 突然、東野の手がつくしの手をつかんだ。

 痛みに顔をしかめるほど、強い力。

 「こんなに―――君のことを思ってるのに―――」

 東野の瞳が、異様なほどぎらぎらと光っていた―――。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 次回からはおいしいところすべて類に持ってかれるので、今回は東野先生に花を―――もたせられなかったけど。が、がんばれ!

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夢のあと vol.5 ~花より男子・類つく~

Category : 夢のあと ~花より男子・類つく~
 ―――花沢類に会いたかったよ。ずっと―――

 ―――でも、会えばきっと甘えてしまうから―――

 ―――弱いあたしを、見られたくなかった―――

 ―――ずっと―――会いたかったよ―――


 途中からはよく覚えてない。

 泣きじゃくってしまったあたしを落ち着かせようと、花沢類に勧められたカクテルを飲んだ。

 思いのほかおいしくて、飲みすぎてしまったかもしれない。

 

 ガンガンと痛む頭を抑えつつ、起き上がる。
「った・・・・・きもちわる・・・・・」
 ふらふらとベッドから出て、部屋を見渡して―――ようやく気付く。

 「―――ここ、どこ・・・・・?」

 自分の部屋じゃないことはすぐに分かった。

 こんな広くてきれいな部屋、自分の部屋のわけない。

 そして殺風景なほどもののないこの部屋は―――

 「おはよ。気分どう?」

 そう言って入ってきたのは、花沢類だった―――


 「だいぶべろべろに酔っぱらってたからね。うちに連れてきた。覚えてないでしょ?」
「―――全然。ほんっとごめん。迷惑かけて―――」
 つくしの言葉に、類は優しく笑った。
「俺は楽しかったよ。あんなにべろべろに酔っぱらう奴、初めて見たかも」
「意地悪な言い方」
 むっと口を尖らせるつくしに、類はますますおかしそうに笑った。
「牧野が変わってなくて嬉しいよ。綺麗になったと思ったけど―――中身が昔のまんまだ」
「化粧がうまいってこと?」
「ばか。そうじゃないよ」
 類が笑うのをやめ、つくしを見つめる。
 突然見つめられて、つくしの胸が高鳴る。
「な、なによ」
「―――変わってないのは中身。やっぱり牧野は牧野だ。昔の―――俺が好きだった牧野だ」

 まっすぐに見つめる、ビー玉のような瞳。

 変わっていないのは花沢類の方。

 そう言おうとしても声にならない。

 類の繊細な手が、つくしの頬に触れた。

 ピクリと震えるつくし。

 「花沢類、あたしは―――」

 「俺、まだあきらめてないよ」

 「―――え?」

 にっこりと、無邪気な笑み。
 昔と変わらないその笑みで、類は続けた。
「俺の気持ちは、少しも変わってない。昔のまま―――まだ、牧野が好きだよ」
 つくしの目が、驚きに見開かれる。
「―――ちょっと―――待って。あたし、付き合ってる人が―――」
「知ってる。でも、本当に好きなわけじゃない」
「―――好きじゃないわけじゃない。いい人だし、まじめだし・・・・・ちゃんと、大事にしてくれてる」
「じゃ、彼と結婚するつもり?」
「結婚て―――」
「真剣に付き合ってるなら、当然考えてるんじゃない?真面目な人ならなおさら。彼にプロポーズされたらどうするの?」
「どうするって―――」
「真剣に付き合ってるなら―――牧野だって、考えておかなくちゃいけないんじゃないの?」

 つくしは反論することもできず―――

 相変わらず自分を見つめる穏やかな瞳をじっと見返していた。

 「―――類って、そういう人だよね」
「俺が?どんな人?」
「人が答えにくいこと―――そうやってズバリ切り込んでくる。あたしがなんて答えるかも―――大体、わかってるんでしょ?」
「―――たぶん、牧野よりも牧野のことわかってるよ。ずっと、見てきたからね」
「1年以上離れてたのに?」
「それくらいで、中身まではなかなか変わらないものじゃない?―――答えにくいなら答えなくてもいいよ。昨日、ちゃんとその答えは聞いてるから」
「は?」
 目を丸くするつくしに、くすりと笑いながら。
「べろべろに酔っぱらってたけど、話してたのは本心でしょ?」
「あ、あたし、何を―――」
 さーっと青くなるつくし。

 そんなつくしを楽しそうに見つめながら。

 類は、その口を開いた。

 「―――花沢類が好きだって。ずっと―――忘れられなかったって―――」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 嘘か真か?
 類のペースにはまったら、そう簡単には抜けられないでしょう。

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