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*このブログは名探偵コナン・ごくせん・花より男子・君に届け&ゲーム(ラブレボ・新撰組など)の二次小説のブログになります。
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ご主人様! vol.9 ~花より男子・類つく~

Category : ご主人様! ~花より男子・類つく~
「類・・・・・」


類のお父さんはちょっと驚いたように目を見開き、再びあたしを見た。


「じゃあ、このお嬢さんがお前の言っていたーーー」


「新しいメイドの牧野だよ」


類が、まるでお父さんの言葉を遮るように言った。


「そうか。君が・・・・・」


そう言ってあたしをじっと見つめるその視線に、あたしはなんだか居心地が悪くなってくる。


「あ、あの・・・・・」


「父さん、いつまでもこんなとこにいていいの?」


類の言葉に、はっとしたようにあたしから視線を外す。


「ああ、そうだった。いや、来てすぐにちょっと苦手な人物と顔を合わせそうになったものだから、慌てて逃げてきたんだ」


そして、またあたしの方を見ると、今度はにこりと穏やかに笑った。


「それでは牧野さん、わたしはこれで失礼するよ。仕事、頑張ってくれたまえ」


「は、はい。ありがとうございます」


そう言って頭を下げ―――


また顔を上げた時には、その姿は会場へと消えていたのだった。


その瞬間、あたしの体からは力が抜け、ほ―――っと長い溜息をついたのだった。


そんなあたしを見て、類がくすりと笑う。


「緊張した?」


「もんのすごい、した!」


そう言ってから、あたしは類をじろりと睨んだ。


「―――お父さんが来るなら来るって、先に言っておいてよ!」


「言わなかったっけ?これ、うちの両親の主催だって」


「それは聞いたけど!類がほぼ取り仕切って、お父さんは最後にちょっと顔出すだけだって!だから顔はあわさないって!」


「うん、でも俺、『たぶん』って言ったでしょ?」


しれっとそう言う類に、あたしは二の句が告げず―――


「さ、これ飲んで。ちょっと休めば落ち着くよ」


にっこりと天使の笑顔でシャンパンを差し出され―――


あたしは素直にそれを受け取った。


―――もう、反発する気にもなれないや。


だいたい、花沢類に勝てるはずないんだから。


なんでって、そりゃあ類には悪気が一切ないから。


その笑顔と、ビー玉のような透き通った瞳に。


あたしはきっとずっと敵わないんだよね・・・・・。


「―――もう父さんが来たから、俺は帰ってもいいと思うんだけど―――ちょっと、挨拶しなきゃならない人がいるんだ」


「類―――じゃなかった、ご主人様が?」


「うん。俺の手掛けた仕事で親交のできた人だから―――あ、あれかな。ごめん牧野。ここで休んでて。すぐ終わらせるから」


「あ、うん、気にしないで、いってらっしゃい―――」


と言っている間に、類の姿は見えなくなってしまった。


―――やっぱり、なんだかんだ言っても花沢家の跡取りだよね。


ちょっと浮世離れしているようで、自分の仕事はしっかりしているところはさすがだと思った。


そんなところを見ると、やっぱり自分とは別世界の人間のような気がしてくる。


ふと、道明寺のことを思い出しそうになって、慌てて頭を振った。


と、その時―――


「お前、何してんの?」


その声に驚いて顔を上げれば、そこにいたのは―――


「美作さん!?なんでここに?」


そこにいたのは、黒いスーツをスマートに着こなした美作さんだった。


「なんでって、俺、招待客だし」


「そ、そうなの?」


類は何も言ってなかったけど―――


知らなかったのかな・・・・・?


「ま、予定では親父が来ることになってたんだけど、海外から帰ってくるのが遅れちまって、急きょ俺が来ることになった」


「そうなんだ」


「そのドレス、可愛いじゃん。なんかお前っぽくねえけど」


「―――やっぱり?」


「いや、けど似合ってるよ。お前って意外とピンク似合うのな。普段から着ればいいのに」


「それは・・・・・恥ずかしいし・・・・・」


顔をひきつらせるあたしに、美作さんはおかしそうに笑う。


「お前のそんな姿見られただけでも今日は来た甲斐あったな。そろそろ帰ろうかと思ってたんだけど―――なぁ、1曲踊らねえ?」


美作さんの言葉に、あたしは驚いて目を剥く。


「む、無理!ダンスなんてできないよ!」


「心配すんな。俺がリードうまいの知ってるだろ?」


「でも―――」


「いいから、来いよ」


そう言ったかと思うと、美作さんはあたしの腕を掴み、会場へと足を踏み入れた。




一瞬、周りがざわついた気がした。


曲に合わせて、美作さんがステップを踏む。


あたしの腰に腕を回し、体を引き寄せながら耳元であたしに指示をする。


「右、左、そう―――うまいじゃん、その調子」


なんだか耳元に囁かれる声がくすぐったいけれど―――。


リードのうまさはさすがだった。


そうして、ダンスに集中しかけた時だった。


周りが再びざわついたかと思うと、突然後ろから腰に手を回され、グイと引き寄せられた。


「キャッ?」


思わず声を上げると―――


「―――何してんの、あきら」


それだけで、かなり機嫌が悪いとわかるほど低い声が、あたしの頭上から聞こえてきたのだった・・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 やっぱりパーティーと言えばダンス。
 ダンスと言えばあきら。
 あきらのリード・・・・いいなぁ・・・・・

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ご主人様! vol.8 ~花より男子・類つく~

Category : ご主人様! ~花より男子・類つく~
「じゃ、この部屋で着替えて」


パーティー会場であるホテルに到着し、連れて来られたのはなぜか最上階のスウィート。


「え―――着替えって?」


「会場で、ずっと俺についてるのにそのメイド服でいるつもり?逆に目立つでしょ。大丈夫。ちゃんと牧野に似合うやつ見繕っといたから」


にっこりといつもの笑顔で見送られ、あたしは言われた部屋へと入った。


そしてそこに用意されていたドレスを身につけたのだけれど―――




「―――牧野、まだ?もうすぐ時間だけど」


「ちょ、ちょっと待って―――ねえ、本当にこれでいいの?なんか派手・・・・・」


そう言ったとたん、ガチャリと扉が開けられた。


「―――何だ、もう終わってるんじゃん。何が派手?普通に可愛いよ?」


「そ・・・そうかな・・・・」


あたしは顔をひきつらせつつ、自分の姿を見下ろす。


可愛いベビーピンクのミニドレス。


裾がふわっと広がった、まるでアイドルが着そうな感じにも見える―――。


「―――本当にこれ着て行くの?」


「当たり前でしょ?ああ、でも牧野はあくまでもメイドとして俺の傍にいてもらうから、ルールはいつもどおりでね」


「ルールって・・・・」


「もちろん」


そこで類はにっこりと笑って。


「俺のことは、ご主人様って呼んで」





―――――わかってますとも。


あたしはあくまでもメイドなんだから。


雇い主である類の言うことは絶対。


「―――絶対俺から離れないでね」


そう言われれば、そうするのがあたしの仕事なわけで。


だけど、会場に入った途端感じるのは嫉妬に燃える女性たちの痛いほどの視線。


さりげなくダンスを誘いに来る女性たちを、澄ました顔でけむに巻く類。


そのたびに、やっぱり殺気のこもった視線を向けられるのはあたしなわけで・・・・・


30分も経った頃には、あたしはすっかり疲れてしまっていた。



「―――少し休む?バルコニーに行こうか。飲み物持ってくるから、先に行ってて」


「あ、飲み物ならあたしが―――」


「いいって」


そう言ってさっさと飲み物をとりに行く類。


―――って、あたし、メイドとして来てるのに・・・・・。


がっくりと肩を下ろしながら、仕方なくバルコニーに向かう。




「―――何の為に来たんだか」


バルコニーの手すりにもたれ、あたしは天を仰いだ。


要するに―――


類としては、ダンスを迫る女性を避けるために、あたしを傍に置いておきたかったってことなんじゃないだろうか。


だから、メイド服じゃなくって、こんなドレスを着せたんじゃないだろうか。


別に、類のためだったらそれくらいしたっていい。


いつもあたしのことを考えてくれている類だから。


だから、あたしが類のためにできることなら何だってしようって思う。


だけど、なんでだろう?


胸に、何かが引っかかって、どこか息苦しいような気がして仕方ない。


それが何なのか・・・・・


その時のあたしには、わからなかった。




「おや、先客かな」


突然声がして、あたしはびっくりして振り向いた。


そこに立っていたのは、ロマンスグレーの背の高い男の人で、あたしを不思議そうな顔で見つめていた。


その瞳はどこかで見たことがあるようで―――


目が合った瞬間、あたしはドキッとした。


「失礼。誰かいるとは思わなかったものだから―――。君は、1人かい?」


「あ―――いえ、あの・・・・」


あたしが答えようと口を開いた時、会場の方からまた1人、バルコニーに出てきたのが見えた。


「お待たせ、牧野。シャンパンでいい――――――」


類はシャンパングラスを両手にあたしに向かって笑いかけながら近寄ってきたけれど―――


あたしの前にいた男の人を見て、ぴたりと足を止めた。


「―――――父さん・・・・・」


その言葉に、あたしは驚いてその人と類を見比べたのだった。


―――この人が、類の・・・・・?




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 やっぱり毎日更新とはいかなくて・・・・・
 でも、書きたいことはたくさんあるんですよ。
 総つくも、そのうちまた書きたいですね~


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ご主人様! vol.7 ~花より男子・類つく~

Category : ご主人様! ~花より男子・類つく~
「ごーーーご主人、様」


思わず顔がひきつるのを感じる。


「全然駄目だな」


西門さんの容赦ないダメ出しに、あたしはがっくりと肩を落とした。


「俺だったら、即効クビにしてる」


「だって・・・・・相手が花沢類だと思うと、どうしても―――」


「あほか。お前がちゃんと働きたいって言いだしたんだろ?雇い主は類だ。類の命令は絶対。んなこと、わかってただろ?」


「うん・・・・・」


言われてみれば当然な話で。


仕事と割り切れば簡単な話なのだろうけど。


目の前に、あの花沢類がいるかと思うと、どうしても『照れ』が出てしまってうまく言うことができない・・・・・。


「意識し過ぎなんだよ、お前は。ま、どんな言い方だってちゃんと『ご主人さま』っていいさえすれば類がお前をクビにすることなんかねえだろうけどな」


「そ、そうかな」


「当たり前だろ?類の方が、お前を傍に置きたくてお前をメイドにしたんだぜ?お前が辞めたいって言ったって素直に辞めさせる気なんかねえだろ、あいつは」


にやりと笑う西門さんに、あたしは何も言えなかったのだった・・・・・。




「え――――パーティー?」


その日は、類が帰ってくる前に類の部屋の掃除をしていた。


いつもだったら大学が終わると類の車で一緒にここへ来るのだけれど、今日は類が仕事だというので、あたしだけ先に来ていたのだった。


「ん。うちの両親の主催するパーティーなんだ。俺も出ないわけにはいかない」


「そうなんだ」


ま、そういうのも大変だよね。


必ずしも、類はそういうの得意じゃないみたいだし。


だけど、以前見たパーティーの時の類はめちゃくちゃかっこよかったけど・・・・・


「牧野も、出席して」


「―――へ?なんで?」


「一緒にいて欲しいから。ま、うちの主催だからシェフはじめ、うちの人間を使う予定なんだけど」


―――あ、そういうこと。


「じゃあ、あたしはメイドとしてお手伝いすればいいの?」


「そういうことだね。でも、牧野は俺の専属だから。基本、俺の傍にいてくれればいい」


そうなんだ。


でも・・・・・


まさか、メイドと主がパーティーでダンスってことにはならないだろうしね。


料理をとったり、飲み物をとったりすればいいのかな?


それだったら別にむずかしいこともないだろうけど。


そんなことを考えながら掃除を続けていたあたしは。


類が、意味深な笑みを浮かべ、あたしをじっと見つめていることに気付かなかった・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 セレブと言ったらパーティー?みたいなね。
 庶民の私にはそんな想像くらいしかできませんわ。

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ご主人様! vol.6 ~花より男子・類つく~

Category : ご主人様! ~花より男子・類つく~
「―――よし、と」


花沢邸で、あたしはメイド服に着替え身だしなみを整えた。


―――でも、やっぱり。


類と話すだけでお給料をもらうなんて、間違ってる気がする。


頭が固いって言われるかもしれないけど―――




あたしは類の部屋に入るなり、切り出した。


「あたしに、仕事をちょうだい」


その言葉に、類が目を瞬かせた。


「これが、牧野の仕事でしょ?」


「わかってるけど・・・・・類とおしゃべりするのが仕事なんて、働いてる気がしないの。こんなんでお給料なんてもらえないよ。もっと、ちゃんと働きたいの」


あたしの訴えに、類はしばし考え込んでいたけれど―――


「―――わかった。じゃあ、俺の食事は牧野が作って」


「食事?」


「うん。といっても、うちにもシェフはいるし、シェフの仕事を取り上げるわけにはいかないから、牧野に作ってもらうのは1品だけ。その代わり、俺が好きなものだけ作って」


「―――それだけ?」


「不満?じゃあ・・・・・俺の部屋の掃除、してもらおうかな」


「掃除、ね。あとは?」


「後は・・・・・そうだなあ。基本、俺の言うことを聞くってのが原則だけど・・・・・特にこれだけは守らなきゃいけないってことを決めようか」


にっこりと笑う類。


その笑顔に、何となく嫌な予感がする。


「どういうこと?」


「簡単なことだよ。この家の中では、俺のことを『ご主人さま』って呼ぶこと」


「ご―――ご主人様?」


いや、主人には違いないし。


あたしはメイドなんだし。


当然といえば当然だけど―――


でも、花沢類を、『ご主人さま』って・・・・・?


「そ。これは絶対。もし守らなかったら―――」


「ま、守らなかったら・・・・・?」


「罰ゲーム、してもらおうかな?」


天使の微笑み。


眩しいほどの笑顔で、さらっとそんなことを言われ・・・・・


あたしは、一瞬眩暈を感じた気がした・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あ、なんかB&Sっぽい雰囲気が・・・・・
 向こうもいろいろ更新しなくちゃとは思ってるんだけど・・・・・
 もうしばらく待っててくださいね~


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ご主人様! vol.5 ~花より男子・類つく~

Category : ご主人様! ~花より男子・類つく~
「そりゃあお前、類にうまく丸めこまれたに決まってるじゃねえか」


翌日の大学で、カフェテリアでくつろいでいた美作さんの向かいに座る。


「大体、そんなことすぐにわからなかったのか?」


美作さんの言葉に、あたしはうっとつまる。


「だって・・・・・」


まさか、あたしと話したいがためにそんなことまでするなんて思わないし。


それに―――


あの、ビー玉のようなきれいな瞳に見つめられちゃうと・・・・・


「相変わらずお前は類に甘いな」


と、あたしの思考を読みとったとばかり、美作さんが首を振る。


「まあでも、いいんじゃねえの?」


「何が?」


「お前、あれからずっと働き通しだっただろ?少し休んで・・・・ゆっくりしたって、罰は当たらねえだろ?お前と一緒にいたいっていうのもあんだろうけど、そういう意味もあってのことだと思うぜ?」


にやりと笑う美作さん。


―――そう、かもしれない。けど・・・・・。


「でも、それでお給料までもらっちゃうなんて・・・・・」


「それはたぶん、お前を納得させるためと親の手前―――ってとこじゃねえのか?メイドとして雇うって言えばお前も納得するだろうし、毎日女の子を連れ込んでるなんてことになればさすがに類の親も黙ってねえだろうから、新しいメイドを雇ったってことにしたかったとか」


「えー?そんな・・・・・」


その時だった。


「何勝手な話作ってんの、あきら」


と、すぐ後ろで声がして―――


「よお、類。今日は早いな」


驚くでもなく、美作さんがにやりと笑う。


「いつもだったら総二郎が迎えに行くまで寝てるのに」


「今日は、牧野も来るって言ってたから―――」


―――なるほど、と美作さんが呆れたように笑う。


あたしは、何となく恥ずかしくなって、美作さんから目をそらす。


そんなあたしの顔を覗き込んで。


「おはよう」


にっこりと微笑むから、あたしはドギマギとしてしまう。


「お、おはよう」


そして、そのままあたしの隣に座った。


「で、総二郎は?今日もおまえんち行ってから来るって言ってたけど」


美作さんの言葉に、類は肩をすくめた。


「さあ。俺はそんな話、聞いてないし」


「―――まったく、薄情者だよなあ、類くんは」


そう言って、突然後ろからあたしに覆いかぶさってきたのは―――


「うわっ?な、何?」


「人が毎日心配して迎えに行ってやってたっていうのに―――」


そう言いながら、なぜかあたしを後ろからぎゅっと抱きしめる西門さんに、あたしはあたふたする。


「ちょ、ちょっと、西門さん!」


「類を懲らしめるには、この方法が一番―――」


「―――いや、それ逆効果だと思うぜ?総二郎・・・・・」


美作さんの顔が引きつる。


そして、あたしの隣からは真っ黒なオーラが・・・・・


「―――総二郎。今すぐ離れないと―――殺すよ?」


あまりにも穏やかな―――それでいて低すぎるその声に、西門さんがパッと一瞬であたしから離れたのは言うまでもない・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 どういう展開にしようか?
 ちょっと迷いがあるときにはこの2人に登場してもらうのが1番!


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ご主人様! vol.4 ~花より男子・類つく~

Category : ご主人様! ~花より男子・類つく~
『ご主人さまのいうことは絶対だよ?』


そう言ってにっこりと微笑んだ類。


だけど、別に厳しいことを言われたわけじゃない。


『俺の前では敬語は使わないこと。2人の時は、いつも通りの牧野でいること。俺の前では、メイドの仕事は忘れて。自分のことは自分でやるし、特にやってもらわなきゃいけないこと、ないから』


『――――えーと・・・・じゃあ、何であたしを雇ったの?』


あたしの言葉に、類は楽しそうに笑った。


『牧野に、傍にいて欲しかったから。言ったでしょ?俺、牧野がいないとだめなんだ。傍にいてくれさえすればいい』


『で、でも、それじゃあ他のメイドさんたちがなんていうか―――』


確かに房乃さんは、『ご主人さまのいうことは絶対』と言っていたけれど。


でも、さすがに何も仕事をしないメイドなんて―――


『大丈夫。牧野と会えない時の俺を知ってるから、きっとみんな何も言わないよ』





―――どういう意味?


そんなあたしの問いに答えてくれたのは、帰りに類が車をとりに行っている間、あたしに屋敷内を案内してくれていたメイドの祥子さんだった。


祥子さんは25歳の女性で、花沢家のメイドになって5年ということだった。


最初は住み込みだったけれど、今は結婚して通いでメイドをしているとのことだった。


そんな祥子さんが、教えてくれたのだ。


「本当に、ここ3ヶ月くらいの間の類様はまるで人が変わってしまわれた様だったわ。というより―――わたしがここにお勤めして間もないころの類様に近かったかしら」


「昔の・・・・・」


「ええ。部屋に閉じこもりっきりで、西門様や美作様がお迎えにいらしたときだけ大学へお出かけになって―――滅多にお話もなさらないし、もちろん笑ったりもしてませんでしたわ。どこかお悪いんじゃないかと、私どもはそれはそれは心配して―――。旦那さま―――類様のお父様のお仕事を時々手伝ってらしたんですけど、そのお仕事さえも手につかないご様子で―――。お食事の量も減って―――このままでは本当にご病気になられてしまうんじゃないかしらと思っていましたの。それが、先日久しぶりにご機嫌に帰ってらして―――『新しいメイドが来るから』っておっしゃられたんです。それが―――」


「あたし・・・・・?」


「ええ。『牧野には、俺にずっとついててもらうから。牧野のことは俺に任せて、何か問題があったら必ず俺に先に言って』っておっしゃったんです」


それからはずっとご機嫌で、お食事もすすんで―――


嬉しそうにそう話す祥子さんに、あたしはふつふつと沸いていた疑問をぶつけずには居られなかった。


「あ、あの―――急に辞めたメイドさんがいるって聞いたんだけど―――あたしは、その人の代わりだって・・・・・」


「え?ああ、そういえば1月ほど前に辞められたメイドがいましたわね。急に、というわけではありませんでしたけど。彼女はおめでたでしたから、もう3ヶ月前には決まってましたわ」


「え・・・・・」


「それに、彼女の仕事は特に類様付きというわけではありませんでしたし、いなくなったからと言って急に困るというものでもなかったですから」


―――ということは・・・・・・


あたし、まんまとはめられた・・・・・ってこと?


「牧野、お待たせ」


ちょうど花沢邸の、無駄に広い庭へ出た時。


類が、車のキーを手に笑顔でやってきた。


「家まで送るから、帰ろう」


「それでは牧野さん、お疲れさまでした。また明日、よろしくお願いしますね」


祥子さんの笑顔に見送られ、あたしは類の後について歩き出したけれど―――


考えてみれば、家の主人がメイドを車で送るなんてのも妙な話だ。


房乃さんの言葉といい、祥子さんの嬉しそうな様子といい。


やっぱりこれは。


花沢類の、思うツボ――――



その事実に、あたしは思わず溜息をついたのだった・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 本当にゆっくりの進行で、すいません。
 ここから、つくしの反撃が始まるのか、総二郎とあきらの登場はあるのか、まだまだ考え中なのですが・・・・・。
 気長に見守ってくださいね~。


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ご主人様! vol.3 ~花より男子・類つく~

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「似合うね、メイド服」


類がにっこりと笑う。


黒いふんわりしたワンピースに白いエプロン。


正統派のメイド服といった感じ。


「そ、そうかな。なんかコスプレみたいで―――」


気恥ずかしくなってそう言うと、類はくすくすと笑った。


「うん、そう見えなくもない」


「やっぱり?」


溜息をつくあたしに、類は優しく微笑み、すっと手を伸ばしてあたしの隣にあったソファーを示した。


「座ったら?」


「そんなわけには・・・・・仕事中だから」


「だから」


「え?」


「房乃さんに、ここに来る前なんて言われた?」


「なんてって・・・・・確か、ご主人様の言うことは絶対って・・・・・」




制服に着替え、身だしなみを整えるあたしをじっと見ながら、房乃さんは言ったのだ。


「仕事は、徐々に私や他のメイドにつきながら覚えて行ってください。最初は誰でも失敗するものですから、焦らなくてもいいですよ。類様は滅多に怒られたりしませんし、あまり固くなりすぎなくても大丈夫です」


「はい」


「でも・・・・・」


そこで、房乃さんの目が、優しいものからふと真剣なものに変わった。


「ご主人さまの言うことは絶対です。これだけは、肝に銘じておいてくださいね―――」




「そう。今、この家の主である両親はフランスへ行っている。だから、今はこの家のご主人さまは俺ってこと」


類の言葉に、あたしは頷いた。


「うん。あ、はい」


つい、気安く話してしまっていたけど、それってまずいよね。


と、類はくすくす笑う。


「別に、いつもどおりでいいよ。俺といるときはね」


「そ、そうなの?」


「うん。言ったでしょ?今は俺が牧野のご主人さま。だから、ここにいる間は俺の言うことは絶対。わかった?」


「う、うん・・・・・」


なんとなく、いやな予感がした。


なんだか、類がものすごく楽しそうにしてるのが、気になるんだけど―――


「―――これで、ようやく牧野とゆっくり話ができる」


「え・・・・・」


「気付いてたよ。牧野がずっと俺を避けてたこと」


「―――――!」


類の言葉に、あたしは目を見開いた。


「司と別れて―――俺らに気を使ってるんだなっていうのもわかってた。最初は、牧野の好きにさせようって思ってた。総二郎もあきらもそう言ってた。だけど―――いつまでたっても牧野は俺を避けたまま。いい加減、俺の方がどうにかなりそうって思った」


「ど、どうにかって、そんな大げさな・・・・・」


「本当だよ。牧野に会えない間、ほとんど何も手につかなかった。このまま、牧野の方から会いに来てくれるとも思えなかったし。だから、我慢するの、やめたんだ」


じっと、穏やかにあたしを見つめる類の瞳。


ビー玉のようにきれいな瞳は、穏やかで―――だけど、見つめられると目をそらすことができないほど、強くて、熱い・・・・・


あたしは、その瞳に囚われてしまったように、その場から動くことができずにいた・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

暖かいコメント、ありがとうございます。
ずっと休んでいたのに、いつも見に来ていただいて本当に感謝しています。
仕事の忙しさもあったのですが、ちょっと行き詰ってしまったというのもあってなかなか書けずにいました。
もともと二次小説についてはいろいろ意見もあるでしょうし、それをあれこれ考えたところで仕方ないと思ってました。
深く考えるのは苦手です。
気楽に、自分が書きたいものを書いていきたいと思ってました。
そして他の方の書いた二次小説を読むことも楽しみの1つだったのですが、ある時期からそれができなくなりました。
自分がたくさん書いてきた中で、ときには批判されたこともあるのですが、わたしは批判されるようなことは何もしていないのだからと、気にしていませんでした。
でも、いろいろな二次小説を読んでいると、時々あれ?と思うことがありまして。
ちょっともやもやし始めて、それから他の方の二次小説は読まなくなって、自分の創作意欲も薄れてしまって。
深く考えるのが苦手なので、そうなる前に、放棄してしまう癖があるんですね。
人の批判はしたくないです。
それは自分が批判されるよりももっと寂しくなります。
ちょっと時間をおいて、また書きたいと思うようになったのは、半年の間コメントやメールで温かい言葉をかけてくださった皆さんがいたからです。
たぶんこれからも他の方の二次小説は読まないと思いますが、自分が書きたいと思った時には何も考えず書きたいことを書いて行こうと、今はそう思ってます。

長くなってしまいましたが、今、わたしが伝えたいと思ったことを正直に書かせていただきました。
いつもありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!

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ご主人様! vol.2 ~花より男子・類つく~

Category : ご主人様! ~花より男子・類つく~
道明寺と別れて3ヶ月。


あたしは、がむしゃらに働いていた。


学費のこともあったし、F3と顔を合わせづらいというのもあった。


花沢類が、あたしのことを心配してくれているのも知っていたけど―――


だけど、どんな顔をして会えばいいのか。


何を話したらいいのか。


あたしにはわからなかった。


それから―――


類の顔を見てしまったら、また類に甘えてしまいそうな自分がいやだった。


だけど、同じ大学に通っていて、向こうはあたしに会おうとしていて。


そんなに逃げていられるもんでもなくて。


1週間前、あたしは3カ月ぶりに花沢類と顔を合わせることになったのだ・・・・・。





「会いたかった」


満面の笑みでそう言われて、あたしは顔が熱くなるのを感じていた。


―――やばい。類って、こういう人だった。


「ご―――ごめん、バイトが忙しくって―――」


「うん、知ってる。相変わらず頑張ってるなって思ってた」


優しく微笑む類に、あたしの胸がチクリと痛む。


「て、店長がさ、きっつい人で、たくさん働きたいって言ったら本当にたくさんシフト入ってて・・・・・全然休む暇ないの。いくらなんでも詰め込み過ぎで、嫌がらせかって感じ―――」


「ふーん。辞めたいの?」


「そういうわけじゃないけど―――でも、きつい割にはお給料安いし、他にいいバイトがあればやめてもいいかなあ。あ、でも探す時間ないんだけどね」


あははとわざとらしく笑って・・・・・


そんな会話をした1週間後、レストランでのアルバイトを終えて外に出たあたしの前に類が現れた。


そして、言われたんだ。


『うちで働かない?』


と・・・・・・・





「よろしくお願いします」


「うん、こちらこそ」


類の家で、メイド用の制服に着替えたあたしは、類の部屋へ連れていかれた。


「では、牧野さんには類様の身の回りのお世話をお願いしますね」


にっこりと微笑んだのはあのたま先輩とは正反対のとても穏やかな優しそうな女性で―――


「房乃さん、今日は誰か来る予定ある?」


類の言葉に、房乃さんは軽く頭を下げながら言った。


「いいえ。今日は特にそのようなお約束はありません」


「そう。じゃ、牧野のことは俺に任せてくれる?」


「かしこまりました。それでは―――」


そう言って再び深く頭を下げると、房乃さんは部屋を出て行ったのだった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 久しぶりの連載で、手探り状態で進んでます。
 キャラがぶれないよう、気をつけなきゃ~~~


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ご主人様! vol.1 ~花より男子・類つく~

Category : ご主人様! ~花より男子・類つく~
「うちで働かない?」


唐突に、花沢類にそう言われ、あたしはしばし固まった。


「うちで働いてたメイドが1人辞めちゃって。新しく募集するのとか面倒くさいし、牧野が来てくれると嬉しいんだけど」


「えっと・・・・・でもあたし、今バイトやってるし・・・・・」


「やめたいって言ってなかった?」


「そ、それは、あのときはちょっと店長と喧嘩しちゃって―――」


慌ててそう言うあたしに、類はにっこりと笑った。


「うちなら、その店の倍出すよ?給料」






「―――なるほど。金に釣られたか」


「やっぱり牧野だな」


うんうんと頷き合う西門さんと美作さんに、あたしは思わず立ち上がる。


「そうじゃなくって!類が、本当に困ってるみたいだったから仕方なく―――」


「ま、そういうことにしといてやるよ」


にやりと笑う西門さん。


その、何もかも見透かしたような顔に腹が立つけど。


この2人にこれ以上言ってもね・・・・・。


あたしは溜息をつき、再び芝生に腰を下ろした。


「―――切実なの!パパがまた、勤め先クビになっちゃって・・・・・」


「って、こないだ決まったばっかりじゃん。しかもお前んとこ、また引っ越したって」


美作さんの呆れた口調に、あたしはまた深い溜息をついた。


「だから、超切実なんだってば。たぶん―――だから類も、そう言ってくれたんだと思う。ちょうどその話した後だったから」


「―――けど、類にしてみりゃ逆にチャンスだと思ったのかも」


西門さんの言葉に、あたしは目を瞬かせた。


「へ?なんで?」


「そりゃお前、バイトバイトでなかなか会う時間もねえし。自分とこで働くことになればいつでも会えるし?変な虫も寄って来ねえしな」


「ああ、そりゃあ類はそのつもりだろ。あいつ、最近牧野欠乏症だったからな」


「何それ」


「お前に会えなくっておかしくなりそうだった―――てか、なってた。ありゃ、やべえよ。昔のまったく笑わなかったころの類、思い出したぜ」


美作さんの言葉に頷く西門さん。


あたしの胸が、どきんと音をたてた。


―――類と、会った時のことを思い出していた。


―――『牧野!』


嬉しそうに笑って、あたしの名前を呼んだ類。


その笑顔に、胸が高鳴って・・・・・


あたしは、その場から動けなくなってしまったんだ・・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 お久しぶりです!
 半年ぶりかな?
 ちょっとまた類つくを書きたくなって、戻ってきました。
 ゆっくりの更新になると思いますが、時々見に来てくださいね♪


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