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ご主人様! vol.19 ~花より男子・類つく~

Category : ご主人様! ~花より男子・類つく~
「わたしは、君に類と結婚してほしいと思ってるんだ」

穏やかなその声に、わたしはすぐに応えられなかった。

「最初に君の話を聞いたときは、正直どうして類が君を選んだのかわからなかった。きっと長続きはしないだろと思っていたんだ。だが、予想に反して類は君を離さなかった。―――君に、初めて会ったあの日、わたしは類に言うつもりだったんだよ。きみとは別れなさいと」

ドクン

いやな、音・・・・・

「でも言わなかった。いや、言えなかった。きみの姿を・・・君の目を見たら」

「わたしの・・・・・?」

「わたしは、昔から類に厳しく接していた。それこそ、母親に甘えたい年頃だった時に母親から遠ざけ、習い事をさせ、朝から夜まで勉強させた。元々病弱だった類を、そのまま甘やかせばきっとだめな人間になる。そう思ったから必要以上に厳しくしていたんだ。その結果―――類は、わたしたち親にも笑顔を見せない、言葉も発することができない、そして泣くことさえしない―――まるで人としての感情をなくしたような人間になってしまったんだ」

出会ったばかりの頃の、花沢類。

人のことに無関心で、目の前で起こっていることを感情のない目で見つめてた・・・・・

あの時の類に、あたしは惹かれたけど・・・・・

「君が、類を変えてくれた」

「わたしは、何も・・・・」

「いや。君がいなければ類には花沢を任せることはできなかっただろう。そして・・・・その類がまたおかしくなり始めたと聞いていた」

「おかしく?」

「そうだ。昔のように、感情を現すことのない、無関心、無気力な類。いったい類に何があったのか。それを調べさせようとした矢先・・・・君が、我が家でメイドとして働き始めたと聞いたんだ」

類のお父さんはそう言って、穏やかな眼差しをあたしに向けた。

「それから、類は目に見えて変わった。仕事への姿勢も変わってきた。それでも私はまだ信じられなかったよ。たった1人の女性の存在が、類をそこまで変えるなんて・・・・とね。それが、あの夜に確信に変わった。類を変えたのは君だ。類には君が必要なんだと」

「あの・・・・ありがとうございます。嬉しいです。でも、あたしは卒業するまでは・・・・」

「うん、わかってるよ」

そう言って、類のお父さんは楽しそうに笑った。

「まったく、君も類も頑固だよ。類に君と無理やりにでも結婚してしまえと言ったら、類が・・・・はじめてわたしに対して怒ったんだよ」

「え・・・・・」

類が、お父さんに・・・・?

「類にとって、君はただ一人の女性で、君の意思は自分の意思だと。だから、わたしの意見には従えないと。それはもう断固として揺るがない口調だった。おかげで、その後類はわたしと口もきいてくれないよ」

「ええ・・・・・」

「だから、わたしはターゲットを君に変えることにしたんだ」

「わたしは、でも」

「うん、だから、それはいいんだ、もう」

「はい?」

「類に話そうと思ったんだが、全く聞く耳を持ってくれないからね。結婚してくれとは言わない。結婚式を、あげてほしいんだ」

「つまり・・・・」

「そう。取引先に納得してもらえるような立派な結婚式を挙げ、類にとって君が最上の女性だということをわかってもらう。籍を入れるのは先でいいし、相手が納得して商談がまとまれば、君にはまたメイドとして働いてもらっていいんだ。今回の商談は・・・・とても大切なんだ。花沢にとっても、類にとっても・・・・」

そう言うとお父さんはゆっくりと立ち上がり、そのまま深く深く、頭を下げたのだった。

「この通りだ。類と―――結婚式を挙げてほしい」




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ゆっくり更新ですいません。
拍手の方でもこちらでも、コメントいただきありがとうございます。
楽しみにしてくださってる方がいることに感謝しかありません。
なんとか最後まで、2人のストーリーをお届けできたらと思っています。



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